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JP3995704B1 - 飲料水製造用水処理システム及びその運転方法 - Google Patents

飲料水製造用水処理システム及びその運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】海水を淡水化可能であり、かつ、高機動車に搭載できるほど小型である飲料水製造用水処理システム及びその運転方法を提供すること。
【解決手段】本発明の飲料水製造用水処理システムは、運転停止時に後段RO膜装置(低圧RO膜装置)の透過水を前段RO膜装置(高圧RO膜装置)の出口側へと逆流させるため、サックバックタンクを不要とした。また、直列方向に配置した前段RO膜装置及び後段RO膜装置に、1台の加圧ポンプを用いてMF膜分離装置又はUF膜分離装置の処理水を供給するため、RO膜処置のための複数の加圧ポンプは不要である。これにより、高機動車にも搭載可能な程度にシステムを小型化された。
【選択図】図1

Description

本発明は、河川水、湖沼水等の淡水又は海水を原水として、精密ろ過膜(MF膜)分離装置又は限外ろ過膜(UF膜)分離装置と、前段(1段目)の逆浸透膜(RO膜)装置及び後段(2段目)の逆浸透膜(RO膜)装置とを用いて膜分離処理を行い、飲料水を製造するための水処理システムに関する。
MF膜又はUF膜は、微粒子等の除去性能が高いため、原水中に含まれる微細な固形物、懸濁物質、微生物等を分離する固液分離手段として使用される。また、このMF膜を組み込んだMF膜分離装置又はUF膜を組み込んだUF膜分離装置は、操作が簡便であることから、医薬、化学、半導体等の分野的で工業的に広く利用されている。
また、RO膜は、水中の塩類、有機物質(トリハロメタン、農薬等)、微細粒子(生菌、死菌、ウイルス等)を安定かつ活効率的に除去できるため、超純水製造から海水淡水化まで広い範囲で利用されている。例えば、医薬品、半導体の分野において、注射用水、超純水等の製造に利用されている。
RO膜は、非常に微細な細孔を有しているため、原水(例えば、工業用水)を、まずMF膜分離装置又はUF膜分離装置を用いて前処理し、それらの処理水をRO膜分離装置で膜分離処理することが一般的である。
ここで、地震、津波等の災害時に飲料水を製造するため、被災地の原水を浄化する浄化装置として、長毛ろ過装置と珪藻土ろ過装置を用いる車載型の移動式浄水装置が、特許文献1に開示されている。
また、RO膜を用いる海水淡水化装置と、UF膜を用いる汚濁淡水の浄化装置等を備える車両搭載型清水製造装置が、特許文献2に開示されている。
また、回転するろ過筒を通じてろ過を行う第一ろ過器と、MF膜又はRO膜処理を行う第二ろ過器と、RO膜を用いて純水を得る第三ろ過器とを備える移動式浄水設備が、特許文献3に開示されている。
また、直列方向に2段に接続された逆浸透膜装置によって海水を高収率で換水か処理する処理方法が、特許文献4に開示されている。
実公昭62−9997号公報 特開平9−141261号公報 特開平8−71567号公報 特開2005−246158号公報
しかし、特許文献1に開示される移動式浄水装置は、細菌、ウイルス、塩類、重金属類、農薬等の化学物質を除去することができず、原水の濁度が高い場合には、珪藻土ろ過器を頻繁に手動で逆流洗浄しなければならないという欠点があった。
また、特許文献2及び特許文献3に開示される移動式浄水設備は、原水タンクや凝集剤を添加した原水を貯留するタンクを有するため、大型車両でなければ浄水設備を搭載することが困難である。
また、特許文献4に開示される海水淡水化装置では、2段に接続されたRO膜装置のそれぞれに加圧ポンプが必要である。さらに、装置を停止する際に、前段のRO膜装置内に濃縮された高濃度海水が溜まり、RO膜にカルシウム塩等が析出することを防止するために、前段のRO膜装置の透過水を前段のRO膜装置内に給水するためのサックバックタンクも必要となる。このため、特許文献4に開示される海水淡水化装置も大型車両でなければ搭載することが困難である。
その一方、地震等の被災地では道路等が陥没したり、道路にはがれき等の障害物があり、従来のトラック等の大型車両では走行できない箇所がある。このような場合、被災地での浄水の供給ができなくなるため、多少の悪路でも走行可能な小型で機動性の高い高機動車と呼ばれる小型車両の利用が検討されている。
しかし、高機動車の荷台寸法は、縦2070mm×横2000mm×高さ1175mm程度であり、一般的な大型車両の荷台寸法である縦4500mm×横2990mm×高さ2080mmと比較すると、浄水設備のスペースが非常に限られることが大きな問題である。
ここで、原水が河川水や湖沼水といった淡水の場合には、MF膜分離装置又はUF膜分離装置で原水を処理した後、1台のRO膜装置で処理すれば飲料水として利用することができる。しかし、原水が海水の場合には、MF膜分離装置又はUF膜分離装置の処理水をRO膜装置(1段目のRO膜装置)で処理した後、さらにもう1台のRO膜装置(2段目のRO膜装置)で処理しなければ飲料水として利用することができない。
災害地で採取できる原水は、淡水の場合もあれば海水の場合もあるため、移動式の飲料水製造システムは、海水も処理できるものであることが好ましいが、海水を処理するためには特許文献4に開示されている装置のように、サックバックタンクやRO膜処理のための複数の加圧ポンプが必要となる。このため、海水に対応可能な飲料水製造システムは、淡水専用の飲料水製造システムよりも、高機動車に搭載するスペース的な余裕がさらに少ない。
本発明は、海水の原水を淡水化可能であり、かつ、高機動車に搭載できるほど小型である飲料水製造用水処理システム及びその運転方法の提供を目的とする。
本発明の飲料水製造用水処理システム及びその運転方法は、運転停止時に低圧RO膜装置の透過水(飲料水)を高圧RO膜装置の出口側経路へと逆流させるため、サックバックタンクが不要であることを特徴とする。
また、直列方向に配置した前段RO膜装置及び後段RO膜装置に、1台の加圧ポンプを用いてMF膜分離装置又はUF膜分離装置の処理水を供給するため、RO膜処理のための複数の加圧ポンプは不要であることも特徴とする。
具体的に、本発明は、
MF膜又はUF膜を用いた膜分離装置と、
前段RO膜装置と、
後段RO膜装置とを備え、
膜分離装置の処理水を前段RO膜装置及び後段RO膜装置で順次処理する飲料水製造用水処理システムであって、
膜分離装置の処理水は加圧ポンプによって前段RO膜装置の入口に供給され、前段RO膜装置の透過水出口はタンク及びポンプを介することなく後段RO膜装置の入口に接続され、
後段RO膜装置の透過水出口下流にある透過水側経路、吸着装置又は飲料水貯水タンクのいずれかが前段RO膜装置の透過水出口側経路へと接続されていることを特徴とするシステムに関する(請求項1)。
また、本発明は、
MF膜又はUF膜を用いた膜分離装置と、
前段RO膜装置と、
後段RO膜装置とを備え、
膜分離装置の処理水を前段RO膜分離装置及び後段RO膜装置で順次処理する飲料水製造用水処理システムの運転方法であって、
運転時には、膜分離装置の処理水を加圧ポンプによって前段RO膜装置の入口に供給し、前段RO膜装置の透過水をタンク及びポンプを介することなく後段RO膜装置の入口に供給し、後段RO膜装置の透過水出口から後段RO膜透過水を得、
運転停止時には加圧ポンプ停止時に、後段RO膜装置の透過水出口下流にある透過水側経路透過水出口側経路、吸着装置又は飲料水貯水タンクのいずれかに存在する後段RO膜装置の透過処理水を、後段RO膜装置を介することなく前段RO膜装置の透過水出口側へと流入させることを特徴とする飲料水製造用水処理システムの運転方法に関する(請求項5)。
本発明の飲料水製造用水処理システム及びその運転方法は、海水を原水とした場合であっても飲料水を製造することができるように、2台のRO膜装置(前段RO膜装置及び後段RO膜装置)が直列方向に接続されている。このため、1台の加圧ポンプで膜分離装置の処理水を前段RO膜装置及び後段RO膜装置に供給することが可能であり、前段RO膜装置と後段RO膜装置との間に、後段RO膜装置専用の加圧ポンプが不要である。
また、後段逆浸透膜装置の透過水出口下流にある透過水側経路、吸着装置又は飲料水貯水タンクのいずれかが前段RO膜装置の透過水出口側経路へと接続されているために、システムの運転を停止した場合には後段RO膜装置の透過水出口側経路、吸着装置又は飲料水貯水タンク内の飲料水(淡水)を前段RO膜装置へとサックバックさせることが可能である。このため、前段RO膜装置と後段RO膜装置との間に、前段RO膜装置の透過水を貯蔵するサックバックタンクが不要であり、システム全体の構成を小型化及び簡略化することが可能となる。
前段RO膜装置の供給水圧は6MPa以上8MPa以下であり、後段RO膜装置の供給水圧は1MPa以上2MPa以下であることが好ましい(請求項2,6)。
1台の加圧ポンプで膜分離装置の処理水を前段RO膜装置及び後段RO膜装置に供給するためには、前段RO膜装置の供給水圧を6MPa以上とすることによって、後段RO膜装置の供給水圧を1MPa以上とすることが好ましい。一方、前段RO膜装置の供給水圧を高くするほど加圧ポンプが大型化せざるを得ず、設置スペースが拡大し、消費電力も大きくなってしまう。このため、前段RO膜装置の供給水圧を8MPa以下とし、後段RO膜装置の供給水圧を2MPa以下とすることが実用的である。
加圧ポンプの前にブースターポンプを設置することが好ましい(請求項3,7)。
ブースターポンプは、加圧ポンプのキャビテーションを防止するために、加圧ポンプ吸込側を加圧するものである。加圧ポンプのキャビテーションを防止するためには、ブースターポンプで0.1MPa以上に昇圧することが好ましい。
膜分離装置で処理する前に、原水をフィルターろ過してもよい(請求項3,8)。
原水をフィルターろ過して懸濁物を除去すれば、MF膜又はUF膜の目詰まりを防止して、長期間安定して飲料水の製造が可能となる。また、フィルターろ過は、長毛ろ過器と比較して設置スペースが小さく、原水濁度に応じて様々な平均孔径を有するフィルターを選択することもできるという利点もある。
本発明の飲料水製造用水処理システム及びその運転方法は、加圧ポンプが1台で足り、サックバックタンクも省略したことにより、設置スペースが従来の海水対応車載型飲料水製造システムよりも小型化及び省電力化できる。また、開放系であるサックバックタンクを省略したことにより、飲料水がシステム内部で汚染される危険性も減少することができる。
以下に、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、これらに限定されるものではない。
海水を淡水化する、従来の飲料水製造用水処理システムの一例を、図2に示す。この水処理システムでは、まず揚水ポンプ31によって原水を経路32へと吸水し、長毛ろ過器33によって前処理することにより、原水中の懸濁物質を除去する。
次に、長毛ろ過器33の処理水は、経路34に設置されたろ過ポンプ35によって加圧(0.2MPa程度)され、MF膜分離装置36の供給水入口へと供給される。なお、ここではMF膜分離装置36を使用しているが、UF膜分離装置を使用する場合もある。
MF膜分離装置36の処理水(透過水)は、透過水出口側の経路37を経てMF膜処理水タンク38に貯水される。さらに、経路39に設置された1段目加圧ポンプ40によって加圧され(5〜7MPa程度)、前段RO膜装置(ここでは、高圧RO装置)41の供給水入口へと供給される。
高圧RO膜装置41の透過水は、透過水出口側の経路42を経て、サックバックタンク43に貯水される。次に、サックバックタンク43内の透過水は、経路44に設置された2段目加圧ポンプ45によって加圧され(1〜2MPa程度)、後段RO膜装置(ここでは、低圧RO装置)46の供給水入口へと供給される。
そして、後段RO膜装置46の透過水は、透過水出口側の経路47から飲料水(浄水)として流出する。このとき、図2に示すように、経路47には、活性炭吸着装置48を設置し、浄水を吸着処理することが多い。
図2に示す飲料水製造用水処理システムでは、加圧ポンプが2台とサックバックタンクがあるため、システムを高機動車に搭載するにはスペース的に無理があった。また、消費電力も多く、高機動車だけで電力を供給するには不安があった。
次に、本発明の飲料水製造用水処理システムの一例を、図1に示す。この水処理システムでは、まず揚水ポンプ1によって原水を経路2へと吸水し、プレフィルター(簡易フィルター)3によって前処理することにより、原水中の懸濁物質を除去する。
プレフィルター3の処理水は、経路4に設置されたろ過ポンプ5によって加圧され(0.2MPa程度)、MF膜分離装置6の供給水入口へと供給され、さらに経路7を経てMF膜処理水タンク8に貯水される。なお、MF膜分離装置6の代わりにUF膜分離装置を使用してもよい。
MF膜処理水タンク8内の処理水は、経路9に設置されたブースターポンプ10によって0.3MPa程度に加圧され、さらに加圧ポンプ11によって6MPa以上8MPa以下の圧力に加圧されて、前段RO膜装置(ここでは、高圧RO装置)14の供給水入口に供給される。
そして、前段RO膜装置14の透過水は、経路15を経て後段RO膜装置(ここでは、低圧RO装置)17の供給水入口に供給される。このとき、経路15内の透過水は、1MPa以上2MPa以下の水圧に維持されているため、加圧ポンプを別途使用せずに直接後段RO膜装置17に供給することができる。
後段RO膜装置17の透過水は、透過水出口側の経路18から飲料水(浄水)として流出する。このとき、経路18には、活性炭吸着装置20を設置し、浄水を吸着処理することが好ましい。
前段RO膜装置14及び後段RO膜装置17の濃縮水は、経路21及び経路22からそれぞれ系外へと排出される。前段RO膜流量調整弁23及び後段RO膜流量調整弁24の開度を調整することにより、前段RO膜装置14及び後段RO膜装置17の濃縮水量及び透過水量を調整することができる。
経路18には、サックバック経路25が接続しており、システムの運転を停止した場合(ポンプはすべて停止)には、後段RO膜装置17の透過水が経路25から経路15、さらに前段RO膜装置14の透過水出口側へと逆流させることができるため、経路18及び活性炭吸着装置20内の透過水(淡水)をサックバック水として利用することができる。なお、サックバック経路25は活性炭吸着装置20の透過水出口側配管下流や、さらにその下流に設置された飲料水貯水タンク(図示せず)に接続してもよい。
(起動方法)
ここで、本発明の飲料水製造用水処理システムの運転方法について説明する。システム起動時には、まず、前段RO膜流量調整弁23及び後段RO膜流量調整弁24を全開にし、サックバック水給水弁26を全閉にする。
次に、ブースターポンプ10を起動する。加圧ポンプ入口側圧力スイッチ12が規定値(例えば、0.05MPa)以上の圧力を検知すると、加圧ポンプ11を起動する。
前段RO膜供給水流量計13の指示値に基づいて加圧ポンプ11の回転数を制御し、前段RO膜装置14への供給水量を調整する。前段RO供給水流量計13の指示値は、前段RO膜装置14の必要供給水量(必要前段RO処理水量/RO回収率×100)を目標値とすることが好ましい。例えば、必要前段RO処理水量が2m3/h、RO回収率が50%である場合、前段RO膜装置14の必要供給水量(目標値)は、4m3/hとすることが好ましい。前段RO供給水流量計13の指示値が目標値未満となれば、加圧ポンプ11の回転数を上げて指示値が4m3/hとなるように制御する。また、前段RO供給水流量計13の指示値が目標値を超えれば、回転数を下げて指示値が4m3/hになるように制御し、前段RO膜装置14への供給水量を調整する。
また、前段RO膜透過水流量計16の指示値に基づいて前段RO膜流量調整弁23の開度を調整し、前段RO膜装置14の透過水量を調整する。すなわち、前段RO透過水流量計16の指示値が目標値(前段RO膜装置14の必要処理水量)未満となれば、前段RO膜装置流量調節弁23を閉じて指示値が目標値となるように制御する。また、前段RO透過水流量計の指示値が目標値を超えれば、前段RO膜装置流量調節弁23を開いて指示値が目標値となるように制御し、前段RO膜装置14の透過水量を調整する。なお、海水を処理する場合、前段RO膜装置8のRO回収率は、40%〜60%の範囲に調整することが好ましく、淡水を処理する場合には、前段RO膜装置8のRO回収率は、60%〜90%の範囲に調整することが好ましい。
前段RO膜透過水流量計16の指示値が目標値(前段RO膜装置14の必要処理水量:例えば、2m3/h)の所定割合(25〜30%以上、好ましくは、30%以上)になれば、後段RO膜透過水流量計19の指示値に基づいて後段RO膜流量調整弁24の開度を調整し、後段RO膜装置17の透過水量を調整する。すなわち、前段RO膜透過水流量計16の指示値が目標値の30%(例えば、0.6m3/h)となった段階で、後段RO透過水流量計19の指示値に基づく後段RO膜流量調節弁24の開度制御を開始する。
後段RO透過水流量計19の指示値が目標値(後段RO膜装置17の必要処理水量:例えば、1.6m3/h)未満となれば、後段RO膜装置流量調節弁24を閉じて指示値が目標値(後段RO膜装置17の必要処理水量:例えば、1.6m3/h)となるように制御する。また、後段RO透過水流量計19の指示値が目標値(後段RO膜装置17の必要処理水量:例えば、1.6m3/h)を超えれば、後段RO膜装置流量調節弁24を開いて指示値が目標値(後段RO膜装置17の必要処理水量:例えば、1.6m3/h)の100%となるように制御し、後段RO膜装置17の透過水量を調整する。
流量制御を安定させるためには、後段RO膜透過水流量計19の指示値を先に目標値(後段RO膜装置17の必要処理水量:例えば、1.6m3/h)で安定させた後に、前段RO膜透過水流量計16の指示値を目標値(前段RO膜装置14の必要処理水量:例えば、2m3/h)に安定させる。また、後段RO透過水量計19は前段RO透過水量計16の変動の影響を受けるため、前段RO透過水量計16の応答を遅くして、ゆっくり目標値(前段RO膜装置14の必要処理水量)に近づける。一方、後段RO透過水量計19は応答を早くし、前段RO透過水量の変動に追随させる。なお、後段RO膜装置13のRO回収率(後段RO膜装置17の処理水量/後段RO膜装置17の供給水量×100)のは、60%〜90%の範囲に調整することが好ましい。
(停止方法)
次に、システム停止時には、前段RO膜流量調整弁23、後段RO膜流量調整弁24及びサックバック水給水弁26を全開にし、加圧ポンプ11、ブースターポンプ10の順に停止させる。これにより、加圧ポンプ11を停止した際に起こる前段RO膜装置14へのサックバック現象により、後段RO膜透過水をサックバック水として前段RO膜装置14の透過水出口側に流入させて、前段RO膜装置14のRO膜の破損を防止することができる。そして、サックバック現象が終了するのを確認するのに必要な一定時間(10分間程度)経過後、前段RO膜流量調整弁23、後段RO膜流量調整弁24及びサックバック水給水弁26を全閉にしてシステム停止する。また、システムを再起動する時は、上記のシステム起動方法に従い、運転する。
なお、図1に示した飲料水製造用水処理が、淡水を原水として飲料水を製造できることはいうまでもなく、原水が淡水の場合、前段RO膜装置8のRO回収率は、60%〜90%の範囲に調整することが好ましい。
本発明の飲料水製造用水処理システム及びその運転方法は、災害地や飲料水供給設備を持たない地域に派遣される高機動車等の車両に搭載可能な水処理システム及びその運転方法として有用である。
本発明の飲料水製造用水処理システムの一例を示すフロー図である。 従来の飲料水製造用水処理システムの一例を示すフロー図である。
符号の説明
1,31:揚水ポンプ
2,32:経路
3:プレフィルター(簡易フィルター)
4,34:経路
5,35:ろ過ポンプ
6,36:MF膜分離装置(又はUF膜分離装置)
7,37:経路
8,38:MF膜処理水タンク(又はUF膜処理水タンク)
9,39:経路
10:ブースターポンプ
11:加圧ポンプ
12:加圧ポンプ入口側圧力スイッチ
13:前段RO膜供給水流量計(高圧RO膜供給水流量計)
14,41:前段RO膜装置(高圧RO膜装置)
15,42:経路
16:前段RO膜透過水流量計(高圧RO膜透過水流量計)
17,46:後段RO膜装置(低圧RO膜装置)
18,47:経路
19:後段RO膜透過水流量計(低圧RO膜透過水流量計)
20,48:活性炭吸着装置
21,22:濃縮水排水経路
23:前段RO膜流量調整弁(高圧RO膜流量調整弁)
24:後段RO膜流量調整弁(低圧RO膜流量調整弁)
25:サックバック系路
26:サックバック水給水弁
33:長毛ろ過器
40:1段目加圧ポンプ
43:サックバックタンク
45:2段目加圧ポンプ

Claims (8)

  1. 精密ろ過膜又は限外ろ過膜を用いた膜分離装置と、
    前段逆浸透膜装置と、
    後段逆浸透膜装置とを備え、
    膜分離装置の処理水を前段逆浸透膜装置及び後段逆浸透膜装置で順次処理する飲料水製造用水処理システムであって、
    膜分離装置の処理水は加圧ポンプによって前段逆浸透膜装置の入口に供給され、前段逆浸透膜装置の透過水出口はタンク及びポンプを介することなく後段逆浸透膜装置の入口に接続され、
    後段逆浸透膜装置の透過水出口下流にある透過水側経路、吸着装置又は飲料水貯水タンクのいずれかが前段逆浸透膜装置の透過水出口側経路へと接続されていることを特徴とする飲料水製造用水処理システム。
  2. 前段逆浸透膜装置の供給水圧が6MPa以上8MPa以下であり、後段逆浸透膜装置の供給水圧が1MPa以上2MPa以下である請求項1に記載の飲料水製造用水処理システム。
  3. 加圧ポンプの前にブースターポンプを設置する請求項1又は2に記載の飲料水製造用水処理システム。
  4. 膜分離装置で処理する前に、原水をフィルターろ過する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の飲料水製造用水処理システム。
  5. 精密ろ過膜又は限外ろ過膜を用いた膜分離装置と、
    前段逆浸透膜装置と、
    後段逆浸透膜装置とを備え、
    膜分離装置の処理水を前段逆浸透膜分離装置及び後段逆浸透膜装置で順次処理する飲料水製造用水処理システムの運転方法であって、
    運転時には、膜分離装置の処理水を加圧ポンプによって前段逆浸透膜装置の入口に供給し、前段逆浸透膜装置の透過水をタンク及びポンプを介することなく後段逆浸透膜装置の入口に供給し、後段逆浸透膜装置の透過水出口から後段逆浸透膜透過水を得、
    運転停止時には、後段逆浸透膜装置の透過水出口下流にある透過水側経路、吸着装置又は飲料水貯水タンクのいずれかに存在する後段逆浸透膜装置の透過水を、前段逆浸透膜装置の透過水出口側へと流入させることを特徴とする飲料水製造用水処理システムの運転方法。
  6. 前段逆浸透膜装置の供給水圧が6MPa以上8MPa以下であり、後段逆浸透膜装置の供給水圧が1MPa以上2MPa以下である請求項5に記載の飲料水製造用水処理システムの運転方法。
  7. 加圧ポンプの前に原水をブースターポンプにより加圧する請求項5又は6に記載の飲料水製造用水処理システムの運転方法。
  8. 膜分離装置で処理する前に、原水をフィルターろ過する請求項5乃至7のいずれか1項に記載の飲料水製造用水処理システムの運転方法。
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