JP3909949B2 - Manufacturing method for medium and high carbon steel sheets with excellent stretch flangeability - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸びフランジ性に優れた中・高炭素鋼板を得るための製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼中のC含有量が概ね0.1〜0.8質量%の、いわゆる中・高炭素鋼板は、焼入れ強化が可能であるとともに、焼入れ前の焼鈍状態ではある程度の加工性も有しているため、自動車部品をはじめ各種機械部品や軸受け部品の素材として広く使用されている。部品の製造にあたっては、一般的には打抜加工や曲げ成形が施され、さらに比較的軽度な絞り加工,伸びフランジ成形が施されることもある。また、部品形状が複雑な場合は、二ないし三部品を溶接して製造される場合も多い。そしてこれらの加工部品は熱処理を経て各種用途の部品に仕上げられていく。
【0003】
ところが近年、部品の製造コストを低減すべく、部品の一体成形や、部品加工の工程簡略化が進められている。このことは素材側から見ればより加工率の高い(=塑性変形量の大きい)加工に耐えなくてはならないことを意味する。つまり、加工技術の高度化に伴い、素材である中・高炭素鋼板自体にもより高い加工性が要求されるようになってきた。特に昨今では、打抜加工や曲げ加工のみならず、伸びフランジ成形加工(例えば穴拡げ加工等)といった局所的な延性が要求される高度な加工にも耐え得る鋼板素材のニーズが高まりつつある。
【0004】
こうした中、特公昭61−15930号公報,特公平5−70685号公報,および特開平4−333527号公報には、加工方法あるいは熱処理方法を工夫することによって棒鋼中の炭化物を球状化し、棒鋼線材の加工性を改善する技術が紹介されている。しかし、これらはいずれも棒鋼線材を対象とするものであり、素材が板材である場合に問題となる伸びフランジ性や穴拡げ性の改善方法は明らかにされていない。
【0005】
また、特開平8−3687号公報には、Cを0.3mass%以上含有し、炭化物の占める面積率が20%以下で、粒径1.5μm以上の炭化物の割合が30%以上である加工用高炭素鋼板が示されており、その製造方法として仕上熱延機出側温度を750〜810℃とし、10℃/sec以下で冷却して仕上温度とコイル巻取り温度との差を300℃以下として巻取り、720℃×20時間の球状化焼鈍を施し、26℃/Hrの冷却速度で100℃まで冷却した後空冷して常温まで冷却する方法が開示されている。しかし、この技術は鋼板の加工性を改善するものであるが、伸びフランジ性といった局部的な延性が要求される高度な加工性を改善する方法については明らかにされていない。また、炭化物粒径を1.5μm以上に粗大化させるため、部品加工後の焼入れ処理におけるオーステナイト温度域の加熱で炭素を十分固溶させるには長時間を要する。このため、例えば高周波焼入れのような短時間加熱による焼入れ処理の適用が難しくなる。
【0006】
さらに特開平8−120405号公報には、C:0.20〜0.60%の他、Si,Al,N,B,Ca等の黒鉛化を促進する元素を含有し、C含有量の10〜50%が黒鉛化しており、断面の鋼組織が3μm以上の黒鉛粒子を特定量含んだ球状化セメンタイトの分散したフェライト相になっている加工性に優れた薄鋼板が示されている。その製造方法として、仕上温度750〜900℃で熱間圧延し、450〜650℃で巻取り、冷間圧延後に600〜720℃で焼鈍する方法等が示されている。この薄鋼板は穴拡げ性と二次加工性に優れているという。しかし、含有炭素の黒鉛化を利用するものであるから、黒鉛化を促進する元素の添加が必要となり、一般的な市販の中・高炭素鋼種に広く適用できるものではない。加えて3μm以上の粗大な黒鉛粒子の存在は、先の例と同様、部品加工後の焼入れ処理の加熱において炭素の十分な固溶化を遅らせ、短時間加熱による焼入れ処理の適用を困難にする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、加工性の中でも特に「伸びフランジ性」を改善した中・高炭素鋼板のニーズが高いにもかかわらず、一般的な中・高炭素鋼種の鋼板素材においてそれらの特性を改善する手法は明らかにされていない。また、加工用鋼板素材は用途に応じて種々の板厚のものが要求されるが、そのような板厚要求に機動的に対処するためには熱間圧延と冷間圧延をうまく組合せた工程で所定の板厚に仕上げるのが一般的である。しかし、熱間圧延と冷間圧延を組合せた工程では条件によって鋼板の金属組織が大きく変動することになり、十分な「伸びフランジ性」を安定的に付与することは必ずしも簡単ではない。
【0008】
そこで本発明は、特殊な元素を添加しない一般的な中・高炭素鋼の鋼種において、冷間圧延による精度の高い板厚調整を可能にしながら「伸びフランジ性」を安定的に改善することができる中・高炭素鋼板素材の製造法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1の発明、すなわち、質量%において、C: 0.1 〜 0.8 %,Si: 0.40 %以下,Mn: 0.3 〜 1.0 %,Cr: 1.2 %以下,Mo: 0 〜 0.3 %(無添加を含む),Cu: 0 〜 0.3 %(無添加を含む),Ni: 0 〜 2.0 %(無添加を含む)を含有し、Pを 0.03 %以下,Sを 0.01 %以下,T . Alを 0.1 %以下に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼からなり、金属組織が初析フェライト+パーライト組織である熱延鋼板に、15%以上の冷間圧延を施し、次いで、Ac1−50℃〜Ac1未満の温度範囲で0.5時間以上保持する1段目の加熱を行った後、Ac1〜Ac1+100℃の温度範囲で0.5〜20時間保持する2段目の加熱とAr1−80℃〜Ar1の温度範囲で2〜60時間保持する3段目の加熱を連続して行い、かつ2段目の保持温度から3段目の保持温度への冷却速度を5〜30℃/hとする3段階焼鈍を施す、伸びフランジ性に優れた中・高炭素鋼板の製造法によって達成できる。ここで、Mo,Cu,Niの下限の 0 %はその元素が無添加であることを意味する。T.Alは、トータルAl量を意味する。Ac1は昇温過程における鋼のA1変態点(℃)、Ar1は降温過程におけるA1変態点(℃)を意味する。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明の熱延鋼板の金属組織において、特に初析フェライト面積率(%)が下記(1)式により定まるF値以上である点を規定したものである。
F=0.4×(1−質量%C/0.8)×100 ・・(1)
ここで、「初析フェライト面積率(%)」は当該熱延鋼板中に存在する初析フェライト量を顕微鏡観察等の手段により実測して求まる値である。一方、「F値」は鋼板のC含有量(質量%)の値を(1)式右辺に代入して計算により定まる値である。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明の熱延鋼板の金属組織において、特に、以下に定義する〔パーライトラメラ間隔〕が0.1μm以上である点を規定したものである。
〔パーライトラメラ間隔〕:熱延鋼板L-断面(熱延方向にほぼ平行に切断した断面)の金属組織観察において、1辺が少なくとも50μm以上の矩形領域を含む観察視野内でセメンタイトのラメラが最も密になっているパーライトの部分を選択し、当該パーライト部分において隣り合うセメンタイトラメラの平均的な厚み中心間距離を測定してその値をL(μm)とし、この測定を観察視野を変えて合計10回行い、10個のL値のうち小さいものから5個の平均値(μm)を〔パーライトラメラ間隔〕とする。ただし、観察視野内で選択するパーライトの部分は、少なくとも3つ以上のセメンタイトのラメラがほぼ平行に現れている部分から選択するものとする。
【0012】
パーライトはセメンタイトラメラとフェライトラメラが交互に層をなした組織であるが、ここでいう〔パーライトラメラ間隔〕はセメンタイトラメラの間隔で表したものをいう。観察視野内で選択するパーライトの部分を「少なくとも3つ以上のセメンタイトのラメラがほぼ平行に現れている部分」としたのは、パーライトの3次元的な形態を考慮して、観察平面内でセメンタイトラメラの間隔を適切に評価するためである。セメンタイトラメラが枝分かれしていたり短く分断されていて、少なくとも3つ以上のセメンタイトラメラがほぼ平行に並んで現れていないような部分では、パーライトラメラの間隔を定量的に表すことが困難である。そのような部分は測定対象から除外する。観察視野内に見られる「少なくとも3つ以上のセメンタイトのラメラがほぼ平行に現れている部分」(以下、「平行ラメラ部分」という)のうち、ラメラが最も密になっている「平行ラメラ部分」は、観察平面がラメラを垂直に近い角度で切断しており、かつ、全体のパーライトの中でもセメンタイトラメラの間隔が特に小さくなっている部分であると考えることができる。本発明では、観察視野の大きさを、1辺が少なくとも50μm以上の矩形領域を含む大きさとし、その観察視野内に見られる「平行ラメラ部分」のうち、ラメラが最も密になっている「平行ラメラ部分」(以下、「選択部分」という)のセメンタイトラメラ間隔の測定を、10の異なる観察視野について行い、それら10個の測定値のうち小さいものから5個の測定値の平均値(μm)を〔パーライトラメラ間隔〕とする。
【0013】
各観察視野における「選択部分」のセメンタイトラメラ間隔の測定は、その部分を高倍率(例えば10000倍)で観察することによって行うことができる。ここでいうセメンタイトラメラの間隔は、1つのセメンタイトラメラの厚み中心部と、フェライトラメラを挟んでその隣にあるセメンタイトラメラの厚み中心部との距離で表される。隣り合うセメンタイトラメラの厚み中心線どうしは厳密には完全な平行線にはならず、また隣り合うラメラとしてどの2つのラメラを選ぶかによってもラメラの間隔は多少変動する。したがって、ここでは、「選択部分」についての「平均的な」セメンタイトラメラ間隔を測定する。「平均的な」とは「選択部分」における局所的なセメンタイトラメラ間隔の値に拘泥されることなく、当該部分のパーライトの緻密さを代表するのにふさわしいセメンタイトラメラ間隔の値を特定する趣旨である。例えば、その平均的な値は、ほぼ平行して並んでいるいくつかのセメンタイトラメラについて、両端の厚み中心間距離を測定し、その距離をその間に含まれるセメンタイトラメラの数で割った値を採用することができる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1の発明の熱延鋼板の金属組織において、特に初析フェライト面積率(%)が前記(1)式により定まるF値以上である点、および上で定義した〔パーライトラメラ間隔〕が0.1μm以上である点を規定したものである。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1〜4の発明において、特に熱延鋼板に施す冷間圧延率を15〜50%の範囲に規定したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、一般的な組成の中・高炭素鋼について、加工性を改善する手段を種々検討してきた。その結果、次のようなことが明らかになった。▲1▼一般的な打抜加工性や曲げ加工性が向上する場合でも、伸びフランジ性が改善されるとは限らないこと、▲2▼炭化物を単に球状化させるだけでは伸びフランジ性の安定した改善は図れないこと、▲3▼伸びフランジ性は、鋼板中における炭化物の分散形態に大きく依存し、具体的には炭化物のより一層の球状化と、平均炭化物粒径を大きくすること(平均炭化物間距離を大きくすること)によって改善し得ること。
さらに、冷間加工工程を経た場合でも、焼入性を阻害しない炭化物粒径の範囲で伸びフランジ性が改善できることも明らかになった。
【0020】
伸びフランジ性の改善挙動が、他の加工性の挙動と必ずしも一致しない理由について現時点では不明な点が多いが、次のようなことが考えられる。すなわち、伸びフランジ性は一般に穴拡げ試験で評価される特性であり、具体的には例えば、円板に予め設けた直径d0の穴にポンチを押し込んで穴を押し拡げていき、穴縁に板厚を貫通する割れが発生したときの穴直径dを測定し、そのときの穴径拡大率(d−d0)/d0で評価することのできる特性である。穴径拡大率は穴縁の円周方向ひずみの公称値を意味することから、伸びフランジ性は、穴縁に「くびれ」あるいは「割れ」が発生し始めるときの円周方向ひずみの限界値によって評価し得る特性である。つまり、伸びフランジ性は、局部的に高い応力が集中する場合の成形性を表していることになる。伸びフランジ性が他の一般的な加工性と異なる挙動を示すのは、一般的な加工性には影響を及ぼさないようなミクロ的な欠陥が、伸びフランジ性に対しては敏感に影響するためであると推察される。
【0021】
上記の「くびれ」や「割れ」は、加工変形中に生じるミクロ的な欠陥、すなわちミクロボイドが連結して成長したような、極めて微少な欠陥によって引き起こされるものと考えられる。中・高炭素鋼板においては、炭化物(セメンタイト)がミクロボイドの生成起点になると考えれれる。したがって、中・高炭素鋼板の伸びフランジ性を改善するには、ミクロボイドの生成・連結が起こりにくいような炭化物の分布形態にコントロールすることが重要となる。
【0022】
本発明者らの詳細な研究により、加工に供する鋼板中の平均炭化物間距離を長くすれば、個々の炭化物を起点として生成したミクロボイドの連結が抑制でき、伸びフランジ性が向上することが確認されている。また、個々の炭化物の球状化率を高めることもミクロボイドの生成を抑制する効果があることが確認されている。本発明では主として、熱延鋼板の金属組織の規定と、熱処理方法の規定によって、冷間圧延を採用した鋼板製造プロセスでの効果的な炭化物形態コントロールを実現した。以下、本発明を特定するための事項について説明する。
【0023】
本発明では、C:0.1〜0.8質量%を含有する鋼を対象とする。C含有量は鋼の焼入れ硬さおよび炭化物量に大きく影響する。C含有量が0.1質量%以下の鋼では、各種機械構造用部品に適用するうえで十分な焼入れ硬さが得られない。一方、C含有量が0.8質量%を超えると、熱間圧延後の靭性が低下して鋼帯の製造性・取扱い性が悪くなるとともに、焼鈍後においても十分な延性が得られないため、加工度の高い部品への適用が困難になる。したがって、本発明では適度な焼入れ硬さと加工性を兼ね備えた素材鋼板を提供する観点から、C含有量が0.1〜0.8質量%の範囲の鋼を対象とする。なお、C含有量が低くなるほど伸びフランジ性は一層改善される。このため、伸びフランジ性を特に重視する用途ではC含有量が0.1〜0.5質量%の鋼を使用することが望ましい。
【0024】
Sは、MnS系介在物を形成する元素である。この介在物の量が多くなると局部延性が劣化するので、鋼中のS含有量はできるだけ低減することが望ましい。本発明ではS含有量を特別に低減していない一般的な市販鋼に対しても伸びフランジ性の向上効果は得られる。しかし、C含有量が0.8質量%近くまで高くなった場合でも、後述するElv値およびλ値がそれぞれ例えば35%以上,40%以上といった高い伸びフランジ性を安定して確保するためには、S含有量を0.01質量%以下に低減した鋼を使用することが望ましい。さらにElv値およびλ値をそれぞれ40%以上,55%以上にまで高めた非常に優れた伸びフランジ性を有する鋼板素材を安定して得るためには、C含有量を0.1〜0.5質量%としたうえで、S含有量を0.005質量%以下に低減した鋼を用いるのがよい。
【0025】
Pは、延性や靭性を劣化させるので、0.03質量%以下の含有量とすることが望ましい。
【0026】
Alは溶鋼の脱酸剤として添加されるが、鋼中のT.Al量が0.1質量%を超えると鋼の清浄度が損なわれて鋼板に表面疵が発生しやすくなるので、T.Al含有量は0.1質量%以下とすることが望ましい。
【0027】
Siは、局部延性に対して影響の大きい元素の1つである。Siを過剰に添加すると固溶強化作用によりフェライトが硬化し、成形加工時に割れ発生の原因となる。またSi含有量が増加すると製造過程で鋼板表面にスケール疵が発生する傾向を示し、表面品質の低下を招く。Siを添加する場合は0.40質量%以下の含有量に抑えるのがよい。加工性を特に重視する用途ではSi含有量は0.1質量%以下とすることが望ましい。
【0028】
Mnは、鋼板の焼入れ性を高め、強靭化にも有効な添加元素である。十分な焼入れ性を得るためには0.3質量%以上の含有が望ましい。しかし、1.0質量%を超えて多量に含有させるとフェライトが硬化し、加工性の劣化を招く。そこで、Mnは0.3〜1.0質量%の範囲で含有させることが望ましい。
【0029】
Crは、焼入れ性を改善するとともに焼戻し軟化抵抗を大きくする元素である。しかし、1.2質量%を超える多量のCrが含まれると後述の3段階焼鈍を施しても軟質化しにくく焼入れ前のプレス成形性や加工性が劣化する場合がある。したがってCrを添加する場合は1.2質量%以下の範囲とするのがよい。
【0030】
Moは、少量の添加でCrと同様に焼入れ性・焼戻し軟化抵抗の改善に寄与する。しかし、0.3質量%を超える多量のMoが含まれると3段階焼鈍を施しても軟質化しにくく焼入れ前のプレス成形性や加工性が劣化する場合がある。したがってMoを添加する場合は0.3質量%以下の範囲とするのがよい。
【0031】
Cuは、熱延中に生成する酸化スケールの剥離性を向上させるので、鋼板の表面性状の改善に有効である。しかし、0.3質量%以上含有させると溶融金属脆化により鋼板表面に微細なクラックが生じやすくなるので、Cuを添加する場合は0.3質量%以下の範囲とするのがよい。Cu含有量の好ましい範囲は0.10〜0.15質量%である。
【0032】
Niは、焼入れ性を改善するとともに低温脆性を防止する元素である。またNiは、Cu添加によって問題となる溶融金属脆化の悪影響を打ち消す作用を示すので、特にCuを約0.2%以上添加する場合にはCu添加量と同程度のNiを添加することが極めて効果的である。しかし、2.0質量%を超える多量のNiが含まれると3段階焼鈍を施しても軟質化しにくく焼入れ前のプレス成形性や加工性が劣化する場合がある。したがってNiを添加する場合は2.0質量%以下の範囲とするのがよい。
【0033】
次に、熱処理による炭化物形態のコントロールについて説明する。
一般的に、鋼をAc1点以上の温度に加熱すると炭化物のうち微細なものはオーステナイト中に固溶し、その後Ar1点以下の温度に冷却すると再び炭化物として析出する。その際、Ac1点以上で未溶解炭化物をある程度多く残存させることが可能であれば、Ar1点以下への冷却速度を遅くしたとき、オーステナイト中に固溶したCはパーライトを生成せずに未溶解炭化物を核として析出するので、焼鈍後の炭化物の球状化率は高くなる。またこの場合、Ac1点以上における未溶解炭化物の数は焼鈍前より減少しており、冷却速度が遅いと新たに核生成しないので、焼鈍後の炭化物数は焼鈍前より減少することになり、結果的に炭化物間距離は長くなる。
【0034】
しかしながら、Ac1点以上の温度域は、平衡的には鋼の炭化物がすべて固溶する領域である。このため、一般的な焼鈍ではAc1点以上で未溶解炭化物をある程度多く残存させることは困難である。結局、析出核の数が不足し、Ar1点以下への冷却過程で、オーステナイト中に固溶したCはラメラ間隔の広い再生パーライトとして析出することになる。その結果、炭化物の球状化率は極めて低くなり、伸びフランジ性の優れた鋼板は得られない。
【0035】
本発明者らは、Ac1点以上へ加熱する前に、予めAc1点未満の特定温度域で一定時間以上加熱する処理を行えば、熱延および冷延を経た鋼であっても、Ac1点以上の温度域において未溶解炭化物を適切量残存させることが可能であること、および、Ar1点以下への冷却後に特定温度域で特定時間保持することによって、伸びフランジ性が向上する炭化物分散形態が実現できることを知見した。
【0036】
〔1段目の加熱〕
1段目の加熱の目的は、Ac1点未満の温度に鋼板を保持し、熱間圧延で生成したパーライトを分断して、炭化物(セメンタイト)の球状化を図ることである。分断された炭化物は比較的細かいものの、球状化の進行より炭化物単位体積当たりの表面積が減少するので、結果的に2段目のAc1点以上の加熱時に、炭化物/オーステナイト界面面積の減少効果で炭化物の固溶を遅らせることができる。パーライトの分断・球状化反応促進のためにはAc1点未満の範囲でなるべく高温が望ましい。Ac1−50℃より低温では球状化が十分に進まない。一方、Ac1点以上になると界面面積の大きい熱延パーライトは容易にオーステナイトに固溶してしまうので目的が達成できない。したがって1段目の加熱温度はAc1−50℃〜Ac1未満の温度範囲とした。また、その温度範囲での保持時間が0.5時間未満では球状化が十分に図れないので、1段目の加熱保持時間は0.5時間以上とした。保持時間の上限は特に規定する必要はないが、工業的な実施を考慮したとき8時間以内とすることが望ましい。
なお、この1段目の加熱を行った後は、そのまま昇温して2段目の加熱を実施してもよいし、一旦常温まで冷却したのち改めて昇温して2段目の加熱に供してもよい。設備の都合等により1回の加熱で0.5時間以上の保持時間を確保できないときは、この1段目の加熱を複数回に分けて行ってもよい。その場合は上記温度範囲内での保持時間がトータル0.5時間以上となるようにする。
【0037】
〔2段目の加熱〕
2段目の加熱の目的は、1段目の加熱を経た鋼板をAc1点以上の温度に保持し、オーステナイト化した部分において微細な炭化物を固溶・消失させるとともに比較的大きな球状炭化物を未溶解のまま残すこと、および、フェライトが存在する場合にはその部分の炭化物をオストワルド成長させることである。つまり、続く3段目の加熱で炭化物析出の核となるべき未溶解炭化物の数および分散状態を決定付ける工程である。加熱温度がAc1点未満ではオーステナイトが生成しない。一方、Ac1+100℃の温度を超えると、1段目の加熱で炭化物が球状化されていても、その多くはオーステナイト中に固溶・消失し、未溶解炭化物の数が少なくなりすぎるか、または存在しなくなる。そうなると3段目への冷却過程で再生パーライトが生成し、伸びフランジ性を十分改善するに足る高い炭化物球状化率と長い平均炭化物間距離が実現できない。加熱保持時間が0.5時間未満ではオーステナイト中への微細炭化物の固溶が不十分であり、20時間を超える長時間加熱ではより平衡状態に近づくため未溶解炭化物の数が減少しすぎる。したがって、2段目の加熱はAc1〜Ac1+100℃の温度範囲で0.5〜20時間保持することとした。
【0038】
〔3段目の加熱〕
3段目の加熱の目的は、1段目〜2段目の加熱を経た鋼板をAr1点以下の温度に保持し、2段目の温度からの冷却でオーステナイト→フェライト変態に伴ってオーステナイトから吐き出されるCを未溶解炭化物を核として析出させるとともに、これらの炭化物をオストワルド成長させることである。つまり、炭化物の数は2段目の加熱で残存させた未溶解炭化物の数をほぼそのまま維持し、かつ炭化物の球状化率を高める工程である。保持温度がAr1点以下でないとオーステナイト→フェライト変態が起こらない。また、保持温度がAr1−80℃より低温の場合や、保持時間が2時間未満では、オストワルド成長が十分進まない。ただし、保持時間が60時間を超えてもその効果が飽和し、工業的なメリットはない。したがって、3段目の加熱はAr1−80℃〜Ar1の温度範囲で2〜60時間保持することとした。
【0039】
〔2段目の保持温度から3段目の保持温度への冷却速度〕
この冷却速度が速いとオーステナイトの過冷度が大きくなり、再生パーライトが生成しやすくなる。再生パーライトの生成を十分抑制するためには冷却速度を30℃/h以下とする必要がある。一方、冷却速度を5℃/hより遅くしても再生パーライト抑制効果は飽和し、工業的メリットがない。したがって、当該冷却速度は5〜30℃/hに規定した。
【0040】
次に、熱延鋼板の金属組織について説明する。本発明において、熱延鋼板の金属組織は、実質的にフェライト+パーライト組織、すなわち、ベイナイトを含まない初析フェライト+パーライト組織であることが望ましい。これは、1段目の加熱保持において、ベイナイトはパーライトに比べて炭化物粒径がより微細になり、2段目の加熱で残留する未溶解炭化物の数が不足するためである。
【0041】
熱延鋼板の初析フェライト面積率(%)を高くすることも、2段目の加熱で未溶解炭化物を適正量残留させるうえで有利である。初析フェライト面積率(%)が高くなると、パーライトコロニー全体でのC濃度が高くなるので、パーライト中のセメンタイトラメラが厚くなり、1段目の加熱で炭化物粒径を比較的大きくすることができるからである。実験の結果、熱延鋼板における初析フェライト面積率(%)が、下記(1)式で定まるF値以上の値になるように調製されているとき、より良好な伸びフランジ性が得られることがわかった。
F=0.4×(1−質量%C/0.8)×100 ・・(1)
ここで、「(1−質量%C/0.8)×100」は、平衡論的に析出する初析フェライト面積率である。(1)式は、実際に存在する熱延鋼板中の初析フェライト量が、平衡論的な初析フェライト量の40%以上の量であることが望ましいことを意味する。熱延鋼板中の初析フェライト面積率(%)は、鋼板断面の金属組織観察(例えば走査電子顕微鏡観察)において、観察視野内の初析フェライト面積を測定し、観察視野面積に占める初析フェライト面積の割合として求めることができる。
【0042】
熱延鋼板のパーライトラメラ間隔を大きくすることも、2段目の加熱で未溶解炭化物を適正量残留させるうえで有利である。先に定義した〔パーライトラメラ間隔〕を0.1μm以上としたとき、1段目の加熱で球状化炭化物の粒径が適度に大きくなり、結果的に高い伸びフランジ性が得られる。
【0043】
加工用素材の各種板厚要求に対応するためには、冷間圧延工程の採用が非常に有利となる。また、一般的に熱延鋼板を焼鈍前に冷間圧延すると、導入された加工ひずみによって焼鈍時に再結晶が促進され、冷間圧延を施さなかった場合に比べ軟質なものが得られる。本発明では、この軟質化の効果を享受することができる他、特に3段階焼鈍の1段目の加熱において、加工ひずみによりパーライト中の炭化物の分断・球状化が促進されるメリットもある。ただし、本発明者らの調査によると、冷間圧延率が10%程度のときには、冷間圧延を施さなかった場合(以下、「冷間圧延率が0%」という)よりむしろ焼鈍後の硬度が上昇する現象がみられた。冷間圧延率が15%になると、ようやく冷間圧延率が0%のものとほぼ同等の硬度にもどり、さらに冷間圧延率を増すと冷間圧延率0%のものより大幅に軟質なものが得られる。しかし、冷間圧延率が30%を超えると軟質化の程度は少しずつ小さくなり、50%を超えるとフェライト結晶粒が微細となり、硬さが上昇し、延性の低下が懸念される。したがって、熱延鋼板に対して施す冷間圧延率は、少なくとも15%以上とする必要があるが、50%以下の範囲とすることが望ましい。
【0044】
以上のようにして、伸びフランジ性の高い中・高炭素鋼板が得られる。具体的には本発明の熱処理後の金属組織が、例えば、炭化物の球状化率が90%以上であり、平均炭化物粒径が0.4〜1.0μmの範囲となることが望ましい。本発明によってこのような望ましい金属組織を得ることが可能である。
【0045】
ここで、炭化物の球状化率は、鋼板断面の金属組織観察(例えば走査電子顕微鏡観察)において炭化物の最大長さaとその直角方向における最大長さbの比(a/b)が3未満のものを「球状化した炭化物」としてカウントし、測定炭化物総数に対する前記「球状化した炭化物」の割合で表したものを意味する。ただし、観察視野は炭化物総数が300個以上となる領域とする。
【0046】
平均炭化物粒径は、鋼板断面の金属組織観察において、観察視野内の個々の炭化物について測定した円相当径を全測定炭化物について平均した値を意味する。ただし、観察視野は炭化物総数が300個以上となる領域とする。
【0047】
【実施例】
〔実施例1〕
表1に、供試鋼板の化学成分,Ac1変態点,Ar1変態点,および焼入れ硬さを示す。Ac1変態点およびAr1変態点は、直径5mm×長さ10mmの供試鋼試験片を「10℃/hで昇温→900℃で10分間保持して完全にオーステナイト化→10℃/hで冷却」というヒートパターンで加熱・冷却しながら試験片の収縮・膨張を測定し、その収縮・膨張曲線の変化から求めた。焼入れ硬さは、熱延材をそのままAc1変態点以上である900℃で5分間保持した後水焼入れした場合の硬さを示した。この焼入れ硬さは一般的な焼入れ処理によって鋼材本来の硬度を比較したものであり、本発明に係る3段階焼鈍後の焼入性を示すものではない。
【0048】
【表1】
【0049】
表1のうちA鋼は、C含有量が0.08質量%と低いので、焼入れ後の硬さが低く、機械部品として必要な硬度が得られないものであった。そこで、A鋼を除く鋼について、仕上圧延の最終パス温度850℃,巻取温度620℃の条件で熱間圧延を行った後、種々の冷間圧延率で圧延して2.3mm厚の鋼板に仕上げ、次いで種々の条件で焼鈍を施した。焼鈍後の鋼板について、引張試験,切欠引張試験,穴拡げ試験を実施した。
【0050】
引張試験は、JIS 5号引張試験片を用い、平行部の標点間距離を50mmとして行った。
切欠引張試験は、JIS 5号引張試験片の平行部長手方向中央位置における幅方向両サイドに開き角45°,深さ2mmのVノッチを形成した試験片を用いて引張試験を行う方法で行った。Vノッチ部を挟む標点間距離5mmに対する伸び率を破断後に求め、その伸び率を切欠引張伸びElvとした。
穴拡げ試験は、150mm角の鋼板の中央部にクリアランス20%にて10mm(d0)の穴を打抜いた後、その穴部について、50mmφ球頭ポンチにて押し上げる方法で行い、穴周囲に板厚を貫通する亀裂が発生した時点での穴径dを測定して、次式で定義される穴拡げ率λ(%)を求めた。
λ=(d−d0)/d0×100
これらElv値およびλ値は局部延性を表す指標であり、伸びフランジ性を定量的に評価し得るものである。
これらの試験結果を焼鈍条件と併せて表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
C含有量が0.89質量%と本発明規定範囲を超えているG鋼は、冷延,焼鈍条件を本発明で規定する範囲内としても、Elv値28%,λ値32%と低く、伸びフランジ性は劣っていた(No.6)。C含有量が本発明規定範囲内のB鋼でも、冷延率が10%の場合はElv値23%,λ値34%と低く、高い伸びフランジ性は得られなかった(No.1)。これに対し、C含有量が本発明規定範囲内のB鋼,C鋼,D鋼,E鋼,F鋼は、本発明で規定する条件で冷延,焼鈍を施した場合、Elv値35%以上,λ値41%以上と、優れた伸びフランジ性を示した。C含有量が本発明規定範囲にあり、かつS含有量が0.01質量%以下に抑えられているF鋼は、C含有量が同等であるC鋼と比べてもさらに高いElv値・λ値を示しており、非常に優れた伸びフランジ性を有することがわかる。
【0053】
次に、C含有量が本発明規定範囲であるB鋼(No.14〜19)を例に、焼鈍条件の影響について述べる。1段目の保持温度が本発明規定範囲外である場合(No,14)、2段目の保持温度が本発明規定範囲より高い場合(No.15)、および2段目の加熱時間が本発明規定範囲より長い場合(No.16)は、2段目の加熱保持が終了する時点での未溶解炭化物が極めて少なくなり、その結果再生パーライトが生成したため、Elv値,λ値ともに低くなった。2段目の保持温度から3段目の保持温度への冷却速度が本発明の規定より速い場合(No.17)、および3段目の保持温度が本発明規定範囲より高い場合(No.18)でも、再生パーライトが生成したため、Elv値,λ値ともに低くなった。3段目の保持温度が本発明規定範囲より低い場合(No.19)は、3段目の加熱段階で炭化物の球状化が進まなかったため、Elv値,λ値ともに低くなった。
以上のように、本発明に係るものは比較例のものよりElv値およびλ値が顕著に向上している。
【0054】
〔実施例2〕
表1のB鋼を用いて、3段階焼鈍後のElv値,λ値に及ぼす熱延鋼板の金属組織の影響を調査した。熱延鋼板の金属組織は、熱延最終パス温度,巻取温度をコントロールして変化させた。冷間圧延率,3段階焼鈍条件は本発明規定範囲内とした。その結果を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】
表3中、No.31は、初析フェライト面積率(%)がF値未満で、かつ、〔パーライトラメラ間隔〕が0.1μm未満のものである。これは、先の表2のデータからもわかるように、本発明例の中でもElv値,λ値が低い部類のものである。No.32は、初析フェライト面積率(%)がF値以上、〔パーライトラメラ間隔〕が依然0.1μm未満のものであるが、Elv値,λ値はNo.31よりかなり向上している。No.33〜34は、初析フェライト面積率(%)がF値以上、かつ、〔パーライトラメラ間隔〕が0.1μm以上のものであり、Elv値,λ値は非常に高い値になっている。
【0057】
〔実施例3〕
次に、3段階焼鈍後の金属組織(炭化物球状化率,平均炭化物粒径)の及ぼすElv値,λ値,高周波焼入れ性への影響を調べた一例を示す。サンプルとして、表2のNo.2,No.12,No.15を用い、3段階焼鈍後の鋼板断面の金属組織の走査電子顕微鏡観察し、先に述べた手法で炭化物球状化率および平均炭化物粒径を求めた。高周波焼入れ性は、3段階焼鈍後の鋼板を高周波加熱により900℃で10秒間保持した後、水焼入れし、硬さを測定して評価した。この焼入れ硬さによって、部品加工後の焼入れ性が評価できると考えて良い。結果は次のとおりであった。
・(No.2)炭化物球状化率:96%,平均炭化物粒径:0.70μm,Elv値:46%,λ値:64%,高周波焼入れ硬さ:Hv 608。
・(No.12)炭化物球状化率:91%,平均炭化物粒径:0.55μm,Elv値:43%,λ値:58%,高周波焼入れ硬さ:Hv 605。
・(No.15)炭化物球状化率:72%,平均炭化物粒径:0.36μm,Elv値:27%,λ値:36%,高周波焼入れ硬さ:Hv 609。
これらの結果は、炭化物の球状化率が高く、かつ平均炭化物粒径が大きいほど、伸びフランジ性が向上することを示している。また、本発明によって高周波焼入れ性にも優れるものが得られることを示している。
【0058】
参考のため、図1に、表3のNo.31の熱延鋼板L-断面の金属組織写真を示す。図2には、表3のNo.34の熱延鋼板L-断面の金属組織写真を示す。いずれも走査電子顕微鏡写真である。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、冷間圧延を経た鋼板製造プロセスにおいて、伸びフランジ性に優れた加工用中・高炭素鋼板が安定的に作れるようになった。伸びフランジ加工等の厳しい加工に耐え得る中・高炭素鋼板を、多様化する板厚要求に応じて、多くの用途に容易に適用することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】表3のNo.31の熱延鋼板L-断面の金属組織写真である。
【図2】表3のNo.34の熱延鋼板L-断面の金属組織写真である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a production method for obtaining a medium / high carbon steel sheet excellent in stretch flangeability.
[0002]
[Prior art]
So-called medium and high carbon steel sheets with a C content of 0.1 to 0.8% by mass in steel can be hardened and have a certain degree of workability in the annealed state before quenching. It is widely used as a material for various machine parts and bearing parts. In manufacturing parts, generally, punching and bending are performed, and relatively mild drawing and stretch flange molding may be performed. Further, when the part shape is complicated, it is often produced by welding two or three parts. These processed parts are finished into parts for various uses through heat treatment.
[0003]
However, in recent years, in order to reduce the manufacturing cost of parts, the integral molding of parts and the simplification of parts processing have been promoted. This means that it must withstand processing with a higher processing rate (= a large amount of plastic deformation) when viewed from the material side. In other words, with the advancement of processing technology, higher workability has been required for medium and high carbon steel sheets themselves. Particularly in recent years, there is an increasing need for steel plate materials that can withstand not only punching and bending, but also advanced processing that requires local ductility such as stretch flange forming (for example, hole expansion).
[0004]
Under these circumstances, Japanese Patent Publication No. 61-15930, Japanese Patent Publication No. 5-70685, and Japanese Patent Application Laid-Open No. 4-333527 disclose that the carbide in the steel bar is spheroidized by devising the processing method or heat treatment method, and the steel bar wire The technology to improve the workability of is introduced. However, all of these are intended for steel bar wires, and a method for improving stretch flangeability and hole expandability, which is a problem when the material is a plate material, has not been clarified.
[0005]
Japanese Patent Laid-Open No. 8-3687 discloses a processing height that contains 0.3 mass% or more of C, the area ratio of carbides is 20% or less, and the ratio of carbides having a particle size of 1.5 μm or more is 30% or more. Carbon steel sheet is shown, and as the manufacturing method, finish hot rolling machine outlet side temperature is set to 750-810 ° C, cooling at 10 ° C / sec or less, and difference between finishing temperature and coil winding temperature is set to 300 ° C or less A method is disclosed in which winding, spheroidizing annealing at 720 ° C. for 20 hours, cooling to 100 ° C. at a cooling rate of 26 ° C./Hr, air cooling, and cooling to room temperature. However, although this technique improves the workability of the steel sheet, a method for improving the high workability that requires local ductility such as stretch flangeability has not been clarified. Further, in order to coarsen the carbide particle size to 1.5 μm or more, it takes a long time to sufficiently dissolve carbon by heating in the austenite temperature range in the quenching process after parts processing. For this reason, it becomes difficult to apply a quenching process by short-time heating such as induction hardening.
[0006]
Furthermore, in JP-A-8-120405, in addition to C: 0.20 to 0.60%, it contains elements that promote graphitization such as Si, Al, N, B, and Ca, and 10 to 50% of the C content is A thin steel sheet excellent in workability, which is graphitized and has a ferrite phase in which spheroidized cementite containing a specific amount of graphite particles having a cross-sectional steel structure of 3 μm or more is dispersed is shown. As its manufacturing method, a method of hot rolling at a finishing temperature of 750 to 900 ° C., winding at 450 to 650 ° C., and annealing at 600 to 720 ° C. after cold rolling is shown. This thin steel plate is said to be excellent in hole expansibility and secondary workability. However, since it uses graphitization of contained carbon, it is necessary to add an element that promotes graphitization, and it is not widely applicable to general commercially available medium and high carbon steel types. In addition, the presence of coarse graphite particles of 3 μm or more, as in the previous example, delays sufficient solid solution of carbon in the heating of the quenching process after parts processing, and makes it difficult to apply the quenching process by heating for a short time.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, despite the high need for medium- and high-carbon steel sheets with improved stretch flangeability, the characteristics of general medium- and high-carbon steel sheet materials are improved. The method has not been clarified. In addition, various steel plate thicknesses are required depending on the application, and in order to flexibly cope with such plate thickness requirements, a process that combines hot rolling and cold rolling well. In general, it is finished to a predetermined thickness. However, in a process in which hot rolling and cold rolling are combined, the metal structure of the steel sheet varies greatly depending on conditions, and it is not always easy to stably provide sufficient “stretch flangeability”.
[0008]
Therefore, the present invention is capable of stably improving the “stretch flangeability” while enabling high-precision thickness adjustment by cold rolling in general medium and high carbon steel grades to which no special element is added. The purpose is to provide a method for producing medium and high carbon steel sheet materials.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The object is the invention of
[0010]
The invention of claim 2 defines the point that the pro-eutectoid ferrite area ratio (%) is not less than the F value determined by the following equation (1) in the metal structure of the hot rolled steel sheet of the invention of
F = 0.4 x (1-mass% C / 0.8) x 100 (1)
Here, “area of pro-eutectoid ferrite (%)” is a value obtained by actually measuring the amount of pro-eutectoid ferrite present in the hot-rolled steel sheet by means such as microscopic observation. On the other hand, the “F value” is a value determined by calculation by substituting the value of C content (% by mass) of the steel sheet into the right side of the equation (1).
[0011]
The invention of claim 3 specifies the point that the [pearlite lamella spacing] defined below is 0.1 μm or more in the metallographic structure of the hot-rolled steel sheet of the invention of
[Perlite lamella spacing]: In the observation of the metal structure of the hot-rolled steel sheet L-section (cross section cut almost parallel to the hot-rolling direction), the cementite lamella is the most in the observation field including a rectangular region with a side of at least 50 μm or more. Select a dense pearlite part, measure the average thickness center distance between adjacent cementite lamellae in the pearlite part, and set the value to L (μm). The average value (μm) of the 10 smallest L values out of the 10 L values is taken as [perlite lamella spacing]. However, the pearlite portion selected within the observation field is selected from the portions where at least three or more cementite lamellae appear approximately in parallel.
[0012]
Perlite is a structure in which cementite lamellae and ferrite lamellae are alternately layered, and here, [perlite lamella spacing] refers to that expressed by the spacing of cementite lamellae. The part of pearlite to be selected in the observation field is “the part where at least three or more cementite lamellae appear almost in parallel” because of the cementite in the observation plane in consideration of the three-dimensional form of pearlite. This is to appropriately evaluate the lamella spacing. In the part where the cementite lamella is branched or shortly divided and at least three or more of the cementite lamella do not appear almost in parallel, it is difficult to quantitatively represent the interval between the pearlite lamellae. Such parts are excluded from the measurement target. "Parallel lamella part" where the lamella is the most dense among the "parts where at least three or more cementite lamellae appear almost parallel" (hereinafter referred to as "parallel lamella part"). Can be considered to be a portion where the observation plane cuts the lamella at an angle close to vertical and the interval between the cementite lamellas is particularly small in the entire pearlite. In the present invention, the size of the observation visual field is set to a size including a rectangular region having a side of at least 50 μm or more, and among the “parallel lamella portions” seen in the observation visual field, the lamella is the most dense “parallel”. The measurement of the cementite tramella spacing of the “lamellar part” (hereinafter referred to as “selected part”) is carried out for 10 different observation fields, and the average value (μm) of the 10 smallest measured values among the 10 measured values. Is [perlite lamella interval].
[0013]
The measurement of the cementite frame interval of the “selected part” in each observation visual field can be performed by observing the part at a high magnification (for example, 10,000 times). Here, the interval between the cementite lamellae is expressed by the distance between the thickness center portion of one cementite lamella and the thickness center portion of the cementite lamella adjacent to the ferrite lamella. Strictly speaking, the thickness centerlines of adjacent cementite lamellas do not become completely parallel lines, and the lamella spacing varies somewhat depending on which two lamellae are selected as adjacent lamellae. Therefore, here we measure the “average” cementitious tram interval for the “selected part”. “Average” is not intended to be limited to the value of the local cementite tram interval in the “selected part”, but to specify the value of the cemente tramera interval suitable for representing the fineness of the pearlite in that part. is there. For example, the average value is measured by measuring the distance between the thickness centers of both ends of several cementite lamellas arranged almost in parallel and dividing the distance by the number of cementite lamellae included between them. can do.
[0014]
The invention of claim 4 is defined above, in the metallographic structure of the hot-rolled steel sheet of the invention of
[0015]
Invention of Claim 5 prescribes | regulates the cold rolling rate given to especially a hot-rolled steel plate in the range of 15 to 50% in invention of Claims 1-4.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The inventors have studied various means for improving the workability of medium and high carbon steels having a general composition. As a result, the following became clear. (1) Even if general punching workability and bending workability are improved, stretch flangeability is not always improved. (2) Stretch flangeability is stable by simply spheroidizing carbide. (3) Stretch flangeability depends greatly on the dispersion form of carbides in the steel sheet. Specifically, the spheroidization of carbides and the increase in average carbide particle size (average carbides) It can be improved by increasing the distance.
Furthermore, it has also been clarified that the stretch flangeability can be improved in the range of the carbide particle diameter that does not impair the hardenability even after the cold working process.
[0020]
Although there are many unclear points at present regarding the reason why the improvement behavior of stretch flangeability does not necessarily match the behavior of other workability, the following can be considered. That is, stretch flangeability is a characteristic that is generally evaluated by a hole expansion test. Specifically, for example, a diameter d previously set in a disk is used.0The punch is pushed into the hole to expand the hole, the hole diameter d is measured when a crack penetrating the plate thickness occurs at the hole edge, and the hole diameter enlargement ratio (dd)0) / D0It is a characteristic that can be evaluated with. Since the hole diameter enlargement ratio means the nominal value of the circumferential strain of the hole edge, stretch flangeability depends on the limit value of the circumferential strain at which “necking” or “cracking” begins to occur at the hole edge. It is a characteristic that can be evaluated. That is, the stretch flangeability represents the formability when high stress is concentrated locally. Stretch flangeability behaves differently from other general workability because micro defects that do not affect general workability have a sensitive effect on stretch flangeability. It is guessed that.
[0021]
The above-mentioned “necking” and “cracking” are considered to be caused by microscopic defects generated during processing deformation, that is, extremely small defects such as microvoids growing together. In medium and high carbon steel sheets, carbide (cementite) is considered to be the starting point of microvoid formation. Therefore, in order to improve the stretch flangeability of medium and high carbon steel sheets, it is important to control the distribution of carbides so that the formation and connection of microvoids hardly occur.
[0022]
Detailed studies by the present inventors confirmed that if the average distance between carbides in the steel sheet to be processed is increased, the connection of microvoids generated from individual carbides can be suppressed, and the stretch flangeability is improved. ing. It has also been confirmed that increasing the spheroidization rate of individual carbides also has the effect of suppressing the formation of microvoids. In the present invention, effective carbide form control in the steel sheet manufacturing process adopting cold rolling is realized mainly by defining the metal structure of the hot-rolled steel sheet and the heat treatment method. Hereinafter, matters for specifying the present invention will be described.
[0023]
In the present invention, steel containing C: 0.1 to 0.8% by mass is targeted. The C content greatly affects the quenching hardness and carbide content of the steel. Steel with a C content of 0.1% by mass or less cannot provide sufficient quenching hardness when applied to various machine structural parts. On the other hand, if the C content exceeds 0.8% by mass, the toughness after hot rolling deteriorates and the manufacturability and handleability of the steel strip deteriorate, and sufficient ductility cannot be obtained even after annealing. It becomes difficult to apply to high-precision parts. Therefore, in the present invention, steel with a C content in the range of 0.1 to 0.8% by mass is targeted from the viewpoint of providing a raw steel plate having both appropriate quenching hardness and workability. In addition, stretch flangeability is further improved, so that C content becomes low. For this reason, it is desirable to use steel having a C content of 0.1 to 0.5% by mass in applications where stretch flangeability is particularly important.
[0024]
S is an element that forms MnS inclusions. Since the local ductility deteriorates when the amount of inclusions increases, it is desirable to reduce the S content in the steel as much as possible. In the present invention, the effect of improving stretch flangeability can be obtained even for general commercial steels in which the S content is not particularly reduced. However, even when the C content increases to near 0.8% by mass, in order to stably ensure high stretch flangeability such as an Elv value and a λ value described below of 35% or more and 40% or more, respectively, S It is desirable to use steel with a content reduced to 0.01% by mass or less. Furthermore, in order to stably obtain a steel plate material having very excellent stretch flangeability in which the Elv value and the λ value are increased to 40% or more and 55% or more, the C content is set to 0.1 to 0.5% by mass. In addition, it is preferable to use steel with the S content reduced to 0.005 mass% or less.
[0025]
Since P deteriorates ductility and toughness, the content is preferably 0.03% by mass or less.
[0026]
Al is added as a deoxidizer for molten steel, but if the amount of T.Al in the steel exceeds 0.1% by mass, the cleanliness of the steel is impaired and surface flaws are likely to occur on the steel sheet. The amount is desirably 0.1% by mass or less.
[0027]
Si is one of the elements having a great influence on the local ductility. If Si is added excessively, the ferrite is hardened by the solid solution strengthening action, which causes cracks during molding. Further, when the Si content is increased, scale flaws tend to be generated on the surface of the steel sheet during the production process, leading to a reduction in surface quality. When adding Si, it is good to suppress to 0.40 mass% or less content. In applications where workability is particularly important, the Si content is preferably 0.1% by mass or less.
[0028]
Mn is an additive element that enhances the hardenability of the steel sheet and is effective for toughening. In order to obtain sufficient hardenability, the content is preferably 0.3% by mass or more. However, if it is contained in a large amount exceeding 1.0% by mass, the ferrite is cured and the workability is deteriorated. Therefore, it is desirable to contain Mn in the range of 0.3 to 1.0% by mass.
[0029]
Cr is an element that improves hardenability and increases temper softening resistance. However, if a large amount of Cr exceeding 1.2% by mass is contained, even if the three-stage annealing described later is performed, it is difficult to soften and press formability and workability before quenching may deteriorate. Therefore, when adding Cr, it is good to set it as the range of 1.2 mass% or less.
[0030]
Mo contributes to the improvement of hardenability and temper softening resistance in the same manner as Cr when added in a small amount. However, if a large amount of Mo exceeding 0.3% by mass is contained, even if three-stage annealing is performed, it is difficult to soften and press formability and workability before quenching may deteriorate. Therefore, when adding Mo, it is good to set it as the range of 0.3 mass% or less.
[0031]
Cu improves the surface properties of the steel sheet because it improves the peelability of the oxide scale produced during hot rolling. However, if it is contained in an amount of 0.3% by mass or more, fine cracks are likely to be generated on the surface of the steel sheet due to the molten metal embrittlement. A preferable range of the Cu content is 0.10 to 0.15% by mass.
[0032]
Ni is an element that improves hardenability and prevents low temperature brittleness. In addition, since Ni has an action to counteract the adverse effect of molten metal embrittlement which is a problem due to the addition of Cu, especially when adding about 0.2% or more of Cu, it is extremely effective to add Ni of the same amount as Cu addition. Is. However, if a large amount of Ni exceeding 2.0% by mass is contained, it is difficult to soften even if three-stage annealing is performed, and press formability and workability before quenching may deteriorate. Therefore, when adding Ni, it is good to set it as the range of 2.0 mass% or less.
[0033]
Next, control of the carbide form by heat treatment will be described.
Generally, the steel is Ac1When heated to a temperature above the point, fine carbides dissolve in austenite, and then Ar1When cooled to a temperature below the point, it again precipitates as carbide. At that time, Ac1If it is possible to leave a certain amount of undissolved carbide above the point, Ar1When the cooling rate below the point is slowed, C dissolved in austenite does not generate pearlite and precipitates with undissolved carbides as nuclei, so the spheroidization rate of the carbides after annealing increases. In this case, Ac1The number of undissolved carbides above the point is lower than that before annealing, and if the cooling rate is slow, new nucleation will not occur, so the number of carbides after annealing will decrease from that before annealing, resulting in a distance between carbides. Becomes longer.
[0034]
However, Ac1The temperature range above the point is a region where all the carbides of steel are in solid solution in equilibrium. Therefore, in general annealing, Ac1Above that point, it is difficult to leave a large amount of undissolved carbide. Eventually, the number of precipitation nuclei is insufficient, and Ar1During the cooling process below the point, C dissolved in the austenite precipitates as regenerated pearlite having a wide lamellar spacing. As a result, the spheroidization rate of the carbide is extremely low, and a steel sheet having excellent stretch flangeability cannot be obtained.
[0035]
We have Ac1Before heating above the point, ac1If the heat treatment is performed for a certain time or more in a specific temperature range below the point, even if the steel has undergone hot and cold rolling,1An appropriate amount of undissolved carbide can remain in the temperature range above the point, and Ar1It has been found that a carbide dispersion form in which stretch flangeability is improved can be realized by holding for a specific time in a specific temperature range after cooling to below the point.
[0036]
[First stage heating]
The purpose of the first stage heating is Ac1The steel sheet is held at a temperature below the point, and the pearlite generated by hot rolling is divided so that carbide (cementite) is spheroidized. Although the divided carbide is relatively fine, the surface area per unit volume of the carbide decreases as the spheroidization progresses.1During heating above the point, solid solution of the carbide can be delayed by the effect of reducing the carbide / austenite interface area. Ac to promote pearlite fragmentation and spheroidization1High temperature is desirable in the range below the point. Ac1Spheroidization does not progress sufficiently at temperatures below -50 ° C. On the other hand, Ac1If it exceeds the point, hot-rolled pearlite having a large interfacial area easily dissolves in austenite, so the purpose cannot be achieved. Therefore, the first stage heating temperature is Ac1-50 ° C to Ac1The temperature range was less than Further, since the spheroidization cannot be sufficiently achieved when the holding time in the temperature range is less than 0.5 hours, the heating and holding time for the first stage is set to 0.5 hours or more. The upper limit of the retention time does not need to be specified, but it is preferably within 8 hours in consideration of industrial implementation.
After the first stage heating, the temperature may be raised as it is, and the second stage heating may be performed. Alternatively, after cooling to room temperature, the temperature is raised again and used for the second stage heating. May be. When the holding time of 0.5 hour or more cannot be ensured by one heating due to the convenience of the equipment, etc., the first stage heating may be performed in a plurality of times. In such a case, the holding time within the above temperature range is set to 0.5 hours or more in total.
[0037]
[Second stage heating]
The purpose of the second stage heating is to use the steel sheet that has undergone the first stage heating.1The temperature is kept at a temperature above the point, so that fine carbides dissolve and disappear in the austenitized part, and relatively large spherical carbides remain undissolved. It is to grow Ostwald. That is, it is a step of determining the number and dispersion state of undissolved carbides that should become nuclei for carbide precipitation by the subsequent third stage heating. Heating temperature is Ac1Below the point, austenite is not generated. On the other hand, Ac1When the temperature exceeds + 100 ° C, even if the carbides are spheroidized by the first stage heating, many of them are dissolved / disappeared in the austenite, and the number of undissolved carbides becomes too small or no longer exists. . In this case, regenerated pearlite is generated in the cooling process to the third stage, and a high carbide spheroidization ratio and a long average distance between carbides sufficient to sufficiently improve stretch flangeability cannot be realized. If the heating and holding time is less than 0.5 hours, the solid carbide is not sufficiently dissolved in the austenite, and if the heating is continued for more than 20 hours, the number of undissolved carbides is reduced too much because it approaches an equilibrium state. Therefore, the second stage heating is Ac1~ Ac1The temperature was kept at + 100 ° C. for 0.5 to 20 hours.
[0038]
[3rd stage heating]
The purpose of the third stage heating is to make the steel sheet that has undergone the first to second stage heating Ar1It is maintained at a temperature below the point, and C discharged from the austenite with the transformation from the austenite → ferrite transformation is precipitated with undissolved carbides as nuclei, and these carbides are grown by Ostwald. . That is, the number of carbides is a step of maintaining the number of undissolved carbides left by the second stage heating almost as it is and increasing the spheroidization rate of the carbides. Holding temperature is Ar1The austenite-> ferrite transformation does not occur unless the temperature is below the point. Also, the holding temperature is Ar1When the temperature is lower than −80 ° C. or the holding time is less than 2 hours, the Ostwald growth does not proceed sufficiently. However, even if the holding time exceeds 60 hours, the effect is saturated and there is no industrial merit. Therefore, the third stage heating is Ar1-80 ℃ ~ Ar1In the temperature range of 2 to 60 hours.
[0039]
[Cooling rate from second stage holding temperature to third stage holding temperature]
When this cooling rate is high, the degree of supercooling of austenite increases and regenerated pearlite is easily generated. In order to sufficiently suppress the production of regenerated pearlite, the cooling rate needs to be 30 ° C./h or less. On the other hand, even if the cooling rate is lower than 5 ° C./h, the reproduction pearlite suppressing effect is saturated and there is no industrial merit. Therefore, the cooling rate is specified at 5 to 30 ° C./h.
[0040]
Next, the metal structure of the hot rolled steel sheet will be described. In the present invention, it is desirable that the metal structure of the hot-rolled steel sheet is substantially a ferrite + pearlite structure, that is, a pro-eutectoid ferrite + pearlite structure not containing bainite. This is because, in the first stage heating and holding, bainite has a finer carbide particle size than pearlite, and the number of undissolved carbides remaining by the second stage heating is insufficient.
[0041]
Increasing the pro-eutectoid ferrite area ratio (%) of the hot-rolled steel sheet is also advantageous for allowing an appropriate amount of undissolved carbide to remain by the second stage heating. When the pro-eutectoid ferrite area ratio (%) increases, the C concentration in the entire pearlite colony increases, so that the cementite lamellae in the pearlite become thicker, and the carbide particle size can be made relatively large by heating in the first stage. Because. As a result of the experiment, when the pro-eutectoid ferrite area ratio (%) in the hot-rolled steel sheet is adjusted to be equal to or greater than the F value determined by the following formula (1), better stretch flangeability can be obtained. I understood.
F = 0.4 x (1-mass% C / 0.8) x 100 (1)
Here, “(1−mass% C / 0.8) × 100” is the pro-eutectoid ferrite area ratio precipitated in equilibrium. The formula (1) means that the amount of pro-eutectoid ferrite in the hot-rolled steel sheet that is actually present is preferably 40% or more of the equilibrium pro-eutectoid ferrite amount. The pro-eutectoid ferrite area ratio (%) in the hot-rolled steel sheet is determined by measuring the pro-eutectoid ferrite area in the observation field in the observation of the metal structure of the cross-section of the steel sheet (for example, observation with a scanning electron microscope). It can be determined as a percentage of the area.
[0042]
Increasing the pearlite lamella spacing of the hot-rolled steel sheet is also advantageous for allowing an appropriate amount of undissolved carbide to remain by the second stage heating. When the previously defined [pearlite lamella spacing] is 0.1 μm or more, the particle size of the spheroidized carbide is appropriately increased by the first stage heating, and as a result, high stretch flangeability is obtained.
[0043]
In order to meet various plate thickness requirements for processing materials, it is very advantageous to employ a cold rolling process. In general, when a hot-rolled steel sheet is cold-rolled before annealing, recrystallization is promoted at the time of annealing due to the introduced work strain, and a softer one can be obtained than when cold-rolling is not performed. In the present invention, the effect of softening can be enjoyed. In addition, in the first stage heating of the three-stage annealing, there is an advantage that the cutting and spheroidization of carbides in pearlite is promoted by processing strain. However, according to the investigation by the present inventors, when the cold rolling rate is about 10%, the hardness after annealing rather than the case where the cold rolling is not performed (hereinafter, “the cold rolling rate is 0%”). There was a phenomenon of rising. When the cold rolling rate reaches 15%, it finally returns to almost the same hardness as that with the cold rolling rate of 0%, and when the cold rolling rate is further increased, it is much softer than that with the cold rolling rate of 0%. Is obtained. However, when the cold rolling rate exceeds 30%, the degree of softening gradually decreases, and when it exceeds 50%, the ferrite crystal grains become finer, the hardness increases, and the ductility is concerned. Accordingly, the cold rolling rate applied to the hot-rolled steel sheet needs to be at least 15% or more, but is preferably in the range of 50% or less.
[0044]
As described above, a medium / high carbon steel sheet having high stretch flangeability is obtained. Specifically, it is desirable that the metal structure after the heat treatment of the present invention has, for example, a spheroidization rate of carbide of 90% or more and an average carbide particle size in the range of 0.4 to 1.0 μm. According to the present invention, such a desirable metal structure can be obtained.
[0045]
Here, the spheroidization rate of the carbide is such that the ratio (a / b) of the maximum length a of carbide and the maximum length b in the direction perpendicular thereto is less than 3 in the observation of the metal structure of the cross section of the steel sheet (for example, observation by scanning electron microscope). This means that the product is counted as “spheroidized carbide” and expressed as a ratio of the “spheroidized carbide” to the total number of measured carbides. However, the observation visual field is an area where the total number of carbides is 300 or more.
[0046]
The average carbide particle size means a value obtained by averaging the equivalent circle diameters measured for individual carbides within the observation field for all the measured carbides in the observation of the metal structure of the cross section of the steel sheet. However, the observation visual field is an area where the total number of carbides is 300 or more.
[0047]
【Example】
[Example 1]
Table 1 shows the chemical composition of the test steel sheet, Ac1Transformation point, Ar1Shows transformation point and quenching hardness. Ac1Transformation point and Ar1The transformation point is a heat pattern in which a test steel specimen with a diameter of 5 mm and a length of 10 mm is heated at 10 ° C / h → held at 900 ° C for 10 minutes to fully austenite → cooled at 10 ° C / h. The shrinkage / expansion of the test piece was measured while heating / cooling, and obtained from the change in the shrinkage / expansion curve. Quenching hardness is the same as hot-rolled material.1The hardness is shown in the case of water quenching after holding for 5 minutes at 900 ° C. above the transformation point. This quenching hardness is a comparison of the original hardness of steel materials by a general quenching process, and does not indicate the hardenability after the three-stage annealing according to the present invention.
[0048]
[Table 1]
[0049]
In Table 1, since steel A has a low C content of 0.08% by mass, the hardness after quenching is low, and the hardness required for machine parts cannot be obtained. Therefore, steels other than steel A were hot-rolled under the conditions of the final pass temperature of finish rolling 850 ° C and the coiling temperature 620 ° C, and then rolled at various cold rolling rates into 2.3mm thick steel plates. Finishing was followed by annealing under various conditions. The annealed steel sheet was subjected to a tensile test, a notch tensile test, and a hole expansion test.
[0050]
The tensile test was performed using a JIS No. 5 tensile test piece and setting the distance between the parallel marks to 50 mm.
The notch tensile test is performed by a method in which a tensile test is performed using a test piece in which a V-notch having an opening angle of 45 ° and a depth of 2 mm is formed on both sides in the width direction at the central position in the longitudinal direction of the parallel part of JIS No. 5 It was. The elongation for a distance of 5 mm between the gauge marks sandwiching the V-notch portion was obtained after fracture, and the elongation was defined as the notch tensile elongation Elv.
In the hole expansion test, a 10mm (d0) Is punched out with a 50mmφ ball head punch, and the hole diameter d is measured when a crack that penetrates the plate thickness occurs around the hole. The hole expansion rate λ (%) defined by
λ = (d−d0) / D0× 100
These Elv value and λ value are indices representing local ductility, and the stretch flangeability can be quantitatively evaluated.
These test results are shown in Table 2 together with the annealing conditions.
[0051]
[Table 2]
[0052]
Steel G with a C content of 0.89% by mass, which exceeds the specified range of the present invention, has a low Elv value of 28% and a λ value of 32%, even if the cold rolling and annealing conditions are within the range specified by the present invention. The sex was inferior (No. 6). Even in the case of steel B, whose C content is within the specified range of the present invention, when the cold rolling rate was 10%, the Elv value was low at 23% and the λ value was 34%, and high stretch flangeability was not obtained (No. 1). On the other hand, B steel, C steel, D steel, E steel, and F steel, whose C content is within the range specified in the present invention, have an Elv value of 35% when subjected to cold rolling and annealing under the conditions specified in the present invention. As described above, the stretch flangeability was excellent with a λ value of 41% or more. Steel F, whose C content is within the specified range of the present invention and whose S content is suppressed to 0.01% by mass or less, has a higher Elv value / λ value than C steel with the same C content. It can be seen that it has very good stretch flangeability.
[0053]
Next, the influence of the annealing conditions will be described by taking as an example B steel (No. 14 to 19) whose C content is within the specified range of the present invention. When the first stage holding temperature is outside the range specified by the present invention (No, 14), when the second stage holding temperature is higher than the range specified by the present invention (No. 15), and when the second stage heating time is When it is longer than the specified range of the invention (No. 16), the undissolved carbide at the time when the second stage of heating and holding is completed is extremely small. As a result, regenerated pearlite is generated, so both the Elv value and the λ value are low. . When the cooling rate from the second stage holding temperature to the third stage holding temperature is faster than specified in the present invention (No. 17), and when the third stage holding temperature is higher than the specified range of the present invention (No. 18). However, since the reproduction perlite was generated, both the Elv value and the λ value were low. When the third stage holding temperature was lower than the specified range of the present invention (No. 19), the spheroidization of carbide did not progress in the third stage heating stage, so both the Elv value and the λ value were low.
As described above, the Elv value and the λ value are significantly improved in the invention according to the comparative example.
[0054]
[Example 2]
Using the steel B in Table 1, the influence of the metal structure of the hot-rolled steel sheet on the Elv value and the λ value after three-stage annealing was investigated. The metal structure of the hot-rolled steel sheet was changed by controlling the final hot-roll pass temperature and the coiling temperature. The cold rolling rate and the three-stage annealing conditions were set within the specified range of the present invention. The results are shown in Table 3.
[0055]
[Table 3]
[0056]
In Table 3, No. 31 has a pro-eutectoid ferrite area ratio (%) of less than F value and a [pearlite lamella spacing] of less than 0.1 μm. As can be seen from the data in Table 2 above, this is a class having a low Elv value and λ value among the examples of the present invention. In No. 32, the area ratio (%) of pro-eutectoid ferrite is not less than the F value and the [pearlite lamella spacing] is still less than 0.1 μm, but the Elv value and λ value are significantly improved from those of No. 31. Nos. 33 to 34 have a pro-eutectoid ferrite area ratio (%) of F value or more and a [pearlite lamella spacing] of 0.1 μm or more, and the Elv value and λ value are very high. .
[0057]
Example 3
Next, an example is shown in which the influence of the metal structure (carbide spheroidization ratio, average carbide particle size) on the Elv value, λ value, and induction hardenability after three-stage annealing is examined. Samples No.2, No.12 and No.15 in Table 2 were used as samples, and the metallographic structure of the cross-section of the steel sheet after the three-stage annealing was observed with a scanning electron microscope. The particle size was determined. The induction hardenability was evaluated by holding the steel sheet after the three-stage annealing at 900 ° C. for 10 seconds by induction heating, then water quenching, and measuring the hardness. It may be considered that the quenchability after processing the parts can be evaluated by this quenching hardness. The results were as follows.
(No. 2) Carbide spheroidization rate: 96%, average carbide particle size: 0.70 μm, Elv value: 46%, λ value: 64%, induction hardening hardness: Hv 608.
(No. 12) Carbide spheroidization rate: 91%, average carbide particle size: 0.55 μm, Elv value: 43%, λ value: 58%, induction hardening hardness: Hv 605.
(No. 15) Carbide spheroidization rate: 72%, average carbide particle size: 0.36 μm, Elv value: 27%, λ value: 36%, induction hardening hardness: Hv 609.
These results indicate that stretch flangeability improves as the spheroidization rate of the carbide is higher and the average carbide particle size is larger. Moreover, it has been shown that the present invention can provide a material with excellent induction hardenability.
[0058]
For reference, FIG. 1 shows a metallographic photograph of the No. 31 hot-rolled steel sheet L-section in Table 3. FIG. 2 shows a metallographic photograph of the No. 34 hot-rolled steel sheet L-section in Table 3. Both are scanning electron micrographs.
[0059]
【The invention's effect】
According to the present invention, in a steel sheet manufacturing process that has undergone cold rolling, a medium- and high-carbon steel sheet for work having excellent stretch flangeability can be stably produced. Medium and high carbon steel plates that can withstand severe processing such as stretch flange processing can be easily applied to many applications in response to diversifying sheet thickness requirements.
[Brief description of the drawings]
1 is a photograph of the metal structure of a No. 31 hot-rolled steel sheet L-cross section in Table 3. FIG.
FIG. 2 is a metallographic photograph of a No. 34 hot-rolled steel sheet L-cross section in Table 3.
Claims (5)
F=0.4×(1−質量%C/0.8)×100 ・・(1) In mass%, C: 0.1 to 0.8 %, Si: 0.40 % or less, Mn: 0.3 to 1.0 %, Cr: 1.2 % or less, Mo: 0 to 0.3 % (including no addition), Cu: 0 to 0.3 % ( including no addition), Ni:. 0 contained to 2.0% (including no addition), 0.03% of P, 0.01% of S or less, T Al was limited to 0.1% or less, the balance being Fe and unavoidable It is made of steel consisting of mechanical impurities , exhibits a pro- eutectoid ferrite + pearlite structure, and the pro-eutectoid ferrite area ratio (%) is 15% or more in a hot-rolled steel sheet with a metal structure having an F value or more determined by the following formula (1). subjected to cold rolling, then, after the heat of the first stage which holds more than 0.5 hours at a temperature range of less than Ac 1 -50 ° C. to Ac 1, at a temperature range of Ac 1 to Ac 1 + 100 ° C. 0.5 to 20 It performed continuously heating the third stage of 2 to 60 hour hold at temperature range of the heating and Ar 1 -80 ℃ ~Ar 1 of the second stage for holding time And subjected to 3 stages annealing cooling rate from the second stage of the holding temperature to the third stage of the holding temperature and 5 to 30 ° C. / h, the preparation of high-carbon steel sheet, in which excellent stretch flangeability.
F = 0.4 x (1-mass% C / 0.8) x 100 (1)
〔パーライトラメラ間隔〕:熱延鋼板L-断面の金属組織観察において、1辺が少なくとも50μm以上の矩形領域を含む観察視野内でセメンタイトのラメラが最も密になっているパーライトの部分を選択し、当該パーライト部分において隣り合うセメンタイトラメラの平均的な厚み中心間距離を測定してその値をL(μm)とし、この測定を観察視野を変えて合計10回行い、10個のL値のうち小さいものから5個の平均値を〔パーライトラメラ間隔〕とする。ただし、観察視野内で選択するパーライトの部分は、少なくとも3つ以上のセメンタイトのラメラがほぼ平行に現れている部分から選択するものとする。 In mass%, C: 0.1 to 0.8 %, Si: 0.40 % or less, Mn: 0.3 to 1.0 %, Cr: 1.2 % or less, Mo: 0 to 0.3 % (including no addition), Cu: 0 to 0.3 % ( including no addition), Ni:. 0 contained to 2.0% (including no addition), 0.03% of P, 0.01% of S or less, T Al was limited to 0.1% or less, the balance being Fe and unavoidable Made of steel consisting of mechanical impurities , exhibiting pro-eutectoid ferrite + pearlite structure, and hot rolling steel sheet with a metal structure whose pearlite lamella spacing defined below is 0.1 μm or more is subjected to cold rolling of 15% or more, then, by heating the first stage to hold more than 0.5 hours at a temperature range of less than Ac 1 -50 ° C. to Ac 1, 2 stage to hold 0.5 to 20 hours at a temperature range of Ac 1 to Ac 1 + 100 ° C. heating and Ar 1 at -80 temperature range ° C. to Ar 1 performs 2-60 hour heating the third stage sequentially holding, and 2-stage Subjected to three-step annealing cooling rate to 5 to 30 ° C. / h from the holding temperature to the third stage of the holding temperature, the preparation of high-carbon steel sheet, in which excellent stretch flangeability.
[Perlite lamella spacing]: In the observation of the metal structure of the hot-rolled steel sheet L-section, select the part of pearlite where the cementite lamella is the densest in the observation field including a rectangular region with one side of at least 50 μm or more, The average distance between the center thicknesses of adjacent cementite lamellas in the perlite part is measured, and the value is set to L (μm). This measurement is performed 10 times in total while changing the observation field, and the smaller of the 10 L values. The average value of five of them is defined as [perlite lamella spacing]. However, the part of pearlite selected in the observation field is selected from the part where at least three or more cementite lamellae appear almost in parallel.
F=0.4×(1−質量%C/0.8)×100 ・・(1)
〔パーライトラメラ間隔〕:熱延鋼板L-断面の金属組織観察において、1辺が少なくとも50μm以上の矩形領域を含む観察視野内でセメンタイトのラメラが最も密になっているパーライトの部分を選択し、当該パーライト部分において隣り合うセメンタイトラメラの平均的な厚み中心間距離を測定してその値をL(μm)とし、この測定を観察視野を変えて合計10回行い、10個のL値のうち小さいものから5個の平均値を〔パーライトラメラ間隔〕とする。ただし、観察視野内で選択するパーライトの部分は、少なくとも3つ以上のセメンタイトのラメラがほぼ平行に現れている部分から選択するものとする。 In mass%, C: 0.1 to 0.8 %, Si: 0.40 % or less, Mn: 0.3 to 1.0 %, Cr: 1.2 % or less, Mo: 0 to 0.3 % (including no addition), Cu: 0 to 0.3 % ( including no addition), Ni:. 0 contained to 2.0% (including no addition), 0.03% of P, 0.01% of S or less, T Al was limited to 0.1% or less, the balance being Fe and unavoidable Made of steel consisting of mechanical impurities , exhibiting pro-eutectoid ferrite + pearlite structure, [perlite lamella spacing] defined below is 0.1 μm or more, and pro-eutectoid ferrite area ratio (%) is determined by the following formula (1) F the hot-rolled steel sheet metal structure is a value or more, subjected to cold rolling at least 15%, then was heated in the first stage to hold more than 0.5 hours at a temperature range of less than Ac 1 -50 ° C. to Ac 1 after, Ac 1 ~Ac 1 + 100 in the second stage to hold 0.5 to 20 hours at a temperature range of ° C. heating and Ar 1 -80 ° C. to Ar The third stage of heating that is maintained for 2 to 60 hours in the temperature range of 1 is continuously performed, and the cooling rate from the second stage holding temperature to the third stage holding temperature is set to 5 to 30 ° C./h 3 A method of manufacturing medium and high carbon steel sheets with excellent stretch flangeability, which undergoes step annealing.
F = 0.4 x (1-mass% C / 0.8) x 100 (1)
[Perlite lamella spacing]: In the observation of the metal structure of the hot-rolled steel sheet L-section, select the part of pearlite where the cementite lamella is the densest in the observation field including a rectangular region with one side of at least 50 μm or more, The average distance between the center thicknesses of adjacent cementite lamellas in the perlite part is measured, and the value is set to L (μm). This measurement is performed 10 times in total while changing the observation field, and the smaller of the 10 L values. The average value of five of them is defined as [perlite lamella spacing]. However, the part of pearlite selected in the observation field is selected from the part where at least three or more cementite lamellae appear almost in parallel.
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