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JP3990783B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置及び画像処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多値原画像情報を記録装置の記録レベルに量子化する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年パソコンやワープロなどのOA機器が広く普及してきており、これら機器で入力した情報をプリントアウトする方法として、例えばインクジェット方式、電子写真方式、ワイヤードット方式など種々の記録方式が開発されてきている。現状のこれら記録方式では記録媒体上にドット(記録画素)を記録するかしないかのいわゆる2値記録方式が主流であるが、記録画像はパソコンやワープロなどの機能の進化に伴い写真画像やDTP画像の出力なども一般的になってきており、清らかな中間調表現の実現が強く望まれてきている。
【0003】
上記2値記録装置で中間調を表現する代表的な方法として「ディザ法」と「ED(誤差拡散)法」が知られているが、該2種類の方式について以下で簡単に説明する。
【0004】
ディザ法は、始めに階調を表現する単位マトリクスを決定し、該マトリクス内に記録する記録画素数を制御することによって階調表現を行う。例えば4*4の単位マトリクスを規定した場合、該規定マトリクスに記録する記録画素数を0ドットから16ドットまで制御することにより17段階の階調表現を実現させる階調表現方法である。
【0005】
一方ED法は、文献R.W.Floyd and L.Steinberg“An Adaptive Algorithm for Spatial Gray Scale”SID 75 Digest(1976)にその原理が公開されているように、原画像の個々の原画画素濃度と、量子化後記録装置により記録される記録画素濃度との濃度差(誤差データ)を演算し、該演算結果である誤差データを量子化前の周辺画素に特定の重み付けを施して分散させながら量子化していく階調表現方法である。
【0006】
前記記録装置は、上記各種の方式を用いて量子化記録データを生成し記録を行う。シリアル方式の記録装置にあっては記録媒体上を記録ヘッドを主走査方向に走査させ1ライン分の記録を行い、該1ラインの記録終了後記録媒体を副走査方向に所定量送って再び記録ヘッドを走査させる動作を繰り返すことにより記録を行う(詳細は後述)。またライン方式の記録装置にあっては記録媒体の幅方向全域に記録手段が配されており連続的に記録媒体を走査させることによって記録を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の量子化方法、該量子化方法を用いた記録装置にあっては次のような不具合がある。
【0008】
前記ディザ法では、基本マトリクスサイズによって表現できる階調数が制限される。また基本マトリクスの繰り返しで階調表現を行うので原画像パターンによっては該基本マトリクスの周期と同調して基本マトリクス周期で記録画像にテクスチャーと称される周期ムラが現れることがある。該周期ムラは特に中間調画像に於いて著しい不具合として出力画像に現れてしまうので、総じて該ディザ法は写真調の自然画像には不向きな量子化方法といえる。
【0009】
上記対策として特開昭56−146361号公報に開示されているように色毎にディザマスクパターンを異ならせるなど、ディザ法で中間調の画質改善を試みる提案は幾つかなされているが該特開昭56−146361号公報に開示の技術もディザマトリクスは単純に乱数で作成するなどの手法であり十分な中間調画質を再現できるレベルには至っていない。
【0010】
一方ED法では、原画濃度と出力濃度との誤差データを空間的に清算していくので、ディザ処理のようにマトリクスサイズによる階調数の制約がないばかりか、原画像濃度に忠実な出力画像を再現することができるのでディザ法と比べて忠実な中間調記録を実現することが可能である。またED法はディザ処理で問題となっている階調数と解像度の両立を可能としている。よって、特に近年ニーズの増えた写真画像を出力する場合に於いて総じてED法はディザ法よりも高画質化を実現できる手段として受け入れられている。しかしED法は1画素を処理するのに要する工程数がディザ法に比べて格段に多いので膨大な処理時間を要する。高画質化のニーズは記録装置の記録解像度の急速な増加を誘導しているが、処理する画素数は更にその2乗に比例して増大していく。従ってED法の処理速度が記録装置の記録速度を支配してしまう状況も現れてきているのが実状である。
【0011】
中間調の階調を前記記録装置で再現するにあたり、ディザ法の高速性とED法の中間調の再現性の良さを兼ね備えた量子化技術の確立が強く望まれてきているがその実現手段の一案として例えば米国特許5111310号明細書には、十分に大きなディザマトリクスを用い量子化制御上は従来のディザ法と同等で高速処理の特徴を継続しつつ、該マトリクスにブルーノイズと称される空間周波数特性を示すパターンを割り付けることでED調の中間調再現を実現させる量子化技術が開示されている(以後本文中ではブルーノイズディザ法と称する)。ブルーノイズディザ法の詳細は、「Digital Halftoning」Robert Ulichneey(The Mit Press Cambridge,Massachusetts London、England)を始めとして多くの文献が発表されている。ブルーノイズディザ法は人間の目の感度の優れた低周波成分のパワースペクトルを抑えて出力画像のノイズ感を低減するディザマトリクスを用いて量子化を行う手法である。
【0012】
しかしながら、このブルーノイズディザ法は、各色毎にブルーノイズパターンとなるように、ディザマトリクスが構成されている。従ってカラー画像に記録装置において、各色毎にブルーノイズディザ処理してその結果に基づき記録した混合色が、ブルーノイズパターンとはならない場合があり、これによりカラー画像の画質が劣化する欠点があった。
【0013】
本発明は上述した従来技術の課題に鑑みなされたものであり、少なくとも2つの色で異なるマスクを用い、異なるマスクにより量子化された2色の色を用いて表現される2次色のドット配列が2つの色のドットを含わせてブルーノイズパターンになるよう配列されているマスクを用いて量子化することにより、記録装置の有する記録色(1次色)の中間調画像だけではなく、記録色の組み合せにより表現される混合色の中間調画像をも含めた階調表現を、高速且つ高画質で再現することができる画像処理装置及び画像処理方法の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため本発明の画像処理装置は、複数色の色画像データを入力する入力手段と、前記複数色の色画像データをそれぞれ対応するマスクを用い、それぞれ入力したビット数よりも小さいビット数の量子化データに量子化処理する量子化手段と、前記量子化手段からの複数色の量子化データを出力する出力手段とを有し、前記量子化手段は、前記複数色の量子化データによって形成される混合色の画像が、ブルーノイズ特性を有するように複数色の色画像データのそれぞれを対応するマスクを用い量子化処理し、前記複数色の色画像データのうち、第1の色画像データを量子化する為に用いるマスクは、第2の色画像データを量子化するために用いるマスクの1部を階調方向にオフセットしたマスクであることを特徴とする。
【0015】
又、本発明の画像処理方法は、複数色の色画像データを入力する入力工程と、前記複数色の色画像データをそれぞれ対応するマスクを用い、それぞれ入力したビット数よりも小さいビットの量子化データに量子化処理する量子化工程と、前記量子化工程からの複数色の量子化データを出力する出力工程とを有し、前記量子化工程は、前記複数色の量子化データによって形成される混合色の画像が、ブルーノイズ特性を有するように複数色の色画像データのそれぞれを対応するマスクを用い量子化処理し、前記複数色の色画像データのうち、第1の色画像データを量子化する為に用いるマスクは、第2の色画像データを量子化するために用いるマスクの1部を階調方向にオフセットしたマスクであることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
〈概要〉
本実施の形態における量子化処理では、量子化方法として前記ディザ法を用い、ディザマトリクスとしてブルーノイズパターンを用いる。更に、少なくとも2つの色の該マスクのパターンは異なるパターンのマスクとし、該異なる2色により表現される2次色の該2つの色のドットの並びがブルーノイズパターンとなるよう最適化する。即ち、該2つの色を用いて記録を行う2次色がブルーノイズパターンとなる性質を有する。
【0017】
このように、複数の記録色を用いて記録を行うカラー記録装置に於いて、2次色がブルーノイズパターンとなるマスクを用いることにより、記録色(1次色)の中間調だけではなく、複数の記録色の組み合わせにより表現される混合色の中間調をも含めた階調表現を、高速且つ高画質で再現することが可能な画像処理装置及び画像処理方法を提供することができる。
【0018】
〔第1の実施の形態〕
次に図面を参照して具体的に説明する。図2は本発明が通用される画像処理システムを示した図である。図においてホスト100はCPU101と、メモリ102と、外部記憶部103と、入力部104と、プリンタとのインターフェイス105とを備えている。CPU101はメモリ102に格納されたプログラムを実行することで後述する色処理、量子化処理の手順などを実現する。このプログラムは外部記憶部103に記憶され、外部装置部から供給される。なお、ホスト100は量子化処理のためのハードウエアを備え量子化処理をハードウエアで行わせることもできる。ホスト100はインターフェイス105を介して記録装置200と接続されており、色処理を施した画像データを記録装置200に送信して印刷記録を行わせる。
【0019】
〈記録装置〉
図3は図2の記録装置200の斜視説明図である。ここでは例として、インクジェット方式の記録装置を説明する。
【0020】
先ず記録装置200の全体構成を説明すると、図3に於いて1は紙或いはプラスチックシートよりなる記録シートであって、カセット等に複数枚積層されたシート1が給紙ローラ(不図示)によって一枚ずつ供給され、一定間隔を隔てて配置され、夫々個々のステッピングモータ(図示せず)によって駆動する第1搬送ローラ対3及び第2搬送ローラ対4によって矢印A方向に搬送されるごとく構成されている。
【0021】
5は前記記録シート1に記録を行うためのインクジェット式の記録ヘッドである。インクは不図示のインクカートリッジより供給され、ノズルから画信号に応じて吐出される。この記録ヘッド5及びインクカートリッジはキャリッジ6に搭載され、該キャリッジ6にはベルト7及びブーリ8a,8bを介してキャリッジモータ23が連結している。従って、前記キャリッジモータ23の駆動により前記キャリッジ6がガイドシャフト9に沿って往復走査するように構成されている。
【0022】
前記構成により、記録ヘッド5が矢印B方向に移動しながら画信号に応じてインクを記録シート1に吐出してインク像を記録し、必要に応じて記録ヘッド5はホームポジションに戻ってインク回復装置2によりノズルの目づまりを解消すると共に、搬送ローラ対3,4が駆動して記録シート1を矢印A方向に1行分搬送する。これを繰り返すことによって記録シート1に所定記録を行うものである。
【0023】
次に記録装置200の各部材を駆動させる為の制御系について説明する。
【0024】
この制御系は図3に示すように、例えばマイクロプロセッサ等のCPU20a,該CPU20aの制御プログラムや各種データを格納しているROM20b,及びCPU20aのワークエリアとして使用されると共に、記録画像データなどの各種データの一時保管等を行うRAM20c等を備えた制御系20、インターフェイス21、操作パネル22、各モータ(キャリッジ駆動用のモータ23、給紙モータ駆動用モータ24、第1搬送ローラ対駆動用のモータ25、第2搬送ローラ対駆動用モータ26)を駆動するためのドライバー27、及び記録ヘッド駆動用ドライバー28からなる。
【0025】
上記制御部20はインターフェイス21を介して操作パネル22からの各種情報(例えば文字ピッチ、文字種類等)や、外部装置29との画信号などのI/O(情報の入出力)を行う。また前記制御部20はインターフェイス21を介して各モータ23〜26を駆動させるためのON,OFF信号、及び画信号を出力し、該画信号によって各部材を駆動させる。
【0026】
〈画像処理部〉
次に、前記記録装置で記録を行う記録データをホスト100で生成する場合の画像処理方法について説明する。
【0027】
ホスト100における画像処理は外部に記憶部103の格納しているプログラムに基づきCPU101が実行する。又ハードウエアにより実現することもできる。
【0028】
図5は該画像処理を説明する図で、入力されるRGB各8ビット(256階調)画像データをCMYK各色1ビットデータとして出力する処理フローである。
【0029】
RGB各色8ビットデータはまず輝度濃度変換ステップS1でCMY各色8ビットデータに変換される。本実施の形態では以下に記すログ変換が行われる。
【0030】
C0=(−255/2.4)*(log10〔R/255〕)
M0=(−255/2.4)*(log10〔G/255〕)
Y0=(−255/2.4)*(log10〔B/255〕)
【0031】
次にC0、M0、Y0の各8ビットデータはマスキングステップS2により色空間変換のためにマスキング変換される。本実施の形態では入力CMYデータに〔3*3〕の行列変換が施されC1,M1,Y1各色8ビットのデータが出力される。
【0032】
次に黒生成のUCR/BG処理がステップS3で施される。本UCR/BGステップの処理では下色除去と黒生成が行われ、C1、M1、Y1各色8ピットデータがC2,M2,Y2,K2各色8ビットデータに変換される。具体的にはC1,M1,Y1の各色記録データの最小値uc(uc=min〔CMY〕)をアンダーカラーとして各C1,M1,Y1から除去(リムープ)し、該除去した最小値ucに応じてC1,M1,Y1及びKに黒生成成分を追加してC2、M2、Y2、K2を生成する。
【0033】
C2=C1−uc+CGR〔uc〕
M2=M1−uc+MGR〔uc〕
Y2=Y1−uc+YGR〔uc〕
K2=BGR〔uc〕
ここでCGR〔uc〕、MGR〔uc〕、YGR〔uc〕がすべてのucに対してゼロの時、黒生成はKインク画像のみにより行われる。該CGR〔uc〕、MGR〔uc〕、YGR〔uc〕がucに応じて値を有することにより、アンダーカラーとして除去した黒成分の一部がKインクのデータとして、残りがC,M,Yのカラー成分の混含(コンポジットBk)として表現されることとなる。
【0034】
この後、出力γ補正がステップS4で施され色処理は完了し、出力γ補正後のC3,M3,Y3,K3各色8ビットデータが、2値化処理ステップS5で前記ランダムディザの面積階調表現処理によりCMYK各色1ビット情報に変換されて「印字する/しない」を表わす2値記録データとなり、記録装置に転送され記録が行われる。具体的にはC3,M3,Y3,K3の8ビットデータをそれぞれのディザマスク内の閾値を比較しその大小により1ビット情報に変換する。
【0035】
本実施の形態で用いるランダムディザは前記ブルーノイズディザであるが、該ブルーノイズディザのマトリクスマスク生成方法やその特徴については前記「USP5111310」、「Journal of Electronic lmaging/January 1994/Vol.3(1)P92−97]や〔J.Opt.Soc.AmA/Vol.9,Noll/November 1992(Digltal HalftonIng TechnIque Uslng a Blue−Noize Mask)〕に開示されており当業者には公知の技術であるのでここでの更なる詳細な説明は省略する。
【0036】
〈量子化処理〉
前記画像処理では量子化方法としてランダムディザ法を用いているので前述したようにED法を用いる場合と比べて格段に処理負担が少なくて済むので記録速度の高速化が実現できるのに加え、前記従来のディザ法を用いる場合と比較して高画質中間調画像記録を実現することができる。以上のように必要処理容量と出力画質のバランスから該ランダムディザは最良の選択技の1つといえる。しかしランダムディザにも前述の問題は包含している。即ち、中間調の特にハイライト部に若干のノイズ感が出やすい問題である。該ハイライト部にノイズ感が生じる原因は多々存在する。代表的なものを以下で考察する。
【0037】
1つは画像の低周波領域に存在するパワースペクトルである。前記のように人間の目の感度は低周波領域の感度の方が高周波領域の感度に比べ格段に敏感であるために、該低周波領域に周期性を持っている(パワースペクトルが存在する)とノイズ感として違和感を生じさせてしまうことが知られている。ブルーノイズ法を用いたディザマトリクスマスクを用いても、すべての中間調領域において完全に低周波スペクトルを除去することは困難であり該一部残った低周波領域のパワースペクトルがノイズ感の原因となる場合がある。これは、全階調領域の出力画像の低周波スペクトルを完全にゼロにするようなディザマトリクスを生成することは極めて困難であるためである。ディザマトリクスを生成する場合、マトリクスに閾値を当てはめていくに従って閾値の取りうる自由度が制約されてくる。仮に該マトリクスに0から255の閾値を配する時に127を基準に順にマトリクスを生成していくと最後の255の閾値はその時点で開いている場所に自動的に閾値を当てはめるしか方法がなくなる。つまり最後の閾値255に関しては閾値を配する場所の自由度は全くないこととなる。1つのディザマトリクスに閾値を当てはめていく場合必ず最初に割り付ける閾値に対して後から割り付ける閾値の位置自由度は下がるのですべての階調領域に於いて完全なブルーノイズパターンを確立することは困難となる。よって、実用されるマトリクスパターンでは低周波数のパワースペクトルを完全には排除しきれず、その結果出力画像にノイズ感が生じてしまう。
【0038】
また、原理的に完全なブルーノイズパターンを実現していたとしても、記録装置には記録に際し各種のばらつき要因を持つ。例えば前記のようにシリアルプリンタでは記録ヘッドを記録媒体上を走査させながら1ラインの記録を行い、1ラインの記録の終了後記録媒体を該1ライン相当搬送することを繰り返して記録を行っていくが、該記録ヘッドや記録媒体を走査する該走査量のばらつき、或いは各色の記録ヘッドを取り付けている取りつけ位置のばらつきなど極々のばらつき要因によって記録画素の記録される位置はばらつく。該ばらつきに起因して実印字画像の周波数特性はブルーノイズ特性からホワイトノイズ特性に移行してしまい全体にノイズ感の広がったざらついた感じの出力画像となってしまう。
【0039】
上記各種ばらつき要因による影響は、出力画像の階調値にはよらずすべての画像領域で同等に生じているが、詳細に記録画像を観察すると目視上ではハイライト部の低階調領域ほどノイズ感が強く感じられる。記録画素の記録位置が低階調領域の記録時に際立って悪くなることは考えづらい。即ち、同じように記録位置がずれてブルーノイズ特性がホワイトノイズ特性に移行しているにもかかわらずその視覚的影響は中高階調部では受けづらい。視覚上の影響は心理値であり明確な究明は容易ではないが、大きな要因の1つは記録画素のコントラストの差であると考えられる。ハイライト部は白い記録媒体に記録ドットがまばらに記録されている状態であり個々の記録画素の位置が明瞭である。それに対して、ある程度以上の濃度に達する階調部では多くの記録ドットが一定エリアの中に集中して存在しており、目視上は全体としてグレーと受けとられている。無論2値記録で中間調を表現しているのであるから、ドット密度の疎密は感じられ、記録ドット位置が全体にホワイトノイズ化されていればそのノイズ感は判別するが、ノイズ感は背景色の中の記録ドットの位置の周期性を判断するものであるから、ハイライト部と比較して中高階調部のほぼグレーと化している背景の中に存在する記録ドットのコントラストが十分に低い為にその周期性に依存するノイズ感を視覚上強く感じないものと思われる。ここで重要なことは、単位面積当たりに印字によってカバーされている印字領域をエリアファクターと定義した場合に、該エリアファクターの高い(即ち紙の白地の残っている比率が少ない)画像の方が、エリアファクターの低い画像に比べてホワイトノイズに起因したノイズ感を視覚上受け難いという事実である。
【0040】
即ち、2値記録画像の中間調領域で生じるノイズ感を低減するのにエリアファクターを高める手段は有効な手法の1つといえる。一方、中間調の忠実な再現が強く期待される写真調の画像にあっては様々な色相の色が使われるが、一般的なカラー記録装置が有する記録色はC,M,Yの3色なので該1次色(C,M,Y)を組み合わせることによって様々な色調を再現する。従って、画像全体からノイズ感を低減するためには1次色の色の中間調画像を向上されるだけでは不十分で2次色以上の混合色のノイズ感を低減することが重要となる。混合色が1次色のドットの組み合わせにより生成するのであるから混合色を作る際にエリアファクターが大きくなるように各1次色の各ドットが極力重ならないようにドットを生じさせる制御が望ましい。つまり、ランダムディザの色毎のマスクパターンを色毎に異ならせておくことで混合色の中間調画像の記録を行う際のエリアファクターを相対的に高めることが可能となり、様々な色相の色で構成されている写真調の中間調画像の高画質化が実現できる。
【0041】
だが、無規則に色毎のマスクパターンを異ならせるだけではノイズ感の低減は達成できない場合がある。ノイズ感を低減するために各1次色のランダムディザマスクパターンをブルーノイズパターンとしても、中間調画像を重視する写真調の画像では前述の通り混合色で記録される画像が多いために、色毎のドットの組み合わせによっては混合色を構成するドットをトータルで見た場合、ドット配列がブルーノイズ配列でなくなってしまっている場合がある。ノイズ感を低減するためにエリアファクター低減を狙って色毎にマスクをずらしたことで、背景色とのドットコントラストは低減してドット単体は目立たなくなったが、ドット配列の空間周波数特性が低周波側にシフトしてしまい総合的にノイズ感の低減が図れなくなってしまう場合がある。
【0042】
よって、1次色の中間調記録画像の空間周波数特性をブルーノイズとし、エリアファクターを増大させる目的で色毎のディザマスク、特に低明度でノイズ感に影響を与えやすいC,Mのディザマスクを別マスクとして設定し、該C,Mの混合色であるB(ブルー)の中間調画像を再現する時のCとMの混合ドット配列もブルーノイズ特性を保持するC,Mのディザマスクを用いることで、混合色の中間調画像を多く含む写真調の出力画像のノイズ感を低減した中間調記録を行わせる。
【0043】
図1は上記条件を満足するディザマスクパターンを作成するブロック図である。図1において、50は既知の方式により生成されたブルーノイズディザマスクパターンであり、空間周波数特性がブルーノイズ特性を示す。該パターンのマトリクスサイズは〔256*256〕で、0から255までの評価値(閾値)がそれぞれ各256個ずつ配されている。70、80、90、95はC,M,Y,Kそれぞれの色のディザマスクパターンであり、該マスクパターンは前記ベースマスクパターン50から、変換部60のデータ変換により生成される。前記ベースマスクパターン50のx行y列の評価値をP(x,y)、C,M,Y,Kそれぞれのディザマスクパターン70、80、90、95のx行y列の評価値をそれぞれC(x,y)、M(x,y)、Y(x,y)、K(x,y)とすると、P(x,y)の評価値に応じてC(x,y)、M(x,y)、Y(x,y)、K(x,y)の値は変換部60により以下の通り生成される。
【0044】
P(x,y)<32の時、C(x,y)=P(x,y)+224
M(x,y)=P(x,y)
Y(x,y)=P(x,y)
K(x,y)=P(x,y)
P(x,y)≧32の時、C(x,y)=P(x,y)32
M(x,y)=P(x,y)
Y(x,y)=P(x,y)
K(x,y)=P(x,y)
以上のように各色のディザマスクパターンを設定することにより、CとMの1次色の混合色として再現されるB(ブルー)系統の色が以下のように再現される。
【0045】
階調値32(32/255)以下の低階調のB画像印字時、Cのドットの生起位置がMの32階調目以降に印字されるドット位置から印字されはじめるので、例えばBの32階調目の画像のCとMのドットを論理和したドット位置は、M64階調のMのドット位置と同じになる。前記の通り、階調値が上がってエリアファクターが上がるほど空間周波数特性が同じであってもノイズ感は低減される。よって、前記C,Mのマスクパターンを設定することによりB系統の画像は、1次色の同低階調画像と比べてエリアファクターが大きく且つC,Mのドットをあわせたドットパターンがブルーノイズ特性を示すので、相乗的にノイズ感が抑制される。無論本実施の形態によるマスクパターンの設定では64階調目以降はB色系統の画像であってもCとMのドットが重なって印字されるのでエリアファクターを増大させる効果は薄れるが、階調値が高い(高濃度部)ではノイズ感は低減されるので問題はない。
【0046】
勿論ノイズ感が低減される臨界点は記録装置の解像度やドット濃度などに影響されるためすべての記録装置で同じではないので、本実施の形態のように階調値64以下のノイズ感を抑制するだけでは不十分な系の場合や、逆にもっと低階調部ですでにノイズ感が認識できない系もあるので、対象とする系において最適値は設定するべきものであり、本実施の形態の64階調目に限定されるものではない。
【0047】
また、本実施の形態におけるブルーノイズ特性を以下の通り定義する。ドットのグリッド間隔を「R」、印字比率を「g」とするとき主周波数(カットオフ周波数)fgを以下のように定義した場合に、
fg=g^(1/2)/R(但し、g≦1/2)(1/2=50%)
fg=(1−g)^(1/2)/R(但し、g>1/2)
出力画像のfgを基点としてfg以上の高周波数側のパワースペクトルの積分値(総和)が、fg未満の低周波数側のパワースペクトルの積分値(総和)よりも大きい空間周波数特性を有し、且つ空間周波数に対するパワースペクトルの変化が滑らかに連続する出力画像特性と定義する。
【0048】
この様に第1の実施の形態によれば、ディザマトリクスを用いて多値データを記録装置の量子化レベルに量子化し記録を行う記録装置に於いて、量子化処理で用いられるマスクパターンを少なくとも2つの色で異なるマスクを用い、異なるマスクにより量子化された2色の色を用いて表現される2次色のドット配列が2つの色のドットを含わせてブルーノイズパターンになるよう配列されているマスクを用いて量子化することにより、記録装置の有する記録色(1次色)の中間調画像だけではなく、記録色の組み合わせにより表現される混合色の中間調画像をも含めた階調表現を、高速且つ高画質で再現することが可能となる。
【0049】
(第2の実施の形態)
次に色毎のマスクを生成する第2の実施の形態について説明する。
【0050】
前記実施の形態ではC(シアン)のディザマスクはM(マゼンタ)のディザマスクをオフセットして用いたが、次のようにマスクを生成してもよい。
【0051】
図6は第2の実施の形態におけるマスク生成方法である。図6でPはブルーノイズ特性を有する「256*256」画素のYマスクであるとともに、C(シアン)、M(マゼンタ)のマスクを生成する元となるベースマスクである。該ベースマスクPは、階調が前記実施の形態同様8ビット(256)階調であるので、0から255までの数値(以下、評価値と称する)がそれぞれ256個ずつ配されている。ここで、ベースマスクPの千鳥/逆千鳥のポジションの評価値を抜き出しPC0、PM0マスクを生成する。千鳥位置の評価値を抜き出した該PC0マスクも0から255までの評価値が存在するが、該0から255の評価値を1/2した(2で割って整数部の商をとった)PC1マスクを生成する。該PC1は0から127までの数値をとるマスクとなる。同様に、PM0の評価値1/2したPM1マスクを生成する。そしてC(シアン)マスクとして、「千鳥位置にはPC1マスクの評価値」を、そして逆千鳥位置には「PM1マスクの各評価価値に128を加算」した評価値を組み合わせたCのディザマスクPCを生成する。同様に「逆千鳥にPMlマスクの評価値」を、そして千鳥位置に「PC1マスクの各評価値に128を加算」した評価値を組み合わせたMのディザマスクPMを生成する。
【0052】
以上のように評価値を組み合わせて、C,Mマスクを生成することにより、50%階調値までのB(ブルー)中間調画像は、同階調値の1次色の中間調画像と比べて2倍のエリアファクターとすることができ、且つ明度が低くノイズ感が目立ちやすいB系統の中間調画像の空間周波数特性をブルーノイズ特性で再現できるので、写真調の画像などを高画質で記録することが可能となる。
【0053】
(その他の実施の形態)
前記実施の形態ではC(シアン)とM(マゼンタ)のディザマスクに特化して説明してきたが、Y(イエロー)や、その他記録装置が有する各1次色のマスクを各1次色の混合色を再現する時にエリアファクターが向上するように最適化することも勿論可能である。又、実施の形態では、ブルーノイズ特性を有するマスクを説明してきたが、記録画像の空間周波数特性が相対的に〔低周波数部のパワースペクトル〕<〔高周波高周波部のパワースペクトル〕を満たす記録画像であれば本発明の効果は享受できる。
【0054】
また、前記実施の形態では1つのブルーノイズ特性を示すベースマスクから複数色のマスクパターンを生成したが、例えば図6のように予めドットを印字できるポジションを千鳥位置、或いは逆千鳥位置などのように規定し、読取りうる位置の中でブルーノイズ特性を示すパターンを別個に生成しても勿論良い。この時該ポジションを千鳥/逆千鳥に限定する必要はないが、混合色が印字される際、同色が固まってしまうと美しい混合色の再現が妨げられてしまうので、極力分散されていることが望ましい。
【0055】
なお、以上の実施の形態において、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0056】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、米国特許第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号バルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0057】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、米国特許第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0058】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558383号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0059】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0060】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0061】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0062】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0063】
加えて積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの燕発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0064】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、更には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0065】
また本発明は、例えば、ホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタ等の複数のデバイスによって構成されるシステムにも適用でき、更に、例えば、複写機、ファクシミリ装置等の単体の装置に適用できる。
【0066】
又、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することにも適用できる。
【0067】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が、上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM,CD−R,磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0068】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働している OS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって、上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0069】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの・指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって、上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0070】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明によれば、少なくとも2つの色で異なるマスクを用い、異なるマスクにより量子化された2色の色を用いて表現される2次色のドット配列が2つの色のドットを含わせてブルーノイズパターンになるよう配列されているマスクを用いて量子化することにより、記録装置の有する記録色(1次色)の中間調画像だけではなく、記録色の組み合せにより表現される混合色の中間調画像をも含めた階調表現を、高速且つ高画質で再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における各色の量子化ディザマスクの生成方法を示した図である。
【図2】本実施の形態における画像処理システムを示したブロック図である。
【図3】記録装置の主要部の機構を示す斜視図である。
【図4】記録装置の制御ロジックを説明するブロック図である。
【図5】画像処理の流れを説明する図である。
【図6】第2の実施の形態におけるマスクの生成方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 記録シート
2 インク回復装置
3 第1搬送ローラ
4 第2搬送ローラ
5 記録ヘッド
6 キャリッジ
7 ベルト
8a,8b プーリ
9 ガイドシャフト
10 インクカートリッジ
20 制御部
20a CPU
20b ROM
20c RAM

Claims (9)

  1. 複数色の色画像データを入力する入力手段と、
    前記複数色の色画像データをそれぞれ対応するマスクを用い、それぞれ入力したビット数よりも小さいビット数の量子化データに量子化処理する量子化手段と、
    前記量子化手段からの複数色の量子化データを出力する出力手段とを有し、
    前記量子化手段は、前記複数色の量子化データによって形成される混合色の画像が、ブルーノイズ特性を有するように複数色の色画像データのそれぞれを対応するマスクを用い量子化処理し、
    前記複数色の色画像データのうち、第1の色画像データを量子化する為に用いるマスクは、第2の色画像データを量子化するために用いるマスクの1部を階調方向にオフセットしたマスクであることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記ブルーノイズ特性とは、前記複数色の量子化データによって形成される画像の低周波数領域のパワースペクトルが高周波数領域のパワースペクトルより小さい特性であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記量子化手段は、前記複数色の量子化データによって形成される画像の主周波数(カットオフ周波数)fgを基点に、形成される画像がfg以上の高周波数側のパワースペクトルの積分値(総和)が、fg未満の低周波数側のパワースペクトルの積分値(総和)以上となるように複数色の色画像データのそれぞれを対応するマスクを用い量子化処理することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記fgは、記録ドットのグリッド間隔をR、印字比率をgとするとき、
    fg=g^(1/2)/R(但し、g≦1/2)(1/2=50%)
    fg=(1−g)^(1/2)R(但し、g>1/2)
    であることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
  5. 前記複数色の量子化データによって形成される混合色の画像の単位面積当たりの記録ドットによって覆われる記録媒体の比率(エリアファクター)が、同じ階調を1色で記録した場合のエリアファクターよりも大きく、混合色の画像の空間周波数特性がブルーノイズ特性を有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  6. 前記出力手段からの複数色の量子化データに基づきカラー画像を記録形成する記録手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  7. 前記記録手段はインク液滴を記録媒体に付着させることによってカラー画像を記録形成することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  8. 複数色の色画像データを入力する入力工程と、
    前記複数色の色画像データをそれぞれ対応するマスクを用い、それぞれ入力したビット数よりも小さいビットの量子化データに量子化処理する量子化工程と、
    前記量子化工程からの複数色の量子化データを出力する出力工程とを有し、
    前記量子化工程は、前記複数色の量子化データによって形成される混合色の画像が、ブルーノイズ特性を有するように複数色の色画像データのそれぞれを対応するマスクを用い量子化処理し、
    前記複数色の色画像データのうち、第1の色画像データを量子化する為に用いるマスクは、第2の色画像データを量子化するために用いるマスクの1部を階調方向にオフセットしたマスクであることを特徴とする画像処理方法。
  9. 前記ブルーノイズ特性とは、前記複数色の量子化データによって形成される画像の低周波数領域のパワースペクトルが高周波数領域のパワースペクトルより小さい特性であることを特徴とする請求項記載の画像処理方法。
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