JP3999288B2 - Coating film and coating composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗膜および塗料組成物、特に、フッ素含有樹脂を用いた塗膜およびフッ素含有樹脂を含む塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
建築物の外壁に施される塗膜は、美麗な外観を長期間維持するために、耐汚染性が要求されている。耐汚染性の良好な塗膜としては、一般に、フッ素含有樹脂およびシラノール基含有化合物を含む塗料用組成物を用いて形成されたものが知られている。ところが、この種の塗膜は、一般に塗膜表面にシリケートが浮き出ることが多いため、塗膜を多重に塗り重ねたり、或いは補修等を目的として既存の同様の塗膜上に塗り重ねたりした場合に、塗膜間で十分な密着性を確保するのが困難である。
【0003】
このため、特開平8−41415号公報には、含フッ素ビニル共重合体、硬化剤、シラノール基を有する化合物および有機溶剤を必須の成分として含有する、耐汚染性と密着性とを両立させた塗膜を形成可能な樹脂組成物が示されている。しかし、この樹脂組成物を用いて形成した塗膜は、空気中の煤煙や砂塵等の付着による汚染に対しては比較的良好な耐汚染性を示すものの、所謂雨スジ跡が形成されやすく、結果として満足な耐汚染性を示すには至っていない。なお、このような樹脂組成物を用いて雨スジ跡が形成されにくい塗膜を実現するためには、シラノール基を有する化合物の含有量を増加させればよいが、この場合は、塗膜間の密着性が低下してしまう。
【0004】
本発明の目的は、耐汚染性と密着性とを両立させた塗膜を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る塗料組成物は、水酸基を有するフッ素含有ビニル共重合体樹脂と、ポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートと、シラノール基含有化合物および加水分解性シリル基含有化合物のうちの少なくとも1種のケイ素含有化合物とを含んでいる。ここで、フッ素含有ビニル共重合体樹脂は、分子の末端または側鎖のうちの少なくとも一方に塩構造を形成している基を有している。
【0006】
この塗料組成物において、ポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートは、例えば、イソシアヌレート環含有ポリイソシアネートにポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルを反応させることにより得られたものである。また、フッ素含有ビニル共重合体樹脂とポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートとの配合比は、例えば、フッ素含有ビニル共重合体樹脂の水酸基量を1とした場合にポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基量が当量比で0.5〜2になるよう設定されており、かつ、ケイ素含有化合物の含有量は、例えば、フッ素含有ビニル共重合体樹脂の固形分とポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートの固形分との合計100重量部に対して5〜35重量部になるよう設定されている。
【0007】
本発明に係る塗膜は、不規則に多数点在するケイ素含有塗膜部分と、フッ素含有ウレタン樹脂による連続塗膜部分とを備え、本発明の塗料組成物により形成されたものである。この塗膜において、ケイ素含有塗膜部分は、例えば、一個当たりの平均面積が0.7〜80(10 -12 ・m 2 )であり、かつ、ケイ素含有塗膜部分(A)と連続塗膜部分(B)との面積比率(A/B)が、例えば、85/15〜20/80である。
【0008】
この塗膜は、通常、同じ塗膜を塗り重ねてJIS K5400による付着性碁盤目テープ法を実施した際の密着性が90/100以上であり、かつ、6か月以上の暴露試験実施後の複数点における△E * abの平均値が6.0以下である。
【0009】
【発明の実施の形態】
塗膜
図1は、本発明に係る塗膜のイメージ図である。図において、塗膜1は、連続塗膜部分2と、当該連続塗膜部分2中に点在する多数のスポット状塗膜部分3とを有している。このように、塗膜1は、海状の連続塗膜部分2にスポット状塗膜部分3が島状に存在する所謂海島構造に形成された、ミクロドメイン構造を有している。なお、このような塗膜構造は、塗膜表面を電子顕微鏡を用いて観察すると確認することができる。
【0010】
ここで、連続塗膜部分2は、主にフッ素含有ウレタン樹脂塗膜により形成されており、必要に応じて顔料などを含んでいる。一方、スポット状塗膜部分3は、主にケイ素含有塗膜により形成されている。このケイ素含有塗膜に含まれるケイ素は、主にシラノール基またはシロキサン結合の状態で存在している。
【0011】
スポット状塗膜部分3の形状は、特に限定されないが、通常は概ね円形状に形成されている。このスポット状塗膜部分3の平均面積は、通常、0.7〜80(10-12・m2)である。この平均面積が0.7(10-12・m2)未満の場合は、塗膜1が十分な耐汚染性を発揮しない場合がある。逆に、平均面積が80(10-12・m2)を超える場合は、塗膜1を多重に塗り重ねたり、或いは補修等を目的として既存の塗膜1上に同様の塗膜1を塗り重ねたりした際に、塗膜間での十分な密着性(以下単に密着性と略す)を確保するのが困難になる場合がある。
【0012】
塗膜1は、通常、スポット状塗膜部分3(A)と連続塗膜部分2(B)との面積比率(A/B)が85/15〜20/80になるよう形成されている。この面積比率がこの範囲以外の場合は、塗膜1が良好な耐汚染性と密着性とを同時に発揮しない場合がある。
【0013】
なお、上述の平均面積および面積比率は、例えば、塗膜1の画像を電子顕微鏡を用いて撮影し、この画像を基にして求めることができる。
【0014】
このような塗膜1は、主に連続塗膜部分2により良好な密着性を発揮し、また、主にスポット状塗膜部分3により良好な耐汚染性、特に雨スジ跡が形成されにくい耐汚染性を発揮するものと考えられる。
【0015】
上述の塗膜1は、通常、同じ塗膜1を塗り重ねてJIS K5400による付着性碁盤目テープ法を実施した際の密着性が90/100以上であり、また、6か月以上の暴露試験実施後の複数点における△E*ab の平均値が6.0以下の耐汚染性を示す。付着性碁盤目テープ法および暴露試験の実施方法の詳細は下記の通りである。
【0016】
(付着性碁盤目テープ法)
JIS K5400に従って作成した塗膜上に同様の塗膜を重ねて形成し、室温で1週間後放置した後にJIS K5400に従い付着性碁盤目テープ法を実施する。この際、すきま間隔は1mmに設定し、ます目の数を100個に設定する。
【0017】
(暴露試験)
日本建築学会構造系論文報告集第393号(昭和63年11月)第11〜16頁に掲載された屋外暴露法のうちの暴露A法に従って塗膜を6か月以上暴露する。因みに、暴露A法は、建築物のパラペットや水切り下部等の降雨水の流下が起こりやすい壁面に発生する汚染を試験する場合の暴露法である。なお、この暴露試験方法は、現在、財団法人建材試験センターより日本工業規格(JIS)に収載申請中である。
【0018】
暴露後の塗膜について、中心線に沿って上部から下部にかけて均等間隔で5点を設定し、この5点のそれぞれについて色差計を用いて△E*ab を測定し、その平均値を求める。なお、色差計としては、ミノルタ株式会社製のCR−310(口径=5cm)を使用することができる。
【0019】
本発明に係る上述の塗膜1は、例えば、鋼構造物や建築物の外装などの耐汚染性が要望される部位に形成される。この塗膜1は、例えば、以下に説明する塗料組成物を鋼構造物や建築物の外壁に適用することにより形成することができる。
【0020】
塗料組成物
上述の塗膜1を形成するための本発明に係る塗料組成物は、フッ素含有ビニル共重合体樹脂と、ポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートと、ケイ素含有化合物とを含んでいる。
【0021】
(フッ素含有ビニル共重合体樹脂)
本発明で用いられるフッ素含有ビニル共重合体樹脂は、上述のポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートと硬化反応を起こし得る基、すなわち水酸基を有するものである。
【0022】
このようなフッ素含有ビニル共重合体樹脂は、塗膜の耐汚染性をより高めることができるようになる点で、分子の末端または側鎖のうちの少なくとも一方に塩構造を形成している基を有するものが好ましい。なお、塩構造を形成している基としては、例えば、カルボン酸塩基、リン酸塩基、スルホン酸塩基、4級アンモニウム塩基が挙げられる。
【0023】
このようなフッ素含有ビニル共重合体樹脂は、例えば、フッ素含有単量体、水酸基を含む単量体および必要に応じて塩構造を形成している基を含む単量体を重合することにより製造することができる。なお、塩構造を形成している基を含む単量体を用いた場合は、耐汚染性のより良好な塗膜の形成が期待できる。
【0024】
ここで用いられるフッ素含有単量体としては、分子内にフッ素原子と重合性二重結合とを有するものが用いられる。このようなフッ素含有単量体としては、塗膜の耐候性をも高めることができる点で、重合した場合に下記の一般式(1)で示されるフルオロオレフィン構造単位を主鎖中に導入し得るものが好ましい。
【0025】
【化1】
【0026】
一般式(1)中、W、X、YおよびZは、いずれも水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはハロゲン化アルキル基を示し、少なくとも1つがフッ素原子である。なお、W、X、YおよびZは、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0027】
このようなフッ素含有単量体としては、フッ化ビニル,フッ化ビニリデン,トリフルオロエチレン,テトラフルオロエチレン,クロロトリフルオロエチレン,ブロモトリフルオロエチレン,ペンタフルオロプロピレン,ヘキサフルオロプロピレン等のフッ素含有α−オレフィン類、トリフルオロメチルトリフルオロビニルエーテル,ペンタフルオロエチルトリフルオロビニルエーテル,ヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテルなどのパーフルオロアルキル−パーフルオロビニルエーテル類、炭素数が1〜18個のアルキル基を有する(パー)フルオロアルキルビニルエーテル類などを例示することができる。
【0028】
なお、このようなフッ素含有単量体のうち、フッ素含有ビニル共重合体樹脂中に上述の一般式(1)で示される構造単位を共重合により導入することができる点で、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンおよびクロロトリフルオロエチレンのうちの少なくとも1つを用いるのが好ましい。
【0029】
上述のフッ素含有単量体は、2種以上のものが併用されてもよい。
【0030】
また、水酸基を含む単量体としては、水酸基と重合性二重結合とを有するものが用いられる。このような単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル,3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル,4−ヒドロキシブチルビニルエーテルなどの水酸基含有ビニルエーテル類、これら各種ビニルエーテル類とε−カプロラクトンとの付加反応生成物、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル,2−ヒドロキシエチルメタアリルエーテル,3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル,3−ヒドロキシプロピルメタアリルエーテル,4,4−ジヒドロキシブチルアリルエーテル,4,4−ジヒドロキシブチルメタアリルエーテルなどの水酸基含有アリルエーテル類、これら各種水酸基含有アリルエーテル類とε−カプロラクトンとの付加反応生成物、2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルメタクリレート,3−ヒドロキシプロピルアクリレート,3−ヒドロキシプロピルメタクリレート,4−ヒドロキシブチルアクリレート,4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどの水酸基含有アクリレートまたはメタクリレート類、これら各種水酸基含有アクリレートまたはメタクリレート類とε−カプロラクトンとの付加反応生成物を挙げることができる。
【0031】
なお、上述の水酸基を含む単量体は、2種以上のものが併用されてもよい。
【0032】
さらに、塩構造を形成している基を含む単量体としては、塩構造を形成している基と重合性二重結合とを有するものが用いられる。このような単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸,クロトン酸,イタコン酸,マレイン酸,フマル酸,シトラコン酸,カルボキシエチルビニルエーテルなどの各種不飽和カルボン酸類の金属塩、ビニルホスフィン酸,アシッドホスホキシエチルアクリレート,アシッドホスホキシエチルメタクリレートなどの各種不飽和リン酸系単量体の金属塩またはアンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸,2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの各種スルホン酸基含有ビニル系単量体の金属塩またはアンモニウム塩、ポリオキシアルキレン−モノ−スルホン酸−モノアクリレート,ポリオキシアルキレン−モノ−スルホン酸−モノメタクリレート,ポリオキシアルキレン−モノ−スルホン酸アルケニルフェノール,ポリオキシアルキレン−モノ−スルホン酸アルケニルアルキルフェノールなどの各種ポリオキシアルキレン鎖含有スルホン酸基含有ビニル系単量体の金属塩またはアンモニウム塩、ビニルピリジン,N,N−ジメチルアミノスチレン,N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート,N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリレート,N−(N’,N’−ジアルキルアミノアルキル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジアルキルアミノアルキル)メタクリルアミドなどの各種窒素含有ビニル系単量体を塩化ベンジル,臭化メチルまたは硫酸ジブチルのような4級化剤類を用いて4級化して得られた種々の単量体を挙げることができる。
【0033】
なお、本発明で用いられる塩構造を形成している基を含む単量体として好ましいものは、塗膜の耐汚染性を高めることができる点で下記の一般式(2)で示される特定の一価の有機基である塩構造形成基を主要部に有するような単量体類である。
【0034】
【化2】
【0035】
なお、一般式(2)中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、いずれも水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基または−SO3M 含有基(Mは、金属イオンとアンモニウム塩よりなる群から選ばれた1つの原子イオンまたは原子団を示す)を示す。なお、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。但し、R1 、R2 、R3 およびR4 のうちの少なくとも1つは−SO3M 含有基である。また、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 およびR10は、いずれも水素原子、炭素数が1〜20のアルキル基,シクロアルキル基,アリール基またはアラルキル基である。なお、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 およびR10は、それぞれ互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。さらに、mは0または1であり、nは1以上の自然数である。
【0036】
このような一般式(2)で示される単量体としては、式中の−(CH2)n− で示される部分がビニル基または炭素数が3〜18個のアルケニル基により置換されたものを用いることもできる。
【0037】
一般式(2)で示される単量体の具体例としては、例えば、モノ−メチルスルホコハク酸ナトリウム−モノ−ビニルエステル、モノ−エチルスルホコハク酸アンモニウム−モノビニルエステル、モノ−プロピルスルホコハク酸カリウム−モノ−プロペニルビニルエステル、モノ−オクチルスルホコハク酸アンモニウム−モノ−ブテニルエステル、モノ−オクチルスルホコハク酸ナトリウム−モノ−プロペニルエステル、モノ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム−モノ−プロペニルエステル、モノ−ステアリルスルホコハク酸ナトリウム−モノ−ペロペニルエステル、ジ−n−ブチルスルホコハク酸ナトリウム−モノ−ビニルエステル、1−クロロ−2−プロピルスルホコハク酸カルシウム−モノ−プロペニルビニルエステル、1,1−ジブロモスルホコハク酸ナトリウム−ジ−ビニルエステル、(3−メトキシ−2−ヒドロキシ−プロピル)スルホコハク酸ナトリウム−モノ−ビニルエステルなどの各種スルホコハク酸系不飽和化合物を挙げることができる。
【0038】
なお、上述の塩構造を形成している基を含む単量体は、2種以上のものが併用されてもよい。
【0039】
本発明で用いられるフッ素含有ビニル共重合体樹脂を構成するための単量体としては、上述の単量体、すなわちフッ素含有単量体、水酸基を含む単量体および塩構造を形成している基を含む単量体以外のビニル系単量体が併用されてもよい。このような他のビニル系単量体としては、フッ素含有単量体、水酸基を含む単量体および塩構造を形成している基を含む単量体と共重合し得るものであれば特に限定されることはなく種々のものを用いることができるが、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、α−オレフィン類、ハロゲン化オレフィン類、芳香族ビニル化合物、脂肪族カルボン酸ビニルエステル類、環状構造を有するカルボン酸ビニルエステル類、アルキルまたはアラルキルビニルエーテル類、シクロアルキルビニルエーテル類、ポリオキシアルキレン鎖構造単位を含むビニル系単量体を挙げることができる。
【0040】
ここで、アクリル酸エステル類としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートを例示することができる。また、メタクリル酸エステル類としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレートを例示することができる。
【0041】
また、α−オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテンを例示することができる。ハロゲン化オレフィン類としては、フルオロオレフィンを除くもの、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデンを挙げることができる。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルトルエンが例示できる。脂肪族カルボン酸ビニルエステル類としては、ビニル−2,2−ジメチルプロパノエート、ビニル−2,2−ジメチルブタノエート、ビニル−2,2−ジメチルペンタノエート、ビニル−2,2−ジメチルヘキサノエート、ビニル−2−エチル−2−メチルブタノエート、ビニル−2−エチル−2−メチルペンタノエート、ビニル−3−クロロ−2,2−ジメチルプロパノエート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、炭素数が10の分岐状(分枝状)脂肪族カルボン酸ビニルを例示することができる。環状構造を有するカルボン酸ビニルエステル類としては、安息香酸ビニル、p−tert−ブチル安息香酸ビニルを例示することができる。
【0042】
さらに、アルキルまたはアラルキルビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、クロロメチルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、フェネチルエチルビニルエーテルを例示することができる。シクロアルキルビニルエーテル類としては、シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メチルヘキシルビニルエーテルを例示することができる。
【0043】
さらに、ポリオキシアルキレン鎖構造単位を含むビニル系単量体としては、下記の一般式(3)で示される一価の有機基を有する化合物を挙げることができる。
【0044】
【化3】
【0045】
一般式(3)中、R11およびR12は、いずれも水素原子または炭素数が1〜4個のアルコキシ基を示す。なお、R11およびR12は、互いに同一であってもよいし、互いに異なるものであってもよい。また、R13は、水酸基または炭素数が1〜4個のアルコキシ基を示す。さらに、pは2〜4の整数であり、qは1〜200の整数である。
【0046】
このような一般式(3)で示されるポリオキシアルキレン鎖構造単位を含むビニル系単量体としては、ポリエチレングリコール−モノ−アクリレート、ポリエチレングリコール−モノ−メタクリレート、ポリプロピレングリコール−モノ−アクリレート、ポリプロピレングリコール−モノ−メタクリレート、ポリテトラエチレングリコール−モノ−アクリレート、ポリテトラエチレングリコール−モノ−メタクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェノール−モノ−アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェノール−モノ−メタクリレート、ポリオキシエチレンノニルアリルフェノールを例示することができる。
【0047】
上述の各種単量体からフッ素含有ビニル共重合体樹脂を製造する場合は、公知の各種重合法を採用することができるが、溶液ラジカル重合法によるのが最も簡便であり、好ましい。
【0048】
溶液ラジカル重合法を実施する際に利用可能な溶剤類としては、製造しようとするフッ素含有ビニル共重合体樹脂を溶解し得るものであれば特に制限がないが、例えば、トルエン,キシレン,シクロヘキサン,n−ヘキサン,オクタンなどの炭化水素類、メタノール,エタノール,イソプロパノール,n−ブタノール,イソブタノール,sec−ブタノール,エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸−n−ブチル,酢酸アミルなどの各種エステル類、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノンなどのケトン類を例示することができる。なお、これらの溶剤は、2種以上が併用されてもよい。
【0049】
溶液ラジカル重合法を実施する際は、上述の溶剤類とアゾ系または過酸化物系のような公知のラジカル重合開始剤を用い、常法により重合を行う。この際、必要に応じて分子量調整剤を用いることができる。分子量調整剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸、α−メチルスチレン・ダイマーのような連鎖移動剤を用いることができる。
【0050】
重合時に用いる上述の各種単量体のうち、フッ素含有単量体および水酸基を含む単量体の使用量は、製造しようとするフッ素含有ビニル共重合体樹脂において、フッ素含有量が15〜40重量%(好ましくは20〜30重量%)に、また、水酸基価が20〜150(好ましくは40〜100)になるよう設定するのが好ましい。フッ素含有量が15重量%未満の場合は、塗膜の耐汚染性が発現しにくくなる場合がある。逆に、40重量%を超えると、本発明の塗料組成物の溶剤に対する溶解性が低下し、塗料組成物の塗装作業性が低下する場合がある。一方、水酸基価が20未満の場合は、本発明の塗料組成物による塗膜の機械的強度が低下する場合がある。逆に150を超えると、得られる塗膜が硬くなり過ぎて脆くなるおそれがある。なお、ここでのフッ素含有量および水酸基価は、原料として用いるモノマーを基準にして計算した値である。
【0051】
また、塩構造を形成している基を含む単量体の使用量は、重合時に使用するモノマーの1〜40重量%に設定するのが好ましく、5〜20重量%に設定するのがより好ましい。使用量がこの範囲以外の場合は、本発明の塗料組成物による塗膜の耐汚染性と密着性とを両立させるのが困難になる場合がある。
【0052】
なお、フッ素含有ビニル共重合体樹脂の数平均分子量は、2,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましい。数平均分子量が2,000未満の場合は、塗膜の耐候性が低下するおそれがある。逆に、数平均分子量が50,000を超えると、本発明の塗料組成物の塗装作業性が低下する場合がある。
【0053】
(ポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネート)
本発明で用いられるポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートは、通常、水系で用いられるものであり、例えば、イソシアヌレート環含有ポリイソシアネートにポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルを反応させることにより得られたものである。
【0054】
ここで、イソシアヌレート環含有ポリイソシアネートは、例えば、脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートのうちのいずれか一方または両方を基にしてイソシアヌレート化反応をおこなうことにより得られたものであり、下記の一般式(4)で示されるトリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレートまたはトリス−イソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレートである。
【0055】
【化4】
【0056】
一般式(4)において、X1 、X2 およびX3 は、脂肪族または脂環式ジイソシアネートからシソシアネート基を取り除いたものに相当する基である。なお、X1 、X2 およびX3 は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0057】
なお、イソシアヌレート環含有ポリイソシアネートとしては、上述の一般式(4)で示されるものの高級同族体、すなわちイソシアヌレート環を2個以上含むものが用いられてもよい。
【0058】
このようなイソシアヌレート環含有ポリイソシアネートを構成するための脂肪族および脂環式ジイソシアネートとしては、それぞれヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートを例示することができる。
【0059】
上述のイソシアヌレート環含有ポリイソシアネートを製造する場合には、脂肪族ジイソシアネートおよび/または脂環式ジイソシアネートに対して触媒として3級アミン類、アルキル置換エチレンイミン類、3級アルキルホスフィン類、アセチルアセン金属塩類または各種有機酸の金属塩類などを単独使用または併用し、さらに必要に応じて助触媒を利用して100℃以下でイソシアヌレート化反応を実施する。なお、助触媒としては、フェノール性ヒドロキシ化合物、アルコール性ヒドロキシ化合物、3級アミン類等を用いることができる。このような助触媒を用いれば、反応を更に容易に進めることができる。
【0060】
一方、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルは、下記の一般式(5)で示されるものである。
【0061】
【化5】
【0062】
一般式(5)中、R14はアルキル基を示し、R15はアルキレン基を示している。また、nは、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの分子量が250〜4,000、好ましくは600〜2,000になるよう設定されている。なお、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの分子量が250未満の場合は、得られる塗膜の密着性が不足するおそれがある。逆に、4,000を超えると、得られる塗膜の諸物性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0063】
上述のイソシアヌレート環含有ポリイソシアネートと上述のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとを反応させることにより得られるポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートのイソシアネート基含有量は、15〜24重量%が好ましい。イソシアネート基含有量が15重量%未満の場合は、塗膜の耐候性が低下するおそれがある。逆に、24重量%を超える場合は、得られる塗膜の諸物性に悪影響を及ぼすおそれがある。なお、上述のイソシアネート基含有量は、ポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネート1分子中に含まれるNCO基の重量%である。
【0064】
(ケイ素含有化合物)
本発明で用いられるケイ素含有化合物は、シラノール基含有化合物または加水分解性シリル基含有化合物である。シラノール基含有化合物と加水分解性シリル基含有化合物とは併用されてもよい。
【0065】
ここで、シラノール基含有化合物としては、例えば、メチルトリクロルシラン,フェニルトリクロルシラン,エチルトリクロルシラン,ジメチルジクロルシラン,ジフェニルジクロルシランなどのハロシラン類を略完全に加水分解させることにより得られる低分子量のシラノール化合物、このようなシラノール化合物をさらに脱水縮合させることにより得られるシラノール基を有するポリシロキサンオリゴマー類、アルコキシシラン類を加水分解縮合させて得られるシラノール基を有するシリコーン樹脂を挙げることができる。
【0066】
なお、上述のアルコキシシラン類としては、例えば、テトラメトキシシラン、トリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラオクトキシシラン、テトラ(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラベンジルオキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン,γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン,γ−クロロプロピルトリメトキシシラン,γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。
【0067】
一方、加水分解性シリル基含有化合物としては、例えば、上述のアルコキシシラン類、テトラアセトキシシラン,メチルトリアセトキシシラン,γ−メルカプトプロピルトリアセトキシシラン,テトラプロピオニルオキシシラン,フェニルトリプロピオニルオキシシランなどのアシロキシシラン類、上述の各種テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物、テトラクロルシラン,フェニルトリクロルシラン,テトラブロモシラン,ベンジルトリブロモシランなどのハロシラン類を挙げることができる。
【0068】
なお、本発明では、長期の耐汚染性を実現することができる点で、ケイ素含有化合物として加水分解性シリル基含有化合物を用いるのが特に好ましい。中でも、毒性を含めた取り扱いの容易さおよび加水分解性の点で、テトラメトキシシランの縮合物を用いるのが好ましい。なお、このようなテトラメトキシシランの縮合物の具体例としては、三菱化学株式会社製のMS51が挙げられる。
【0069】
(組成物)
本発明に係る塗料組成物において、上述のフッ素含有ビニル共重合体樹脂と上述のポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートとの配合比は、フッ素含有ビニル共重合体樹脂の水酸基量を1とした場合にポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基量が当量比で0.5〜2、好ましくは0.8〜1.5になるよう設定されている。このイソシアネート基量が0.5未満の場合は、塗膜の耐候性が低下するおそれがある。逆に、イソシアネート基量が2を超える場合は、塗膜物性が低下するおそれがある。
【0070】
また、本発明に係る塗料組成物においては、ケイ素含有化合物の含有量がフッ素含有ビニル共重合体樹脂の固形分とポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートの固形分との合計100重量部に対して5〜35重量部、好ましくは15〜25重量部になるよう設定されている。このようなケイ素含有化合物の含有量が5重量部未満の場合は、塗膜の耐汚染性が低下するおそれがある。逆に、35重量部を超える場合は、塗膜の耐候性が低下するおそれがある。
【0071】
本発明の塗料組成物は、上述の必須成分以外に組成物の安定性を維持するための有機溶剤、塗膜の硬化および上述の加水分解性シリル基含有化合物の加水分解反応を促進するための触媒、顔料、顔料分散用樹脂および塗料組成物に通常用いられる各種添加剤などを含んでいてもよい。
【0072】
ここで、有機溶剤としては、例えば、トルエン,キシレン,シクロヘキサン,n−ヘキサン,オクタンなどの炭化水素類、メタノール,エタノール,イソプロパノール,n−ブタノール,イソブタノール,sec−ブタノール,エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸−n−ブチル,酢酸アミルなどの各種エステル類、アセトン,メチルエチルケトン,メチルブチルケトン,メチルイソブチルケトン,メチルアミルケトン,シクロヘキサノンなどのケトン類を例示することができる。なお、これらの溶剤は、2種以上が併用されてもよい。
【0073】
また、触媒のうち、硬化促進触媒としては、例えば、テトライソプロピルチタネート,テトラ−n−ブチルチタネート,オクチル酸錫,オクチル酸鉛,オクチル酸コバルト,オクチル酸亜鉛,オクチル酸カルシウム,ナフテン酸亜鉛,ナフテン酸コバルト,ジ−n−ブチル錫ジアセテート,ジ−n−ブチル錫ジオクトエート,ジ−n−ブチル錫ジラウレート,ジ−n−ブチル錫マレエートなどの含金属化合物類、p−トルエンスルホン酸,トリクロル酢酸,リン酸,モノアルキルリン酸,ジアルキルリン酸,モノアルキル亜リン酸,ジアルキル亜リン酸などの酸性化合物を用いることができる。
【0074】
一方、触媒のうち加水分解促進用触媒としては、塩基性化合物類、含金属化合物類および酸性化合物類などを用いることができる。ここで、塩基性化合物類としては、例えば、ブチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、tert−ブチルアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、イソホロンジアミン、イミダゾール、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラートを挙げることができる。また、含金属化合物類としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、ジ−n−ブチル錫ジアセテート、ジ−n−ブチル錫ジオクトエート、ジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジ−n−ブチル錫マレエートを挙げることができる。さらに、酸性化合物類としては、例えば、p−トルエンスルホン酸,トリクロル酢酸,リン酸,モノアルキルリン酸,ジアルキルリン酸,β−ヒドロキシエチルアクリレートおよびβ−ヒドロキシエチルメタクリレートのリン酸エステル、モノアルキル亜リン酸を挙げることができる。
【0075】
なお、上述の触媒のうち、酸性化合物類を用いた場合はやや硬化反応を遅延させる場合があり、また、アミン系のものを用いた場合には塗膜の耐汚染性を若干低下させるおそれがおるため、含金属化合物類、特に錫系のものを選択して用いるのが好ましい。
【0076】
本発明の塗料組成物は、上述の各種成分を全て含んだ状態で提供されてもよいが、2種類のパッケージに分けて使用時に混合するようにしてもよい。この場合、一方のパッケージ(パッケージ1)には水酸基を有するフッ素含有ビニル共重合体樹脂を主剤とし、これに必要に応じて触媒、顔料およびその分散用樹脂、各種添加剤、および粘度調整用の有機溶剤を添加する。また、他方のパッケージ(パッケージ2)には、ポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートとケイ素含有化合物とを主剤とし、これに必要に応じて組成物の安定化を図るための有機溶剤を20重量%程度添加する。なお、パッケージ2は、さらにポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートを主成分とするパッケージとケイ素含有化合物を主成分とするパッケージとの2種類に分割されてもよい。
【0077】
本発明の塗料組成物は、例えば、スプレー塗装や刷毛塗りなどの公知の手法により、鋼構造物や建築物の外壁に塗布することができる。なお、本発明の塗料組成物は、常乾型であるが、焼付けも可能である。
【0078】
このような本発明の塗料組成物を用いて上述の塗膜1を形成した場合は、フッ素含有ビニル共重合体樹脂とポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートとにより形成されるフッ素含有ウレタン樹脂が主に連続塗膜部分2を形成し、ケイ素含有化合物が主にスポット状塗膜部分3を形成するものと考えられる。
【0079】
【実施例】
製造例1〜5(フッ素含有ビニル共重合体樹脂の製造)
内容積が5,000mlのステンレス製のオートクレーブを用意し、これに1,000重量部のキシレン、10重量部のビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニル)セバケート、表1に示す割合のtert−ブチルパーオキシビバレート(重合開始剤)、および表1に示す単量体Aの混合物を仕込んでオートクレーブ内を窒素ガスで置換した。
【0080】
次に、液化採取した表1に示す単量体Bを仕込んで密封し、60℃に保温して15時間反応させたところ、目的とするフッ素含有ビニル共重合体樹脂が得られた。
【0081】
【表1】
【0082】
なお、表1中の単量体Aおよび単量体Bは下記の通りである。
◎VPK:ビニルホスホン酸カリウム
◎p−SSONa:パラスチレンスルホン酸ナトリウム
◎S−1:下記の式(6)で示されるスルホコハク酸系不飽和化合物(式(6)中、Mは金属イオンまたはアンモニウム塩基を示す)
【0083】
【化6】
【0084】
◎PE−350:ブレンマーPE−350(日本油脂株式会社製のポリエチレングリコールモノメタクリレート)
◎:HBVE:ヒドロキシブチルビニルエーテル
◎:CHVE:シクロヘキサンカルボン酸ビニル
◎:EVE:エチルビニルエーテル
◎:VV−9:ベオバ9(オランダ国シェル株式会社製の炭素数が9個の分岐脂肪酸のビニルエステル)
【0085】
各製造例で得られたフッ素含有ビニル共重合体樹脂の特性を表2に示す。
【0086】
【表2】
【0087】
製造例6(ポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートの製造)
温度計、撹拌機および窒素シール管を備えた500mlの摺合わせ蓋付ガラス製4つ口フラスコを用意し、これにイソシアヌレート環を有するヘキサメチレンジイソシアネート重合体(日本ポリウレタン工業株式会社製のコロネートEH:NCO基含有量=21.0重量%)100重量部を仕込んだ。これに、メトキシポリエチレングリコール(日本乳化剤工業株式会社製のMPG−081)を2重量部加え、加熱して70℃に維持しながら3時間反応させた。この結果、NCO基含有量が19.8重量%、粘度が3,200cps/25℃の淡黄色透明のポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートが得られた。
【0088】
実施例1〜9、比較例1〜3
製造例1〜5で得られたフッ素含有ビニル共重合体樹脂、製造例6で得られたポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネート、およびケイ素含有化合物を表3、表4に示す割合で混合し、塗料組成物を得た。
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
表3、表4中、*1、*2、*3、AおよびBは、下記の通りである。
*1:単位=重量部(固形分換算)
*2:単位=重量部
*3:単位=重量部(日本ポリウレタン工業株式会社製の”コロネートHX”)
A:テトラメチルシリケートのダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、ヘキサマーおよびヘプタマーの混合物(三菱化成株式会社製の”メチルシリケート51”)
B:テトラエチルシリケートのモノマー、ダイマー、トリマーおよびテトラマーの混合物(米国コルコート株式会社製の”エチルシリケート40”)
【0092】
得られた塗料組成物を用いて塗膜を形成し、この塗膜について耐汚染性および密着性を試験した。試験方法は下記の通りである。結果を表5に示す。
【0093】
(耐汚染性)
被塗装板として長さ200mm、幅140mm、厚さ2〜20mmの鉄板を用意し、これにJIS K5400に従ってスプレーを用いて塗料組成物を1度塗りした。塗布した塗料組成物を室温で7日間乾燥し、塗膜を有する試験板を得た。
【0094】
得られた試験板を大阪府寝屋川市において上述の暴露A法に従って6か月間暴露した。暴露後の試験板の塗膜について、汚染状態を目視で評価すると共に色差を測定することにより評価した。なお、目視評価の基準は下記の通りであり、A〜Dが合格である。
【0095】
A:全く雨スジ跡は認められない。
B:ほとんど雨スジ跡は認められない。
C:かすかに部分的な雨スジ跡が認められる。
D:複数の雨スジ跡が認められるが、試験板の上から下まで達していない。
E:複数の雨スジ跡が認められるが、試験板の上から下まで達しているのは1本のみ。
F:試験板の上から下まで複数の雨スジ跡が明確に認められる。
【0096】
一方、色差は、試験板の塗膜の中心線に沿って上部から下部にかけて均等間隔で5点を設定し、この5点のそれぞれについて色差計を用いて△E*ab を測定してその平均値を求めた。なお、色差計は、ミノルタ株式会社製のCR−310(口径=5cm)を用いた。△E*ab の平均値が6.0以下の場合は耐汚染性が良好である。
【0097】
(密着性)
被塗装板として長さ150mm、幅70mm、厚さ0.8mmの鉄板を用意し、これにJIS K5400に従ってスプレーを用いて塗料組成物を1度塗りした。これを室温で1日乾燥し、得られた塗膜の上に同じ塗料組成物を刷毛塗りした。そして、これを1週間室温で乾燥した後に、JIS K5400に従って付着性碁盤目テープ法を実施した。この際、碁盤目のすきま間隔は1mmに設定し、碁盤目の数は100個に設定した。試験実施後に90個以上の碁盤目が残存している場合は密着性が良好である。
【0098】
【表5】
【0099】
【発明の効果】
本発明の塗料組成物によれば、耐汚染性と密着性とを両立させた塗膜を実現することができる。
また、本発明の塗膜は、本発明の塗料組成物により形成されたものであるため、耐汚染性と密着性とがともに良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗膜の一例のイメージ図。
【符号の説明】
1 塗膜
2 連続塗膜部分
3 スポット状塗膜部分[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a coating film and a coating composition, in particular, a coating film using a fluorine-containing resin and a coating composition containing the fluorine-containing resin.
[0002]
[Prior art and its problems]
The coating film applied to the outer wall of a building is required to have stain resistance in order to maintain a beautiful appearance for a long time. As a coating film having good stain resistance, a coating film formed using a coating composition containing a fluorine-containing resin and a silanol group-containing compound is generally known. However, this type of coating generally has silicates that often appear on the surface of the coating, so when multiple coatings are applied, or over existing similar coatings for the purpose of repair, etc. In addition, it is difficult to ensure sufficient adhesion between the coating films.
[0003]
For this reason, Japanese Patent Laid-Open No. 8-41415 has both contamination resistance and adhesion, containing a fluorine-containing vinyl copolymer, a curing agent, a compound having a silanol group and an organic solvent as essential components. A resin composition capable of forming a coating film is shown. However, although the coating film formed using this resin composition shows relatively good contamination resistance against contamination due to adhesion of smoke or dust in the air, so-called rain streak marks are easily formed, As a result, satisfactory stain resistance has not been exhibited. In order to realize a coating film in which rain streak traces are hardly formed using such a resin composition, the content of the compound having a silanol group may be increased. The adhesion of the will be reduced.
[0004]
An object of the present invention is to realize a coating film that achieves both contamination resistance and adhesion.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The coating composition according to the present invention includes a fluorine-containing vinyl copolymer resin having a hydroxyl group, a polyisocyanate containing polyalkylene oxide unit, a silanol group-containing compound, and a hydrolyzable silyl group-containing compound. Containing compounds. Here, the fluorine-containing vinyl copolymer resin has a group forming a salt structure at at least one of a terminal or a side chain of the molecule.
[0006]
In this coating composition, the polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate is obtained, for example, by reacting an isocyanurate ring-containing polyisocyanate with a polyalkylene glycol monoalkyl ether. The blending ratio of the fluorine-containing vinyl copolymer resin and the polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate is, for example, included in the polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate when the hydroxyl group content of the fluorine-containing vinyl copolymer resin is 1. The content of the isocyanate group is set to 0.5 to 2 in an equivalent ratio, and the content of the silicon-containing compound is, for example, the solid content of the fluorine-containing vinyl copolymer resin and the polyalkylene oxide unit-containing polymer. It is set to be 5 to 35 parts by weight with respect to 100 parts by weight in total with the solid content of isocyanate.
[0007]
The coating film according to the present invention includes a silicon-containing coating film portion that is irregularly scattered and a continuous coating film portion made of a fluorine-containing urethane resin, and is formed from the coating composition of the present invention. In this coating film, the silicon-containing coating film has an average area per piece of 0.7 to 80 (10 -12 ・ M 2 And the area ratio (A / B) of the silicon-containing coating film part (A) and the continuous coating film part (B) is, for example, 85/15 to 20/80.
[0008]
This coating usually has an adhesiveness of 90/100 or more when the same coating film is applied and the adhesive cross-cut tape method according to JIS K5400 is performed, and after an exposure test of 6 months or more. △ E at multiple points * The average value of ab is 6.0 or less.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Coating
FIG. 1 is an image view of a coating film according to the present invention. In the figure, the
[0010]
Here, the continuous
[0011]
The shape of the spot-like coating film portion 3 is not particularly limited, but is usually formed in a substantially circular shape. The average area of the spot-like coating film portion 3 is usually 0.7 to 80 (10-12・ M2). This average area is 0.7 (10-12・ M2), The
[0012]
The
[0013]
In addition, the above-mentioned average area and area ratio can be calculated | required based on, for example, taking an image of the
[0014]
Such a
[0015]
The above-mentioned
[0016]
(Adhesive cross-cut tape method)
A similar coating film is formed on the coating film prepared according to JIS K5400, and after standing for one week at room temperature, an adhesive cross-cut tape method is performed according to JIS K5400. At this time, the clearance interval is set to 1 mm, and the number of squares is set to 100.
[0017]
(Exposure test)
The coating film is exposed for 6 months or more in accordance with the exposure method A of the outdoor exposure methods published on pages 11 to 16 of the Architectural Institute of Japan paper 393 (November 1988). Incidentally, the exposure A method is an exposure method in the case of examining the contamination generated on the wall surface where the rainwater is likely to flow down such as the parapet of the building and the drainage lower part. This exposure test method is currently being applied for inclusion in the Japanese Industrial Standards (JIS) by the Building Materials Testing Center.
[0018]
About the coating film after exposure, five points were set at equal intervals from the upper part to the lower part along the center line, and ΔE was used for each of these five points using a color difference meter.*Measure ab and find its average value. In addition, as a color difference meter, Minolta Co., Ltd. CR-310 (caliber = 5 cm) can be used.
[0019]
The above-described
[0020]
Paint composition
The coating composition according to the present invention for forming the above-mentioned
[0021]
(Fluorine-containing vinyl copolymer resin)
The fluorine-containing vinyl copolymer resin used in the present invention has a group capable of causing a curing reaction with the polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate, that is, a hydroxyl group.
[0022]
Such a fluorine-containing vinyl copolymer resin is a group that forms a salt structure at at least one of the terminal or side chain of the molecule in that the stain resistance of the coating film can be further improved. Those having the following are preferred. Examples of the group forming the salt structure include a carboxylate group, a phosphate group, a sulfonate group, and a quaternary ammonium base.
[0023]
Such a fluorine-containing vinyl copolymer resin is produced, for example, by polymerizing a fluorine-containing monomer, a monomer containing a hydroxyl group, and a monomer containing a group forming a salt structure as necessary. can do. In addition, when the monomer containing the group which has formed salt structure is used, formation of a coating film with more favorable stain resistance can be anticipated.
[0024]
As the fluorine-containing monomer used here, one having a fluorine atom and a polymerizable double bond in the molecule is used. As such a fluorine-containing monomer, a fluoroolefin structural unit represented by the following general formula (1) is introduced into the main chain when polymerized, in that the weather resistance of the coating film can be improved. What is obtained is preferred.
[0025]
[Chemical 1]
[0026]
In general formula (1), W, X, Y and Z all represent a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group or a halogenated alkyl group, and at least one is a fluorine atom. W, X, Y and Z may be the same as each other or different from each other.
[0027]
Examples of such fluorine-containing monomers include fluorine-containing α- such as vinyl fluoride, vinylidene fluoride, trifluoroethylene, tetrafluoroethylene, chlorotrifluoroethylene, bromotrifluoroethylene, pentafluoropropylene, and hexafluoropropylene. Perfluoroalkyl-perfluorovinyl ethers such as olefins, trifluoromethyl trifluorovinyl ether, pentafluoroethyl trifluorovinyl ether, heptafluoropropyl trifluorovinyl ether, (per) fluoro having an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms Examples thereof include alkyl vinyl ethers.
[0028]
In addition, among such fluorine-containing monomers, vinyl fluoride, in that the structural unit represented by the general formula (1) can be introduced into the fluorine-containing vinyl copolymer resin by copolymerization. Preferably at least one of vinylidene fluoride, trifluoroethylene, tetrafluoroethylene and chlorotrifluoroethylene is used.
[0029]
Two or more kinds of the above-mentioned fluorine-containing monomers may be used in combination.
[0030]
Moreover, as a monomer containing a hydroxyl group, what has a hydroxyl group and a polymerizable double bond is used. Examples of such monomers include hydroxyl group-containing vinyl ethers such as 2-hydroxyethyl vinyl ether, 3-hydroxypropyl vinyl ether, 4-hydroxybutyl vinyl ether, addition reaction products of these various vinyl ethers with ε-caprolactone, Such as 2-hydroxyethyl allyl ether, 2-hydroxyethyl methallyl ether, 3-hydroxypropyl allyl ether, 3-hydroxypropyl methallyl ether, 4,4-dihydroxybutyl allyl ether, 4,4-dihydroxybutyl methallyl ether, etc. Hydroxyl-containing allyl ethers, addition reaction products of these various hydroxyl-containing allyl ethers with ε-caprolactone, 2-hydroxyethyl acrylate, 2-hydroxyethyl methacrylate, 2- Hydroxyl-containing acrylates or methacrylates such as hydroxypropyl acrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate, 3-hydroxypropyl acrylate, 3-hydroxypropyl methacrylate, 4-hydroxybutyl acrylate, 4-hydroxybutyl methacrylate, and the like. And addition reaction product of ε-caprolactone.
[0031]
In addition, the above-mentioned monomer containing a hydroxyl group may be used in combination of two or more.
[0032]
Furthermore, as the monomer containing a group forming a salt structure, one having a group forming a salt structure and a polymerizable double bond is used. Examples of such monomers include metal salts of various unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, crotonic acid, itaconic acid, maleic acid, fumaric acid, citraconic acid, carboxyethyl vinyl ether, vinylphosphinic acid, Various sulfonic acids such as metal salts or ammonium salts of various unsaturated phosphoric acid monomers such as acid phosphoxyethyl acrylate and acid phosphoxyethyl methacrylate, p-toluenesulfonic acid and 2-acrylamido-2-methylpropanesulfonic acid Group-containing vinyl monomer metal salt or ammonium salt, polyoxyalkylene-mono-sulfonic acid-monoacrylate, polyoxyalkylene-mono-sulfonic acid-monomethacrylate, polyoxyalkylene-mono-sulfonic acid alkenylphenol, poly Metal salts or ammonium salts of various oxyalkylene chain-containing sulfonic acid group-containing vinyl monomers such as oxyalkylene-mono-sulfonic acid alkenyl alkylphenol, vinyl pyridine, N, N-dimethylaminostyrene, N, N-dialkylamino Various nitrogen-containing vinyl-based monomers such as alkyl acrylate, N, N-dialkylaminoalkyl methacrylate, N- (N ′, N′-dialkylaminoalkyl) acrylamide, N- (N ′, N′-dialkylaminoalkyl) methacrylamide Mention may be made of various monomers obtained by quaternizing the monomer with a quaternizing agent such as benzyl chloride, methyl bromide or dibutyl sulfate.
[0033]
In addition, what is preferable as a monomer containing the group which forms the salt structure used by this invention is the specific formula shown by following General formula (2) at the point which can improve the stain resistance of a coating film. Monomers having a salt structure-forming group which is a monovalent organic group in the main part.
[0034]
[Chemical 2]
[0035]
In general formula (2), R1 , R2 , RThree And RFour Are all hydrogen, halogen, alkyl, cycloalkyl, aryl, aralkyl or -SOThreeM 1 represents a group containing M (M represents one atomic ion or atomic group selected from the group consisting of a metal ion and an ammonium salt). R1 , R2 , RThree And RFour May be the same as or different from each other. However, R1 , R2 , RThree And RFour At least one of -SOThreeM-containing group. RFive , R6 , R7 , R8 , R9 And RTenAre all hydrogen atoms, alkyl groups having 1 to 20 carbon atoms, cycloalkyl groups, aryl groups or aralkyl groups. RFive , R6 , R7 , R8 , R9 And RTenMay be the same as or different from each other. Furthermore, m is 0 or 1, and n is a natural number of 1 or more.
[0036]
Examples of the monomer represented by the general formula (2) include — (CH2It is also possible to use those in which the moiety represented by n- is substituted by a vinyl group or an alkenyl group having 3 to 18 carbon atoms.
[0037]
Specific examples of the monomer represented by the general formula (2) include, for example, sodium mono-methylsulfosuccinate-mono-vinyl ester, ammonium mono-ethylsulfosuccinate-monovinyl ester, potassium mono-propylsulfosuccinate-mono- Propenyl vinyl ester, ammonium mono-octylsulfosuccinate-mono-butenyl ester, sodium mono-octylsulfosuccinate-mono-propenyl ester, sodium mono-2-ethylhexylsulfosuccinate-mono-propenyl ester, sodium mono-stearylsulfosuccinate- Mono-peropenyl ester, sodium di-n-butylsulfosuccinate-mono-vinyl ester, calcium 1-chloro-2-propylsulfosuccinate-mono-propenyl vinyl ester, 1 1-dibromo-sodium sulfosuccinate - di - vinyl esters and various sulfosuccinic acid, such as vinyl esters unsaturated compounds - (3-methoxy-2-hydroxy - propyl) sulfosuccinate - mono.
[0038]
In addition, as for the monomer containing the group which forms the above-mentioned salt structure, 2 or more types may be used together.
[0039]
As a monomer for constituting the fluorine-containing vinyl copolymer resin used in the present invention, the above-mentioned monomers, that is, a fluorine-containing monomer, a monomer containing a hydroxyl group, and a salt structure are formed. Vinyl monomers other than the monomer containing a group may be used in combination. Such other vinyl monomers are particularly limited as long as they can be copolymerized with a fluorine-containing monomer, a monomer containing a hydroxyl group, and a monomer containing a group forming a salt structure. Although various things can be used, for example, acrylic acid esters, methacrylic acid esters, α-olefins, halogenated olefins, aromatic vinyl compounds, aliphatic carboxylic acid vinyl esters, Examples thereof include carboxylic acid vinyl esters having a cyclic structure, alkyl or aralkyl vinyl ethers, cycloalkyl vinyl ethers, and vinyl monomers containing a polyoxyalkylene chain structural unit.
[0040]
Here, examples of acrylic esters include methyl acrylate, ethyl acrylate, butyl acrylate, and cyclohexyl acrylate. Examples of methacrylic acid esters include methyl methacrylate, ethyl methacrylate, butyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, and benzyl methacrylate.
[0041]
Examples of the α-olefins include ethylene, propylene, and 1-butene. Examples of halogenated olefins include those excluding fluoroolefins, such as vinyl chloride and vinylidene chloride. Examples of the aromatic vinyl compound include styrene, α-methylstyrene, p-tert-butylstyrene, and vinyltoluene. Aliphatic carboxylic acid vinyl esters include vinyl-2,2-dimethylpropanoate, vinyl-2,2-dimethylbutanoate, vinyl-2,2-dimethylpentanoate, vinyl-2,2-dimethyl. Hexanoate, vinyl-2-ethyl-2-methylbutanoate, vinyl-2-ethyl-2-methylpentanoate, vinyl-3-chloro-2,2-dimethylpropanoate, vinyl acetate, propionic acid Illustrate vinyl, vinyl butyrate, vinyl isobutyrate, vinyl caproate, vinyl caprylate, vinyl caprate, vinyl laurate, vinyl stearate, branched (branched) aliphatic carboxylate having 10 carbon atoms Can do. Examples of the vinyl carboxylate having a cyclic structure include vinyl benzoate and vinyl p-tert-butylbenzoate.
[0042]
Further, as alkyl or aralkyl vinyl ethers, methyl vinyl ether, ethyl vinyl ether, n-propyl vinyl ether, isopropyl vinyl ether, n-butyl vinyl ether, isobutyl vinyl ether, tert-butyl vinyl ether, n-pentyl vinyl ether, n-hexyl vinyl ether, n-octyl Examples thereof include vinyl ether, 2-ethylhexyl vinyl ether, chloromethyl vinyl ether, chloroethyl vinyl ether, benzyl vinyl ether, and phenethyl ethyl vinyl ether. Examples of cycloalkyl vinyl ethers include cyclopentyl vinyl ether, cyclohexyl vinyl ether, and methyl hexyl vinyl ether.
[0043]
Furthermore, as a vinyl-type monomer containing a polyoxyalkylene chain structural unit, the compound which has a monovalent organic group shown by following General formula (3) can be mentioned.
[0044]
[Chemical 3]
[0045]
In general formula (3), R11And R12Each represents a hydrogen atom or an alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms. R11And R12May be the same as or different from each other. R13Represents a hydroxyl group or an alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms. Furthermore, p is an integer of 2 to 4, and q is an integer of 1 to 200.
[0046]
Examples of the vinyl monomer containing the polyoxyalkylene chain structural unit represented by the general formula (3) include polyethylene glycol-mono-acrylate, polyethylene glycol-mono-methacrylate, polypropylene glycol-mono-acrylate, and polypropylene glycol. -Mono-methacrylate, polytetraethylene glycol-mono-acrylate, polytetraethylene glycol-mono-methacrylate, polyoxyethylene nonylphenol-mono-acrylate, polyoxyethylene nonylphenol-mono-methacrylate, polyoxyethylene nonylallylphenol be able to.
[0047]
When producing a fluorine-containing vinyl copolymer resin from the various monomers described above, various known polymerization methods can be employed, but the solution radical polymerization method is the simplest and preferable.
[0048]
Solvents that can be used in carrying out the solution radical polymerization method are not particularly limited as long as they can dissolve the fluorine-containing vinyl copolymer resin to be produced. For example, toluene, xylene, cyclohexane, Hydrocarbons such as n-hexane and octane, alcohols such as methanol, ethanol, isopropanol, n-butanol, isobutanol, sec-butanol and ethylene glycol monomethyl ether, methyl acetate, ethyl acetate, acetic acid-n-butyl, acetic acid Examples include various esters such as amyl, and ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, and cyclohexanone. Two or more of these solvents may be used in combination.
[0049]
When carrying out the solution radical polymerization method, polymerization is carried out by a conventional method using the above-mentioned solvents and a known radical polymerization initiator such as an azo or peroxide type. At this time, a molecular weight adjusting agent can be used as necessary. As the molecular weight modifier, for example, a chain transfer agent such as lauryl mercaptan, octyl mercaptan, dodecyl mercaptan, 2-mercaptoethanol, octyl thioglycolate, 3-mercaptopropionic acid, α-methylstyrene dimer can be used. .
[0050]
Among the above-mentioned various monomers used in the polymerization, the fluorine-containing monomer and the monomer containing a hydroxyl group are used in a fluorine-containing vinyl copolymer resin to be produced. % (Preferably 20 to 30% by weight) and the hydroxyl value is preferably set to 20 to 150 (preferably 40 to 100). When the fluorine content is less than 15% by weight, the stain resistance of the coating film may be difficult to express. On the other hand, if it exceeds 40% by weight, the solubility of the coating composition of the present invention in a solvent may decrease, and the coating workability of the coating composition may decrease. On the other hand, when the hydroxyl value is less than 20, the mechanical strength of the coating film by the coating composition of the present invention may be lowered. On the other hand, if it exceeds 150, the resulting coating film may become too hard and brittle. Here, the fluorine content and the hydroxyl value are values calculated based on the monomer used as a raw material.
[0051]
Further, the amount of the monomer containing a group forming a salt structure is preferably set to 1 to 40% by weight, more preferably 5 to 20% by weight of the monomer used during polymerization. . When the amount used is outside this range, it may be difficult to achieve both the stain resistance and adhesion of the coating film by the coating composition of the present invention.
[0052]
In addition, the number average molecular weight of the fluorine-containing vinyl copolymer resin is preferably 2,000 to 50,000, and more preferably 5,000 to 30,000. When the number average molecular weight is less than 2,000, the weather resistance of the coating film may be lowered. Conversely, if the number average molecular weight exceeds 50,000, the coating workability of the coating composition of the present invention may be reduced.
[0053]
(Polyisocyanate containing polyalkylene oxide unit)
The polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate used in the present invention is usually used in an aqueous system, for example, obtained by reacting an isocyanurate ring-containing polyisocyanate with a polyalkylene glycol monoalkyl ether. .
[0054]
Here, the isocyanurate ring-containing polyisocyanate is obtained, for example, by carrying out an isocyanurate-forming reaction based on one or both of aliphatic diisocyanate and alicyclic diisocyanate. Tris-isocyanatoalkyl-isocyanurate represented by the general formula (4) or tris-isocyanatocycloalkyl-isocyanurate.
[0055]
[Formula 4]
[0056]
In general formula (4), X1 , X2 And XThree Is a group corresponding to an aliphatic or cycloaliphatic diisocyanate obtained by removing a isosocyanate group. X1 , X2 And XThree May be the same as or different from each other.
[0057]
In addition, as an isocyanurate ring containing polyisocyanate, the higher homologue of what is shown by the said General formula (4), ie, the thing containing two or more isocyanurate rings, may be used.
[0058]
Examples of the aliphatic and alicyclic diisocyanates for constituting such an isocyanurate ring-containing polyisocyanate include hexamethylene diisocyanate and isophorone diisocyanate, respectively.
[0059]
When producing the above-mentioned isocyanurate ring-containing polyisocyanate, tertiary amines, alkyl-substituted ethyleneimines, tertiary alkylphosphines, acetylacene metal as a catalyst for aliphatic diisocyanate and / or alicyclic diisocyanate. Salts or metal salts of various organic acids are used alone or in combination, and an isocyanuration reaction is carried out at 100 ° C. or lower using a cocatalyst as necessary. In addition, as a co-catalyst, a phenolic hydroxy compound, an alcoholic hydroxy compound, a tertiary amine, etc. can be used. If such a cocatalyst is used, the reaction can be further facilitated.
[0060]
On the other hand, the polyalkylene glycol monoalkyl ether is represented by the following general formula (5).
[0061]
[Chemical formula 5]
[0062]
In general formula (5), R14Represents an alkyl group, R15Represents an alkylene group. N is set so that the molecular weight of the polyalkylene glycol monoalkyl ether is 250 to 4,000, preferably 600 to 2,000. In addition, when the molecular weight of polyalkylene glycol monoalkyl ether is less than 250, there exists a possibility that the adhesiveness of the coating film obtained may be insufficient. On the other hand, if it exceeds 4,000, the physical properties of the resulting coating film may be adversely affected.
[0063]
The isocyanate group content of the polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate obtained by reacting the above-mentioned isocyanurate ring-containing polyisocyanate with the above-mentioned polyalkylene glycol monoalkyl ether is preferably 15 to 24% by weight. When isocyanate group content is less than 15 weight%, there exists a possibility that the weather resistance of a coating film may fall. On the contrary, when it exceeds 24 weight%, there exists a possibility of having a bad influence on various physical properties of the coating film obtained. In addition, the above-mentioned isocyanate group content is weight% of the NCO group contained in 1 molecule of polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate.
[0064]
(Silicon-containing compound)
The silicon-containing compound used in the present invention is a silanol group-containing compound or a hydrolyzable silyl group-containing compound. A silanol group-containing compound and a hydrolyzable silyl group-containing compound may be used in combination.
[0065]
Here, as the silanol group-containing compound, for example, a low molecular weight obtained by almost completely hydrolyzing halosilanes such as methyltrichlorosilane, phenyltrichlorosilane, ethyltrichlorosilane, dimethyldichlorosilane, and diphenyldichlorosilane. And a silanol group-containing polysiloxane oligomer obtained by further dehydrating and condensing such a silanol compound, and a silicone resin having a silanol group obtained by hydrolytic condensation of an alkoxysilane.
[0066]
Examples of the alkoxysilanes include tetramethoxysilane, trimethoxysilane, tetraethoxysilane, triethoxysilane, tetrapropoxysilane, tetrabutoxysilane, tetraoctoxysilane, tetra (2-methoxyethoxy) silane, Tetrabenzyloxysilane, methyltrimethoxysilane, phenyltriethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, diphenyldiethoxysilane, γ-isocyanatopropyltrimethoxysilane, γ-chloropropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltri Examples include methoxysilane, γ-aminopropyltrimethoxysilane, and γ- (2-aminoethyl) aminopropyltrimethoxysilane.
[0067]
On the other hand, examples of the hydrolyzable silyl group-containing compound include the above-mentioned alkoxysilanes, tetraacetoxysilane, methyltriacetoxysilane, γ-mercaptopropyltriacetoxysilane, tetrapropionyloxysilane, phenyltripropionyloxysilane, and the like. Examples include siloxysilanes, partial hydrolysis condensates of the above-mentioned various tetraalkoxysilanes, and halosilanes such as tetrachlorosilane, phenyltrichlorosilane, tetrabromosilane, and benzyltribromosilane.
[0068]
In the present invention, it is particularly preferable to use a hydrolyzable silyl group-containing compound as the silicon-containing compound in that long-term contamination resistance can be realized. Among them, it is preferable to use a condensate of tetramethoxysilane from the viewpoint of easy handling including toxicity and hydrolyzability. A specific example of such a tetramethoxysilane condensate is MS51 manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation.
[0069]
(Composition)
In the coating composition according to the present invention, the blending ratio of the above-mentioned fluorine-containing vinyl copolymer resin and the above-mentioned polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate is such that the hydroxyl group amount of the fluorine-containing vinyl copolymer resin is 1. The amount of isocyanate groups contained in the polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate is set to 0.5 to 2, preferably 0.8 to 1.5 in terms of equivalent ratio. When this isocyanate group amount is less than 0.5, the weather resistance of the coating film may be lowered. On the contrary, when the isocyanate group amount exceeds 2, the physical properties of the coating film may be lowered.
[0070]
In the coating composition according to the present invention, the content of the silicon-containing compound is 5 with respect to a total of 100 parts by weight of the solid content of the fluorine-containing vinyl copolymer resin and the solid content of the polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate. It is set to be -35 parts by weight, preferably 15-25 parts by weight. When the content of such a silicon-containing compound is less than 5 parts by weight, the stain resistance of the coating film may be reduced. On the contrary, when it exceeds 35 weight part, there exists a possibility that the weather resistance of a coating film may fall.
[0071]
In addition to the essential components described above, the coating composition of the present invention is an organic solvent for maintaining the stability of the composition, curing the coating film, and promoting the hydrolysis reaction of the hydrolyzable silyl group-containing compound. Various additives ordinarily used in a catalyst, a pigment, a pigment dispersing resin, and a coating composition may be included.
[0072]
Here, examples of the organic solvent include hydrocarbons such as toluene, xylene, cyclohexane, n-hexane, and octane, methanol, ethanol, isopropanol, n-butanol, isobutanol, sec-butanol, and ethylene glycol monomethyl ether. Examples include alcohols, various esters such as methyl acetate, ethyl acetate, n-butyl acetate, and amyl acetate, and ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, methyl butyl ketone, methyl isobutyl ketone, methyl amyl ketone, and cyclohexanone. . Two or more of these solvents may be used in combination.
[0073]
Among the catalysts, examples of the curing accelerating catalyst include tetraisopropyl titanate, tetra-n-butyl titanate, tin octylate, lead octylate, cobalt octylate, zinc octylate, calcium octylate, zinc naphthenate, and naphthene. Metal-containing compounds such as cobalt acid, di-n-butyltin diacetate, di-n-butyltin dioctoate, di-n-butyltin dilaurate, di-n-butyltin maleate, p-toluenesulfonic acid, trichloroacetic acid , Phosphoric acid, monoalkyl phosphoric acid, dialkyl phosphoric acid, monoalkyl phosphorous acid, dialkyl phosphorous acid and the like can be used.
[0074]
On the other hand, basic compounds, metal-containing compounds, acidic compounds, etc. can be used as the catalyst for promoting hydrolysis among the catalysts. Here, examples of basic compounds include butylamine, dibutylamine, hexylamine, tert-butylamine, ethylenediamine, triethylamine, isophoronediamine, imidazole, lithium hydroxide, sodium hydroxide, potassium hydroxide, and sodium methylate. be able to. Examples of the metal-containing compounds include tetraisopropyl titanate, tetrabutyl titanate, tin octylate, zinc octylate, calcium octylate, lead naphthenate, cobalt naphthenate, di-n-butyltin diacetate, di- Mention may be made of n-butyltin dioctoate, di-n-butyltin dilaurate and di-n-butyltin maleate. Furthermore, examples of acidic compounds include p-toluenesulfonic acid, trichloroacetic acid, phosphoric acid, monoalkyl phosphoric acid, dialkyl phosphoric acid, β-hydroxyethyl acrylate and β-hydroxyethyl methacrylate phosphate esters, monoalkyl sublimates, and the like. Mention may be made of phosphoric acid.
[0075]
Of the above-mentioned catalysts, when acidic compounds are used, the curing reaction may be slightly delayed, and when amine-based ones are used, there is a risk of slightly reducing the stain resistance of the coating film. Therefore, it is preferable to select and use metal-containing compounds, particularly tin-based compounds.
[0076]
The coating composition of the present invention may be provided in a state containing all the above-mentioned various components, but may be divided into two types of packages and mixed at the time of use. In this case, one of the packages (package 1) is mainly composed of a fluorine-containing vinyl copolymer resin having a hydroxyl group, and if necessary, a catalyst, a pigment and its dispersing resin, various additives, and a viscosity adjusting agent. Add organic solvent. In the other package (package 2), a polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate and a silicon-containing compound are mainly used, and if necessary, an organic solvent for stabilizing the composition is about 20% by weight. Added. The
[0077]
The coating composition of the present invention can be applied to the outer wall of a steel structure or a building by a known method such as spray coating or brush coating. In addition, although the coating composition of this invention is a normally dry type, baking is also possible.
[0078]
When the
[0079]
【Example】
Production Examples 1 to 5 (Production of fluorine-containing vinyl copolymer resin)
An autoclave made of stainless steel having an internal volume of 5,000 ml was prepared, and 1,000 parts by weight of xylene, 10 parts by weight of bis (1,2,2,6,6-pentamethylpiperidinyl) sebacate, A mixture of tert-butyl peroxybivalate (polymerization initiator) in the ratio shown in 1 and monomer A shown in Table 1 was charged, and the inside of the autoclave was replaced with nitrogen gas.
[0080]
Next, the liquefied and collected monomer B shown in Table 1 was charged and sealed, and the mixture was kept at 60 ° C. and reacted for 15 hours. As a result, the desired fluorine-containing vinyl copolymer resin was obtained.
[0081]
[Table 1]
[0082]
In addition, the monomer A and the monomer B in Table 1 are as follows.
◎ VPK: Potassium vinylphosphonate
◎ p-SSONa: Sodium parastyrene sulfonate
S-1: Sulfosuccinic unsaturated compound represented by the following formula (6) (in formula (6), M represents a metal ion or an ammonium base)
[0083]
[Chemical 6]
[0084]
◎ PE-350: Bremer PE-350 (Nippon Yushi Co., Ltd. polyethylene glycol monomethacrylate)
A: HBVE: Hydroxybutyl vinyl ether
A: CHVE: vinyl cyclohexanecarboxylate
A: EVE: Ethyl vinyl ether
A: VV-9: Veova 9 (vinyl ester of branched fatty acid having 9 carbon atoms, manufactured by Shell Corporation of the Netherlands)
[0085]
Table 2 shows the characteristics of the fluorine-containing vinyl copolymer resin obtained in each production example.
[0086]
[Table 2]
[0087]
Production Example 6 (Production of polyisocyanate containing polyalkylene oxide unit)
A 500 ml glass four-necked flask with a sliding lid equipped with a thermometer, a stirrer and a nitrogen seal tube was prepared, and a hexamethylene diisocyanate polymer having an isocyanurate ring (Coronate EH manufactured by Nippon Polyurethane Industry Co., Ltd.) : NCO group content = 21.0% by weight) 100 parts by weight were charged. To this, 2 parts by weight of methoxypolyethylene glycol (MPG-081 manufactured by Nippon Emulsifier Industry Co., Ltd.) was added and reacted for 3 hours while heating and maintaining at 70 ° C. As a result, a pale yellow transparent polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate having an NCO group content of 19.8% by weight and a viscosity of 3,200 cps / 25 ° C. was obtained.
[0088]
Examples 1-9, Comparative Examples 1-3
The fluorine-containing vinyl copolymer resin obtained in Production Examples 1 to 5, the polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate obtained in Production Example 6 and the silicon-containing compound were mixed in the ratios shown in Tables 3 and 4, and the paint A composition was obtained.
[0089]
[Table 3]
[0090]
[Table 4]
[0091]
In Tables 3 and 4, * 1, * 2, * 3, A and B are as follows.
* 1: Unit = parts by weight (solid content conversion)
* 2: Unit = parts by weight
* 3: Unit = part by weight ("Coronate HX" manufactured by Nippon Polyurethane Industry Co., Ltd.)
A: Tetramethylsilicate dimer, trimer, tetramer, pentamer, hexamer and heptamer mixture ("Methyl silicate 51" manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation)
B: Mixture of tetraethyl silicate monomer, dimer, trimer and tetramer ("Ethyl silicate 40" manufactured by Colcoat, USA)
[0092]
A coating film was formed using the resulting coating composition, and the coating film was tested for stain resistance and adhesion. The test method is as follows. The results are shown in Table 5.
[0093]
(Contamination resistance)
An iron plate having a length of 200 mm, a width of 140 mm, and a thickness of 2 to 20 mm was prepared as a plate to be coated, and this was coated once with a coating composition using a spray according to JIS K5400. The applied coating composition was dried at room temperature for 7 days to obtain a test plate having a coating film.
[0094]
The obtained test plate was exposed for 6 months in Neyagawa City, Osaka Prefecture in accordance with the above-mentioned exposure A method. About the coating film of the test board after exposure, it evaluated by measuring a color difference while visually evaluating a contamination state. In addition, the reference | standard of visual evaluation is as follows, and AD is a pass.
[0095]
A: No rain streak marks are observed.
B: There are almost no traces of rain streaks.
C: A slight trace of rain streaks is observed.
D: A plurality of rain streak traces are observed, but they do not reach from the top to the bottom of the test plate.
E: A plurality of rain streak traces are observed, but only one of them reaches from the top to the bottom of the test plate.
F: A plurality of rain streaks are clearly recognized from the top to the bottom of the test plate.
[0096]
On the other hand, the color difference is set at 5 points from the upper part to the lower part along the center line of the coating film of the test plate, and ΔE is used for each of these 5 points using a color difference meter.*ab was measured and the average value was obtained. The color difference meter used was CR-310 (caliber = 5 cm) manufactured by Minolta Co., Ltd. △ E*When the average value of ab is 6.0 or less, the stain resistance is good.
[0097]
(Adhesion)
An iron plate having a length of 150 mm, a width of 70 mm, and a thickness of 0.8 mm was prepared as a plate to be coated, and this was coated once with a coating composition using a spray according to JIS K5400. This was dried at room temperature for 1 day, and the same coating composition was brushed on the obtained coating film. And after drying this at room temperature for 1 week, the adhesive cross-cut tape method was implemented according to JISK5400. At this time, the clearance between the grids was set to 1 mm, and the number of grids was set to 100. Adhesion is good when 90 or more grids remain after the test.
[0098]
[Table 5]
[0099]
【The invention's effect】
According to the coating composition of the present invention, it is possible to realize a coating film that achieves both stain resistance and adhesion.
Moreover, since the coating film of this invention is formed with the coating composition of this invention, both stain resistance and adhesiveness are favorable.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an image diagram of an example of a coating film according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Coating film
2 Continuous coating part
3 Spot-like paint film part
Claims (6)
ポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートと、
シラノール基含有化合物および加水分解性シリル基含有化合物のうちの少なくとも1種のケイ素含有化合物とを含み、
前記フッ素含有ビニル共重合体樹脂は、分子の末端または側鎖のうちの少なくとも一方に塩構造を形成している基を有している、
塗料組成物。A fluorine-containing vinyl copolymer resin having a hydroxyl group;
A polyisocyanate containing a polyalkylene oxide unit;
Including at least one silicon-containing compound of a silanol group-containing compound and a hydrolyzable silyl group-containing compound,
The fluorine-containing vinyl copolymer resin has a group that forms a salt structure on at least one of a molecular end or a side chain.
Paint composition.
前記ケイ素含有化合物の含有量が、前記フッ素含有ビニル共重合体樹脂の固形分と前記ポリアルキレンオキサイドユニット含有ポリイソシアネートの固形分との合計100重量部に対して5〜35重量部になるよう設定されている、
請求項1または2に記載の塗料組成物。When the blending ratio of the fluorine-containing vinyl copolymer resin and the polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate is 1, the amount of the hydroxyl group of the fluorine-containing vinyl copolymer resin is 1, the polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate. The amount of isocyanate group contained is set to 0.5 to 2 in equivalent ratio, and
The content of the silicon-containing compound is set to 5 to 35 parts by weight with respect to a total of 100 parts by weight of the solid content of the fluorine-containing vinyl copolymer resin and the solid content of the polyalkylene oxide unit-containing polyisocyanate. Being
The coating composition according to claim 1 or 2 .
フッ素含有ウレタン樹脂による連続塗膜部分とを備え、
請求項1から3のいずれかに記載の塗料組成物により形成された塗膜。Silicon-containing coating film portions irregularly scattered,
With a continuous coating film part by fluorine-containing urethane resin ,
The coating film formed with the coating composition in any one of Claim 1 to 3 .
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