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JP3984683B2 - レーザ加工装置および加工対象物の位置測定方法 - Google Patents

レーザ加工装置および加工対象物の位置測定方法 Download PDF

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JP3984683B2 JP14001297A JP14001297A JP3984683B2 JP 3984683 B2 JP3984683 B2 JP 3984683B2 JP 14001297 A JP14001297 A JP 14001297A JP 14001297 A JP14001297 A JP 14001297A JP 3984683 B2 JP3984683 B2 JP 3984683B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光を用いて加工対象物を加工するレーザ加工装置に係り、とりわけガルバノメータスキャナ等によりレーザ光を走査しつつ加工対象物を加工するレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レーザ光の光路上に配置されたガルバノメータスキャナ等によりレーザ光を走査しつつ加工対象物を加工するレーザマーキング装置等のレーザ加工装置が知られている。このようなレーザ加工装置においては一般に、加工対象物の位置を測定するために、CCD(Charge Coupled Device )カメラにより加工対象物を撮影するとともに、この撮影された画像を静止画像認識機構等を有する画像処理装置により認識する方法が採られている。なお、CCDカメラを用いて加工対象物の位置を測定する従来の方法としては、例えば図5および図6に示すようなものがある。
【0003】
まず、図5により、従来のレーザ加工装置(レーザマーキング装置)の一例について説明する。図5に示すように、従来のレーザマーキング装置は、レーザ光を発生するレーザ発振器1と、レーザ発振器1にて発生したレーザ光を複数の加工対象物10上で走査するガルバノメータスキャナ2a,2bと、レーザ発振器1およびガルバノメータスキャナ2a,2bを制御するマーカコントローラ7と、複数の加工対象物10の全体に照明光を照射する照明灯9と、照明灯9により照明光が照射された加工対象物10を撮影するCCDカメラ13と、CCDカメラ13により撮影された画像を認識するための静止画像認識機構を有する画像処理装置14と、画像処理装置14により認識された画像を表示するモニタ15とを備えている。
【0004】
図5に示すレーザマーキング装置において、加工対象物10に対するマーキングは、マーカコントローラ7によりガルバノメータスキャナ2a,2bを制御しつつレーザ発振器1にて発生したレーザ光をガルバノメータスキャナ2a,2bを介して加工対象物10上に照射することにより行われる。これに対し、加工対象物10の位置測定は、照明灯9により照明光が照射された複数の加工対象物10の全体をCCDカメラ13により撮影するとともに、この撮影された画像を画像処理装置14により認識することにより行われる。なお、画像処理装置14により認識された複数の加工対象物10の画像はモニタ15上に表示される。
【0005】
次に、図6により、従来のレーザ加工装置(レーザマーキング装置)の別の例について説明する。ここで図6に示すレーザマーキング装置は、加工対象物10に対する照明および撮影がガルバノメータスキャナ2a,2bを介して行われる点を除いて、他は図5に示すレーザマーキング装置と略同一である。図6に示すレーザマーキング装置において、図5に示すレーザマーキング装置と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0006】
図6に示すレーザマーキング装置において、加工対象物10に対するマーキングは、マーカコントローラ7によりガルバノメータスキャナ2a,2bを制御しつつレーザ発振器1にて発生したレーザ光をガルバノメータスキャナ2a,2bを介して加工対象物10上に照射することにより行われる。これに対し、加工対象物10の位置測定は、ガルバノメータスキャナ2a,2bを介してライト11にて発生した光(可視光)を加工対象物10上に照射しつつ加工対象物10からの反射光をガルバノメータスキャナ2a,2bを介してCCDカメラ13に取り込み、この取り込まれた反射光(画像)を画像処理装置14により認識することにより行われる。ここでライト11にて発生した光は、各加工対象物10の大きさに対応した範囲にのみ照射される。そして、この照射箇所はガルバノメータスキャナ2a,2bの回動動作により順次変更され、各加工対象物10ごとにその位置が測定される。なお、画像処理装置14により認識された各加工対象物10の画像はモニタ15上に表示される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のレーザ加工装置においては、加工対象物の位置を測定するために、CCDカメラにより加工対象物を撮影するとともに、この撮影された画像を静止画像認識機構等を有する画像処理装置により認識している。
【0008】
しかしながら、図5に示すようなレーザ加工装置(レーザマーキング装置)では、複数の加工対象物10の位置を一括して測定しているので、分解能が上がらず所望の検出精度が得られないという問題がある。
【0009】
また、図6に示すレーザ加工装置(レーザマーキング装置)では、複数の加工対象物10のそれぞれの位置を順次測定していくので、図5に示すレーザマーキング装置よりも高い検出精度を得ることはできるが、各加工対象物10ごとに拡大して測定しているため視野が狭くなり、全体の位置測定に長時間を要してしまうという問題がある。
【0010】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、複数の加工対象物の位置を高い検出精度でかつ短時間に測定することができるレーザ加工装置および加工対象物の位置測定方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、四角形状の加工対象物を加工するレーザ加工装置において、レーザ光を発生するレーザ発振器と、前記レーザ発振器にて発生したレーザ光を加工対象物上で走査するスキャナ手段と、前記スキャナ手段により走査されたレーザ光の反射光の光量を検出する光量検出手段と、前記光量検出手段により検出された反射光の光量変化に基づいて前記加工対象物の位置を算出する位置算出手段とを備え、前記スキャナ手段は、前記加工対象物上で第1の方向に向けて第1のレーザ光と当該第1のレーザ光に平行な第2のレーザ光を走査するとともに、前記第1の方向に対して傾いた第2の方向に向けてレーザ光を走査し、前記位置算出手段は、前記光量検出手段により検出された前記第1の方向に走査された第1のレーザ光および第2のレーザ光並びに前記第2の方向に走査されたレーザ光のそれぞれに対応する前記加工対象物からの反射光の光量変化から前記加工対象物の端部の位置を求め、この加工対象物の端部の位置に基づいて、前記加工対象物の位置を算出することを特徴とするレーザ加工装置を提供する。
【0012】
また本発明は、四角形状の加工対象物の位置を測定する加工対象物の位置測定方法において、加工対象物上で第1の方向に向けて第1のレーザ光と当該第1のレーザ光に平行な第2のレーザ光を走査するとともに、前記第1の方向に対して傾いた第2の方向に向けてレーザ光を走査する工程と、走査されたレーザ光の反射光の光量を検出する工程と、前記第1の方向に走査された第1のレーザ光および第2のレーザ光並びに前記第2の方向に走査されたレーザ光のそれぞれに対応する前記加工対象物からの反射光の光量変化から前記加工対象物の端部の位置を求め、この加工対象物の端部の位置に基づいて、前記加工対象物の位置を算出する工程とを備えたことを特徴とする加工対象物の位置測定方法を提供する。
【0013】
本発明によれば、加工対象物上で所定方向に向けてレーザ光を走査するとともに、加工対象物からの反射光の光量変化に基づいて加工対象物の位置を算出しているので、各加工対象物の位置を高い検出精度でかつ短時間に測定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図3は本発明によるレーザ加工装置および加工対象物の位置測定方法の一実施の形態を示す図であり、図1は加工対象物10上に文字や図形等のマーキングを行うレーザマーキング装置を示している。
【0015】
図1に示すように、レーザマーキング装置は、YAGレーザ光を発生するYAGレーザ発振器1と、可視光であるHe−Neレーザ光を発生するHe−Neレーザ発振器3と、YAGレーザ発振器1およびHe−Neレーザ発振器3にて発生したレーザ光を、治具(図示せず)上に載置された複数の加工対象物10上で走査するガルバノメータスキャナ(スキャナ手段)2a,2bと、YAGレーザ発振器1およびガルバノメータスキャナ2a,2bを制御するマーカコントローラ7と、加工対象物10または治具から反射されたレーザ光の光量を検出するPINフォトダイオード(光量検出手段)4と、PINフォトダイオード4により検出された反射光の光量変化に基づいて加工対象物10の位置を算出する光量処理装置(位置算出手段)5と、光量処理装置5による処理結果を表示するモニタ6とを備えている。
【0016】
ここで、YAGレーザ発振器1およびHe−Neレーザ発振器3にて発生したレーザ光の光路上には一対のハーフミラー12a,12bが配置されており、一方のハーフミラー12aはYAGレーザ発振器1にて発生したレーザ光を透過させるとともに加工対象物10または治具からの反射光をPINフォトダイオード4に向けて反射させるものである。また他方のハーフミラー12bは、He−Neレーザ発振器3にて発生したHe−Neレーザ光を一方のハーフミラー12aに向けて反射させるとともに一方のハーフミラー12aにて反射された加工対象物10または治具からの反射光をPINフォトダイオード4に向けて透過させるものである。なお、He−Neレーザ発振器3にて発生したHe−Neレーザ光は、一方のハーフミラー12aにおいてYAGレーザ発振器1にて発生したYAGレーザ光と同軸となるように重ね合わされるようになっている。
【0017】
また、複数の加工対象物10の上方には照明灯9が設けられている。なお照明灯9は、加工対象物10の配置作業等を容易にするために設けられたものであり、加工対象物10の位置測定に直接必要とされるものではない。
【0018】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0019】
まず、加工対象物10上に文字や図形等のマーキングを行う前に、治具上における加工対象物10の位置測定を行う。このような位置測定時には、マーカコントローラ7の制御の下で、YAGレーザ発振器1にてYAGレーザ光を発生させ、この発生したYAGレーザ光をハーフミラー12aを介してガルバノメータスキャナ2a,2bに導く。なお、このような位置測定時におけるレーザ光の出力はマーキング時の出力よりも低く設定されている。また、YAGレーザ光は波長が1.06μmで目に見えないため、He−Neレーザ発振器3にて発生した可視光であるHe−Neレーザ光をハーフミラー12a,12bを介してYAGレーザ光と同軸となるように重ね合わせる。
【0020】
また同時に、マーカコントローラ7の制御の下で、ガルバノメータスキャナ2a,2bを作動させ、これによりYAGレーザ発振器1およびHe−Neレーザ発振器3にて発生したレーザ光を治具上に載置された複数の加工対象物10上で走査する。ここで、複数の加工対象物10が図1に示すように治具上で一列に並んでいる場合には、複数の加工対象物10のそれぞれをレーザ光が順次横切るよう直線的に走査する。
【0021】
このようにして走査されたレーザ光は加工対象物10の表面または治具の表面で反射され、この反射光はガルバノメータスキャナ2a,2bおよびハーフミラー12a,12bを介してPINフォトダイオード4に戻される。
【0022】
そして、PINフォトダイオード4により、加工対象物10の表面または治具の表面で反射された反射光の光量が検出され、さらに光量処理装置5により、PINフォトダイオード4により検出された反射光の光量変化に基づいて加工対象物10の位置が算出される。なお、光量処理装置5による処理結果はモニタ6上に表示される。
【0023】
ここで例えば、レーザ光を所定方向に直線的に走査する場合には、レーザ光の反射光の光量は加工対象物10の反射率と治具の反射率との相違や、加工対象物10および治具の高低差等に応じて変化するので、このような反射光の光量変化に基づいて所定方向に向かう走査直線上での加工対象物10の端部の位置を測定することができる。
【0024】
図2(a)(b)(c)(d)は、このような位置測定時におけるPINフォトダイオード4での検出例を示す図であり、治具18上に載置された1つの加工対象物10(図2(a)参照)に対してレーザ光を図面の左右方向に走査した場合の検出例を図2(b)(c)(d)に示す。図2(b)(c)(d)のうち、図2(b)は加工対象物10の表面の反射率が治具18の表面の反射率よりもはるかに大きい場合の検出例を示す図、図2(c)は加工対象物10の表面の反射率と治具18の表面の反射率とが略同一でかつ加工対象物10の両端M2 ,M3 および治具18の段差部分M1 ,M4 の高低差が少ない場合の検出例を示す図、図2(d)は加工対象物10の表面の反射率と治具18の表面の反射率とが略同一でかつ加工対象物10の両端M2 ,M3 および治具18の段差部分M1 ,M4 の高低差が極端に大きい場合の検出例を示す図である。
【0025】
図2(b)に示すように、加工対象物10の表面の反射率が治具18の表面の反射率よりもはるかに大きい場合には、加工対象物10の両端M2 ,M3 において反射レベルが急激に変化する。このため光量処理装置5は、PINフォトダイオード4により検出されたこのような反射レベルの変化に基づいて走査直線上での加工対象物10の両端M2 ,M3 の位置を検出することができる。なお、加工対象物10の左端M2 より左側、または加工対象物10の右端M3 より右側には治具18の表面しか存在しないので、この部分では反射レベルがほとんど変化しない(治具18の段差部分M1 ,M4 においてはその高低差に対応したわずかな変化のみが検出される)。
【0026】
また図2(c)に示すように、加工対象物10の表面の反射率と治具18の表面の反射率とが略同一でかつ加工対象物10の両端M2 ,M3 および治具18の段差部分M1 ,M4 の高低差が少ない場合には、レーザ光に略垂直な反射面からの反射レベルは略同一であるが、加工対象物10の両端M2 ,M3 および治具18の段差部分M1 ,M4 においては反射レベルがいったん急激に下降する。このため光量処理装置5は、PINフォトダイオード4により検出されたこのような反射レベルの変化と、治具18上における加工対象物10のおおよその位置関係とに基づいて走査直線上での加工対象物10の両端M2 ,M3 の位置を検出することができる。
【0027】
さらに図2(d)に示すように、加工対象物10の表面の反射率と治具18の表面の反射率とが略同一でかつ加工対象物10の両端M2 ,M3 および治具18の段差部分M1 ,M4 の高低差が極端に大きい場合には、加工対象物10の表面または治具18の表面からの反射レベルが反射面の高低差に対応して変化し、加工対象物10の表面または治具18の表面からの反射レベルは加工対象物10および治具18の断面とほぼ同一形状の波形として検出される。このため光量処理装置5は、PINフォトダイオード4により検出されたこのような反射レベルの変化に基づいて走査直線上での加工対象物10の両端M2 ,M3 の位置を検出することができる。
【0028】
なお図2(b)(c)(d)に示すように、加工対象物10の両端M2 ,M3 および治具18の段差部分M1 ,M4 において、反射レベルの波形の変化点位置と加工対象物10の両端M2 ,M3 等の位置とは完全には一致していない。このため光量処理装置5においては、例えば反射レベルの上昇(下降)開始点位置および上昇(下降)終了点位置の位置座標の平均値等を算出することにより両端M2 ,M3 等の位置を求めるようにするとよい。
【0029】
このようにして、レーザ光を加工対象物10の所定の一方向に走査することにより、PINフォトダイオード4および光量処理装置5により走査直線上での加工対象物10の両端M2 ,M3 の位置を測定することができる。ここで、治具上における加工対象物10のずれが一方向にのみ生じる場合には、上述したような一方向への走査のみで加工対象物10の位置を測定することも可能である。しかしながら、図3(a)に示すように、治具上において加工対象物10が任意の方向にずれるような場合には、上述したような一方向への走査のみでは加工対象物10の位置を確実に測定することができない。
【0030】
ここで図3(a)(b)により、加工対象物10が治具上で任意の方向にずれる場合の位置測定方法について説明する。なおここでは、図3(a)に示すように、矩形状の加工対象物10が加工予定位置(図3(a)の2点鎖線)から実際の位置(図3(a)の実線)までずれているものとする。
【0031】
この場合には、第1に、レーザ光を加工対象物10上で符号▲1▼▲2▼▲3▼の方向に走査することにより各走査直線▲1▼▲2▼▲3▼上での加工対象物10の端部の位置を測定する。
【0032】
具体的には、まず第1に、直線x=X1に沿ってY軸方向にレーザ光を走査し(符号▲1▼)、この走査されたレーザ光に対応する反射光の光量変化に基づいて加工対象物10の位置A(X1,Y1),B(X1,Y1′)を測定する。第2に、直線x=X2(=X1+Δx)に沿ってY軸方向にレーザ光を走査し(符号▲2▼)、この走査されたレーザ光に対応する反射光の光量変化に基づいて加工対象物10の位置C(X2,Y2),D(X2,Y2′)を測定する。第3に、直線y=Y3に沿ってX軸方向にレーザ光を走査し(符号▲3▼)、この走査されたレーザ光に対応する反射光の光量変化に基づいて加工対象物10の位置E(X3,Y3),F(X3′,Y3)を測定する。
【0033】
このようにして3つの走査直線▲1▼▲2▼▲3▼上での加工対象物10の端部の位置A,B,C,D,EおよびFを測定した後、これらの位置A,B,C,D,EおよびFの座標に基づいて加工対象物10の実際の位置を特定する。
【0034】
具体的には、まず、位置A,Cの座標値X1,X2,Y1,Y2に基づいて次式(1)により、加工対象物10のX軸に対する傾きθを計算する。なお次式(1)においてΔx=X2−X1,Δy=Y2−Y1である。
【0035】
θ=Tan-1(Δy/Δx) … (1)
ここで、加工対象物10の加工予定位置における仮想原点O1の座標を(X0,Y0)、仮想原点O1に対応する実際の原点O2の座標を(X0″,Y0″)とすると、加工対象物10の実際の位置における特定の点P2の座標(X″,Y″)は、点P2に対応する加工予定位置における点P1の座標(X,Y)の関数として次式(2)(3)により求められる。
【0036】
X″=Xcosθ−Ysinθ+(X0″−X0) … (2)
Y″=Xsinθ+Ycosθ+(Y0″−Y0) … (3)
なお上式(2)(3)において、
X0″={(m2 ・X1+X3)−m・(Y1−Y3)}/(m2 +1)
Y0″={(m2 ・Y3+Y1)−m・(X1−X3)}/(m2 +1)
m=Δy/Δx
である。
【0037】
以上のようにして加工対象物10の実際の位置(X″,Y″)が求められた場合には、加工予定位置(X,Y)を基準として規定されているマーキング情報を上式(2)(3)に従って加工対象物10の実際の位置に対応したマーキング情報に変換する。その後、マーカコントローラ7の制御の下で、この変換されたマーキング情報に基づいてガルバノメータスキャナ2a,2bを作動させ、YAGレーザ発振器1にて発生したYAGレーザ光を加工対象物10上に照射することにより、加工対象物10上に文字や図形等のマーキングを行う。なお、このようなマーキング時には、レーザ光の出力が加工に適した出力レベルとなるようYAGレーザ発振器1が再設定される。また、このようなマーキング中においても、He−Neレーザ発振器3にて発生した可視光であるHe−Neレーザ光をYAGレーザ発振器1にて発生したYAGレーザ光に重ね合わせ、これによりマーキング状況を目で確認できるようにしてもよい。
【0038】
このように本実施の形態によれば、マーカコントローラ7の制御の下で、YAGレーザ発振器1にて発生したレーザ光を治具上に載置された複数の加工対象物10上で走査するとともに、このようにして走査されたレーザ光の反射光の光量をPINフォトダイオード4により検出し、さらにPINフォトダイオード4により検出された反射光の光量変化に基づいて光量処理装置5により加工対象物10の位置を算出しているので、各加工対象物10の位置を高い検出精度でかつ短時間に測定することができ、また加工対象物10の外形があらかじめ分かっている場合には任意の形状の加工対象物10についてその位置を測定することができる。
【0039】
さらに、He−Neレーザ発振器3にて発生したHe−Neレーザ光をハーフミラー12a,12bを介してYAGレーザ光と同軸となるように重ね合わせているので、位置測定時等においてYAGレーザ光の走査状況を目で確認することができる。
【0040】
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。例えば図4に示すように、PINフォトダイオード4の入射部の近傍にピンホール8を設け、これにより正反射光以外の乱反射光および外部光の入射を防ぐようにしてもよく、またYAGレーザ光の走査状況およびマーキング状況を目で確認する必要がない場合には、He−Neレーザ発振器3をレーザマーキング装置の構成から除外するようにしてもよい。
【0041】
また、上述した実施の形態では、加工対象物10の両端M2 ,M3 等における反射レベルの変化に基づいて加工対象物10の位置を測定しているが、加工対象物10の一部に凸部や刻印マーク等がある場合にはこれらの端部等における反射レベルの変化に基づいて加工対象物10の位置を測定することも可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、加工対象物上で所定方向に向けてレーザ光を走査するとともに、加工対象物からの反射光の光量変化に基づいて加工対象物の位置を算出しているので、各加工対象物の位置を高い検出精度でかつ短時間に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザ加工装置の一実施の形態を示す図。
【図2】図1に示すレーザ加工装置における反射光の光量変化の検出例を示す図。
【図3】図1に示すレーザ加工装置における加工対象物の位置算出方法を説明するための図。
【図4】本発明によるレーザ加工装置の別の実施の形態を示す図。
【図5】従来のレーザ加工装置の一例を示す図。
【図6】従来のレーザ加工装置の別の例を示す図。
【符号の説明】
1 YAGレーザ発振器
2a,2b ガルバノメータスキャナ(スキャナ手段)
4 PINフォトダイオード(光量検出手段)
5 光量処理装置(位置算出手段)
7 マーカコントローラ
10 加工対象物

Claims (2)

  1. 四角形状の加工対象物を加工するレーザ加工装置において、
    レーザ光を発生するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器にて発生したレーザ光を加工対象物上で走査するスキャナ手段と、
    前記スキャナ手段により走査されたレーザ光の反射光の光量を検出する光量検出手段と、
    前記光量検出手段により検出された反射光の光量変化に基づいて前記加工対象物の位置を算出する位置算出手段とを備え、
    前記スキャナ手段は、前記加工対象物上で第1の方向に向けて第1のレーザ光を走査し、当該第1の方向に向けて第1のレーザ光に平行な第2のレーザ光を走査するとともに、前記第1の方向に対して傾いた第2の方向に向けてレーザ光を走査し、
    前記位置算出手段は、前記光量検出手段により検出された前記第1の方向に走査された第1のレーザ光および第2のレーザ光並びに前記第2の方向に走査されたレーザ光のそれぞれに対応する前記加工対象物からの反射光の光量変化から前記加工対象物の端部の位置を求め、この加工対象物の端部の位置に基づいて、前記加工対象物の位置を算出することを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 四角形状の加工対象物の位置を測定する加工対象物の位置測定方法において、
    加工対象物上で第1の方向に向けて第1のレーザ光を走査し、当該第1の方向に向けて第1のレーザ光に平行な第2のレーザ光を走査するとともに、前記第1の方向に対して傾いた第2の方向に向けてレーザ光を走査する工程と、
    走査されたレーザ光の反射光の光量を検出する工程と、
    前記第1の方向に走査された第1のレーザ光および第2のレーザ光並びに前記第2の方向に走査されたレーザ光のそれぞれに対応する前記加工対象物からの反射光の光量変化から前記加工対象物の端部の位置を求め、この加工対象物の端部の位置に基づいて、前記加工対象物の位置を算出する工程とを備えたことを特徴とする加工対象物の位置測定方法。
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