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JP3982655B2 - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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JP3982655B2
JP3982655B2 JP07297398A JP7297398A JP3982655B2 JP 3982655 B2 JP3982655 B2 JP 3982655B2 JP 07297398 A JP07297398 A JP 07297398A JP 7297398 A JP7297398 A JP 7297398A JP 3982655 B2 JP3982655 B2 JP 3982655B2
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  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品の製造方法の先行技術として、絶縁基板(元基板)の一面の全面に導体ペーストを塗布し、かつ、焼き付けた後、個々の電子部品のためのパターンニングを行ない、最後の工程において、電子部品を個別に切り出す製造方法が知られている。例えば、特開平9−19985号公報には、電子部品である高周波インダクタを製造するにあたり、アルミナ等の絶縁基板上に銀等の導体ペーストを全面塗布し、導体ペーストの焼結処理後に、フォトリソグラフィ工程を実行することにより、例えばスパイラル状の導体パターンを多数個形成し、最後の工程において、スパイラル状の導体パターン毎に、切り出す製造方法が開示されている。
【0003】
この製造方法の場合、一枚の絶縁基板に形成できる電子部品数が多い程、量産性が上がるので、量産性を高めるためには、電子部品をできるだけ小型化すること、及び、絶縁基板の平面形状をできるだけ大きくすることが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来は、絶縁基板の一面の全面に導体ペーストを塗布してあったため、導体ペーストを絶縁基板に焼き付ける工程において、絶縁基板に反りが発生してしまうという問題があることが分かった。
【0005】
図8は絶縁基板の反り状況を示した説明図である。導体膜6が絶縁基板1の一面の全面に塗布されている。このような構成であると、絶縁基板1に導体膜6を焼き付ける工程において、導体膜6と、絶縁基板1との界面に発生するストレスにより、反り△Gが生じる。
【0006】
この反りは、導体膜をフォトリソグラフィ工程によってパターン化する際、フォトマスクと、絶縁基板上のフォトレジストとの密着性を悪化させ、パターン精度を低下させる。
【0007】
また、絶縁基板上にフォトレジストを、例えばスピンコート法等によって塗布する場合、フォトレジストの塗布厚みが絶縁基板上で変動し、やはり、パターン精度及び安定度を低下させる。
【0008】
絶縁基板の反りは、量産性を高めるために、絶縁基板の平面積を増大させる程顕著に現れる。このため、絶縁基板の大型化による量産性向上に限界があった。
【0009】
絶縁基板を厚くすれば、反りはある程度押さえることができる。しかし、電子部品の形状を小さくして行く程に、平面で見た横幅または縦幅と、厚みとが近似してしまい、回路基板に実装した時の安定性(俗にいう座り)が悪くなる。また、絶縁基板が厚くなると、絶縁基板を切断して電子部品を個別に取り出し工程に長時間を要し、量産性が低下する
更に、電子部品としての機能を確保するための導体パターンは、小面積であるのに、絶縁基板の全面に導体を形成し、導体パターンを除く大部分をエッチングで除去してしまうため、無駄が多くなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、絶縁基板に反りが発生するのを抑制し得る電子部品の製造方法を提供することである。
【0011】
本発明のもう一つの課題は、高精度、高精細なパターンを形成し得る電子部品の製造方法を提供することである。
【0012】
本発明の更にもう一つの課題は、薄い絶縁基板、及び、平面積の大きい絶縁基板を用いても、反りが発生するのを抑制し得る電子部品の製造方法を提供することである。
【0013】
本発明の更にもう一つの課題は、量産性に優れた電子部品の製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係る電子部品の製造方法は、無機質焼結体でなる絶縁基板の一面上に、導体ペーストを、網目状パターンとなるように塗布して、複数行及び複数列の配列でなる導電性塗膜の群を形成し、次に、熱処理して、前記導電性塗膜を前記絶縁基板に焼き付ける工程を含む。
【0015】
上述のように、無機質焼結体でなる絶縁基板の一面上に、導体ペーストを、網目状パターンとなるように塗布して、複数行及び複数列の配列でなる導電性塗膜の群を形成してあると、導電性塗膜を絶縁基板に焼き付ける熱処理を施しても、絶縁基板に反りを生じないことが確認された。その理由は、導電性塗膜が複数行及び複数列に分離して配列されているため、導電性塗膜を絶縁基板に焼き付ける熱処理工程において、熱応力が、導電性塗膜のそれぞれに個別的に発生するためと推測される。
【0016】
また、絶縁基板に反りが生じないために、絶縁基板を薄型化することができる。このため、回路基板に実装したときの安定性(座り)が良好な電子部品を製造できる。
【0017】
しかも、絶縁基板を薄型化することができるため、絶縁基板の切断加工等に要する作業時間を短縮し、量産性を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は本発明に係る電子部品の製造方法に含まれる工程を示す図である。まず、図1に示すように、無機質焼結体でなる絶縁基板1を準備する。絶縁基板1については、導体ペーストが焼成可能な絶縁基板であればよく、セラミツク材料が適当である。特に、セラミック成分と、ガラス成分との複合組成になる無機質焼結体が望ましい。
【0019】
次に、図2に示すように、絶縁基板1の一面上に、導体ペーストを、網目状パターンとなるように塗布して、複数nの行及び複数mの列の配列でなる導電性塗膜Q11〜Qnmの群を形成する。導体ペーストは、導電成分と、ガラスフリットと、有機質ビヒクルと溶剤とを混合して塗料化したものである。この導体ペーストの塗布手段としては、スクリーン印刷法が適している。複数nの各行間及び複数mの各列間には、導体ペーストの塗布されず、絶縁基板1の面が露出する領域3が条状に設けられている。
【0020】
また、絶縁基板1の周囲の端の部分4は切り捨てられる部分となるため、導電性塗膜Q11〜Qnmは形成されていない。電子部品を製造していく工程上で、この領域4が得られるので、例えば位置決めするための基準となるマーカー5を付与することにより、画像処理による自動化工程に付することができる。本実施例では、マーカー5は各行及び列間に付されているので、マーカー5の部分で切断して、個々の電子部品を得ることができる。
【0021】
次に、熱処理して、導電性塗膜Q11〜Qnmを絶縁基板1に焼き付ける。焼き付け処理前に、塗布した導体ペーストの乾燥を行うことが望ましい。
【0022】
焼き付け温度は導体ペーストによって定まり、例えば、600〜900℃の範囲に選定される。セラミック材料、特に、セラミック成分と、ガラス成分との複合組成になる無機質焼結体でなる絶縁基板1は、導電性塗膜Q11〜Qnmの焼き付け熱処理時に、軟化する傾向があり、このため、前述した反りを生じていた。これに対して、本発明においては、無機質焼結体でなる絶縁基板1の一面上に、導体ペーストを、網目状パターンとなるように塗布して、複数nの行及び複数mの列の配列でなる導電性塗膜Q11〜Qnmの群を形成してあるので、導電性塗膜Q11〜Qnmを絶縁基板1に焼き付ける熱処理を施しても、絶縁基板1に反りを生じないことが確認された。その理由は、導電性塗膜Q11〜Qnmが複数nの行及び複数mの列に分離して配列されているため、導電性塗膜Q11〜Qnmを絶縁基板1に焼き付ける熱処理工程において、熱応力が、導電性塗膜Q11〜Qnmのそれぞれに個別的に発生するためと推測される。
【0023】
また、絶縁基板1に反りが生じないために、絶縁基板1を薄型化することができる。このため、回路基板に実装したときの安定性(座り)が良好な電子部品を製造できる。
【0024】
しかも、絶縁基板1を薄型化することができるため、絶縁基板1の切断加工等に要する作業時間を短縮し、量産性を向上させることができる。
【0025】
絶縁基板1に焼き付けられた導電性塗膜Q11〜Qnmの表面は通常粗い状態になっているため、バフ研磨の弱い研磨を行うことが好ましい。これにより導電性塗膜Q11〜Qnmの表面を平滑化し、極めて精細なパターンを高精度で形成できる。
【0026】
次に、図2に図示された絶縁基板1はパターン化工程に付される。パターン化工程は、フォトリソグラフィ工程と、化学的エッチング工程とを含む。
【0027】
フォトリソグラフィ工程は、高精度及び高精細なパターンを形成するのに適している。フォトリソグラフィ工程では、まず、図3に示すように、フォトレジスト6を塗布する。具体的には、絶縁基板1にスピンコート法により、感光性レジスト6を、導電性塗膜Q11〜Qnmを含む絶縁基板1の全面に塗布する。塗布した後、通常の工程に従って、フォトレジストを熱処理して一次硬化させる。
【0028】
次に、図4に示すように、絶縁基板1の上に塗布されたフォトレジスト6の表面に、フオトマスク7を接触させ、露光し、現像する。これにより、フォトレジスト6には、図5に示すように、フォトマスク7のパターンに従って露光、現像された部分D1が生じる。この場合、本発明において、絶縁基板1の反りが極めて小さいので、フォトマスク7を、フォトレジスト6の表面に、確実に接触させ、パターン精度を向上させるとともに、安定化することができる。
【0029】
フォトリソグラフィ工程前に、導電性塗膜Q11〜Qnmの表面をバフ研磨する工程を含んでいてもよい。このような工程を経ることにより、フォトレジスト6とフォトマスクとをより確実に密着させ、得られるパターン精度を向上させることができる。
【0030】
次に、露光、現像済のフォトレジスト6に対して、二次硬化処理を行なった後、化学的エッチング処理を行ない、目的のパターンを形成する。化学的エッチング処理に当たっては、絶縁基板1をエッチング液に浸漬し、またはエッチング液のシャワー洗浄槽に入れる。エッチング液は導電性塗膜Q11〜Qnmの構成材料に対応して選択される。導電性塗膜Q11〜Qnmが銅を主成分とする場合は、エッチング液として、塩化第二鉄溶液が用いられる。
【0031】
導電片は焼き付けの際に絶縁基板との接着を強固にするために、導電ペ−スト中にガラスフリットを混入してある。このガラスフリットは酸に侵食されるので、酸性のエッチング溶液は使えない。銅を主成分とする導体ペーストを用いて導電性塗膜Q11〜Qnmを形成した場合は、アルカリ性溶液である塩化第二鉄溶液を用いることができるので、ガラスフリットの劣化それに伴う密着強度の劣化を回避できる。
【0032】
次に、フォトレジスト6を除去した後、図6に示すように、各列及び行の間の領域3に表示された切断線XーXに沿い、絶縁基板1を切断し、個別の電子部品を得る。切断工程はマーカー5を基準として行なう。
【0033】
実施例では、ポジタイプのフォトレジスト6を用いた場合を例にとって説明したが、ネガタイプのフォトレジストを用いてもよい。
【0034】
図1〜図6は、導電性塗膜Q11〜Qnmのそれぞれが最終的に得られる電子部品のそれぞれに対応するまで細分化されているが、このような例に限定されない。導電性塗膜Q11〜Qnmのいくつかを含む導電性塗膜としてもよい。図7にその一例を示す。図7の例では、導電性塗膜Q11〜Qnmの9片を含む広い導電性塗膜R11〜R33を、3行、3列の網目状パターンとなるように配置してある。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば次のような効果を得ることができる。
(a)絶縁基板に反りが発生するのを抑制し得る電子部品の製造方法を提供することができる
(b)高精度、高精細なパターンを形成し得る電子部品の製造方法を提供することができる。
(c)薄い絶縁基板、及び、平面積の大きい絶縁基板を用いても、反りが発生するのを抑制し得る電子部品の製造方法を提供することができる。
(d)量産性に優れた電子部品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子部品の製造方法に含まれる工程の一つを示す斜視図である。
【図2】図1に示した工程の後の工程を示す図である。
【図3】図2に示した工程の後の工程を示す図である。
【図4】図3に示した工程の後の工程を示す図である。
【図5】図4に示した工程の後の工程を示す図である。
【図6】図5に示した工程の後の工程を示す図である。
【図7】本発明に係る電子部品の製造方法の別の工程例を示す図である。
【図8】従来の問題点を示す図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板
Q11〜Qnm 導電性塗膜
6 レジスト
7 フォトマスク

Claims (7)

  1. 電子部品の製造方法であって、無機質焼結体でなる絶縁基板の一面上に、導体ペーストを、網目状パターンとなるように塗布して、複数行及び複数列の配列でなる導電性塗膜の群を形成し、
    次に、熱処理して、前記導電性塗膜を前記絶縁基板に焼き付け、
    その後、前記導電性塗膜のそれぞれをパターン化する工程を含む
    電子部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載された電子部品の製造方法であって、前記絶縁基板は、セラミック成分と、ガラス成分とを含む電子部品の製造方法。
  3. 請求項1または2の何れかに記載された電子部品の製造方法であって、前記導電ぺーストは、スクリーン印刷法を用いて塗布する電子部品の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された電子部品の製造方法であって、前記導電性塗膜のそれぞれをパターン化する工程は、フォトリソグラフィ工程と、化学的エッチング工程とを含む電子部品の製造方法。
  5. 請求項4に記載された電子部品の製造方法であって、前記導電性塗膜のそれぞれをパターン化する前に、前記導電性塗膜の表面をバフ研磨する工程を含む電子部品の製造方法。
  6. 請求項4または5の何れかに記載された電子部品の製造方法であって、前記導体ペーストは、銅を主成分とし、ガラスフリットを含有し、前記化学的エッチング工程は、塩化第二鉄溶液を用いて行なう電子部品の製造方法。
  7. 請求項3、4、5、または6の何れかに記載された電子部品の製造方法であって、前記導電性塗膜のそれぞれをパターン化した後に、前記絶縁基板を、前記導電性塗膜の群の行間及び列間において切断する工程を含む電子部品の製造方法。
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