JP3989040B2 - 内袋を有する段ボール箱およびその製造方法 - Google Patents
内袋を有する段ボール箱およびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外箱と一体構造の内袋を有する段ボール箱およびその製造方法に係り、特に平封筒状の内袋を用いることができる内袋を有する段ボール箱およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、段ボール箱内に液状あるいは粒粉状をなす収容物を収容する場合には、これらの収容物が段ボール箱の上下のフラップ部から漏れるおそれがあるため、段ボール箱内に内袋を配置し、収容物をこの内袋内に収容するようにしているのが通例である。
【0003】
ところで、内袋が段ボール箱と別体構造となっている場合には、取扱いが容易でないため、両者を一体構造とする必要がある。そこで従来は、まず展開状態の段ボール箱の内面に展開状態の内袋を接着固定し、次いで展開状態の段ボール箱を折線にそって折曲げるとともに、内袋の端部を熱溶着等の方法によりシールして内袋を構成し、最後に段ボール箱の端部を連結して段ボール箱を構成する方法を採っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の段ボール箱の製造方法においては、段ボール箱を組立てる際に内袋も製造されることになるため、内袋の内部が汚れたりゴミが入るおそれがあり、また平封筒状をなす内袋を、段ボール箱を組立てる際に製造しなければならないため、製造工程上どうしても段ボール箱に不要な折線を入れざるを得ず、ためにこの折線により製品となった段ボール箱の壁面強度が低下するという問題がある。また、内袋と段ボール箱とが一部一体に組合わされることになるため、使用後内袋と段ボール箱とを分離してリサイクルを図ろうとしても、分離作業が容易でないという問題もある。
【0005】
本発明は、かかる現況に鑑みなされたもので、内袋の内部が汚れたりゴミ等が入るおそれがなく、また平封筒状の内袋を用いても外箱に不要な折線を入れる必要がなく、リサイクルも容易な内袋を有する段ボール箱およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の他の目的は、段ボール箱を組立てる際に、内袋の底部の折りたたみを容易なものとすることができるようにすることにある。
【0007】
本発明の他の目的は、特に外箱の各側面部の横幅が同一寸法の正方形の段ボール箱に適用した際に、組立作業を極めて容易なものとすることができるようにすることにある。
【0008】
本発明の他の目的は、より少ない材料で内袋を製造することができるようにすることにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、外箱の底面形状が長方形をなす段ボール箱に適用した際に、内袋の底部の折りたたみ作業を極めて容易なものとすることができるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明は、折線を介し順次連結された第1側面部,第2側面部,第3側面部および第4側面部と、第4側面部に折線を介し連結された糊代と、前記各側面部の上下端部に折線を介しそれぞれ連結された天部フラップおよび底部フラップとを有する段ボール製の外箱と;第1側面部と第2側面部とを合わせた長さとほぼ同一の横幅を有する平封筒状に形成され、少なくとも前記各側面部の下端縁全域に接着固定されて、外面が前記各側面部にほぼ密着する内袋と;を設け、前記内袋の各側面部から下方に突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度が45度以上で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平方根以上の値の台形状となるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、より少ない材料で内袋を製造することが可能となる。
【0013】
本発明はまた、内袋の各側面部から下方に突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度がともに45度で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平方根である台形状となるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、内袋の底部に弛みを生じさせることなく折りたたむことが可能となり、しかも外箱の底面形状が長方形の場合にも、折りたたんだ内袋の先端が、外箱の外形から外方に突出することがない。
【0014】
本発明はまた、折線を介し順次連結された第1側面部,第2側面部,第3側面部および第4側面部と、第4側面部に折線を介し連結された糊代と、前記各側面部の上下端部に折線を介しそれぞれ連結された天部フラップおよび底部フラップとを有する段ボール製の外箱と;第1側面部と第2側面部とを合わせた長さとほぼ同一の横幅を有する平封筒状に形成され、少なくとも前記各側面部の下端縁全域に接着固定されて、外面が前記各側面部にほぼ密着する内袋と;を設け、前記内袋の各側面部から下方に突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度が45度以上で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平方根以上の値の台形状に形成するとともに、前記内袋を、第3側面部および第4側面部上に接着固定した後に、糊代を内袋上に接着固定し、次いで第1側面部および第2側面部を内袋側に折返して内袋および糊代に接着固定するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、予め平封筒状に製造されている内袋を用いて段ボール箱を製造することが可能となり、内袋内部が汚れたりゴミ等が入るおそれがない。また、平封筒状の内袋を用いても、外箱に不要な折線を入れる必要がないので、外箱の壁面強度が低下するといった不具合がない。また、内袋は外箱の最内部に位置していて、内袋の一部が例えば糊代と第1側面部との間に折り込まれるといったことがないので、使用後両者を容易に分離することができ、リサイクルが容易となる。また、より少ない材料で内袋を製造することが可能となり、また外箱の底面形状が長方形の場合であっても、折りたたんだ内袋の先端が外箱外形から突出するのを防止あるいは可及的少なくすることが可能となる。
【0015】
本発明はまた、折線を介し順次連結された第1側面部,第2側面部,第3側面部および第4側面部と、第4側面部に折線を介し連結された糊代と、前記各側面部の上下端部に折線を介しそれぞれ連結された天部フラップおよび底部フラップとを有する段ボール製の外箱と;第1側面部と第2側面部とを合わせた長さとほぼ同一の横幅を有する平封筒状に形成され、少なくとも前記各側面部の下端縁全域に接着固定されて、外面が前記各側面部にほぼ密着する内袋と;を備え、前記内袋の各側面部から下方に突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度が45度以上で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平方根以上の値の台形状に形成するとともに、前記内袋を、第2側面部および第3側面部上に接着固定した後に、第4側面部および糊代を内袋側に折返して内袋に接着固定し、次いで第1側面部を内袋側に折返して内袋および糊代に接着固定するようにしたことを特徴とする。そしてこの場合にも、内袋内部が汚れたりゴミ等が入るおそれがなく、また外箱の壁面強度が低下するといった不具合がない。またリサイクルも容易である。また、より少ない材料で内袋を製造することが可能となり、また外箱の底面形状が長方形の場合であっても、折りたたんだ内袋の先端が外箱外形から突出するのを防止あるいは可及的少なくすることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して説明する。図1および図2は、参考の形態に係る内袋を有する段ボール箱を示すもので、この段ボール箱1は、方形容器状に組立てられる段ボール製の外箱2と、この外箱2内に接着固定された平封筒状の内袋3とから構成されており、収容物は内袋3内に収容されるようになっている。
【0019】
前記外箱2は、図3に示すように折線4,5,6を介し順次連結された第1側面部7,第2側面部8,第3側面部9および第4側面部10と、第4側面部10に折線11を介し連結された糊代12と、前記各側面部7,8,9,10の上端部に折線13,14,15,16を介しそれぞれ連結された天部フラップ17,18,19,20と、前記各側面部7,8,9,10の下端部に折線21,22,23,24を介しそれぞれ連結された底部フラップ25,26,27,28とから構成されており、前記各側面部7,8,9,10により外箱2の周壁が構成されるとともに、前記各天部フラップ17,18,19,20により外箱2の上蓋が構成され、また前記各底部フラップ25,26,27,28により外箱2の底蓋が構成されるようになっている。そしてこの外箱2は、底面形状が正方形をなすようになっている。
【0020】
一方、前記内袋3は、図4に示すように、例えば内面に熱可塑性プラスチックフィルムをラミネートした紙製シート材を二つ折りに折曲げ、その側縁および下縁を熱溶着して平封筒状に形成されており、その横幅W0 は、前記第1側面部7の横幅W1 と第2側面部8の横幅W2 とを合計した値(すなわち第3側面部9の横幅W3 と第4側面部10の横幅W4 とを合計した値)とほぼ同一に設定されている。また、内袋3の前記各側面部7,8,9,10から下方に突出する部分は、底角θ1 ,θ2 がともに45度をなす二等辺三角形に形成されており、これにより、内袋3の底部を折りたたんで段ボール箱1の底を形成する際に、内袋3の底部に弛みを生じさせることなく折りたたむことができるとともに、折りたたんだ先端部が外箱2の外形から外側に突出しないようにすることができるようになっている。なお、これについては後に詳述する。
【0021】
このように構成された内袋3は、図5に網目を施した箇所に接着剤29を塗布して外箱2を製造することにより、外箱2に接着固定されるようになっている。
【0022】
次に、本参考の形態に係る段ボール箱1の製造方法について説明する。製造に際しては、図5に示すように、まず予め定められた形状にカットされた外箱2を、その内面が上面側にくるようにして配置し、この状態で、第3側面部9の周縁部,第4側面部10の周縁部,天部フラップ19の全域,および天部フラップ20の下端部に接着剤29を塗布する。そして、その上に内袋3を載置して、内袋3と両側面部9,10および両天部フラップ19,20とを接着固定する。
【0023】
次いで、糊代12の全域に接着剤29を塗布するとともに、折線11を介して折曲げ、内袋3の上面に糊代12を接着固定する。
【0024】
次いで、第1側面部7の周縁部,第2側面部8の周縁部,天部フラップ17の全域,および天部フラップ18の全域に接着剤29を塗布する。そして、両側面部7,8を折線5を介し内袋3の上面側に二つ折りに折り返し、両側面部7,8および両天部フラップ17,18を、内袋3および糊代12の上面に接着固定する。
【0025】
以上の作業により、段ボール箱1の製造が完了するので、その後各折線4,5,6を介して4枚の側面部7,8,9,10を角筒状に折曲げるとともに、内袋3の底部を折りたたみ、その後各底部フラップ25,26,.27,28を、各折線21,22,23,24を介し内側に折曲げ、ガムテープ等で固定して段ボール箱1の底蓋を完成させる。
【0026】
次いで、内袋3内にその上端開口部から収容物を投入し、その後天部フラップ17,19を各折線13,15を介し内側に折曲げるとともに、天部フラップ18,20を折線14,16を介し内側に折曲げる。すると、内袋3の上端開口部は、閉じられた状態で両天部フラップ18,20の先端間から立上げられることになる。そこで、内袋3の前記立上げられた部分を、最適な位置で熱溶着等によりシールするとともに、必要に応じシール位置から上方の余分な部分をカットする。そしてその後、内側に折曲げていた天部フラップ20を立上げるとともに、内袋3の上端部分を天部フラップ20の下側に折込み、再び天部フラップ20を内側に折曲げる。そして最後に、ガムテープ等で固定して段ボール箱1の上蓋を完成させる。
【0027】
ところで、4枚の側面部7,8,9,10を角筒状に折曲げると、図6に示すように、内袋3下端の三角形の部分は、三角形の両斜辺を平らにする方向に広げられ、その先端が三角形に立上げられることになる。
【0028】
ここで、各底角θ1 ,θ2 はともに45度であるので、三角形の両斜辺を平らにする方向に広げられた際に、平らに広げられた部分に弛みを生じさせることがなく、またその先端の三角形に立上げられた部分を、両側面部8,9のコーナ側に折りたたむと、外箱2底部の外形から外側に突出することなく外箱2の外形内に収まることになる。これは、両側面部7,10のコーナ側に折りたたんでも同様である。
【0029】
一方、内袋3の上端側は、各側面部7,8,9,10のみでならず、各天部フラップ17,18,19,20にも接着固定されており、しかもこれら各天部フラップ17,18,19,20は、内側に折曲げるまでは、各側面部7,8,9,10と一体の平面をなしている。このため、4枚の側面部7,8,9,10を角筒状に折曲げると、内袋3の上端開口部も、これに倣って角筒状に広げられることになる。このため、収容物を容易に内袋3内に投入することができる。
【0030】
しかして、予め平封筒状に製作されている内袋3を用いることができるので、内袋3の内部が汚れたりゴミ等が入るおそれが全くない。また、内袋3が平封筒状であるにも拘らず、外箱2に不要な折線を入れる必要がないので、壁面強度が低下するといった不具合がない。また、内袋3の底部は、底角θ1 ,θ2 がともに45度の二等辺三角形状をなしているので、弛みなく折りたたむことができるとともに、折りたたんだ先端が外箱2の外形から外側に突出することもなく、段ボール箱1の組立作業が容易である。
【0031】
なお、前記参考の形態においては、段ボール箱1の製造に際して、図5に示すように、内袋3をまず第3側面部9および第4側面部10の上面に接着固定する場合について説明したが、内袋3をまず第2側面部8および第3側面部9の上面に接着固定し、次いで第4側面部10および糊代12を、折線6を介し内袋3側に折返して内袋3の上面に接着固定し、最後に第1側面部7を、折線4を介し内袋3側に折返して内袋3および糊代12の上面に接着固定するようにしてもよい。そして、このような製造方法の場合にも、前記参考の形態における製造方法と同様の効果が期待できる。
【0032】
また、前記参考の形態においては、内袋3の下端部が、底角θ1 ,θ2がともに45度の二等辺三角形状をなす場合について説明したが、底角θ1 ,θ2 が45度以上の三角形であれば、例えば底角θ1 ,θ2 がともに60度の正三角形や、底角θ1 が45度で底角θ2 が60度の三角形等でもよい。そしてこの場合には、内袋3の底部を折りたたんだ際に、多少弛みが生じたりあるいは折りたたんだ先端が外箱2の外形から外側に突出したりすることはあるが、その他の点については、同様の効果が期待できる。
【0033】
また、前記参考の形態においては、4枚の側面部7,8,9,10の横幅W1 ,W2 ,W3 ,W4 がすべて同一寸法である場合,すなわち外箱2の底面形状が正方形である場合について説明したが、横幅W1 ,W3 とW2 W4 とが異なる寸法である場合,すなわち外箱2の底面形状が長方形である場合にも、同様に適用することができる。
【0034】
ただし、長方形の場合、内袋3の下端部を、底角θ1 ,θ2 がともに45度の二等辺三角形状にした場合であっても、図7に示すように、折りたたんだ先端部が外箱2の外形から外側に突出してしまうことになる。このため、突出した部分を再度内側に折返す必要がある。
【0035】
図8および図9は、外箱2の底面形状が長方形の場合でも、内袋3下端の折りたたんだ先端部が、外箱2の外形から外側に突出することがないようにした本発明の実施の形態を示すもので、内袋3の各側面部7,8,9,10から下方に突出する部分を台形状に形成するようにしたものである。
【0036】
すなわち、内袋3の各側面部7,8,9,10から下方に突出する部分は、図9に示すように下底と斜辺とのなす角度θ3 ,θ4 がともに45度をなす台形状に形成されており、その高さTは、第1側面部7の横幅W1 と第2側面部8の横幅W2 とを乗じて2で割った値の平方根と同一の値になるように設定されている。
【0037】
次に、高さTを前述のように決定している理由について説明する。
いま、図10に示すように、長辺の長さがA,短辺の長さがB,対角線の長さが2Cの長方形状をなす外箱2を考えると、前記各長さA,B,2Cの関係は、次式で与えられる。
【0038】
【数1】
【0039】
一方、内袋3の各側面部7,8,9,10から下方に突出する部分が所定寸法の台形状をなす場合、すなわち、図11に示すように、下底と斜辺とのなす角度θ3 ,θ4 がともに45度で高さがTの台形の場合、各側面部7,8,9,10を角筒状に折曲げた際の対角線の位置は、折線4と上底の中点とを結んだ線分位置および折線6と上底の中点とを結んだ線分位置(図11では折線4側のみを図示)となる。
【0040】
ここで、図11に示すように、上底の中点から垂線を降ろして三角形Zを考えると、三角形Zの各辺の長さは、図12に示すように、C,T,(A−B)/2となる。そして、これら各長さC,T,(A−B)/2の関係は、次式で与えられる。
【0041】
【数2】
【0042】
そして、この数2に前記数1を代入すると、高さTは次式で与えられる。
【0043】
【数3】
【0044】
以上のことから、台形の高さTは、第1側面部7の横幅W1 (すなわち長さB)と第2側面部8の横幅W2 (すなわち長さA)とを乗じて2で割った値の平方根と同一の値となる。
【0045】
内袋3の各側面部7,8,9,10から下方に突出する部分が、前述のように寸法設定された台形状をなす場合、各側面部7,8,9,10を角筒状に折曲げると、内袋3の台形部分は図13に示すように折りたたまれ、折りたたまれた先端部が外箱2の外形から外側に突出することがなくなる。
【0046】
しかして、内袋3の底部の形状を、角度θ3 ,θ4 がともに45度で、高さTが数3の右辺で与えられる値となるような台形状としているので、弛みなく折りたたむことができるとともに、折りたたんだ先端部が外箱2の外形から外側に突出することもない。
【0047】
なお、前記実施の形態においては、内袋3の下端部が、角度θ3 ,θ4がともに45度で高さTが数3の右辺で与えられる値となる台形状をなす場合について説明したが、角度θ3 ,θ4 が45度以上の台形であれば、例えば角度θ3 ,θ4 がともに60度の台形や、角度θ3 が45度で角度θ4 が60度の台形等でもよい。また高さTも、数3の右辺で与えられる値以上であればよい。ただし、これらの場合には、前記三角形の場合と同様、多少弛み等が生じることになる。
【0048】
また、前記実施の形態においては、外箱2の底面形状が長方形である場合について説明したが、数3の関係は理論的には正方形の場合にも成立するので、外箱2の底面形状が正方形の場合にも同様に適用することができる。そして、内袋3の底部を台形状にすることにより、三角形状の場合に比較して、より少ない材料で内袋3を製造することができる。反面、内袋3底部の折りたたみ方が多少複雑になるので、使用目的等に合わせ三角形と台形とを適宜選択することになる。これは、外箱2の底面形状が長方形の場合も同様である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、内袋の各側面部から下方に突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度が45度以上で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平方根以上の値の台形状となるようにしているので、より少ない材料で内袋を製造することができる。
【0053】
本発明はまた、内袋の各側面部から下方に突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度がともに45度で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平方根である台形状となるようにしているので、内袋の底部に弛みを生じさせることなく折りたたむことができるとともに、最少の材料で内袋を製造することができ、しかも外箱の底面形状が長方形の場合であっても、折りたたんだ内袋の先端が、外箱底面の外形から外方に突出することがない。
【0054】
本発明はまた、内袋の各側面部から下方に突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度が45度以上で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平方根以上の値の台形状に形成するとともに、内袋を、第3側面部および第4側面部上に接着固定した後に、糊代を内袋上に接着固定し、次いで第1側面部および第2側面部を内袋側に折返して内袋および糊代に接着固定するようにしているので、予め平封筒筒状に製造されている内袋を用いて段ボール箱を製造することができ、内袋内部が汚れたりゴミ等が入るおそれが全くない。また、平封筒状の内袋を用いても、外箱に不要な折線を入れる必要がないので、外箱の壁面強度が低下するといった不具合がない。また、内袋は外箱の最内部に位置していて、内袋の一部が例えば糊代と第1側面部との間に折り込まれるといったことがないので、使用後に両者を容易に分離することができ、リサイクルが容易である。また、より少ない材料で内袋を製造することができ、また外箱の底面形状が長方形の場合であっても、折りたたんだ内袋の先端が外箱の外形から外側に突出するのを防止あるいは可及的少なくすることができる。
【0055】
本発明はまた、内袋の各側面部から下方に突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度が45度以上で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平方根以上の値の台形状に形成するとともに、内袋を、第2側面部および第3側面部上に接着固定した後に、第4側面部および糊代を内袋側に折返して内袋に接着固定し、次いで第1側面部を内袋側に折返して内袋および糊代に接着固定するようにしているので、前記製造方法の場合と同様、内袋内部が汚れたりゴミ等が入るおそれが全くなく、外箱の壁面強度が低下するといった不具合もない。また、内袋が外箱の最内部に位置しているので、両者を容易に分離することができ、リサイクルが容易である。また、より少ない材料で内袋を製造することができ、また外箱の底面形状が長方形の場合であっても、折りたたんだ内袋の先端が外箱の外形から外側に突出するのを防止あるいは可及的少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考の形態に係る内袋を有する段ボール箱を示す断面図である。
【図2】図1と同様の外観構成図である。
【図3】外箱の展開図である。
【図4】内袋の構成図である。
【図5】外箱と内袋との接着固定方法を示す説明図である。
【図6】外箱を角筒状に折曲げた際の内袋底部の折りたたみ状態を示す斜視図である。
【図7】底面形状が長方形をなす外箱の場合に、内袋の底部を三角形状にした際の内袋底部の折りたたみ状態を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態を示す図1相当図である。
【図9】図8の内袋の構成を示す相当図である。
【図10】底面形状が長方形をなす外箱における長辺,短辺および対角線の関係を示す説明図である。
【図11】内袋の底部を台形状にすることができる理由を示す説明図である。
【図12】図11の台形の高さを決定する方法を示す説明図である。
【図13】外箱を角筒状に折曲げた際の台形状をなす内袋底部の折りたたみ状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 段ボール箱
2 外箱
3 内袋
4,5,6,11,13,14,15,16,21,22,23,24 折線
7 第1側面部
8 第2側面部
9 第3側面部
10 第4側面部
12 糊代
17,18,19,20 天部フラップ
25,26,27,28 底部フラップ
29 接着剤
W0 ,W1 ,W2 ,W3 ,W4 横幅
θ1 ,θ2 底角
θ3 ,θ4 角度
T 高さ
Claims (4)
- 折線を介し順次連結された第1側面部,第2側面部,第3側面部および第4側面部と、第4側面部に折線を介し連結された糊代と、前記各側面部の上下端部に折線を介しそれぞれ連結された天部フラップおよび底部フラップとを有する段ボール製の外箱と;第1側面部と第2側面部とを合わせた長さとほぼ同一の横幅を有する平封筒状に形成され、少なくとも前記各側面部の下端縁全域に接着固定されて、外面が前記各側面部にほぼ密着する内袋と;を備え、前記内袋の各側面部から下方に突出する部分は、下底と斜辺とのなす角度が45度以上で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平方根以上の値の台形状をなしていることを特徴とする内袋を有する段ボール箱。
- 内袋の各側面部から下方に突出する部分は、下底と斜辺とのなす角度がともに45度で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平方根である台形状をなしていることを特徴とする請求項1記載の内袋を有する段ボール箱。
- 折線を介し順次連結された第1側面部,第2側面部,第3側面部および第4側面部と、第4側面部に折線を介し連結された糊代と、前記各側面部の上下端部に折線を介しそれぞれ連結された天部フラップおよび底部フラップとを有する段ボール製の外箱と;第1側面部と第2側面部とを合わせた長さとほぼ同一の横幅を有する平封筒状に形成され、少なくとも前記各側面部の下端縁全域に接着固定されて、外面が前記各側面部にほぼ密着する内袋と;を備え、前記内袋の各側面部から下方に突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度が45度以上で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平方根以上の値の台形状に形成するとともに、前記内袋を、第3側面部および第4側面部上に接着固定した後に、糊代を内袋上に接着固定し、次いで第1側面部および第2側面部を内袋側に折返して内袋および糊代に接着固定することを特徴とする内袋を有する段ボール箱の製造方法。
- 折線を介し順次連結された第1側面部,第2側面部,第3側面部および第4側面部と、第4側面部に折線を介し連結された糊代と、前記各側面部の上下端部に折線を介しそれぞれ連結された天部フラップおよび底部フラップとを有する段ボール製の外箱と;第1側面部と第2側面部とを合わせた長さとほぼ同一の横幅を有する平封筒状に形成され、少なくとも前記各側面部の下端縁全域に接着固定されて、外面が前記各側面部にほぼ密着する内袋と;を備え、前記内袋の各側面部から下方に突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度が45度以上で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平方根以上の値の台形状に形成するとともに、前記内袋を、第2側面部および第3側面部上に接着固定した後に、第4側面部および糊代を内袋側に折返して内袋に接着固定し、次いで第1側面部を内袋側に折返して内袋および糊代に接着固定することを特徴とする内袋を有する段ボール箱の製造方法。
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