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JP3923128B2 - リヤシートバック用アームレストのリッドのロック構造 - Google Patents

リヤシートバック用アームレストのリッドのロック構造 Download PDF

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JP3923128B2
JP3923128B2 JP07209297A JP7209297A JP3923128B2 JP 3923128 B2 JP3923128 B2 JP 3923128B2 JP 07209297 A JP07209297 A JP 07209297A JP 7209297 A JP7209297 A JP 7209297A JP 3923128 B2 JP3923128 B2 JP 3923128B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リヤシートバック用アームレストのリッドにおいて、部品点数及び組み付け工数を削減できるロック構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、自動車には、図4(A)に示すように、リヤシートバック1のアームレスト2を前倒させたとき、図4(B)に示すように、リッド3のロックを解除してトランクルームのスルー開口4を開けるようにしたものがある。
【0003】
上記のようなリッド3では、キーを掛け忘れたドアから車室内に侵入した者が車室側から解除レバー5をアンロック操作してリッド3を開け、トランクルーム内の荷物を盗むという犯罪が発生している。
【0004】
この種の盗難を防止するために、リヤトランクルームのトランクリッドをキー等で開けて、トランクルーム側からダイヤル等6を予めアンロック操作しなければ、車室側から解除レバー5をアンロック操作してもリッド3を開けることができないようにしたものが提案されている(実公平5−33382号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のロック構造では、ダイヤル等6の操作部材の他に、ハウジング部材やロックピン等の部品が必要であるから、部品点数が多くて組み付け工数も増加して、コスト高になるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、部品点数及び組み付け工数を削減できるリヤシートバック用アームレストのリッドのロック構造を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、リヤシートバックのアームレストを前倒させたとき、リッドのロックを解除してトランクルームのスルー開口を開けるようにしたアームレストのリッドであって、上記リッドに、車室側から操作可能な解除レバーがスライド可能に取り付けられ、この解除レバーは、中央部がリッドの軸部で支持された略Ω字状のワイヤースプリングの両端部でロック方向に付勢されて、上記解除レバーをアンロック方向にスライド操作したとき、スルー開口の内縁部から解除レバーが外れてロックが解除されるようにする一方、上記リッドの軸部は、トランクルーム側から回転操作可能な盗難防止用ダイヤルの軸部であり、この軸部に形成したリング溝にワイヤースプリングの中央部が嵌入してダイヤルが抜け止めされると共に、このリング溝の底部に形成した角軸部でダイヤルの回転に節度が与えられるようにするとともに、上記ワイヤースプリングの両端部が上記解除レバーのスライド操作を許容する長さのリッドの円弧状長穴を貫通して、ダイヤルの内面に形成した円弧状長溝に係合し、この長穴には、ダイヤルをロック位置に回転させたとき、上記解除レバーのアンロック方向のスライドに伴って移動するワイヤースプリングの両端部を係止する係止部が形成されていることを特徴とするリヤシートバック用アームレストのリッドのロック構造を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、図4の従来技術と同一構成・作用の箇所は同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0009】
図1及び図2に示すように、トランクルームのスルー開口4を開閉するリッド8の車室側の上部8aには、解除レバー9を上下方向にスライドガイドする一対のレール溝部8b,8bが形成されて、解除レバー9を上動(ロック方向)させたときは、上端部9aがスルー開口4の内縁部4aに係合してリッド8が閉じ位置でロックされると共に、解除レバー9を下動(アンロック)させたときは、上端部9aが内縁部4aから外れてロックが解除され、リッド8をA方向に開けれるようになる。
【0010】
上記リッド8の上部8aには、盗難防止用ダイヤル10の軸部10aがトランクルーム側から車室側に貫通して回転自在に嵌合する嵌合穴8cがあけられている。
【0011】
上記ダイヤル10の軸部10aには、車室側に貫通した部分にリング溝10bが形成されると共に、このリング溝10bの底部には、図3(A)に示すように、例えば、90度の角度の四角軸部10cが形成されている。
【0012】
上記ダイヤル10の内面には、リッド8の上部8aに90度の角度で形成した円弧状長穴8dに嵌入するストッパーピン部10dが設けられて、このストッパーピン部10dが長穴8dの一方の端部に当接するアンロック位置(図3(A)参照)と、長穴8dの他方の端部に当接するロック位置(図3(B)参照)との間でダイヤル10を回転操作できるようにしている。
【0013】
上記ダイヤル10の軸部10aのリング溝10bには、車室側から略Ω字状のワイヤースプリング11の中央部11aを嵌入して、ダイヤル10がトランクルーム側へ抜けないように抜け止めする。また、リング溝10bに嵌入したワイヤースプリング11の中央部11aは、四角軸部10cに当接するので、ダイヤル10の90度の回転に節度が与えられる。上記ワイヤースプリング11は、中央部11aを軸部10aのリング溝10bに嵌入することにより、軸部10aで支持されるようになる。
【0014】
上記ワイヤースプリング11の両端部11b,11bは、上記解除レバー9のスライド操作を許容する長さに設定したリッド8の円弧状長穴8f,8fをそれぞれ貫通して、ダイヤル10の内面に形成した円弧状長溝10e,10fにそれぞれ係合させている。
【0015】
上記解除レバー9の内面には、上記ワイヤースプリング11の両端部11b,11bに対応する断面略U字状の突起9b,9bを形成して、この各突起9b,9bを両端部11b,11bにそれぞれ当接させることにより、解除レバー9がロック(上動)方向に付勢されるようになる。
【0016】
上記ダイヤル10の円弧状長溝10e,10fには、ダイヤル10を図3(A)のアンロック位置から図3(B)のロック位置に、図中左回りに90度で回転させたときに、解除レバー9のアンロック方向のスライドに伴って、突起9b,9bで下動されるワイヤースプリング11の両端部11b,11bを係止して、それ以上に下動しないようにする係止部10g,10gがそれぞれ形成されている。即ち、図中左側の長溝10eの係止部10gは、長溝10eの一側端縁から内方へ突出させた凸部であり、図中右側の長溝10fの係止部10gは、長溝10fの下端縁である。
【0017】
なお、上記リッド8の車室側の上部8aには、図1に示したように、上動ストッパー突起8gと下動ストッパー突起8hとが形成されて、解除レバー9の内面のストッパー突起9cを上動位置と下動位置とで当て止めるようになっている。
【0018】
上記のようなロック構造であれば、組み付け時には、リッド8の嵌合穴8cにトランクルーム側からダイヤル10の軸部10aを嵌合させて、車室側からワイヤースプリング11の中央部11aを軸部10aのリング溝10bに嵌入すると共に、両端部11b,11bを長穴8f,8fを貫通させて、ダイヤル10の長溝10e,10fに係合させる。
【0019】
その後、解除レバー9をリッド8のレール溝部8b,8bに嵌入しながら、ストッパー突起9cを上動ストッパー突起8gと下動ストッパー突起8hとの間にリッド8を撓ませながら無理入れする。
【0020】
そして、図2のリッド閉じ状態から解除レバー9をアンロック(下動)方向にスライド操作すると、上端部9aがスルー開口4の内縁部4aから外れてロックが解除され、リッド8をA方向に開けることができるようになる。
【0021】
また、リッド8を開けた状態で解除レバー9のスライド操作をやめると、解除レバー9はワイヤースプリング11の両端部11b,11bの付勢力でロック(上動)方向にスライドする。この状態でリッド8をB方向に閉じ操作すると、解除レバー9の上端部9aの斜面9dがスルー開口4の外縁部4bの斜面に当接して、解除レバー9がワイヤースプリング11の付勢力に抗して自然に下動されながら、ワイヤースプリング11の付勢力で上動し、上端部9aが内縁部4aに係合して、リッド8が閉じ位置でロックされるようになる。
【0022】
このとき、ダイヤル10がアンロック位置に回転操作されているとすると、図3(A)のように、解除レバー9のアンロック方向のスライド操作に伴って、突起9b,9bでワイヤースプリング11の両端部11b,11bが押し下げられるが、ダイヤル10の長溝10e,10f内を移動するだけであるから、解除レバー9のスライド操作に支障が全くない。
【0023】
一方、リッド8を閉じた状態で、トランクルーム側からダイヤル10をロック位置に回転操作すると、長溝10e,10fの係止部10g,10gがワイヤースプリング11の両端部11b,11bに近接するようになる。なお、リヤシートバック1が前倒式であるときは、リヤシートバック1を前倒させて、車室側からダイヤル10をロック位置に回転操作することができる。
【0024】
この状態で、解除レバー9をアンロック(下動)方向にスライド操作しても、このスライド操作に伴って突起9b,9bで下動するワイヤースプリング11の両端部11b,11bが長溝10e,10fの係止部10g,10gで係止されるから、解除レバー9をそれ以上にスライド操作できなくなる。これにより、リッド8を開けることができないので、スルー開口4からトランクルーム内の荷物を盗まれなくなる。
【0025】
上記ロック構造では、リッド8の解除レバー9をロック方向に付勢するワイヤースプリング11の中央部11aをダイヤル10の軸部10aで支持し、両端部11b,11bを解除レバー9に掛け止めて、解除レバー9を1本のワイヤースプリング11でロック方向に付勢することができる。
【0026】
また、ダイヤル10の軸部10aのリング溝10bにワイヤースプリング11の中央部11aを嵌入することでダイヤル10が抜け止めされると共に、リング溝10bの底部の四角軸部10cでダイヤル10の回転に節度が与えられるようになる。さらに、ワイヤースプリング11の両端部11b,11bをダイヤル10の長溝10e,10fに係合させることにより、ダイヤル10をアンロック位置に回転させたときに、車室側から解除レバー9をアンロック操作できなくなるから、ワイヤースプリング11に、解除レバー9の付勢、ダイヤル10の抜け止め、節度、解除レバーのアンロック操作の係止の各機能を持たせることができるので、1個のダイヤル10を設けるだけ盗難防止ができるようになり、従来構造と比べて、部品点数及び組み付け工数が削減できてコスト安になる。
【0027】
なお、図1の下部分に一部を図示したように、ワイヤースプリング11の中央部11aと両端部11b,11bの間に応力緩和用のループ部11c,11cを形成すると、ワイヤースプリング11の折り曲げ部分に過大な応力が加わらなくなるので、ワイヤースプリング11の耐久性を向上させることができる。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明のリッドのロック構造は、略Ω字状のワイヤースプリングの中央部をリッドの軸部で支持すると共に、両端部を解除レバーに掛け止めることにより、解除レバーを1本のワイヤースプリングでロック方向に付勢できるようになる。
【0029】
また、トランクルーム側から回転操作可能な盗難防止用ダイヤルの軸部をリッドの軸部として、このリング溝にワイヤースプリングの中央部を嵌入することにより、ダイヤルを抜け止めできると同時にワイヤースプリングを軸部で支持できると共に、ダイヤルの軸部のリング溝の底部に角軸部を形成することにより、ダイヤルの回転に節度が与えられるようになる。
【0030】
さらに、ワイヤースプリングの両端部をダイヤルの円弧状長溝に係合させることにより、ダイヤルをロック位置に回転させると、車室側から解除レバーをアンロック操作してもワイヤースプリングの両端部が長溝の係止部で係止されて、解除レバーをそれ以上にスライド操作できなくなって、リッドを開けることができなくなる。
【0031】
これらにより、ワイヤースプリングに、解除レバーの付勢、ダイヤルの抜け止め、節度、解除レバーのアンロック操作の係止の各機能を持たせることで、1個のダイヤルを設けるだけで良くなり、部品点数及び組み付け工数が削減できてコスト安になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリッドのロック構造の分解斜視図である。
【図2】 リッドのロック構造の側面断面図である。
【図3】 (A)はアンロック状態のダイヤルとワイヤースプリングとの関係の正面図、(B)はロック状態のダイヤルとワイヤースプリングとの関係の正面図である。
【図4】 (A)はアームレストを前倒させたリヤシートバックの斜視図、(B)はアームレストのリッドを開いたリヤシートバックの斜視図である。
【符号の説明】
4 スルー開口
4a 内縁部
8 リッド
8c 嵌合穴
8f 円弧状長穴
9 解除レバー
9a 上端部
10 盗難防止用ダイヤル
10a 軸部
10b リング溝
10c 四角軸部
10e,10f 円弧状長溝
10g 係止部
11 ワイヤースプリング
11a 中央部
11b 両端部

Claims (1)

  1. リヤシートバックのアームレストを前倒させたとき、リッドのロックを解除してトランクルームのスルー開口を開けるようにしたアームレストのリッドであって、
    上記リッドに、車室側から操作可能な解除レバーがスライド可能に取り付けられ、この解除レバーは、中央部がリッドの軸部で支持された略Ω字状のワイヤースプリングの両端部でロック方向に付勢されて、上記解除レバーをアンロック方向にスライド操作したとき、スルー開口の内縁部から解除レバーが外れてロックが解除されるようにする一方、
    上記リッドの軸部は、トランクルーム側から回転操作可能な盗難防止用ダイヤルの軸部であり、この軸部に形成したリング溝にワイヤースプリングの中央部が嵌入してダイヤルが抜け止めされると共に、このリング溝の底部に形成した角軸部でダイヤルの回転に節度が与えられるようにするとともに、
    上記ワイヤースプリングの両端部が上記解除レバーのスライド操作を許容する長さのリッドの円弧状長穴を貫通して、ダイヤルの内面に形成した円弧状長溝に係合し、この長穴には、ダイヤルをロック位置に回転させたとき、上記解除レバーのアンロック方向のスライドに伴って移動するワイヤースプリングの両端部を係止する係止部が形成されていることを特徴とするリヤシートバック用アームレストのリッドのロック構造。
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