JP3978736B2 - ポリサルファイド重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は繰り返し単位の硫黄の平均結合数が2を超えて6以下である常温で液体であるポリサルファイド重合体及びその製造方法に関する。また、本発明は加硫促進剤、加硫剤及び極圧剤として好適なポリサルファイド重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリサルファイド重合体の繰り返し単位の硫黄の結合数が2である液状のもの及び繰り返し単位の硫黄の結合数が2以上では分子量が10.000を越える常温で固体のものが商業的に取引されている。繰り返し単位の硫黄の結合数が2を超える常温で液体のものは製造方法が難しく工業的に有効なものは存在しなかった。特公昭63−42927によれば塩化硫黄とジチオールとの反応により得られた繰り返し単位の硫黄の結合数が2を超える常温で液体のポリサルファイド重合体をゴム加流剤として利用する方法が記載されている。この方法では高価なジチオールを原料にすること、大量の無水溶媒下で反応させる必要があり、工業的には製造コストが高く利用を困難にしている。しかも、この方法により得られたポリサルファイド重合体は、末端基が−SHであり、貯蔵安定性に欠けるという欠点を有する。
【0003】
特開昭62−10054によれば下記式で示される
【0004】
【式1】
の合成ルートで所望の生成物を取得する方法が記載されている。しかしこの方法は一旦−SH又は−SS−を塩素(Cl2)で−SClにして−SHと反応させる方法であり、合成ルートは工業化する場合かなりコストがかかり工業化する上で困難な方法である。しかも得られるポリサルファイド重合体の繰り返し単位の硫黄の結合数が2であり、従って加硫促進剤の効果はあるが加硫剤の効果がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の欠点を解消して、主鎖にジサルファイドを超える硫黄の結合数の繰り返しを含ませることにより二重結合を有するゴムの加流剤としての機能をもたせるだけでなく、末端がゴムの加硫促進効果を有するベンゾチアゾール基、チオカルバミル基等、鉱油との相溶性を増すアルキル基等要求される化学構造を有するポリサルファイド重合体を容易に合成する方法及びその方法により取得されうる新規な特定のポリサルファイド重合体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの鋭意検討の結果、本発明の課題は下記の本発明によって工業的に好都合に達成された。
[1]下記一般式で表される常温で液体であるポリサルファイド重合体。
【0007】
C 6 H 4 SNC(SxR 1 )nSxR 2
又は
R 6 R 7 N(CS)(SxR 1 )nSxR 2
但し、R1は、CH 2 CH 2 OCH 2 OCH 2 CH 2 、CH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 、又はCH 2 CH(OH)CH 2 を少なくとも一つ以上含む基であり、R2は、炭素数1〜20のアルキル基、R6R7N(CS)−(但しR6,R7はメチル基,エチル基,ブチル基,C5H10のいずれかのアルキル基)の構造を示すチオカルバミル基、C 6H4SNC−の構造を示すベンゾチアゾール基から選ばれる少なくとも一つの基であり、xは2を超えて6までの値を示し、そしてnは2〜100の整数を示す。
【0009】
[2]一般式R8S(R1Sy)nR1SR8で表される化合物と一般式R2SyR2で表される化合物とを硫黄の存在下硫黄交換反応させることを特徴とする一般式
C 6 H 4 SNC(SxR 1 )nSxR 2
又は
一般式
R 6 R 7 N(CS)(SxR 1 )nSxR 2
で表される常温で液体であるポリサルファイド重合体の製造方法。
【0010】
但し、上記一般式において、R1は、CH 2 CH 2 OCH 2 OCH 2 CH 2 、CH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 、又はCH 2 CH(OH)CH 2 を少なくとも一つ以上含む基であり、R2は、炭素数1〜20のアルキル基、R 6R7N(CS)−(但しR6,R7はメチル基,エチル基,ブチル基,C5H10のいずれかのアルキル基)の構造を示すチオカルバミル基、C 6H4SNC−の構造を示すベンゾチアゾール基から選ばれる少なくとも一つの基であり、xは2を超えて6までの値を示し、R8はR2SxR2における同じR2でも良いし異なったR2でも良く、yは1を超える数値を示し、そしてnは2〜100を示す整数である。
[3]一般式HS(R1Sy)nR1SHで表される化合物と、一般式R2SyR2で表される化合物及び硫黄を硫黄交換反応させると共に重合反応させることを特徴とする一般式
C 6 H 4 SNC(SxR 1 )nSxR 2
又は
一般式
R 6 R 7 N(CS)(SxR 1 )nSxR 2
で表される常温で液体であるポリサルファイド重合体の製造方法。
【0011】
但し上記一般式において、R1は、CH 2 CH 2 OCH 2 OCH 2 CH 2 、CH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 、又はCH 2 CH(OH)CH 2 を少なくとも一つ以上含む基であり、R2は、炭素数1〜20のアルキル基、R 6R7N(CS)−(但しR5、R6はメチル基,エチル基,ブチル基,C5H10のいずれかのアルキル基)の構造を示すチオカルバミル基、C 6H4SNC−の構造を示すベンゾチアゾール基から選ばれた少なくとも一つの基であり、xは2を超えて6までの値を示し、yは1を超える数値を示し、nは2〜100の整数を示す。
[4]一般式HS(R1Sy)nR1SHで表される化合物、一般式R2SHで表される化合物及び硫黄を硫黄交換反応させると共に重合反応させることを特徴とする一般式
C 6 H 4 SNC(SxR 1 )nSxR 2
又は
一般式
R 6 R 7 N(CS)(SxR 1 )nSxR 2
で表される常温で液体であるポリサルファイド重合体の製造方法。
【0012】
但し上記一般式において、R1は、CH 2 CH 2 OCH 2 OCH 2 CH 2 、CH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 、又はCH 2 CH(OH)CH 2 を少なくとも一つ以上含む基であり、R2は、炭素数1〜20のアルキル基、R 6R7N(CS)−(但しR6,R7はメチル基,エチル基,ブチル基,C5H10のいずれかのアルキル基)の構造を示すチオカルバミル基、C 6H4SNC−の構造を示すベンゾチアゾール基から選ばれる少なくとも一つの基であり、xは2を超えて6までの値を示し,yは1を超える数値を示し、そしてnは2〜100の整数を示す。
【0013】
本発明の最大の特徴は、上記[2]〜[4]で示される新規にして優れたポリサルファイドの製造方法を提供し、もって加硫剤および加硫促進剤として好適な常温で液状の新規な上記[1]で示されるポリサルファイド重合体を提供し得た点にある。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に使用されるHS(R1Sy)nR1SHはパトリックらの米国特許第2466963号、特開平4−363325 に記載された化合物等から選ばれる。このポリサルファイド重合体は通常硫黄の結合数yは2である。
【0015】
R8S(R1Sy)nR1SR8はHS(R1Sy)nR1SHに酸化エチレン又は酸化プロピレン等の酸素原子含有環状エーテル化合物を付加することにより容易に得られる。2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の不飽和基と反応させることによっても容易に得られる。又末端基がSH基を有するポリサルファイド重合体にグリシジルエーテル類例えばアリル、ブチル、フェニル、メチル、2−エチルヘキシル、ステアリルグリシジルエーテル等を付加反応させることによっても得られる。又特公昭41−19514に記載されている通り、アミン触媒の下でアルデヒド又はケトンとポリサルファイド重合体の末端SHを反応させることによっても得られる。
【0016】
R2SyR2 としてジメチルジサルファイド、ジフェニールジサルファイド、ジt−ドデシルポリサルファイド、ジt−ノニルポリサルファイド、ジt−ブチルジサルファイド、レゾルシンポリサルファイド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ポリサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリサルファイド、ビス(3−トリメトキシシリルトリレン)ポリサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルトリレン)ポリサルファイド、テトラメチルチウラムジサルファイド、テトラエチルチウラムジサルファイド、テトラブチルチウラムジサルファイド、ジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド、ジベンゾチアジルジサルファイド、2−(4’−モルホリンノジチオ)ベンゾチアゾール、ジチオジモルホリン、シソプロピルキサントゲンジサルファイド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジサルファイド、o,o’ジベンズアミドジフェニルジサルファイド等が挙げられる。
【0017】
また、R2SHはγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、nオクチルメルカプタン、t−ノニールメルカプタン、ドデシルメルカプタン、ヘキサドデシルメルカプタン、nオクタデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、β−メルカプシプロピオン酸オクチル、β−メルカプシプロピオン酸メトキシブチル、2−メルカプトベンゾチアゾール等のメルカプタン類が挙げられる。
【0018】
本発明においては、ポリサルファイド重合体
C 6 H 4 SNC(SxR 1 )nSxR 2
又は
R 6 R 7 N(CS)(SxR 1 )nSxR 2
を得るのに、R7S(R1Sy)nR1SR7とR2SyR2及び硫黄から製造する場合、HS(R1Sy)nR1SHとR2SyR2及び硫黄から製造する場合、HS(R1Sy)nR1SHとR2SH及び硫黄から製造する場合のいずれについても、アルカリ触媒を0から10wt%、反応温度20℃から150℃、反応時間5分から30時間の条件で遂行することができる。アルカリ触媒を使用する場合、アミン触媒特にトリエチルアミンは触媒効果が大きく、比較的低沸点であるので後工程で除去し易いため好ましい。反応温度は30℃から100℃、反応時間は10分から5時間、触媒量は0.01wt%から3wt%がより好ましい。添加するR2SyR2及び/又はR2SHは原料ポリサルファイドポリマR8S(R1Sy)nR1SR8及び/又はHS(R1Sy)nR1SH100重量部に対して1〜1000重量部好ましくは2〜500重量部が望ましい。添加する硫黄は目的ポリサルファイド重合体R2Sx(R1Sx)nR2の目標xによって化学量論的に決められる。
【0019】
本製造法で得られたポリサルファイド重合体C 6 H 4 SNC(SxR 1 )nSxR 2
又は
R 6 R 7 N(CS)(SxR 1 )nSxR 2 においてR2 がアルキル基の場合潤滑油、切削油などの極圧剤に利用することができる。特に鉱油、水系に溶けないで均一分散させる場合界面活性剤を必要とするが、適当なR2を選択することにより安定なエマルジョンを形成することができる。又二重結合を有するゴムの加硫剤として利用することも可能であり、高分子加硫剤であるので、ブルームのでない、耐熱性、応力緩和が良くゴム、ゴム/ゴム、ゴム/樹脂への加硫剤の均一分散による品質の安定化、品質の向上を期待することができる。
【0020】
ここで二重結合を有するゴムとしては天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジェンゴム、イソプレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム及び(又は)その水添ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化されたブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン−プロピレン−コポリマ、エチレンー酢酸ビニールコポリマ、カルボキシゴム、エポキシドゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ミラブルウレタンゴム等が挙げられる。これらゴムの単独系だけでなくブレンド系に対しても用いることができる。又熱可塑エラストマーとして用いられる動的架橋用の二重結合を有するゴムにも使用することを妨げるものではない。これら用途は自動車・自転車・トラック・バス・自動二輪車等のタイヤ各部品、各種ベルト、各種ローラー、靴の材料、各種ホース、シート、パッキング、制振材、免震材、ゴルフボール、電線絶縁・被覆材料、緩衝素子、ケーブル、ガスケット、自動車・家電・土木建築用内外装表材及びその部品等が挙げられる。
【0021】
本発明で得られるポリサルファイド重合体はゴム又は熱可塑性エラストマーを製造する際に配合することによりゴム自身の加硫剤として期待できるだけでなく、ガラスとゴム、ガラスと熱可塑性エラストマーとの接着効果も期待できる。
【0022】
本製造法で得られたポリサルファイド重合体C 6 H 4 SNC(SxR 1 )nSxR 2
又は
R 6 R 7 N(CS)(SxR 1 )nSxR 2 においてR2がR5R6N(CS)−(但しR5,R6はメチル基,エチル基,ブチル基,C5H10のいずれかのアルキル基)の構造を示すチオカルバミル基、C 6H4SNC−の構造を示すベンゾチアゾール基の場合、二重結合を有するゴムの加硫剤としての効果だけでなく、加硫促進剤の効果も合わせ持つことができるのでより優位である。ブルームのでない、耐熱性、応力緩和性が良くゴム、ゴム/ゴム、ゴム/樹脂への加硫剤の均一分散による品質の安定化、品質の向上を期待することができる。又最近ゴム薬工業会ではニトロソアミン対策が問題になっており高分子加硫剤、高分子加硫促進剤の出現が期待されている(秋葉:ポリマーダイジェスト,1991.11,p21−29)が本製造法で得られた物質はこれに答えることができるものである。
【0023】
【実施例】
次に、実施例により、より具体的に本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
数平均分子量2200のチオコールLP23(東レチオコール(株)製、n=約12)に酸化エチレンをSH基に対して1.5倍モル付加させて末端がOHである数平均分子量2300のポリサルファイドポリマを合成した。このポリマを91g、ジベンゾチアジルジスルフィドを26g、粉末硫黄を33g、トリエチルアミンを0.4g更に溶媒としてトルエンを45g、300ccメスフラスコに投入して1時間80℃N2気流下混合後更に1時間同じ温度で減圧溶媒除去した。この生成物の25℃での粘度は182ポイズであった。液体クロマトグラフィーでこの生成物を測定した所、原料である末端OHポリサルファイドポリマの分子量分布よりも低分子量領域にシフトしており本物質であることを確認できた。本物質はnが約4、数平均分子量1280である。又ラマン分析により原料ポリサルファイドポリマのジサルファイド結合が本物質ではトリ、テトラ、ペンタ結合となり、平均ランクxは4であった。
[実施例2]
数平均分子量2200のチオコールLP23(東レチオコール(株)、n=約12)に酸化エチレンをSH基に対して1.5倍モル付加させて末端がOHである数平均分子量約2360のポリサルファイドポリマを合成した。このポリマを92g、テトラメチルチウラムジスルフィドを18g、粉末硫黄を34g、トリエチルアミンを0.8g更に溶媒としてトルエンを45g、300ccメスフラスコに投入して3時間80℃N2気流下混合後更に1時間同じ温度で減圧溶媒除去した。この生成物の25℃での粘度は158ポイズであった。液体クロマトグラフィーでこの生成物を測定した所、原料である末端OHポリサルファイドポリマの分子量分布よりも低分子量領域にシフトしており本物質であることを確認できた。本物質はnが約4、数平均分子量1250である。又ラマン分析により原料ポリサルファイドポリマのジサルファイド結合が本物質ではトリ、テトラ、ペンタ結合となり、平均ランクxは4であった。
[実施例3]
実施例1で得られたポリサルファイド重合体が二重結合を有するゴムの加硫剤兼加硫促進剤の効果を有するか調べた。
【0024】
二本ロールにて以下の配合のゴム組成物を作り加硫特性を調べた。(キュラストメーターIII型 振幅±1゜振動数100cpm)
天然ゴム 94部
実施例3の本物質 6部
酸化亜鉛 5部
ステアリン酸 2部
150℃、170℃ での加硫特性は下記の通りであった。
150℃
最小値(kgf・cm) 0.2
最大値(kgf・cm) 5.4
T10(分) 3.4
T50(分) 5.8
T90(分) 22.6
170℃
最小値(kgf・cm) 0.2
最大値(kgf・cm) 4.5
T10(分) 1.2
T50(分) 1.8
T90(分) 5.0
150℃での加硫速度はやや遅いが加硫促進剤、加硫剤がなくても本物質で十分加硫している。170℃での加硫は速やかでありかつ加硫戻りは殆ど見られない。
[実施例4]
実施例3よりも更に本物質の添加量を下げて同じ要領で試験した。加流剤の不足分として硫黄0.5部添加した。
【0025】
150℃、170℃ での加硫特性は実施例3と合わせ下記の通りであった。
実施例3とほぼ同様な結果であつた。
[実施例5]
実施例2で得られたポリサルファイド重合体が二重結合を有するゴムの加硫剤兼加硫促進剤の効果を有するか調べた。
【0026】
二本ロールにて以下の配合のゴム組成物を作り加硫特性を調べた。(キュラストメーターIII型 振幅±1゜振動数100cpm)
160℃ での加硫特性は下記の通りであり加硫促進剤、加硫剤がなくても本物質で十分加硫した。
【0027】
[実施例6]
300ccのメスフラスコに数平均分子量2200のチオコールLP23(東レチオコール(株)、SH含量2.9wt%、n=約12)を88g、粉末硫黄を33g、ジメチルジサルファイドを8g更に触媒としてトリエチルアミンを0.4g入れて1時間80℃N2気流下混合後更に1時間同じ温度で減圧脱気した。得られた生成物をIR赤外吸収光で測定した所SHの吸収は完全に消失しており臭いも無臭に近いものであった。この生成物の25℃での粘度は118ポイズであり目的ポリサルファイド重合体が得られた。本物質はnが約6、数平均分子量1520である。又ラマン分析により原料ポリサルファイドポリマのジサルファイド結合が本物質ではトリ、テトラ、ペンタ結合となり、平均ランクxは4であった。
[実施例7]
500ccのメスフラスコに数平均分子量2200のチオコールLP23(東レチオコール(株)、SH含量2.9wt%、n=約12)を50g、粉末硫黄を18g、t−ドデシルメルカプタンを15g更に触媒としてトリエチルアミンを0.2g、溶媒としてトルエンを30g添加して1時間80℃N2気流下混合後更に1時間同じ温度で減圧脱気した。得られた生成物をIR赤外吸収光で測定した所SHの吸収は完全に消失しており臭いも無臭に近いものであった。この生成物の25℃での粘度は180ポイズであり目的ポリサルファイド重合体が得られた。本物質はnが約8、数平均分子量2240である。又ラマン分析により原料ポリサルファイドポリマのジサルファイド結合が本物質ではトリ、テトラ、ペンタ結合となり、平均ランクxは4であった。
[実施例8]
300ccのメスフラスコに数平均分子量2200のチオコールLP23(東レチオコール(株)、SH含量2.9wt%、n=約12)を46g、粉末硫黄を17g、ジベンゾチアジルジスルフィドを13gを更に触媒としてトリエチルアミンを0.8g、溶媒としてトルエン25g添加して2時間80℃N2気流下混合後更に1時間同じ温度で減圧脱気した。得られた生成物をIR赤外吸収光で測定した所SHの吸収は完全に消失しており臭いも無臭に近いものであった。この生成物の50℃での粘度は242ポイズであり目的ポリサルファイド重合体が得られた。本物質はnが約7、数平均分子量1940である。又ラマン分析により原料ポリサルファイドポリマのジサルファイド結合が本物質ではトリ、テトラ、ペンタ結合となり、平均ランクxは4であった。
【0028】
【発明の効果】
本発明の繰り返し単位中の硫黄の結合数が2を超えて6以下のポリサルファイド重合体は末端を特定な化学構造にすることにより優れた二重結合を有するゴムの加硫剤、極圧剤、加硫剤兼加硫促進剤及びゴム/シリカ充填剤のバインダーとなる。
【化1】
Claims (4)
- 一般式
C 6 H 4 SNC(SxR 1 )nSxR 2
又は
一般式
R 6 R 7 N(CS)(SxR 1 )nSxR 2
で表される常温で液体であるポリサルファイド重合体。
但しR 1 は、CH 2 CH 2 OCH 2 OCH 2 CH 2 、CH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 、又はCH 2 CH(OH)CH 2
を少なくとも一つ以上含む基であり、R2は、炭素数1〜20のアルキル基、R6R7N(CS)−(但しR6,R7はメチル基,エチル基,ブチル基,C5H10のいずれかのアルキル基)の構造を示すチオカルバミル基、C 6H4SNC−の構造を示すベンゾチアゾール基から選ばれる少なくとも一つの基であり、xは2を超えて6までの値を示し、そしてnは2〜100の整数を示す。 - 一般式R8S(R1Sy)nR1SR8で表される化合物と一般式R2SyR2で表される化合物とを硫黄の存在下硫黄交換反応させることを特徴とする一般式
C 6 H 4 SNC(SxR 1 )nSxR 2
又は
一般式
R 6 R 7 N(CS)(SxR 1 )nSxR 2
で表される常温で液体であるポリサルファイド重合体の製造方法。
但し、上記一般式において、R1は、CH 2 CH 2 OCH 2 OCH 2 CH 2 、CH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 、又はCH 2 CH(OH)CH 2 を少なくとも一つ以上一つ以上含む基であり、R2 、R 8 は炭素数1〜20のアルキル基、R 6R7N(CS)−(但しR6,R7はメチル基,エチル基,ブチル基,C5H10のいずれかのアルキル基)の構造を示すチオカルバミル基、C 6H4SNC−の構造を示すベンゾチアゾール基から選ばれる少なくとも一つの基であり、xは2を超えて6までの値を示し,yは1を超える数値を示し、そしてnは2〜100を示す整数である - 一般式HS(R1Sy)nR1SHで表される化合物と、一般式R2SyR2で表される化合物及び硫黄を硫黄交換反応させると共に重合反応させることを特徴とする一般式
C 6 H 4 SNC(SxR 1 )nSxR 2
又は
一般式
R 6 R 7 N(CS)(SxR 1 )nSxR 2
で表される常温で液体であるポリサルファイド重合体の製造方法。
但し上記一般式において、R1は、CH 2 CH 2 OCH 2 OCH 2 CH 2 、CH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 、又はCH 2 CH(OH)CH 2 を少なくとも一つ以上含む基であり、R2は、炭素数1〜20のアルキル基、R 6R7N(CS)−(但しR5,R6はメチル基,エチル基,ブチル基,C5H10のいずれかのアルキル基)の構造を示すチオカルバミル基、C 6H4SNC−の構造を示すベンゾチアゾール基から選ばれた少なくとも一つの基であり、xは2を超えて6までの値を示し、yは1を超える数値を示し、nは2〜100の整数を示す。 - 一般式HS(R1Sy)nR1SHで表される化合物、一般式R2SHで表される化合物及び硫黄を硫黄交換反応させると共に重合反応させることを特徴とする一般式
C 6 H 4 SNC(SxR 1 )nSxR 2
又は
一般式
R 6 R 7 N(CS)(SxR 1 )nSxR 2
で表される常温で液体であるポリサルファイド重合体の製造方法。但し上記一般式において、R1は、CH 2 CH 2 OCH 2 OCH 2 CH 2 、CH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 、又はCH 2 CH(OH)CH 2 を少なくとも一つ以上含む基であり、R2は、炭素数1〜20のアルキル基、R 6R7N(CS)−(但しR6,R7はメチル基,エチル基,ブチル基,C5H10のいずれかのアルキル基、ベンジル基)の構造を示すチオカルバミル基、C 6H4SNC−の構造を示すベンゾチアゾール基から選ばれる少なくとも一つの基であり、xは2を超えて6までの値を示し、yは1を超える数値を示し、そしてnは2〜100の整数を示す。
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JP15359198A JP3978736B2 (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | ポリサルファイド重合体及びその製造方法 |
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