JP3990254B2 - 総ころタイプの転がり軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロッカーアーム用軸受やカムフォロア、ローラフォロア軸受などのように、保持器を用いない総ころタイプの転がり軸受用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の転がり軸受の中には、たとえば、ロッカーアーム用軸受のように、保持器を用いない総ころタイプの軸受でありながら、高速、高荷重用途で使用されるものが増えている。ここで、総ころタイプの軸受とは、上述のように保持器を用いない軸受をさし、総ころ軸受と略称する場合がある。保持器のない総ころタイプの軸受では、ころ同士の干渉が避けられないので、高速になると、ころに表面損傷が生じたり、スムーズにころ位置が制御されずスキューを起こしやすい。この結果、滑り発熱や局部的な面圧上昇が起こり、計算上は大きな負荷容量を持つにもかかわらず、ピーリング、スミアリング、表面起点型剥離などの表面損傷や内部起点型剥離が生じやすかった。
【0003】
すなわち、ローラフォロア、カムフォロア、ロッカーアームなどのように総ころタイプの軸受においては、ころ同士の干渉や潤滑剤が軸受内部にうまく供給されないことにより、ころやレースに表面を起点にする剥離を生じることがある。また、組付け誤差や偏荷重の影響でころにスキューが生じ、滑りによる表面起点剥離や局部的な面圧上昇による内部起点型剥離が生じることもある。
【0004】
これまで、ロッカーアームなどの外輪外径がカムと転がり接触する用途では、主に外輪外径の改良を目的とした改良が多く行なわれてきた。しかし、その一方、ショットピーニングなどの加工による圧縮応力、高濃度浸炭窒化による高硬度(加工硬化)による長寿命化などは、主に相手カムと転動接触する外輪外径の改良のために行なわれている。また、内輪、ころ、または軸受全体の転がり寿命を伸ばすための改良は少ない。材質面からは、下記のように、浸炭窒化処理によって、耐熱性向上やミクロ組織安定性の付与、高硬度化などで軸受の長寿命化を図った例がある。
【0005】
これまでのロッカーアーム関連の寿命向上に関する公知技術は以下のとおりである。
【0006】
(1) エンジンの動弁機構用カムフォロア装置用軸受において、エンジンの定格回転数での軸受の計算寿命を1000時間以上とするもの(特許文献1参照)。
【0007】
(2) 炭化物の割合を10%〜25%とし、残留オーステナイトの初期値に対する分解率を10分の1〜10分の3とし、また、端面硬度をHV830〜960とし、さらに表面粗さの平均波長を25μm以下とした、エンジンの動弁機構用カムフォロア装置用軸受軸。上記特性を実現するために、軸受鋼に浸炭窒化処理およびハードショットピーニングを施す(特許文献2参照)。
【0008】
(3) 軸の耐摩耗性向上のため、軸に高分子化合物などの固体潤滑膜を形成したカムフォロア軸(特許文献3参照)。
【0009】
(4) 工具鋼などで製作し、焼戻し温度よりも低い温度でイオン窒化やイオンプレーティングを行ない、高硬度にしたカムフォロア軸(特許文献4参照)。
【0010】
(5) 軸に対する曲げ応力を150MPa以下に規制したエンジンにおける動弁機構用カムフォロア装置用軸受(特許文献5参照)。
【0011】
(6) 軸受構成部品の転走面に潤滑油保持性に優れたリン酸塩被膜をつけたエンジンの動弁機構用カムフォロア(特許文献6、7参照)。
【0012】
(7) 軸のころ転動領域にクラウニングをつけたエンジンの動弁機構用カムフォロア(特許文献8参照)。
【0013】
(8) 軸の転走面を構成する表層は、炭素濃度を1.2%〜1.7%にするために、高濃度浸炭処理または浸炭窒化処理を行ない、内部は硬度をHV300程度にした軸(特許文献9参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開2000−38907号公報
【0015】
【特許文献2】
特開平10−47334号公報
【0016】
【特許文献3】
特開平10−103339号公報
【0017】
【特許文献4】
特開平10−110720号公報
【0018】
【特許文献5】
特開2000−38906号公報
【0019】
【特許文献6】
特開2000−205284号公報
【0020】
【特許文献7】
特開2002−31212号公報
【0021】
【特許文献8】
実開昭63−185917号公報
【0022】
【特許文献9】
特開平14−194438号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
今後、ロッカーアームやローラフォロア、カムフォロアなどの総ころ軸受においても、保持器を用いた通常の軸受と同様に、使用時の高速化と大荷重化、潤滑油の低粘度化が進むと予想される。このような使用条件で総ころタイプの軸受の転動寿命を長寿命化するためには、(a1)通常の荷重依存型の転動疲れ寿命における方策だけでなく、(a2)滑りや油膜切れが原因で生じる金属接触による表面損傷寿命に対しても方策をとる必要がある。しかしながら、荷重依存型の転動疲れ寿命および金属接触による表面損傷寿命の両方の寿命を、ともに大幅に延長させる技術はこれまでなかった。また、総ころタイプの軸受では、上記2種類の長寿命化の方策に加えて、さらに(a3)総ころ軸受特有のころの干渉やスキューに起因する寿命短縮に対する方策も備える必要がある。
【0024】
上記した公知の技術では、高硬度化、高圧縮応力化により転動寿命を向上させるか、または相手部材との転動面を改良する。しかし、実際に評価すると、外輪のような曲げが作用する用途の長寿命化には効果があるものの、総ころ軸受の内輪やころの長寿命化には、このような改良だけでは必ずしも大きな効果を上げることができなかった。
【0025】
本発明は、使用時の高速化と大荷重化、潤滑油の低粘度化に適用して、潤滑条件、滑り条件、荷重条件ともに厳しい使用条件においても長寿命を発揮することができる総ころタイプの転がり軸受を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の総ころタイプの転がり軸受は、鋼製の外輪、内輪およびころからなり、外輪、内輪およびころの少なくとも1つの部材が表層部に浸炭窒化層を備え、その表層部のオーステナイト結晶粒度が11番以上であり、上記部材はJIS規格SUJ2からなっている。
【0027】
本発明の総ころタイプの転がり軸受は、結晶粒度が細かく、かつ、耐熱性のある材質とすることにより、表面損傷(ピーリング、スミアリングなどの表面起点型剥離)寿命、内部起点剥離寿命ともに向上させることができる。具体的には、軸受鋼などの素材の加工または熱処理パターンの工夫により、11番以上のオーステナイト結晶粒度を確保した浸炭窒化組織にする。このような組織を得ることにより、亀裂に対する発生、伸展抵抗性を非常に大きくすることができる。この結果、滑りによる表層発熱や接線力による表面亀裂の発生を抑えることができる。さらにこれに加えて、内部起点型剥離の亀裂に対しても、相当な長寿命化が図れることを見出した。上記のようなオーステナイト粒径の規定により、これまでの常識を超えるきわめて微細なオーステナイト粒として、安定して長い転動疲労寿命および表面損傷寿命を得ることができる。また、潤滑油の低粘度化にも十分対応することができる。
【0028】
上記のミクロ組織をベースに、さらに加工処理や熱処理を加え、上記の表層に圧縮応力を与え、さらに硬度上昇させることにより、さらに長寿命化を図ることができる。これらの加工処理や熱処理には、(b1)ショットピーニングや(b2)バレル加工、(b3)ローリング加工、(b4)バニッシュ加工、(b5)浸炭処理+浸炭窒化処理、(b6)浸炭窒化処理+サブゼロ処理、(b7)浸炭窒化処理+2次焼入れ+サブゼロ処理のような手法を、そのまま、または(b1)〜(b7)の手法を組み合わせて行なうことができる。
【0029】
なお、オーステナイト結晶粒度が規定値以上であるとは、JIS G 0551に規定されるオーステナイト結晶粒度試験方法において、たとえば、粒度番号7番以上、8番以上、9番以上、10番以上、10番超え、または11番以上のようにオーステナイト結晶粒の微細化の程度を限定することをさす。
【0030】
また、上記外輪、内輪およびころの少なくとも1つの部材が、A1変態点以上この部材の融点以下の温度で浸炭窒化処理を施され、その後A1変態点未満の温度に冷却された後、790℃〜830℃の焼入温度に加熱され焼入れられたものとしてもよい。
【0031】
このようなミクロ組織では、浸炭窒化処理から一度冷却された後に浸炭窒化処理の温度よりも低い焼入温度から焼き入れられるので、非常に微細なオーステナイト結晶粒を得ることができる。上記の浸炭窒化温度より低い焼入温度に加熱し焼き入れる処理を、その処理の順序から、2次焼入れまたは最終焼入れと呼ぶ場合がある。
【0032】
また、上記の焼入温度が、少なくとも浸炭窒化された鋼の表層部において、炭化物および/または窒化物とオーステナイト相とが共存する温度域であるとしてもよい。
【0033】
焼入れの際の加熱温度が浸炭窒化処理時の加熱温度よりも低いので、浸炭窒化処理の効果がおよぶ表層部における未溶解の炭化物および/または窒化物の量は浸炭窒化処理のときよりも増大する。このため、焼入温度が上記の共存温度域の場合、焼入温度において、浸炭窒化処理のときより、未溶解の炭化物/窒化物の量の比率が増大し、オーステナイト量の比率が低下する。しかも、鉄−炭素2元状態図から判断して、炭化物(セメンタイト)とオーステナイトとの共存領域において、焼入温度の低下にともないオーステナイトに固溶する炭素濃度も低くなる。なお、軸受に用いられる鋼は、SiやMnなどの他の合金元素の含有率が低いので、鉄−炭素2元系状態図を用いて十分高い精度で各温度領域や生成層を論じることができる。また、窒素は炭素と同様に、鉄中に侵入型元素として固溶し、また所定の温度域では、セメンタイトに類似した鉄との窒化物を生成するので、近似的に炭素と同じとみることができる。
【0034】
焼入温度に加熱したとき、オーステナイト粒の成長を妨げる未溶解の炭化物および/または窒化物の量が多いために、オーステナイト粒は微細となる。また、焼入れによってオーステナイトからマルテンサイトに変態した組織は、上記の熱処理の場合、炭素濃度がやや低いので、浸炭窒化処理温度から焼き入れた組織に比べて若干靭性に富んだ組織となる。すなわち、(c1)従来よりその量が多い未溶解の炭化物/窒化物と、(c2)炭素濃度が従来より低い焼入れ組織となる。
【0036】
また、上記の外輪、内輪およびころの少なくとも1つにおいて、浸炭窒化処理前に冷間加工が施されていてもよい。
【0037】
このような冷間加工の適用により、熱処理の際のオーステナイト粒の核発生密度を増し、細粒組織を得ることができる。
【0039】
さらに、上記の外輪、内輪およびころの少なくとも1つにおいて、500MPa以上の圧縮応力が形成されていてもよい。
【0040】
上述したように、上記のミクロ組織をベースに、さらに加工処理や熱処理を加え、上記の表層に圧縮応力を与えることにより、さらに長寿命化を図ることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態におけるロッカーアームの構成を示す概略正面図であり、図2は図1のII−II線に沿う断面に対応する図である。図1および図2において、カムフォロア本体1は、中央部において軸受メタルなどを介してカムフォロア軸5に回転自在に支持されている。
【0042】
このカムフォロア本体1の一方の端部には、アジャストねじ7が螺挿されている。このアジャストねじ7はロックナット8により固定され、その下端において内燃機関の給気弁もしくは排気弁の突起棹9の上端と当接している。この突起棹9はばね10の弾発力で付勢されている。
【0043】
カムフォロア本体1は、その他方の端部に二股状に形成されたローラ支持部14を一体に有している。この二股状のローラ支持部14に、ローラ軸2の両端が圧入または止め輪により固定されている。このローラ軸2の外周面中央部には、針状ころ3を介して回転自在にローラ4が支持されている。このローラ4の外周面は、ばね10の付勢力によりカム6のカム面に押し付けられている。
【0044】
ここで、ローラ軸2よりなる内輪と、針状ころ3よりなる転動体と、ローラ4よりなる外輪とにより構成される転がり軸受がロッカーアーム軸受として用いられている。このロッカーアーム軸受の軌道輪をなす内輪2および外輪4ならびにころ3のうち、少なくとも1つの部材の表層に浸炭窒化層が形成され、その表層部のオーステナイト結晶粒度が9番以上、また所定の場合には11番以上に微細化されている。
【0045】
上記のロッカーアーム軸受は、カム6と接触しながら回転するものであるため、外輪4にはカム6の押付け力と衝撃力とが作用し、圧痕の形成と繰返し曲げ応力による割れとが生じることがある。特に、エンジンの高出力化により、回転速度が大きくなるとこれらの力が増大し、割れや圧痕の危険性はますます大きくなり、転動寿命や表面損傷寿命を短縮する。
【0046】
軸受に大きな力が作用して圧痕が形成されるとき、通常は内輪と転動体(ころ)との間の面圧の方が外輪と転動体(ころ)との間の面圧より高いので、内輪に圧痕が形成されやすい。しかし、カムフォロアなどのように外輪に曲げ応力が作用しながら高面圧負荷が作用する場合には、外輪と転動体との間に圧痕が形成されやすい。本願発明者らは、上記の部材のうち、少なくとも1つの部材の表層に浸炭窒化層を形成し、その表層のオーステナイト結晶粒度番号を、たとえば9番以上、所定の場合は11番以上などとすることにより、上記の表面損傷寿命や転動寿命を長寿命化することができることを見出した。また、上記の表層部に、さらに圧縮応力を付加することにより長寿命化の度合いがさらに高まることを見出した。
【0047】
オーステナイト結晶粒を微細化した浸炭窒化層を得るには、例えば次のような方法によるのがよいが、これに限定されるわけではない。図3は、本発明のオーステナイト結晶粒が微細化された浸炭窒化層を得るための熱処理方法を例示する図であり、また、図4は、その変形例を説明する図である。図3は1次焼入れおよび2次焼入れを行なう方法を示す熱処理パターンであり、図4は焼入れ途中で材料をA1変態点温度未満に冷却し、その後、再加熱して最終的に焼入れる方法を示す熱処理パターンである。これらの図において、処理T1では鋼の素地に炭素や窒素を拡散させまた炭素の溶け込みを十分に行なった後、A1変態点未満に冷却する。次に、図中の処理T2において、処理T1よりも低温に再加熱し、そこから油焼入れを施す。この処理T1では、表層部ではオーステナイトと炭化物および/または窒化物との共存領域の温度に加熱してもよい。この共存域では、オーステナイト粒は微細であり、かつオーステナイト中の炭素(窒素)濃度は若干低いので焼入れても靭性に富んだ焼入組織を得ることができる。
【0048】
上記の熱処理により、普通焼入れ、すなわち浸炭窒化処理に引き続いてそのまま1回焼入れするよりも、表層部分を浸炭窒化しつつ、割れ強度を向上させ、表面損傷寿命および転動疲労寿命をともに向上させることができる。さらに、潤滑油の低粘度化にも対応することができるようになる。上記の熱処理方法によれば、オーステナイト結晶粒の粒径が従来の2分の1以下となるミクロ組織を得ることができる。上記の熱処理を受けた軸受部品は、転動疲労および表面損傷寿命に対して長寿命であり、低粘度化にも対応することができる。
【0049】
図5は、軸受部品のミクロ組織、とくにオーステナイト粒を示す図である。図5(a)は本発明例の軸受部品であり、図5(b)は従来の軸受部品である。すなわち、上記図3に示す熱処理パターンを適用した軸受鋼のオーステナイト結晶粒度を図5(a)に示す。また、比較のため、従来の熱処理方法による軸受鋼のオーステナイト結晶粒度を図5(b)に示す。また、図6(a)および図6(b)に、上記図5(a)および図5(b)を図解したオーステナイト結晶粒度を示す。これらオーステナイト結晶粒度を示す組織より、従来のオーステナイト粒径はJIS規格の粒度番号で10番であり、また本発明による熱処理方法によれば12番の細粒を得ることができる。また、図5(a)の平均粒径は、切片法で測定した結果、5.6μmであった。また、焼入れ温度を830℃とすると、平均粒径は8μm程度になる。
【0050】
【実施例】
試験に供した軸受は総ころ形式のニードル軸受である。内輪(軸)は外径14.64mm×幅17.3mmであり、外輪は内径18.64mm×外径24mm×幅6.9mmであり、ころは直径2mm×長さ6.8mmである。ころは26本用い、総ころの構成とした。この軸受の基本動定格荷重は8.6kN、基本静定格荷重は12.9kNである。ここで、軸受はすべて同じ材質の組合せを基本としたが、一部の軸受では材質を組合わせたり、加工を追加したものも製作した。
【0051】
製作したものの一覧表を表1に示す。サンプルの内訳は次のとおりである。なお、特に言及しない場合は、内輪、外輪およびころに同じ熱処理および加工を施した。
【0052】
【表1】
【0053】
No.1:軸受鋼に予め強冷間加工を加え、熱処理後の結晶粒を微細にし、さらに浸炭窒化処理を行なったもの(本発明例)。
No.2:軸受鋼を浸炭窒化処理し、いったん焼入れした後、浸炭窒化処理温度より低い温度から2次焼入れを施したもの(本発明例)。
No.3:浸炭鋼に浸炭+浸炭窒化処理し、焼入れした後、低い温度で2次焼入れを施したもの(本発明例)。
【0054】
これらのオーステナイト結晶粒度番号は、上述のJIS試験方法でNo.11番以上であった。これらのものをベースに、表層に圧縮応力を形成するために、以下の加工処理を施した。
No.4:No.1の状態にさらに、内外輪にショットピーニングを加え、ころにバレル加工を施したもの(本発明例)。
No.5:No.2の状態にさらに、内外輪にショットピーニングを施し、ころにバレル加工を施したもの(本発明例)。
No.6:No.3の状態にさらに、内外輪にショットピーニングを施し、ころにバレル加工を施したもの(本発明例)。
【0055】
さらに表層硬度を高めたものとして次のものを用意した。
No.7:No.1の状態にさらに、内外輪にサブゼロ(−196℃)処理を追加したもの(本発明例)。
No.8:No.1の状態にさらに、内外輪にサブゼロ(−196℃)処理を追加した後、内外輪にショットピーニングを施し、ころにバレル加工を施したもの(本発明例)。
【0056】
内外輪ころの各要素に対し、特に転動寿命が問題になる内輪ところに、上記の方法を適用したものとして次のものを用意した。
No.9:内輪ところに浸炭窒化処理し、焼入れした後、さらに浸炭窒化処理温度より低い温度で2次焼入れを施したものを用い、外輪には標準的な熱処理品を用いたもの(本発明例)。
No.10:内外輪には、浸炭鋼に対し浸炭+浸炭窒化処理し冷却した後、浸炭窒化処理温度より低い温度で2次焼入れを施したものを用い、また、ころには軸受鋼に浸炭窒化処理を施したもの(本発明例)。
【0057】
比較例としては、表1の下欄に示す5種類のものを製作した。
No.11:内外輪およびころともに、軸受鋼の標準熱処理品を用いたもの(比較例)。
No.12:内外輪およびころともに、軸受鋼の浸炭窒化処理品を用いたもの(比較例)。
No.13:浸炭鋼の標準浸炭品を内外輪に用い、ころは軸受鋼の標準熱処理品を用いたもの(比較例)。
No.14:浸炭鋼の2次焼入れ品を用いたもの(比較例)。
No.15:No.11の状態に対してさらに、内外輪にショットピーニングを施し、ころにバレル加工を施したもの(比較例)。
【0058】
これらのサンプルの材質として、結晶粒度、硬度、500℃焼戻し硬度(耐熱性の尺度)を測定し、表1に併せて示した。
【0059】
上記のサンプルについて以下の転動疲労試験および表面損傷強度試験の評価を行なった。
【0060】
(1)転動疲労試験
外輪(内径18.64mm×外径24mm×幅6.9mm)と、内輪(軸)(外径14.64mm×幅17.3mm)と、26本のころ(径2mm×長さ6.8mm)とを組合わせ、基本動定格荷重8.6kNの30%の荷重である荷重2.58kNで転動試験を行なった。試験装置には図7に示す転動疲労試験装置を用い、試験条件は表2に示す条件によった。本転動疲労試験は外輪回転により行なった。結果を表3に示す。
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
表3には示していないが、主に、ころまたは内輪が剥離した。No.9(本発明例)では一部外輪剥離も認められた。表3より、本発明例のものは比較例に比べ長寿命であり、いずれも標準品の約3倍、通常の浸炭窒化品の約1.5倍の長寿命を示した。
【0064】
(2)ピーリング試験
ピーリング試験条件を表4に、また試験サンプルの一覧を表5に示す。
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
本発明例のNo.1〜No.3の材質およびこれらにショットピーニングやサブゼロを施したものの計8種類(No.1〜No.8)、比較例サンプル5種類(No.11〜No.15)の計13種類についてピーリング試験を行なった。直径40mm試験片(鏡面仕上げ)をSUJ2製の粗面試験片を相手に、一定条件で転動接触させ、一定時間後にサンプル(鏡面)試験片上に発生したピーリング、すなわち微小な剥離の集合体の面積率を測定した。この面積率の逆数をここではピーリング強度と定義し、標準品(比較例No.11)のピーリング強度を1とした場合の比率で表わした。結果を表5に示す。
【0068】
表5によれば、本発明例のものは比較例のものに比べ1.5倍以上のピーリング強度を示している。結晶粒の細かさと適度の残留オーステナイトが亀裂の発生、伸展に対する靭性を高めていると言える。またサブゼロ処理や加工処理を加えたもの(No.4〜No.8)はいずれも強度が向上している。高硬度や圧縮応力がピーリング亀裂の発生や伸展を抑えるためと考えられる。
【0069】
(3)スミアリング試験
ピーリング試験片と同様の材質の試験片を用い、スミアリング発生強度を調べた。試験条件を表6に示す。
【0070】
【表6】
【0071】
試験片も相手試験片も同一材質の組合せで試験を行なった。結果を表5に示す。ここで、評価は、スミアリングが発生したときの相手試験片の回転速度について、標準品(比較例No.11)との比を表わしている。スミアリングに関しても、本発明例のものは標準品(比較例No.11)に比べ1.5倍以上の発生強度(発生までの回転速度)であり、他の比較例のものよりも高めである。結晶粒の細かさと適度の残留オーステナイト、細かい炭化物の存在のバランスが大きな滑り条件での表層の塑性流動を抑え、耐焼付け性を高めているといえる。加工処理を加えたものは加工なしのものより若干強度が向上している。
【0072】
(4)静的割れ強度
表5の材質のサンプルについて、図8に示す外輪(内径18.64mm×外径24mm×幅6.9mm)単体にアムスラー試験機で荷重をかけ、割れ強度を測定した。結果を表5に示す。
【0073】
割れ起点はリング内径部(転走面)表面である。表5より、通常、浸炭窒化処理を施すと、比較例No.12のように静的割れ強度は低下するが、本発明例1〜No.3のものは標準熱処理品と同じかやや向上しており、割れ強度の低下は認められない。これらに加工処理を加えた本発明例No.4〜No.6のものは一律に割れ強度が向上している。No.7のサブゼロ処理を加えたものでは、No.1のサブゼロ処理なしに比べやや割れ強度が低下しているが、これに加工処理を加えたNo.8では向上が認められる。
【0074】
一方、比較例No.12の強度低下は浸炭窒化処理が長時間の拡散処理のため、結晶粒の粗大化が起こることと、残留オーステナイト量が増えるために、局部的に引張り強度が弱い組織になったためと考えられる。No.13も同様の理由で強度低下が生じている。
【0075】
(5)割れ疲労強度
割れ疲労強度を調べるために、表5のサンプル外輪に、表7の条件で繰返し負荷し、割れ疲労強度を求めた。すなわち、外輪に98Nから所定荷重の繰返し荷重をかけ、割れるまでの繰返し数を比較した。
【0076】
【表7】
【0077】
ここでは、荷重条件を変えて繰り返し荷重をかけ、105回の繰返しに耐える荷重を求めた。結果を、割れ疲労強度比として表5に示す。比較例の標準熱処理品の強度に対する比で記載したが、いずれも本発明例のものは割れ疲労強度が大幅に改善されている。
【0078】
割れ疲労強度に関しては、浸炭鋼をベースにした本発明例No.3やこれに圧縮応力を組合わせた本発明例No.6が好結果を示した。
【0079】
以上の結果から、潤滑条件が悪く、またころのスキューやころ同士の干渉による短寿命が発生しやすい総ころ転がり軸受において、微細な結晶粒と適度の残留オーステナイトを含むミクロ組織にすることにより、転動寿命を著しく向上させることができることを見出した。また、この仕様は、従来の浸炭窒化処理のように割れ強度を損なうことがないので、高強度、長寿命の総ころ転がり軸受にすることができる。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0081】
【発明の効果】
本発明の総ころタイプの転がり軸受において、微細なオーステナイト粒からなる浸炭窒化層を有する部材を配置することにより、使用時の高速化と大荷重化、潤滑油の低粘度化に適用して、十分な耐久性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における総ころタイプの転がり軸受であるロッカーアーム軸受を示す図である。
【図2】 図1におけるII−II線に沿う断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態における熱処理方法を説明する図である。
【図4】 本発明の実施の形態における熱処理方法の変形例を説明する図である。
【図5】 軸受部品のミクロ組織、とくに旧オーステナイト粒を示す図である。(a)は本発明例の軸受部品であり、(b)は従来の軸受部品である。
【図6】 (a)は図5(a)を図解したオーステナイト粒界を示し、(b)は図5(b)を図解したオーステナイト粒界を示す。
【図7】 転動疲労寿命試験機の概略図である。
【図8】 静的割れ強度試験片を示す図である。
【符号の説明】
1 カムフォロア本体、2 ローラ軸(内輪)、3 針状ころ(転動体)、4ローラ(外輪)、5 カムフォロア軸、6 カム、7 アジャストねじ、8 ロックナット、9 突起棹、10 ばね、14 ローラ支持部、T1 浸炭窒化処理(その加熱温度)、T2 焼入処理(その加熱温度)。
Claims (5)
- 鋼製の外輪、内輪およびころからなる総ころタイプの転がり軸受において、
前記外輪、内輪およびころの少なくとも1つの部材が表層部に浸炭窒化層を備え、その表層部のオーステナイト結晶粒度が11番以上であり、
前記部材はJIS規格SUJ2からなっている、総ころタイプの転がり軸受。 - 前記部材が、A1変態点以上前記部材の融点以下の温度で浸炭窒化処理を施され、その後A1変態点未満の温度に冷却された後、790℃〜830℃の焼入温度に加熱され焼入れられたものである、請求項1に記載の総ころタイプの転がり軸受。
- 前記焼入温度が、浸炭窒化された鋼の表層部において、炭化物および/または窒化物とオーステナイト相とが共存する温度域である、請求項1または2に記載の総ころタイプの転がり軸受。
- 前記部材において、前記浸炭窒化処理前に冷間加工が施されている、請求項2または3に記載の総ころタイプの転がり軸受。
- 前記部材において、500MPa以上の圧縮応力が形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の総ころタイプの転がり軸受。
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