JP3924546B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、結像レンズにより撮像素子の受光面に被写体の画像が結像されるようになっている撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、カメラ搭載携帯電話等の携帯情報端末には撮像装置が用いられるが、この種の撮像装置では、一般に、結像レンズによって、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子の受光面上に被写体の画像が結像されるようになっている。かかる従来の撮像装置では、結像レンズは、例えば、単レンズで構成され、あるいは複数(例えば2枚)のレンズで構成されている(例えば、特許文献1〜3及び非特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−183578号公報(段落[0010]、図1)
【特許文献2】
特開2001−296473号公報(段落[0010]、図1)
【特許文献3】
特開平9−304695公報(段落[0008]、図1)
【非特許文献1】
石塚、小林「非常に高い入射角までの、球状画像表面上への双曲面単レンズの焦点合わせ(A Hyperboloid Single Lens Focusing on a Spherical Image Surface up to Very High Angles of Incidence)」オプティカル・レビュー(OPTICAL REVIEW)、1996年、第3巻、第5号、p.365−368
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば特許文献1〜3または非特許文献1に開示されている従来のこの種の撮像装置では、画角による結像距離の違いにより像面湾曲が生じるとともに、色による結像距離の違いにより色収差が生じるといった問題がある。そこで、さらに複数の補正用レンズを設けて像面湾曲および色収差を補正するといった対応が考えられるが、このようにすると、撮像装置が大型化し、例えば、小型化・薄型化がとくに強く求められるカメラ搭載携帯電話に搭載するのが困難になるといった問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、像面湾曲および色収差が低減ないしは解消された、小型ないしは薄型の撮像装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる撮像装置は、結像レンズ(撮像装置用レンズ)により撮像素子の受光面に被写体の画像が結像されるようになっている撮像装置において、結像レンズが1群の色消しレンズ(アクロマティックレンズ)で構成され、かつ撮像素子が、その受光面が結像レンズ(被写体側)に対して凹面状となるように湾曲していて、結像レンズと撮像素子との間に凹レンズが配置されていることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の比較例および実施の形態を具体的に説明する。
比較例
以下、本発明の比較例にかかる撮像装置を説明する。まず、第1比較例として、色収差を補償するためにアクロマティックレンズ(色消しレンズ)を用い、像面湾曲を補償するために撮像素子を湾曲させている撮像装置について説明する。
図1は、第1比較例にかかる撮像装置の側面断面図である。図1に示すように、第1比較例にかかる撮像装置は、被写体側からの光線を受ける第1群レンズ10(結像レンズ)と、第1群レンズ10を透過した光を受け、光電変換して電気信号を出力する撮像素子30とを備えている。
【0008】
第1群レンズ10は、第1群第1のレンズ11と第1群第2のレンズ12とで構成され、第1群レンズ10を透過した光線40は撮像素子30の受光面に集光される。かくして、この撮像装置においては、被写体側からの光線は、第1群第1のレンズ11および第1群第2レンズにより、撮像素子30の受光面に結像される。なお、図1においては、光線40は、撮像素子30に対して光軸より上側の部分のみが図示されているが、光軸より下側の部分も同様である。
【0009】
ここで、第1群第1のレンズ11と第1群第2のレンズ12とは、下記の色消し条件を満たす、いわゆる色消しレンズ(1群2枚構成)であり、両レンズ11、12は接着剤等により張り合わされている。例えば、第1群第1のレンズ11の材料をアクリルとし、第1群第2のレンズ12の材料をポリカーボネイトとすれば、下記色消し条件を満足できる。
【0010】
(色消し条件)
C線、d線およびF線の屈折率を、それぞれ、nC、ndおよびnFとすると、アッベ数νdは次の式1で表される。
【数1】
νd=(nd−1)/(nF−nC)…………………………………式1
ここで、凸レンズの焦点距離およびアッベ数をそれぞれf1およびν1とし、凹レンズの焦点距離およびアッベ数をそれぞれ−f2およびν2とすると、色消し条件は、次の式2で表される。
【数2】
f1・ν1=−f2・ν2………………………………………………式2
【0011】
なお、第1群第1のレンズ11および第1群第2のレンズ12の各入射面および各出射面はそれぞれ非球面であり、数値計算により最適化されている。また、撮像素子30は、その受光面が第1群レンズ10(すなわち、被写体側)に対して凹面状となるように湾曲している。なお、撮像素子30の湾曲の曲率半径は、例えば4mmに設定される。
【0012】
図2は、この撮像装置の第1群レンズ10における、460nm、550nmおよび630nmの波長の光についての画角と結像位置との関係、すなわち像面湾曲の度合いを示している(図2では、サジタル方向のみ図示)。図2によれば、この第1群レンズ10では、いずれの波長の光についても結像位置がほぼ一致しており、色収差が補償されていることがわかる。また、画角0°と画角30°とでの結像位置の差すなわち像面湾曲は約20μmであり、非常に小さいことがわかる。なお、後記のとおり、結像レンズとして単レンズを用いる場合の画角0°と画角30°とでの像面湾曲は、約200μmである。
【0013】
次に、この第1群レンズ10を、130L/mm(ラインペア/mm)の解像度を有する撮像素子30と組み合わせて用いる場合について説明する。なお、「L/mm」は、白黒の1組の画素を1L(ラインペア)とする、画素ピッチの1/2の値である。130L/mmの場合、画素サイズは約3.8μmとなる(1mm/(130×2)≒0.0038mm=3.8μm)。この場合、例えばVGAでは、受光サイズは2.4mm(水平方向)となる(0.0038mm×640=2.4mm)。したがって、200万画素であれば、6.2mm(水平方向)の撮像素子に相当する(0.0038mm×1620=6.2mm)。
【0014】
図3(a)〜(c)に、それぞれ、460nm、550nmおよび630nmの波長の光についての、種々の画角における、第1群レンズ10と撮像素子30との間の距離(焦点ずれ)と、OTF係数ないしMTF(Through Focus MTF)との関係を示す(サジタル方向のみ図示)。なお、図3(a)〜(c)において、横軸では、平均的な結像位置が0mmとして表されている。
【0015】
図3(a)〜(c)から明らかなとおり、460nm、550nmおよび630nmの波長の光のいずれについても、画角が種々異なっているのにもかかわらず、MTFが高い位置、すなわち結像位置がほぼ一致している。したがって、第1群レンズ10と撮像素子30との間の距離を固定しても、全ての画角で結像位置が同一となり、全ての画角で良好なMTFが得られることがわかる。また、全ての波長で結像位置が一致しているので、鮮明な画像が得られることがわかる。よって、図1に示すレンズ構成の撮像装置では、130L/mmの撮像素子に対して十分な解像度が得られることがわかる。
【0016】
ところで、図1に示す撮像装置では、色消しレンズである第1群レンズ10は、第1群第1のレンズ11と第1群第2のレンズ12とが張り合わされたものであるが、両レンズ11、12は互いに独立した別体のレンズであってもよい。
【0017】
また、一般に、撮像素子30への光線40の入射角が大きくなると、撮像素子30自体の構造により、受光領域に到達する光量が減少する。しかし、第1比較例にかかる撮像装置では、図1から明らかなとおり、画角の大きい成分の撮像素子30への入射角は小さくなっている。これは、図1に示す撮像装置では、画角の大きい成分の減光が少なくなることを示している。
【0018】
実施の形態
以下、図10〜12を参照しつつ、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置を説明する。なお、実施の形態1にかかる撮像装置は、第1比較例にかかる撮像装置と多くの共通点を有し、第1比較例と共通の構成要素については、基本的には、第1比較例における説明が当てはまる。要するに、実施の形態1にかかる撮像装置では、色収差を補償するためにアクロマティックレンズ(色消しレンズ)を用い、像面湾曲を補償するために撮像素子を湾曲させた上で、さらに撮像素子の湾曲曲率を大きくするために光路長補正用の凹レンズを組み込んでいる。
【0019】
図10は、実施の形態1にかかる撮像装置の側面断面図である。図10に示すように、実施の形態1にかかる撮像装置も、第1比較例にかかる撮像装置と同様に、第1群第1のレンズ11と第1群第2のレンズ12とで構成される第1群レンズ10(結像レンズ)と、その受光面に入射された光線40を光電変換して電気信号を出力する撮像素子30とを備えている。
【0020】
さらに、実施の形態1にかかる撮像装置は、第1群レンズ10と撮像素子30との間に配置された第2群レンズ20を備えている。ここで、第2群レンズ20は、単一の凹レンズである第2群第1のレンズ21(単レンズ)で構成されている。なお、図10においては、光線40は、撮像素子30に対して光軸より上側の部分のみが図示されているが、光軸より下側の部分も同様である。
【0021】
実施の形態1にかかる撮像装置においては、被写体側からの光線は、第1群第1のレンズ11および第1群第2のレンズ12と、第2群第1のレンズ21とにより、撮像素子30の受光面に結像される。ここで、第1群第1のレンズ11と第1群第2のレンズ12とは色消しレンズ(1群2枚構成)であり、両レンズ11、12は接着剤等により張り合わされている。また、第1群第1のレンズ11と第1群第2のレンズ12とは、第1比較例における前記の色消し条件を満たす関係にある。
【0022】
前記のとおり、第2群レンズ20を構成する第2群第1のレンズ21は、単一の凹レンズである。なお、第1群第1のレンズ11、第1群第2のレンズ12および第2群第1のレンズ21の入射面および出射面は非球面であり、数値計算により最適化されている。また、撮像素子30は、第1群レンズ10ないし第2群レンズ20(被写体側)に対して、その受光面が凹面状となるように湾曲している。ここで、撮像素子30の湾曲の曲率半径は、例えば20mmに設定される。
【0023】
図11は、実施の形態1にかかる撮像装置の結像レンズ(第1群レンズ10および第2群レンズ20)における、460nm、550nmおよび630nmの波長の光についての画角と結像位置との関係、すなわち像面湾曲の度合いを示している(図11では、サジタル方向のみ図示)。図11によれば、この結像レンズでは、いずれの波長の光についても結像位置がほぼ一致しており(20μm以内)、色収差が補償されていることがわかる。また、画角0°と画角30°とでの結像位置の差すなわち像面湾曲は約60μmであり、かなり小さいことがわかる。なお、前記のとおり、単レンズを用いる場合の画角0°と画角30°とでの像面湾曲は、約200μmである。
【0024】
次に、この結像レンズを、130L/mmの解像度を有する撮像素子30と組み合わせて用いる場合について考える。
図12(a)〜(c)に、それぞれ、460nm、550nmおよび630nmの波長の光についての、種々の画角における、第2群レンズ20(第2群第1のレンズ21)と撮像素子30との間の距離(焦点ずれ)と、OTF係数ないしMTFとの関係を示す(サジタル方向のみ図示)。なお、図12(a)〜(c)において、横軸では、平均的な結像位置が0mmとして表されている。
【0025】
図12(a)〜(c)から明らかなとおり、460nm、550nmおよび630nmの波長の光のいずれについても、画角が種々異なっているにもかかわらず、MTFが高い位置、すなわち結像位置はほぼ一致している。したがって、第1群レンズ10と撮像素子30との間の距離を固定しても、全ての画角で結像位置が同一となり、全ての画角で良好なMTFが得られることがわかる。また、全ての波長で結像位置が一致しているので、鮮明な画像が得られることがわかる。よって、実施の形態1にかかるレンズ構成の撮像装置では、130L/mmの撮像素子に対して十分な解像度が得られることがわかる。なお、色消しレンズである第1群レンズ10は、互いに独立した別体のレンズであってもよい。
【0026】
実施の形態1にかかる撮像装置では、第1比較例にかかる撮像装置と比べて、湾曲した撮像素子30の曲率を大きく設定している(曲率が大きい方が平面に近づく)。つまり、実施の形態1にかかる撮像装置では、実際に撮像素子30を湾曲させることができる曲率には限界(下限)があることから、該撮像素子30の曲率を補うために、第2群レンズ20(第2群第1のレンズ21)を挿入している。したがって、実施の形態1にかかる撮像装置は、第1比較例にかかる撮像装置に比べてレンズ枚数は増えるものの、より実用的な構成であるといえる。
【0027】
なお、撮像素子30への光線の入射角が大きくなると、撮像素子30自体の構造により、受光領域に到達する光量が減少する。図10と図4とを比較すれば、画角の大きな成分の撮像素子30への入射角が小さくなっていることがわかる。これは、図10のレンズ構成の方が、画角の大きな成分の減光が少なくなることを示す。
【0028】
以上、実施の形態1にかかる撮像装置でも、基本的には、第1比較例にかかる撮像装置と同様の作用・効果が得られる。さらに、撮像素子30の曲率をより大きくすることができ、該曲率が1群レンズ構成での理想曲率に到達しない場合でも、上記作用・効果を得ることができる。さらに、画角の大きな成分の減光が少なくなる。
【0029】
以下、図10に示す実施の形態1にかかる撮像装置の光学的特性を、1枚のレンズからなる結像レンズと平板状の撮像素子とを備えた撮像装置の光学的特性と比較する。
図4に、第2比較例として、第1群レンズ10が第1群第1のレンズ11のみで構成されたいわゆる単レンズ構成(1群1枚構成)のものであり、かつ撮像素子30が平板状である撮像装置を示す。なお、図4においては、光線40は撮像素子30に対して光軸より上側の部分のみが図示されているが、光軸より下側の部分も同様である。
【0030】
図4に示すように、第2比較例にかかる撮像装置では、被写体側からの光線は、第1群第1のレンズ11のみにより撮像素子30に結像される。なお、第1群第1のレンズ11の入射面および出射面は非球面であり、数値計算により最適化されている。
【0031】
図5は、第2比較例にかかる撮像装置の第1群レンズ10における、460nm、550nmおよび630nmの波長の光についての画角と結像位置との関係、すなわち像面湾曲の度合いを示している(図5では、サジタル方向のみ図示)。図5によれば、第2比較例にかかる撮像装置用レンズでは、画角0°と画角30°とで約200μmの像面湾曲が発生していることがわかる。また、460nm、550nmおよび630nmの波長の光のいずれについても、それぞれ、約20μmの色収差が発生していることがわかる。
【0032】
次に、この第1群第1のレンズ11を、130L/mmの解像度を有する撮像素子30と組み合わせて用いる場合について説明する。
図6(a)〜(c)に、それぞれ、460nm、550nmおよび630nmの波長の光についての、種々の画角における、第1群第1のレンズ11と撮像素子30との間の距離(焦点ずれ)と、OTF係数ないしMTFとの関係を示す(サジタル方向のみ図示)。なお、図6(a)〜(c)において、横軸では、平均的な結像位置が0mmとして表されている。
【0033】
図6(a)〜(c)から明らかなとおり、460nm、550nmおよび630nmの波長の光のいずれについても、画角の違いによりMTFが高い位置すなわち結像位置が異なる。したがって、第1群第1のレンズ11と撮像素子30との間の距離を固定すると、ある画角では結像するが、他の画角ではMTFが低くなり、像がぼやけることがわかる。また、色収差の影響により、同じ画角でも結像位置が異なることがわかる。このため、このようなレンズ構成を備えた第1比較例にかかる撮像装置では、130L/mmの撮像素子30に対しては、MTFが低く、十分な解像度が得られない。つまり、第2比較例にかかるレンズ構成では、明るく(F値2.8以下)、高解像度(100万画素以上)で、広角(水平画角40度以上)の撮像装置を実現することはできない。
【0034】
以下、図10に示す実施の形態1にかかる撮像装置の光学的特性を、第1群第1のレンズと第1群第2のレンズとで構成された第1群レンズと、平板状の撮像素子とを備えた撮像装置の光学的特性と比較する。
図7に、第3比較例として、第1群レンズ10が第1群第1のレンズ11と第1群第2のレンズ12とで構成された色消しレンズ(1群2枚構成)であり、撮像素子30が平板状である撮像装置を示す。なお、図7においては、光線40は撮像素子30に対して光軸より上側の部分のみが図示されているが、光軸より下側の部分も同様である。
【0035】
図7に示すように、第3比較例にかかる撮像装置では、被写体側からの光線は、第1群第1のレンズ11および第1群第2のレンズにより、撮像素子30の受光面に結像される。ここで、第1群第1のレンズ11と第1群第2のレンズ12とは、前記の色消し条件を満たす関係にある色消し構成のレンズであり、両レンズ11、12は接着剤等により張り合わされている。なお、第1群第1のレンズ11および第1群第2のレンズ12の入射面および出射面は非球面であり、数値計算により最適化されている。
【0036】
図8は、第3比較例にかかる撮像装置の第1群レンズ10における、460nm、550nmおよび630nmの波長の光についての画角と結像位置との関係、すなわち像面湾曲の度合いを示している(図8では、サジタル方向のみ図示)。図8によれば、この第1群レンズ10では、上記3種の波長の光のうち、波長550nmの光と波長630nmの光とでは、結像位置がほぼ一致しており、これらの間での波長の色収差は補償されていることがわかる。ただし、波長460nmの光では、他の波長の光と約20μmの色収差が発生している(設計上、色収差抑制のみを最適化パラメータとしていないため)。また、第1比較例の場合と同様に(図5参照)、画角0°と画角30°とでは約200μmの像面湾曲が発生している。
【0037】
次に、この第1群レンズ10を、130L/mm(ラインペア/mm)の解像度を有する撮像素子30と組み合わせて用いる場合について説明する。
図9(a)〜(c)に、それぞれ、460nm、550nmおよび630nmの波長の光についての、種々の画角における、第1群レンズ10と撮像素子30との間の距離(焦点ずれ)と、OTF係数ないしMTFとの関係を示す(サジタル方向のみ図示)。なお、図3(a)〜(c)において、横軸では、平均的な結像位置が0mmとして表されている。
【0038】
図9(a)〜(c)から明らかなとおり、460nm、550nmおよび630nmの波長の光のいずれについても、画角の違いによりMTFが高い位置すなわち結像位置が異なる。したがって、第1群レンズ10と撮像素子30との間の距離を固定すると、ある画角では結像するが、他の画角ではMTFが低くなり、像がぼやけることがわかる。ただし、図9(a)〜(c)を図6(a)〜(c)と比較すれば、第3比較例では、第2比較例に比べて、画角が大きい成分ではMTFの最大値が大きくなっている。これにより、色消し構成の第1群レンズ10によってレンズそのものの解像度が向上することがわかる。
【0039】
また、波長550nmの光と波長630nmの光とでは、ほぼ光学的特性は一致している。しかし、色収差の影響により、波長630nmの光は、他の波長と比べて、同じ画角でも結像位置が異なることがわかる。したがって、このようなレンズ構成の第3比較例にかかる撮像装置では、130L/mmの撮像素子30に対しては、MTFが低く、十分な解像度が得られないものの、第2比較例よりは光学特性が改善されていることがわかる。なお、第3比較例にかかる撮像装置において、第1群レンズ10を構成する両レンズ11、12を張り合わせず、独立した別体のレンズで構成した場合も同様である。
【0040】
なお、図示していないが、第1群レンズ10が第1群第1のレンズ11のみで構成されたいわゆる単レンズ(1群1枚構成)であり、撮像素子30が第1群第1のレンズ11に対して凹面状に湾曲している場合は(第4比較例)、撮像装置の解像度は高くなるものの、色収差の問題は残る。このため、色補正を行う必要がある。
【0041】
このように、色消し構成でない単レンズと平板状の撮像素子とを用いた撮像装置(第2比較例)はもとより、色消し構成のレンズと平板状の撮像素子とを用いた撮像装置(第3比較例)、あるいは、色消し構成でない単レンズと湾曲した撮像素子とを用いた撮像装置(第4比較例)でも、実施の形態1にかかる撮像装置と同等に解像度を高め、像面湾曲および色収差を有効に低減ないしは解消することはできない。
【0042】
これに対して、第1群第1のレンズ11と第1群第2のレンズ12とからなる色消し構成の第1群レンズ10と、湾曲した撮像素子30とを備えた実施の形態1にかかる撮像装置では、解像度が高く、像面湾曲および色収差が有効に低減ないしは解消されるので、小型化ないしは薄型化を十分に図ることができる。この作用・効果は、色消し構成のレンズの作用・効果と、湾曲した撮像素子の作用・効果の相加的な作用・効果ではなく、色消し構成の第1群レンズ10と湾曲した撮像素子30とを組み合わせることによって、新たに生じる顕著な作用・効果である。
【0043】
【発明の効果】
本発明にかかる撮像装置は、結像レンズが1群の色消しレンズで構成され、撮像素子が湾曲しているので、色収差を低減することができるとともに、各画角でのMTFを向上させることができる。また、色収差および像面湾曲を低減ないし解消することができる。さらに、画角の大きな成分の減光を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1比較例にかかる撮像装置の側面断面図である。
【図2】 図1に示す撮像装置における、画角と像面湾曲との関係を示すグラフである。
【図3】 (a)、(b)および(c)は、それぞれ、図1に示す撮像装置における、460nm、550nmおよび630nmの波長の光についての、レンズと撮像素子との間の距離(焦点ずれ)とOTF係数(MTF)との関係を示すグラフである。
【図4】 本発明の第2比較例にかかる撮像装置の側面断面図である。
【図5】 図4に示す撮像装置における、画角と像面湾曲との関係を示すグラフである。
【図6】 (a)、(b)および(c)は、それぞれ、図4に示す撮像装置における、460nm、550nmおよび630nmの波長の光についての、レンズと撮像素子との間の距離(焦点ずれ)とOTF係数(MTF)との関係を示すグラフである。
【図7】 本発明の第3比較例にかかる撮像装置の側面断面図である。
【図8】 図7に示す撮像装置における、画角と像面湾曲との関係を示すグラフである。
【図9】 (a)、(b)および(c)は、それぞれ、図7に示す撮像装置における、460nm、550nmおよび630nmの波長の光についての、レンズと撮像素子との間の距離(焦点ずれ)とOTF係数(MTF)との関係を示すグラフである。
【図10】 本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の側面断面図である。
【図11】 図10に示す撮像装置における、画角と像面湾曲との関係を示すグラフである。
【図12】 (a)、(b)および(c)は、それぞれ、図10に示す撮像装置における、460nm、550nmおよび630nmの波長の光についての、レンズと撮像素子との間の距離(焦点ずれ)とOTF係数(MTF)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 第1群レンズ、 11 第1群第1のレンズ、 12 第1群第2のレンズ、 20 第2群レンズ、 21 第2群第1のレンズ、 30 撮像素子、 40 光線。
Claims (1)
- 結像レンズにより撮像素子の受光面に被写体の画像が結像されるようになっている撮像装置において、
結像レンズが、1群の色消しレンズで構成され、
かつ、撮像素子が、その受光面が結像レンズに対して凹面状となるように湾曲していて、結像レンズと撮像素子との間に凹レンズが配置されていることを特徴とする撮像装置。
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