JP3990582B2 - メタルハライドランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタルハライドランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、発光管材料として石英に代って半透明の多結晶体アルミナセラミック管を用いたメタルハライドランプの開発・展開が活発に進められている。このアルミナセラミック管の耐熱温度(1200℃)は従来用いられていた石英の耐熱温度(1000℃)に比して高いため、発光管の管壁負荷をより高く設定でき、よってランプ効率がより高いメタルハライドランプが得られる。この種のランプは今迄に主に一般屋内照明用のランプ入力70〜150Wの低ワットタイプのものが開発・発売されているが、今後は一般屋外照明用の200〜1000Wの高ワットタイプのものも市場から強く要望されている。
【0003】
店鋪などの屋内照明用に発売されている低ワットタイプのアルミナセラミック管を用いたメタルハライドランプでは、例えば150Wタイプの場合、ランプ効率90lm/W、平均演色評価数Ra90、定格寿命時間6000時間という優れた特性が得られている。但し、「寿命時間」は、ランプ光束がエイジング100時間での初期値に比べて70%に低下したときのエイジング時間である。
【0004】
図8は、かかるランプの発光管の構成を示す断面図である。発光管115は、多結晶体アルミナセラミック材料からなる放電アーク領域となる発光部116とその両端に設けられた細管部117、118から構成されている。この発光部116と細管部117、118とは焼きばめによって一体化されている。発光部116の内部には一対のタングステン電極119、120が設けられている。そして、前記細管部117、118にはニオブあるいは導電性サーメットからなる給電体121、122がフリットにより気密封着され、給電体121、122の放電側先端部には前記タングステン電極119、120の延長された電極棒が接続されている。発光管115内には、DyI3、TmI3、HoI3、TlI、NaIなどの金属ハライドからなる発光物質と、緩衝ガスとしての水銀及びアルゴンなどの始動用希ガスがそれぞれ封入されている。
【0005】
上記アルミナセラミック管を用いた低ワットメタルハライドランプの発光管形状は、基本的には屋内照明用の従来の石英発光管メタルハライドランプのものとほぼ同じである。即ち、図8の構成からなる例えば150Wタイプのアルミナセラミック発光管の典型的寸法としては、電極間距離Leが10mm及び管内径φiが10.6mmであり、この場合の発光管形状を表す主要なパラメータであるいわゆる発光管形状パラメータLe/φi値が0.94となる。また、ランプ点灯時における発光管の管壁負荷weは27W/cm2である。但し、ランプワットをWla及び発光管の内表面積をSaとすると、管壁負荷weはwe=Wla/Saにより規定される。
【0006】
これに対して、従来の石英発光管ランプの典型的な150Wタイプにおいては、電極間距離Leが13.5mm及び管内径φiが13mmで、Le/φi値が1.04となり、両者の発光管形状パラメータLe/φi値はほぼ同レベルに設定されている。このように、屋内照明用の低ワットタイプの従来のアルミナセラミック及び石英発光管メタルハライドランプの発光形状は、いずれも比較的太短形といえる。
【0007】
その他に、アルミナセラミック管を用いた20〜250Wタイプのいわゆるショートアーク形メタルハライドランプが、特開平10−144261号公報等に開示されている。このランプの特徴は、図9に示すように、発光管123の放電発光部が円筒形の中央部124と半球形の両端部125及び126から構成されていることである。ここで、発光管形状パラメータLe/φi値は図8の前記屋内照明用低ワットタイプに相当する0.66〜1.25の範囲に規定され、一方で管壁負荷weは25〜35W/cm2の比較的高い範囲に規定されている。このように、このランプはショートアーク形の特殊照明用高圧放電ランプに分類できて、発光管形状は前記屋内照明用の低ワットメタルハライドランプと同様の太短形である。また、発光物質としては前記と同様のDyI3、TmI3、HoI3、TlI、NaIなどの金属ハライド物質が封入されている。
【0008】
一方、アルミナセラミック管を用いた一般屋外照明用の高効率メタルハライドランプの発光管形状については、米国特許第5,973,453号公報に開示されている。このランプでは、特にランプの高効率を得るための発光物質として、比視感度の高い波長領域に発光スペクトルが放射されるセリウムハライド系物質が封入されている。具体的な発光物質としては、セリウム沃化物(CeI3)とナトリウム沃化物(NaI)とがモル組成比NaI/CeI3=3〜25の範囲で封入されており、これにより150Wタイプで130lm/Wという高いランプ効率と平均演色評価数Ra58の特性が得られている。この場合、前記発光管形状パラメータのLe/φi値は、一般屋外照明用として要望される高効率・長寿命を達成するためにLe/φi>5の範囲に規定されている。後述するように、かかる発光管形状は従来の一般屋外照明用の高圧ナトリウムランプやメタルハライドランプに共通した細長形である。また、管壁負荷weは30W/cm2以下に規定されている。
【0009】
なお、アルミナセラミック管が発明・開発され、最初に発光管材料として応用されたのは一般屋外照明用の高圧ナトリウムランプである。ここでも、アルミナセラミック管の前記特長が活かされて、例えば400Wタイプで平均演色評価数Ra25は比較的低いながら、ランプ効率約140lm/W及び定格寿命時間12000時間という高効率・長寿命の高圧ナトリウムランプが開発され普及されてきた。ここで、高圧ナトリウムランプの発光管形状は細長形であり、この発光管形状パラメータLe/φi値はランプ入力が高いタイプになると増大されている。例えば、400Wタイプの具体的寸法は電極間距離Leが84mm及び発光管内径φiが7.65mmでLe/φi値が11.0に設定され、一方700WタイプはLe134mm及びφi9.7mmでLe/φi値が13.0に設定されている。そして、発光管の管壁負荷weはそれぞれ400Wタイプで約15W/cm2及び700Wタイプで約13W/cm2に設定されている。
【0010】
また、一般屋外照明用の高ワットタイプの従来の石英発光管メタルハライドランプにおいても、上記の屋内照明用の低ワットタイプの太短形に対して、基本的に比較的細長形の発光管形状が採用されている。ここでも、発光管形状パラメータLe/φi値はランプワットが高くなるにつれて増大されている。例えば、300W、400W、700W及び1000Wタイプの典型的なLe/φi値は、それぞれ2.1、2.2、2.5及び2.7に設定されている。また、ランプ定格寿命時間は通常9000時間以上に規定されている。
【0011】
以上のように、高圧放電ランプは、発光管形状の面から2つに分類できる。一つは、一般屋外照明用の高ワットタイプで細長形のいわゆるロングアーク形ランプである。もう一つは、店舗などの屋内照明用の低ワットタイプや映写、露光、スタジオなどの特殊用途照明用のランプであり、これらは発光管形状が比較的太短形でいわゆるショートアーク形ランプである。
【0012】
前者の従来技術による一般屋外照明用の高ワットタイプの高圧ナトリウムランプ及びメタルハライドランプにおいて、細長形の発光管形状が採用されてきたのは、ランプ特性として高効率のほかに通常9000時間以上の長寿命が求められているからである。即ち、高圧放電ランプの寿命は主に発光管両端部における電極物質の蒸発・飛散による発光管黒化に左右されており、従ってランプ入力が増大してもより細長形であればそれだけ発光管中央部への電極物質による黒化の影響を回避できて、ランプの長寿命が達成されるからである。更に、一般屋外照明用ランプの発光管の管壁負荷we値は、耐久性・耐熱性に優れたアルミナセラミック管を用いても通常23W/cm2以下(管壁温度でほぼ1150℃以下に相当)の範囲に設定されており、これも9000時間以上の上記長寿命を得るための必要条件の一つである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、市場の要望に応えて一般屋外照明用として、アルミナセラミック管を用いて200W以上の高ワットタイプのメタルハライドランプの開発に取組んだ。そこで、先ず高いランプ効率を得るため発光物質として、セリウム沃化物とナトリウム沃化物とを選択した。これにより、例えば従来の石英発光管メタルハライドランプで最主力の400Wタイプを300Wタイプでの置き換えが可能となる。
【0014】
しかし、細長形のアルミナセラミック管を用いたメタルハライドランプにおいて、発光物質として、セリウム沃化物とナトリウム沃化物とを用いると従来の石英発光管メタルハライドランプや、アルミナセラミック発光管を用いた高圧ナトリウムランプ及び低ワット・メタルハライドランプでは経験されなかった“アルミナセラミック発光管割れ”及び“放電アーク立消え”という特有の問題が発生した。
【0015】
上記の“発光管割れ”は、発光管の水平位置点灯において管中央部で多く発生し、特に製作された直後のランプの初期エイジング点灯60分以内における発生割合が比較的高い。その割れ方は、ほぼ管径に沿って横断的に管全体が割れる場合が多く、また水平点灯時の発光管上側が部分的にクラックする場合もある。一方の“放電アーク立消え”は、製作された直後の初期エイジング点灯直後の30〜300秒の間における発生割合が高い。そして、かかる発光管割れ及び放電アーク立消えの2つの現象の発生は、発光管内に封入されているセリウム・ナトリウム沃化物(CeI3+NaI)系発光物質そのものに依存していると想定できた。例えば、両者の現象は、NaIのみを封入したランプでは殆ど発生せず、従って両者はセリウム・ナトリウム沃化物(CeI3+NaI)系発光物質に特有の現象といえる。
【0019】
そこで、本発明は前記従来の問題を解決するためになされたものであり、発光管割れ及び放電アーク立消えを確実に防止でき、かつ、高効率で長寿命なメタルハライドランプを提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のメタルハライドランプは、内部に一対の電極が設けられ、且つ発光物質としてセリウム沃化物(CeI3)とナトリウム沃化物(NaI)とが封入された透光性セラミック製の発光管を備え、前記発光物質のモル組成比NaI/CeI3が3.8〜10の範囲に規定され、且つ前記発光管の管壁負荷weが13〜23W/cm2の範囲において、ランプワットの値をX(W)とし、電極間距離をLe、前記発光管の管内径をφ i としたときのLe/φ i をYとする、XY座標上の座標値(X,Y)で表わされる点(200,0.75)、(300,0.80)、(400,0.85)、(700,1.00)、(1000,1.15)、(1000,2.10)、(700,2.00)、(400,1.90)、(300,1.80)、(200,1.70)を順に結んだ線で囲まれる範囲(具体的には、図4の斜線部分)に前記Le/φ i 及び前記ランプワットの値があるように規定されている。
【0023】
これにより、CeI3を含む発光物質に特有の細く絞られた放電アーク領域の発光管上側への湾曲度合が軽減され、また発光管上側の局所的な温度上昇が低減されるので、従来の問題である発光管割れ及び放電アーク立消えがともに防止することができ、併せてCeI 3 の比視感度の高い緑色スペクトル放射が増大するので、高効率を実現することができる。更に、発光管の管壁温度が発光物質とアルミナセラミック管の反応が十分抑えられる範囲に保たれ、且つ管端部の黒化現象も軽減されるので、長寿命で高効率なメタルハライドランプを得ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態1にかかるメタルハライドランプの発光管の構成及びランプ全体の構成を示す図である。
【0032】
発光管1は、外囲器2が半透明の多結晶体アルミナセラミック材料からなり、管中央部が円筒形である発光部3とその両端の細管部4、5から構成されている。前記細管部4、5には、比抵抗値5.1×10-7ΩmのAl2O3−Mo系導電性サーメットからなる棒状の給電体6、7がDy2O3−Al2O3−SiO2を主成分としたセラミックフリット8によりそれぞれ気密封着されている。給電体6、7の放電側先端部にはタングステン電極9、10の延長された電極棒がそれぞれ接続されている。この場合、ランプ寿命を通じて前記細管部4、5との強固な気密封着を保つために、給電体6、7の熱膨張係数は、アルミナセラミックからなる細管部4、5の8.1×10-6/℃に対して6.9×10-6/℃の値に設定されている。また、前記セラミックフリット8は、ランプ点灯時の発光物質11による侵蝕を抑制するために、低温部となる前記細管部4、5のタングステン電極9、10との接合部近傍まで限定・充填されている。そして、発光管1内には、セリウム沃化物(CeI3)およびナトリウム沃化物(NaI)からなる発光物質11と、緩衝ガスとしての水銀と始動補助用希ガスとしてアルゴン約13kPaとがそれぞれ封入されている。
【0033】
完成ランプ12としては、図2に示すように、前記発光管1が窒素60〜80kPaが封入されている硬質ガラスからなる外管バルブ13の内部に保持されて、更に口金14が装備されたものから構成されている。
【0034】
本発明者は、最初に図1及び図2の基本構成からなる主力品種である300Wタイプのランプ12において、特に(CeI3+NaI)系発光物質11を封入したときに発生する“発光管割れ及び放電アーク立消え”の2つの現象を解明し、これらを防止できる手段を見出すための検討を行った。
【0035】
具体的には、発光管割れを左右するものとして、(i)管中央の管内径φi及び電極間距離Leからなる発光管の形状パラメータLe/φi値と、(ii)封入する(CeI3+NaI)系発光物質11の組成、の2つのランプ構成要素を想定し、これら要素を変えた試験ランプ12を準備してそのエイジング点灯時の発光管割れの現象を調べた。実際には、(i)発光管寸法として管中央の管内径及び電極間距離をそれぞれφi7.6〜20.0mm及びLe8〜60mmの範囲で組み合わせて、発光管形状パラメータLe/φi値を0.4〜8.0の範囲で変化させ、(ii)前記(CeI3+NaI)組成としてモル組成比NaI/CeI3を2〜50の広い範囲で変化させた発光物質11を12mg封入して、発光管1を試作・準備した。そして、上項(i)の管内径φi及び電極間距離Leの組合せでは、発光管の管壁負荷weは13〜23W/cm2以下の比較的低い範囲に保たれるように設定された。このwe下限値は、目標とする従来の石英発光管ランプに比べて30%アップ相当の117lm/W以上の高いランプ効率を達成する面から設定され、またwe上限値は、一般屋外照明用として要望されるランプ寿命時間9000時間以上を達成する面から設定された。管内の水銀量は発光管単位容積当たり5〜20mg/cm3の範囲で定常点灯時の平均ランプ電圧120V及び平均ランプ電流2.6Aに相応するように調節されて封入された。
【0036】
試験ランプ12は、発光管を水平位置に保ってエイジング点灯を行い、その間の発光管割れ及び放電アーク立消えの発生状態を観測した。また、初期エイジングにおける効率などのランプ特性とエイジングによるランプ寿命特性を測定した。
【0037】
上記の試験結果で、先ず試験ランプ12における発光管割れ及び放電アーク立消え現象と、発光管形状パラメータLe/φi値及び(CeI3+NaI)系発光物質の組成の2つのランプ構成要素との間に、明確な相関関係が確認された。
【0038】
即ち、発光管形状パラメータLe/φi値が1.80より大きい範囲で、且つモル組成比NaI/CeI3が3.8未満の範囲に設定された前記試験ランプ100灯のうち、発光管割れは24灯において発生し、一方放電アーク立消えは36灯において発生した。この場合、発光管割れが発生した前記24灯のうち22灯で放電アーク立消えも発光管割れに先立って発生している。これに対して、Le/φi値が0.40〜1.80の範囲で、且つモル組成比NaI/CeI3が3.8〜50の範囲に設定された前記試験ランプ80灯では、発光管割れと放電アーク立消えは全く発生しなかった。ここで、前記22灯において発光管割れと放電アーク立消えが共に発生したことは、2つの現象が基本的に同一原因によることを示している。また、2つの現象が発生したエイジング時間を調べてみると、前記36灯の放電アーク立消えは全て初期エイジング点灯直後の30〜300秒の間に発生し、一方発光管割れは前記24灯のうち6灯が初期エイジング60分の間に発生した。
【0039】
一方、試験ランプ12の放電アークの状態を観測すると、2つの現象の発生が観測されたLe/φi値が1.80より大きく、且つモル組成比NaI/CeI3が3.8未満、即ちCeI3がNaIに対して増量された範囲のランプでは、(a)発光している放電アーク領域は一様により細く絞られており、また、(b)放電アーク領域の発光管上側への湾曲が大きいことが確認された。これとは対照的に、2つの現象とも未発生であったLe/φi値が0.40〜1.80且つモル組成比NaI/CeI3が3.8〜50のNaIが増量された範囲のランプでは、(a)放電アーク領域は管径方向に比較的太く拡がり、また、(b)放電アーク領域の発光管上側への湾曲も小さいことが確認された。
【0040】
次いで、初期ランプ効率の測定から、モル組成比NaI/CeI3が10より大きくなると、Naの黄色スペクトル放射が主に増えて従来の石英発光管ランプに比べて30%アップ相当の117lm/Wより高いランプ効率は達成されなかった。これに対して、モル組成比NaI/CeI3が3.8〜10の範囲では比視感度の高いCeIの緑色スペクトル放射が増大して、目標とするランプ効率117lm/W以上が得られた。
【0041】
また、寿命特性の測定から、Le/φi値が0.40〜0.80未満の小さい範囲に設定された試験ランプ12に関しては、発光管割れ及び放電アーク立消えは共に未発生で防止されたが、エイジング点灯による発光管端部の電極付近における黒化が激しく、一般屋外照明用として適応できる定格寿命時間9000時間以上は到底達成されないことがわかった。
【0042】
以上の結果から、アルミナセラミック管を用いた300Wタイプの(CeI3+NaI)系メタルハライドランプの発光管割れは、Le/φi値が1.80より大きく、且つ希土類元素のハライド物質であるCeI3がNaIに対して増量された範囲では、放電アーク領域が細く絞られて水平点灯された発光管上側へと大きく湾曲され、これによる発光管上側の管壁温度が局所的に上昇することに起因するといえる。また、放電アーク立消えも、発光管割れと共に発生したことから、基本的には放電アーク領域が細く絞られて湾曲され、これにより放電アーク電圧が過度に上昇することに起因しているといえる。更に、一般に放電アーク領域に発光物質が分子として存在すると放電アーク立消えが発生し易くなることが知られており、特に本発明のCeI3封入ランプでは、CeI3分子の存在(広がった特有の分子スペクトル放射が観測)が放電アーク立消えを助長しているといえる。
【0043】
なお、Ceなどの希土類元素が封入されると基本的にその放射に関与するエネルギー準位の平均励起電圧Veが電離電圧Viの0.585倍より低いので(即ち、Ve<0585・Vi)、放電アーク領域が細く絞られることが知られている。放電アーク領域は、細く絞られるとアーク領域温度が高くなり大きな浮力が働き発光管上側へと湾曲され、併せてLe/φi値1.80より大きい細長形発光管ではそれだけ前記湾曲が助長される。更に、多結晶体アルミナセラミックの熱膨張係数8.1×10-6/℃は、従来の石英の熱膨張係数5.5×10-7/℃に比べて大きいゆえに、特にランプ点灯による急激で局所的な温度上昇に対してアルミナセラミック管の機械的強度は従来の石英に比べて比較的低いものであり、結果的に発光管割れが発生したといえる。また、発光管割れの発生割合が特に初期エイジング60分の点灯直後に比較的高いのは、発光管内の発光物質の化学的混合状態や場所的な分布状態が過渡的なものであり、結果的に封入されたCeI3の蒸気圧が急激により高いレベルまで上昇して、それだけ放電アーク領域の発光管上側への湾曲が増大したからといえる。
【0044】
一方、Le/φi値1.80以下のいわゆる太短形の発光管で、且つモル組成比NaI/CeI3が3.8以上のランプで発光管割れが発生しなかったのは、NaIの増量により放電アーク領域が太く拡がることは知られており、更に電極間距離Leの減少により放電アーク領域の湾曲度合がより軽減され、また管内径φiの増大により放電アーク領域の湾曲による発光管管壁温度の上昇も低減されるからといえる。
【0045】
以上をまとめると、セリウム・ナトリウム沃化物(CeI3+NaI)系発光物質が封入されたアルミナセラミック発光管を用いた300Wランプにおいて、(a)発光管割れは、CeI3封入による特有の放電アーク領域の絞りによる発光管上側への湾曲と、アルミナセラミック管の高い熱膨張係数ゆえの温度上昇に対する機械的強度の低さに起因し、また、(b)放電アーク立消えは、前記放電アーク領域の湾曲に加えてCeI分子の存在による放電アーク電圧の上昇に起因するといえる。そして、上記2つの現象を防止できる第1の具体的手段としては、管壁負荷we13〜23W/cm2の範囲において、発光管形状パラメータLe/φi値を1.80以下且つモル組成比NaI/CeI3を3.8以上の範囲に設定することが極めて有効であることがわかった。即ち、一般屋外照明用の従来の高圧放電ランプの発光管形状は細長形であったが、本発明の目的とするアルミナセラミック管による安全な(CeI3+NaI)系メタルハライドランプを得るには、基本的に太短形形状で管壁負荷weを比較的低い範囲に抑え、NaIを増量することが必要条件となる。
【0046】
一方、目標とする30%アップのランプ効率117lm/W以上と寿命時間9000時間を達成するには、モル組成比NaI/CeI3が10以下で、形状パラメータLe/φi値が0.80以上の範囲に規定する必要がある。
【0047】
結局、本発明が目的とするアルミナセラミック発光管を用いた安全で高効率・長寿命の300Wタイプの(CeI3+NaI)系メタルハライドランプを得るには、基本的に発光管形状パラメータLe/φi値が0.80〜1.80且つモル組成比NaI/CeI3が3.8〜10で、管壁負荷we13〜23W/cm2の範囲に規定すればよいことが明らかとなった。
【0048】
なお、発光管形状として、図3に示すような楕円形のアルミナセラミック発光管を用いて同様の検討を行ったところ、発光管の管壁負荷weを同じ13〜23W/cm2の範囲に保つ限り、図1の前記300Wタイプと同様に発光管形状パラメータLe/φi,max値0.80〜1.80(但し、φi,maxは発光管中心部の管内径)且つモル組成比NaI/CeI33.8〜10の範囲にそれぞれ設定することにより、本発明の目的とするランプが得られることがわかった。
【0049】
上記本発明による主力品種である300Wタイプの典型的なランプ12を準備して、その発光管割れ及び放電アーク立消えの防止効果の確認と、寿命特性及びランプ効率などの特性測定を行った。この場合、ランプは図1及び図2の基本構成からなり、発光管1の具体的構成としては、電極間距離Le23.8mm、管内径φi17.6mm、発光管形状パラメータLe/φi1.35及び管壁負荷we16.8W/cm2にそれぞれ設定し、 管内にはモル組成比NaI/CeI3が8からなる発光物質11を12mg、水銀53mgをそれぞれ封入した。この結果、かかる本発明にもとづく発光管構成により、発光管割れ及び放電アーク立消えは共に発生せず、且つランプ効率は目標値を超えた123lm/Wという優れた値が得られた。また、ランプ定格寿命時間についても、目標値9000時間を超えて12500時間を達成できることがわかった。なお、ランプの演色性としては一般屋外照明用として適応できる下限の平均演色評価数Ra60のレベルが得られた。但し、それぞれの値はランプ10灯の平均値である
【0050】
なお、発光物質11としては(CeI3+NaI)系物質を主成分として、上記目標ランプ効率が満足される範囲において、ランプ演色性や寿命特性をより改良するために他の金属ハライド物質を付加してもよい。
【0051】
本発明者は、次なる検討として前記300Wタイプ以外の一般屋外照明用の200W、400W、700W及び1000Wタイプのメタルハライドランプに関しても、前記300Wタイプと同様に、発光管割れ及び放電アーク立消えを防止でき、併せて従来の石英発光管ランプに比べて30%アップの高効率と定格寿命時間9000時間以上の長寿命を達成できるような発光形状パラメータLe/φi値(あるいはLe/φi,max値)及びNaI/CeI3組成比の範囲を調べた。
【0052】
各ワットタイプの試験ランプ12は、図1又は図3の基本構成からなる発光部3と細管部4、5が一体成形された発光管1を用いて、ランプ12としては図2の構成からなっている。この場合、前記300Wタイプの試験と同様に、各タイプに相応して発光管1の電極間距離Le及び管内径φiの組合せを変えて発光管形状パラメータLe/φi値(あるいはLe/φi,max値)を比較的広い範囲で変えて設定した試験ランプ12を準備した。この場合、目標とする定格寿命時間9000時間以上を達成するために管壁負荷weとして上記300Wタイプに準じた13〜23W/cm2の範囲に規定した。また、発光物質11としても上記300Wタイプと同様にセリウム・ナトリウム沃化物のNaI/CeI3組成比を変えたものを封入した。
【0053】
上記各ワットタイプ の試験ランプ12についても、前記300Wタイプと同様のエイジング点灯での発光管割れ及び放電アーク立消え現象を観測し、またランプ効率や寿命時間などの諸特性を測定した。
【0054】
上記の観測・測定結果から、各ワットタイプの試験ランプ12における発光管割れ及び放電アーク立消えを防止し、併せて従来の石英発光管ランプに比べて30%アップの高効率と定格寿命時間9000時間以上の長寿命を達成するには、(i)発光管の管壁負荷we13〜23W/cm2の範囲において発光管形状パラメータLe/φi値(あるいはLe/φi,max値)をランプワット200W、400W、700W及び1000Wに対して、それぞれ0.75〜1.70、0.85〜1.90、1.00〜2.00及び1.15〜2.10の範囲に規定し(その他のランプワットに対しては図4の斜線部分に相当)、且つ(ii)発光物質(CeI3+NaI)のモル組成比 NaI/CeI3を3.8〜10の範囲に規定すればよいことが明らかとなった。これからわかるように、ランプワットが1000Wまで上昇しても、上記(i)の発光管形状パラメータLe/φi値は大きく増大されずに2.10以下の範囲に抑えられることが必要である。
【0055】
結局、一般屋外照明用の(CeI3+NaI)系発光物質を用いたアルミナセラミック発光管メタルハライドランプにおいては、その発光管形状はランプワット200W〜1000Wを通じて太短形になるといえる。
【0056】
以上のように、アルミナセラミック発光管を用いた一般屋外照明用の高ワットタイプの(CeI3+NaI)系メタルハライドランプにおいて、上記本実施形態で示されたような主成分としてモル組成比NaI/CeI3が3.8〜10の範囲に設定された発光物質を封入し、且つ発光管の管壁負荷weが13〜23W/cm2で発光管形状パラメータLe/φi値を例えば主力品種の300Wタイプであれば0.80〜1.80の範囲にそれぞれ設定することにより、目的とする安全で高効率・長寿命のメタルハライドランプが得られる。
【0057】
しかも、発光部と細管部とが一体成型されているため、従来のメタルハライドランプとは異なり焼きばめ部分がない。よって、発光部に部分的に肉厚の大きい箇所ができないため、熱ロスを少なくすることができ、セリウムの蒸気圧を高めることができ、ランプ効率を一層向上させることができる。
【0058】
なお、セリウムの代わりにプラセオジウムを封入した場合でも上記と同様の効果を得ることができる。
【0059】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2にかかるメタルハライドランプの発光管1の構成を示す図である。
【0060】
発光部3と細管部4、5からなる外囲器2は、半透明の多結晶体アルミナセラミック材料からなる。発光部3は、管中央部が円筒形であり、その両端部は、略円錐形状でテーパを形成している。発光部3の両端には、細管部4、5が形成されている。実施の形態2は、発光部3と細管部4、5とが一体成型されているため、焼きばめ部分がない。そのため、図8に示す従来の発光管115のように、発光部3に部分的に肉厚の大きい箇所(例えば、発光部と細管部の連結箇所周辺)を作る必要がない。そのため、発光部3内の熱ロスが少なく、発光物質11の蒸気圧を充分に高めることができ、ランプ効率が向上する。
【0061】
細管部4、5には、比抵抗値5.1×10-7ΩmのAl2O3−Mo系導電性サーメットからなる棒状の給電体6、7がDy2O3−Al2O3−SiO2を主成分としたセラミックフリット8によりそれぞれ気密封着されている。
【0062】
給電体6、7の放電側先端部にはタングステン電極9、10の延長された電極棒がそれぞれ接合・保持されている。この場合、ランプ寿命を通じて細管部4、5との強固な気密封着を保つために、給電体6、7の熱膨張係数は例えば、アルミナセラミックからなる細管部4、5の8.1×10-6/℃に対して6.9×10-6/℃の値に設定されている。また、セラミックフリット8は、ランプ点灯時の発光物質11による侵蝕を抑制するために、低温部となる細管部4、5のタングステン電極9、10との接合部近傍まで限定・充填されている。そして、発光管1内には、例えば、セリウム沃化物(CeI3)およびナトリウム沃化物(NaI)からなる発光物質11と、緩衝ガスとしての水銀と始動補助用希ガスとしてアルゴン約13kPaが封入されている。なお、発光物質11のモル組成比NaI/CeI3は6.0である。
【0063】
完成したランプ12は、図2に示すように、実施の形態2における発光管1が窒素60〜80kPaが封入されている硬質ガラスからなる外管バルブ13の内部に保持されて、更に口金14が装備されたものから構成されている。
【0064】
次に、実施の形態2のメタルハライドランプと、従来のメタルハライドランプの特性を実測値に基づいて評価した結果について説明する。
【0065】
なお、従来のメタルハライドランプは、図2のランプ12と基本構成は同様であり、実施の形態2における発光管1の代りに、図8に示した焼きばめで構成された従来の発光管115を用いて構成した。発光部3、116内部には、特にセリウム沃化物とナトリウム沃化物(CeI3+NaI)系発光物質を封入し、300Wタイプとした。サンプルは各メタルハライドランプごとに10本ずつ用意し、それらの測定値の平均値により、初期効率の比較を行った。
【0066】
その結果、従来のメタルハライドランプの初期効率は110lm/Wであったのに対して、実施の形態2のメタルハライドランプの初期効率は116lm/Wであり、実施の形態2の方がランプ効率が高いことがわかる。
【0067】
以上のように、実施の形態2のメタルハライドランプによれば、発光管1の外囲器2が、発光部3と細管部3との一体成型によって構成されている。それにより、気密性に優れているので、部分的に肉厚の大きい箇所を形成する必要がなく、熱ロスが少ない。そのために、セリウムの蒸気圧を十分に高めて、ランプ効率を向上させることができる。
【0068】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3にかかるメタルハライドランプの発光管の構成を示す断面図である。実施の形態3の発光管の基本構造は、実施の形態2の発光管と同様であり、異なる点は、発光部の両端部が円錐形状ではなく、略半球形状である点である。
【0069】
図6に示すように、発光部3と細管部4、5とは一体成型されていて、発光部3の両端部が略半球形状になっている。そのため、点灯中、両端部の内面の温度が、さらに均一化され、例えば蒸気圧の低いセリウムでも確実に蒸発し、発光に寄与することとなり、発光効率が向上する。
【0070】
また、実施の形態2の発光管1では、一対のタングステン電極9、10が、上下方向に並ぶように配置された状態で点灯させた場合に、液状の発光物質11が、下方の細管部5の隙間内に沈み込み、発光部3内の発光物質11が減少することがあった。それによって、色温度等の特性が著しく変化するといった不都合があった。しかし、実施の形態3における発光管1は、発光部3の両端部が略半球形状であるため、液状の発光物質11が、発光部3の両端部の内面に沿って流れにくく、内面にたまりやすい。そのため、一対のタングステン電極9、10が、上下方向に並ぶように配置された状態で点灯させた場合でも、液状の発光物質11が下方の細管部5の間隙内に沈み込み難い。そのため、発光部3内の発光物質11の量が減少することがなく、色温度等の特性変化が少ない。
【0071】
次に、この実施の形態3のメタルハライドランプの初期効率を測定した結果を示す。メタルハライドランプとしての基本構成は、図2に示したランプ12と同様とし、図6に示す発光管1を用いて構成した。なお、その他の構成は、実施の形態2での実測例と同一の300Wタイプのメタルハライドランプであり、セリウム沃化物とナトリウム沃化物(CeI3+NaI)系発光物質を封入した。このメタルハライドランプを10本用意し、それらの測定値の平均値を求めた。
【0072】
その結果、初期効率は、120lm/Wであり、上述した実施の形態2のメタルハライドランプの初期効率(116lm/W)よりも、さらに効率が高くなっていることがわかった。
【0073】
また、ライフ中の色温度の特性変化も抑制することができた。具体的には、実施の形態2では、初期の色温度は4200K、Ra71であったが、6000時間のライフ後には4600K、Ra67と大きく特性が変化していた。それに比べて実施の形態3では、6000時間のライフ後に大きな特性変化は確認されなかった。
【0074】
また、図6において、発光部3の中央部分の肉厚t1、発光部3の細管部4、5近傍の肉厚t2をそれぞれ変化させたときのランプ効率およびライフ中の発光管破損確率を測定した。なお、上述と同様に、サンプルは各10本ずつを用意し、それらの平均値を測定値とすることとした。また、ライフ中の発光管破損確率は6000時間までを測定した。その結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
表1より、発光部3の中央部分の肉厚t1を1.0mmと一定にして、発光部3の細管部4、5近傍の肉厚t2を変化させた場合、肉厚t2が0.7mm以下となるとライフ中に発光管1の破損が確認された。これは、発光部3と細管部4、5の境界部分の肉厚が薄いために、その付近に存在する液状の発光物質11の反応でその部分が脆化して耐圧性能が落ちるためである。
【0077】
また、肉厚t2の値が1.3mm以上になると、ランプ効率が大きく下降することが確認された。これは、発光部3と細管部4、5の境界部分の肉厚が厚いために、その部分の発光管温度が上がらず、蒸気圧の低い発光物質11が充分に蒸発することなく、発光に寄与できなかったためである。
【0078】
次に、発光部3の細管部4、5近傍の肉厚t2を1.0mmと一定にして、発光部3の中央部分の肉厚t1を変化させた場合、肉厚t1が0.7mm以下となるとライフ中に発光管1の破損が確認された。発光部3の肉厚が薄いことによる耐圧性能の低下が主要因である。
【0079】
また、肉厚t1が1.3mm以上となるとランプ効率が大きく下降することが確認された。これは、発光部3の肉厚が厚いために、透過率が低いことが主要因である。
【0080】
以上の結果より、発光部3の最大肉厚に対する発光部3の最小肉厚の比を0.80以上にすることにより、熱ロスを一層低減することができ、高効率を実現でき、また、ライフ中の発光管破損を抑制することが可能であることが分かった。
【0081】
なお、実施の形態3では、発光部3の最大肉厚と最小肉厚に相当する箇所を、発光部3の中央部分と細管部4近傍としたが、発光部3全体における任意の箇所を選択しても、同様の効果が認められる。
【0082】
また、発光物質11のモル組成比NaI/CeI3を6.0としたが、3.8〜10の範囲が、好ましい値である。また、NaI以外にも、所望のランプ特性に応じて適宜、ジスプロシウム(Dy)、ツリウム(Tm)、ホルミウム(Ho)、タリウム(Tl)等を発光物質11として添加してもよい。
【0083】
また、セリウムの代わりにプラセオジウムを封入した場合でも上記と同様の効果が認められた。その場合のモル組成比NaI/PrI3は、4.5〜12の範囲が好ましい。
【0084】
以上のように、本発明の実施の形態3のメタルハライドランプによれば、発光部3の両端部を半球形状としたので、発光管1のそれぞれのタングステン電極9、10に上下差が生じるようにして使用しても、液状の発光物質11が、細管部4、5に沈み込むことはなく、減少しないので、発光効率が低下しないという効果を有する。
【0085】
なお、発光部3の両端部の形状は、半球形状ではなく、断面形状において曲線状であってもよく、細管部4、5に液状の発光物質11が流れていきにくければよい。
【0086】
また、図7に示すように、発光部3の両端部の内側を一周するように、突起物15を設ける構成としてもよい。このような構成とすることで、液状の発光物質11が細管部4、5に流れていくことを阻止することができる。また、突起物15ではなく、溝としてもよく、溝に液状の発光物質11がたまって細管部4、5に流れていくことを阻止することができる。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、CeI3を含む発光物質に特有の細く絞られた放電アーク領域の発光管上側への湾曲度合が軽減され、また発光管上側の局所的な温度上昇が低減されるので、問題である発光管割れ及び放電アーク立消えをともに防止することができ、併せてCeI 3 の比視感度の高い緑色スペクトル放射が増大するので、高効率化を実現することができ、更に発光管の管壁温度が発光物質とアルミナセラミック管の反応が十分抑えられる範囲に保たれ且つ管端部の黒化現象も軽減されるので、長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかるメタルハライドランプの発光管の構成を示す断面図である。
【図2】 本発明のメタルハライドランプのランプ全体の構成を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態1にかかるメタルハライドランプの他の発光管の構成を示す断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1により規定されたランプワットに対する発光管形状パラメータLe/φi値の範囲を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態2にかかるメタルハライドランプの発光管の構成を示す断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態3にかかるメタルハライドランプの発光管の構成を示す断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態3にかかるメタルハライドランプの他の発光管の構成を示す断面図である。
【図8】 従来技術による低ワットタイプのアルミナセラミック管メタルハライドランプの発光管の構成を示す断面図である。
【図9】 従来技術によるショートアーク形のアルミナセラミック管メタルハライドランプの発光管の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 発光管
2 外囲器
3 発光部
4,5 細管部
6,7 給電体
8 セラミックフリット
9,10 タングステン電極
11 発光物質
12 ランプ
13 外管バルブ
14 口金
15 突起物
Claims (1)
- 内部に一対の電極が設けられ、且つ発光物質としてセリウム沃化物(CeI3)とナトリウム沃化物(NaI)とが封入された透光性セラミック製の発光管を備え、
前記発光物質のモル組成比NaI/CeI3が3.8〜10の範囲に規定され、
且つ前記発光管の管壁負荷weが13〜23W/cm2の範囲において、
ランプワットの値をX(W)とし、電極間距離をLe、前記発光管の管内径をφ i としたときのLe/φ i をYとする、XY座標上の座標値(X,Y)で表わされる点(200,0.75)、(300,0.80)、(400,0.85)、(700,1.00)、(1000,1.15)、(1000,2.10)、(700,2.00)、(400,1.90)、(300,1.80)、(200,1.70)を順に結んだ線で囲まれる範囲に前記Le/φ i 及び前記ランプワットの値があるように規定されていることを特徴とするメタルハライドランプ。
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