JP3909153B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常のコピーに先立ってコピー条件やその仕上がり状態を目視で確認するための試しコピー機能を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
試しコピー機能は、複数のコピーを行う前に記録紙上の作像状態を目視で確認するために1枚だけコピーを行う機能である。このような機能によれば、複数のコピー枚数がセットされている場合であってもいきなり連続コピーを行わず、試験的に1枚のみをコピーして所定のトレイに排出するので、ユーザが画像のコピー具合を目視で確認することができ、また、OKの場合には複数のセット枚数のコピーを行うので失敗のないコピーを行うことができる。
【0003】
従来の方法としては例えば
(1)特開昭58−1162号公報(特公平2−2143号公報)
(2)特開昭63−11641号公報
(3)特開昭63−253969号公報
(4)特開平8−87205号公報
(5)特開平8−248831号公報
に開示された発明が知られている。
【0004】
上記(1)ではプリントキーと試しキーを有し、試しコピー時には1枚のコピー後の所定時間経過後に連続コピーが開始される。また、コピーセット枚数が「1」の場合には試しコピーは行われず、更にADF(原稿自動給紙装置)により複数の原稿を給紙する場合には最初の原稿のみについて試しコピーを行う。上記(2)では1枚のコピーで中断して続行キーで続行する方法が提案されている。また、上記(3)ではプリントキーのみの押下では1枚コピーを行い、プリントキーとマルチコピー確認キーの両方の押下で連続コピーを行う方法が提案されている。
【0005】
また、上記(4)では、試しコピー機能を拡張して、従来禁止されていた1枚の記録紙に対するステープル禁止処理を試しコピー時には可能にして操作性と作業性を向上させる方法が提案されている。また、上記(5)では、試しコピー実行中にはスタートキーと試しコピーキーの受け付けを禁止して、画像確認を行う前に次のコピーを誤って行うことを防止する方法が提案されている。更に、他の従来例として、試しコピー機能のバリエーションとして片面原稿画像を転写紙の片面にコピーする「片面→片面モード」により試しコピーを行った後に、画像確認後「片面→両面モード」に切り換えてジョブを実行するものも知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の試しコピー機能はいずれも、新規ジョブの通常コピー開始前に行うのみであるので、ユーザがジョブの処理途中に濃度や綴じ代などを変更することができないという問題点がある。そこで、ジョブの途中であっても試しコピー機能を許可する方法が考えられるが、許可すると種々の不具合が発生して正常なコピーを行うことができなくなる。
【0007】
本発明は、通常のジョブの処理途中であっても試しコピーを行うことができる画像形成装置を提供するを目的とする。
【0008】
本発明はまた、通常のジョブの処理途中に試しコピーを許可しても正常なコピーを行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の手段は上記目的を達成するために、予め設定された画像形成条件で原稿画像を用紙に形成し、前記用紙を所定の排出先に排出する試しコピーモードを有する画像形成装置において、前記試しコピーモードの実行可否の識別情報が設定される状態設定部と、通常ジョブの開始前とジョブ中断中に前記試しコピーモードの実行を有効とする識別情報を前記状態設定部に設定する制御手段を備え、前記制御手段は、両面コピーモードのジョブ中断中であって、両面トレイの給排紙がFILOでなく、かつ、前記両面トレイ上に用紙があるとき前記試しコピーモードの実行を禁止する識別情報を前記状態設定部に設定することを特徴とする。
【0010】
第2の手段は、第1の手段において、前記制御手段は、前記試しコピーを行うと無地の用紙が排出される場合には、前記試しコピーモードの実行を禁止する識別情報を前記状態設定部に設定することを特徴とする。
【0012】
第3の手段は、第1又は第2の手段において、現在実行中のジョブを中断させるジョブ中断入力手段と、このジョブ中断入力手段の入力の可否を決定する中断制御手段と、さらに備え、前記制御手段は、試しコピー実行中は前記中断制御手段によるジョブ中断入力手段の入力の受け付けを禁止する識別情報を前記状態設定部に設定することを特徴とする。
【0013】
第4の手段は、第1ないし第3の手段に、さらに、現在実行中のジョブを中断させるジョブ中断入力手段と、このジョブ中断入力手段の入力の可否を決定する中断制御手段とを設け、前記制御手段は、試しコピー実行中は前記中断制御手段によるジョブ中断入力手段による入力の受け付けを禁止する識別情報を前記状態設定部に設定することを特徴とする。この手段によれば、試しコピー実行中の中断キー入力による中断処理を規定し、ミスコピーを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す構成図、図2は図1の操作部を詳しく示す構成図、図3は図2のCRT画面を詳しく示す説明図、図4は図1の画像形成装置の操作制御部の構成を示すブロック図、図5は図1の画像形成装置の構成を示すブロック図、図6は図1の画像形成装置の通常コピー時と試しコピー時の処理を説明するためのフローチャート、図7は図6の試しコピー実行可否チェック処理を詳しく説明するためのフローチャート、図8は図6の中断中の試しコピー実行可否チェック処理の第1の例を詳しく説明するためのフローチャート、図9は図6の中断中の試しコピー実行可否チェック処理の第2の例を詳しく説明するためのフローチャート、図10は図6の試しコピー処理を詳しく説明するためのフローチャート、図11は図6の試しコピーの中断受け付け処理を詳しく説明するためのフローチャートである。
【0016】
図1に示す画像形成装置は、複写機本体Aと、自動原稿給紙装置BとソータCを有し、また、複写機本体Aには図2に詳しく示すような操作部200が設けられている。このような構成において、自動原稿給紙装置Bにより原稿が自動的に1枚毎に複写機本体Aのコンタクトガラス101上に給紙されて読み取られて転写紙にコピーされ、この転写紙がソータCのプルーフトレイ又は複数のソート用トレイの1つに選択的に排出される。詳しく説明すると、自動原稿給紙装置Bでは原稿載置台1に載置された原稿が原稿給紙ローラ2により取り込まれ、コンタクトガラス101上に給紙されて停止する。このとき、原稿載置台1上の原稿は原稿載置センサ301により検出される。コンタクトガラス101上の原稿は読み取りが終了すると、自動原稿給紙装置Bによりコンタクトガラス101から排出される。
【0017】
複写機本体Aではコンタクトガラス101上の原稿が光源102により光照射され、原稿の反射光が第1ミラー103、2つの第2ミラー104、スルーレンズ105、3つの第3ミラー106を含む光学系を介して感光体ドラム107の表面を露光する。感光体ドラム107の表面は露光前に予め帯電器108により一様に帯電されており、上記の露光により原稿画像の静電潜像が感光体ドラム107の表面に形成される。次いで感光体ドラム107の表面はイレーサ109により不要な電荷が除去され、次いで静電潜像が現像器110によりトナーで現像され、次いでこのトナー像が転写チャージャ111により転写紙に転写される。転写を終了した感光体ドラム107の表面は除電チャージャ125により除電された後、クリーニング装置126により残存トナーが除去されて次のコピーに備える。
【0018】
転写紙は給紙トレイ112、113、114、両面トレイ124の1つから選択的に給紙されて搬送路115に沿って搬送され、レジストローラ116により感光体ドラム107上のトナー像とタイミングを合わせて感光体ドラム107と転写チャージャ111の間に搬送されてトナー像が転写される。転写後、この転写紙は分離チャージャ120により感光体ドラム107から分離される。分離された転写紙は搬送ベルト117により搬送され、定着器118によりトナー像が定着される。
【0019】
定着を終了した転写紙は、転写紙の両面にコピーする両面モードでは、表面コピーが終了すると両面切り替え爪121が両面トレイ124側に切り替わることにより、両面進入路123を介して両面トレイ124に送られて蓄積される。次いで裏面コピー時には、両面トレイ124上の転写紙が反転されて感光体ドラム107と転写チャージャ111の間に搬送されて上記の工程が再度行われる。両面モードにおける裏面コピー終了後と片面コピーモードには、両面切り替え爪121が排出側に切り替わることにより、定着を終了した転写紙がソータCに排出される。また、裏面コピー時には転写紙は反転部122により反転された後にソータCに排出される。
【0020】
ソータCに進入した転写紙は1枚ずつ複数のビン312の1つに選択的にスタックされ、置数分の転写紙がビン312にスタックされると最初のビン312に戻り、これを繰り返すことにより置数分のコピーが完了する。ここで、ソータCの後処理モードとしては、1枚の原稿からコピーされた転写紙を指定部数分同一のビン312へ排出するスタックモードと、1枚の原稿から置数分コピーされた転写紙を各ビン312に排出して仕分けるソートモードを有する。排出センサ300は転写紙が通過中にオンになり、したがって、排出センサ300がオンからオフになると転写紙がビン312に排出されたことを検出することができる。
【0021】
次に図2を参照して操作部200について説明する。モードクリアキー201は全てのモードを標準状態に戻すために用いられ、このキー201の操作によりリピート枚数は1枚に、濃度は自動濃度に、給紙は自動給紙選択に、変倍率は等倍に設定され、両面モード等のその他の機能は全て解除される。割り込みキー202はコピー動作中に他のコピーを行うために用いられ、プログラムキー203は使用者が頻繁に使用するモードを登録したり、これを呼び出すために用いられる。ガイダンスキー204は基本動作や機能を表示するために用いられ、スタートキー205はコピー動作を開始させるために用いられる。スタートキー205はまた、その入力可否を表示する機能を兼用し、このために一部を半透明に形成してキーの裏側にグリーンとレッドのLEDを配置してコピー可の時にはグリーンのLEDを、コピー不可の時にはレッドのLEDを点灯させる。
【0022】
クリア/ストップキー206は待機中に操作されれば設定コピー枚数をクリアするクリアキーとして動作し、コピー動作中に操作されればコピー動作を中断するストップキー206として動作する。テンキー207はコピー枚数やズーム倍率、綴じ代等の値を入力するために用いられる。
【0023】
CRT表示部208は設定状態や機能説明、操作説明を表示する。CRT表示部208の表面にはタッチパネルが設けられ、表面を指先でタッチすることにより選択キーとしての機能も有する。図3はCRT表示部208の表示画面の一例を示している。メッセージエリア240にはこの装置に関する情報が表示され、例えば「コピーできます」、「コピー中です」等のメッセージが表示される。セット枚数表示エリア241にはテンキー207により設定されたコピー枚数が表示される。
【0024】
そして、試しコピーキー242をタッチすることにより試しコピーが行われる。このキー242は試しコピー不可の時には表示されず、この領域をタッチしても無効となる。濃度調整キー243は所望の濃度位置をタッチすることによりコピー濃度を手動で調整することができる。自動濃度キー244は原稿の地肌濃度を検出してコピー濃度を自動的に調整する場合に選択される。表示エリア245には用紙サイズ、用紙残量、紙種が表示され、また、トレイ選択キーを兼ねている。
【0025】
自動用紙選択キー246が選択された場合には自動的に原稿サイズが検出され、原稿サイズと設定倍率に基づいて算出された最適なサイズの用紙が収容された給紙トレイが選択される。用紙指定変倍キー247aは指定用紙サイズに合うように原稿画像を自動的に拡大、縮小する場合に用いられ、等倍キー247bは等倍でコピーする場合に用いられる。エリア248には倍率が表示される。定型変倍キー249は定型サイズに拡大、縮小する場合に用いられ、ズームキー250、251は寸法変倍キー252で寸法変倍が選択されたとき、1%刻みで倍率を指定する場合に用いられる。指定された倍率は倍率表示エリア248に表示される。
【0026】
片面・両面キー253は片面原稿を用紙の両面にコピーする場合に用いられ、両面・両面キー254は両面原稿を用紙の両面にコピーする場合に用いられる。両面・片面キー255は両面原稿を用紙の片面にコピーする場合に用いられる。表面綴じ代寸法表示エリア256には表面綴じ代キー257により指定された綴じ代寸法が表示され、裏面綴じ代寸法表示エリア258には裏面綴じ代キー259により指定された綴じ代寸法が表示される。
【0027】
また、編集機能として外消去キー260、内消去キー261、センター消去キー262が設けられ、コピー原稿に書き込まれたマークを読み取って、それぞれ外消去、内消去、またはセンター消去を実行する。
【0028】
表表紙キー263は原稿の1枚目を表紙専用紙にコピーする場合に用いられ、両表紙キー264は原稿の1枚目と最終ページを表紙専用紙にコピーする場合に用いられる。章区切りキー265は指定ページの原稿を合紙にコピーする場合に用いられ、ソート機能選択キー266とスタック機能選択キー267はそれぞれソータCのソートモードとスタックモードを設定する場合に用いられる。
【0029】
次に図4を参照して操作制御部について説明する。メイン制御部280はこの複写機全体の制御を行い、特に後述する試しコピー機能を制御する。操作制御部のCPU284はメイン制御部280との間で光トランシーバ283を介してシリアル通信でコマンドをやり取りし、メイン制御部280からのコマンドを受け取るとCRT表示部208上に表示する内容を決定し、CGROM285に予め記憶された多数のビットパターンを選択的に読み出すためのコードをVRAM281に展開し、読み出したビットパターンをCRTコントローラ282を介してCRT表示部208の画面に表示する。
【0030】
VRAM281内のビットパターン展開エリアは幾つかに区切られており、現在表示されている画面とは別の画面のビットパターンを展開することができ、また、VRAM281のアドレスを変更することにより画面を一瞬に書き換えることができる。CRTコントローラ282はCPU284、CGROM285、タッチパネル210、LEDドライバ286により駆動されるキーボード287、アドレスデコーダ288、アドレスラッチ289等の間でアドレスやデータをやり取りする。CPU284はアドレスラッチ289、ROM290、不揮発性RAM291、システムリセット部292を介してアドレスデコーダ288等の間でアドレスやデータをやり取りする。
【0031】
つぎに、図5を参照して複写機本体Aのメイン制御部280について説明すると、複写機本体Aの制御はCPU(中央処理装置)1001を中心として行われる。CPU1001の制御用のプログラムとデータは予めROM(リードオンリメモリ)1002に記憶され、RAM(ランダムアクセスメモリ)1003は中間結果等を記憶するために用いられる。
【0032】
A/Dコンバータ1005はスキャナのランプ電圧1821や、トナー濃度制御用のPセンサ1822の発光電圧および受光電圧や、感光ドラム107上の電位を検出する電位センサ311の出力や、自動濃度調整(ADS)用のセンサ1816の出力や、ランプ光量センサ1817の出力や、感光ドラム107の電位センサ1818の出力や、定着器118のサーミスタ503による電圧等の各種センサ1006の出力等をディジタル信号に変換する。なお、定着器118のサーミスタによる電圧により、定着温度が所定値以下の場合にはコピー動作が禁止される。
【0033】
CPU1001はまた、INポート1007を介してメモリクリア用のDIPスイッチ(SW)1824や人体検知センサ1825等の各入力1008を取り込み、また、OUTポート1009を介して各種ソレノイド1815、各種ローラ駆動用クラッチ1819を制御する。CPU1001は更に、シリアル通信ユニット1807を介して図1に示すような操作部200、自動原稿給紙装置B(又はRDH1901)、ソータC(又はステープル装置1902)との間でシリアル通信を行う。
【0034】
光学系制御ユニット1011はスキャナの露光ランプ102、スキャナ1826、レンズ光軸モータ1827、スラストモータ1828等を制御する。高圧電源ユニット1013は図1に示す電子写真プロセスに必要な帯電チャージャ302や、分離チャージャ305や、転写チャージャ304や、PTC(転写前チャージャ)312や現像バイアス712等の負荷1014に電源を供給する。また、モータ制御ユニット1015はメインモータ1016の制御を行い、ヒータ制御ユニット1017は定着器118のヒータを制御する。センサ感度ユニット1021はランプ光量センサ1817や、ADSセンサ1816やPセンサ315の各受光ゲインとPセンサの発光電圧を制御するために用いられる。なお、符号1023はCPU1001が参照するタイマユニットである。
【0035】
次にコピー時の動作を説明する。ユーザが先ず操作部200を介して倍率、濃度等の条件、コピー枚数を設定し、また、試しコピーキー242を押下することなくスタートキー205を押下すると設定枚数分のコピーを行う。また、このときソートキー266が押下されていれば転写紙をソータCに排出して1セット原稿に対するセット部数分の転写紙を仕分ける。
【0036】
これに対し、ユーザが複数枚のコピーを行う前にコピーの出来上がり具合を確認するために、操作部200を介して倍率、濃度等の条件、コピー枚数を設定した後、試しコピーキー242を押下すると、自動原稿給紙装置Bからコンタクトガラス101上に1枚目の原稿を給紙すると共に、給紙トレイ112、113又は114から1枚の転写紙を給紙して設定条件に従って試しコピーを行う。また、このときソートキー266が押下されていれば転写紙をソータCのプルーフトレイ311上に排出する。この場合、プルーフトレイ上には転写紙を上向きで排出することにより、ユーザにとって容易にコピーの出来上がり具合を確認することができる。
【0037】
試しコピーが終了しても、コンタクトガラス101上の1枚目の原稿を排出しない。したがって、ユーザにとってコピーの出来上がり具合が不満であって、コピー条件が変更された後に試しコピーキー242が再度押下されると、新しい設定条件に従って試しコピーを行う。他方、ユーザにとってコピーの出来上がり具合が満足であってスタートキー205を押下すると設定枚数分のコピーを行う。
【0038】
次に図6〜図8を参照して通常コピー時と試しコピー時の動作を説明する。先ず、新規ジョブか否かを示すフラグ(fNewJob)を初期化(セット)する(ステップS0)。次いでスタートキー205が押下された否かを判断し(ステップS1)、スタートキー205が押下された場合には通常コピーの指示であるので、試しコピーキー242の表示を消し、また、スタートキー205の赤色LEDを点灯させてメッセージエリア240に「コピー中です」のメッセージを表示する。
【0039】
次いでコピー処理を開始し(ステップS2)、中断キー(クリア/ストップキー)206が押下された否かを判断する(ステップS3)。そして、中断キー206が押下されていない場合にはコピー終了か否かを判断し(ステップS4)、コピー終了でない場合にはステップS2に戻ってコピー処理を継続し、他方、コピー終了の場合にはステップS0に戻って新規ジョブフラグ(fNewJob)を初期化(セット)する。そして、スタートキー205の緑色LEDを点灯させてメッセージエリア240に「コピーできます」のメッセージを表示する。
【0040】
他方、ステップS3において中断キー206が押下された場合には中断処理を実行し(ステップS5)、次いで新規ジョブフラグ(fNewJob)をリセットする(ステップS6)。これにより、このジョブは中断ジョブとなり、ステップS1に戻ってスタートキー205の押下をチェックすることにより、中断ジョブの再開指示を待つ。
【0041】
ステップS1においてスタートキー205が押下されていない場合には、試しコピーキー242が押下されたか否かを判断し(ステップS7)、押下されていない場合にはステップS1に戻る。他方、試しコピーキー242が押下されると、図7に詳しく示す試しコピー実行可否チェック処理を実行する(ステップS8)。
【0042】
この処理では試しコピーをジョブ中断中にも行う場合、無意味なコピーを行わないようにジョブ実行前の試しコピーの実行の可否をチェックする。すなわち、次の実行コピーは転写紙への無地モードか否かをチェックし(ステップS50)、無地モードの場合には画像確認のための試しコピーは全く意味がないので試しコピー実行可否フラグ(fTrialOk)をリセットし(ステップS51)、無地モードでない場合には試しコピー実行可否フラグ(fTrialOk)をセットする(ステップS52)。
【0043】
ここで、試しコピーモードが表紙の用紙に画像形成を行わない表紙無地モードの場合を考えると、表裏共に表紙を作成する両表紙モード、又は1ページ目の原稿からコピーを作成する場合には表表紙のみを作成する片(表)表紙モード時に試しコピーを実行すると、1枚の白紙コピーが出力されるのみであるので、画像確認のための試しコピーは全く意味がない。そこで、試しコピーと無意味な組み合わせのモードが設定されている場合には、無駄なマシン動作を防止する。但し、表紙無地モードであっても、ジョブ途中の試しコピーを実行した場合には、表紙無地コピーを行うときでなければ、通常の用紙に画像が形成されて画像確認を行うことができるので、試しコピー実行フラグ(fTrialOk)をセットする。そして、図6に戻って、試しコピー実行可否フラグ(fTrialOk)をチェックし(ステップS9)、セットされている場合にはステップS10以下に進み、他方、セットされていない場合にはステップS1に戻る。
【0044】
ステップS10では新規ジョブフラグ(fNewJob)をチェックすることによりコピー中断中か否かをチェックする。そして、コピー中断中の場合、すなわち新規ジョブフラグ(fNewJob)がリセットされている場合には、図8に詳しく示す中断中の試しコピー実行可否チェック処理を実行する(ステップS15)。このチェック処理は、ジョブ中断中に試しコピーを行うと不具合が発生することを防止するためであり、図8は第1の例として、両面モードのコピー中断中の場合のチェック処理(ステップS15a)を示している。具体的にはもし両面トレイ124上に、中断前に行われていたジョブの片面が画像形成済みの転写紙が存在する状態で、両面モードにおけるジョブ中断中に試しコピーが行われると、両面トレイ124上の転写紙が給紙されてミスコピーとなる。
【0045】
そこで、図8に示す処理では両面印刷モードか否かをチェックし(ステップS30)、両面印刷モードの場合には試しコピー実行可否フラグ(fTrialOk)をリセットし(ステップS31)、両面印刷モードでない場合には試しコピー実行可否フラグ(fTrialOk)をセットする(ステップS32)。
【0046】
図9は中断中の試しコピー実行可否チェック処理の第2の例(ステップS15b)を示し、この処理では両面コピーのコピー中断中の場合、一義的に試しコピーを禁止するのではなく、ページずれが発生しないときには試しコピーを行うようにしている。すなわち、(1)両面トレイ124上に用紙がない場合にはページずれは発生しない(ステップS42→S44)。
【0047】
(2)両面トレイ124への用紙スタック( in )と、両面トレイ124からの給紙( out )の関係がFIFO( First In First Out )であれば、両面トレイ124上に用紙がある状態で試しコピーを行うとページずれが発生する(ステップS41→S43)。逆に、FILOのときにはページずれは発生しない(ステップS41→S44)。
【0048】
そして、図6に戻って、試しコピー実行可否フラグ(fTrialOk)をチェックし(ステップS16)、セットされている場合にはステップS11に進んで図9に詳しく示す試しコピー処理を実行し、他方、セットされていない場合にはステップS1に戻る。ステップS11における試しコピー処理では図9に示すように、指定原稿の給紙処理を実行し(ステップS20)、次いで指定された給紙段から転写紙を給紙し(ステップS21)、次いで作像動作を実行し(ステップS22)、次いでその転写紙を指定排紙トレイに排紙し(ステップS23)、次いで原稿をコンタクトガラスから排出しないで保持し(ステップS24)、次いで図6に示すステップS12に進む。
【0049】
ステップS12では試しコピーの中断受け付け処理を実行する。この処理の第1の例として次の処理がある。試しコピーとは1枚の転写紙上の画像を確認するためであるが、片面印刷(転写紙の片面のみに画像を形成するモード)の場合に試しコピーを行っても、1枚の転写紙が給紙トレイ112、113、114から給紙されて排出されるだけであるので、試しコピー中にストップキー206が押下された場合には一義的に試しコピーの中断を受け付ける。このとき、試しコピーの中断受け付けフラグ(fTrialStop)をセットする。
【0050】
図11は第2の例の試しコピーの中断受け付け処理を示している。ここで、前述したように両面印刷モード時には第1面が画像形成済みの転写紙を両面トレイ124上に搬送し、次いで再給紙して第2面に画像を形成するので、現在実行中のジョブを中断状態に移行させる中断キー205や、現在のジョブを中断して別のジョブを実行させる割り込みキー202などの中断手段を一義的に受け付けると、第1面が画像形成済みの転写紙が両面トレイ124上に残って不具合が発生する可能性がある。
【0051】
また、中断後に再度、試しコピーモードに移行した場合には、両面トレイ124上に残っている転写紙に試しコピーが行われて排出されるものの、中断後にスタートキー205が押下された場合には、両面トレイ124上に残っている転写紙が排出されずに通常コピーの転写紙と混在する可能性がある。
【0052】
そこで、この第2の例では、図11に示すように試しコピー中にストップキー206が押下された場合(ステップS60)、両面印刷モードでないときに(ステップS61)試しコピーの中断受け付けフラグ(fTrialStop)をセットし(ステップS63)、他の場合にはセットしない(ステップS62)。このように試しコピーの中断受け付けを限定することにより、次のような効果もある。例えば片面印刷時に自動原稿給紙装置Bにより原稿をコンタクトガラス101上に給紙中に試しコピーキー242が押下され、次いでストップキー206が押下された場合に、転写紙の給紙を行わずに中断することができる。
【0053】
この処理を終了すると、図6に戻って試しコピーの中断受け付けフラグ(fTrialStop)がセットされているか否かをチェックする(ステップS13)。そして、セットされていない場合には試しコピーが終了するまでステップS11〜S14の処理を繰り返し、試しコピーが終了するとステップS11に戻る。このとき、スタートキー205の緑色LEDを点灯させ、メッセージエリア240に「コピーできます」を表示する。他方、フラグ(fTrialStop)がセットされている場合には中断処理を実行し(ステップS17)、次いでステップS6に戻る。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、通常のジョブの処理途中であっても試しコピーを行うことができる。これにより、ジョブ途中でも濃度や綴じ代データを変更した場合や、給紙段が表紙トレイになったときなどに画像確認が容易に行える。また、オペレータの任意のタイミングや状況に応じて適宜試しコピーが行えるので、ミスコピーが減少するとともに、オペレータにとって満足のいく試しコピー処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】 図1の操作部を詳しく示す構成図である。
【図3】 図2のCRT画面を詳しく示す説明図である。
【図4】 図1の画像形成装置の操作制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】 図1の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 図1の画像形成装置の通常コピー時と試しコピー時の処理を説明するためのフローチャ
ートである。
【図7】 図6の試しコピー実行可否チェック処理を詳しく説明するためのフローチャートである
。
【図8】 図6の中断中の試しコピー実行可否チェック処理の第1の例を詳しく説明するためのフ
ローチャートである。
【図9】 図6の中断中の試しコピー実行可否チェック処理の第2の例を詳しく説明するためのフローチャートである。
【図10】 図6の試しコピー処理を詳しく説明するためのフローチャートである。
【図11】 図6の試しコピーの中断受け付け処理を詳しく説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
206 クリア/ストップキー
242 試しコピースタートキー
280 メイン制御部
Claims (3)
- 予め設定された画像形成条件で原稿画像を用紙に形成し、前記用紙を所定の排出先に排出する試しコピーモードを有する画像形成装置において、
前記試しコピーモードの実行可否の識別情報が設定される状態設定部と、
通常ジョブの開始前とジョブ中断中に前記試しコピーモードの実行を有効とする識別情報を前記状態設定部に設定する制御手段を備え、
前記制御手段は、両面コピーモードのジョブ中断中であって、両面トレイの給排紙がFILOでなく、かつ、前記両面トレイ上に用紙があるとき前記試しコピーモードの実行を禁止する識別情報を前記状態設定部に設定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記試しコピーを行うと無地の用紙が排出される場合には、前記試しコピーモードの実行を禁止する識別情報を前記状態設定部に設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 現在実行中のジョブを中断させるジョブ中断入力手段と、
このジョブ中断入力手段の入力の可否を決定する中断制御手段と、
をさらに備え、前記制御手段は、試しコピー実行中は前記中断制御手段によるジョブ中断入力手段の入力の受け付けを禁止する識別情報を前記状態設定部に設定することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
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