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JP3989750B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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JP3989750B2 JP2002063587A JP2002063587A JP3989750B2 JP 3989750 B2 JP3989750 B2 JP 3989750B2 JP 2002063587 A JP2002063587 A JP 2002063587A JP 2002063587 A JP2002063587 A JP 2002063587A JP 3989750 B2 JP3989750 B2 JP 3989750B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶表示装置には透過型の液晶表示部の背面から該表示部を照射するバックライト方式の透過型のものと自然光又は外部光を利用して表示部で反射させる反射型のものがある。
また前記反射型液晶表示装置において自然光、外部光などが弱くて表示画面の明るさが足りない場合には、一時的に明るさを補償するためにフロントライトを設ける場合がある。
【0003】
には従来の透過型液晶表示装置の断面図を示し、図には従来の反射型液晶表示装置の断面図を示す。図に示す透過型液晶表示装置は表示部背面側から順にバックライト22、偏光板23、液晶表示セル24(2枚の電極配置の透明基板とその間に配置される液晶層から成る)、偏光板25、タッチパネル26又は保護カバーを積層したものである。また、図に示す従来の反射型液晶表示装置は表示部背面側から順に反射膜10、液晶表示用のセル16(2枚の電極配置の透明基板7、8とその間に配置される液晶層9から成る)、偏光板6、フロントライト4、タッチパネル15又は保護カバーを積層したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記図で示した透過型液晶表示装置の偏光板25を備えたタッチパネ26と液晶表示セル24とバックライト22は別個に作製された後に接合されるため、これらの接合面を完全に密着させることが困難であり、該接合面同士の間に空間部ができることは避けられない。
また前記図で示した反射型液晶表示装置のタッチパネル15、フロントライト4と偏光板6を備えた液晶表示セル16もそれぞれ別個に作製された後に接合されるため、これらの接合面間に空間部ができる。
【0005】
そのため、図、図に示すように各液晶表示装置の前記接合面間にできる空間部に空気が存在することになり、各接合部の各界面で屈折率(n)の違いによる光の反射が起こる。例えば図に示す例では各部材の構成材料が、波長550nmにおける屈折率n=1.6のポリエチレンテレフタレート(PET)1と前記波長における屈折率n=1.5のガラス基板2を主要な構成要素とするタッチパネル15と前記波長における屈折率n=1.5のポリメチルメタクリレート(PMMA)からなるフロントライト4と前記波長における屈折率n=1.5のポリビニルアルコール(PVA)から成る偏光板6及び二枚のガラス基板7、8とその間に設けられる液晶層9から成る液晶表示セル16及び反射膜10が順次積層されている。
【0006】
このとき、PET1の表面からの入射光は図に示す通り、タッチパネル15のPET1の表面から5.00%、PET1とガラス基板2の間からは0.10%、ガラス基板2と空気層(n=1.00)の間では4.00%、フロントライト4と空気層の間では4.00%、空気層と偏光板6との間では4.00%の反射率で反射する。従って液晶表示セル16へ透過する入射光の透過率は78.90%である。
【0007】
なお、屈折率がそれぞれn1、n2である隣接する膜の間での反射により入射光が減光される率は次式により計算される。
反射率R=(n1−n2)2/(n1+n2)2
このように、偏光板、タッチパネル及びフロントライトなどの表面や裏面で反射した光により表示画像のコントラストが低下する。そのため、防眩性や反射防止手段等の機能を追加する必要があり、更にそれらの品質を確保することも考慮しなければならない。また、前記機能の追加により、ある程度視認性を向上させることは可能であるが、これらの対策は根本的な問題の解決にならないだけでなく、その費用がコストアップの原因になる。
【0008】
また、前記図、図、図、図で示した液晶表示装置の前記接合面間を接着剤・粘着剤で接着させることで、前記空間部ができないようにする方法が、例えば特開2001−117720号公報、特開2001−290135号公報などに記載されている。しかしこの方法では接着剤・粘着剤の塗布が不均一になりやすく、表示ムラができる原因になる。また、接着剤・粘着剤の塗布後の接合面の乾燥中に埃などが付着して表示点欠陥(ポイントディフェクト)ができやすいという問題があった。また、前記接合面の貼り付け時に位置ズレが生じたときには、修正が難しいという問題もあった。
そこで、本発明の課題は積層部材の各接合面間の空間部を無くしてコントラストの高い視認性の良好な液晶表示装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、目視側から遠い方から順に、光吸収膜、電極が配置された2枚の基板間に画素形成用コレステリック液晶層を配置した液晶表示セル、シリコーン樹脂シート及びタッチパネルを積層し、前記シリコーン樹脂シートの端部には少なくとも1個の光源を接着配置した液晶表示装置である
柔軟性があるシリコーン樹脂シートにより、液晶表示セル(電極が配置された2枚の基板間に画素形成用液晶を配置したセル)とタッチパネルとの間など、光が入射する部材との密着性が良くなるので望ましい。
【0010】
上記シリコーン樹脂シートとしては、具体的には朝日ラバー(株)社製の超透明シリコーンゴムなどの透過性の高いシリコーン樹脂を用いることができる。また、シリコーン樹脂シートの波長550nmにおける屈折率は1.4以上、膜厚は0.1〜5mmとすることが望ましい。前記屈折率は1.4未満ではガラスと貼り合わせた場合、界面の反射が大きくなってしまうという不具合がある。また、シリコーン樹脂シートの膜厚が0.1mm未満では均一に作ることが難しく、5mmを超えると液晶表示装置全体の厚みが厚くなるという不具合がある。
【0011】
また、シリコーン樹脂シートの端部には少なくとも1個のLED光源または蛍光灯などの光源を接着配置することで光源とすることができる。
そして、液晶表示セルおよび透明タッチパネルの前記シリコーン樹脂製シートとの各接触面の波長550nmにおける屈折率とシリコーン樹脂製シートの屈折率との差が0.1以下であると良い
ここで、前記シリコーン樹脂製シートを用いることで、液晶表示セルとタッチパネルの間に空気層を介在させることなく密着配置することができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、前記シリコーン樹脂シートとして紫外線カット機能を有するシリコーン樹脂シートを用いる請求項1に記載の液晶表示装置である。紫外線カット機能を有するシリコーン樹脂シートを用いて偏光板の不要なコレステリック液晶ディスプレイ(反射型)に適用することで視認性向上とともにUV対策も同時に行うことができる。
【0013】
また、シリコーン樹脂シートは、接着剤・粘着剤を用いることなく、液晶表示セルおよびタッチパネルに密着固定されていることが望ましい。
晶表示セルの液晶層はコレステリック液晶層で有、その背面側基板の外側に光吸収膜を設けた構成である
【0014】
請求項3記載の発明は、前記タッチパネル上にAR膜を設けた請求項1又は2に記載の液晶表示装置である。また、請求項4記載の発明は、前記AR膜は、MgF 2 やSiO 2 膜を含む比較的低い屈折率膜とTiO 2 やZrO 2 を含む比較的高い屈折率膜を積層した多層膜から成るAR膜である請求項3に記載の液晶表示装置である。タッチパネル表面などにAR膜を追加することで更に性能を上げることができる。
【0015】
【作用】
本発明の反射型液晶表示装置において、液晶表示セルおよびタッチパネルのシリコーン樹脂シートとの各接触面の部材の波長550nmにおける屈折率とシリコーン樹脂シートの波長550nmにおける屈折率との差が0.1以下であると、前記接触面とシリコーン樹脂シートの界面で屈折率の違いによる光の反射が起こりにくくなる。
【0016】
記シリコーン樹脂製シートを用いることで、該シリコーン樹脂シートと液晶表示セル及びシリコーン樹脂シートとタッチパネルの間に空気層を介在させることなく密着配置することができ、前記各部材の界面からの反射を防ぎ、液晶表示装置の反射率自体を向上させることができる。こうして得られた反射型液晶表示装置は、より屈折率の違いがなくなり光の反射が起こりにくくなる。
また、前記シリコーン樹脂製シートを用いることより、タッチパネルと液晶表示セルを別個に作製した後にこれらを接合する際に、接合面間を接着剤を使用しないで密着できる。そのため液晶表示装置の製造が簡易になる。
【0017】
また、シリコーン樹脂製シートは柔軟性があり、外部からの衝撃を吸収するので、耐衝撃性がある。また、シリコーン樹脂製シートは透過率が大きいので液晶表示装置に用いるときに好都合である。
液晶にTNやSTN液晶を用いる場合は、反射膜が液晶表示セルの背面に配置されるが、本発明ではCH(Cholesteric)液晶を用いており、光吸収膜を反射膜の代わりに用いる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1に示す実施形態はポリエチレンテレフタレート(PET)1とガラス基板2を主要な構成要素とするタッチパネル15と二枚のガラス基板7、8とその間に設けられる液晶層9から成る液晶表示セル16及び吸収14が順次積層されるが、タッチパネル15とガラス基板7の間にジメチルシリコーンから成る透明シリコーンゴム11が配置されている。
【0019】
図3及び図5によれば、タッチパネル15とフロントライト4の接合面及びフロントライト4と偏光板6の接合面同士の間には空間層ができやすいが、本実施形態ではフロントライトや偏光板を配置せず、液晶表示セル16とタッチパネル15の接合面間に透明シリコーンゴム11を配置する。該透明シリコーンゴム11は、タッチパネル15とガラス基板7との間の密着性を改善するだけでなく、光源12を備えたフロントライトとして利用している。
【0020】
本実施形態の各部材の波長550nmにおける屈折率とその膜厚は次の通りである。
タッチパネル :PET、n=1.6、膜厚=0.125mm
ガラス基板 :n=1.5、膜厚=1.0mm
透明シリコーン:n=1.4、膜厚=1.0mm
【0021】
ET1の表面からの入射光は、PET1の表面から5.00%、PET1とガラス基板2の間からは0.10%、ガラス基板2とシリコーンゴム11との間では0.12%の反射率で反射する。従って液晶表示セルへ透過する入射光は94.%であり、図に示す液晶表示セルへ透過する入射光の透過率より約20%向上している。こうしてコントラストの高い視認性の良好な液晶ディスプレイが得られる。
【0022】
そして、図1に示すようにタッチパネル15の表面にMgF2やSiO2膜のような低屈折率膜とTiO2やZrO2などの高屈折率膜を積層した多層膜から成る反射防止(AR)膜13を設けても良い
R膜13を設ける処理などによる視認性の改善ではなく、透明シリコーンゴム11の追加で液晶ディスプレイの反射率自体が向上し、AR膜13を設ける処理と同等以上の性能が得られる。また、タッチパネル表面などにAR膜13を追加することで更に性能を上げることができる。
【0023】
本実施形態で偏光板を使用しないのは液晶にCH液晶を用いるためであり、UVカット層をシリコーンゴム11に積層するかシリコーンゴム11内に挿入してUVカット機能を持たせると良い。
AR膜13上から入射した光はAR膜13の表面で0.50%反射するので、液晶表示セルへ透過する入射光は99.1%となり、高い入射光透過率を示す液晶表示装置が得られる。
【0024】
なお、本実施形態で用いるタッチパネルの構造は周知のとおりであり、目視側のPET1のシート(内面にX方向に複数のストライプ電極が設けられている)と目視側とは反対側のガラス基板2(内面にY方向に複数のストライプ電極が設けられており、対向するX方向電極とドットマトリックス電極を形成する)が空気層を挟んで一定距離をおいて四周で固定維持されている。タッチパネル表面を指で押し圧印加したドットは上下電極導通状態になり、タッチパネル15のドットマトリックス電極と位置的に対応する液晶表示セル16の表示ドットを表示モードにする。そのようなタッチパネル電極オンオフ信号を液晶表示セル表示信号に結ぶ制御回路がある。
【0025】
【発明の効果】
本発明の液晶表示装置では従来のタッチパネルを備えた液晶表示装置に比べコントラストが向上することで表示画像の視認性が向上する。
また、反射防止膜のコーティングなどの機能を付加することなく液晶表示装置の反射率を向上させることができるためコストがかからない。
【0026】
液晶表示セルとタッチパネルの接合面間にシリコーン樹脂シートを用いることにより、接着剤を用いること無く隣接する部材との密着性が確保でき、液晶表示装置の製造が簡易になる。
【図面の簡単な説明】
【図】 本発明の実施形態による液晶表示装置の断面図である。
【図】 従来技術の液晶表示装置の断面図である。
【図】 図の液晶表示装置の問題点を説明する図である。
【図】 従来技術の液晶表示装置の断面図である。
【図】 図の液晶表示装置の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1 ポリエチレンテレフタレート(PET)
2 ガラス基板 4 フロントライト
6 偏光板 7、8 ガラス基板
9 液晶層 10 反射膜
11 透明シリコーンゴム 12 光源
13 反射防止(AR)膜 14 吸収膜
15 タッチパネル 16 液晶表示セル
22 バックライト 23 偏光板
24 液晶表示セル 25 偏光板
26 タッチパネル

Claims (4)

  1. 目視側から遠い方から順に、光吸収膜、電極が配置された2枚の基板間に画素形成用コレステリック液晶を配置した液晶表示セル、シリコーン樹脂シート及びタッチパネルを積層し、前記シリコーン樹脂シートの端部には少なくとも1個の光源を接着配置したことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記シリコーン樹脂シートとして紫外線カット機能を有するシリコーン樹脂シートを用いることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記タッチパネル上にAR膜を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記AR膜は、MgF 2 やSiO 2 膜を含む比較的低い屈折率膜とTiO 2 やZrO 2 を含む比較的高い屈折率膜を積層した多層膜から成るAR膜であることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
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