JP3909395B2 - Liquid chromatograph mass spectrometer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体クロマトグラフ質量分析装置(以下LC/MSという)に関し、さらに詳しくは大気圧イオン化法を用いるLC/MSの液体クロマトグラフ部と質量分析部とのインタフェースに関する。
【0002】
【従来の技術】
液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)では、液体クロマトグラフ部で分離された成分をイオン化して質量分析部に導入する。したがって、分離成分をイオン化するインタフェースが必要である。LC/MSに一般的に用いられるインタフェースとしては、近年、エレクトロスプレーインタフェース(ESI)や大気圧化学イオン化インタフェース(APCI)等の大気圧下でのイオン化を行う方法が用いられるようになっている。一方、これらのインターフェースの後段に設けられる質量分析計は一般に高真空状態下で用いられる。したがって、大気圧イオン化法によるLC/MSでは通常、液体クロマトグラフ部から導入される液体を大気圧下でイオン化するための大気圧イオン化室と、質量分析計を内蔵する質量分析室との間に中間排気室を設けた構成とし、中間排気室とその後段の高真空排気室とに真空排気系を設けて、前段側から後段側になるにつれて段階的に高真空状態になるようにしてある。図1はこのようなLC/MSの従来例の概略構成図を示したものである。図において、10は液体クロマトグラフ部、20は質量分析部、30はインタフェース部である。31はイオン化部のスプレープローブ(エレクトロスプレープローブ等)であり、液体クロマトグラフ部10からのイオン化試料導入管として機能している。43は大気圧イオン化室、44は油回転ポンプ(RP)により粗引排気される中間排気室、45はイオンを収束するレンズ系を備えた第2中間排気室、46は四重極ロッドや検出器を内蔵する質量分析室であり、ターボ分子ポンプ(TMP)により中間排気室44より高真空に維持されている。
【0003】
大気圧イオン化室43と中間排気室44との間は隔壁12で仕切られるとともに、脱溶媒部13が設けられている。脱溶媒部13は図示しないヒータを内蔵した加熱ブロック32とこれを貫通するパイプ33とからなり、大気圧イオン化室43と中間排気室44とはこのパイプ33を介してのみ連通するように構成されている。したがって、中間排気室44が油回転ポンプ(RP)で真空排気されるとパイプ33を介して大気圧イオン化室43内の気体の一部が流入することになる。
【0004】
このパイプ33は加熱ブロック32により加熱されており、スプレープローブ31で生成された荷電液滴の脱溶媒化を促進するための脱溶媒化手段として機能する。すなわち、スプレープローブ31から噴霧された荷電液滴の一部が大気圧イオン化室43と中間排気室44との差圧によりパイプ33に流入され、パイプ33内で加熱されることにより、脱溶媒化が促進されつつ中間排気室44内に導入される。
【0005】
中間排気室44に導入されたイオンは、さらに高真空に排気されている第2中間排気室45、質量分析室46に導入されて検出器により検出されることになる。
【0006】
このようなLC/MSでは、スプレープローブから噴霧される荷電液滴をできるだけ多くイオンにして中間排気室に導くようにするため、大気圧イオン化室と中間排気室との間のイオン通路であるパイプ33の大気圧イオン化室側の先端が、スプレープローブ前方のスプレー噴霧領域内に位置するようにしてある。ただし、スプレープローブから噴霧された荷電液滴が直進してそのままパイプを通過するようにすると、ノイズの増加等の問題が生じるので、パイプを曲げることにより直進成分がそのままパイプを通過するのを防ぎ、ノイズを低減するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パイプを曲げることにより直進する荷電液滴の中間排気室への導入は除去することができるものの、連続して使用していくとやがてパイプ先端部は噴霧された試料および溶媒によって汚染され、ノイズの増加、感度低下、パイプのつまりといった現象を引き起こす。そのため、ノイズの増加等の現象が頻繁になると、パイプを交換して洗浄する必要があった。そのとき、従来の装置ではパイプを交換するために、装置を停止して中間排気室以降の真空排気を停止し、大気圧に戻したあと加熱ブロックごと取り外すようにしていた。
【0008】
そこで、本発明は、真空排気を停止することなく、中間排気室以降を真空状態に維持したままパイプの先端を交換することができるようにして真空を破ることによる弊害をなくすようにしたLC/MSを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するためになされた本発明の液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)は、大気圧室内でイオン化手段により生成されたイオンを、パイプを介して真空状態に維持された中間排気室に導き、さらに中間排気室に隣接する質量分析室内の検出器に導いて検出する液体クロマトグラフ質量分析装置において、前記パイプは、全体が大気圧室にある入口側パイプと、出口端が中間排気室に接続されている出口側パイプとに分割され、これらが大気圧室内で一体に接続されるとともに、前記入口側パイプを着脱可能にしたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のLC/MSでは、大気圧室と真空状態の中間排気室との間を連通するパイプは、全体が大気圧室内にある入口側パイプと、出口端が真空状態である中間排気室に接続されている出口側パイプとを有している。そして、入口側パイプと出口側パイプとは大気室内にある接続部で一体となるように接続されている。したがって、汚れ易い入口側パイプのみを交換することができ、しかも、大気圧室のみで入口側パイプの交換作業ができるので、交換作業の際にも中間排気室や質量分析室の真空を維持したまま行うことができる。
【0011】
以下、本発明の実施例を図を用いて説明する。図2は本発明の一実施例を示すLC/MSの断面構成図であり、図3はその要部の拡大図である。なお、本発明のLC/MSで特に示さない部分は従来例である図1のものと同じであるので、説明においては同符号を付することにより説明を省略する。
【0012】
図に示すように大気圧イオン化室43と中間排気室44との間の隔壁12には加熱ブロック32が取り付けてあり、これを貫通するように出口側パイプ33bが取り付けられている。そして加熱ブロック32内に内蔵されているヒータが加熱されることにより、出口側パイプ33bが加熱されるようにしてある。一方、出口側パイプ33bとは別に、大気圧イオン化室43内には、入口側パイプ33a、及び金属ブロック等からなる接続部材34があり、入口側パイプ33aと出口側パイプ33bとはそれぞれ接続部材34に設けられた貫通孔35にフェルール36、37を介して接続されている。したがって、入口側パイプ33aと貫通孔35と出口側パイプ33bとにより大気圧イオン化室43から中間排気室44に連通する流路が形成される。なお、パイプ33aと接続部材34との接続は必ずしもフェルール36よる必要はなく、要するにパイプ33aを容易に脱着することができかつシール性がよい接続方法であれば足りる。
【0013】
このような構成にすることにより、エレクトロスプレー31から荷電液滴が噴霧されると、その一部が、入口側パイプ33aから吸引され、加熱により脱溶媒化が促進されつつ中間排気室に導入される。液滴の一部はパイプ内壁に付着して汚れとなる。したがって、一定期間使用後は汚れを除去するためのパイプ洗浄またはパイプ交換作業が必要となる。このとき、パイプの交換は、入口側パイプ33aを接続部材34から取り外すことにより行う。その際、出口側パイプ33bは取り付けたままであるので、中間排気室44の真空状態を維持したまま交換作業をすることができる。
【0014】
本実施例では、出口側パイプ33bは加熱ブロック32を介して隔壁12に取り付けているが、図4に示すように、出口側パイプ33bを一般の隔壁締結用のボルトナット38、39を用いて接続してもよい。この場合には、パイプの加熱は接続部材34内にヒータを設けることにより行う。あるいは、出口側パイプ33bに直接ヒータを巻き付けてもよい。
【0015】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明のLC/MSでは、大気圧室内で生成されたイオンを真空状態に維持された中間排気室に導くためのパイプを分割するとともに、大気室内にある接続部材によりパイプを接続するようにしたことにより、大気室内にある入口側パイプのみを交換することができるようになり、洗浄のためのパイプ交換作業の際に中間排気室の真空排気を停止する必要がなくなり、中間排気室以降を大気に晒さずにパイプ洗浄を行うことができる。また、汚れの激しい入口側パイプ部分のみを取り外して洗浄することができるので、例えば超音波洗浄等により簡単に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来からの液体クロマトグラフ質量分析装置の断面構成図。
【図2】本発明の一実施例である液体クロマトグラフ質量分析装置の断面構成図。
【図3】図2の脱溶媒部の拡大図。
【図4】本発明の他の一実施例である脱溶媒部の拡大図。
【符号の説明】
10:液体クロマトグラフ部
12:隔壁
13:脱溶媒部
20:質量分析部
30:インタフェース部
31:エレクトロスプレープローブ
32:加熱ブロック
33a:入口側パイプ
33b:出口側パイプ
34:接続部材
35:貫通孔
36、37:フェルール
43:大気圧イオン化室
44:中間排気室
46:質量分析室[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a liquid chromatograph mass spectrometer (hereinafter referred to as LC / MS), and more particularly to an interface between a liquid chromatograph part and a mass spectrometer part of an LC / MS using an atmospheric pressure ionization method.
[0002]
[Prior art]
In the liquid chromatograph mass spectrometer (LC / MS), the components separated in the liquid chromatograph part are ionized and introduced into the mass spectrometer part. Therefore, there is a need for an interface that ionizes the separated components. As an interface generally used for LC / MS, a method of performing ionization under atmospheric pressure such as an electrospray interface (ESI) or an atmospheric pressure chemical ionization interface (APCI) has recently been used. On the other hand, mass spectrometers provided at the subsequent stage of these interfaces are generally used under high vacuum conditions. Therefore, LC / MS based on the atmospheric pressure ionization method is usually arranged between an atmospheric pressure ionization chamber for ionizing a liquid introduced from the liquid chromatograph section under atmospheric pressure and a mass spectrometry chamber containing a mass spectrometer. An intermediate exhaust chamber is provided, and a vacuum exhaust system is provided in the intermediate exhaust chamber and the subsequent high vacuum exhaust chamber so that the vacuum state is gradually increased from the front side to the rear side. FIG. 1 shows a schematic configuration diagram of such a conventional LC / MS example. In the figure, 10 is a liquid chromatograph section, 20 is a mass analysis section, and 30 is an interface section.
[0003]
The atmospheric
[0004]
The
[0005]
The ions introduced into the
[0006]
In such an LC / MS, in order to introduce charged droplets sprayed from the spray probe as many ions as possible into the intermediate exhaust chamber, a pipe which is an ion passage between the atmospheric pressure ionization chamber and the intermediate exhaust chamber The tip of 33 on the atmospheric pressure ionization chamber side is located in the spray spray area in front of the spray probe. However, if the charged droplet sprayed from the spray probe goes straight and passes through the pipe as it is, problems such as an increase in noise occur. Therefore, bending the pipe prevents the straight component from passing through the pipe as it is. Try to reduce the noise.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, although the introduction of charged droplets that go straight by bending the pipe into the intermediate exhaust chamber can be removed, the pipe tip is eventually contaminated with the sprayed sample and solvent when used continuously. It causes phenomena such as increased noise, reduced sensitivity, and clogging of pipes. Therefore, if a phenomenon such as an increase in noise becomes frequent, it is necessary to replace the pipe and clean it. At that time, in order to replace the pipe in the conventional apparatus, the apparatus is stopped, the vacuum exhaust after the intermediate exhaust chamber is stopped, and after returning to atmospheric pressure, the heating block is removed.
[0008]
Therefore, the present invention eliminates the harmful effects of breaking the vacuum by allowing the tip of the pipe to be replaced while maintaining the vacuum after the intermediate exhaust chamber without stopping the vacuum exhaust. The purpose is to provide MS.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The liquid chromatograph mass spectrometer (LC / MS) of the present invention made to solve the above problem is an intermediate exhaust in which ions generated by ionization means are maintained in a vacuum state through a pipe in an atmospheric pressure chamber. In the liquid chromatograph mass spectrometer, which is led to a chamber and further to a detector in the mass spectrometry chamber adjacent to the intermediate exhaust chamber for detection, the pipe is entirely in the atmospheric pressure chamber and the outlet end is in the middle is divided into a outlet pipe connected to the exhaust chamber, they together are connected together at atmospheric pressure chamber, characterized in that the detachable said inlet-side pipe.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the LC / MS of the present invention, the pipe communicating between the atmospheric pressure chamber and the vacuum intermediate exhaust chamber is divided into an inlet side pipe that is entirely in the atmospheric pressure chamber and an intermediate exhaust chamber that is in the vacuum state at the outlet end. And an outlet pipe connected thereto. The inlet side pipe and the outlet side pipe are connected so as to be integrated with each other at a connecting portion in the atmosphere chamber. Therefore, it is possible to replace only the easily contaminated inlet side pipe, and the inlet side pipe can be replaced only in the atmospheric pressure chamber, so that the vacuum in the intermediate exhaust chamber and the mass spectrometry chamber was maintained during the replacement operation. Can be done as is.
[0011]
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. FIG. 2 is an LC / MS cross-sectional view showing an embodiment of the present invention, and FIG. 3 is an enlarged view of a main part thereof. The parts not particularly shown in the LC / MS of the present invention are the same as those of the conventional example of FIG. 1, and therefore, the description thereof will be omitted by attaching the same reference numerals.
[0012]
As shown in the drawing, a
[0013]
With this configuration, when charged droplets are sprayed from the
[0014]
In this embodiment, the
[0015]
【The invention's effect】
As described above, in the LC / MS of the present invention, the pipe for guiding the ions generated in the atmospheric pressure chamber to the intermediate exhaust chamber maintained in a vacuum state is divided, and the pipe is connected by the connecting member in the atmospheric chamber. Since it is possible to replace only the inlet side pipe in the atmospheric chamber, it is not necessary to stop the vacuum exhaust of the intermediate exhaust chamber during the pipe replacement work for cleaning, Pipe cleaning can be performed without exposing the intermediate exhaust chamber and the subsequent air to the atmosphere. Further, since only the heavily contaminated inlet side pipe portion can be removed and cleaned, it can be easily cleaned by, for example, ultrasonic cleaning.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional configuration diagram of a conventional liquid chromatograph mass spectrometer.
FIG. 2 is a cross-sectional configuration diagram of a liquid chromatograph mass spectrometer which is an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is an enlarged view of a desolvent part in FIG. 2;
FIG. 4 is an enlarged view of a desolvation part according to another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
10: liquid chromatograph unit 12: partition wall 13: solvent removal unit 20: mass analysis unit 30: interface unit 31: electrospray probe 32:
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