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JP3903197B2 - 画像形成装置及び記録素子駆動制御方法 - Google Patents

画像形成装置及び記録素子駆動制御方法 Download PDF

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は画像形成装置及び記録素子駆動制御方法に係り、特に記録ヘッド内の記録素子を安定して駆動させる駆動制御技術に関する。
近年、デジタルスチルカメラにより撮影された画像などを印刷記録する記録装置としてインクジェット記録装置(インクジェットプリンター)が普及している。インクジェット記録装置はヘッドに複数の記録素子を備え、この記録素子からインクの液滴を被記録媒体に吐出しながら記録ヘッドを走査し、記録紙上に画像を1ライン分記録すると被記録媒体を1ライン分搬送し、この工程を繰り返すことにより記録紙上に画像を形成するものである。
インクジェットプリンターには、単尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを被記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行うものや、被記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いるものがある。ラインヘッドを用いたものでは、記録素子の配列方向と直交する方向に被記録媒体を走査させることで被記録媒体の全面に画像記録を行うことができる。ラインヘッドを用いたプリンターでは短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となり、また、キャリッジの移動と被記録媒体との複雑な走査制御が不要になる。また、被記録媒体だけが移動するのでシリアルヘッドを用いたプリンターに比べて記録速度の高速化が実現できる。
インクジェットプリンターに搭載される記録ヘッドには多数の記録素子(ノズル)が設けられており、記録画像に応じて選択的に記録素子を駆動させることで、被記録媒体上に所望の画像が形成される。駆動される記録素子には画像形成を制御する制御系から駆動指令が与えられ、記録素子はその駆動指令に応じて駆動される。
上述した駆動指令のパラメータとして周波数及び駆動電圧などがあり、記録素子の駆動速度(記録ヘッドの記録速度)は駆動周波数を可変させて制御することができ、記録素子の駆動源にピエゾ型アクチュエータなどの電圧動作型アクチュエータを用いる場合には、駆動電圧を可変させて該アクチュエータの変位量(即ち、被記録媒体上に形成されるドットの大きさ)を制御することができる。
特許文献1に開示されたインクジェット記録ヘッドの吐出制御方法、インクジェット記録装置及び情報処理システムでは、駆動信号を2つ以上のパルス信号に分割し、この2つ以上のパルス信号のうち、1つ以上のパルスを変調させることによりインク滴の吐出状態を制御し、印字信号が入力されないノズルにはインク滴が吐出されない範囲の少なくとも1つの駆動パルスが印加される。即ち、駆動パルス信号を時間分割し、非印字時にはその一部を使用する。
また、特許文献2に記載されたインクジェット記録ヘッドの吐出制御方法、インクジェット記録装置及び情報処理システムでは、駆動信号を2つ以上のパルス信号に分割し、この2つ以上のパルス信号のうち1つ以上のパルスを変調させることによりインク滴の吐出状態を制御し、印字信号が入力されないノズルには所定の条件が満たされた場合にインク滴が吐出されない範囲の少なくとも1つの駆動パルスが印加される。
また、特許文献3に記載されたインクジェットヘッドの駆動方法では、電圧が変動する波形を発生する波形生成手段と、一定の電圧を発生する波形生成手段を持ち、これらを選択的に切り換えて使用する。
特開平8−156256号公報 特開平8−183181号公報 特開2001−129991公報
しかしながら、インクジェット記録ヘッドの駆動において、記録画像によって記録ヘッド内の駆動素子を選択的に駆動する必要がある。また、インクジェット記録ヘッドの駆動素子数は記録速度の向上及び記録画質の向上を図るために増大する傾向にある。
駆動素子が増大すると、駆動素子数の変動による総駆動電流の変動が大きくなり、総駆動電流が大きく変動することは駆動電流を供給する電源にとっては厳しい条件になる。例えば、駆動素子数が多いときには駆動能力が不足することがあり、各素子へ供給できる駆動電流が減少する。一方、駆動素子数が少ないときには駆動能力が過剰となり、各素子への駆動波形が歪んでしまうことになり得る。結果として、インクの吐出量及び吐出速度の変動や、画像品質の低下をもたらすことになる。
この問題を解決するために、電源の駆動能力を大きくする、電源の出力と並列に大容量コンデンサを接続する、電流をフィードバックし安定化を測る、などの方法があるが、何れの方法も駆動電源の大型化やコストの増大を招く。
また、プリントデータのパターンによっては、長時間駆動されない(長時間インクが吐出されない)ノズルが発生する。このような状態のノズルではインク粘度の上昇を招き、結果として吐出不良を引き起こすことになる。このような現象はノズル数(駆動素子数)の多いインクジェット記録ヘッドの場合には特に起こり易い。
特許文献1及び特許文献2に開示されたインクジェット記録ヘッドの吐出制御方法、インクジェット記録装置及び情報処理システムでは、吐出頻度の違うノズルでの吐出ばらつきを小さくすることを目的としており、吐出不良を解決し得るが、駆動電流の均一化という効果はない。また、パルス信号を時分割する方法では、本来の吐出のみに必要な波形以外のサイクルのための時間が必要になり、吐出周波数の向上(印字速度の向上)に対して弊害となる。
また、特許文献3に記載されたインクジェットヘッドの駆動方法では、消費電流の低減が目的であり、吐出頻度の少ないノズルに対する吐出安定化の効果はない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、記録ヘッド内に備えられた記録素子の駆動電流を均一化すると共に記録素子を安定して駆動させる画像形成装置及び記録素子駆動制御方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、記録ヘッドに備えられたN個の記録素子を用いて被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、前記記録素子のうち記録時に使用される使用記録素子に印加する記録駆動電圧を生成するとともに、前記記録駆動電圧の波形からその波形が生成され、前記記録駆動電圧の最大値の1/n(但し、nは2以上の整数)の電圧を有し、前記記録素子のうち記録時に使用されない不使用記録素子の一部又は全部に印加され、前記不使用記録素子に印加されると所定の駆動電流を消費する一方、前記不使用記録素子が前記被記録媒体への記録動作を行わない範囲の電圧である非記録駆動電圧を生成する駆動電圧生成手段と、m≦N/nで表される同一タイミングに駆動される最大使用記録素子数m個の使用記録素子を駆動したときの総駆動電流を基準として、記録時における前記使用記録素子の総駆動電流と前記不使用記録素子の総駆動電流との合計駆動電流が略均一になるように、前記使用記録素子に記録駆動電圧を印加するタイミングと同一タイミングで前記不使用記録素子に前記非記録駆動電圧を印加する制御を行う記録制御手段と、を備えたことを特徴としている。
即ち、記録時において、記録ヘッド内の総駆動電流が略均一となるように、記録を行う使用記録素子に記録駆動電圧を印加するタイミングと同一タイミングで記録を行わない不使用記録素子へ非記録駆動電圧を印加するように制御を行うので、記録時における記録素子の総駆動電流が均一化され、記録時に記録素子への電流(電圧)源となる電源手段(電源装置)の出力電圧を安定させることができ、該電源手段の出力電圧変動による駆動電圧の歪み(波形歪み)を防止することができる。また、記録駆動電圧の波形と非記録駆動電圧の波形とを関連させることで、制御負荷を減らすことができると共に、波形生成回路を共通化することができる。
記録素子には、駆動電圧(指令)に従って被記録媒体に記録動作を行う素子が含まれており、例えば、インクジェット記録装置においてインク滴を吐出させるノズルや、LED電子写真プリンター、LEDライン露光ヘッドを有する銀塩写真方式プリンターにおけるLEDなどがある。
駆動電圧は、記録速度、記録時間、記録量などの駆動情報を示す電圧であり、この形態は、矩形波、台形波などのパルス電圧や三角波(sin 波等)等の交流電圧及び、0Vを含んだ直流電圧があり、これらを単独で用いてもよいし、組み合わせてもよい。
例えば、パルス電圧ではパルス周波数を可変させると記録周波数を可変(制御)することができる。
記録素子に印加する駆動電圧を切り換える態様は、生成(印加)回路をリレーなどのスイッチ手段を用いて切り換えてもよいし、アナログスイッチなどの電気的スイッチ手段を用いて切り換えてもよい。
合計駆動電流を略均一する態様は、記録ヘッドの設計値や仕様(スペック)等から設定される基準値に変動の許容範囲を見込んだ範囲とする態様がある。また該基準値には、記録素子を駆動する電流(電圧)源となる電源の出力変動量が最小となる値が含まれる。例えば、駆動可能な最大素子数を駆動したとき(即ち、記録ヘッドの最大駆動電流時)でもよい。
電源手段には、電流電圧出力部の他に、出力を安定化させる安定化部、電圧を変換する電圧変換部、交流を直流に変換する交流直流変換部などを含んでいてもよい。
記録ヘッドは、被記録媒体の幅方向の印字可能領域の全域にわたってノズル開口が配置されているフルライン型の記録ヘッドでもよいし、短尺の記録ヘッドを被記録媒体の幅方向に移動しながら記録を行うシリアル型(シャトルスキャン型)記録ヘッドでもよい。また、被記録媒体の幅方向に複数の記録ヘッドを備えた分割型ヘッドでもよい。
被記録媒体は、記録ヘッドによって記録される媒体(被画像形成媒体)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
また、非記録駆動電圧が不使用記録素子に印加され不使用記録素子が動作しても、被記録媒体へ記録動作を行わない範囲の(即ち、オンとならない範囲で動作させる)駆動電圧とすることで、被記録媒体上に記録される結果(画像)に影響を与えない。
不使用記録素子に非記録駆動電圧を印加すると、非記録駆動電圧に従って不使用記録素子はオンしない範囲で動作し、所定の駆動電流を消費する。
但し、このときの駆動電流は記録動作時の駆動電流よりも小さくなる。例えば、圧電素子を駆動源に用いてインク滴を吐出させるノズルでは、圧電素子が動作してもノズルからインク滴が吐出しない範囲の電圧であり、LEDでは順バイアスとならない範囲の電圧又は、発光しても被記録媒体上に画像が記録されない範囲の電圧である。
また、請求項に示すように請求項1記載の発明において、前記不使用記録素子の中から前記非記録駆動電圧を印加する不使用記録素子を選択する選択手段を備えたことを特徴としている。
不使用記録素子の中から非記録駆動電圧を印加する素子を選択する態様は、記録画像に応じて選択してもよいし、使用時間等に応じて選択してもよい。
また、該選択手段と記録素子のオンオフの制御を行うスイッチ(制御)手段とを兼用させてもよい。また、請求項に示すように請求項記載の発明において、前記選択手段は、前記使用記録素子と隣接する不使用記録素子には、隣接する使用記録素子に記録駆動電圧が印加されるタイミングとは異なるタイミングで前記非記録駆動電圧を印加するように前記非記録駆動電圧を印加する不使用記録素子を選択することを特徴とする。即ち、使用記録素子と隣接する不使用記録素子には非記録駆動電圧を印加しないように、不使用記録素子が選択されるので、クロストークによって誤って不使用記録素子で記録が行われることを防止できる。
また、請求項に示すように請求項又は記載の発明において、前記選択手段は、前記非記録駆動電圧を印加する前記不使用記録素子の選択内容を順次変更することを特徴としている。
即ち、前記非記録駆動信号を印加する前記不使用記録素子の選択内容(選択する組み合わせ)を順次変更すると、長時間動作しない記録素子が発生することを防止できる。
記録切り換え時に、少なくとも非記録駆動電圧を印加されていない不使用ノズルを含むように選択内容を変更する態様が好ましい。更に好ましくは、一定期間内にすべての不使用ノズルに非記録駆動電圧が印加されるように選択内容を変更する態様である。
非記録駆動信号を印加する不使用記録素子を切り換える態様は、一定時間ごとでもよいし、不使用記録素子の過去の稼動状況に応じて切り換えてもよい。
また、請求項に示すように請求項1乃至のうち何れか1項に記載の発明において、前記記録ヘッドは、液滴を吐出させるノズルと、前記液滴を蓄えるインク室と、前記インク室内のインクに圧力を付加する圧力付加手段と、を含み、前記記録駆動電圧及び前記非記録駆動電圧を前記圧力付加手段に印加して前記圧力付加手段を駆動させることを特徴としている。
即ち、記録時に使用されないノズルに非記録駆動電圧を印加するように制御されるので、ノズル内のインクが攪拌され、ノズル内のインクの増粘を抑制することができる。
記駆動電圧生成手段は、前記非記録駆動電圧の最大値が前記記録駆動電圧の最大値の1/n(但し、nは2以上の整数)となるように非記録駆動電圧を生成する態様も好ましい
即ち、記録駆動電圧の最大値から非記録駆動電圧の最大値を求めるので、非記録駆動電圧の生成手段を簡略化することができる。
記駆動電圧生成手段は、前記記録駆動電圧の波形が有する振幅の1/n((但し、nは2以上の整数)となる振幅を有する非記録駆動電圧の波形を生成する態様も好ましい
かかる態様によれば、記録駆動電圧の波形と非記録駆動電圧の波形との振幅の比が一定の相似形とすることで、不使用記録素子に非記録駆動電圧を印加した場合に、誤って記録を行ってしまうことを防止することができる。また、記録時の最大駆動電流を均一化できるだけでなく、1記録周期内の平均駆動電流も均一化することができる。
また、本発明は前記目的を達成するための方法発明を提供する。請求項に係る発明は、記録ヘッドに備えられた記録素子を用いて被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の記録制御方法であって、記録に使用する使用記録素子に印加する記録駆動電圧を生成する工程と、前記記録駆動電圧の波形からその波形が生成され、前記記録駆動電圧の最大値の1/n(但し、nは2以上の整数)の電圧を有し、前記記録素子のうち記録に使用されない不使用記録素子の一部又は全部に印加され、前記不使用記録素子に印加されると所定の駆動電流を消費する一方、前記不使用記録素子が前記被記録媒体への記録動作を行わない範囲の電圧である非記録駆動電圧を生成する非記録駆動電圧を生成する工程と、前記非記録駆動電圧を印加する前記不使用記録素子を選択する工程と、前記使用記録素子に前記記録駆動電圧を印加する工程と、m≦N/nで表される同一タイミングに駆動される最大使用記録素子数m個の使用記録素子を駆動したときの総駆動電流を基準として、記録時における前記使用記録素子の総駆動電流と前記不使用記録素子の総駆動電流との合計駆動電流が略均一になるように、前記使用記録素子に記録駆動電圧を印加するタイミングと同一タイミングで前記不使用記録素子に前記非記録駆動電圧を印加する工程と、を含むことを特徴としている。
記録駆動電圧を生成する工程において、非記録駆動電圧を記録駆動電圧から生成する態様が好ましい。また、請求項に示すように請求項記載の発明において、前記不使用記録素子を選択する工程は、前記使用記録素子と隣接する不使用記録素子には、隣接する使用記録素子に記録駆動電圧が印加されるタイミングとは異なるタイミングで前記非記録駆動電圧を印加するように前記非記録駆動電圧を印加する不使用記録素子を選択することを特徴としている。本発明によれば、隣接する記録素子からのクロストークによって誤って不使用記録素子による記録が行われることを防止できる。クロストークの影響を受ける可能性がある不使用記録素子には記録駆動電圧の印加タイミングと異なるタイミングで非記録駆動電圧を印加するように非記録素子を選択する態様がより好ましい。
本発明によれば、記録素子のうち、記録に使用する使用記録素子には記録駆動電圧を印加し、記録に使用しない不使用記録素子には印加しても記録素子により記録ができない非記録駆動電圧を使用記録素子に記録駆動電圧を印加するタイミングと同一タイミングで印加する。記録時における記録素子の総駆動電流を均一化するように不使用記録素子へ非記録駆動電圧が印加されるので、電圧 (電流)を供給する電源の出力が安定し、記録駆動電圧波形の歪みを防止できる。また、記録駆動電圧の波形と非記録駆動電圧の波形とを関連させることで、制御負荷を減らすことができると共に、波形生成回路を共通化することができる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示,図7中符号88として記載)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。なお、ベルト33の詳細は後述する。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向 (記録紙搬送方向)と直交方向に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yは、図2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の送り方向(以下、記録紙紙搬送方向という。)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、記録紙搬送方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち1回の記録紙搬送方向への走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが記録紙搬送方向と略直交する方向に往復動作するシリアル(シャトルスキャン)型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは不図示の管路を介して各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列と、からなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yにより印字されたテストパターン(或いは実画像)を読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。また、印字検出部24には、打滴されたドットに光を照射させる光源(不図示)を備えている。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソーターが設けられる。なお、符号26Bはテスト印字排出部である。
次に、印字ヘッド50の構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
次に、印字ヘッド50の構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図3(a) は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b) はその一部の拡大図である。また、図3(c) は印字ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a) 中の4−4線に沿う断面図)である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図3(a) 〜(c) 及び図4に示したように、インク滴が吐出するノズル51(記録素子)と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
すなわち、本実施形態における印字ヘッド50は、図3(a) ,(b) に示すように、インクを吐出する複数のノズル51が印字媒体送り方向と略直交する方向に印字媒体の全幅に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図3(c) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、印字媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。
圧力室52の天面を構成している加圧板56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
かかる構造を有する多数のインク室ユニット53を図5に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなる。
すなわち、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。以下、説明の便宜上、ヘッドの長手方向(主走査方向)に沿って各ノズル51が一定の間隔(ピッチP)で直線状に配列されているものとして説明する。
なお、用紙(記録紙16)の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるラインまたは複数列のドットによるライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図5に示すようなマトリクス状に配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル51-11 、51-12 、51-13 、51-14 、51-15 、51-16 を1つのブロックとし(他にはノズル51-21 、…、51-26 を1つのブロック、ノズル51-31 、…、51-36 を1つのブロック、…として)記録紙16の搬送速度に応じてノズル51-11 、51-12 、…、51-16 を順次駆動することで記録紙16の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるラインまたは複数列のドットによるライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
また、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されている。本発明の実施に際して、アクチュエータ58にはピエゾ素子以外の他のアクチュエータを適用できる。
図6は、インクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インク供給タンク60はインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図6のインク供給タンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図6に示したように、インク供給タンク60と印字ヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図6には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパ効果及びリフィルを改善する機能を有する。
サブタンクにより内圧を制御する態様には、大気開放されたサブタンクと印字ヘッド50内のインク室ユニット53とのインク水位の差によりインク室ユニット53内の内圧を制御する態様や、密閉されたサブタンクに接続されたポンプによりサブタンク及びインク室の内圧を制御する態様などがあり、何れの態様を適用してもよい。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル51近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル51面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面(インク吐出面)をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータ58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(アクチュエータ58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータ58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き)が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、アクチュエータ58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル51内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
図7はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。なお、図7にはモータドライバ76及びモータ88のみ示したが、システムコントローラ72は複数のモータドライバ及びモータを制御している。
また、ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図7において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのアクチュエータを駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50の各種補正を行う。
〔アクチュエータ駆動制御〕
次に、インクジェット記録装置10におけるアクチュエータ58の駆動制御の詳細について説明する。なお、本実施形態では、特に断らないときには、電流の単位はアンペア、電圧の単位はボルトを用いることとし、電流及び電圧の単位を省略して記載することがある。
本インクジェット記録装置10では、図4に示したアクチュエータ58に印加する駆動電圧を2種類備え、駆動されるアクチュエータ(オンのアクチュエータ)には図8に示す吐出時駆動電圧100を印加すると共に、駆動されないアクチュエータ(オフのアクチュエータ)にも、吐出時駆動電圧100(記録駆動電圧)の電圧aに対して1/nの電圧(即ちa/n)を持つ非吐出時駆動電圧110 (非記録駆動電圧)を印加する。
但し、非吐出時駆動電圧110をアクチュエータ58に印加しても、ノズル51からインクが吐出されないように電圧a/nは決められている。
印字ヘッド50には図3(a) に示したとおり多数のノズルが設けられており、印字する画像の内容や解像度、印字品質等に応じて駆動されインクを吐出する(即ち、オンになる)ノズルが決められる。即ち、1つの画像内でも印字タイミングごとに駆動されるノズルの数が異なる。
例えば、ベタ画像を印字するタイミングではほぼ全ノズルが駆動され、一方、記録紙搬送方向に細い線を印字するタイミングでは1ノズルだけ駆動させればよい場合もある。
また、印字ヘッド50の設計によって同時に駆動できるノズルの数が決められると、通常はこの最大駆動ノズル数に合わせて、アクチュエータ58への電源供給源(電源)の容量等の電気的仕様が決められる。
上述したように、タイミングごとに駆動されるノズルの数が大きく変わると、アクチュエータ58の駆動に伴う駆動電流の変動が大きくなり、アクチュエータ58への電源にとって厳しい使用条件となってしまう。特に、駆動されるノズルが少ない場合にはアクチュエータ58へ印加される吐出時駆動電圧100に歪みが生じることがあり、アクチュエータ58の好ましい動作を妨げることになり得る。
したがって、本インクジェット記録装置10では、駆動されるノズルが少ないときにも最大駆動ノズル数駆動時の駆動電流に合わせて総駆動電流を略均一化されるように、駆動されないノズルのアクチュエータ58にも非吐出時駆動電圧110を印加するように制御される。
なお、駆動電流を均一化する態様は、最大駆動ノズル数駆動時の駆動電流を基準としてある変動幅を持っていてもよい。即ち、吐出時駆動電圧に歪みが生じない範囲で駆動電流の変動を許容してもよい。
図9乃至図12は、インクジェット記録装置10のアクチュエータ58の駆動制御を説明する図である。なお、図9乃至図12はノズル51を10個備えた印字ヘッド50において、最大駆動ノズル数が3の場合を示している。
図9は、ノズル51A,51B,51Cには吐出時駆動電圧100を印加して駆動させ (ノズル51A、51B、51Cは使用ノズルであり)、他のノズルは駆動させない(他のノズルは不使用ノズルである)場合を示している。1つのノズルの駆動電流をIu とすると、図9に示した例では総駆動電流は3×Iu となる。これが印字ヘッド50の最大消費電流となる。
但し、ノズルの駆動電流には個体差(誤差)があるので、Iu は個体差を考慮した代表値である。また、アクチュエータ58は、キャパシタンス成分(寄生容量)及びインダクタ成分は無視できるものとし、ある電圧を印加するとこれに比例した電流が流れるものとする。
図10は、ノズル51A及びノズル51Bには吐出時駆動電圧100を印加して駆動させる。このときの総駆動電流は2×Iu となり、3つのノズルを駆動した場合に比べてIu だけ駆動電流が小さくなってしまう。
ここで非吐出時駆動電圧110が吐出時駆動電圧100の1/3(即ち、図8に示したnの値が3)とすると、Iu だけ電流を消費させるには、非吐出時駆動電圧110を印加するノズルを3とすればよい。図10には、ノズル51C,51E,51Hに非吐出時駆動電圧110を印加する態様を示している。
更に、図11には、駆動するノズルがない場合(即ち、吐出時駆動電圧100を印加するノズルがない場合)を示している。図11ではノズル51A,51B,51C,…51Kに非吐出時駆動電圧110が印加されている。即ち、駆動されるノズルがない場合には9ノズルに非吐出時駆動電圧110を印加すると総駆動電流が9×(Iu /3)=3×Iu となり、最大駆動ノズル数を駆動したときの駆動電流と同じになる。
なお、駆動するノズルがないときには、全ノズルまたは選択された一部のノズルに対して非吐出時駆動電圧110を印加し、最大駆動ノズル数を駆動したときの駆動電流と同じ駆動電流になるように非吐出時駆動電圧110を調整してもよい。
前ノズルに対して非吐出時駆動電圧110を印加する場合、印字ヘッド50内の総ノズル数をN、最大吐出ノズル数をm、吐出時駆動電圧100に対する非吐出時駆動電圧110の比1/nとの関係が、1/n≧m/N(但し、m,n,Nは正の整数)を満足するように設定されると、すべての印字タイミングにおいて印字ヘッド50の消費電流が均一化されることになる。
また、最大吐出ノズル数と使用ノズル数との関係から、上述したnの下限値を求めることも可能である。
ここで、ノズル51に非吐出時駆動電圧110を印加すると、ノズル51の開口部付近のインクを揺動させると共に、ノズル51内のインクが攪拌される。その結果ノズル51内のインク増粘の進行が抑制され、ノズル51のインク詰まりを防止することができる。
したがって、吐出を行わないノズル51のうち、非吐出時駆動電圧110を印加するノズル51の選択を切り換えるように制御すると、印字ヘッド50内の全ノズル51のインク詰まりを防止することができる。
図12には図10に示した態様から非吐出時駆動電圧110を印加するノズル51を切り換えた例を示している。
図12では、図10に示した例において非吐出時駆動電圧110が印加されているノズル51C,51E,51Hに代わり、ノズル51D,51F,51Gへ非吐出時駆動電圧110が印加されている。このように図10に示した態様と図12に示した態様とを一定時間ごとに順次切り換えられるように制御するとよい。
なお、非吐出時駆動電圧110を印加するノズルを選択する際、クロストークにより誤ってインクが吐出されないように、隣り合うノズルまたはクロストークの影響を受ける可能性があるノズルには同じタイミングで非吐出時駆動電圧110が印加されないように制御することが好ましい。
複数の吐出時駆動電圧100が同じタイミングで印加され、これらが異なるノズルに印加される場合には、非吐出時駆動電圧110を複数備えてもよいし、1種類の非吐出時駆動電圧110において印加するノズル数を調整してもよい。
また、非吐出時駆動電圧110は吐出時駆動電圧100の傾きを変えず最大電圧を変えてもよいし、傾きと最大電圧を変えた相似形(非吐出時駆動電圧110の振幅が吐出時駆動電圧100の振幅の1/n)としてもよい。非吐出時駆動電圧110と吐出時駆動電圧100とを相似形とすると、1サイクル内の平均消費電流だけでなく、過渡状態(電圧上昇中や下降中)に発生するパルス電流を均一化することも可能である。
なお、吐出時駆動電圧と非吐出時駆動電圧との電圧比を常に一定の値とするように非吐出時駆動電圧を生成してもよい。
図13は、アクチュエータ58の駆動制御部の詳細を示したブロック図である。
図7に示したプリント制御部80には、アクチュエータ58の駆動電圧の基となる指令波形を生成する波形発生回路200が設けられ、波形発生回路200では印字速度、インクの吐出量などの印字パラメータに応じて指令波形の形状(三角波、台形波、矩形波等)、周波数及び電圧値が求められる。
波形発生回路200では吐出時駆動電圧100になる指令波形1(不図示)及び非吐出時駆動電圧110になる指令波形2(不図示)が生成される。なお、アクチュエータ58に印加される吐出時駆動電圧100は、インクの吐出量や印字速度に応じて複数あり、同様に、非吐出時駆動電圧110も複数あってもよい。本例では便宜上、吐出時駆動電圧100及び非吐出時駆動電圧110をそれぞれ1つずつ有するものとする。
波形発生回路200で生成された指令波形1及び指令波形2はヘッドドライバ84に送られると、駆動回路210(以下、以下駆動回路1と記載)及び駆動回路212(以下、駆動回路2と記載)によってアクチュエータ58に印加される駆動電圧に変換される。
一方、ヘッドドライバ84にはアクチュエータ58への電圧供給源となる電源部214が備えられ、駆動回路1及び駆動回路2に接続されている。
電源部214は動力電源(3相AC200V等)や商用電源(単相AC100V)などからアクチュエータ58へ印加する電圧を生成し、トランス等から構成されAC電圧をDC電圧に変換するACDC変換部、大容量コンデンサを含み出力電圧、電流を安定化させる安定化部、入出力部を短絡による過電圧、過電流から保護する保護回路部などにより構成されている。
駆動回路1及び駆動回路2の詳細な構成は図示しないが、トランジスタやMOSFETなどの出力素子、該出力素子のバイアス回路及び入力回路等から構成され、波形発生回路200で生成された指令波形1及び指令波形2が入力されると、前記出力素子がスイッチング (増幅)動作することにより指令波形1及び指令波形2に応じた駆動電圧をアクチュエータ58へ供給される。
なお、波形発生回路200からデジタルデータ形式で指令波形1及び指令波形2が出力される場合には、駆動回路1及び駆動回路2にはデコーダ機能が具備され、デジタルデータからアナログデータへの変換が行われる。
また、ヘッドドライバ84の出力手段には、アクチュエータ58に駆動電圧を印加するか否か及び、吐出時駆動電圧100を印加するか、非吐出時駆動電圧110を印加するかを選択する選択手段216が備えられている。
図14に示すように、選択手段216はプリント制御部80から送出される画像データに基づいて吐出駆動素子選択回路220及び非吐出時駆動素子選択回路222にて生成される選択信号(イネーブル信号)に応じてアクチュエータ58のオン、オフの選択及び、オンの場合には吐出時駆動電圧100を印加するか非吐出時駆動電圧110を印加するかを選択する。
即ち、吐出駆動素子選択回路220は、画像データに従って吐出駆動素子 (図14中、駆動素子58A)を選択し、非吐出駆動素子選択回路222は、画像データに従って非吐出駆動素子(図14中、駆動素子58B、58C、・・・58X)を選択し、該非吐出素子の中から非吐出時電圧110(指令波形2)が印加される駆動素子を選択する。図14に示す態様では、非吐出駆動素子58Bに非吐出時電圧110が印加される。
また、非吐出駆動素子が複数ある状態が複数吐出サイクルの間連続する場合は、非吐出時電圧110が印加される非吐出駆動素子を順次切換制御する(選択的に切り換える)選択順序制御回路224を備えている。
図14に示すように、吐出駆動素子選択回路220、非吐出駆動素子選択回路222、選択順序制御回路224を含む選択手段制御部の構成によって選択手段216を制御すると、長時間駆動されない駆動素子 (駆動素子に対応するノズル51)が発生することを防止でき、該ノズル51の吐出異常を防止することができる。
選択手段216には、リレーなどの機械的接点を有するスイッチ素子を用いてもよいし、アナログスイッチなどの電気的スイッチ素子を用いてもよい。
本実施形態では、吐出時駆動電圧100となる指令波形1と非吐出時駆動電圧110となる指令波形2を備えたが、吐出時駆動電圧100のピーク電圧をカットして非吐出時駆動電圧110を生成する場合には、駆動回路2をレベルシフト回路に置き換えて、指令波形1から吐出時駆動電圧100を生成し、該レベルシフト回路を介して非吐出時駆動電圧110を生成してもよい。なお、適用する回路は電圧精度や温度等によるばらつきを考慮する必要がある。
また、非吐出時駆動電圧110の振幅が吐出時駆動電圧100の振幅の1/nとなる相似形とする場合には、駆動回路1とアクチュエータ(駆動素子)との間に抵抗を直列接続してもよい。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10では、インク滴を吐出しないノズル(オフノズル)に対応する駆動素子にも、インク滴を吐出するノズル(オンノズル)に対応する駆動素子に印加する吐出時駆動電圧100の1/nの電圧(又は1/nの電圧を有する相似波形電圧)を印加するので、オフノズル内のインクを攪拌し、該オフノズルのインク詰まりや吐出条件の変化を抑制するだけでなく、印字ヘッド50内のノズルに設けられたアクチュエータ58の総駆動電流の均一化を実現することができるので、アクチュエータ58へ電圧供給を行う電源部214の小型化が可能になる。
また、非吐出時駆動電圧110を吐出時駆動電圧100から生成するので波形形成回路200を共通化でき、回路規模を小さくすることができる。
駆動されるノズルの数に合わせて非吐出時駆動電圧110を適用するノズルの数を増減させ、全ノズルの総消費電流がほぼ一定になるように制御することができる。なお、全ノズルオフでは全ノズルに非吐出時駆動電圧110を適用してもよい。
更に、吐出時駆動電圧100と非吐出時駆動電圧110とは同じタイミングで印加される。非吐出時駆動電圧110を印加させるサイクルを別途設ける場合に比較して、吐出周波数を向上でき、インクジェット記録装置10の印字速度を向上できる。
上述した実施の形態では、記録可能幅に対応した幅を有するフルライン型ラインヘッドを例示したが、本発明の適用範囲は、分割型ラインヘッドやシリアル型(シャトルスキャン型)ヘッドにも適用可能である。
また、上記実施の形態では画像記録装置の一例としてインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。インクジェット方式以外では、熱転写記録装置、LED電子写真プリンター、LEDライン露光ヘッドを有する銀塩写真方式プリンターなど各種方式の画像記録装置についても本発明を適用することが可能である。
本発明の適用範囲はインクジェット記録装置に限定されず、ヘッドに設けられた吐出孔(ノズル)から水、薬液、処理液等の液類を吐出させる液吐出装置に適用可能である。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の基本構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 図3(a) の要部拡大図 印字ヘッドの他の構造例を示す平面透視図 図3(a) 中の4−4線に沿う断面図 図3(a) に示した印字ヘッドのノズル配列を示す拡大図 本実施形態に係るインクジェット記録装置におけるインク供給部の構成を示した概要図 本実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 吐出時駆動電圧と非吐出時駆動電圧を説明する図 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるアクチュエータ駆動制御を説明する図 図9に示した駆動制御の他の態様を示す図 図9に示した駆動制御の更に他の態様を示す図 図9に示した駆動制御の更に他の態様を示す図 アクチュエータ駆動制御部の要部ブロック図 図13に示した選択手段の制御を説明する図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、51…ノズル、58…アクチュエータ、72…システムコントローラ、80…プリント制御部、100…吐出時駆動電圧、110…非吐出時駆動電圧、200…波形発生回路、210,212…駆動回路、214…電源部、216…選択手段

Claims (7)

  1. 記録ヘッドに備えられたN個の記録素子を用いて被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
    前記記録素子のうち記録時に使用される使用記録素子に印加する記録駆動電圧を生成するとともに、前記記録駆動電圧の波形からその波形が生成され、前記記録駆動電圧の最大値の1/n(但し、nは2以上の整数)の電圧を有し、前記記録素子のうち記録時に使用されない不使用記録素子の一部又は全部に印加され、前記不使用記録素子に印加されると所定の駆動電流を消費する一方、前記不使用記録素子が前記被記録媒体への記録動作を行わない範囲の電圧である非記録駆動電圧を生成する駆動電圧生成手段と、
    m≦N/nで表される同一タイミングに駆動される最大使用記録素子数m個の使用記録素子を駆動したときの総駆動電流を基準として、記録時における前記使用記録素子の総駆動電流と前記不使用記録素子の総駆動電流との合計駆動電流が略均一になるように、前記使用記録素子に記録駆動電圧を印加するタイミングと同一タイミングで前記不使用記録素子に前記非記録駆動電圧を印加する制御を行う記録制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記不使用記録素子の中から前記非記録駆動電圧を印加する不使用記録素子を選択する選択手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記選択手段は、前記使用記録素子と隣接する不使用記録素子には、隣接する使用記録素子に記録駆動電圧が印加されるタイミングとは異なるタイミングで前記非記録駆動電圧を印加するように前記非記録駆動電圧を印加する不使用記録素子を選択することを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  4. 前記選択手段は、前記非記録駆動電圧を印加する前記不使用記録素子の選択内容を順次変更することを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
  5. 前記記録ヘッドは、液滴を吐出させるノズルと、
    前記液滴を蓄えるインク室と、
    前記インク室内のインクに圧力を付加する圧力付加手段と、
    を含み、
    前記記録駆動電圧及び前記非記録駆動電圧を前記圧力付加手段に印加して前記圧力付加手段を駆動させることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 記録ヘッドに備えられた記録素子を用いて被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の記録制御方法であって、
    記録に使用する使用記録素子に印加する記録駆動電圧を生成する工程と、
    前記記録駆動電圧の波形からその波形が生成され、前記記録駆動電圧の最大値の1/n(但し、nは2以上の整数)の電圧を有し、前記記録素子のうち記録に使用されない不使用記録素子の一部又は全部に印加され、前記不使用記録素子に印加されると所定の駆動電流を消費する一方、前記不使用記録素子が前記被記録媒体への記録動作を行わない範囲の電圧である非記録駆動電圧を生成する非記録駆動電圧を生成する工程と、
    前記非記録駆動電圧を印加する前記不使用記録素子を選択する工程と、
    前記使用記録素子に前記記録駆動電圧を印加する工程と、
    m≦N/nで表される同一タイミングに駆動される最大使用記録素子数m個の使用記録素子を駆動したときの総駆動電流を基準として、記録時における前記使用記録素子の総駆動電流と前記不使用記録素子の総駆動電流との合計駆動電流が略均一になるように、前記使用記録素子に記録駆動電圧を印加するタイミングと同一タイミングで前記不使用記録素子に前記非記録駆動電圧を印加する工程と、
    を含むことを特徴とする記録素子駆動制御方法。
  7. 前記不使用記録素子を選択する工程は、前記使用記録素子と隣接する不使用記録素子には、隣接する使用記録素子に記録駆動電圧が印加されるタイミングとは異なるタイミングで前記非記録駆動電圧を印加するように前記非記録駆動電圧を印加する不使用記録素子を選択することを特徴とする請求項記載の記録素子駆動制御方法。
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