JP3900001B2 - 建物の床装置 - Google Patents
建物の床装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3900001B2 JP3900001B2 JP2002134780A JP2002134780A JP3900001B2 JP 3900001 B2 JP3900001 B2 JP 3900001B2 JP 2002134780 A JP2002134780 A JP 2002134780A JP 2002134780 A JP2002134780 A JP 2002134780A JP 3900001 B2 JP3900001 B2 JP 3900001B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plate portion
- floor
- suspension
- floor slab
- building
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Building Environments (AREA)
- Floor Finish (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば高層住宅やオフィスなどの建物において、床スラブに対して、空間を置いて上方に床板を配設して構成される建物の床装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の床装置としては、複数の大引ビームが、その両端のみが弾性緩衝体などを介して建物の側壁に支持され、かつ中間部が完全に浮いた状態で配設され、そして大引ビーム群上に、根太を介して床板を配設した構成が提供されている。このような構成の床装置によると、床板にかかる振動を吸収して遮音効果を期待できるとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の床装置によると、規模に基づく大引ビームの長さによっては強度不足になる恐れがある。
【0004】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、遮音効果を維持し得るものでありながら、構造ならびに操作を簡単にして強度補強を行える建物の床装置を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の建物の床装置は、少なくとも2箇所で建物側に支持される複数の大引ビームが設けられ、これら大引ビームと床スラブとの間に、大引ビームに対して交差状として補強ビームが設けられ、この補強ビームは、複数の大引ビームの上方間または下方間に連続的に延設されるとともに、吊り手段を介して床スラブ側に支持され、そして補強ビームは、吊り部材を介して大引ビーム側に連結され、大引ビームの上方に床板が配設されることを特徴としたものである。
【0006】
したがって請求項1の発明によると、床板に掛かる振動を大引ビームにより吸収して遮音効果を期待し得、しかも複数の大引ビームを共通の補強ビームによって支持していることにより、大引ビームの強度を補強し得る。
【0007】
また本発明の請求項2記載の建物の床装置は、上記した請求項1記載の構成において、大引ビームは、吊り部材を介して補強ビームで連結されていることを特徴としたものである。
【0008】
また補強ビームを、吊り手段を介して床スラブ側で支持し得る。しかも大引ビームを、吊り部材を介して補強ビームに連結していることで、複数の大引ビームの上方間または下方間に対する補強ビームの連続的な延設を容易に行えるとともに、吊り部材の使用個数や使用サイズによって上下高さを調整することで、大引ビームと床スラブとの間に形成される空間の高さ変化に対処し得る。
【0009】
そして本発明の請求項2記載の建物の床装置は、上記した請求項1記載の構成において、大引ビームと補強ビームとの連結が、大引ビームと床スラブとの間の空間でかつ大引ビームの下方の空間部分の上下いっぱいを利用して行われることを特徴としたものである。
【0010】
したがって請求項2の発明によると、連結部分をコンパクトに形成し得るとともに、残りの空間部分を、たとえば収納用などに有効に利用し得る。
さらに本発明の請求項3記載の建物の床装置は、上記した請求項1または2記載の構成において、大引ビームは、床スラブ側に吊り姿勢で受け止められていることを特徴としたものである。
【0011】
したがって請求項3の発明によると、大引ビーム側の荷重や振動を、上下方向に作用する吊り力によって、床スラブ側で受け止め得る。
しかも本発明の請求項4記載の建物の床装置は、上記した請求項3記載の構成において、大引ビームを床スラブ側に吊り姿勢で受け止めさせる吊り手段は、補強ビームの吊り位置を調整自在に構成されていることを特徴としたものである。
【0012】
したがって請求項4の発明によると、大引ビームや床板などの配設、すなわち床装置側の構成(配設)を全て行ったのち、吊り手段による吊り位置を調整することで、補強ビームの高さ方向での最終調整を行える。
【0013】
また本発明の請求項5記載の建物の床装置は、上記した請求項4記載の構成において、吊り手段は、補強ビーム側への連結位置と、床スラブ側による支持位置との間で、弾性変形可能な吊り姿勢に構成されていることを特徴としたものである。
【0014】
したがって請求項5の発明によると、吊り手段の弾性変形、すなわち「しなり」によって、荷重支持をスムースに行える。
そして本発明の請求項6記載の建物の床装置は、上記した請求項3記載の構成において、大引ビームを床スラブ側に吊り姿勢で受け止めさせる吊り手段は、吊りワイヤーを介して補強ビームの受け止めを行うように構成されていることを特徴としたものである。
【0015】
したがって請求項6の発明によると、大引ビームを、吊りワイヤーを使用した簡単な構成によって、床スラブ側に吊り姿勢で受け止め得ることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明における第1の実施の形態を、図1〜図5に基づいて説明する。
【0017】
高層住宅(建物の一例)1は、階層を形成する床スラブ2や室区画の側壁3などからなり、床スラブ2と側壁3とからなる下位のコーナ部などには、梁部4が形成されている。そして、床スラブ2の上方には複数の大引ビーム5が平行して設けられ、これら大引ビーム5の両端が前記側壁3側に支持されている。
【0018】
すなわち大引ビーム5は、中間の縦板部5aと、この縦板部5aの上下両端から左右の同方向でかつ上下に傾斜して伸びる傾斜板部5bと、これら傾斜板部5bの上下両端から左右の同方向で横方向に伸びる横板部5cと、これら横板部5cの端から相対向した側でかつ前記縦板部5aに向かって伸びる短尺傾斜板部5dとからなり、以て型レール状に形成されている。
【0019】
そして大引ビーム5の両端部でかつ上位の横板部5cには端部貫通孔6が形成されるとともに、少なくとも中央部(中間部)の1箇所(または複数箇所)でかつ縦板部5aには、長さ方向で所定間隔を置いた2個を1組とした中間部貫通孔7が形成されている。
【0020】
前記大引ビーム5の両端を側壁3に支持させるために、前記側壁3の内側面にはアングル状のビーム受け材10が配設される。このビーム受け材10は、その横板部が複数個の受け具11上に防振部材(防振ゴム)12を介して配設されるとともに、縦板部が防振シール部材(防振ゴム)13を介して側壁3の内側面に当て付けられている。そして受け具11は、側壁3にインサートされた連結具14を介して側壁3に固定されている。なお、ビーム受け材10の横板部における所定の複数箇所には連結用貫通孔15が形成されている。
【0021】
したがって、ビーム受け材10の横板部に大引ビーム5における両端上位の横板部5cを下方から当接させ、そして連通された端部貫通孔6と連結用貫通孔15との間を通して連結具(ボルト・ナットなど)16を作用させることで、大引ビーム5の両端を側壁3に連結し得る。
【0022】
前記大引ビーム5群と床スラブ2との間には、大引ビーム5に対して交差状として補強ビーム17が設けられ、この補強ビーム17は、複数の大引ビーム5の下方間に連続的に延設されるとともに大引ビーム5側に連結されている。ここで大引ビーム5は、吊り手段20を介して床スラブ2側に吊り姿勢で受け止められるとともに、吊り部材30を介して補強ビーム17で連結されている。
【0023】
すなわち補強ビーム17は、アングル状の型レールからなり、そして横板部における所定の複数箇所には、吊り手段20や吊り部材30との連結用長孔18が所定間隔置きに形成されている。
【0024】
前記吊り手段20は、補強ビーム17の吊り位置を調整自在に構成されている。すなわち吊り手段20の本体21は、縦板部21aと、この縦板部21aの上下両端から左右の同方向でかつ横方向に伸びる上位横板部21b、ならびに下位横板部21cとからなり、以てCの字型レール状に形成されている。そして上位横板部21bには貫通孔22が形成され、また下位横板部21cには幅方向の長孔23が形成されている。
【0025】
また、前記上位横板部21bと前記補強ビーム17の横板部との間にはターンバックル(吊り位置調整手段の一例)25が設けられている。すなわち、ターンバックル25は、回転操作体26と、この回転操作体26に螺合される上下一対の螺子体27A,27Bとを有し、上位螺子体27Aが上位横板部21bに形成された貫通孔22に通されてナット体28Aにより連結されるとともに、下位螺子体27Bが補強ビーム17の横板部に形成された連結用長孔18に通されてナット体28Bにより連結されている。なお、本体21は、下位横板部21cに形成された長孔23を介して、床スラブ2側からのアンカーボルト29などにより幅方向に位置調整自在として固定されている。
【0026】
したがって吊り手段20は、下位螺子体27Bやナット体28Bなどを介して補強ビーム17側に連結され、さらにアンカーボルト29などを介して床スラブ2側に支持されている。そして吊り手段20は、その本体21がCの字型レール状に形成されかつ上位横板部21bと下位横板部21cとが連結、支持されていることで、補強ビーム17側への連結位置と、床スラブ2側による支持位置との間で、弾性変形可能な吊り姿勢に構成されている。
【0027】
前記大引ビーム5と補強ビーム17との吊り部材30を介しての連結が、大引ビーム5と床スラブ2との間の空間でかつ大引ビーム5の下方の空間部分の上下いっぱいを利用して行われている。
【0028】
すなわち吊り部材30は、前記大引ビーム5の縦板部5aに外側から当接自在な上位縦板部30aと、この上位縦板部30aの下端から下方に傾斜して伸びかつ大引ビーム5の下位の傾斜板部5bに外側から当接自在な傾斜板部30bと、この傾斜板部30bの下端から下方に伸びる下位縦板部30cと、この下位縦板部30cの下端から横方向に伸びかつ補強ビーム17の横板部に上方から当接自在な横板部30dとからなり、以て型材状に形成されている。
【0029】
そして、上位縦板部30aにおける幅方向の2箇所(1箇所または複数箇所)には、それぞれ幅方向の長孔31が形成されるとともに、横板部30dにおける幅方向の2箇所(1箇所または複数箇所)には、それぞれ貫通孔32が形成されている。
【0030】
ここで長孔31は、大引ビーム5の縦板部5aに上位縦板部30aを外側から当接させたとき、縦板部5aに形成した中間部貫通孔7に連通され、以て孔31,7間を通して連結具(ボルト・ナットなど)33を作用させることで、大引ビーム5に対して吊り部材30は位置調整自在に連結される。また貫通孔32は、前記補強ビーム17の横板部に形成された連結用長孔18に連通され、以て孔32,19間を通して連結具(ボルト・ナットなど)34を作用させることで、吊り部材30と補強ビーム17とが位置調整自在に連結される。
【0031】
前記大引ビーム5の上面間に亘っては複数の根太材40が配設され、そして根太材40群の上面間に亘って床板41が載置され、以て大引ビーム5の上方に床板41が配設される。これにより、床スラブ2の上面2aと床板41の下面41aとの間に収納スペース(空間)Sが形成されることになる。
【0032】
なお、前記床板41の適所には出し入れ口42が設けられ、この出し入れ口42は矩形筒枠体43により形成されている。この出し入れ口42は、蓋体44によって開閉自在に構成され、その際に蓋体44は、一側縁が蝶番45を介して矩形筒枠体43側に揺動自在に連結され、そして他端側は矩形筒枠体43側に設けられたストッパー体(図示せず。)に当接自在に構成される。
【0033】
以下に、上記した第1の実施の形態における作用を説明する。
床装置を構成するに、まず所定の複数箇所に大引ビーム5を配設する。これは、連結具14を介して側壁3に固定した複数個の受け具11の上に、防振部材12を介してビーム受け材10を配設したのち、このビーム受け材10の横板部に大引ビーム5における両端上位の横板部5cを下方から当接させた状態で、端部貫通孔6と連結用貫通孔15との間を通して連結具16を作用させ、以て大引ビーム5の両端を側壁3に連結することによって行える。
【0034】
そして、吊り手段20を介して、1本(または複数本)補強ビーム17を床スラブ2側に支持させる操作と、吊り部材30を介して、大引ビーム5を補強ビーム17側に連結させる操作とを、任意な順序によって行う。
【0035】
すなわち、吊り手段20を介しての支持操作は、まず本体21を、長孔23とアンカー29とを介して床スラブ2側に固定させ、次いでターンバックル25を、本体21の上位横板部21bと補強ビーム17の横板部とに亘って組み込むことで行える。その際に、補強ビーム17の連結用長孔18に対する下位螺子体27Bの位置ずれは、この連結用長孔18を利用して、または長孔23を介して本体21を床スラブ2側に対して移動させることで調整し得る。
【0036】
また吊り部材30を介しての連結操作は、まず吊り部材30の上位縦板部30aを、中間部貫通孔7と長孔31とを介して連結具33を作用させて、大引ビーム5の縦板部5aに連結させ、次いで吊り部材30の横板部30dを、貫通孔32と連結用長孔18とを介して連結具34を作用させて、補強ビーム17の横板部に連結させることで行える。
【0037】
その際に、連結用長孔18に対する貫通孔32の位置ずれは、長孔31を介して、吊り部材30を大引ビーム5側に対して移動させることで調整し得る。また、大引ビーム5に対する補強ビーム17の上下(高さ)方向での位置ずれは、ターンバックル25の回転操作体26を回転操作して、下位螺子体27Bの連結位置を昇降させることで調整し得る。
【0038】
その後に、大引ビーム5の上面間に亘って複数の根太材40を配設し、そして根太材40群の上面間に亘って床板41を載置することで、床スラブ2と床板41との間に収納スペースSを形成して、床装置を構成し得る。
【0039】
なお、大引ビーム5や床板41などの配設、すなわち床装置側の構成(配設)を全て行ったのち、ターンバックル25の回転操作体26を回転操作することで、高さ方向での最終調整を行え、その際に操作は、開放した出し入れ口42から収納スペースS内に入ることで容易に行える。
【0040】
このように構成した床装置によると、複数の大引ビーム5を、その両端を介して側壁3に支持させていることで、床板41に掛かる振動を大引ビーム5により吸収して遮音効果を期待し得る。しかも大引ビーム5の中間を、吊り部材30によって補強ビーム17側で支持していることにより、大引ビーム5の強度を補強し得、以て補強構造を、大引ビーム5の規模に基づく長さに関係なく、操作を簡単にして採用し得る。
【0041】
さらに、吊り手段20の本体21をCの字型レール状に形成して、補強ビーム17側への連結位置と、床スラブ2側による支持位置との間で、弾性変形可能な吊り姿勢に構成したことで、その弾性変形、すなわち「しなり」によって、荷重支持をスムースに行える。なお、蓋体44を開閉動させることで、出し入れ口42を通して、収納スペースSに対し物品の出し入れを行える。
【0042】
以下に、本発明の第2の実施の形態を、図6、図7に基づいて説明する。
第2の実施の形態において、吊り部材50は、連結分離自在な2個(複数)の吊り体51,55からなり、これら吊り体51,55の使用個数によって上下高さを調整可能に構成されている。ここで上位の吊り体51としては、前述した第1の実施の形態に使用した吊り部材30と同じものが採用されている。
【0043】
すなわち上位の吊り体51は、前記大引ビーム5の縦板部5aに外側から当接自在な上位縦板部51aと、この上位縦板部51aの下端から下方に傾斜して伸びかつ大引ビーム5の下位の傾斜板部5bに外側から当接自在な傾斜板部51bと、この傾斜板部51bの下端から下方に伸びる下位縦板部51cと、この下位縦板部51cの下端から横方向に伸びる横板部51dとからなり、以て型材状に形成されている。
【0044】
そして上位縦板部51aにおける幅方向の2箇所(1箇所または複数箇所)には、それぞれ幅方向の長孔52が形成されるとともに、横板部51dにおける幅方向の2箇所(1箇所または複数箇所)には、それぞれ貫通孔53が形成されている。
【0045】
ここで長孔52は、大引ビーム5の縦板部5aに上位縦板部51aを外側から当接させたとき、縦板部5aに形成した中間部貫通孔7に連通され、以て孔52,7間を通して連結具(ボルト・ナットなど)54を作用させることで、大引ビーム5に対して吊り体51は位置調整自在に連結される。
【0046】
また下位の吊り体55は、縦板部55aと、この縦板部55aの上端から横方向に伸びかつ上位の吊り体51の横板部51dに下方から当接自在な上位横板部55bと、前記縦板部55aの下端から横方向に伸びかつ補強ビーム17の横板部に上方から当接自在な下位横板部55cとからなり、以て型材状に形成されている。
【0047】
そして上位横板部55bにおける幅方向の2箇所(1箇所または複数箇所)には、それぞれ貫通孔56が形成されるとともに、下位横板部55cにおける幅方向の2箇所(1箇所または複数箇所)には貫通孔57が形成されている。
【0048】
ここで貫通孔56は、上位の吊り体51の横板部51dに上位横板部55bを下方から当接させたとき、横板部51dに形成した貫通孔53に連通され、以て孔56,53間を通して連結具(ボルト・ナットなど)58を作用させることで、上位の吊り体51と下位の吊り体55とが連結される。また貫通孔57は、前記補強ビーム17の横板部に形成された連結用長孔18に連通され、以て孔57,19間を通して連結具(ボルト・ナットなど)59を作用させることで、下位の吊り体55と補強ビーム17とが連結される。
【0049】
この第2の実施の形態によると、収納スペースSの高さ変化に対しては、吊り体51,55の使用個数の増減によって吊り部材50の上下高さを調整することで、容易に対処し得る。
【0050】
以下に、本発明の第3の実施の形態を、図8に基づいて説明する。
すなわち、大引ビーム5が、逆梁部4Aの上面側にビーム受け材60を介して支持されている。
【0051】
この第3の実施の形態によると、収納スペースSは、逆梁部4Aの高さに相当することから、デッドスペースを利用して、各階の占有高さを高くすることなく形成し得る。
【0052】
以下に、本発明の第4の実施の形態を、図9に基づいて説明する。
すなわち、側壁3の内側面に複数の受け具62が設けられ、これら受け具62間にビーム受け材63が設けられている。そしてビーム受け材66上に、大引ビーム5の端部が支持されている。
【0053】
以下に、本発明の第5の実施の形態を、図10に基づいて説明する。
すなわち、大引ビーム5の下面に吊り部材36が連結され、この吊り部材36は、大引ビーム5の下面に連結されるブラケット37と、このブラケット37から垂下される縦材38などにより構成される。そして縦材38の下端に補強ビーム17が連結されている。また吊り手段65は、縦材38が挿入されかつ補強ビーム17が位置される枠状体66と、この枠状体66の下面から垂設される脚体67とからなり、この脚体67が床スラブ2上に着地される。そして枠状体66の上部と補強ビーム17とが、吊りワイヤー68により連結されている。
【0054】
この第5の実施の形態によると、大引ビーム5は、吊りワイヤー68を使用した簡単な構成によって、床スラブ2側に吊り姿勢で受け止められることになる。
以下に、本発明の第6の実施の形態を、図11に基づいて説明する。この第6の実施の形態では、大引ビームの種々な形状を示している。
【0055】
すなわち(a)に示す大引ビーム70は、中間縦板部70aと、この中間縦板部70aの上下両端から左右の同方向でかつ上下に傾斜して伸びる傾斜板部70bと、これら傾斜板部70bの上下両端から上下に伸びる一側端縦板部70cと、これら一側端縦板部70cの上下両端から左右の同方向で横方向に伸びる横板部70dと、これら横板部70dの端から相対向した側に伸びかつ前記一側端縦板部70cに平行状の他側端縦板部70eと、これら他側端縦板部70eの端から相対向した側でかつ前記中間縦板部70aに向かって伸びる短尺傾斜板部70fとからなり、以て型レール状に形成されている。
【0056】
また(b)に示す大引ビーム71は、左右方向で上下に傾斜する傾斜板部71aと、この傾斜板部71aの上下両端から左右の異方向に伸びる横板部70bと、これら横板部70bの端から相対向した側でかつ前記傾斜板部71aに向かって伸びる短尺傾斜板部71cとからなり、以て型レール状に形成されている。
【0057】
そして(c)に示す大引ビーム72は、縦板部72aと、この縦板部72aの上下両端から左右の異方向でかつ上下に傾斜して伸びる傾斜板部72bと、これら傾斜板部72bの上下両端から左右の異方向で横方向に伸びる横板部72cと、これら横板部72cの端から相対向した側でかつ前記縦板部72aに向かって伸びる短尺傾斜板部72dとからなり、以て型レール状に形成されている。
【0058】
さらに(d)に示す大引ビーム73は、左右一対の縦板部73aと、これら縦板部73aの上端間および下端間に位置される上下一対の横板部73bとからなり、以て四角筒状に形成されている。
【0059】
また(e)に示す大引ビーム74は、左右一対の縦板部74aと、これら縦板部74aの上下両端から左右の外方向でかつ上下に傾斜して伸びる傾斜板部74bと、これら傾斜板部74bの上端間および下端間に位置される上下一対の横板部74cとからなり、以て筒型レール状に形成されている。
【0060】
上記した第1〜第4の実施の形態のように、少なくとも2箇所で建物1側に支持される複数の大引ビーム5を設け、これら大引ビーム5と床スラブ2との間に、大引ビーム5に対して交差状として補強ビーム17を設け、この補強ビーム17を、複数の大引ビーム5の上方間または下方間に連続的に延設するとともに大引ビーム5側に連結し、大引ビーム5の上方に床板41を配設した構成によると、床板41に掛かる振動を大引ビーム5により吸収して遮音効果を期待し得、しかも複数の大引ビーム5を共通の補強ビーム17によって支持していることにより、大引ビーム5の強度を補強し得、以て補強構造を、大引ビーム5の規模に基づく長さに関係なく、連結具による連結箇所の削減などにより、連結操作などを簡単にして採用し得る。
【0061】
上記した第1、第2の実施の形態のように、大引ビーム5を、吊り部材30を介して補強ビーム17で連結した構成によると、複数の大引ビーム5の上方間または下方間に対する補強ビーム17の連続的な延設を容易に行えるとともに、吊り部材30の使用個数や使用サイズによって上下高さを調整することで、大引ビーム5と床スラブ2との間に形成される収納スペース(空間)Sの高さ変化に対して容易に対処し得る。
【0062】
上記した第1、第2の実施の形態のように、大引ビーム5と補強ビーム17との連結を、大引ビーム5と床スラブ2との間の空間でかつ大引ビーム5の下方の空間部分の上下いっぱいを利用して行う構成によると、連結部分をコンパクトに形成し得るとともに、残りの空間部分を、たとえば収納用などに有効に利用し得る。
【0063】
上記した第1、第2の実施の形態のように、大引ビーム5を、床スラブ2側に吊り姿勢で受け止めさせた構成によると、大引ビーム5側の荷重や振動を、上下方向に作用する吊り力によって、床スラブ2側で確実に受け止め得る。
【0064】
上記した第1、第2の実施の形態のように、大引ビーム5を床スラブ2側に吊り姿勢で受け止めさせる吊り手段20は、補強ビーム17の吊り位置を調整自在に構成されていることにより、大引ビーム5や床板41などの配設、すなわち床装置側の構成(配設)を全て行ったのち、吊り手段20による吊り位置を調整することで、補強ビーム17の高さ方向での最終調整を行える。
【0065】
上記した第1、第2の実施の形態のように、吊り手段20を、補強ビーム17側への連結位置と、床スラブ2側による支持位置との間で、弾性変形可能な吊り姿勢に構成したことにより、その弾性変形、すなわち「しなり」によって、荷重支持をスムースに行える。
【0066】
上記した第1〜第4の実施の形態では、大引ビーム5の両端が建物側に支持された形式が示されているが、これは中間を含めて複数箇所が建物側に支持された形式などであってもよい。
【0067】
上記した第1、第2の各実施の形態では、補強ビーム17が複数の大引ビーム5の下方間に連続的に延設された形式が示されているが、これは補強ビーム17が複数の大引ビーム5の上方間に連続的に延設された形式などであってもよい。
【0069】
上記した第1、第2の実施の形態では、大引ビーム5と補強ビーム17との連結が、大引ビーム5と床スラブ2との間の空間でかつ大引ビーム17の下方の空間部分の上下いっぱいを利用して行われる形式が示されているが、これは残りの空間部分を利用して連結が行われる形式などであってもよい。
【0071】
上記した第1、第2の実施の形態では、大引ビーム5を床スラブ2側に吊り姿勢で受け止めさせる吊り手段20が、補強ビーム17の吊り位置を調整自在に構成された形式が示されているが、これは調整できない固定式の吊り手段を採用した形式などであってもよい。
【0072】
上記した第1、第2の実施の形態では、吊り手段20が、補強ビーム17側への連結位置と、床スラブ2側による支持位置との間で、弾性変形可能な吊り姿勢に構成された形式が示されているが、これは弾性変形しない固定状の吊り手段を採用した形式などであってもよい。
【0073】
上記した各実施の形態では、各部の連結具としてボルトナット形式が示されているが、これは場所によってはリベット形式などであってもよい。
上記した第4の実施の形態では、床スラブ2の上面2aと床板41の下面41aとの間に、逆梁部4Aの高さに相当する収納スペースSが形成されているが、これは、たとえば第1〜第3の実施の形態のように逆梁でない建物においては、収納スペースが形成されない構成であってもよい。
【0074】
上記した第1〜第3の実施の形態では、側壁3間で大引ビーム5の支持を行う形式が示されているが、これは側壁3と逆梁部4Aとの間で大引ビーム5の支持を行う形式、逆梁部4A間で大引ビーム5の支持を行う形式などであってもよい。
【0075】
上記した第1〜第3の実施の形態では、収納スペースS内に物品を収納可能な形式が示されているが、これは収納スペースS内、すなわち空間を利用して配管や配線を行う形式などであってもよい。
【0076】
【発明の効果】
上記した本発明の請求項1によると、床板に掛かる振動を大引ビームにより吸収して遮音効果を期待でき、しかも複数の大引ビームを共通の補強ビームによって支持していることにより、大引ビームの強度を補強でき、以て補強構造を、大引ビームの規模に基づく長さに関係なく、連結操作などを簡単にして採用できる。
【0077】
また補強ビームは、吊り手段を介して床スラブ側で支持できる。しかも大引ビームを、吊り部材を介して補強ビームに連結していることで、複数の大引ビームの上方間または下方間に対する補強ビームの連続的な延設を容易に行うことができるとともに、吊り部材の使用個数や使用サイズによって上下高さを調整することで、大引ビームと床スラブとの間に形成される空間の高さ変化に容易に対処できる。
【0078】
そして上記した本発明の請求項2によると、連結部分をコンパクトに形成できるとともに、残りの空間部分を、たとえば収納用などに有効に利用できる。
さらに上記した本発明の請求項3によると、大引ビーム側の荷重や振動を、上下方向に作用する吊り力によって、床スラブ側で確実に受け止めることができる。
【0079】
しかも上記した本発明の請求項4によると、大引ビームや床板などの配設、すなわち床装置側の構成(配設)を全て行ったのち、吊り手段による吊り位置を調整することで、補強ビームの高さ方向での最終調整を行うことができる。
【0080】
また上記した本発明の請求項5によると、吊り手段の弾性変形、すなわち「しなり」によって、荷重支持をスムースに行うことができる。
そして上記した本発明の請求項6によると、大引ビームを、吊りワイヤーを使用した簡単な構成によって、床スラブ側に吊り姿勢で受け止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、建物の床装置における要部の一部切り欠き斜視図である。
【図2】同建物の床装置における縦断側面図である。
【図3】同建物の床装置における要部の一部切り欠き正面図である。
【図4】同建物の床装置における大引ビーム支持部分の縦断側面図である。
【図5】同建物の床装置における大引ビーム支持部分の縦断正面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示し、建物の床装置における要部の一部切り欠き正面図である。
【図7】同建物の床装置における要部の一部切り欠き側面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態を示し、建物の床装置における大引ビーム支持部分の概略側面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態を示し、建物の床装置における大引ビーム支持部分の概略側面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態を示し、建物の床装置における大引ビーム支持部分の縦断側面図である。
【図11】本発明の第6の実施の形態を示し、建物の床装置における大引ビームの種々な形状の正面図である。
【符号の説明】
1 高層住宅(建物)
2 床スラブ
2a 上面
3 側壁
4 梁部
5 大引ビーム
6 端部貫通孔
7 中間部貫通孔
10 ビーム受け材
11 受け具
17 補強ビーム
18 連結用長孔
20 吊り手段
21 本体
21a 縦板部
21b 上位横板部
21c 下位横板部
22 貫通孔
23 長孔
25 ターンバックル
26 回転操作体
27A 上位螺子体
27B 下位螺子体
30 吊り部材
31 長孔
32 貫通孔
36 吊り部材
40 根太材
41 床板
41a 下面
42 出し入れ口
50 吊り部材
51 上位の吊り体
52 長孔
53 貫通孔
55 下位の吊り体
56 貫通孔
57 貫通孔
60 ビーム受け材
62 受け具
63 ビーム受け材
65 吊り手段
68 吊りワイヤー
70 大引ビーム
71 大引ビーム
72 大引ビーム
73 大引ビーム
74 大引ビーム
S 収納スペース(空間)
Claims (6)
- 少なくとも2箇所で建物側に支持される複数の大引ビームが設けられ、これら大引ビームと床スラブとの間に、大引ビームに対して交差状として補強ビームが設けられ、この補強ビームは、複数の大引ビームの上方間または下方間に連続的に延設されるとともに、吊り手段を介して床スラブ側に支持され、そして補強ビームは、吊り部材を介して大引ビーム側に連結され、大引ビームの上方に床板が配設されることを特徴とする建物の床装置。
- 大引ビームと補強ビームとの連結が、大引ビームと床スラブとの間の空間でかつ大引ビームの下方の空間部分の上下いっぱいを利用して行われることを特徴とする請求項1記載の建物の床装置。
- 大引ビームは、床スラブ側に吊り姿勢で受け止められていることを特徴とする請求項1または2記載の建物の床装置。
- 大引ビームを床スラブ側に吊り姿勢で受け止めさせる吊り手段は、補強ビームの吊り位置を調整自在に構成されていることを特徴とする請求項3記載の建物の床装置。
- 吊り手段は、補強ビーム側への連結位置と、床スラブ側による支持位置との間で、弾性変形可能な吊り姿勢に構成されていることを特徴とする請求項4記載の建物の床装置。
- 大引ビームを床スラブ側に吊り姿勢で受け止めさせる吊り手段は、吊りワイヤーを介して補強ビームの受け止めを行うように構成されていることを特徴とする請求項3記載の建物の床装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002134780A JP3900001B2 (ja) | 2002-05-10 | 2002-05-10 | 建物の床装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002134780A JP3900001B2 (ja) | 2002-05-10 | 2002-05-10 | 建物の床装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003328486A JP2003328486A (ja) | 2003-11-19 |
JP3900001B2 true JP3900001B2 (ja) | 2007-04-04 |
Family
ID=29697283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002134780A Expired - Fee Related JP3900001B2 (ja) | 2002-05-10 | 2002-05-10 | 建物の床装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3900001B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106049731B (zh) * | 2016-05-26 | 2018-09-25 | 沈阳建筑大学 | 模块化预制隔声楼板及其板间连接方法 |
CN106436945A (zh) * | 2016-11-16 | 2017-02-22 | 中冶建筑研究总院有限公司 | 一种大型剧场马道隔音结构及其施工方法 |
-
2002
- 2002-05-10 JP JP2002134780A patent/JP3900001B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003328486A (ja) | 2003-11-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004359368A (ja) | せり上げ式エレベータ | |
JP3900001B2 (ja) | 建物の床装置 | |
CA2290150A1 (en) | Highly rigid elevator car floor | |
JP2008285282A (ja) | エレベータのかご | |
JP6811049B2 (ja) | ユニット建物 | |
KR100860935B1 (ko) | 기계실이 없는 엘리베이터 시스템 | |
JP2000086126A (ja) | トラクションエレベーター | |
JP2513103B2 (ja) | エレベ―タ―用二方口かご | |
CN221168229U (zh) | 一种楼面悬挑抑振装置及楼栋 | |
JP4368504B2 (ja) | 柱梁架構における制振装置 | |
JP4294777B2 (ja) | エレベーターのかご | |
EP1447370A1 (en) | Elevator | |
JP2003155797A (ja) | 建築物における床支持構造 | |
JP2002227338A (ja) | 建築物における床支持構造 | |
JP4801856B2 (ja) | ユニット式建物 | |
JPS6366082A (ja) | エレベ−タ−の乗かご | |
JP4499366B2 (ja) | エレベータ巻上機の支持構造 | |
JPS6098086A (ja) | 建物開口部の補強構造 | |
CN117266436A (zh) | 一种装配式跌级转换层及总成 | |
JPS6098087A (ja) | 建物開口部の補強構造 | |
JP4288766B2 (ja) | 天井クレーンの制振構造 | |
JP2023048204A (ja) | 防水板補強装置 | |
KR200484746Y1 (ko) | 건설용 리프트의 발판 완충장치 | |
JPH11131596A (ja) | 建物ユニット | |
JP3210188B2 (ja) | エレベータのかご床 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050124 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060829 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060905 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061102 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061205 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061218 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |