JP3993939B2 - 剤収納容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置において使用するトナー、現像剤を収納する剤収納容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記形式の画像形成装置においては、トナー濃度等を検知して現像装置内におけるトナーとキャリアとの混合比を一定に保つようにトナーを補給し、画像濃度を制御している。このため、現像装置を有するユニット内もしくはその近傍にトナーボトルやカートリッジ等のトナー収納容器を配置し、そのトナー収納容器から直接またはトナーホッパを介して使用により消費されたトナー量を現像装置内へ補給するように構成している。この場合、トナー収納部から現像装置へのトナーの移送・補給はスクリューやバドル等の機械的オーガ手段により行っていた。
【0003】
しかしながら、上記した機械的オーガ手段によってトナー補給する場合、スクリューがほぼ直線状にしか配置等により、トナー収納部やトナー補給装置は現像装置と一体または非常に近接した位置に設置せざるを得なかった。このたため、トナー補給装置の構成が複雑となり、コスト高、低生産性、機械メンテナンス性を阻害し、トナー品質特性の保護、維持の確保も大変で、なおかつユーザーのトナー収納容器交換作業の操作性にも難があった。
【0004】
また、従来のトナー収納容器はカートリッジ、ボトルといったハードボトルで作られているために、トナー収納容器の交換に伴う使用済み容器の廃棄に大きな課題を生じていた。すなわち、使用済みトナー収納容器はユーザー先からメーカーが引き取り、再生、再利用、焼却処理が行われるが、該容器は容量が嵩み、回収するまでの物流コストに高額を要していた。
【0005】
さらに回収されたトナー収納容器の再使用を図る場合、その容器の洗浄作業も困難で、かつトナー充填効率も難があり、トナー収納容器の再使用化に要するコストも高額となっていた。
なお、従来においてもトナー収納容器の容積が減容可能となるものの提案がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、容積が減容可能なトナー収納容器は該容器からトナー補給装置を用いて補給する際、補給性能を安定して維持することができなかった。また、運搬時にのみ減容可能な容器を使用することも提案されているが、この場合もハードボトルやトナーホッパーにトナーを移し替えるときに、トナー飛散等による汚染を招く等の問題が解決されておらず、実用化に至っていないのが現状である。
【0007】
本発明は、上記した従来の問題を解消し、容積が減容可能なトナー収納容器であっても補給性能を安定して維持することができ、しかも該容器から直接現像装置に剤の補給が可能な剤収納容器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、トナーまたはトナーとキャリアを混合してなる現像剤を収納し、エアーポンプによる内部への空気の吐出動作と吸い込み型のスクリューポンプによる吸引動作とに応じて該トナー又は現像剤の排出量が制御されつつ排出される剤収納容器において、密閉構造をなすフレキシブルな剤収納容器本体の一端には、前記スクリューポンプと連通して収納したトナーまたは現像剤を排出するための剤排出用口金部材が設けられてあり、前記容器本体の他端には、前記エアーポンプによって空気が供給される空気供給用口金部材が設けられてあり、前記エアーポンプが吐出する空気によってトナー又は現像剤が流動化しながら前記剤排出用口金部材の近くまで移送されるように、前記剤排出用口金部材には剤排出用の穴とフィルタで覆われた空気排出用の穴とが設けられてあることを特徴とする剤収納容器を提案する。
【0009】
なお、本発明は、前記剤排出用口金部材と前記空気供給用口金部材の少なくとも一方に、剤排出または空気流入を規制する弁が設けられていると、効果的である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る剤補給装置の構成図、図2は現像装置の一部を示す断面図である。
【0014】
図1において、本実施形態の剤補給装置は現像装置10にトナーを補給するものであって、トナーを収納した剤収納容器としてのトナー収納容器20、該トナー収納手段に収納されたトナーを現像装置10に移送するための剤移送手段としてのトナー移送手段40とを有している。
【0015】
現像装置10には、図1および図2に示すように、像担持体としての感光体1に対向配置された現像スリーブ11と、第1攪拌スクリュー12、第2攪拌スクリュー13とが備えられている。現像装置10内での現像剤は、第1攪拌スクリュー12によって図2の左から右へ搬送され、第2攪拌スクリュー13によって右から左へ搬送されるようにして循環される。この循環の間に搬送路の途中で現像スリーブ11に移送された現像剤のトナーにより感光体1上に形成された静電潜像を現像する。
【0016】
この現像装置10には、図2に明示するように、装置の手前側端部において第1攪拌スクリュー12と対応する位置にトナー受け入れ口14が設けられ、トナー受け入れ口14には接続部材15が取り付けられ、この接続部材15に移送部材としてのチューブ16が脱着可能に連結されている。接続部材15の一部には空気フィルター17が設けられ、トナーとエアー流の混合気中のエアーのみを現像装置から脱気し、トナー補給時の接続部材15および現像装置10からのトナー飛散を防止している。
【0017】
上記トナー収納容器20は、現像装置10と別体のユニットとして構成されていて、画像形成装置本体内の適宜な位置に配設されている。このトナー収納容器20から現像装置10までの間には、上記トナー移送手段40が設けられており、トナー移送手段40と現像装置10の間は上記チューブ16によって連結され、トナー収納容器20とトナー移送手段40の間は移送部としてのチューブ19によって連結されている。
【0018】
図3は、トナー移送手段40の断面図であり、このトナー移送手段40は従来公知の通称モーノポンプと呼ばれる、吸い込み型の一軸偏芯スクリューポンプ41を用いている。スクリューポンプ41の構成は、金属などの剛性をもつ材料で偏芯したスクリュー形状に作られたロータ42と、ゴム等の弾性体で作られた2条スクリュー形状に作られ、固定されて設置されるステータ43と、これらを包み、かつ粉体の搬送路を形成する樹脂材料などで作られたホルダ44とを有している。上記ロータ42は、図示していない駆動源と駆動連結された歯車45及び軸継ぎ手46を介して回転駆動される。ロータ42の回転により、ポンプに強い自吸力が生じ,ホルダ44先端の吸い込み部からトナーを吸い込み、吸い込んだトナーを軸継ぎ手46の近傍の排出部から送り出すことが可能となる。また、トナー移送手段40には図示していないエアーポンプから管48を介してエアーが供給され、そのエアーにより送り出すトナーの流動化が促進され、スクリューポンプ41によるトナー移送が確実なものとなる。なお、吸引型スクリューポンプ41は専用モータもしくは画像形成装置内のメインモータとクラッチ(図示せず)を介してその駆動が上記歯車45に伝達して作動され、そしてその駆動が制御される。
【0019】
このように構成される1軸偏芯スクリューポンプ41は、高い固気比で連続定量移送が可能であって、ロータ42の回転数に比例した正確なトナーの移送量が得られることが知られている。したがって、トナーの移送量の制御はスクリューポンプの駆動時間を制御すればよい。また、1軸偏芯スクリューポンプ41の排出部に接続したチューブ16および吸い込み部に接続したチューブ19は例えば直径4〜10mmのフレキシブルなチューブで、耐トナー性に優れたゴム材料(例えば、ポリウレタン、ニトリル、EPDM、シリコン等)から作られているものを用いることがきわめて有効であり、フレキシブルなチューブを用いれば、トナーを高位置や上下左右の任意方向へ自由に移送することができる。しかも、スクリューポンプ41は移送するトナーに無用なストレスを与えることがなく、これから使用するトナーの移送にきわめて有利なものである。
【0020】
なお、トナー移送手段40はユニット化することが有利であり、ユニット化されたトナー移送手段40は生産、機械メンテナンスが容易になる。
図4は、本発明に係る剤収納容器の一実施形態を示す部分断面図である。
【0021】
図4において、トナー収納容器20は袋状に形成された容器本体としての袋体21を有し、その上部にはトナー排出部22と空気供給部30とが設けられている。このトナー収納容器21のトナー排出部22にはトナーガイド口金部材23が、そして空気供給部30には空気供給用口金部材31がそれぞれ超音波等により溶着されて一体的に結合されている。さらに、袋体21はポリエチレンやナイロン等の樹脂製で、80〜120μm程度の厚味を持ったフレキシブルなシートを単層または複層の構成にして作られており、この袋体21も超音波等によってその周辺部が溶着されて密閉構造となっている。なお、袋体21を構成するシートの表面にアルミ蒸着処理することは静電気対策に有効である。また、トナーガイド口金部材23や空気供給用口金部材31もポリエチレンやナイロン等の樹脂製にすることができ、袋体21と同一材に設定すれば、リサイクルするのに好都合である。そして、袋体21にはその上部においてトナー排出部22と空気供給部30の間に仕切部材24が設けられ、仕切部材24は上部から下方へ向かって延び、袋体21の低部近くまで達して2つの室を形成している。この仕切部材24の下端と袋体21の底部までの開放部分が2つの室をつなげる連通部26である。
【0022】
上記トナーガイド口金部材23には、パイプ状に形成されたトナー排出口25が設けられ、このトナー排出口25の上部には蓋部材50が取り付けられ、トナー排出口が閉じられている。さらに、トナーガイド口金部材23にはネジ部27が形成され、このネジ部27にはキャップ28が螺合されている。このキャップ28はトナー排出口25をシールするためのもので、工場出荷時に取り付けられ、トナー飛散や変質を防止する用をなしている。このキャップ28は、上記蓋部材50を完全に覆うようにった状態で取り付けられており、これによって、ユーザーがキャップ28を外し後に、誤って袋体21を倒したりしても蓋部材50によってトナーが飛散する恐れはない。なお、トナーガイド口金部材23にはトナー排出口25の近傍に空気排出口29が設けられ、この空気排出口29は空気を通すがトナーは通さないフィルター39によって覆われている。
【0023】
また、上記蓋部材50は、図5に示すように、中間に僅かな段差を付したキャップ状に形成され、その頭部には突起51が形成され、その僅かに大径となっている部分の周面には後述するトナー吸い込み口68とほぼ同径の開口部52が形成されている。
【0024】
上記空気供給用口金部材31には、空気流入口32が形成され、この空気流入口32は空気供給用口金部材31の下部、すなわち袋体21の内部側に設けられた弁33によって閉じられている。この弁33は、空気供給用口金部材31とこれに一体に取り付けられており、常時空気流入口32を閉じる方向に付勢されているバネ性を有している。よって、空気流入口32は通常、弁33によって密閉されており、空気流入口32からトナーが飛散する恐れはない。
【0025】
次に、このように構成されたトナー収納容器20におけるトナー補給時の作動態様について説明する。
上記したように、トナー補給を開始するに際し、キャップ28を外してもトナー排出口25は蓋部材50で閉じられている。そこで、本実施形態では外部操作で蓋部材50を移動させてトナー排出口25をトナー吸い込み口68に通じさせる外部操作部材60を設けている。この外部操作部材60は、キャップ28が外されたネジ部27に螺合させて取り付けられる。
【0026】
外部操作部材60は、トナーガイド口金部材23に取り付けられるホルダー61、該ホルダー61内にスライド可能に嵌合されたスライダー62およびチヤック64、スライダー62に対して下方への弾性力を付勢する圧縮バネ63およびチャック64と一体に設けられた把持部65を有している。そして、ホルダー61の側部にはトナー吸い込み口68が設けられている。
【0027】
トナー収納容器20は、当初、図6に示すように、蓋部材50がトナー排出口25を閉じており、ここで、把手65を上方へ引張ると、把手65と一体的に固定されているチャック64と、さらにチャック64に係合されているスライダー62も移動する。同時に、圧縮バネ63によりスライダー62は下方へ押し付けられることによりチャック64が閉じ、蓋部材50の突起51を掴み、蓋部材50を持ち上げる。さらに。把手65を引張り上げ、90度捻ると、把手65と一体的に付設した係止ピン66がホルダー61の上端部67に係止され、これによって蓋部材50が上方へ持ち上げられた図7に示す位置に保持される。この蓋部材50が持ち上げられると、その側壁の一部に設けられた開口部52がトナー吸い込み口68と一致し、該トナー吸い込み口68とトナー排出口25が連通する。
【0028】
このように、外部からの操作で蓋部材50を開放位置に移動できるのでトナー補給時、トナー収納容器20の交換時にトナーが飛散することを防止できる。なお、符号53は、Oリング等のシール部材である。
【0029】
また、空気供給用口金部材31の空気流入口32には接続子70が装着される。この接続子70は、内部に中空の空気導入路71、端部の外周部にOリング等のシール部材72および空気流入口32に挿入されるノズル部73を具備し、ノズル部73の反対端にはチューブ34が連結され、該チューブ34を介して図示していないエアーポンプから空気が導入される。この接続子70は、そのノズル部73を空気流入口32に挿入すると、そのノズル部73が弁33を押し下げて弁を開放する。
【0030】
このように構成されたトナー収納容器20を用いる補給装置は、現像装置10の一部に設けられた従来周知の透磁率検出器(図示せず)に基づくトナーとキャリアの混合比の変化を検知し、この検知値がある定められた値以下であると、トナーの補給が開始される。トナー補給に際し、トナー収納容器20はまず未図示の工アーポンプよりチユーブ34を介して空気の供給を受ける。空気は、空気導入路71をへてノズル部73よりトナー収納容器20内に噴出される。また、トナー移送手段40のスクリューポンプ41およびエアーポンプも上記エアーポンプと同時または若干のタイムラグをもってオンされ、これによってトナー収納容器20内のトナーが現像装置10へ移送される。すなわち、トナー収納容器20内のトナーはトナー排出口25、蓋部材50の開口部52、トナー吸い込み口68およびチューブ19を介してスクリューポンプ41に達し、このスクリューポンプ41からはチューブ16を介して現像装置10のトナー受け入れ口14に送られる。なお、トナー収納容器20内に噴出された空気はトナーとともにスクリューポンプ41に移送され、かつ余剰の空気は空気排出口29からフィルター39を通過して外部に放出される。
【0031】
このように、空気供給用口金部材31側から空気を噴出させることにより、トナー収納容器20内のトナー層を拡散され、トナーの流動化が促進される。したがって、流動性が非常に悪い電子写真用トナーも、空気により流動化されることにより、架橋現象の発生が防止され、トナーの移動がより確実なものとなる。さらには、トナー凝集などの発生がないのでトナー物性が常に安定し、高品位な現像品質が得られる。
【0032】
しかも、本実施形態では袋体21に仕切部材24を設け、袋体21肉部の空間が空気吐出側と空気排出側とに分割されているので、図7に明示しているように、空気及びトナーは空気の吐出圧とスクリューポンプ41の吸引圧により矢印の方向にスムーズに移動させることができる。
【0033】
さらに、袋体21はフレキシブルであるので、トナーの吸引が進むにつれ、その袋体21の容積が減容されるが、流入される空気により袋体21の減容時の局部的変形によるトナー詰まりなどの発生が抑えられ、また空気排出口29がトナー排出口25の近傍に設けていることにより、袋体21内のトナーはよりトナー排出口25の近くまで移送されるので、スクリューポンプ41の吸引効率が高まり、収納されているトナーは袋内に残留することなく排出することができる。さらにまた、袋体21内のトナーに対しては、機械的なストレスが加わらず、かつ空気により流動化されるので、トナープロッキングなどの発生もなく、トナー物性の安定・維持が図れる。
【0034】
このようにして、袋状トナー収納部材20のトナー収納量の多少にかかわりなく安定したトナー移送が可能となる。さらに、袋状のトナー収納部材20の取り付け方向(縦置き、積置き、斜め置き等)の制約も少なくなり、画像形成装置におけるトナー補給装置の設置場所の制約を与えずユーザーのトナー補給操作が簡便になるなどの効果が期侍できる。
【0035】
また、トナー排出口25は袋体21に収納されたトナーを吸引する吸引口の役割を持つが、工場におけるトナー充填の充填口の役割も果たすことも可能である。同様に、空気供給用口金部材31からのトナーの充填も可能である。さらには、トナー充填効率を高めるためにトナー充填時の空気抜き用としてどちらかの口を用いることも可能である。
【0036】
さらにまた、ユーザー先より回収されたトナー収納容器20を再使用する場合、トナーの再充填工程の前に、トナー収納容器20内を洗浄する必要があるが、本容器では上記トナー排出口25および空気供給用口金部材31の空気流入口32の何れか一方から洗浄用空気を供給し、他方の口からこの空気を抜くことにより洗浄が容易に行い得る。よって、トナー収納容器20の再使用が低コストで可能となるという利点を持つものである。
【0037】
なお、トナー収納容器20から外部操作部材を取り外す場合は、上述の作業工程を逆に行う。すなわち、把手65を90度捻ると、圧縮バネ63により、スライダー61、把手65およびチャック64が移動し、図4の状態に戻る。
【0038】
また、上記したトナーの補給制御において、透磁率検出器の代わりに従来周知の感光体ドラム上に形成したトナー像の濃度を検出して行うことも可能である。図8は、図7の変形例を示すもので、本例では外部操作部材60を用いず、上記トナーガイド口金部材23にはホルダー61の代りにトナー排出用接続子80が取り付けられる。この接続子80は上記接続子70とほぼ同様に構成され、内部に中空のトナー通路81、端部の外周部にOリング等のシール部材82およびトナー排出口25に挿入されるノズル部83を具備している。また、上記トナーガイド口金部材23には袋体21の内部側にトナー排出口25を閉じる弁84が設けられている。
【0039】
トナー排出用接続子80には、チューブ19が連結され、そのノズル部83をトナー排出口25に挿入することで弁84が開き、トナーの補給を行うことができる。
この方式によれば、構成が簡易であり、より低コスト化が可能となるメリットを持つものである。
【0040】
図9は、トナー収納容器の変形例を示すもので、本例のトナー収納容器20が細長矩形に形成され、その長手方向の一端側にトナー排出部22が設けられ、他端側に空気供給部30が設けられている。そして、トナー排出部22および空気供給部30は図8の例と同様に構成された口金部材および接続子等を用いており、これらを各部材に対しては同一部材に同一符号を付す。
【0041】
この方式において、トナー収納容器20の設置場所が非常に狭く、細長い場所に取り付けざるを得ないケースなどに非常に有効といえる。
本発明によれば、トナー収納容器20には該容器を密閉できるための繰り返して使用可能な弁33,83や蓋部材50が設けられているので、トナー収納容器20の交換時のみならず、トナーを使い終わるまえにトナー収納容器20を脱着しても、トナー飛散の発生もない。また、使用途中のトナー収納容器20をそのまま再度使用可能である。さらに、使い終ったトナー収納容器20は、固い口金部が非常に小さいので、容器を任意に丸めたり、折り畳むことがてき、回収・運搬面で非常に効率が良く、低物流コストで可能となる。
【0042】
なお、本トナー補給装置の駆動、制御は、未図示の電源コンセント、電源と未図示のスイッチ、制御回路により駆動モータやエアーポンプの駆動・制御を行う。これらは、従来周知の技術を用いればよい。
【0043】
また、トナー補給時におけるトナー移送の信頼性確保のために、ポンプの駆動とポンプによるエアーの供給のタイミングが重要で、エアーの供給はポンプの駆動より以前から駆動中(駆動停止以降のエアー供給すればさらによい)にかけて行うことが肝要である。これにより、移送部材(チューブなど)内でのトナーの残留が防止され、トナーの安定補給がはかれる。
【0044】
トナー収納容器内へのエアー供給は、ポンプへの供給タイミングと同じでも良いが、トナー補給信号と同期させたり、これらの間欠的な供給でも良い。
ところで、通常、電子写真方式の画像形成装置が用いているトナーは流動性が非常に悪く、その移送が困難であることが知られている。
【0045】
本来、トナーを移送させるときは、トナーに大きな繊械的ストレスを与えることは望ましいことではない。異常なストレスがトナーに加わるとトナーのブロッキング(熱融着などによる凝集)、破砕等が生じ、トナー特性の変質や移送不能となるばかりでなく、移送部材(コイル、スクリユー、パイプ等)、駆動部材の破損等を生じさせる。従って、トナー移送を行う場合は、極力、異常な機械的ストレスがトナーに加わらない工夫が重要となる。
従来のトナー補給装置では、前述のようにオーガとパイプにより移送しているために、オーガによる機械的ストレス、オーガとパイプとの間で発生する摩擦による機械的ストレスが非常に大きくならざるを得なかった。これば移送距離が長くなるほど、移送方向を変位させるほど、より悪化する。また、オーガを駆動するための必要トルクも非常に大きくなり駆動部材のコストアップ、消費電力の増大も無視できない。
【0046】
これらの理由により、移送距離を長くしたいときや移送方向を変位させたいときには、複数のオーガとパイプを用いて連桔させる多段移送をおこなわざるをえなかった。これは更なるトナー特性の変質、部品点数の増大、コストの増大、信頼性の低下、装置メンテナンス性および生産性の低下、トナー補給装置の設置容積の増大化、操作性の低下をもたらしていた。
【0047】
本トナー補給装置は、画像形成装置の現像装置10に対して、フレキシブルなトナー移送パイプのみを接続するだけでよく、トナーの飛散がないので粉塵問題の発生も無く安全である。かつ現像装置に対するトナー補給装置の設置位置・場所の制約を持たないので、ユーザーのトナー収納(補給)容器の交換時の操作性が最もやり易い場所にトナー補給装置を設けることが可能となる。
【0048】
トナー収納容器20は、フレキシブルであるので、従来のカートリッジ、ボトルといったハードボトルに比較し、容器がかさばらず、運搬や保管時での取扱性が良く、収納スペースをとらない。さらには、使用済みトナー収納手段はユーザー先からメーカーに引き取り、再生・再利用や焼却処理が行われるが、本トナー収納容器はフレキシブルな袋状のものであるため折り畳みが可能であり、運搬や保管時での取扱性が良く、運搬や保管時の収納スペースをとらないという利点がさらに増長し、ユーザー先からメーカーへ回収物流コストの大幅な低減が可能となる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各種改変できるものである。
例えば、剤収納容器はトナーに限らず、現像剤を収納するものであってもよく、この現像剤を現像装置に補給するようにしてもよい。また、トナーが補給される現像装置の構成等は任意のものでよく、上記実施形態の如き2成分現像剤ではない1成分現像剤を使用する装置にも適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、トナー、現像剤を収納した容器から剤を飛散することなく確実に移送でき、しかも容器交換が簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を説明するための説明図である。
【図2】現像装置のトナー受け入れ部を示す断面図である。
【図3】本発明のトナー移送手段の中央断面図である。
【図4】本発明のトナー収納容器の断面図である。
【図5】キャップおよび蓋部材の斜視図である。
【図6】(a)は本発明のトナー収納容器の蓋部材を閉じた状態を示す拡大断面図、(b)はその平面図である。
【図7】(a)は本発明のトナー収納容器の蓋部材を開いた状態を示す拡大断面図、(b)はその平面図である。
【図8】本発明の変形例を示す断面説明図である。
【図9】本発明の他の変形例を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 10 現像装置
11 現像スリーブ 20 トナー収納容器
21 袋体 22 トナー排出部
25 トナー排出口 30 空気供給部
33,83 弁 40 トナー移送手段
Claims (2)
- トナーまたはトナーとキャリアを混合してなる現像剤を収納し、エアーポンプによる内部への空気の吐出動作と吸い込み型のスクリューポンプによる吸引動作とに応じて該トナー又は現像剤の排出量が制御されつつ排出される剤収納容器において、
密閉構造をなすフレキシブルな剤収納容器本体の一端には、前記スクリューポンプと連通して収納したトナーまたは現像剤を排出するための剤排出用口金部材が設けられてあり、
前記容器本体の他端には、前記エアーポンプによって空気が供給される空気供給用口金部材が設けられてあり、
前記エアーポンプが吐出する空気によってトナー又は現像剤が流動化しながら前記剤排出用口金部材の近くまで移送されるように、前記剤排出用口金部材には剤排出用の穴とフィルタで覆われた空気排出用の穴とが設けられてある
ことを特徴とする剤収納容器。 - 請求項1に記載の剤収納容器において、前記剤排出用口金部材と前記空気供給用口金部材の少なくとも一方に、剤排出または空気流入を規制する弁が設けられていることを特徴とする剤収納容器。
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