JP3998749B2 - 農薬用効力増強剤及び農薬組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な農薬用効力増強剤、農薬用効力増強剤組成物及びこれを含有してなる農薬組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
殺虫剤、殺菌剤、除草剤、殺ダニ剤、植物成長調節剤をはじめとする農薬は、乳剤、水和剤、粒剤、粉剤、フロアブル剤、液剤等の剤型にて使用されている。その際、農薬原体の効果を十分引き出すために、製剤物性上様々な工夫がなされているが、製剤上の工夫により農薬の効果を更に増強させることは困難な現状である。また新規な農薬の開発は、一層困難であるため、既存の農薬の活性を一層増強させることは、産業上大いに意味のあることである。
【0003】
これまでに、農薬用効力増強剤に各種界面活性剤が利用されていることは公知である。また、陰イオン性界面活性剤とキレート剤とを組み合わせることでビピリジニウム系除草剤に効果の高い組成物が得られることが知られている(PCT/JP94/01953)。更に、陽イオン性界面活性剤にキレート剤を配合し、更に別の界面活性剤を添加することで効果の高い農薬用効力増強剤組成物が得られることも知られている(特開平6-12154 号)。その中でも特定のアルキル又はアルケニルポリオキシアルキレンエーテル酢酸塩が効果の高いことが知られている。しかしながら、各種添加剤、例えばキレート剤、増粘剤、無機物等を併用した際、安定性が悪く製剤化が非常に困難となるため、実用化には至っていない。特に、高濃度で配合すると著しく安定性が悪くなる。また、アルキル又はアルケニルポリオキシアルキレンエーテル酢酸は、酸性度か高く(pH2)、使用時に危険であるだけでなく、製剤化した場合、他の界面活性剤や農薬原体を分解し活性を低減するおそれがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、農薬原体と組合せることにより、農薬の効力が増強する農薬用効力増強剤を見出すべく、更に鋭意検討を積み重ねた結果、特定のアルキル又はアルケニルポリオキシアルキレンエーテル酢酸の特定範囲の中和物が効果が高く、各種添加剤、例えばキレート剤、増粘剤、無機物等を併用した際、非常に混用性が高く、安定な農薬用効力増強剤の開発が可能であることを見い出し、本発明を完成した。
【0005】
即ち本発明は、一般式(I) で表される化合物の中和度5〜95%の中和物を含有することを特徴とする農薬用効力増強剤を提供するものである。
R1-(AO)n-OR2-COOH (I)
〔式中、
R1:炭素数6〜20の直鎖もしくは分岐アルキル基、炭素数6〜20の直鎖もしくは分岐アルケニル基又は炭素数6〜18のアルキル基を有するアルキルフェニル基を示す。
R2:炭素数1〜4のアルキレン基を示す。
A :炭素数2〜4のアルキレン基を示す。
n:平均で1〜30の数を示す。〕。
【0006】
一般式(I) で表される化合物としては、市販品を用いることもでき、CHEM-Y社製「AKYPO RLM45 」「AKYPO RO30」「AKYPO NP70」、Shell 社製「NEODOX91-5」「NEODOX 1-4」「NEODOX 25-11」「NEODOX25-6」等として入手可能である。中和物の原料としては限定されるものではない。一般式(I) で表される化合物を、NaOH、KOH 、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン等で中和して、本発明の農薬用効力増強剤となる中和物が得られる。中和物の対イオンとしては、Na、K 、NH4 や、アルカノールアミン、低級アルキルアミン由来のカチオン等が挙げられる。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンが挙げられる。また低級アルキルアミンとしては、ジイソプロピルアミン等の一級、二級、三級アミンが挙げられる。中和時に中和剤の配合比を調節することで中和度をコントロールすることが可能であり、本発明では5〜95%、好ましくは20〜85%の中和度とする必要がある。更に中和度は40〜80%が好ましい。
【0007】
なお、各種農薬に対する効力増強効果の面で、一般式(I) で表される化合物のR1は炭素数8〜16の直鎖もしくは分岐アルキル基又は炭素数8〜16の直鎖もしくは分岐アルキレン基が好ましく、R2は炭素数1又は2のアルキレン基が好ましい。同様に一般式(I) で表される化合物のA は炭素数2もしくは3のアルキレン基又はその混合であることが好ましい。更に、一般式(I) で表される化合物のnは平均で1〜15の数であることが好ましい。なかでも、R1が炭素数8〜16の直鎖アルキル基又はアルケニル基、R2が炭素数1のアルキレン基、A が炭素数2のアルキレン基、nが平均で1〜10の数であることが好ましい。
【0008】
本発明の上記一般式(I) の化合物の中和度5〜95%の中和物からなる農薬用効力増強剤は、農薬原体と併用した場合において、農薬原体の効力を2〜3倍アップさせる事が出来る。
【0009】
本発明に係わる一般式(I) で表される化合物の中和度5〜95%の中和物を有効成分とする農薬用効力増強剤が農薬の構造の種類に関係なく顕著な効力増強作用を呈するかについての機作は必ずしも明らかではないが、その1つとして本発明の効力増強剤が農薬に対する可溶化力が非常に強いため農薬を微粒子化し植物体内あるいは虫体、菌体への浸透を促すことが考えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる一般式(I) で表される化合物の中和度5〜95%の中和物(以下、本発明の中和物という場合もある)に、更に界面活性剤を併用することにより、一般式(I) で表される化合物の農薬の効力増強効果を維持したまま、本発明の中和物の使用量の低減化を計ることができる。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤、或いはそれらの混合物を用いることができる。
【0011】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンアルキルソルビトールエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンエステル、ポリオキシアルキレンアルキルグリセロールエステル、ポリオキシアルキレンブロック共重合体、ポリオキシアルキレンブロック共重合体アルキルグリセロールエステル、ポリオキシアルキレンアルキルスルホンアミド、ポリオキシアルキレンロジンエステル、ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキルポリグリコシドなど、及びこれらのうちの2種以上の混合物などが挙げられる。
【0012】
陽イオン性界面活性剤の例としては、アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、アルキルアミンプロピレンオキサイド付加物、例えばタローアミンエチレンオキサイド付加物、オレイルアミンエチレンオキサイド付加物、ソイアミンエチレンオキサイド付加物、ココアミンエチレンオキサイド付加物、合成アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、オクチルアミンエチレンオキサイド付加物など及びそれらの4級化物(例えばメチルクロライド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ベンジルクロライド等による4級化物)及びそれらの混合物がある。
【0013】
陰イオン界面活性剤のうち、典型的なものは、水溶液或いは固体状態で入手され得るが、その例としては、モノ−及びジ−アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルファ−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル硫酸塩、モノ−及びジ−アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホネートのホルムアルデヒド縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、オレフィニックスルホン酸塩、モノ及びジアルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリカルボン酸塩、直鎖及び分岐アルキルアミドポリオキシアルキレンエーテル酢酸又はその塩、脂肪酸又はその塩、例えばカプリル酸及びその塩、ラウリン酸及びその塩、ステアリン酸及びその塩、オレイン酸及びその塩、N−メチル脂肪酸タウリド(taurides)、これらのうちの2種以上の混合物など(ナトリウム、カリウム、アンモニウム及びアミン塩を含む)がある。
【0014】
また、適当な両性界面活性剤の例としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド、アルモックス(Armox)C/12、アミンオキサイド、モナテリックス(Monaterics)、ミラノール(Miranols)、ベタイン、ロンザイン(Lonzaines) 、他のアミンオキサイド、これらの混合物などがある。
【0015】
これらの界面活性剤のうち、特に好ましいのは、非イオン型界面活性剤もしくは陽イオン性界面活性剤、中でもアルキルアミンエチレンオキサイド付加物の4級塩が好ましい。
【0016】
本発明の中和物と、これ以外の界面活性剤とを有効成分とする農薬用効力増強剤において、本発明の中和物とこれ以外の界面活性剤の好ましい併用割合は、〔本発明の中和物の総量〕/〔その他の界面活性剤〕=1/10〜30/1(重量比)であり、更に好ましくは1/5〜10/1である。
【0017】
また、本発明の農薬組成物は上記の如き農薬用効力増強剤と、農薬原体からなるものである。ここで、農薬原体とは農薬の有効成分をいう。本発明の農薬組成物において、農薬用効力増強剤又は農薬用効力増強剤組成物中の本発明の中和物と農薬原体の重量比は、〔本発明の中和物〕/〔農薬原体〕=0.03〜50、好ましくは0.04〜20、さらに好ましくは0.1 〜10となるよう使用する事が必要である。この割合が0.03未満では目的とする農薬の効力増強効果を十分達成し得ない。一方、この割合を50超としても、それ以上の効果の上昇は望めない。
【0018】
また、本発明の農薬組成物の製剤型は、乳剤、水和剤、粒剤、粉剤、フロアブル製剤、液剤等いずれでもよく、製剤型は問わない。従って、その製剤型に応じた他の添加剤、例えば乳化剤、分散剤、担体等を含有するものであってもよい。本発明に係わる農薬用効力増強剤の使用方法は、農薬用効力増強剤を含有する上記各種剤型の農薬組成物を使用する方法と、農薬(本発明の効力増強剤を含有しないもの)希釈使用時に別添の農薬用効力増強剤を使用する方法があるが、どちらの方法にても本発明の目的とする効力増強作用が得られる。
【0019】
本発明の農薬組成物の製剤中に必要に応じてキレート剤、pH調節剤、無機塩類、増粘剤を加えてもよい。
【0020】
本発明に用いられるキレート剤は、金属イオンをキレートする能力を有するものであれば特に制限されない。本発明に用いられるキレートの例としては、アミノポリカルボン酸系キレート剤、芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤、アミノ酸系キレート剤、エーテルポリカルボン酸系キレート剤、イミノジメチルホスホン酸(IDP)、アルキルジホスホン酸(ADPA)等のホスホン酸系キレート剤、ヒドロキシカルボン酸系キレート剤、リン酸系キレート剤、高分子電解質(オリゴマー電解質を含む)系キレート剤およびジメチルグリオキシム(DG)が挙げられる。これらのキレート剤は、それぞれフリーの酸型であっても、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩の形であってもよい。替わりに、それらは、加水分解可能なそれらのエステル誘導体の形であってもよい。キレート剤は農薬用効力増強剤中の本発明の中和物の総量1モルに対し、0.05〜15倍モルの割合で配合される。ここで、中和物のモル数は、未中和物のモル数と中和物のモル数の合計であり、キレート剤の配合量はこの合計モル数を基準とする。
【0021】
アミノポリカルボン酸系キレート剤の具体例としては、
a) 化学式 RNY2で表される化合物、
b) 化学式 NY3 で表される化合物、
c) 化学式 R−NY−CH2CH2−NY−Rで表される化合物、
d) 化学式 R−NY−CH2CH2−NY2で表される化合物、
e) 化学式 Y2N−R’−NY2で表される化合物、及び、
f) e)の化合物に類似する化合物で、Yを4以上含む化合物、例えば式:
【0022】
【化1】
【0023】
で表される化合物が挙げられる。
【0024】
上記式中、Yは−CH2COOH又は−CH2CH2COOHを表し、Rは、水素原子、アルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基といったこの種の公知のキレート剤を構成する基を表し、R’は、アルキレン基、シクロアルキレン基といったこの種の公知のキレート剤を構成する基を表す。
【0025】
アミノポリカルボン酸系キレート剤の代表例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノジ酢酸(HIMDA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸(EDTA−OH)及びグリコールエーテルジアミンテトラ酢酸(GEDTA)、並びにこれらの塩類が挙げられる。
【0026】
本発明で使用される芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、イタコン酸、アコニット酸、ピルビン酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸(アントラニル酸を含む)、フタル酸、トリメリット酸及び没食子酸、並びにこれらの塩類、メチルエステル類及びエチルエステル類が挙げられる。また、本発明で使用されるアミノ酸系キレート剤の例としては、グリシン、セリン、アラニン、リジン、シスチン、システイン、エチオニン、チロシン、メチオニン及びこれらの塩類及び誘導体が挙げられる。
【0027】
更に、本発明に使用されるエーテルポリカルボン酸系キレート剤の例としては、ジグリコール酸、次式で表される化合物、その類似化合物及びその塩(例えばナトリウム塩)類が挙げられる:
【0028】
【化2】
【0029】
式中、Y1は、水素原子、−CH2COOHまたは−COOHを表し、Z1は、水素原子、−CH2COOHまたは
【0030】
【化3】
【0031】
を表す。
【0032】
本発明で使用されるヒドロキシカルボン酸系キレート剤の例としては、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、グルコン酸、ヘプトン酸、酒石酸、乳酸及びこれらの塩類が挙げられる。
【0033】
本発明で使用されるリン酸系キレート剤の例としては、オルトリン酸、ピロリン酸、トリリン酸及びポリリン酸が挙げられる。
【0034】
本発明で使用される高分子電解質(オリゴマー電解質を含む)系キレート剤の例としては、アクリル酸重合体、無水マレイン酸重合体、α−ヒドロキシアクリル酸重合体、イタコン酸重合体、これらの重合体の構成モノマー二種以上からなる共重合体およびエポキシコハク酸重合体が挙げられる。
【0035】
加えて、本発明では、アスコルビン酸、チオグリコール酸、フィチン酸、グリオキシル酸及びグリオキサール酸、並びにそれらの塩類も、キレート剤として好適に用いることができる。
【0036】
本発明に使用し得るpH調節剤としてはクエン酸、リン酸(ピロリン酸)、グルコン酸等或いはこれらの塩である。
【0037】
本発明に使用し得る無機塩類としては、無機鉱物塩として例えば無機塩クレー、タルク、ベントナイト、ゼオライト、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ホワイトカーボン等が挙げられ、無機アンモニウム塩として例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム等が挙げられる。
【0038】
また本発明に使用し得る増粘剤としては、天然、半合成及び合成の水溶性増粘剤は何れも使用でき、天然粘質物では、微生物由来のキサンタンガム、ザンフロー、植物由来のペクチン、アラビアゴム、グアーゴムなどが、半合成粘質物では、セルロースまたはでんぷん誘導体のメチル化物、カルボキシアルキル化物、ヒドロキシアルキル化物(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどを含む)、ソルビトールなどが、また合成粘質物では、ポリアクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリビニルピロリドン、ペンタエリスリトールエチレンオキシド付加物などが具体例として挙げられる。
【0039】
次に本発明の農薬組成物に用いられる農薬原体の例を挙げるが、これらに限定されるものではない。また、本発明に係わる農薬用効力増強剤は種々の作物に対して薬害はなく安全に使用できるものである。
【0040】
殺菌剤としては、ダイセン(亜鉛エチレンビスジチオカーバメート)、マンネブ(マンガンエチレンビスジチオカーバメート)、チウラム(ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルファイド)、マンゼブ (亜鉛イオン配位マンガニーズエチレンビスジチオカーバメート) 、ビスダイセン (ビスジメチルジチオカルバモイル亜鉛エチレンビスジチオカーバメート)、プロピネブ(亜鉛プロピレンビスジチオカーバメート)、ベンズイミダゾール系としてはベノミル (メチル−1− (ブチルカルバモイル)−2−ベンズイミダゾールカーバメート) 、チオファネートメチル(1,2 −ビス (3−メトキシカルボニル・2−チオウレイド)ベンゼン) 、他にビンクロゾリン(3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−メチル−5−ビニル−1,3 −オキサゾリジン−2,4 −ジオン) 、イプロジオン(3−(3,5−ジクロロフェニル) −N −イソプロピル−2,4 −ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド)、プロシミドン(N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2 −ジメチルシクロプロパン−1,2 −ジカルボキシイミド) 、トリアジン(2,4−ジクロロ−6− (2−クロロアニリノ) −1,3,5 −トリアジン)、トリフミゾール( (E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N − (1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリダン) −o−トルイジン) 、メタラキシル(メチル−N − (2−メトキシアセチル)−N −(2,6−キシリル)−D,L −アラニネート)、ビテルタノール(オール−ラック−1−(ビフェニル−4−イロキシ)−3,3 −ジメチル−1−(1H− 1,2,4−トリアゾール−1−イル) −2−ブタン−2−オール) 、ピリフェノックス(2,4−ジクロロ−2−(3−ピリジル)アセトフェノン−(EZ)−O −メチルオキシム)、フェナリモル(2,4−ジクロロ−α−(ピリジン−5イル)ベンズヒドリル=アルコール)、トリホリン(1,4-ビス- (2,2,2−トリクロロ−1−ホルムアミドエチル)ピペラジン)、イミノクタジン酢酸塩(1,1−イミニオディ(オクタメチレン)ジグアニジウムトリアセテート)、有機銅(Oxine-copper)、抗生物質系殺菌剤(ストレプトマイシン系、テトラサイクリン系、ポリオキシ系、ブラストサイジンS、カスガマイシン系、バリダマイシン系)、トリアジメホン (1− (4−クロロフェノキシ)−3,3 −ジメチル−1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノン) 、イソプロチオラン (ジイソプロピル−1,3 −ジチオラン−2−イリデンマロネート)、ダコニール (テトラクロルイソフタロニトリル) 、パンソイル(5−エトキシ−3−トリクロルメチル−1,2,4 −チアジアゾール) 、フサライド(4,5,6,7−テトラクロルフタロリド) 、キタジンP (O,O−ジイソプロピル−S −ベンジルチオホスフェート)、ヒノザン(O−エチル−S,S −ジフェニルジチオホスフェート) 、プロベナゾール(3−アリロキシ−1,2 −ベンズイソチアゾール−1,1 −ジオキサイド) 、キャプタン(N−トリクロロメチルチオ−テトラヒドロフタルイミド)、ホセチル(アルミニウム=トリス(エチル=ホスナート))等が挙げられる。
【0041】
殺虫剤の場合、ピレスロイド系殺虫剤としては、フェンバレレエート(α−シアノ−3−フェノキシベンジル−2− (4−クロロフェニル)−3−メチルブタノエート) 、バイスロイド (シアノ(4−フルオロ−3−フェノキシフェニルメチル−3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2 −ジメチルシクロプロパンカルボキシレート) 、有機リン系殺虫剤としては、DDVP( ジメチル2,2 −ジクロルビニルホスフェート)、スミチオン(MEP) (O,O−ジメチル−O −(3−メチル−4−ニトロフェニル) チオフォスフェート) 、マラソン(S−〔1,2,−ビス (エトキシカルボニル)エチル〕ジメチルホスホロチオールチオネート)、ジメトエート(ジメチル S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェート) 、エルサン( S−〔α−(エトキシカルボニル)ベンジル〕ジメチルホスホロチオールチオネート) 、バイジット(O,O−ジメチル−O −(3−メチル−4−メチルチオフェニルチオホスフェート))、カーバメート系殺虫剤としては、バッサ(O-sec- ブチルフェニルメチルカーバメート)、MTMC(m−トリルメチルカーバメート)、メオパール(3,4−ジメチルフェニル−N −メチルカーバメート)、NAC(1−ナフチル−N −メチルカーバメート) 、他にメソミル(S メチル−N 〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオアセトイミド)、カルタップ(1,3−ビス(カルバモイルチオ)−2−(N,N-ジメチルアミノ)プロパンハイドロクロライド)等が挙げられる。
【0042】
更に、天然系殺虫剤としては、除虫菊由来のピレトリン剤、ピペロニルブトキシド剤、マメ科のかん木デリス由来のロテノン剤、ニコチン剤(3−(1−メチル−2−ピルロリジニル)ピリジンサルフェート)等が挙げられる。昆虫成長制御剤(IGR剤)としては、ジフルベンズロン(1−(4クロロフェニル)−3−(2,6 −ジフルオロベンゾイル)尿素)、テフルベンズロン(1−(3,5 −ジクロロ−2,4 −ジフルオロフェニル)−3−(2,6 −ジフルオロベンゾイル)尿素)、クロルフルアズロン(1−〔3,5 −ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕−3−(2,6 −ジフルオロベンゾイル)尿素、ブプロフェジン(2−ターシャリーブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−3,4,5,6 −テトラヒドロ−2H−1,3,5 −チアジアジン−4−オン)、フェノキシカルブ(エチル−2−(4−フェノキシフェノキシ)エチルカルバマート)等が挙げられる。
【0043】
また殺ダニ剤としては、スミイト(2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン)、アクリシッド(2,4−ジニトロ−6−セカンダリ−ブチルフェニルジメチルアクリレエート)、クロルマイト(イソプロピル−4,4 −ジクロルベンジレエート)、アカール(エチル−4,4 −ジクロルベンジレエート)、ケルセン(1,1−ビス(p−クロルフェニル)−2,2,2 −トリクロルエタノール)、シトラゾン(エチル−O −ベンゾイル−3−クロル−2,6 −ジメトキシベンゾハイドロキシメイト) 、オマイト (2−(p−tert−ブチルフェノキシ)−シクロヘキシル−2−プロピニルスルファイト)、オサダン(ヘキサキス(β,β−ジメチルフェニルエチル)ジスタンノキサン)、ヘキシチアゾクス(トランス−5−(4−クロロフェニル)−N −シクロヘキシル−4−メチル−2−オキソチアゾリジン−3−カルボキサミド)、アミトラスズ(3−メチル−1,5 −ビス(2,4−キシリル)−1,3,5 −トリアザペンタ−1,4 −ジエン)等が挙げられる。
【0044】
除草剤としては、酸アミド系除草剤として、例えばスタム(3,4−ジクロルプロピオンアニリド、DCPA)、アラクロール(2−クロロ−2',6' −ジエチル−N −(メトキシメチル)アセトアニリド)等が挙げられる。尿素系除草剤として、例えば、DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1 −ジメチルウレア)、リニュロン(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−1−メチルウレア)等が挙げられる。スルホニル尿素系除草剤としては、チフェンスルフロンメチル(メチル−3−(4−メトキシ−6−メチル-1,3,5- トリアジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−2−テノアート)、フラザルスルフロン(1(4,6-ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジルスルホニル)尿素)等が挙げられる。ジピリジル系除草剤としては、例えばパラコート(1,1'−ジメチル-4,4'-ビピリジウムジクロライド)、ジクワット(6,7-ジヒドロジピリド[1,2-a:2',1'c]ピラジンディウムジブロマイド)等が挙げられる。ダイアジン系除草剤としては、例えばブロマシル(5−ブロモ -3-sec-ブチル−6−メチルウラシル)等が挙げられる。S−トリアジン系除草剤としては、例えばシマジン(2−クロロ-4,6- ビス(エチルアミノ)-1,3,5- トリアジン)、シメトリン(2,4-ビス(エチルアミノ)−6−メチルチオ-1,3,5- トリアジン)等が挙げられる。ニトリル系除草剤としては、例えばDBN (2,6-ジクロロベンゾニトリル)等が挙げられる。ジニトロアニリン系除草剤としては、例えばトリフルラリン(α,α,α−トリフルオロ-2,6- ジニトロ-N,N- ジプロピル−p−トルイジン)等が挙げられる。カーバメート系除草剤としては、例えばベンチオカーブ(サターン)(S−p−クロロベンジル-N,N- ジエチルチオカーバメート)、MCC (メチル-3,4- ジクロロカーバニレート)等が挙げられる。ジフェニルエーテル系除草剤としては、例えばNIP (2,4-ジクロロフェニル−p−ニトロフェニルエーテル)等が挙げられる。フェノール系除草剤としては、例えばPCP (ソディウム ペンタクロロフェノキシド)等が挙げられる。安息香酸系除草剤としては、例えばMDBA(ジメチルアミン-3,6- ジクロロ−o−アニセート)等が挙げられる。フェノキシ系除草剤としては、例えば 2,4-Dナトリウム塩(ソディウム 2,4- ジクロロフェノキシアセテート)、マピカ([(4-クロロ−o−トルイル)オキシ] アセト−o−クロロアニリド)等が挙げられる。有機リン系除草剤としては、例えばグリホセート(N-(ホスホノメチル) グリシン又はその塩)、ビアラホス(ソディウム・ソルト・オブ L−2−アミノ−4−〔(ヒドロキシ)(メチル)=ホスフィノイル〕ブチリル−L −アラニル−L −アラニン)、グリホシネート(アンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート)等が挙げられる。また脂肪族系除草剤としては、例えばTCA ナトリウム塩(ソディウム・トリクロロアセテート)等が挙げられる。
【0045】
これらの除草剤のうち、特にジピリジル系除草剤、有機リン系除草剤、中でもビアラホス(ソディウム・ソルト・オブ L−2−アミノ−4−〔(ヒドロキシ)(メチル)=ホスフィノイル〕ブチリル−L−アラニル−L−アラニン)、グリホシネート(アンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート)又はグリホセート(N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩)が好ましい。
【0046】
更に植物成長調節剤としては、MH(マレイン酸ヒドラジット)、エスレル(2−クロルエチルホスホン酸)、UASTA 、ビアラホス等が挙げられる。
【0047】
更に、本発明の農薬組成物には上記以外の植物成長調節剤、肥料、防腐剤等の1種以上を混合して用いることもできる。
【0048】
本発明では、殺菌、殺虫、殺ダニ、除草又は植物成長調節を目的として、本発明に係る農薬用効力増強剤を含有し、該農薬用効力増強剤を農薬原体の0.03〜50倍、好ましくは0.04〜20倍、更に好ましくは 0.1〜10倍含有する農薬組成物を用いる。
【0049】
本発明の農薬用効力増強剤を用いた農薬製剤としては、
(a) 前記本発明の中和物の1種以上と、農薬組成物の分包包装体とからなる農薬製剤
(b) 前記本発明の中和物の1種以上と該中和物以外の界面活性剤の1種以上とからなる組成物の分包包装体と、農薬組成物の分包包装体とからなる農薬製剤
(c) 前記本発明の中和物の1種以上の分包包装体と、該中和物以外の界面活性剤の1種以上の分包包装体と、農薬組成物の分包包装体とからなる農薬製剤
(d) 前記本発明の中和物の1種以上とキレート剤とからなる組成物の分包包装体と、農薬組成物の分包包装体とからなる農薬製剤
(e) 前記本発明の中和物の1種以上とキレート剤とからなる組成物の分包包装体と、前記中和物以外の界面活性剤の1種以上の分包包装体と、農薬組成物の分包包装体とからなる農薬製剤
(f) 前記本発明の中和物の1種以上と該中和物以外の界面活性剤の1種以上とキレート剤とからなる組成物の分包包装体と、農薬組成物の分包包装体とからなる農薬製剤
が挙げられる。尚、ここで、分包包装体となる農薬組成物とは、農薬原体と任意成分とを任意の割合で含む、乳剤、水和剤等の形態のものを意味し、本発明の農薬用効力増強剤と農薬原体からなる農薬組成物とは別のものである。各分包包装体中の形態は限定されず、用途、目的に応じて調製される。
【0050】
【実施例】
以下実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0051】
実施例1
表1の化合物の下記中和物、界面活性剤及びキレート剤とを、下記処方例にて配合し、農薬用効力増強剤組成物を調製し、保存安定性試験を行った。保存安定性試験は、表2に示す温度に各組成物を3日間保存し、目視にて液体の状態を観察した。その結果を表2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
<処方例1>
・化合物1 NaOH中和物(中和度60%) 20 重量%
・EDTA・4Na 5 重量%
・イオン交換水 バランス
<処方例2>
・化合物1 KOH 中和物(中和度80%) 32 重量%
・シュウ酸カリウム 8 重量%
・POE(20) ラウリルエーテル 10 重量%
(POE :ポリオキシエチレン)
・イオン交換水 バランス
<処方例3>
・化合物3 KOH 中和物(中和度60%) 32 重量%
・ヤシアミンのEO2モル付加物の塩化メチルによる4級化物 8 重量%
(EO:エチレンオキサイド)
・EDTA・4Na 5 重量%
・イオン交換水 バランス
<処方例4>
・化合物2 KOH 中和物(中和度30%) 25 重量%
・シュウ酸カリウム 5 重量%
・POE(3)ラウリル硫酸ナトリウム 15 重量%
・イオン交換水 バランス
<処方例5(比較処方例)>
・化合物1 NaOH中和物(中和度 100%) 20 重量%
・EDTA・4Na 5 重量%
・イオン交換水 バランス
【0054】
【表2】
【0055】
実施例2
実施例1で調製した処方例1〜5の農薬用効力増強剤組成物(以下、有効成分と略記する)を、それぞれ 0.2重量%の希釈液となる様にイオン交換水に溶解させた。得られた 0.2重量%希釈液を用いて、市販の除草剤であるタッチダウン液剤(グリホサートトリメシウム塩として有効分38重量%)、バスタ液剤(グルホシネート18.5重量%)の各々について、タッチダウン液剤は100 倍、バスタ液剤は200 倍希釈を行い、1つの有効成分につき2種の農薬組成物を得た。
【0056】
温室試験のために水田より採土した肥沃土と川砂と市販の培養土を7:2:1(重量比)で混合した土を入れた内径12cmのポットにイヌビエの種子を蒔き発芽させる。ポット間の個体の均一性を高めるため、発育が異常なポットは廃棄する。メヒシバの草丈が35cm程度に成長したポットを試験に用いた。農薬組成物は、スプレーガン(岩田塗装機工業 (株) 製、RGタイプ)を用い、タッチダウン液剤は5リットル/アール、バスタ液剤は10リットル/アールに相当する割合でポット中のイヌビエ全体に均一にかかるように噴霧し、殺草効力を評価した。
【0057】
殺草効力の評価は、地上部生重量を散布処理後14日目に量り、無処理区の地上部生重量を基準とした殺草百分率で示した(下記式参照)。
【0058】
【数1】
【0059】
各農薬組成物の殺草率を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
* 試験期間中の無処理区の植物育成状態には何ら問題がなかった。
【0062】
実施例3
カンザワハダニメス成虫を、インゲンのリーフディスクに1区30匹、3反復にてうえ付けた後、24Hr25℃にて培養した。その後リーフディスク全体を試験溶液に5秒間浸漬させ、試験溶液から取り出して25℃で48時間放置後に観察し、殺ダニ率を無処理の場合を基準にして求めた(下記式参照)。殺ダニ剤としてはオサダン水和剤25(酸化フェンブタスズとして有効分25重量%)の2000倍希釈液を用い、農薬用効力増強剤は実施例1で用いたものと同じものを使用した。農薬用効力増強剤の有効成分の希釈液中の濃度が 0.1重量%になるように調製した。また、効力増強剤を使用しない場合についても同様に行なった。結果を表4に示す。
【0063】
【数2】
【0064】
【表4】
【0065】
実施例4
ウンカの3齢幼虫を培養し、1区10頭、3連制にて、ディッピング法にて、殺虫剤の効力検定を行った。殺虫率は殺ダニ率と同様に求めた。市販の殺虫剤であるスミチオン乳剤(MEP として有効分50重量%)の2000倍希釈液を用い、農薬用効力増強剤は実施例1で用いたものをその希釈液中の濃度が0.1 重量%になるように使用した。その結果を表5に示す。
【0066】
【表5】
【0067】
実施例5
殺菌剤抵抗性菌であるキュウリ灰色カビ病菌(Botrytis cinerea)の胞子懸濁液(107 個/ml)をキュウリの幼苗(本葉3葉展開中)に1ポット当り10mlずつ散布し、25℃、90%相対湿度下に1日間静置した。
【0068】
その後市販の殺菌剤であるベンレート水和剤(ベノミルとして有効分50重量%)を実施例1で用いた有効成分の2500倍希釈溶液にて2000倍に希釈してから1ポットあたり5mlずつ散布した。その後25℃、85%相対湿度下に静置し、病斑数を数え、無処理区に対する防除価を以下の計算式により算出した。結果を表6に示す。
【0069】
【数3】
【0070】
【表6】
【0071】
実施例1は本発明の農薬用効力増強剤を用いた製剤の安定性を示し、実施例2〜5は本発明の農薬用効力増強剤の効力を、一般式(I) で表される化合物の100 %中和物の比較した試験を示す。表2から明らかなように、中和度を特定範囲とすることにより非常に製剤安定性の良好な組成物が得られる。また、表3〜6から明らかなように、中和度を本発明で規定する範囲としても、100 %中和物と同等の農薬の効力増強剤効果が得られる。
【0072】
実施例6
下記処方例にて農薬用効力増強剤組成物を調製し、実施例1と同様の保存安定性試験を行った。ただし、保存条件は5℃、3日間とした。その結果を表7に示す。
<処方例1>
・化合物1 NaOH中和物(中和度60%) 10〜40重量%(表7)
・シュウ酸カリウム 5重量%
・イオン交換水 バランス
【0073】
【表7】
【0074】
○:透明液体
×:ゲル化
Claims (11)
- 一般式(I)で表される化合物の中和度5〜95%の中和物と、キレート剤とを含有する農薬用効力増強剤組成物。
R1-(AO)n-OR2-COOH (I)
〔式中、
R1:炭素数6〜20の直鎖もしくは分岐アルキル基、炭素数6〜20の直鎖もしくは分岐アルケニル基又は炭素数6〜18のアルキル基を有するアルキルフェニル基を示す。
R2:炭素数1〜4のアルキレン基を示す。
A :炭素数2〜4のアルキレン基を示す。
n:平均で1〜30の数を示す。〕 - 前記一般式 (I) で表される化合物の前記中和物の総量1モルに対して 0.05 〜 15 倍モルのキレート剤を含有する請求項1記載の農薬用効力増強剤組成物。
- 一般式(I)で表される化合物のA が炭素数2もしくは3のアルキレン基又はその混合である請求項1又は2記載の農薬用効力増強剤組成物。
- 一般式(I)で表される化合物のnが平均で1〜15の数である請求項1〜3の何れか1項記載の農薬用効力増強剤組成物。
- 一般式(I)で表される化合物のR2が炭素数1又は2のアルキレン基である請求項1〜4の何れか1項記載の農薬用効力増強剤組成物。
- 一般式(I)で表される化合物のR1が炭素数8〜16の直鎖もしくは分岐アルキル基又は炭素数8〜16の直鎖もしくは分岐アルキレン基である請求項1〜5の何れか1項記載の農薬用効力増強剤組成物。
- 前記一般式 (I) で表される化合物の前記中和物以外の界面活性剤の1種以上を含有する請求項1〜5の何れか1項記載の農薬用効力増強剤組成物。
- 界面活性剤が非イオン性界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤から選ばれる1種以上である請求項7記載の農薬用効力増強剤組成物。
- 前記一般式(I)で表される化合物の前記中和物(イ)と、これ以外の界面活性剤(ロ)の併用割合が、(イ)/(ロ)=1/10〜30/1(重量比)である請求項7又は8記載の農薬用効力増強剤組成物。
- 請求項1〜9の何れか1項記載の農薬用効力増強剤組成物と農薬原体を含有してなり、当該農薬用効力増強剤組成物中の一般式(I)で表される化合物の前記中和物と農薬原体の重量比が、〔一般式(I)で表される化合物の前記中和物〕/〔農薬原体〕=0.03〜50である農薬組成物。
- 農薬原体が、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び植物成長調節剤各々の有効成分から選択される請求項10記載の農薬組成物。
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