JP3911331B2 - 斜板角度制御機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧サーボ機構を有するアキシャルピストンポンプにおいて、該アキシャルピストンポンプの斜板角度を制御する斜板角度制御機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、油圧サーボ機構を有するアキシャルピストンポンプにおいては、油圧サーボを構成する手動斜板角度制御バルブのスプールの位置に連動して、該スプールの外周部を覆うピストンが動作し、これにより斜板角度を任意に制御していた。そして、このような斜板角度制御機構に電磁弁を装着したものにおいては、ある任意の角度で斜板を保持している状態のピストンの両端面に、電磁弁から強制的にパイロット圧を供給していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ピストンの両端面に対して、電磁弁から強制的にパイロット圧を供給するだけであると、該ピストンが最大斜板角度位置や中立位置方向へ一気に移動することとなっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
斜板角度を制御する油圧サーボ機構(61)を有した走行油圧ポンプ(23)を備えたHSTミッション装置において、該油圧サーボ機構(61)を、ピストン(71)及びその内部に配置したスプール(97)により構成された手動斜板角度制御バルブ(74)と、電磁弁(73)とで構成し、該スプール(97)の外周油路(166)の両側にノッチ切欠部(203・204)を形成し、該手動斜板角度制御バルブ(74)と電磁弁(73)とにより、該ノッチ切欠部(203・204)の長さの間でピストン(71)を移動さ せて斜板角度の制御を行うように構成し、該ノッチ切欠部(203・204)は、スプール(97)の外周油路(166)の部分から離れるにつれて切欠面積が小さくなるように略三角形状のノッチ形状に形成し、前記電磁弁(73)の切換により、チャージポンプ(29)からの圧油が、電磁弁(73)からピストン(71)の上部へ供給され、また、チャージポンプ(29)からの圧油が、ピストン(71)のポンプポート(165)に供給され、該スプール(97)の上下により、該ポンプポート(165)からの圧油が、該スプール(97)の外周油路(166)からノッチ切欠部(203)と、ピストン(71)の内周油路(170)及び穿設油路(167)を経て、ピストン(71)の下方に至り、両油路の流路面積の差により、電磁弁(73)からの供給量が勝ってピストン(71)は移動し、両者の供給量が等しくなる位置で停止し、該ノッチ切欠部(203)の流路面積はピストン(71)の移動量に伴って変化するため、電磁弁(73)の流量を制御することで、ピストン(71)の移動量を任意に設定し、斜板角度の制御を無段階的に行うものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0007】
図1は本発明の斜板角度制御機構を有するアキシャルピストンポンプを備えたHSTミッション装置を搭載したコンバインを示す全体側面図、図2は同じく平面図、図3はHST式ミッション装置の側面断面図、図4は同じく平面一部断面図、図5は同じく部分側面図、図6は同じく正面一部断面図、図7は油圧サーボ機構の安定時を示す断面図、図8は油圧サーボ機構の動作初期を示す断面図、図9は油圧サーボ機構のクローズ位置状態を示す断面図、図10は油圧サーボ機構のピストンの構造を示す図、図11は油圧サーボ機構のスプールを示す図、図12は油圧サーボ機構の油圧回路を示す図、図13はスプールに形成された平行切欠部を示す図、図14は図13における平行切欠部の別実施例を示す図、図15はスプールに形成されたノッチ切欠部を示す図、図16はスプールに形成された円周溝部を示す図、図17は図16における円周溝部の別実施例を示す図である。
【0008】
まず、本発明の斜板角度制御機構を有するアキシャルピストンポンプを備えたHSTミッション装置を搭載したコンバインの全体構成について説明する。図1及び図2において、トラックフレーム1には左右一対の走行クローラ2が装設され、該トラックフレーム1の上方には機台3が架設されている。機台3上方の左右一側に配設した脱穀部4にはフィードチェーン5が張架され、該脱穀部4は扱胴6及び処理胴7等を内蔵している。また、機体前部には刈刃9及び穀稈搬送機構10等を備える刈取部8が配設され、該刈取部8は刈取フレーム12を介して、油圧シリンダ11により昇降されるように構成している。
【0009】
前記脱穀部4の後方には排藁チェン14の終端を臨ませる排藁処理部13が設され、左右方向における機台3の脱穀部4配設側とは反対側には、穀物タンク15が配設されている。該穀物タンク15には、脱穀部4からの穀粒が揚穀筒16を介して搬入され、該穀物タンク15に貯留された穀粒は排出オーガ17によって機外へ搬出される。穀物タンク15の前方には、操向ハンドル19及び運転席20等を備える運転キャビンが配設され、該運転キャビン20の下方には、エンジン21、及び、前記走行クローラ2を駆動する運転駆動部であり、本発明のHST式ミッション装置を備えるミッションケース22を配設している。コンバインは以上のように構成されて、連続的に穀稈を刈取って脱穀するようにしている。
【0010】
前記ミッションケース22は、図3に示す、アキシャルピストンポンプである走行油圧ポンプ23、及び、走行油圧モータ24からなる主変速機構である走行用のHST式無段変速機構25等と、ギア機構とから構成されている。該走行油圧ポンプ23の入力軸26は、前記エンジン21の出力軸に連動連結され、走行油圧モータ24の出力軸31は、ミッションケース22内の前記ギア機構を介して、図1における走行クローラ2の駆動輪34と連動連結されている。そして、エンジン21から走行油圧ポンプ23へ入力された駆動回転は、該走行油圧ポンプ23の斜板146の角度変更調節により正逆回転と回転数との制御が行われて走行油圧モータ24へ伝達され、この制御された駆動回転が前記ギア機構を介して走行クローラ2を駆動するのである。
【0011】
図3乃至図6において、本発明の本発明の斜板角度制御機構としての油圧サーボ機構61を有する走行油圧モータ24を搭載したHST式ミッション装置について説明する。該HST式ミッション装置は、アキシャルピストンポンプである走行油圧ポンプ23、及び、走行油圧モータ24からなる走行用のHST式無段変速機構25と、チャージポンプ29と、斜板角度を制御する油圧サーボ機構61等とにより構成されている。走行油圧ポンプ23と走行油圧モータ24とは上下に並設され、走行油圧ポンプ23の入力軸26の前端部にはチャージポンプ29が付設されている。また、走行油圧ポンプ23の一側方に油圧サーボ機構61が配設されている。該油圧サーボ機構61は、走行油圧ポンプ23の上面に付設された電磁弁73と、ピストン71と、該ピストン71の内部に配置された手動斜板角度制御バルブとの間で全体的に構成されている。そして、油圧サーボ機構61は、走行油圧ポンプ23のケースの内部に埋め込まれて一体的に構成されている。
【0012】
次に、油圧サーボ機構61の構成について説明する。図3乃至図6において、該油圧サーボ機構61は、ピストン71を上下することにより、クレイドル型の油圧ポンプの斜板146の横に設けたピン軸190を上下に移動させて、該斜板146が最終的に変速のために回動するように構成している。そして、該ピストン71の内部にはスプール72が摺動自在に嵌装されており、該スプール72は、走行変速アーム151の回動により、衝撃吸収バネ162を介して、走行中立カム149とクランクアーム159とが回動し、スプール72を上下動させる。尚、該ピストン71の内部でスプール72が上下動することにより、前記手動斜板角度制御バルブが構成されている。
【0013】
また、例えば、エンジン21の負荷や足回りの負荷等をセンサー等の検出手段により検出して、検出した負荷の大きさ等により電磁弁73を切り換えて、ピストン71の位置を上下する方向に、該ピストン71の上下の位置から圧油を供給するように構成している。該電磁弁73は両ソレノイド形の4ポート3位置切換弁に構成されて、ポンプポート91、タンクポート92、Aポート93、Bポート94を有している。尚、作業機がトラクタである場合には、駆動力を外部へ取り出すPTO軸のトルクを検出して電磁弁73を切り換えることも可能である。
【0014】
このように、手動斜板角度制御バルブと電磁弁73とにより、ピストン71とスプール72とを操作することで斜板146を回動し、走行用のHST式無段変速機構25を変速するのである。そして、該HST式無段変速機構25が中立位置に位置する場合は、該中立位置で保持する必要があり、走行中立保持アーム148を設けて、該走行中立保持アーム148の先端に走行中立保持ローラ152を枢支している。
【0015】
該走行中立保持ローラ152は、走行変速操作アーム151と一体的に、走行中立カム149が回動し、該走行中立カム149の中央の凹部に前記走行中立保持ローラ152が嵌入して中立を保持するように構成している。 また、該走行変速操作アーム151は衝撃吸収バネ162を介して、共に回動する走行ストッパー杆150が設けられており、該ストッパー板157と係合して、走行変速アーム151のそれ以上の回動を阻止する。また、前記走行変速操作アーム151には、衝撃吸収バネ162を介してスプール72を操作するクランクアーム159が設けられており、該クランクアーム159が、スプール72の凹部161と係合している。
【0016】
ここで、電磁弁73のOFF時における斜板角度制御は、前記手動斜板角度制御バルブよりピストン71の上下に圧油を供給することで行う。即ち、図7乃至図10に示すように、先ず、圧油が前記チャージポンプ29から、ピストン71の外周の長孔部分に穿設構成されたポンプポート165に供給される。そして、前記走行変速操作アーム151を操作することで、クランクアーム159を通じてスプール72が連動して上下動し、該スプール72の上下により、該ポンプポート165からの圧油が、外周油路166から、ピストン71の内周油路170及び穿設油路167を経て、ピストン71の下方に至る場合と、外周油路166から他方の内周油路169を経て、ピストン71の上部に至る場合とに切り換えることができる。
【0017】
また、ピストン71の上下からの戻り油は、ピストン71の下方に圧油が供給されて該ピストン71上方へ移動する場合には、穿設油路169からスプール72の排出油路168を経て0レーン回路へ排出される。さらに、ピストン71が下方へ移動する場合には、ピストン71の下方の圧油は穿設油路167から排出油路179を経て排出される。
このピストン71の上下動により斜板146の角度が制御されるのである。
【0018】
一方、前述の如く、電磁弁73をONして、電気的な切り換えによりピストン71の上下に圧油を供給する場合には、図7、図8、図9に示すように、該ピストン71の上下にそのまま直接供給される。そして、スプール72には、図11、図13に示すように外周油路166の上下部分の位置と、排出油路168の上部の位置と、排出油路170の下部の位置とに、微小変速時の設定回転数に応じたオーバーラップ部を設け、該部分に平行切欠部172・173・174・175を構成している。このスプール72の平行切欠部172・173・174・175の絞りの条件は、図12に示す、電磁弁73の絞り176よりも小さく構成している。これにより、手動斜板角度制御バルブ74による手動操作時には、平行切欠部172・173・174・175により流量制御を行い、電磁弁73による自動走行変速時には、電磁弁73の絞り176により流量制御を行い、ある位置までピストン71が移動すると、スプール72の流量制御により該ピストン71の移動が停止するように構成している。
【0019】
即ち、油圧サーボ機構61がある斜板角度において平衡状態を保っている場合に、電磁弁73をONすると、例えば、ピストン71の上部へ圧油が供給され、この場合には、油圧サーボ機構61のパイロット圧は電磁弁73からとスプール72の平行切欠部172からとの両方から供給されることとなるが、両開口部の流路面積の差により、電磁弁73からの供給量が勝ってピストン71はスプール72の平行切欠部172の長さ分だけ移動する。平行切欠部172の長さ分移動すると、スプールの開口部は外周油路166となる。そして、外周油路166の流路面積は電磁弁73の絞り176の流路面積よりも大きく構成しているので、外周油路166からの供給量が電磁弁73からの供給量よりも大きくなるため、この位置でピストン71は移動を停止して平衡状態となる。このように、電磁弁73をONすると、平行切欠部172の長さ分だけピストン71が移動するので、この平行切欠部172の切欠長さを変更することでピストン71の移動量を任意に設定することができる。
【0020】
そして、この構成を油圧回路図で示すと、図12の如くとなり、オリフィスの条件としては、絞り176>平行切欠部172としている。また、電磁弁73への回路の絞り177と手動斜板角度制御バルブ74への絞り178では、絞り177>絞り178となるように構成している。
【0021】
図7乃至図9、及び図12においては、電磁弁73は、例えば、両ソレノイド形の4ポート3位置切換弁に構成され、ポンプポート91、タンクポート92、Aポート93、Bポート94を有している。そして、図7に示すように該電磁弁73をONすると、前述の如く、ピストン71上方の油室81に圧油が流入して該油室81内の圧力が上昇するとともに、該ピストン71下方の油室82はオイルタンクに開放されて該油室82内の圧力は降下する。これにより、油圧サーボ機構61内の圧力の均衡が崩れてピストン71が下方に移動し、スプール72の平行切欠部172・173・174・175の切欠長さ分だけ動いて、その位置で釣合状態になるのである。そして、ピストン71が移動した分だけ走行油圧ポンプ23の斜板146が回動して、走行油圧モータ24の出力回転数が変化する。また、図9に示すように、電磁弁73をOFFしてクローズ位置とすると、本来の油圧サーボ機構61の釣合い状態に戻り、ピストン71及び斜板146は元の位置に戻って、走行油圧モータ24の出力回転数も復帰することとなる。
【0022】
尚、スプール72の平行切欠部172・173・174・175は次のように形成することもできる。即ち、図14に示すスプール72’の平行切欠部172’・173’・174’・175’の如く、切欠きを2段に形成することもできる。さらに、2段以上の複数段に形成してもよい。
【0023】
以上のように、斜板角度制御機構である油圧サーボ機構61を構成するスプール72に平行切欠部172・173・174・175を形成したので、外周油路166と、電磁弁73のポンプポート91及びタンクポート92と、平行切欠部172・173・174・175との、それぞれの流路断面積の相違によって、電磁弁73のON・OFF時の斜板146の制御流量が変わり、スプール72とピストン71との相対位置を変化させて斜板角度の制御をおこなうことができるのである。そして、このように斜板角度を制御することで、例えば、HSTミッション装置の出力回転数を、前記走行変速アーム151を操作する以外に、また、油圧ポンプの吐出流量を、手動レバーを操作する以外に、電磁弁73をON・OFFさせることで電気的に、一段階以上の段数で増減することができる。さらに、スプール72に形成した平行切欠部172・173・174・175の絞り効果によって、例えば、走行変速アーム151の操作に伴って移動するピストン71の、移動時のショックを緩和することができる。
【0024】
また、スプール72に形成する平行切欠部172・173・174・175は、次のような形状に形成することもできる。即ち、図15に示すスプール97にはノッチ切欠部203・204を形成している。ノッチ切欠部203・204は、外周油路166の部分から離れるにつれて切欠面積が小さくなるように略三角形状に形成され、所謂ノッチ形状に形成されている。また、該スプール97には排出油路201・202が形成されている。
【0025】
このノッチ切欠部203・204が形成されたスプール97を前記油圧サーボ機構61に用いた場合、電磁弁73をONすると、例えば、ピストン71の上部へ圧油が供給され、油圧サーボ機構61のパイロット圧は電磁弁73からとスプール72のノッチ切欠部203からとの両方から供給されることとなる。そして、両開口部の流路面積の差により、電磁弁73からの供給量が勝ってピストン71は移動し、両者の供給量が等しくなる位置で停止する。ノッチ切欠部203の流路面積はピストン71の移動量に伴って変化するため、電磁弁73の流量を制御することで、ピストン71の停止位置、即ち、ピストン71の移動量を任意に設定することができる。これにより、斜板角度の制御を無段階的に行うことができるので、例えば、HSTミッション装置の出力回転数の制御を行って、エンジンの負荷を一定に保つことができる。
【0026】
さらに、スプール72の平行切欠部172・173・174・175は、次のような形状に形成することもできる。即ち、図16に示すスプール99には円周溝部223・224・225・226が形成されている。円周溝部223・224は、スプール99の外周油路166の部分の外周全体に形成されており、また、該スプール99には排出油路221・222が形成されている。そして、該円周溝部223・224により、平行切欠部172・173を形成した前記スプール72の場合と同様に、電磁弁73をON・OFFさせることで電気的に、斜板角度を一段階以上の段数で増減して制御することができ、また、走行変速アーム151の操作に伴って移動するピストン71の、移動時のショックを緩和することができる。
【0027】
また、図17に示すスプール98の如く、円周溝部213・214・215・216を形成してもよい。該円周溝部213・214・215・216は、外周油路166の部分から離れるにつれて大径となるように形成され、この場合は、前記ノッチ切欠部203・204の場合と同様に、斜板角度の制御を無段階的に行うことができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
即ち、斜板角度を制御する油圧サーボ機構(61)を有した走行油圧ポンプ(23)を備えたHSTミッション装置において、該油圧サーボ機構(61)を、ピストン(71)及びその内部に配置したスプール(97)により構成された手動斜板角度制御バルブ(74)と、電磁弁(73)とで構成し、該スプール(97)の外周油路(166)の両側にノッチ切欠部(203・204)を形成し、該手動斜板角度制御バルブ(74)と電磁弁(73)とにより、該ノッチ切欠部(203・204)の長さの間でピストン(71)を移動させて斜板角度の制御を行うように構成し、該ノッチ切欠部(203・204)は、スプール(97)の外周油路(166)の部分から離れるにつれて切欠面積が小さくなるように略三角形状のノッチ形状に形成し、前記電磁弁(73)の切換により、チャージポンプ(29)からの圧油が、電磁弁(73)からピストン(71)の上部へ供給され、また、チャージポンプ(29)からの圧油が、ピストン(71)のポンプポート(165)に供給され、該スプール(97)の上下により、該ポンプポート(165)からの圧油が、該スプール(97)の外周油路(166)からノッチ切欠部(203)と、ピストン(71)の内周油路(170)及び穿設油路(167)を経て、ピストン(71)の下方に至り、両油路の流路面積の差により、電磁弁(73)からの供給量が勝ってピストン(71)は移動し、両者の供給量が等しくなる位置で停止し、該ノッチ切欠部(203)の流路面積はピストン(71)の移動量に伴って変化するため、電磁弁(73)の流量を制御することで、ピストン(71)の移動量を任意に設定し、斜板角度の制御を無段階的に行うものであり、次のような効果を奏するのである。
第1に、例えば、HSTミッション装置の出力回転数を、走行変速アームを操作する以外に、また、油圧ポンプの吐出流量を、手動レバーを操作する以外に、電磁弁をON・OFFさせることで電気的に、一段階又は複数段階の段数で増減することができた。
さらに、スプールに形成したノッチ切欠部(203・204)の絞り効果によって、例えば、走行変速アームの操作に伴って移動するピストンの、移動時のショックを緩和することができた。
【0029】
第2に、電磁弁の流量を制御することで、ピストンの停止位置、即ち、ピストンの移動量を任意に設定することができる。
これにより、斜板角度の制御を電気的に無段階的に行うことができるので、例えば、HSTミッション装置の出力回転数の制御を行って、エンジンの負荷を一定に保つことができた。
また、スプールに形成した平行切欠部の絞り効果によって、例えば、走行変速アームの操作に伴って移動するピストンの、移動時のショックを緩和することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の斜板角度制御機構を有するアキシャルピストンポンプを備えたHSTミッション装置を搭載したコンバインを示す全体側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 HST式ミッション装置の側面断面図である。
【図4】 同じく平面一部断面図である。
【図5】 同じく部分側面図である。
【図6】 同じく正面一部断面図である。
【図7】 油圧サーボ機構の安定時を示す断面図である。
【図8】 油圧サーボ機構の動作初期を示す断面図である。
【図9】 油圧サーボ機構のクローズ位置状態を示す断面図である。
【図10】 油圧サーボ機構のピストンの構造を示す図である。
【図11】 油圧サーボ機構のスプールを示す図である。
【図12】 油圧サーボ機構の油圧回路を示す図である。
【図13】 スプールに形成された平行切欠部を示す図である。
【図14】 図13における平行切欠部の別実施例を示す図である。
【図15】 スプールに形成されたノッチ切欠部を示す図である。
【図16】 スプールに形成された円周溝部を示す図である。
【図17】 図16における円周溝部の別実施例を示す図である。
【符号の説明】
23 走行油圧ポンプ
24 走行油圧モータ
25 HST式無段変速機構
61 油圧サーボ機構
71 ピストン
72 スプール
73 電磁弁
146 斜板
166 外部油路
172・173・174・175 平行切欠部
Claims (1)
- 斜板角度を制御する油圧サーボ機構(61)を有した走行油圧ポンプ(23)を備えたHSTミッション装置において、該油圧サーボ機構(61)を、ピストン(71)及びその内部に配置したスプール(97)により構成された手動斜板角度制御バルブ(74)と、電磁弁(73)とで構成し、該スプール(97)の外周油路(166)の両側にノッチ切欠部(203・204)を形成し、該手動斜板角度制御バルブ(74)と電磁弁(73)とにより、該ノッチ切欠部(203・204)の長さの間でピストン(71)を移動させて斜板角度の制御を行うように構成し、該ノッチ切欠部(203・204)は、スプール(97)の外周油路(166)の部分から離れるにつれて切欠面積が小さくなるように略三角形状のノッチ形状に形成し、前記電磁弁(73)の切換により、チャージポンプ(29)からの圧油が、電磁弁(73)からピストン(71)の上部へ供給され、また、チャージポンプ(29)からの圧油が、ピストン(71)のポンプポート(165)に供給され、該スプール(97)の上下により、該ポンプポート(165)からの圧油が、該スプール(97)の外周油路(166)からノッチ切欠部(203)と、ピストン(71)の内周油路(170)及び穿設油路(167)を経て、ピストン(71)の下方に至り、両油路の流路面積の差により、電磁弁(73)からの供給量が勝ってピストン(71)は移動し、両者の供給量が等しくなる位置で停止し、該ノッチ切欠部(203)の流路面積はピストン(71)の移動量に伴って変化するため、電磁弁(73)の流量を制御することで、ピストン(71)の移動量を任意に設定し、斜板角度の制御を無段階的に行うことを特徴とする斜板角度制御機構。
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