JP3999706B2 - ガスタービン燃焼器及びそれを用いたガスタービン機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒燃焼を組み入れた、ガスタービンの燃焼器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、触媒燃焼を組み入れたガスタービン燃焼器が用いられている。図15は、このような従来のガスタービン燃焼器を模式的に示す構成図である。同図において、空気孔101を通って燃焼器104へ流入した空気は、ベンチュリー部102で矢印に示すように供給された燃料と混合されて、予混合気を形成する。この予混合気は、触媒層103に供給され、ここで触媒燃焼が行われる。なお、燃焼器104上流側の105はプリバーナであり、燃焼を安定させるために設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のガスタービン燃焼器では、触媒層103は燃焼器104の断面いっぱいに広がって設けられ、且つ予混合気はその殆どがこの触媒層103で燃焼することになるため、触媒層103の強度及び耐熱度に対する信頼性が問題となる。また、装置の起動時,昇速時等のように、触媒活性が不十分な条件のときは、触媒層103の入口温度を高くして、触媒反応が起こるようにする必要があることから、プリバーナ105を使用することとなるが、この時プリバーナ105から発生するNOxを少なくすることが必要である。
【0004】
また、従来の触媒燃焼を組み入れたガスタービン燃焼器では、以下に示す点が問題となる。まず、燃焼器型式と燃焼方式に関して、
(1)予混合気全量を触媒燃焼させる場合、燃焼器の圧力損失が大きくなるか、或いは燃焼器の体積が非常に大きくなる。
(2)触媒の耐熱性に基づき、使用可能なガスタービンのガス温度レベルが決まってしまうので、高温高効率ガスタービンへの適用ができない。
(3)触媒層へ均一な予混合気を供給することが困難である。
(4)定格負荷では低NOx,低COを達成できても、部分負荷では燃焼効率が低くなる。
(5)いわゆるマルチキャン型では、触媒活性にバラツキがあると、各燃焼器の燃焼状態が一様にならない。
【0005】
また、触媒に関して、
(1)触媒層モノリスの両面に触媒活性体を設けると、触媒温度が高くなり過ぎ、寿命が短くなる。
(2)触媒層モノリスの片面のみに触媒活性体を設けると、触媒温度を低く抑えることができるが、反応性が低くなる。このため、触媒層を長くする必要が生じ、圧力損失が高くなる。
(3)触媒層内で約50%の燃料を燃焼させ、その後、気相燃焼させる場合、安定燃焼範囲が狭くなり、メイン予混合気の火種としての機能を充分に果たせない。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑み、ガスタービンの幅広い負荷範囲で低NOx,低COを達成できるとともに、安定した運用が可能で、また、触媒の耐久性を高くし、且つ、低コスト化を図ることが可能なガスタービン燃焼器、及びそれを用いたガスタービン機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、触媒層によりパイロット火炎を形成する触媒燃焼系と、予混合ノズルにて主たる燃焼を行う予混合燃焼系とを備えた構成において、前記触媒層は、その触媒層に供給される燃料混合気の上流側に位置する低温領域と、下流側に位置する高温領域とより成り、前記低温領域は、積層された基材それぞれの表裏両面に触媒活性体を被着させた両面触媒であり、前記高温領域は、積層された基材それぞれの片面に触媒活性体を被着させた片面触媒であって、前記触媒層において燃料の40〜60%を燃焼させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
さらに、前記片面触媒は、前記触媒活性体の有る面と無い面とが向かい合うように、前記各基材が積層されて成ることを特徴とする。
【0009】
或いは、前記片面触媒は、前記触媒活性体の有る面同士、及び無い面同士が向かい合うように、前記各基材が積層されて成ることを特徴とする。そして、前記触媒活性体の有る面同士が向かい合った所に形成された通路が、前記触媒活性体の無い面同士が向かい合った所に形成された通路よりも、その断面積が大きくなるようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、前記両面触媒は、表面積あたりの活性体面積比率kが1以下であることを特徴とする。
【0012】
また、上記いずれかに記載のガスタービン燃焼器を用いたガスタービン機器において、圧縮空気の一部を圧縮機に戻すようにして成ることを特徴とする。或いは、タービンの出口排ガスの一部を圧縮機入口に戻すようにして成ることを特徴とする。或いは、排ガスボイラの排ガスの一部を圧縮機入口に戻すようにして成ることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る、触媒燃焼を組み入れたガスタービン燃焼器の概略構成を模式的に示す縦断面図である。本実施形態では、予混合炎型低NOx燃焼器の保炎用パイロットバーナとして触媒燃焼器を採用している。また、従来の拡散炎型パイロットバーナも併用し、触媒燃焼が安定して行える条件で、拡散パイロットから触媒パイロットに切り換える構成としている。
【0014】
同図に示すように、本実施形態のガスタービン燃焼器は、外筒4とこれに同心状に囲まれた内筒3とを有しており、内筒3の軸心位置にはパイロットノズル1が配置されている。パイロットノズル1の周辺には、予混合ノズル5に連通したメインノズル2が配設されており、また内筒3はその後端(図の右側)で図示しない尾筒に連絡している。なお、本構成は外筒4が一部ケーシングから突出しているため、トップハットと呼称される部分を有するので、トップハット型式としている。
【0015】
また、内筒3とこれを囲んだ外筒4との間には、空気流路7が形成されており、外筒4の後端周縁にはマニホールド環6が配置されている。このマニホールド環6の内周面に開けられて外筒4まで貫通する噴出孔8から、矢印αで示す如く内側に向けて、放射状に空気流路7へ燃料(トップハット燃料)が噴出される。或いは、別途トップハット燃料ノズルを設けても良い。そして、この空気流路7を経て供給される空気(白抜きの矢印で示す)に燃料を混合し、後流に形成される燃焼域に至る距離を十分に確保して、均一な燃料混合気(破線の矢印で示す)を得るようにしている。なお、必ずしもトップハット燃料を供給する構成としなくとも良い。
【0016】
燃料混合気の進行先には、パイロットノズル1の周囲に触媒層10が設けられており、これは更に外側の上記予混合ノズル5との間で、細長い仕切筒9によりそれぞれ領域を区分され、且つ平行に隣接して配設されている。そして、触媒層10を含んで触媒燃焼系が形成され、また、予混合ノズル5を含んで予混合燃焼系が形成されて、触媒燃焼系をパイロットとして、予混合燃焼系に主たる燃焼を受け持たせている。
【0017】
外筒4の前部(図の左側)でパイロットノズル1の周囲にリング状に設けられた11はプリバーナであり、触媒層10と対峙して仕切筒9内で触媒燃焼系に組み入れられている。なお、12はプリバーナ11へと連通する燃料供給管である。プリバーナ11は、触媒燃焼の開始時等で触媒層10の活性が不十分の段階では確実に作動して、触媒層10へ供給される燃料混合気を昇温させ、触媒燃焼を維持継続させるように働く。そして、触媒層10が温度上昇して活性条件が確保されれば、バーナを消火し、且つ、必要に応じて触媒燃料供給ノズルに切り換えられて作動するものである。
【0018】
本実施形態では、パイロットのみ触媒燃焼としているので、触媒燃焼温度に制約があっても、メイン予混合気温度をこれより高く設定することができるため、1400℃以上の高温ガスタービンでも、NOxが3ppm以下の極低NOxを達成することができる。また、燃焼器の圧力損失が従来と比較して大きくならずに済む。さらに、いわゆるマルチキャン型燃焼器とした場合でも、また、複数使用する触媒各々の活性にバラツキがあっても、安定した運転が可能である。加えて、触媒が小さくて良いため、強度上の問題が無い。また、安価で取り換えも容易である。
【0019】
図2は、上述した触媒層10の概略構成を模式的に示す拡大縦断面図である。同図の矢印は、燃料混合気の流れ方向を示している。同図に示すように、本実施形態における触媒層10は、上流側の低温領域Aと下流側の高温領域Bとを直列に配設した構成となっている。なお、実際は低温領域Aと高温領域Bとの間に多少の空間が設けられており、領域間の受け渡し時での燃料混合気の偏在を防止している。また、同図では触媒層をA,Bの2種類としているが、これは何種類設けても良い。
【0020】
図3〜図5は、本実施形態で用いられる触媒層の構造例を模式的に示す図であり、燃料混合気の流れ方向より見た様子を示している。各図に示すように、触媒層10は平板状の基材10aと波形状の基材10bとが交互に積層された構造となっている。そして、各基材間には燃料混合気の流れ方向に延びる通路13が形成され、それぞれ隣接配置されている。但し、層数は図示のものに限定されない。
【0021】
図3は、基材10a,10bそれぞれの表裏両面に触媒活性体14を被着させた例である(両面触媒)。また図4は、基材10a,10bそれぞれの片面に触媒活性体14を被着させた例であり(片面触媒)、同図(a)は触媒活性体14の有る面と無い面とが向かい合った構成、同図(b)は触媒活性体14の有る面同士、及び無い面同士が向かい合った構成となっている。なお、図3,図4では、各通路13の断面積は概ね同じである。
【0022】
さらに図5は、図4(b)における基材10bの波形状の変形例であり、触媒活性体14の有る面同士が向かい合った所に形成された通路13aが、触媒活性体14の無い面同士が向かい合った所に形成された通路13bよりも、その断面積が大きくなるようにしている。これにより、触媒側を通過する燃料混合気の流量比率を大きくし、反応効率を高めている。
【0023】
図2に戻って、触媒層10の低温領域Aでは、図3で示したように、基材10a,10bそれぞれの表裏両面に触媒活性体14を被着させた構成としている。また、高温領域Bでは、図4或いは図5で示したように、基材10a,10bそれぞれの片面に触媒活性体14を被着させた構成とし、反対面である触媒活性体14の無い面から冷却するようにしている。
【0024】
図6は、触媒構成の各種方式に対する触媒温度と反応効率を示すグラフである。同図(a)は触媒層入口からの距離に対する触媒温度を示しており、同図(b)は触媒層入口からの距離に対する反応効率を示している。各グラフにおいて、実線aは両面触媒であって、表面積あたりの活性体面積比率k=0.5の場合である。また、実線bは両面触媒であって、k=0.15〜0.4の範囲内の場合である。さらに、破線cは片面触媒の場合、一点鎖線dはaとcの組み合わせ(ハイブリッド)の場合である。なお、kの値は1以下で任意に設定することができ、相応の効果を得ることができる。
【0025】
まず、同図(a)において、実線aで示した両面触媒でk=0.5の場合は、触媒温度が触媒層出口付近で1300℃程度の高温となる。そこで、k=0.15〜0.4の範囲内となるように調整することで、実線bで示すように例えば触媒温度を1000℃以下に抑えることができる。
【0026】
或いは、片面触媒とした場合は、破線cで示すように触媒温度は更に低くなる。そこで、燃料混合気上流側の低温領域Aでは実線aで示した両面触媒でk=0.5の場合を採用し、下流側の高温領域Bでは破線cで示した片面触媒を採用するいわゆるハイブリッドとすることにより、一点鎖線dで示すように、当初は実線aに沿って触媒温度が上昇し、領域が切り換わった後はaとcの間で推移する構成となる。これにより、触媒温度を例えば1100℃程度以下に抑えることができる。この構成は、図2で例示されるものである。
【0027】
次に、同図(b)において、反応効率(η)は以下の式で定義される。
η=(1−Fout/Fin)×100(%)
但し、
Fout:触媒層出口における燃料量
Fin :触媒層入口における燃料量
である。
【0028】
同図(b)で実線a,実線b,破線cの場合は、それぞれ距離に応じて滑らかに反応効率が上昇し、その上昇の度合いはa,b,cの順で高くなっている。また、上記いわゆるハイブリッドとすることにより、一点鎖線dで示すように、当初は実線aに沿って反応効率が上昇し、領域が切り換わった後はaとcの間で推移する構成となる。
【0029】
これより分かるように、本実施形態では、触媒層において燃料の50%前後(40〜60%)を燃焼させている。そして、その後流で気相燃焼を行わせる。この場合、触媒層出口温度は700〜750℃以上とするのがよい。つまり、メイン予混合気の可燃限界は550℃であるが、これでは遅れ時間が長くなりすぎるので、150〜200℃以上高くし、急速に燃焼させるようにしている。
【0030】
以上のような触媒構成により、触媒温度を例えば1000℃以下若しくは1100℃以下とすることができるので、触媒の耐久性が高くなる。また、両面触媒及び片面触媒の組み合わせ、或いは両面触媒における活性体面積比率の調整により、触媒温度を例えば1000℃以下若しくは1100℃以下にして、且つ触媒効果を高く維持することが可能となる。
【0031】
図7〜図9は、本発明の一実施形態に係る、触媒燃焼を組み入れたガスタービン燃焼器の変形例の概略構成を模式的に示す縦断面図である。各図では、上記図1で示した構成に加えて、後述するように、パイロット火炎の保炎性が向上する工夫が施されている。また、図1のマニホールド環6に噴出孔8を開けた構成の代わりに、矢印αで示す如くトップハット燃料を噴出する、トップハット燃料ノズル16を設けた構成としている。但しいずれの構成としても良い。
【0032】
これら図7〜図9各図の構成では、図1の場合と同様にして、トップハットから燃料の一部を供給することにより、触媒,及び予混合ノズル入口に、均一な予混合気を供給することができる。そして、触媒燃料,予混合燃料を各々供給して、所定の燃料濃度に設定することができる。
【0033】
具体的には、トップハット燃料の供給位置から触媒層までの距離を長く取ることができるため、ここから供給された燃料は空気と非常に良く混合され、均一な予混合気となる。また、触媒層へ供給する予混合気のうち、触媒燃料供給ノズル(プリバーナ兼用)からは追加燃料として供給されるため、ここからの燃料の均一性が少々悪くても、触媒層入口での不均一は低く抑えられる。この方式により、触媒最高温度を抑制することができる。また、ノズルまわりからの冷却空気等にも燃料が供給されるため、火炎安定性も改善される。
【0034】
さて、図7〜図9の構成においては、触媒温度を低く保つため、触媒層10での燃焼効率は40〜60%として、その後流で気相燃焼を行わせる。しかし、このパイロット燃焼ガスをメイン予混合気と混合させるときには、極力燃焼効率を高くしておくことが望ましい。そこで、以下に示すような保炎性向上策が採られている。
【0035】
まず、図7においては、触媒層10と予混合ノズル5との間に大きく隙間を取り、仕切筒9後端(図の右側)周縁部と予混合ノズル5後端とをリング状に繋ぐステップS1を設けている。そしてこれにより、触媒層10の後流が仕切筒9から出た直後において、ステップS1を巻き込むような渦eを形成して、ここでの燃焼を促進する(ステップ保炎)。また、図8においては、前記図7の構成に加えて、仕切筒9後端周縁部即ちステップS1の内周(即ち触媒層側)より延び、後流へ向かってテーパ状に縮径するリング状の保炎器15を設けている。そしてこれにより、触媒層10の後流を一部妨げるようにして、更に大きな渦eを形成している。
【0036】
また、図9においては、触媒層10と予混合ノズル5との間に更に大きく隙間を取り、仕切筒9後端周縁部と予混合ノズル5後端とを2段階でリング状に繋ぐように、ステップS1及びステップS2を設けている。そしてこれにより、より確実に渦eが形成されるようにしている(2段ステップ保炎)。なぜならば、メイン予混合気の流れの広がりが大きいと、ステップが1段ではそのメイン予混合気の流れに影響されて渦が潰れる可能性があるので、これを防止するものである。なお、図示しないが、ステップS1,S2のいずれか或いは両方の内周(即ち触媒層側)より延びる、上述した保炎器15を設けても良い。これにより、より大きな渦eが確実に形成される。
【0037】
以上のような触媒燃焼器の変形例の構成により、触媒層出口のガス温度が低いにもかかわらず、メイン予混合気と混合する時点では触媒パイロットの燃焼ガス温度が高くなり、パイロット火炎の保炎性が向上する。これにより、ガスタービンの幅広い負荷範囲で安定燃焼が可能となる。
【0038】
ところで、図10〜図14は、本発明のガスタービン燃焼器を用いたガスタービン機器の構成例を模式的に示す図である。各図において、21は圧縮機、22は燃焼器、23はタービンである。まず、図10に示すように、部分負荷時に圧縮機21からの圧縮空気の一部を燃焼器22の尾筒側にバイパスすることにより、燃焼器22、更には触媒層のガス温度を、負荷に関係なく一定にすることができる。なお、図中の24は空気バイパス弁である。
【0039】
また、大気温度が低いときに、図11に示すように、圧縮空気の一部を圧縮機21に戻すことにより、触媒層入口予混合気温度を触媒活性温度以上に保つことができる。或いは、図12に示すように、タービン23の出口排ガスの一部を圧縮機21入口に戻すことにより、触媒層入口予混合気温度を触媒活性温度以上に保つことができる。或いは、図13に示すように、コンバインドプラントの排ガスの一部を圧縮機21入口に戻すことにより、触媒層入口予混合気温度を触媒活性温度以上に保つことができる。なお、図中の25は排ガスボイラである。
【0040】
図11〜図13の構成により、プリバーナを使用する必要がなくなるので、このプリバーナによるNOxの発生がなくなる。その他、図14に示すように、部分負荷において、圧縮機21入口のインレットガイドベーン26、及び空気バイパス弁24の開度を調整することにより、空気量を調整して燃焼器22、更には触媒層のガス温度を、負荷に関係なく一定にすることができる。
【0041】
上記図10〜図14各々の構成により、またいずれかの組み合わせにより、例えば25%負荷からの空気温度及び燃焼器出口温度を一定にすることができるので、幅広いガスタービン負荷範囲で触媒燃焼が可能となるため、同時に幅広い負荷範囲で触媒効果を発揮させることができ、極低NOx、低COを達成することが可能になる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ガスタービンの幅広い負荷範囲で低NOx,低COを達成できるとともに、安定した運用が可能で、また、触媒の耐久性を高くし、且つ、低コスト化を図ることが可能なガスタービン燃焼器及びそれを用いたガスタービン機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る、触媒燃焼を組み入れたガスタービン燃焼器の概略構成を模式的に示す縦断面図。
【図2】触媒層の概略構成を模式的に示す拡大縦断面図。
【図3】本実施形態で用いられる触媒層の構造例を模式的に示す図。
【図4】本実施形態で用いられる触媒層の構造例を模式的に示す図。
【図5】本実施形態で用いられる触媒層の構造例を模式的に示す図。
【図6】触媒構成の各種方式に対する触媒温度と反応効率を示すグラフ。
【図7】本発明の一実施形態に係る、触媒燃焼を組み入れたガスタービン燃焼器の変形例の概略構成を模式的に示す縦断面図。
【図8】本発明の一実施形態に係る、触媒燃焼を組み入れたガスタービン燃焼器の変形例の概略構成を模式的に示す縦断面図。
【図9】本発明の一実施形態に係る、触媒燃焼を組み入れたガスタービン燃焼器の変形例の概略構成を模式的に示す縦断面図。
【図10】本発明のガスタービン燃焼器を用いたガスタービン機器の構成例を模式的に示す図。
【図11】本発明のガスタービン燃焼器を用いたガスタービン機器の構成例を模式的に示す図。
【図12】本発明のガスタービン燃焼器を用いたガスタービン機器の構成例を模式的に示す図。
【図13】本発明のガスタービン燃焼器を用いたガスタービン機器の構成例を模式的に示す図。
【図14】本発明のガスタービン燃焼器を用いたガスタービン機器の構成例を模式的に示す図。
【図15】従来のガスタービン燃焼器を模式的に示す構成図。
【符号の説明】
1 パイロットノズル
2 メインノズル
3 内筒
4 外筒
5 予混合ノズル
6 マニホールド環
7 空気流路
8 噴出孔
9 仕切筒
10 触媒層
11 プリバーナ
12 燃料供給管
13 通路
14 触媒活性体
15 保炎器
101 空気孔
102 ベンチュリー部
103 触媒層
104 燃焼器
105 プリバーナ
Claims (8)
- 触媒層によりパイロット火炎を形成する触媒燃焼系と、予混合ノズルにて主たる燃焼を行う予混合燃焼系とを備えたガスタービン燃焼器において、
前記触媒層は、該触媒層に供給される燃料混合気の上流側に位置する低温領域と、下流側に位置する高温領域とより成り、
前記低温領域は、積層された基材それぞれの表裏両面に触媒活性体を被着させた両面触媒であり、前記高温領域は、積層された基材それぞれの片面に触媒活性体を被着させた片面触媒であって、
前記触媒層において燃料の40〜60%を燃焼させるようにしたことを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 前記片面触媒は、前記触媒活性体の有る面と無い面とが向かい合うように、前記各基材が積層されて成ることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 前記片面触媒は、前記触媒活性体の有る面同士、及び無い面同士が向かい合うように、前記各基材が積層されて成ることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 前記触媒活性体の有る面同士が向かい合った所に形成された通路が、前記触媒活性体の無い面同士が向かい合った所に形成された通路よりも、その断面積が大きくなるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のガスタービン燃焼器。
- 前記両面触媒は、表面積あたりの活性体面積比率kが1以下であることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のガスタービン燃焼器を用いたガスタービン機器において、
圧縮空気の一部を圧縮機に戻すようにして成ることを特徴とするガスタービン機器。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のガスタービン燃焼器を用いたガスタービン機器において、
タービンの出口排ガスの一部を圧縮機入口に戻すようにして成ることを特徴とするガスタービン機器。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のガスタービン燃焼器を用いたガスタービン機器において、
排ガスボイラの排ガスの一部を圧縮機入口に戻すようにして成ることを特徴とするガスタービン機器。
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