JP3919846B2 - Iron golf club head - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アイアンゴルフクラブヘッドに関し、特にボールをヒットするフェース面の下端からバック面側に亘ってソールが形成されるとともに、バック面の周囲に設けられたリブに囲まれて中央部に窪みが形成された、所謂キャビティバックと呼ばれるアイアンゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
アイアンゴルフクラブのヘッドは、バック面の形状の違いにより、マッスルバック,プレーンバック,キャビティバックなどと呼ばれている。ヘッドのバック面における肉付けの具合によって重心位置を移動できるので、このバック面にはさまざまな意匠やデザインが施されている。バック面に筋肉のようにふくらみをもたせたものがマッスルバック、肉厚を全体に均等にしたものがプレーンバック、中央部の肉を削り落としたものがキャビティバックと呼ばれている。アイアンゴルフクラブのヘッドでは、打球の左右および上下方向安定性を良くするためにヘッドの縦軸並びに横軸まわりの慣性モーメントを大きくし、それによってスイートエリアを拡大することが図られてきた。そのために種々講じられてきた手段のうち代表的な例としては、ヘッドのバック面において、フェース面との間で必要最小限の厚みを残して肉を削り落して、削った肉を周縁部に付加することによって、バック面に広い窪み(キャビティ)とこれを取囲む厚肉の周縁部(リブ)を形成する構造、すなわちキャビティバックの構造が多く採用されるに至っている。ヘッドの中央部分の肉厚を薄くし、周りを重く、すなわち周辺重量配分した構造では、ヘッド全体を大きくすることができ、スイートエリアの拡大が図れ、ミスショットでのブレが少なく、パワーロスも少なくなり、方向的にも飛距離的にもミスが現れにくくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
キャビティによる周辺重量配分では、トップブレードを厚肉にすると、すなわちヘッドの上の部分も下の部分と変わらず厚肉であったならば、高重心となり、ボールは上がりにくくロングアイアンは打ちづらくなる。そのため、ソール側を最大肉厚とし、ソール側からトウ部、ヒール部、トップブレードにかけて肉厚を漸次減少させている。トップブレードの位置での肉厚はソール側の肉厚の3分の1またはそれ以下とされている。このようなヘッドは、ボールを上げ易く、打球の方向安定性の面では優れているものの、スイング時のインパクトによって生じる振動が肉厚の薄いトップブレード近傍で増大し、プレイヤーの手に不快感を与えるという問題があった。このような問題を解決するため、キャビティのトップブレード側の周縁部に沿ってCFRP等の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を配置することも試みられたが、十分な効果を奏していない。また、フェース面と窪みの底との間の肉厚、すなわちインパクト部分の肉厚をぎりぎりまで薄くしたものでは、ボールのはじきは良いものの打感が悪いという欠点があった。上記振動に基づく不快感については、キャビティーバックに限らず芯を外して打った場合、他のタイプについても生じる問題であった。
【0004】
そこで、この発明は、インパクト時の振動が手に伝わりにくく、打感も優れたアイアンゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、この発明は、ボールをヒットするフェース面の裏側のバック面に周囲をリブに囲まれて中央部に窪みを形成し、フェース面裏側で窪みの底となる個所にマグネシューム量が50%を超えるマグネシューム基合金のプレート状体を設け、このプレート状体と窪みの底との間に電気的絶縁体からなる絶縁層を底全体に設け、前記絶縁層がエポキシ樹脂又はガラス繊維強化樹脂から成ることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の好適な実施例を図面を参照にして説明する。
【0007】
図1に示す実施例では、ボールをヒットするフェース面1の下端からバック面2側に亘ってソール3が形成されるとともに、バック面2の周囲に設けられたリブ4に囲まれて中央部に窪み5が形成されている。また、図示しないシャフトを装着するためのホーゼル6がヘッドに設けてある。また、フェース面1の裏側で窪み5の底5Aとなる個所にマグネシューム基合金のプレート状体7を設けてある。
【0008】
図2は、図1の縦断面図を示し、この実施例ではフェース面1の裏側とプレート状体7との間に絶縁層8を設けてある。この実施例では、窪み5はトップ位置で浅く、ソール3方向に深さを概ね漸次増大させ、ソール3に最も近い位置で最も深くなっている。リブ4の盛り上がり高さも位置によって窪み5の深さに準じて高くなっている。窪み5の底5A全体にエポキシ樹脂の絶縁層8を設けたが、この絶縁層8としては、電気的絶縁体であって所定の強度があるもの、例えばガラス繊維強化樹脂等も使用できる。プレート状体7は、JIS記号でMC2のマグネシューム基合金の厚さ1mm程度のものを用いた。図面上ではプレート状体7の肉厚をトップブレード側からソール3側にかけて等しく形成したものを用いたが、マグネシューム基合金の比重は約2.0と小さいので、窪み5を埋めるようにして窪み5の深さが浅い位置を薄く、深さが深い位置を厚くすることもできる。さらに、ヘッドそのものはステンレス、軟鉄、チタニウムやその合金、銅合金、アルミニウムやその合金等種々の材料を用いることができる。また、ヘッドのボールをインパクトする部分のみを別個の材料で形成した所謂コンポジットヘッドであっても差し支えない。
なお、図1,2に示すキャビティーバックタイプに限らず、他のタイプに対してもバック面全体、またはバック面の周縁部以外の中央領域にプレート状体7を設けることができる。このようにして設けたプレート状体の上に樹脂の層で被覆することもまた可能である。
【0009】
マグネシューム基合金のプレート状体7としては、マグネシューム基合金の表面をブラスト処理等により洗浄し、次いで重クロム酸塩0.2〜0.4モル/リッター、硝酸(60%)7〜15ml/リッター、第1りん酸塩0.5〜0.7モル/リッター、亜セレン酸10〜20g/リッターの組成を有する処理液に浸漬して表面に保護被膜を形成しておくことが望ましい。より好ましい処理液の組成は次の通りである。
重クロム酸ナトリウム 65〜80g/リッター
硝酸(60%) 7〜15ml/リッター
第1りん酸ナトリウム 65〜80g/リッター
亜セレン酸 10〜20g/リッター
このような処理液に浸漬後に水洗し、乾燥させ、合金の表面に保護被膜を形成した。より好ましい処理条件として、80〜90℃に加温された処理液に2〜8分間浸漬する。ここで比較例として、マグネシューム基合金中「AZ92」と呼ばれる合金をブラスト前の前処理を施した後に液温20〜30℃のフッ化水素酸(46%)248ml/リッター中に30秒〜5分間浸漬し、水洗した後に液温20〜30℃の酸性フッ化ナトリウム(又は酸性フッ化カリウム又は酸性フッ化アンモニウム)50g/リッター中に5分間浸漬して水洗し、重クロム酸ナトリウム120〜130g/リッターとフッ化カルシウム(又はフッ化マグネシューム)50g/リッターとの処理液を沸騰させた中に30分間浸漬して水洗し、最後に温水に浸漬後乾燥させて防蝕処理を施したものを用意した。上述の保護被膜を施したマグネシューム基合金のプレート状体7と比較例とをワイヤブラシで傷つけて観察した結果、比較例ではマグネシューム基合金が露出すると露出したままであるが、保護被膜を形成したものではマグネシューム基合金が露出するとマグネシュームとセレンとの間に局部電池が形成され、酸化セレンが析出することによりマグネシューム基合金の表面に再度保護被膜ができた。また、JIS Z 2371の塩水噴霧試験方法により耐蝕性を観察した結果も、保護被膜が形成されたマグネシューム基合金の耐蝕性が優れていることが判明した。
【0010】
プレート状体7を形成するマグネシューム基合金とは、マグネシューム量が50%を超える合金のことを言う。マグネシュームの他に、Al,Zn,Mn,Zr,Si,Cu,Ni等の他の金属成分を含んでいてもよい。好適に使用できるマグネシューム基合金としては、JISの記号でMC2やMC3が好適に使用できる。上述したような絶縁層8を窪み5の底5Aとプレート状体7との間に設けておくことにより、保護被膜を形成しないものであっても、プレート状体7の腐食を良好に防止することができる。
【0011】
図1及び図2に示す実施例ヘッドを有するゴルフクラブと、窪み5内に何も設けないヘッドを有するゴルフクラブを比較例としてインパクト衝撃テストを行なった。ヘッドの材質としては、実施例並びに比較例ともに軟鉄(S20C)を用い、使用クラブは3番アイアンを用いた。またホーゼル6にはスチールシャフトを取付けた。実施例におけるプレート状体7は、JIS記号でMC2のマグネシューム基合金であり、厚さ1mmのものを用い、絶縁層8としては、エポキシ樹脂を用いた。このインパクト衝撃テストの実施例の結果は図3のグラフに示す通りであり、比較例は図4に示すグラフの通りであった。実施例では、図3のグラフに示すように振動の振幅が非常に小さいことが判る。
【0012】
プレート状体7を底5Aに直接又は絶縁層6を介して設ける場合、リブ4の内周面に嵌合あるいは接着、さらにはビス等で止着する等の手段が採用可能である。また、プレート状体7の大きさは、底5A全体を覆う大きさが好ましいが、底5Aの面積の半分以上の大きさでインパクト部分の背後にあるものであってもよい。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ボールをヒットするフェース面の裏側のバック面に周囲をリブに囲まれて中央部に窪みを形成し、フェース面裏側で窪みの底となる個所にマグネシューム量が50%を超えるマグネシューム基合金のプレート状体を設け、このプレート状体と窪みの底との間に電気的絶縁体からなる絶縁層を底全体に設け、前記絶縁層がエポキシ樹脂又はガラス繊維強化樹脂から成るので、振動が手に伝わりにくく、打感も優れたものとなる。また、フェース面裏側とプレート状体との間に絶縁層を設けたことにより、より一層振動の伝達を防止でき、ソフトな打感を得ることができる。絶縁層として電気的絶縁体であって所定の強度があるものを使用しているので、マグネシューム基合金の腐食防止を図れる。マグネシューム基合金に保護被膜を形成したものも腐食防止に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の好適な実施例を示す斜視図。
【図2】縦断面図。
【図3】実施例のインパクト衝撃テスト結果を示すグラフ。
【図4】比較例のインパクト衝撃テスト結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 フェース面
2 バック面
3 ソール
4 リブ
5 窪み
5A 窪みの底
7 プレート状体[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an iron golf club head, and in particular, a sole is formed from a lower end of a face surface that hits a ball to a back surface side, and is recessed in a central portion surrounded by ribs provided around the back surface. The present invention relates to an iron golf club head called a so-called cavity back.
[0002]
[Prior art]
The head of an iron golf club is called a muscle back, a plain back, a cavity back, or the like depending on the shape of the back surface. Since the position of the center of gravity can be moved according to the degree of fleshing on the back surface of the head, various designs and designs are applied to this back surface. A muscle back is a muscle back that has a bulge like muscle, a plain back is the one with the same thickness, and a cavity back is the one from which the meat in the center is shaved off. In an iron golf club head, it has been attempted to increase the moment of inertia about the vertical axis and the horizontal axis of the head in order to improve the lateral and vertical stability of the hit ball, thereby expanding the sweet area. Therefore, as a representative example of various measures taken for that purpose, on the back surface of the head, the meat is shaved off leaving the minimum necessary thickness between the head surface and the shaved meat on the periphery. By adding, a structure in which a wide depression (cavity) and a thick peripheral edge (rib) surrounding the depression are formed on the back surface, that is, a cavity back structure has been widely adopted. With a structure where the thickness of the center part of the head is reduced and the surrounding area is heavy, that is, the weight is distributed around the head, the entire head can be enlarged, the sweet area can be enlarged, there is less blur due to miss shots, and less power loss. Therefore, mistakes are less likely to appear in both direction and distance.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In the peripheral weight distribution by the cavity, if the top blade is made thick, that is, if the upper part of the head is thick and the bottom part is thick, the center of gravity becomes high, the ball is hard to rise and the long iron is hard to hit. . For this reason, the sole side has a maximum thickness, and the thickness is gradually reduced from the sole side to the toe portion, the heel portion, and the top blade. The wall thickness at the position of the top blade is one third or less of the wall thickness on the sole side. Such a head is easy to raise the ball and is excellent in the direction stability of the hit ball, but the vibration caused by the impact at the time of swing increases near the thin top blade, which makes the player's hand uncomfortable. There was a problem of giving. In order to solve such a problem, an attempt has been made to arrange a thermosetting resin such as CFRP or a thermoplastic resin along the peripheral edge of the cavity on the top blade side, but it has not been sufficiently effective. Further, in the case where the thickness between the face surface and the bottom of the recess, that is, the thickness of the impact portion is made as thin as possible, there is a drawback that the ball feels good but the hit feeling is poor. The unpleasant sensation based on the vibration is a problem that occurs not only in the cavity back but also in other types when hit with the core removed.
[0004]
SUMMARY OF THE INVENTION Accordingly, an object of the present invention is to provide an iron golf club head that is not easily transmitted to the hand at the time of impact and has an excellent hit feeling.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-mentioned object, the present invention forms a recess in the center part of the back surface on the back side of the face surface that hits the ball, surrounded by ribs, and becomes the bottom of the recess on the back side of the face surface. A plate-like body of a magnesium-based alloy having a magnesium amount exceeding 50% is provided, and an insulating layer made of an electrical insulator is provided on the entire bottom between the plate-like body and the bottom of the recess, and the insulating layer is made of epoxy resin or It consists of glass fiber reinforced resin .
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Preferred embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0007]
In the embodiment shown in FIG. 1, a sole 3 is formed from the lower end of the
[0008]
FIG. 2 is a longitudinal sectional view of FIG. 1, and in this embodiment, an insulating layer 8 is provided between the back side of the
The plate-
[0009]
As the
Sodium dichromate 65-80 g / liter nitric acid (60%) 7-15 ml / liter primary sodium phosphate 65-80 g / liter selenious acid 10-20 g / liter After being immersed in such a treatment solution, it is washed with water and dried. A protective coating was formed on the surface of the alloy. As a more preferable processing condition, it is immersed in a processing solution heated to 80 to 90 ° C. for 2 to 8 minutes. Here, as a comparative example, an alloy called “AZ92” in a magnesium base alloy is subjected to pretreatment before blasting, and then hydrofluoric acid (46%) at a liquid temperature of 20 to 30 ° C. in 248 ml / liter for 30 seconds to 5 seconds. Immerse for 5 minutes, wash with water, then immerse in 50 g / liter of acidic sodium fluoride (or acidic potassium fluoride or acidic ammonium fluoride) with a liquid temperature of 20-30 ° C. for 5 minutes and wash with water, 120-130 g of sodium dichromate / Litter and calcium fluoride (or magnesium fluoride) 50g / Litter solution boiled for 30 minutes, washed with water, finally immersed in warm water, dried and prepared for corrosion protection did. As a result of observing the plate-
[0010]
The magnesium-based alloy forming the plate-
[0011]
An impact impact test was conducted using a golf club having the example head shown in FIGS. 1 and 2 and a golf club having a head in which nothing is provided in the
[0012]
When the plate-
[0013]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the back surface on the back side of the face surface that hits the ball is surrounded by ribs so that a recess is formed in the center, and the bottom of the recess is formed on the back side of the face surface. A plate-like body of a magnesium-based alloy having a magnesium amount exceeding 50% is provided, and an insulating layer made of an electrical insulator is provided on the entire bottom between the plate-like body and the bottom of the recess, and the insulating layer is made of epoxy resin or Since it is made of glass fiber reinforced resin , vibrations are not easily transmitted to the hand, and the feel is excellent. In addition, by providing an insulating layer between the back side of the face surface and the plate-like body, it is possible to further prevent transmission of vibration and obtain a soft feel. Since an insulating material having a predetermined strength is used as the insulating layer, corrosion prevention of the magnesium-based alloy can be achieved. A magnesium-based alloy with a protective coating is also effective in preventing corrosion.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a preferred embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view.
FIG. 3 is a graph showing the impact test results of the examples.
FIG. 4 is a graph showing an impact test result of a comparative example.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (4)
フェース面裏側で窪みの底となる個所にマグネシューム量が50%を超えるマグネシューム基合金のプレート状体を設け、
このプレート状体と窪みの底との間に電気的絶縁体からなる絶縁層を底全体に設け、
前記絶縁層がエポキシ樹脂又はガラス繊維強化樹脂から成ることを特徴とするアイアンゴルフクラブヘッド。The back surface on the back side of the face surface that hits the ball is surrounded by ribs to form a recess in the center,
A plate-like body of a magnesium-based alloy having a magnetism amount exceeding 50% is provided at the bottom of the recess on the back side of the face surface,
An insulating layer made of an electrical insulator is provided on the entire bottom between the plate-like body and the bottom of the depression ,
An iron golf club head, wherein the insulating layer is made of epoxy resin or glass fiber reinforced resin .
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