JP3977658B2 - Acrylic resin film, method for producing the same, and laminated sheet on which the same is laminated - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂フィルムまたはシートと積層されてなる、積層シート用として好適なアクリル樹脂フィルム、その製造方法および該フイルムが積層されてなるアクリル樹脂フィルム積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル樹脂は透明性に優れており、美しい外観と耐候性を有する上に成形が容易であることから、電器部品、車輌部品、光学用部品、装飾品、看板などの用途に幅広く用いられている。しかし、アクリル樹脂の用途が拡大するに伴い、その用途に応じた更なる性能向上の検討が行われている。このなかで、近年は特に各種樹脂成形品の表面機能付与を目的としたアクリル樹脂フィルムが様々な工業分野で使用されている。これらのアクリル樹脂フィルムは、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、メタクリル樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂などの基材樹脂成形品にラミネートして使用し、これら基材の耐候性付与、耐擦傷性付与等に応用されている。アクリル樹脂フィルムを基材シート等にラミネートする方法としては、フィルムを加熱して基材に積層する熱ラミネート法、フィルムに接着剤を塗布し基材シートに貼り合わせるドライラミネート法などがあるが、アクリル樹脂フィルムを加熱ロールで予備加熱した後、基材シートに積層し、更に複数本のロール間で積層体を挟持することにより貼り合わせる熱ラミネートが最も工業的に広く用いられている。しかし、この熱ラミネート法では、長期の連続運転によりアクリル樹脂フィルムが予備加熱ロールから剥離しにくくなり、加熱ロールに巻きつく問題があった。更に、熱ラミネート法では基材シートとアクリル樹脂フィルムからなる積層体を複数本ロールにて挟持させる工程においてアクリル樹脂側が長期の連続運転によりロールから剥離しにくくなり、挟時ロールに巻きつく等の問題があった。これらのロールへの巻きつきを防止するために、予備加熱ロールの温度を下げたり、挟持ロールの圧力を下げる等の方法があるが、いずれも基材との接着性の低下、あるいは、挟持ロールにエンボスロールを使用して凹凸面を形成させる場合のエンボス追従性の低下を招き、安定して積層体を製造できないといった問題があった。
【0003】
一方、ドライラミネート法では有機溶剤や接着剤を使用するため環境に対する問題や熱ラミネート法に比べ製造コストが上がる等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アクリル系樹脂が本来有する良好な成形性、美麗な外観、高い透明性、優れた耐候性などの特長を保持しつつ、基材シートと熱ラミネートする際の加熱ロールとの剥離性に優れたアクリル樹脂フィルムを提供し、工業的に生産に富んだ積層シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、アクリル樹脂(I)100質量部に対して、界面活性剤が0.05〜10質量部ならびに炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルおよび共重合可能な他のビニル単量体からなる水酸基を有する直鎖状重合体(II)が0.1〜30質量部配合された、φ10mmに切り出したフィルムを、表面粗度が#250の金属板に挟持し、170℃で8分間7kgの荷重を加えてプレスした後、金属板を垂直方向に引き剥がすときの剥離強度が30kgf以下であり、かつ表面光沢が80〜120%であるアクリル樹脂フィルムにある。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0007】
本発明のアクリル樹脂フィルムは、φ10mmのフィルムを表面粗度が#250の金属板に挟持し7kg荷重をかけ、170℃で8分間プレスした後の金属板を引き剥がすときの強度が30kgf以下でなければならない。金属板を引き剥がすときの強度が30kgfを超える場合、アクリル樹脂フィルムを基材シートと熱ラミネートする際、挟持ロールとの剥離性が不良となり、ロールへの巻きつきが発生し安定して積層シートを製造することができない。
【0008】
一方、本発明のアクリル樹脂フィルムの表面光沢は80〜120%であることが必要である。アクリル樹脂フィルムの表面光沢が80%未満の場合、本来アクリル樹脂フィルムが有する透明性が損なわれ、120%を越える場合は加熱ロールとの剥離性が悪くなるため、予備加熱ロールへの巻きつきが発生し、安定して積層シートを製造することができない。アクリル樹脂フィルムのより好ましい表面光沢は90〜120%である。この表面光沢は、ASTM D523により測定した測定角60°での光沢値である。
【0009】
本発明のアクリル樹脂フィルムを構成するアクリル樹脂(組成物)としては特に限定されるものではないが、公知のアクリル樹脂で作製されたフィルム組成物、例えば特公昭62−19309号公報、同63−20459号公報、特開昭63−77963号公報、特開平8−323934号公報等で示されているアクリル樹脂組成物を使用することが好ましい。
【0010】
本発明のアクリル樹脂フィルムの製造に使用されるアクリル樹脂(I)の好ましい例としては、公知技術として知られているアルキルアクリレート、アルキルメタクリレートおよびグラフト交叉剤を重合体の構成成分とする多層構造重合体であり、これをフィルム原料として使用したアクリル樹脂フィルムは、優れた耐候性、透明性および耐ストレス白化性を有する。
【0011】
さらに好ましい多層構造重合体の具体例としては、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレートおよび/または炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートおよびグラフト交叉剤を少なくとも重合体の構成成分としてなる最内層重合体(A)層、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレートおよびグラフト交叉剤を少なくとも重合体の構成成分としてなる架橋弾性重合体(B)、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートを少なくとも重合体の構成成分としてなる最外層重合体(C)を基本構造体として有し、さらに架橋弾性重合体(B)層と最外層重合体(C)層の間に、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートおよびグラフト交叉剤とを少なくとも構成成分としてなり、かつアルキルアクリレート成分量が架橋弾性重合体(B)層から最外層重合体(C)層に向かって単調減少する中間層(D)を少なくとも一層有する多層構造重合体である。
【0012】
好ましい多層構造重合体を構成する最内層重合体(A)は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレートまたは炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(A1)と、必要に応じて用いる共重合可能な二重結合を有する他の単量体(A2)と、必要に応じて用いる多官能性単量体(A3)と、グラフト交叉剤(A4)とを構成成分としてなる重合体であって、多層構造の少なくとも最内層の基本構造を構成する。
【0013】
最内層重合体(A)を構成する成分(A1)のうち、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレートは、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。その具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート等が挙げられる。これらは単独でまたは二種以上を混合して使用できる。こららの中では、ガラス転移温度(以下「Tg」と記す)の低いものがより好ましい。また、成分(A1)のうち、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートは、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。その具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート等が挙げられる。これらは単独でまたは二種以上を混合して使用できる。
【0014】
アルキル(メタ)アクリレート(A1)は、成分(A1)〜(A3)合計量100質量部に対し、80〜100質量部の範囲内で用いることが好ましい。また、最内層重合体(A)において用いた種類のアルキル(メタ)アクリレートを、その後全多段層においても統一して用いるのが最も好ましい。ただし、全多段層の各々において、二種以上のアルキル(メタ)アクリレートを混合したり、別種のアクリレートを用いたりしても構わない。なお「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味するものとする。
【0015】
最内層重合体(A)を構成する共重合可能な二重結合を有する他の単量体(A2)は、必要に応じて用いればよい。その具体例としては、炭素数9以上のアルキル基を有する高級アルキルアクリレート、低級アルコキシアクリレート、シアノエチルアクリレート等のアクリレート単量体、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、アルキル置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。単量体(A2)は、成分(A1)〜(A3)合計100質量部に対し、0〜20質量部の範囲内で用いることが好ましい。
【0016】
最内層重合体(A)を構成する多官能性単量体(A3)は、必要に応じて用いればよい。その具体例としては、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート等のアルキレングリコールジメタクリレートを用いることが好ましい。また、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼンなども使用可能である。また、多官能性単量体(A3)が全く作用しない場合でも、グラフト交叉剤が存在する限りかなり安定な多層構造重合体を与える。例えば、熱間強度等が厳しく要求されたりする場合など、その添加目的に応じて任意に用いればよい。多官能性単量体(A3)は、成分(A1)〜(A3)合計100質量部に対し、0〜10質量部の範囲内で用いることが好ましい。
【0017】
最内層重合体(A)を構成するグラフト交叉剤(A4)としては、共重合性のα、β−不飽和カルボン酸またはジカルボン酸のアリル、メタリルまたはクロチルエステル等が挙げられる。特に、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸またはフマル酸のアクリルエステルが好ましい。これらの中では、特にアリルメタクリレートが優れた効果を奏する。その他、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等も有効である。グラフト交叉剤(A4)は、主としてそのエステルの共役不飽和結合がアリル基、メタリル基またはクロチル基よりはるかに早く反応し、化学的に結合する。この間、アリル基、メタリル基またはクロチル基の実質上のかなりの部分は、次層重合体の重合中に有効に働き、隣接二層間にグラフト結合を与える。
【0018】
グラフト交叉剤(A4)の使用量は重要であり、成分(A1)〜(A3)の合計量100質量部に対し0.1〜5質量部が好ましく、0.5〜2質量部がより好ましい。これら範囲の下限値は、グラフト結合の有効量の点で意義が有る。また上限値は、二段目に重合形成される架橋弾性重合体(B)との反応量を適度に抑え、二層弾性体構造からなる二層架橋ゴム弾性体の弾性低下を防止する点で意義がある。
【0019】
好ましい多層構造重合体中の最内層重合体(A)の含有量は5〜35質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。また、架橋弾性重合体(B)の含有量よりも少ない方が好ましい。
【0020】
好ましい多層構造重合体を構成する架橋弾性重合体(B)は、多層構造重合体にゴム弾性を与える主要な成分であり、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート(B1)と、必要に応じて用いる共重合可能な二重結合を有する他の単量体(B2)と、必要に応じて用いる多官能性単量体(B3)と、グラフト交叉剤(B4)とを構成成分としてなる架橋弾性重合体である。
【0021】
成分(B1)〜(B4)の好ましい具体例は、それぞれ最内層重合体(A)の成分(A1)〜(A4)で挙げたものと同様である。成分(B1)の使用量は80〜100質量部が好ましい。成分(B2)の使用量は0〜20質量部が好ましい。成分(B3)の使用量は0〜10質量部が好ましい。成分(B4)の使用量は0.1〜5質量部が好ましい。これら使用量の範囲は、成分(B1)〜(B3)の合計100質量部を基準とする。
【0022】
架橋弾性重合体(B)単独のTgは、0℃以下が好ましく、−30℃以下がより好ましい。このTgが0℃以下の場合、優れた弾性を示す傾向がある。多層構造重合体(E)中の架橋弾性重合体(B)の含有量は10〜45質量%が好ましく、また、最内層重合体(A)の含有量よりも多いことが好ましい。
【0023】
好ましい多層構造重合体を構成する最外層重合体(C)は、多層構造重合体の成形性、機械的性質等に関与する成分であり、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(C1)と、必要に応じて用いる共重合可能な二重結合を有する他の単量体(C2)とを構成成分としてなる重合体であって、多層構造の少なくとも最外層の基本構造を構成する。
【0024】
成分(C1)および(C2)の好ましい具体例は、それぞれ最内層重合体(A)の成分(A1)および(A2)で挙げたものと同様である。成分(C1)の使用量は51〜100質量部が好ましい。成分(C2)の使用量は0〜49質量部が好ましい。これら使用量の範囲は、成分(C1)および(C2)の合計100質量部を基準とする。
【0025】
最外層重合体(C)単独のTgは、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。多層構造重合体中の最外層重合体(C)の含有量は10〜80質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
【0026】
好ましい多層構造重合体は、以上説明した最内層重合体(A)、架橋弾性重合体(B)および最外層重合体(C)を基本構造体として有する。そして、さらに、架橋弾性重合体(B)層と最外層重合体(C)層の間には、中間層(D)を設ける。
【0027】
この中間層(D)は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート(D1)と、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(D2)と、必要に応じて用いる共重合可能な二重結合を有する他の単量体(D3)と、必要に応じて用いる多官能性単量体(D4)と、グラフト交叉剤(D5)とを重合体の構成成分とし、かつアルキルアクリレート成分量が架橋弾性重合体(B)層から最外層重合体(C)層に向かって単調減少する層である。
【0028】
ここで単調減少するとは、中間層(D)は架橋弾性重合体(B)と最外層重合体(C)の中間のある一点の組成を有するもの、架橋弾性重合体(B)から最外層重合体(C)に組成が徐々に(連続的に)近付くもの、及び組成が段階的に近付くことをいい、特に、中間のある1点の組成を有するものが、生産性の点でよい。
【0029】
成分(D1)〜(D5)の好ましい具体例は、それぞれ最内層重合体(A)の成分(A1)〜(A4)で挙げたものと同様である。特に、中間層(D)に用いるグラフト交叉剤(D5)は、各重合体層を密に結合させ、優れた諸性質を得る為に必要な成分である。
【0030】
成分(D1)の使用量は10〜90質量部が好ましい。成分(D2)の使用量は10〜90質量部が好ましい。成分(D3)の使用量は0〜20質量部が好ましい。成分(D4)の使用量は0〜10質量部が好ましい。成分(D5)の使用量は0.1〜5質量部が好ましい。これら使用量の範囲は、成分(D1)〜(D4)の合計100質量部を基準とする。
【0031】
好ましい多層構造重合体中の中間層(D)の含有量は、5〜35質量%であることが好ましい。含有量が5質量%〜35質量%であれば優れた柔軟性、加工性を有するアクリル樹脂フィルムを得ることができる。
【0032】
本発明のアクリル樹脂フィルムの製造に用いられる好ましい例の多層構造重合体の平均粒子径としては、これを主成分とするフィルムの機械特性、透明性を考慮すると0.08〜0.2μmの範囲が好ましい。
【0033】
また上記多層構造重合体は、最内層重合体(A)層を与える炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレートおよび/または炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートおよびグラフト交叉剤を少なくとも含む単量体混合物を水および界面活性剤と混合して調製した乳化液を反応器に供給し重合した後、架橋弾性重合体(B)層、中間層(D)および最外層重合体(C)を与える単量体あるいは単量体混合物をそれぞれ順に反応器に供給し重合することもでき、アクリル樹脂ラテックス中に存在する1〜200μmの範囲に分布する巨大なポリマー粒子を低減させる点で好ましい。
【0034】
該アクリル樹脂ラテックスの単量体混合物と水との重量比としては、単量体混合物100部に対し水10部〜500部が好ましい、さらに好ましくは単量体混合物100部に対し水100部〜300部の範囲である。
【0035】
乳化液を調製する際に使用される界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤が使用できるが、特にアニオン系の界面活性剤が好ましい。アニオン系界面活性剤としては、ロジン酸石鹸、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム系等のカルボン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩、ヂオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム系等のスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム系等のリン酸エステル塩等があげられる。
【0036】
また、乳化液を調製する方法としては、水中に単量体混合物を仕込んだ後界面活性剤を投入する方法、水中に界面活性剤を仕込んだ後単量体混合物を投入する方法、単量体混合物中に界面活性剤を仕込んだ後水を投入する方法等があげられる。このうち、水中に単量体混合物を仕込んだ後界面活性剤を投入する方法および水中に界面活性剤を仕込んだ後単量体混合物を投入する方法が本発明の多層構造重合体を得る方法として好ましい。
【0037】
また、最内層重合体(A)層を与える単量体混合物を水および界面活性剤と混合して調製した乳化液を調製するための混合装置としては、攪拌翼を備えた攪拌機およびホモジナイザー、ホモミキサー等の各種強制乳化装置、膜乳化装置等があげられる。
【0038】
また、調製する乳化液としては、W/O型、O/W型のいずれの分散構造でも使用することができるが、特に水中に単量体混合物の油滴が分散したO/W型で、分散相の油滴の直径が100μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは50μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。100μmを超えた場合は、得られるアクリル樹脂ラテックス中に含まれる1〜200μmの範囲に分布する巨大なポリマー粒子の数が増える傾向にある。
【0039】
本発明のアクリル樹脂フィルムの製造に用いられる好ましい多層構造重合体を構成する最内層重合体(A)層、架橋弾性重合体(B)層、中間層(D)層および最外層重合体(C)層を形成する際に使用する重合開始剤は公知のものが使用でき、その添加方法は水相、単量体相いずれか片方、または、双方に添加する方法を用いることができる。特に好ましい開始剤の例としては、過酸化物、アゾ系開始剤または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が用いられる。この中でレドックス系開始剤がさらに好ましく、特に硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサイドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好ましい。
【0040】
特に、上述の最内層重合体(A)層、架橋弾性重合体(B)層、中間層(D)および最外層重合体(C)を与える単量体あるいは単量体混合物をそれぞれ順に反応器に供給し重合する方法においては、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリットを含む水溶液を重合温度まで昇温した後、最内層重合体(A)を反応器に供給して重合し、次いで過酸化物等の重合開始剤を含む架橋弾性重合体(B)層、中間層(D)および最外層重合体(C)を与える単量体混合物を順次反応器に供給し重合する方法が、本発明で使用される多層構造重合体を得る方法として最も好ましい。
【0041】
本発明のアクリル樹脂フィルムの原料として好ましい多層構造重合体は、上述の方法で製造した重合体ラテックスから多層構造重合体を回収することによって製造することができる。重合体ラテックスから多層構造重合体を回収する方法としては特に限定されないが、塩析または酸析凝固、あるいは噴霧乾燥、凍結乾燥等の方法が挙げられ、粉状で回収される。
【0042】
本発明のアクリル樹脂フィルムを成形する際に添加される界面活性剤としては、公知のものを使用することができ、アルキルスルホン酸塩を含有する界面活性剤が好ましく、スルホコハク酸ジオクチルナトリウムを含有する界面活性剤がアクリル樹脂フィルムのロール剥離性の観点より、より好ましい。
【0043】
本発明のアクリル樹脂フィルムを成形する際に添加される界面活性剤は、ペレット化するときに添加してもよく、フィルムを成形する際に添加してもよいが、フィルムを成形する際に添加することがより好ましい。フィルム成形時の添加は、ラミネートする際の加熱ロールとの剥離性、および界面活性剤の熱安定性の点で有利である。界面活性剤をペレット化する際に添加する場合、熱履歴を多く受けるため、熱によりアクリル樹脂の劣化を促進させ、フィッシュアイ等の原因となることがあり、またロール剥離性の効果が低減することがある。フィルム成形時の界面活性剤の配合量は、アクリル樹脂(I)100質量部に対し、0.05〜10質量部の範囲であることが好ましい。界面活性剤の配合量が0.05質量部未満の場合、ラミネートロールとの剥離性が悪く、10質量部を超える場合はフィルムの外観が悪化するため好ましくない。ラミネートロールとの剥離性と良好な外観のために更に好ましい使用範囲は、0.1〜5質量部である。
【0044】
本発明のアクリル樹脂フィルムに含有される直鎖状重合体(II)は特に限定されるものではないが、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルおよび共重合可能な他のビニル単量体からなる直鎖状重合体が挙げられ、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル又は/及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル1〜80質量%、メタクリル酸アルキルエステル10〜99質量%、アクリル酸アルキルエステル0〜79質量%、及び共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも一種0〜50質量%からなる固有粘度が0.3L/g以下の範囲にあり、且つクロロホルムに不溶な成分を含有しない水酸基を有するものが挙げられる。
【0045】
水酸基を有する直鎖状重合体(II)に用いられるアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、または/及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルには、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2、3−ジヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル等が含まれる。これらの中でも特にメタクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。
【0046】
アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、または/及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの水酸基を有する直鎖状重合体(II)中の含有量は1〜80質量%の範囲である。1質量%未満ではラミネートロールとの剥離性効果は不十分である。一方、80質量%を超えると粒子の分散性が悪くなり、フィルム状にしたとき未分散の粒子が存在し、外観が悪化する場合がある。ラミネートロールとの剥離性と良好な外観のために好ましい使用範囲は、5〜50質量%である。更に好ましくは10〜40質量%の範囲である。
【0047】
メタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等の低級メタクリル酸アルキルエステルが好適で、中でもメタクリル酸メチルが好ましい。メタクリル酸アルキルエステルの含有量は10〜99質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは30〜90質量%の範囲である。
【0048】
アクリル酸アルキルエステルは79質量%までの範囲で含有することが好ましく、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の低級アクリル酸アルキルエステルが好ましい。アクリル酸アルキルエステルは0.5〜40質量%の範囲で含有されることが好ましい。さらに好ましくは5〜25質量%である。
【0049】
水酸基を有する直鎖状重合体(II)にはクロロホルムに不溶な成分を含有しないことが好ましい。クロロホルムに不溶な成分はアクリル樹脂フィルムにした際に、未溶融の核として残るために外観不良の原因となる。具体的には、固有粘度、分子量分布であるMw/Mn(Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量)や、重合中に発生するカレット等が重要となる。
【0050】
水酸基を有する直鎖状重合体(II)の固有粘度は0.3L/g以下の範囲に調節することが好ましく、アクリル樹脂フィルム中の未溶融の水酸基を有する直鎖状重合体(II)を低減するために必要である。
【0051】
固有粘度が小さいほど、アクリル樹脂フィルム中での水酸基を有する直鎖状重合体(II)の分散性が良くなるので、外観不良の原因となる水酸基を有する直鎖状重合体(II)が減る。0.12L/g以下の範囲に調節することが好ましく、0.06L/g以下の調節に調節することが更に好ましい。調節には、メルカプタン等の重合調節剤を用いる。メルカプタンとしてはn−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等が使用されるが、特にこれらのものに限定されず公知のものが使用可能である。
【0052】
本発明のアクリル樹脂フィルムの製造に使用される水酸基を有する直鎖状重合体(II)の製造方法は特に限定されないが、懸濁重合や乳化重合による方法が好ましい。
【0053】
懸濁重合の開始剤としては通常の懸濁重合に使用されるものが用いられ、有機過酸化物、アゾ化合物を挙げることができる。
【0054】
懸濁安定剤としては通常用いられる公知のものが用いられ、有機コロイド性高分子物質、無機コロイド性高分子物質、無機微粒子及びこれらと界面活性剤との組み合わせを挙げることができる。これらの中でも、水酸基を有する直鎖状重合体(II)中に、アクリル樹脂フィルム中に不溶な成分が残らない有機系の分散剤が好ましい。また、無機系の分散剤でも重合後の処理により取り除くことができる場合は、外観に悪影響を及ぼさないので好ましい。
【0055】
懸濁重合は通常懸濁安定剤の存在下にモノマー類を重合開始剤とともに水性懸濁して行われる。それ以外にもモノマーに可溶な重合物をモノマーに溶かし込んで使用して行うこともできる。
【0056】
懸濁重合後の後処理は重要で、フィルム外観不良の原因となる、重合中に発生するクロロホルムに不溶な成分であるカレットを、篩別により取り除くことが好ましい。例えば、300μm以上のカレットを含まないもの、好ましくは100μm以上のカレットを含まないものを用いる。100μm以下のカレットも含まないことがフィルム外観の観点より更に好ましいが、この場合は、篩別により正常なビーズも除かれるために収率の低下を招く。
【0057】
製品収率を低下させることなく、篩別によりカレットを効率的に取り除くために、水酸基を有する直鎖状重合体の平均粒子径は、300μm以下であることが好ましい。更に好ましくは200μm以下である。
【0058】
この様にして得た水酸基を有する直鎖状重合体(II)の配合量はアクリル樹脂(I)100質量部に対して0.1〜30質量部の範囲が好ましい。0.1質量部以下の配合量では十分なラミネートロールとの剥離性が若干低下し、30質量部を超える配合量ではフィルム成形時の加工性が若干低下する傾向となる。良好な剥離性を得るためには0.5質量部以上がより好ましい。
【0059】
水酸基を有する直鎖状重合体(II)を用いると、フィルムの伸度等の物性を低下することなく予備加熱ロールとの剥離性を向上させることができる。従って、事前にフィルムの真空成形等の必要なインモールド成形等でもフィルム切れ等が起こらず、良好に使用できる。
【0060】
本発明のアクリル樹脂フィルムの製造においては、粉体を原材料として用いることができ、ペレット製造工程を省略できるため、低コストでアクリル樹脂フィルムを製造することができる。
【0061】
この場合、粉体は、平均粒子径が500μm以上が好ましい。粉体の平均粒子径が500μm未満の場合は、製膜機への供給が不安定となりやすく、フィルムの膜厚斑が発生しやすくなる。一方、粉体の平均粒子径の上限はフィルム成形できる大きさであれば特に規定されない。ただし、粒子径の大きな粉体は製造することが困難である。また、篩別することで大きな粒子を得ることは可能であるが、加工コストがかかる等の問題がある。
【0062】
この平均粒子径は、筒井理化学器械株式会社製、M−2型ミクロ形電磁振動ふるい器で30分間篩別して算出した値である。
【0063】
本発明のアクリル樹脂フィルムの製造に用いられる熱可塑性重合体(III)は、メチルメタクリレートと、必要に応じて用いる共重合可能な二重結合を有する他の単量体を重合して得られる還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定)が0.2〜2l/gの熱可塑性重合体である。
【0064】
この熱可塑性重合体(III)は、フィルム成形性に対し重要な役割を示す成分(加工助剤)である。この熱可塑性重合体の還元粘度は重要である。この還元粘度が0.2l/g以上であることは、得られるアクリル樹脂フィルムのフィルム成形性の点で好ましく、一方、2l/gを超えた範囲ではフィルム成形性が低下する傾向を示す。特に好ましい熱可塑性重合体(III)の還元粘度は0.2〜1.2l/gの範囲である。
【0065】
熱可塑性重合体(III)において、メチルメタクリレートの含有量は、50質量%以上であることが好ましい。この含有量は、メチルメタクリレートおよびこれと共重合可能な二重結合を有する他の単量体との合計100質量%を基準とする。
【0066】
熱可塑性重合体(III)を得る為にメチルメタクリレートを重合するに際して、二重結合を有する他の単量体を共重合させることができる。他の単量体を用いる場合、その含有量は、50質量%以下であることが好ましい。この含有量は、メチルメタクリレートおよびこれと共重合可能な二重結合を有する他の単量体との合計100質量%を基準とする。
【0067】
本発明のアクリル樹脂フィルムの製造に使用する熱可塑性重合体(III)において、メチルメタクリレートと共重合可能なビニル系単量体として、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合物等を使用することができる。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−置換スチレン、核置換スチレン及びその誘導体、例えばα−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
【0068】
さらにビニルシアン化合物としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
【0069】
本発明のアクリル樹脂フィルムの製造で使用する熱可塑性重合体(III)は、乳化重合法で得る事が好ましい。また、熱可塑性重合体(III)の乳化ラテックスを回収する方法は特に限定されない。具体的には塩析または酸析凝固、あるいは噴霧乾燥、凍結乾燥等の方法が挙げられ、粉末状で回収することができる。
【0070】
本発明のアクリル樹脂フィルムの製造で使用する熱可塑性重合体(III)の配合量はアクリル樹脂(I)100質量部に対し0.1〜20質量部が好ましい。熱可塑性重合体(III)が0.1質量部未満の場合、フィッシュアイ発生抑制の効果が不十分になる傾向にあり、20質量部を超えた場合、溶融粘度が上がりフィルム成形性が低下する傾向にある。
【0071】
本発明のアクリル樹脂フィルムの製造に使用する熱可塑性重合体(III)を製膜機付帯単軸押出機等に供給する方法としては、特に限定されるものでなく、熱可塑性重合体(III)をアクリル樹脂を主成分とする平均粒子径500μm以上の粉体であるアクリル樹脂(I)とともに定量的に製膜機付帯単軸押出機に供給してもよい。
【0072】
熱可塑性重合体(III)の製膜機付帯単軸押出機への供給の具体例としては、乳化重合あるいは懸濁重合等により製造した熱可塑性重合体(III)をアクリル樹脂を主成分とする平均粒子径500μm以上の粉体であるアクリル樹脂(I)とともに計量、混合して供給する方法、熱可塑性重合体(III)を含むマスターバッチペレットを平均粒子径500μm以上の粉体であるアクリル樹脂(I)とともに計量、混合して供給する方法が挙げられる。このうち特に熱可塑性重合体(III)を含むマスターバッチペレットを原材料として用いる方法では、得られるアクリル樹脂フィルムの光学的な歪みの発生を抑制することが可能であり、より好ましい方法である。尚、ここでいう光学的な歪みとは、フィルム表面およびフィルム内部に生じるスジ状、あるいは年輪状のゆらぎをいう。アクリル樹脂フィルムにおける光学的な歪みは、例えば「機能性フィルムの技術と応用」[(株)シーエムシー、昭和57年7月30日発行]128頁に記載のように、フィルムを窓ガラスに貼り合わせして使用する窓用ガラスとして用いる場合にガラスを通してみた外界の像の歪みとして現れ、外部の明視性の観点から重要となる。一般にフィルムの光学的な歪みは上記文献にも記載のように数値的な評価は困難であるが、フィルムを特定の角度から通してみた外界の像の歪みの大小により評価することができる。
【0073】
またマスターバッチペレットは、熱可塑性重合体(III)とアクリル樹脂(I)の混練押出により製造することができる。混練押出には通常単軸押出機あるいは二軸押出機を用いることができる。マスターバッチペレット中の熱可塑性重合体(III)の含有量は、アクリル樹脂(I)100質量部に対し0.1〜30質量部であることが好ましい。熱可塑性重合体(III)が0.1質量部未満の場合、熱可塑性重合体(III)を含むマスターバッチペレットを原材料として用いる方法で得られるアクリル樹脂フィルム中の熱可塑性重合体(III)の量が不十分となるため、フィルム成形性が低下する傾向にあり、30質量部を超える場合、溶融粘度が上がるためマスターバッチペレットの混練性が低下し、これを原材料として用いて製造したアクリル樹脂フィルムの外観が悪化する傾向にある。尚、マスターバッチペレット製造に使用するアクリル樹脂は特に限定されるものではないが、アクリル樹脂フィルムを製造する際に使用する前述のアクリル樹脂の使用が好ましい。また、マスターバッチペレット中には、本発明の方法で得られるアクリル樹脂フィルムに各種特性を付与するための配合剤、例えば安定剤、紫外線吸収剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填剤、着色剤、艶消し剤、離型剤および抗菌剤等を配合することができる。
【0074】
また、マスターバッチペレットを用いる場合のその配合量は、特に限定されるものではないが、アクリル樹脂(I)100質量部に対し1質量部以上であることが好ましい。熱可塑性重合体(III)と平均粒子径500μm以上の粉体であるアクリル樹脂(I)とを混練押出したペレットが1質量部未満の場合、アクリル樹脂フィルムに光学的な歪みが生じる傾向にある。さらに好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは7質量部以上である。
【0075】
また、マスターバッチペレットの配合量が多い場合、賦形にかかるコスト、エネルギーがともに大きくなる欠点を有するので、できるだけ少なくすることが望ましい。
【0076】
平均粒子径500μm以上の粉体であるアクリル樹脂(I)を用いてフィルム成形する場合、この粉体を乾燥機で水分率0.3%以下に乾燥することが望ましい。アクリル樹脂(I)には吸湿性が有り、水分率が0.3%を超えると、フィルム製造時に発泡やメヤニの発生、ダイラインなどの欠陥が生じる傾向にある。この粉体の水分率は、粉体10gを120℃で恒量に達するまで加熱し、質量減少により算出した値である。
【0077】
乾燥方法は、特に限定されず、除湿エア乾燥、熱風乾燥、真空乾燥、電磁波による乾燥等が挙げられる。上記各乾燥法のうち、除湿エア乾燥以外の乾燥法は、通常、複数の乾燥機を使用したバッチ乾燥方法をとるので、連続して乾燥することは困難である。一方、除湿エア乾燥は、連続的に乾燥できるので連続生産に有利であり、設備スペース、設備コスト等の点で好ましい。また、乾燥機の排出部には、ロータリーバルブやブリッジブレイカーを設置することが好ましい。
【0078】
以上説明したような乾燥工程により、アクリル樹脂を主成分とする平均粒子径500μm以上の粉体であるアクリル樹脂(I)の水分率を0.3%以下にしてから、これを製膜機付帯単軸押出機に供給し、混練し、押出すことによりフィルム状に成形する。
【0079】
本発明のアクリル樹脂フィルムの厚みは特に限定されるものではないが、好ましくは10〜500μmである。10〜500μmであると、適度な剛性となるためラミネート性、二次加工性等が容易となる。さらに製膜性が安定してフィルムの製造が容易となる。さらに好ましくは15μm〜200μmさらに好ましくは40μm〜200μmである。
【0080】
また、本発明のアクリル樹脂フィルムを成形する方法としては特に限定されるものではないが、公知の溶液流延法、Tダイ法、インフレーション法等の溶融押出法等があげられ、このうち経済性の点でTダイ法がもっとも好ましい方法である。
【0081】
本発明のアクリル樹脂フィルムの熱変形温度(ASTM D648に基づく測定)は70℃以上であることが好ましい。熱変形温度が70℃以上であると、フィルムを表面に有する積層体の加熱時後の表面荒れが発生し難くなる。また、熱変形温度が80℃以上の場合、例えばフィルム表面をエンボス加工等により粗面化処理した積層体を熱加工した際に、エンボス面の艶戻りによる意匠性低下を抑制することができ、このような用途にアクリル樹脂フィルムを使用する場合に工業的価値が高い。
【0082】
また、本発明のアクリル樹脂フィルムには、必要に応じて、一般の配合剤、例えば、安定剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填剤、抗菌剤、防カビ剤、発泡剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、艶消剤、紫外線吸収剤等を含むことができる。特に基材の保護の点では、耐候性を付与するために、紫外線吸収剤を添加することが好ましい。使用される紫外線吸収剤の分子量は300以上であることが好ましく、特に好ましくは400以上である。分子量が300より小さな紫外線吸収剤を使用すると、フィルムを製造する際に転写ロール等に揮発し、ロール汚れを発生させることがある。紫外線吸収剤の種類は、特に限定されないが、分子量400以上のベンゾトリアゾール系または分子量400以上のトリアジン系のものが特に好ましく使用でき、前者の具体例としては、チバガイギー社のチヌビン234、旭電化工業社のアデカスタブLA−31、後者の具体例としては、チバガイギー社のチヌビン1577等が挙げられる。
【0083】
上記配合剤の添加方法としては、アクリル樹脂を用いてフィルムを製膜するための製膜機にアクリル樹脂とともに供給する方法と予めアクリル樹脂に配合剤を添加した混合物を各種混練機にて混練混合する方法がある。後者の方法に使用する混練機としては、通常の単軸押出機、二軸押出機、バンバリミキサー、ロール混練機等があげられる。
【0084】
本発明のアクリル樹脂フィルムは、各種樹脂成形品、木工製品および金属成形品等の基材の表面に積層することで、アクリル樹脂フィルムを表面に有する積層体を製造することができる。
【0085】
また、本発明のアクリル樹脂フィルムには、各種基材に意匠性を付与するために、必要に応じて適当な印刷法により印刷を施し使用することできる。この場合、アクリル樹脂フィルムに片側印刷処理を施したものを用いることが好ましく、印刷面を基材樹脂との接着面に配することが印刷面の保護や高級感の付与の点から好ましい。また、基材の色調を生かし、透明な塗装の代替として用いる場合には、透明のまま使用することができる。特に、このように基材の色調を生かす用途には、本発明のアクリル樹脂フィルムは、ポリ塩化ビニルフィルムやポリエステルフィルムに比べ、透明性、深み感や高級感の点で優れている。
【0086】
さらに、必要に応じてフィルムへのエンボス加工等の艶消処理や着色加工したものを用いることができる。
【0087】
本発明のアクリル樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムまたはシートに積層することができる。熱可塑性樹脂フィルムまたはシートとしては、ABS樹脂、AS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂あるいはこれらを主成分とする樹脂が挙げられるが、接着性の点でABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂あるいはこれらの樹脂を主成分とする樹脂シートが好ましい。ただし、ポリオレフィン樹脂シート等の熱融着しない基材樹脂でも接着性の層を用いることで本発明のアクリル樹脂フィルムと基材を接着させることは可能である。
【0088】
本発明のアクリル樹脂フィルムあるいはアクリル樹脂フィルム積層シートは、各種樹脂成形品、木工製品および金属成形品に貼り合わせて使用することができる。基材に積層シートを貼り合わせる方法としては、接着剤を用いる方法、粘着加工による方法、熱ラミネート法、射出成形時に積層シートあるいは積層シートをあらかじめ予備成形した部材を金型内に挿入して成形するインモールド成形法等が挙げられる。
【0089】
樹脂成形品のうち、本発明のアクリル樹脂フィルムと溶融接着可能な熱可塑性樹脂成形品としては、前述の樹脂が挙げられる。
【0090】
本発明のアクリル樹脂フィルムを表面に有する積層体の製造方法として、2次元形状の積層体に成形する場合は、熱融着できる基材に対しては熱ラミネーション等の公知の方法を用いることができる。また、熱融着しない基材に対しては接着剤を介して貼り合わせることは可能である。
【0091】
一方、3次元形状の積層体に成形する場合は、予め形状加工したアクリル樹脂フィルムを射出成形用金型に挿入するインサート成形法や金型内で真空成形後射出成形を行うインモールド成形法等の公知の成形方法を用いることができる。インモールド成形法は、フィルムを加熱した後、真空引き機能を持つ型内で真空成形を行う。該方法であると、フィルムの成形と射出成形を一工程で行えるため、作業性、経済性の点から好ましい。加熱温度としてはアクリル樹脂フィルムが軟化する温度以上であることが望ましい。これはフィルムの熱的性質、あるいは成形品の形状に左右されるが、通常70℃以上である。また、あまり温度が高いと表面外観が悪化したり、離型性が悪くなったりする。これもフィルムの熱的性質、あるいは成形品の形状に左右されるが、通常170℃以下であることが好ましい。
【0092】
インモールド成形法はこのように真空成形で三次元形状を付与した後、射出成形によりアクリル樹脂フィルムと基材樹脂を溶融一体化させることで表層にアクリル樹脂フィルム層を有するアクリル積層成形品を得ることができる。
【0093】
本発明のアクリル樹脂フィルムあるいはアクリル樹脂フィルムを表面に有する積層体は、必要に応じて各種機能付与のための表面処理をアクリル樹脂フィルム表面に施すことができる。機能付与のための表面処理としては、シルク印刷、インクジェットプリント等の印刷処理、金属調付与あるいは反射防止のための金属蒸着、スパッタリング、湿式メッキ処理、表面硬度向上のための表面硬化処理、汚れ防止のための撥水化処理あるいは光触媒層形成処理、塵付着防止あるいは電磁波カットを目的とした帯電防止処理、反射防止層形成、防眩処理等があげられる。
【0094】
本発明のアクリル樹脂フィルムまたは積層シートの工業的用途としては、窓枠、ドア材、化粧鋼板、壁材、家具、壁紙等の建装シート、家電ハウジング表皮材、車輌内装表皮材等の各種工業用品であり、被覆材として、基材への意匠性付与、基材保護の目的として使用することができる。
【0095】
【実施例】
以下実施例により本発明を説明する。
【0096】
尚、実施例および比較例中の「部」は「質量部」を「%」は「質量%」をそれぞれ表す。また、参考例中の略号は以下のとおりである。
【0097】
メチルメタクリレート MMA
ブチルアクリレート BA
メチルアクリレート MA
ヒドロキシエチルメタクリレート HEMA
アリルメタクリレート AMA
1.3-ブチレングリコールジメタクリレート 1.3BD
t−ブチルハイドロパーオキサイド tBH
クメンハイドロパーオキサイド CHP
ラウリルパーオキサイド LPO
n−オクチルメルカプタン nOM
乳化剤(1):モノ(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)リン酸40%とジ(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)リン酸60%混合物の水酸化ナトリウム部分中和物[商品名フォスファノールLO529、東邦化学(株)製]
調製例1:多層構造重合体(I−1)ラテックスの製造
冷却器付き重合容器内にイオン交換水195部を投入し、70℃に昇温し、さらに、イオン交換水5部にソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.20部、硫酸第一鉄0.0001部、EDTA0.0003部を加えて調製した混合物を一括投入した。次いで、窒素下で撹拌しながら、MMA0.3部、BA4.5部、BD0.2部、AMA0.05部、CHP0.025部からなる単量体混合物および乳化剤(1)1.3部からなる混合物を8分間かけて重合容器に滴下した後、15分間反応を継続させ、最内層重合体(A−4)の重合を完結した。続いて、MMA1.5部、BA22.5部、BD1.0部、AMA0.25部からなる単量体混合物をCHP0.016部と共に90分間で添加した後、60分間反応を継続させ、架橋弾性重合体(B−4)を含む二層架橋ゴム弾性体を得た。
【0098】
続いて、MMA6部、BA4部、AMA0.075部、およびCHP0.0125部の混合物を45分間かけて重合容器に滴下した後、60分間反応を継続させ、中間層(D−4)を形成させた。
【0099】
次いで、MMA55.2部、BA4.8部、n−OM0.19部、およびt−BH0.08部からなる単量体混合物を140分間かけて重合容器に滴下した後、60分間反応を継続させ、最外層重合体(C−4)を形成し、多層構造重合体(I−1)の重合体ラテックスを得た。
【0100】
調製例2:多層構造重合体(I−2)ラテックスの製造
攪拌機を備えた容器にイオン交換水8.5部を仕込んだ後、MMA0.3部、BA4.5部、BD0.2部、AMA0.05部、CHP0.025部からなる単量体混合物を投入し、攪拌混合した。次いで乳化剤(1)1.3部を攪拌しながら上記容器に投入し、再度攪拌を20分間継続し、乳化液(N−1)を調製した。得られた乳化液中の分散相の平均粒子径は、10μmであった。
【0101】
次に、冷却器付き重合容器内にイオン交換水186.5部を投入し、70℃に昇温し、さらに、イオン交換水5部にソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.20部、硫酸第一鉄0.0001部、EDTA0.0003部を加えて調製した混合物を一括投入した。次いで、窒素下で撹拌しながら、乳化液(N−1)を8分間かけて重合容器に滴下した後、15分間反応を継続させ、最内層重合体(A−1)の重合を完結した。続いて、MMA1.5部、BA22.5部、BD1.0部、AMA0.25部からなる単量体混合物をCHP0.016部と共に90分間で添加した後、60分間反応を継続させ、架橋弾性重合体(B−1)を含む二層架橋ゴム弾性体を得た。
【0102】
続いて、MMA6部、BA4部、AMA0.075部、およびCHP0.0125部の混合物を45分間かけて重合容器に滴下した後、60分間反応を継続させ、中間層(D−1)を形成させた。
【0103】
次いで、MMA55.2部、BA4.8部、n−OM0.19部、およびt−BH0.08部からなる単量体混合物を140分間かけて重合容器に滴下した後、60分間反応を継続させ、最外層重合体(C−1)を形成し、多層構造重合体(I−2)の重合体ラテックスを得た。
【0104】
調製例3:水酸基を有する直鎖状重合体(II)の製造
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入口等の付いた反応容器に次の混合物を仕込んだ。
【0105】
MA 10質量部
MMA 60質量部
HEMA 30質量部
n−OM 0.08質量部
LPO 0.5質量部
MMA/メタクリル酸塩
/メタクリル酸エチルスルホン酸塩の共重合体 0.05質量部
硫酸ナトリウム 0.5質量部
イオン交換水 250質量部
容器内を十分に窒素ガスで置換した後、上記混合物の混合物を撹拌しながら75℃まで加熱し、窒素ガス気流中で重合を進めた。2時間後に90℃に昇温してさらに45分保持して重合を完了し、引き続いて目開き150メッシュの条件で篩別を行い、通過したビーズを脱水、乾燥して水酸基を有する直鎖状重合体(II)を得た。
【0106】
この重合体を以下に示す方法で測定した固有粘度は0.11L/g、Mw/Mnは1.9、平均粒子径は70μmであった。
【0107】
(水酸基を有する直鎖状重合体の固有粘度)
固有粘度、還元粘度の測定はサン電子工業製AVL−2C 自動粘度計を使用して溶媒にクロロホルムを用いて25℃で測定した。なお、還元粘度の測定ではクロロホルム100mlにサンプルを0.1g溶かしたものを使用した。
【0108】
(水酸基を有する直鎖状重合体の分散比(Mw/Mn)の測定)
Shimazu LC−6Aシステム(島津製作所製)を用い、GPCカラムとしてKF−802.5、KF−804、KF−805(昭和電工製)3本連結したものを使用し、溶媒としてTHFを使用してポリスチレン換算で測定した。
【0109】
(水酸基を有する直鎖状重合体の平均粒子径)
得られた水酸基を有する重合体の平均粒子径を、HORIBA(株)製のレーザ回折散乱式粒度分布測定装置LA−910を用いて測定した。
【0110】
なお、加熱ロール剥離性については以下に示す方法で行った。
【0111】
<鏡面1本ロールの剥離性試験方法>
40φの鏡面ロールにアクリル樹脂フィルムを接触させながら5rpmの速度で回転させ、該アクリル樹脂フィルムを鏡面ロール面から垂直方向に引き取った。なお、この時の鏡面ロールの加熱温度は140℃で、フィルムと鏡面ロールとの接触は鏡面ロールの円周の1/2になるように設定した。
【0112】
上記の条件で30分間フィルムを引き取り、アクリル樹脂フィルムのロールへの取られがないものを○、アクリル樹脂フィルムがロールから剥離せずロールに巻きついたときを×とした。
【0113】
<エンボスロールの剥離性試験方法>
エンボスロールと鏡面ロールとでアクリル樹脂フィルムを挟み込み、各ロールの下流側でアクリル樹脂フィルムを巻き取った。なお、この時のエンボスロールの加熱温度は140℃で、各ロールで挟み込むときの圧力は4.9MPaとした。
【0114】
上記の条件で30分間フィルムを引き取り、アクリル樹脂フィルムのロールへの取られがないものを○、アクリル樹脂フィルムがロールから剥離せずロールに巻きついたときを×とした。
【0115】
<実施例1>
調製例1で得られたアクリル樹脂ラテックスを、目開き75μmのフィルターで濾過し、塩析脱水後水洗を行い、多層構造重合体を湿潤した粉末状で得た。
【0116】
次いで、この粉末状多層構造重合体を、35mmφのスクリュー型2軸押出機(L/D=26)を用いて、シリンダー温度190〜210℃で圧搾脱水し平均粒子径650μmの顆粒粉を得た。該顆粒粉を100部、界面活性剤として三井サイテック(株)製のエアロゾルOT−B(商品名、成分:ジオクチルコハク酸ナトリウム=85%、安息香酸ナトリウム=15%)を0.5部、調製例3で得られた水酸基を有する直鎖状重合体(II)を1部、熱可塑性重合体(III)として三菱レイヨン(株)製のメタブレンP−530A(商品名、還元粘度:0.375l/g)を1部、紫外線吸収剤としてチバガイギー(株)製のチヌビンP(商品名)を1.5部、旭電化工業(株)製アデカスタブAO−50(商品名)を0.1部、三菱レイヨン(株)製のメタブレンL−1000(商品名)を0.8部用い、自動計量混合装置[タマキ(株)製、オートブレンダー]で混合した。
【0117】
次いで、40mmφのスクリュー型押出機(L/D=26)を用いてシリンダー温度200〜260℃、ダイ温度250℃で溶融混練しペレット化した。このペレットを80℃で一昼夜乾燥し、115mmφ押出機でTダイを用いて0.05mm厚のフィルムに成形し、本発明のアクリル樹脂フィルムを得た。
【0118】
フィルムの表面光沢、剥離強度、ロール剥離性評価結果を表1に示す。
【0119】
<実施例2>
調製例2で得られたアクリル樹脂ラテックスを用いたこと以外は実施例1と同様に平均粒子径650μmの多層構造重合体の顆粒粉を得た。更に、顆粒粉を使用して実施例1と同様にアクリル樹脂フィルムを得た。
【0120】
フィルムの表面光沢、剥離強度、ロール剥離性評価結果を表1に示す。
【0121】
<実施例3>
実施例1で使用した顆粒粉を100部、調製例3で得られた水酸基を有する直鎖状重合体(II)を1部、メタブレンP−530Aを1部、アデカスタブAO−50を0.1部、メタブレンL−1000を0.8部用い、自動計量混合装置で混合し、40mmφの二軸型押出機(L/D=26)を用いてシリンダー温度200〜260℃、ダイ温度250℃で溶融混練しペレット化した。
【0122】
該ペレットを100部、紫外線吸収剤としてチヌビンPを1.5部、エアロゾルOT−Bを0.5部配合し、115mmφ押出機でTダイを用いて0.05mm厚のフィルムに成形し、本発明のアクリル樹脂フィルムを得た。
【0123】
フィルムの表面光沢、剥離強度、ロール剥離性評価結果を表1に示す。
【0124】
<実施例4>
エアロゾルOT−Bを3部用いたこと以外は実施例1と同様にアクリル樹脂フィルムを得た。
【0125】
フィルムの表面光沢、剥離強度、ロール剥離性評価結果を表1に示す。
【0126】
<実施例5>
実施例1で製造した顆粒粉を100部、エアロゾルOT−Bを0.5部、調製例3で得られた水酸基を有する直鎖状重合体(II)を1部、メタブレンP−530Aを1部、チヌビンPを1.5部、アデカスタブAO−50を0.1部、メタブレンL−1000を0.8部用い、自動計量混合装置で混合した。
【0127】
この混合物を115mmφ押出機でTダイを用いて0.05mm厚のフィルムに成形し、本発明のアクリル樹脂フィルムを得た。
【0128】
フィルムの表面光沢、剥離強度、ロール剥離性評価結果を表1に示す。
【0129】
<実施例6>
実施例1で製造した顆粒粉を100部、調製例3で得られた直鎖状重合体(II)を5部、メタブレンP−530Aを5部、AO−50を0.5部、メタブレンL−1000を4部用い、自動計量混合装置[で混合し、40mmφのスクリュー型押出機(L/D=26)を用いてシリンダー温度200〜260℃、ダイ温度250℃で溶融混練しペレット化した。
【0130】
該ペレットを20部、実施例1で製造した顆粒粉を80部、エアロゾルOT−Bを0.5部、チヌビンPを1.5部配合し、115mmφ押出機でTダイを用いて0.05mm厚のフィルムに成形し、本発明のアクリル樹脂フィルムを得た。
【0131】
フィルムの表面光沢、剥離強度、ロール剥離性評価結果を表1に示す。
【0132】
<実施例7>
調製例3で得られた直鎖状重合体(II)を25部用いたこと以外は実施例6と同様にアクリル樹脂フィルムを得た。
【0133】
フィルムの表面光沢、剥離強度、ロール剥離性評価結果を表1に示す。
【0134】
<比較例1>
エアロゾルOT−Bを用いなかったこと以外は実施例1と同様にアクリル樹脂フィルムを得た。
【0135】
フィルムの表面光沢、剥離強度、ロール剥離性評価結果を表1に示す。
【0136】
<比較例2>
エアロゾルOT−Bを0.05部用いたこと以外は実施例1と同様にアクリル樹脂フィルムを得た。
【0137】
フィルムの表面光沢、剥離強度、ロール剥離性評価結果を表1に示す。
【0138】
<比較例3>
調製例3で得られた直鎖状重合体(II)を35部用いたこと以外は比較例1と同様にアクリル樹脂フィルムを得た。得られたアクリル樹脂フィルムはフィッシュアイが多発し、外観の悪いものであった。
【0139】
フィルムの表面光沢、剥離強度、ロール剥離性評価結果を表1に示す。
【0140】
<比較例4>
調製例3で得られた直鎖状重合体(II)を用いなかったこと以外は実施例1と同様にアクリル樹脂フィルムを得た。
【0141】
フィルムの表面光沢、剥離強度、ロール剥離性評価結果を表1に示す。
【0142】
【表1】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、本来のアクリル樹脂フィルムの特長を損なうことなく、熱ラミネート時の加熱ロールとの剥離性にも優れたアクリル樹脂フィルム、その製造方法およびそれを積層した積層シートが提供できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an acrylic resin film suitable for a laminated sheet, which is laminated with a thermoplastic resin film or sheet, a method for producing the same, and an acrylic resin film laminated sheet in which the film is laminated.
[0002]
[Prior art]
Acrylic resin is excellent in transparency, has a beautiful appearance and weather resistance, and is easy to mold, so it is widely used in applications such as electrical parts, vehicle parts, optical parts, ornaments, signs, etc. . However, as the use of acrylic resins expands, further performance improvement according to the use is being studied. Among these, in recent years, acrylic resin films for the purpose of imparting surface functions to various resin molded products have been used in various industrial fields. These acrylic resin films are laminated and used on base resin molded products such as polycarbonate resin, polyethylene resin, polypropylene resin, vinyl chloride resin, vinylidene fluoride resin, methacrylic resin, ABS resin, AES resin, AS resin, These substrates are applied to impart weather resistance and scratch resistance. As a method of laminating an acrylic resin film to a base sheet, etc., there are a thermal laminating method in which a film is heated and laminated on a base material, a dry laminating method in which an adhesive is applied to a film and bonded to a base sheet, etc. The most industrially widely used is a thermal laminate in which an acrylic resin film is preheated with a heating roll, laminated on a base sheet, and bonded by sandwiching a laminate between a plurality of rolls. However, in this heat laminating method, there is a problem that the acrylic resin film is hardly peeled off from the preheating roll by long-term continuous operation, and is wound around the heating roll. Furthermore, in the thermal laminating method, the acrylic resin side becomes difficult to peel off from the roll by long-term continuous operation in the process of sandwiching the laminate composed of the base sheet and the acrylic resin film with a plurality of rolls, There was a problem. In order to prevent wrapping around these rolls, there are methods such as lowering the temperature of the pre-heating roll and lowering the pressure of the sandwiching roll. When the embossing roll is used to form the uneven surface, the embossing followability is lowered, and there is a problem that the laminate cannot be manufactured stably.
[0003]
On the other hand, since the dry lamination method uses an organic solvent and an adhesive, there are problems such as an environmental problem and a manufacturing cost that is higher than that of the heat lamination method.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The purpose of the present invention is to maintain the features such as good moldability, beautiful appearance, high transparency, excellent weather resistance, etc. inherent to acrylic resins, and with a heating roll for heat laminating with a base sheet. An object of the present invention is to provide an acrylic resin film excellent in peelability and to provide a laminated sheet that is industrially rich in production.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The gist of the present invention is (meth) acrylic acid hydroxyalkyl ester, carbon having a surfactant of 0.05 to 10 parts by mass and an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms with respect to 100 parts by mass of acrylic resin (I). 0.1 to 30 parts by mass of a linear polymer (II) having a hydroxyl group comprising an alkyl ester having an alkyl group of 1 to 4 and an alkyl ester of acrylic acid and another vinyl monomer capable of copolymerization The blended film cut to φ10 mm is sandwiched between metal plates with a surface roughness of # 250, pressed at 170 ° C for 8 minutes with a load of 7 kg, and then peeled off when the metal plates are peeled off in the vertical direction. The acrylic resin film has a strength of 30 kgf or less and a surface gloss of 80 to 120%.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described.
[0007]
The acrylic resin film of the present invention has a strength of 30 kgf or less when a metal plate having a surface roughness of # 250 is sandwiched between a metal plate having a surface roughness of # 250, subjected to a load of 7 kg and pressed at 170 ° C. for 8 minutes and then peeled off. There must be. When the strength when peeling the metal plate exceeds 30 kgf, when the acrylic resin film is thermally laminated with the base sheet, the peelability from the sandwiching roll becomes poor, and the winding around the roll occurs and the laminated sheet is stable. Can not be manufactured.
[0008]
On the other hand, the surface gloss of the acrylic resin film of the present invention needs to be 80 to 120%. When the surface gloss of the acrylic resin film is less than 80%, the transparency inherent in the acrylic resin film is impaired, and when it exceeds 120%, the peelability from the heating roll deteriorates, so that the winding around the preheating roll is not possible. It occurs and a laminated sheet cannot be manufactured stably. The more preferable surface gloss of the acrylic resin film is 90 to 120%. This surface gloss is a gloss value at a measurement angle of 60 ° measured by ASTM D523.
[0009]
The acrylic resin (composition) constituting the acrylic resin film of the present invention is not particularly limited, but film compositions made of known acrylic resins, for example, Japanese Examined Patent Publication Nos. 62-19309 and 63- It is preferable to use an acrylic resin composition disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 20459, Japanese Patent Application Laid-Open No. 63-77963, Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-323934, and the like.
[0010]
Preferable examples of the acrylic resin (I) used in the production of the acrylic resin film of the present invention include a multilayer structure heavy comprising an alkyl acrylate, an alkyl methacrylate, and a graft-crossing agent known as a known technique as constituent components of the polymer. The acrylic resin film which is a coalescence and uses this as a film raw material has excellent weather resistance, transparency and stress whitening resistance.
[0011]
More specific examples of the preferred multilayer structure polymer include an alkyl acrylate having an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms and / or an alkyl methacrylate having an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms and a graft crossing agent at least as a constituent component of the polymer. An innermost layer polymer (A) layer, a cross-linked elastic polymer (B) having at least an alkyl acrylate having an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms and a graft crossing agent as constituents of the polymer, and having 1 to 4 carbon atoms The outermost layer polymer (C) having at least an alkyl methacrylate having an alkyl group as a constituent component of the polymer as a basic structure, and further between the crosslinked elastic polymer (B) layer and the outermost layer polymer (C) layer In addition, alkyl acrylate having an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms and alkyl group having an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms. At least one intermediate layer (D) comprising at least one acrylate and a graft crossing agent, and the amount of the alkyl acrylate component monotonously decreasing from the crosslinked elastic polymer (B) layer toward the outermost polymer (C) layer. It has a multilayer structure polymer.
[0012]
The innermost layer polymer (A) constituting the preferred multilayer structure polymer is an alkyl acrylate having an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms or an alkyl methacrylate having an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms (A1), and if necessary. The other component (A2) having a copolymerizable double bond, a polyfunctional monomer (A3) used as necessary, and a graft crossing agent (A4) are used as constituents. It is a coalescence and constitutes the basic structure of at least the innermost layer of the multilayer structure.
[0013]
Of the component (A1) constituting the innermost layer polymer (A), the alkyl acrylate having an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms may be either linear or branched. Specific examples thereof include methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, butyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, n-octyl acrylate and the like. These can be used alone or in admixture of two or more. Among these, those having a low glass transition temperature (hereinafter referred to as “Tg”) are more preferable. In addition, among the components (A1), the alkyl methacrylate having an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms may be either linear or branched. Specific examples thereof include methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, butyl methacrylate and the like. These can be used alone or in admixture of two or more.
[0014]
The alkyl (meth) acrylate (A1) is preferably used within a range of 80 to 100 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the total amount of the components (A1) to (A3). The alkyl (meth) acrylate of the type used in the innermost layer polymer (A) is most preferably used afterwards in all multi-stage layers. However, in each of all the multistage layers, two or more kinds of alkyl (meth) acrylates may be mixed, or another kind of acrylate may be used. “(Meth) acrylate” means acrylate and / or methacrylate.
[0015]
The other monomer (A2) having a copolymerizable double bond constituting the innermost layer polymer (A) may be used as necessary. Specific examples thereof include acrylate monomers such as higher alkyl acrylate, lower alkoxy acrylate and cyanoethyl acrylate having an alkyl group having 9 or more carbon atoms, acrylamide, acrylic acid, methacrylic acid, styrene, alkyl-substituted styrene, acrylonitrile, methacrylo A nitrile etc. are mentioned. The monomer (A2) is preferably used within a range of 0 to 20 parts by mass with respect to 100 parts by mass in total of the components (A1) to (A3).
[0016]
What is necessary is just to use the polyfunctional monomer (A3) which comprises an innermost layer polymer (A) as needed. As specific examples thereof, alkylene glycol dimethacrylates such as ethylene glycol dimethacrylate, 1,3-butylene glycol dimethacrylate, 1,4-butylene glycol dimethacrylate, and propylene glycol dimethacrylate are preferably used. Further, polyvinyl benzene such as divinyl benzene and trivinyl benzene can also be used. Further, even when the polyfunctional monomer (A3) does not act at all, as long as the graft crossing agent is present, a considerably stable multilayer structure polymer is obtained. For example, when the hot strength or the like is strictly required, it may be arbitrarily used depending on the purpose of addition. It is preferable to use a polyfunctional monomer (A3) within the range of 0-10 mass parts with respect to 100 mass parts in total of components (A1)-(A3).
[0017]
Examples of the graft crossing agent (A4) constituting the innermost layer polymer (A) include allyl, methallyl or crotyl ester of copolymerizable α, β-unsaturated carboxylic acid or dicarboxylic acid. Particularly preferred are acrylic esters of acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid or fumaric acid. Among these, allyl methacrylate has an excellent effect. In addition, triallyl cyanurate, triallyl isocyanurate and the like are also effective. In the graft crossing agent (A4), the conjugated unsaturated bond of the ester reacts much faster than the allyl group, methallyl group or crotyl group, and chemically bonds. During this time, a substantial portion of the allyl, methallyl or crotyl group works effectively during the polymerization of the next layer polymer to provide a graft bond between adjacent two layers.
[0018]
The amount of the grafting agent (A4) used is important, and is preferably 0.1 to 5 parts by mass, more preferably 0.5 to 2 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the total amount of the components (A1) to (A3). . The lower limit of these ranges is significant in terms of the effective amount of graft bonds. In addition, the upper limit is that the amount of reaction with the crosslinked elastic polymer (B) polymerized and formed in the second stage is moderately suppressed, and the elasticity of the two-layer crosslinked rubber elastic body having a two-layer elastic body structure is prevented. it makes sense.
[0019]
The content of the innermost layer polymer (A) in the preferred multilayer structure polymer is preferably 5 to 35% by mass, more preferably 5 to 15% by mass. Further, the content is preferably smaller than the content of the crosslinked elastic polymer (B).
[0020]
The cross-linked elastic polymer (B) constituting the preferred multilayer structure polymer is a main component that gives rubber elasticity to the multilayer structure polymer, and an alkyl acrylate (B1) having an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms and necessary As a constituent, another monomer (B2) having a copolymerizable double bond used according to the above, a polyfunctional monomer (B3) used as necessary, and a graft crossing agent (B4) It is a crosslinked elastic polymer.
[0021]
Preferable specific examples of the components (B1) to (B4) are the same as those described for the components (A1) to (A4) of the innermost layer polymer (A). The amount of component (B1) used is preferably 80 to 100 parts by mass. The amount of component (B2) used is preferably 0 to 20 parts by mass. As for the usage-amount of a component (B3), 0-10 mass parts is preferable. The amount of component (B4) used is preferably 0.1 to 5 parts by mass. The range of these usage-amounts is based on 100 mass parts of components (B1)-(B3) in total.
[0022]
The Tg of the crosslinked elastic polymer (B) alone is preferably 0 ° C. or lower, and more preferably −30 ° C. or lower. When this Tg is 0 ° C. or lower, there is a tendency to exhibit excellent elasticity. The content of the cross-linked elastic polymer (B) in the multilayer structure polymer (E) is preferably 10 to 45% by mass, and preferably more than the content of the innermost layer polymer (A).
[0023]
The outermost layer polymer (C) constituting the preferred multilayer structure polymer is a component involved in the moldability and mechanical properties of the multilayer structure polymer, and is an alkyl methacrylate (C1 having an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms). ) And another monomer (C2) having a copolymerizable double bond used as necessary, which constitutes a constituent component, and constitutes at least the outermost basic structure of the multilayer structure.
[0024]
Preferred specific examples of the components (C1) and (C2) are the same as those described for the components (A1) and (A2) of the innermost layer polymer (A). As for the usage-amount of a component (C1), 51-100 mass parts is preferable. The amount of component (C2) used is preferably 0 to 49 parts by mass. The range of these amounts used is based on a total of 100 parts by mass of components (C1) and (C2).
[0025]
The Tg of the outermost layer polymer (C) alone is preferably 60 ° C. or higher, and more preferably 80 ° C. or higher. 10-80 mass% is preferable and, as for content of the outermost layer polymer (C) in a multilayer structure polymer, 40-60 mass% is more preferable.
[0026]
A preferred multilayer structure polymer has the innermost layer polymer (A), the cross-linked elastic polymer (B) and the outermost layer polymer (C) described above as basic structures. Further, an intermediate layer (D) is provided between the crosslinked elastic polymer (B) layer and the outermost polymer (C) layer.
[0027]
This intermediate layer (D) can be copolymerized with an alkyl acrylate (D1) having an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkyl methacrylate (D2) having an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, if necessary. Other monomer (D3) having a double bond, a polyfunctional monomer (D4) used as necessary, and a graft crossing agent (D5) as constituents of the polymer, and alkyl acrylate In this layer, the component amount monotonously decreases from the crosslinked elastic polymer (B) layer toward the outermost polymer (C) layer.
[0028]
Here, monotonically decreasing means that the intermediate layer (D) has a composition at one point between the cross-linked elastic polymer (B) and the outermost layer polymer (C). It means that the composition gradually (continuously) approaches the coalescence (C) and that the composition approaches in steps, and in particular, the one having an intermediate composition at one point is good in terms of productivity.
[0029]
Preferable specific examples of the components (D1) to (D5) are the same as those described for the components (A1) to (A4) of the innermost layer polymer (A). In particular, the graft crossing agent (D5) used for the intermediate layer (D) is a component necessary for tightly bonding the polymer layers and obtaining excellent properties.
[0030]
As for the usage-amount of a component (D1), 10-90 mass parts is preferable. As for the usage-amount of a component (D2), 10-90 mass parts is preferable. As for the usage-amount of a component (D3), 0-20 mass parts is preferable. As for the usage-amount of a component (D4), 0-10 mass parts is preferable. The amount of component (D5) used is preferably 0.1 to 5 parts by mass. The range of these usage-amounts is based on 100 mass parts of components (D1)-(D4) in total.
[0031]
It is preferable that content of the intermediate | middle layer (D) in a preferable multilayer structure polymer is 5-35 mass%. If content is 5 mass%-35 mass%, the acrylic resin film which has the outstanding softness | flexibility and workability can be obtained.
[0032]
The average particle diameter of the multilayer structure polymer of a preferred example used for the production of the acrylic resin film of the present invention is in the range of 0.08 to 0.2 μm in consideration of the mechanical properties and transparency of the film mainly composed thereof. Is preferred.
[0033]
In addition, the multilayer structure polymer includes an alkyl acrylate having an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms and / or an alkyl methacrylate having an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms and a graft cross-linking agent to give the innermost layer polymer (A) layer. An emulsion prepared by mixing at least a monomer mixture containing water and a surfactant is supplied to a reactor for polymerization, and then a crosslinked elastic polymer (B) layer, an intermediate layer (D) and an outermost layer polymer ( The monomer or monomer mixture that gives C) can also be supplied to the reactor in order, and polymerization can be carried out, in terms of reducing the huge polymer particles distributed in the range of 1 to 200 μm present in the acrylic resin latex. preferable.
[0034]
The weight ratio of the acrylic resin latex monomer mixture to water is preferably 10 parts to 500 parts of water with respect to 100 parts of the monomer mixture, more preferably 100 parts of water to 100 parts of the monomer mixture. The range is 300 parts.
[0035]
As the surfactant used in preparing the emulsion, an anionic, cationic, and nonionic surfactant can be used, and an anionic surfactant is particularly preferable. Examples of anionic surfactants include rosin acid soap, potassium oleate, sodium stearate, sodium myristate, sodium N-lauroylsarcosate, dipotassium alkenyl succinate, and sulfate esters such as sodium lauryl sulfate. Examples thereof include salts, sulfonic acid salts such as sodium dioctylsulfosuccinate, sodium dodecylbenzenesulfonate, sodium alkyldiphenyl ether disulfonate, and phosphoric acid ester salts such as sodium polyoxyethylene alkylphenyl ether phosphate.
[0036]
In addition, as a method for preparing an emulsion, a method of charging a surfactant after charging a monomer mixture in water, a method of charging a monomer mixture after charging a surfactant into water, a monomer Examples thereof include a method in which water is added after a surfactant is charged into the mixture. Among these, the method of charging the surfactant after adding the monomer mixture into water and the method of charging the monomer mixture after charging the surfactant into water are the methods for obtaining the multilayer structure polymer of the present invention. preferable.
[0037]
Further, as a mixing apparatus for preparing an emulsion prepared by mixing a monomer mixture that gives the innermost layer polymer (A) layer with water and a surfactant, a stirrer, a homogenizer, a homogenizer equipped with a stirring blade are used. Various forced emulsifiers such as mixers, membrane emulsifiers and the like can be mentioned.
[0038]
In addition, as the emulsion to be prepared, any dispersion structure of W / O type and O / W type can be used, but in particular, O / W type in which oil droplets of a monomer mixture are dispersed in water, The diameter of the oil droplets in the dispersed phase is preferably 100 μm or less, more preferably 50 μm or less, and even more preferably 15 μm or less. When it exceeds 100 μm, the number of huge polymer particles distributed in the range of 1 to 200 μm contained in the obtained acrylic resin latex tends to increase.
[0039]
The innermost layer polymer (A) layer, the cross-linked elastic polymer (B) layer, the intermediate layer (D) layer, and the outermost layer polymer (C) constituting the preferred multilayer structure polymer used for the production of the acrylic resin film of the present invention. ) Known polymerization initiators can be used for forming the layer, and the addition method can be either the aqueous phase or the monomer phase, or a method of adding to both. As a particularly preferred example of the initiator, a peroxide, an azo initiator, or a redox initiator combined with an oxidizing agent / reducing agent is used. Among these, a redox initiator is more preferable, and a sulfoxylate initiator combined with ferrous sulfate / ethylenediaminetetraacetic acid disodium salt / longalite / hydroperoxide is particularly preferable.
[0040]
In particular, the above-mentioned innermost layer polymer (A) layer, cross-linked elastic polymer (B) layer, intermediate layer (D), and outermost layer polymer (C) and the monomer or monomer mixture are sequentially fed into the reactor. In the method of polymerizing by supplying to an aqueous solution, the temperature of an aqueous solution containing ferrous sulfate, ethylenediaminetetraacetic acid disodium salt and Rongalite is raised to the polymerization temperature, and then the innermost layer polymer (A) is fed to the reactor for polymerization. Then, a monomer mixture which gives a cross-linked elastic polymer (B) layer, an intermediate layer (D) and an outermost layer polymer (C) containing a polymerization initiator such as a peroxide is sequentially supplied to the reactor for polymerization. Is the most preferable method for obtaining the multilayer structure polymer used in the present invention.
[0041]
The multilayer structure polymer preferable as a raw material of the acrylic resin film of the present invention can be produced by recovering the multilayer structure polymer from the polymer latex produced by the above-described method. The method of recovering the multilayer structure polymer from the polymer latex is not particularly limited, and examples thereof include salting out or acid precipitation coagulation, spray drying, freeze drying, and the like, and the powder is recovered in powder form.
[0042]
As the surfactant to be added when the acrylic resin film of the present invention is molded, a known one can be used, and a surfactant containing an alkyl sulfonate is preferable, and it contains dioctyl sodium sulfosuccinate. A surfactant is more preferable from the viewpoint of roll peelability of the acrylic resin film.
[0043]
The surfactant added when molding the acrylic resin film of the present invention may be added when pelletizing, may be added when molding the film, but is added when molding the film. More preferably. Addition at the time of film forming is advantageous in terms of peelability from a heating roll during lamination and thermal stability of the surfactant. When added when pelletizing the surfactant, it receives a lot of thermal history, which may accelerate the deterioration of the acrylic resin by heat and cause fish eyes and the like, and the effect of roll peelability is reduced. Sometimes. It is preferable that the compounding quantity of surfactant at the time of film forming is the range of 0.05-10 mass parts with respect to 100 mass parts of acrylic resins (I). When the compounding amount of the surfactant is less than 0.05 parts by mass, the peelability from the laminate roll is poor, and when it exceeds 10 parts by mass, the appearance of the film is deteriorated. A more preferable range of use is 0.1 to 5 parts by mass for peelability from the laminate roll and good appearance.
[0044]
The linear polymer (II) contained in the acrylic resin film of the present invention is not particularly limited, but a (meth) acrylic acid hydroxyalkyl ester having an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, 1 carbon atom. Examples include linear polymers composed of methacrylic acid alkyl esters having 4 to 4 alkyl groups, acrylic acid alkyl esters, and other copolymerizable vinyl monomers, such as acrylic acid hydroxyalkyl esters and / or methacrylic acid. 1 to 80% by weight of hydroxyalkyl ester, 10 to 99% by weight of alkyl methacrylate, 0 to 79% by weight of acrylic acid alkyl ester, and 0 to 50% by weight of at least one other copolymerizable vinyl monomer. Intrinsic viscosity is in the range of 0.3 L / g or less, and it contains no components insoluble in chloroform. Those having a hydroxyl group.
[0045]
Examples of the hydroxyalkyl ester of acrylic acid and / or hydroxyalkyl methacrylate used for the linear polymer (II) having a hydroxyl group include 2-hydroxyethyl methacrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate, methacrylic acid 2, 3 -Dihydroxypropyl, 2-hydroxyethyl acrylate, 4-hydroxybutyl acrylate and the like are included. Among these, 2-hydroxyethyl methacrylate is particularly preferable.
[0046]
Content in the linear polymer (II) which has a hydroxyl group of acrylic acid hydroxyalkyl ester or / and methacrylic acid hydroxyalkyl ester is the range of 1-80 mass%. If it is less than 1% by mass, the effect of peelability from the laminate roll is insufficient. On the other hand, when it exceeds 80% by mass, the dispersibility of the particles is deteriorated, and when the film is formed, undispersed particles are present, and the appearance may be deteriorated. A preferable use range is 5 to 50% by mass for peelability from the laminate roll and good appearance. More preferably, it is the range of 10-40 mass%.
[0047]
As the alkyl methacrylate, lower alkyl methacrylates such as methyl methacrylate, ethyl methacrylate, and butyl methacrylate are preferred, and methyl methacrylate is particularly preferred. The content of the methacrylic acid alkyl ester is preferably in the range of 10 to 99% by mass, more preferably in the range of 30 to 90% by mass.
[0048]
The acrylic acid alkyl ester is preferably contained in a range of up to 79% by mass, and specifically, a lower acrylic acid alkyl ester such as methyl acrylate, ethyl acrylate, butyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate and the like is preferable. The alkyl acrylate is preferably contained in the range of 0.5 to 40% by mass. More preferably, it is 5-25 mass%.
[0049]
It is preferable that the linear polymer (II) having a hydroxyl group does not contain a component insoluble in chloroform. Components insoluble in chloroform remain as unmelted nuclei when made into an acrylic resin film, causing poor appearance. Specifically, the intrinsic viscosity, Mw / Mn (Mw is a weight average molecular weight, Mn is a number average molecular weight) which is a molecular weight distribution, cullet generated during polymerization, and the like are important.
[0050]
The intrinsic viscosity of the linear polymer (II) having a hydroxyl group is preferably adjusted to a range of 0.3 L / g or less, and the linear polymer (II) having an unmelted hydroxyl group in the acrylic resin film is selected. It is necessary to reduce.
[0051]
The smaller the intrinsic viscosity, the better the dispersibility of the linear polymer (II) having a hydroxyl group in the acrylic resin film, so the number of the linear polymer (II) having a hydroxyl group that causes poor appearance is reduced. . It is preferable to adjust to the range of 0.12 L / g or less, and it is still more preferable to adjust to the adjustment of 0.06 L / g or less. For the adjustment, a polymerization regulator such as mercaptan is used. As the mercaptan, n-octyl mercaptan, n-dodecyl mercaptan, t-dodecyl mercaptan, and the like are used.
[0052]
Although the manufacturing method of the linear polymer (II) which has a hydroxyl group used for manufacture of the acrylic resin film of this invention is not specifically limited, The method by suspension polymerization or emulsion polymerization is preferable.
[0053]
As the initiator for suspension polymerization, those used for usual suspension polymerization are used, and examples thereof include organic peroxides and azo compounds.
[0054]
As the suspension stabilizer, known ones commonly used are used, and examples thereof include organic colloidal polymer materials, inorganic colloidal polymer materials, inorganic fine particles, and combinations of these with surfactants. Among these, an organic dispersant that does not leave an insoluble component in the acrylic resin film in the linear polymer (II) having a hydroxyl group is preferable. In addition, it is preferable that an inorganic dispersant can be removed by the treatment after polymerization because it does not adversely affect the appearance.
[0055]
Suspension polymerization is usually carried out by suspending the monomers together with a polymerization initiator in the presence of a suspension stabilizer. In addition, it is also possible to carry out by using a polymer soluble in the monomer dissolved in the monomer.
[0056]
Post-treatment after suspension polymerization is important, and it is preferable to remove cullet, which is a component insoluble in chloroform generated during polymerization, which causes poor film appearance, by sieving. For example, those not containing a cullet of 300 μm or more, preferably those not containing a cullet of 100 μm or more are used. Although it is more preferable not to contain cullet of 100 μm or less from the viewpoint of the appearance of the film, in this case, normal beads are also removed by sieving, resulting in a decrease in yield.
[0057]
In order to efficiently remove cullet by sieving without reducing the product yield, the average particle diameter of the linear polymer having a hydroxyl group is preferably 300 μm or less. More preferably, it is 200 micrometers or less.
[0058]
The amount of the linear polymer (II) having a hydroxyl group thus obtained is preferably in the range of 0.1 to 30 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the acrylic resin (I). When the blending amount is 0.1 parts by mass or less, the peelability from a sufficient laminate roll is slightly lowered, and when the blending amount is more than 30 parts by mass, the workability during film forming tends to be slightly lowered. In order to obtain good peelability, 0.5 part by mass or more is more preferable.
[0059]
When the linear polymer (II) having a hydroxyl group is used, the peelability from the preheating roll can be improved without deteriorating physical properties such as film elongation. Therefore, the film can be used satisfactorily without incurring film breakage or the like even in in-mold forming such as vacuum forming of the film in advance.
[0060]
In the production of the acrylic resin film of the present invention, powder can be used as a raw material, and since the pellet production process can be omitted, the acrylic resin film can be produced at low cost.
[0061]
In this case, the powder preferably has an average particle size of 500 μm or more. When the average particle size of the powder is less than 500 μm, the supply to the film forming machine tends to be unstable, and film thickness unevenness tends to occur. On the other hand, the upper limit of the average particle diameter of the powder is not particularly limited as long as it is a size that allows film forming. However, it is difficult to produce a powder having a large particle size. Moreover, although it is possible to obtain large particles by sieving, there are problems such as high processing costs.
[0062]
This average particle diameter is a value calculated by sieving for 30 minutes with an M-2 type micro-type electromagnetic vibration sieve manufactured by Tsutsui Rika Instruments Co., Ltd.
[0063]
The thermoplastic polymer (III) used in the production of the acrylic resin film of the present invention is a reduction obtained by polymerizing methyl methacrylate and another monomer having a copolymerizable double bond used as necessary. It is a thermoplastic polymer having a viscosity (0.1 g of a polymer dissolved in 100 ml of chloroform and measured at 25 ° C.) of 0.2 to 2 l / g.
[0064]
This thermoplastic polymer (III) is a component (processing aid) showing an important role for film moldability. The reduced viscosity of this thermoplastic polymer is important. It is preferable that the reduced viscosity is 0.2 l / g or more from the viewpoint of the film moldability of the resulting acrylic resin film. On the other hand, when it exceeds 2 l / g, the film moldability tends to decrease. The particularly preferred reduced viscosity of the thermoplastic polymer (III) is in the range of 0.2 to 1.2 l / g.
[0065]
In the thermoplastic polymer (III), the content of methyl methacrylate is preferably 50% by mass or more. This content is based on 100% by mass in total of methyl methacrylate and other monomers having a double bond copolymerizable therewith.
[0066]
In the polymerization of methyl methacrylate in order to obtain the thermoplastic polymer (III), another monomer having a double bond can be copolymerized. When other monomers are used, the content is preferably 50% by mass or less. This content is based on 100% by mass in total of methyl methacrylate and other monomers having a double bond copolymerizable therewith.
[0067]
In the thermoplastic polymer (III) used for the production of the acrylic resin film of the present invention, aromatic vinyl compounds, vinylcyan compounds, and the like can be used as vinyl monomers copolymerizable with methyl methacrylate. Examples of the aromatic vinyl compound include styrene, α-substituted styrene, nucleus-substituted styrene and derivatives thereof, for example, α-methylstyrene, chlorostyrene, vinyltoluene and the like.
[0068]
Furthermore, examples of the vinylcyan compound include acrylonitrile and methacrylonitrile.
[0069]
The thermoplastic polymer (III) used in the production of the acrylic resin film of the present invention is preferably obtained by an emulsion polymerization method. The method for recovering the emulsion latex of the thermoplastic polymer (III) is not particularly limited. Specific examples include salting out or acid precipitation solidification, spray drying, freeze drying, and the like, and the powder can be recovered in a powder form.
[0070]
As for the compounding quantity of thermoplastic polymer (III) used by manufacture of the acrylic resin film of this invention, 0.1-20 mass parts is preferable with respect to 100 mass parts of acrylic resins (I). When the thermoplastic polymer (III) is less than 0.1 parts by mass, the effect of suppressing the generation of fish eyes tends to be insufficient, and when it exceeds 20 parts by mass, the melt viscosity increases and the film formability decreases. There is a tendency.
[0071]
The method for supplying the thermoplastic polymer (III) used in the production of the acrylic resin film of the present invention to a single-screw extruder with a film forming machine is not particularly limited, and the thermoplastic polymer (III) And the acrylic resin (I), which is a powder having an average particle diameter of 500 μm or more mainly composed of an acrylic resin, may be quantitatively supplied to the single-screw extruder attached to the film forming machine.
[0072]
As a specific example of supplying the thermoplastic polymer (III) to the single-screw extruder attached to the film forming machine, the thermoplastic polymer (III) produced by emulsion polymerization or suspension polymerization is mainly composed of an acrylic resin. A method of measuring, mixing and feeding together with acrylic resin (I) which is a powder having an average particle diameter of 500 μm or more, and an acrylic resin which is a powder having an average particle diameter of 500 μm or more from a master batch pellet containing thermoplastic polymer (III) A method of measuring, mixing and supplying together with (I) is mentioned. Among these, in particular, the method using master batch pellets containing the thermoplastic polymer (III) as a raw material is more preferable because it can suppress the occurrence of optical distortion of the resulting acrylic resin film. The optical distortion referred to here means streak-like or annual ring-like fluctuations generated on the film surface and inside the film. The optical distortion in the acrylic resin film is, for example, pasted on the window glass as described in “Technology and application of functional film” [CMC Co., Ltd., issued July 30, 1982] page 128. When used as a window glass to be used together, it appears as distortion of the image of the outside world seen through the glass, and is important from the viewpoint of external visibility. In general, it is difficult to evaluate the optical distortion of a film numerically as described in the above-mentioned document, but it can be evaluated based on the magnitude of distortion of an external image obtained by passing the film through a specific angle.
[0073]
Master batch pellets can be produced by kneading and extruding thermoplastic polymer (III) and acrylic resin (I). For kneading and extrusion, a single screw extruder or a twin screw extruder can be usually used. It is preferable that content of the thermoplastic polymer (III) in a masterbatch pellet is 0.1-30 mass parts with respect to 100 mass parts of acrylic resins (I). When the thermoplastic polymer (III) is less than 0.1 parts by mass, the thermoplastic polymer (III) in the acrylic resin film obtained by a method using a master batch pellet containing the thermoplastic polymer (III) as a raw material Since the amount becomes insufficient, the film formability tends to decrease. When the amount exceeds 30 parts by mass, the melt viscosity increases, so the kneadability of the masterbatch pellet decreases, and the acrylic resin produced using this as a raw material The appearance of the film tends to deteriorate. In addition, although the acrylic resin used for masterbatch pellet manufacture is not specifically limited, Use of the above-mentioned acrylic resin used when manufacturing an acrylic resin film is preferable. Further, in the master batch pellet, a compounding agent for imparting various properties to the acrylic resin film obtained by the method of the present invention, such as a stabilizer, an ultraviolet absorber, a processing aid, a plasticizer, an impact resistance aid, A foaming agent, a filler, a colorant, a matting agent, a release agent, an antibacterial agent, and the like can be blended.
[0074]
Moreover, the compounding quantity in the case of using a master batch pellet is not particularly limited, but is preferably 1 part by mass or more with respect to 100 parts by mass of the acrylic resin (I). When the pellet obtained by kneading and extruding the thermoplastic polymer (III) and the acrylic resin (I) which is a powder having an average particle diameter of 500 μm or more is less than 1 part by mass, the acrylic resin film tends to be optically distorted. . More preferably, it is 5 mass parts or more, More preferably, it is 7 mass parts or more.
[0075]
Moreover, when there are many compounding quantities of a masterbatch pellet, since it has the fault that the cost and energy concerning shaping become large, it is desirable to reduce as much as possible.
[0076]
When film forming is performed using acrylic resin (I), which is a powder having an average particle diameter of 500 μm or more, it is desirable to dry the powder to a moisture content of 0.3% or less with a dryer. The acrylic resin (I) has a hygroscopic property, and if the moisture content exceeds 0.3%, defects such as foaming, cracking and die lines tend to occur during film production. The moisture content of the powder is a value calculated by heating 10 g of the powder at 120 ° C. until reaching a constant weight and reducing the mass.
[0077]
The drying method is not particularly limited, and examples thereof include dehumidified air drying, hot air drying, vacuum drying, and electromagnetic wave drying. Among the drying methods described above, drying methods other than dehumidifying air drying usually take a batch drying method using a plurality of dryers, and thus it is difficult to dry continuously. On the other hand, dehumidified air drying is advantageous for continuous production because it can be continuously dried, and is preferable in terms of equipment space, equipment cost, and the like. Moreover, it is preferable to install a rotary valve and a bridge breaker in the discharge part of a dryer.
[0078]
By the drying process as described above, the moisture content of the acrylic resin (I), which is a powder having an acrylic resin as a main component and an average particle diameter of 500 μm or more, is reduced to 0.3% or less, and this is attached to the film forming machine. It is fed into a single screw extruder, kneaded and extruded to form a film.
[0079]
Although the thickness of the acrylic resin film of this invention is not specifically limited, Preferably it is 10-500 micrometers. When the thickness is 10 to 500 μm, an appropriate rigidity is obtained, so that laminating properties, secondary workability, and the like are facilitated. Further, the film forming property is stable and the film can be easily manufactured. More preferably, they are 15 micrometers-200 micrometers, More preferably, they are 40 micrometers-200 micrometers.
[0080]
Further, the method for forming the acrylic resin film of the present invention is not particularly limited, and examples thereof include known solution casting methods, melt extrusion methods such as a T-die method, and an inflation method. In this respect, the T-die method is the most preferable method.
[0081]
The heat distortion temperature (measured based on ASTM D648) of the acrylic resin film of the present invention is preferably 70 ° C. or higher. When the heat distortion temperature is 70 ° C. or higher, surface roughness after heating of the laminate having the film on the surface is less likely to occur. In addition, when the thermal deformation temperature is 80 ° C. or higher, for example, when a laminated body whose surface is roughened by embossing or the like is heat-processed, it is possible to suppress a deterioration in design due to glossy return of the embossed surface, Industrial value is high when an acrylic resin film is used for such a use.
[0082]
In addition, the acrylic resin film of the present invention may contain general compounding agents such as stabilizers, lubricants, processing aids, plasticizers, impact aids, foaming agents, fillers, antibacterial agents, antibacterial agents, if necessary. Molding agents, foaming agents, mold release agents, antistatic agents, coloring agents, matting agents, ultraviolet absorbers and the like can be included. Particularly in terms of protecting the substrate, it is preferable to add an ultraviolet absorber in order to impart weather resistance. The molecular weight of the ultraviolet absorber used is preferably 300 or more, particularly preferably 400 or more. When an ultraviolet absorber having a molecular weight of less than 300 is used, it may volatilize on a transfer roll or the like when producing a film, thereby causing roll contamination. The type of the UV absorber is not particularly limited, but a benzotriazole type having a molecular weight of 400 or more or a triazine type having a molecular weight of 400 or more can be particularly preferably used. Specific examples of Adeka Stab LA-31 from the company, and Tinuvin 1577 from Ciba Geigy are listed as specific examples of the latter.
[0083]
As a method for adding the above compounding agent, a method of supplying the film to a film forming machine for forming a film using an acrylic resin together with the acrylic resin and a mixture in which the compounding agent is previously added to the acrylic resin are kneaded and mixed in various kneaders. There is a way to do it. Examples of the kneader used in the latter method include ordinary single screw extruders, twin screw extruders, Banbury mixers, roll kneaders, and the like.
[0084]
The acrylic resin film of this invention can manufacture the laminated body which has an acrylic resin film on the surface by laminating | stacking on the surface of base materials, such as various resin molded products, woodwork products, and metal molded products.
[0085]
In addition, the acrylic resin film of the present invention can be used after printing by an appropriate printing method as necessary in order to impart design properties to various substrates. In this case, it is preferable to use an acrylic resin film that has been subjected to one-side printing treatment, and it is preferable from the viewpoint of protecting the printed surface and imparting a high-quality feeling to the printed surface to be bonded to the base resin. Further, when the color tone of the base material is utilized and used as an alternative to transparent coating, it can be used as it is transparent. In particular, the acrylic resin film of the present invention is superior in terms of transparency, depth and luxury in comparison with the polyvinyl chloride film and the polyester film for applications that make use of the color tone of the substrate.
[0086]
Further, a matte treatment such as embossing on the film or a coloring treatment can be used as necessary.
[0087]
The acrylic resin film of the present invention can be laminated on a thermoplastic resin film or sheet. Examples of the thermoplastic resin film or sheet include ABS resin, AS resin, polystyrene resin, polycarbonate resin, vinyl chloride resin, acrylic resin, polyester resin, or a resin mainly composed of these. A resin, an AS resin, a polycarbonate resin, a vinyl chloride resin, or a resin sheet mainly composed of these resins is preferable. However, it is possible to adhere the acrylic resin film of the present invention and the base material by using an adhesive layer even with a base resin that is not thermally fused, such as a polyolefin resin sheet.
[0088]
The acrylic resin film or the acrylic resin film laminated sheet of the present invention can be used by being bonded to various resin molded products, woodwork products and metal molded products. As a method of bonding the laminated sheet to the base material, a method using an adhesive, a method using adhesive processing, a heat laminating method, a laminated sheet or a member obtained by preforming a laminated sheet in advance at the time of injection molding is inserted into a mold. And an in-mold molding method.
[0089]
Among the resin molded products, examples of the thermoplastic resin molded product that can be melt-bonded to the acrylic resin film of the present invention include the resins described above.
[0090]
As a method for producing a laminate having the acrylic resin film of the present invention on the surface, when forming into a two-dimensional laminate, a known method such as thermal lamination may be used for a base material that can be heat-sealed. it can. Moreover, it is possible to bond together the base material which is not heat-sealed through an adhesive agent.
[0091]
On the other hand, when molding into a three-dimensional laminate, an insert molding method in which an acrylic resin film that has been processed in advance is inserted into an injection mold, an in-mold molding method in which injection molding is performed after vacuum molding in the mold, etc. Any known molding method can be used. In the in-mold molding method, after the film is heated, vacuum molding is performed in a mold having a vacuuming function. This method is preferable from the viewpoints of workability and economy because the film can be molded and injection molded in one step. The heating temperature is preferably equal to or higher than the temperature at which the acrylic resin film softens. This depends on the thermal properties of the film or the shape of the molded product, but is usually 70 ° C. or higher. On the other hand, when the temperature is too high, the surface appearance is deteriorated or the releasability is deteriorated. Although this also depends on the thermal properties of the film or the shape of the molded product, it is usually preferably 170 ° C. or lower.
[0092]
In the in-mold molding method, after giving a three-dimensional shape by vacuum molding in this way, an acrylic laminated molded product having an acrylic resin film layer on the surface layer is obtained by melting and integrating the acrylic resin film and the base resin by injection molding. be able to.
[0093]
The acrylic resin film of this invention or the laminated body which has an acrylic resin film on the surface can perform the surface treatment for various functions provision to the acrylic resin film surface as needed. Surface treatments for imparting functions include printing processes such as silk printing and inkjet printing, metal deposition for imparting metal tone or antireflection, sputtering, wet plating treatment, surface hardening treatment for improving surface hardness, and contamination prevention. Water repellent treatment or photocatalyst layer forming treatment, antistatic treatment for preventing dust adhesion or electromagnetic wave cutting, antireflection layer formation, antiglare treatment and the like.
[0094]
As industrial uses of the acrylic resin film or laminated sheet of the present invention, various industries such as window frames, door materials, decorative steel plates, wall materials, furniture, construction sheets such as wallpaper, home appliance housing skin materials, vehicle interior skin materials, etc. It is a product and can be used as a covering material for the purpose of imparting design properties to the substrate and protecting the substrate.
[0095]
【Example】
The following examples illustrate the invention.
[0096]
In the examples and comparative examples, “part” represents “part by mass” and “%” represents “% by mass”. Abbreviations in the reference examples are as follows.
[0097]
Methyl methacrylate MMA
Butyl acrylate BA
Methyl acrylate MA
Hydroxyethyl methacrylate HEMA
Allyl methacrylate AMA
1.3-Butylene glycol dimethacrylate 1.3BD
t-Butyl hydroperoxide tBH
Cumene hydroperoxide CHP
Lauryl peroxide LPO
n-octyl mercaptan nOM
Emulsifier (1): sodium hydroxide partial neutralized product of 40% mono (polyoxyethylene nonylphenyl ether) phosphoric acid and 60% di (polyoxyethylene nonylphenyl ether) phosphoric acid [trade name Phosphanol LO529, Toho Chemical Co., Ltd.]
Preparation Example 1: Production of multilayer structure polymer (I-1) latex
195 parts of ion-exchanged water was put into a polymerization vessel equipped with a condenser, the temperature was raised to 70 ° C., and 0.20 part of sodium formaldehyde sulfoxylate and 0.0001 part of ferrous sulfate were added to 5 parts of ion-exchanged water. The mixture prepared by adding 0.0003 parts of EDTA was added all at once. Next, with stirring under nitrogen, a monomer mixture consisting of 0.3 part of MMA, 4.5 parts of BA, 0.2 part of BD, 0.05 part of AMA, 0.025 part of CHP and 1.3 parts of emulsifier (1) After dropping the mixture into the polymerization vessel over 8 minutes, the reaction was continued for 15 minutes to complete the polymerization of the innermost layer polymer (A-4). Subsequently, a monomer mixture consisting of 1.5 parts of MMA, 22.5 parts of BA, 1.0 part of BD, and 0.25 part of AMA was added over 90 minutes together with 0.016 part of CHP, and then the reaction was continued for 60 minutes to obtain crosslinking elasticity. A two-layer crosslinked rubber elastic body containing the polymer (B-4) was obtained.
[0098]
Subsequently, after a mixture of 6 parts of MMA, 4 parts of BA, 0.075 part of AMA, and 0.0125 part of CHP was dropped into the polymerization vessel over 45 minutes, the reaction was continued for 60 minutes to form an intermediate layer (D-4). It was.
[0099]
Next, a monomer mixture consisting of 55.2 parts of MMA, 4.8 parts of BA, 0.19 part of n-OM and 0.08 part of t-BH was dropped into the polymerization vessel over 140 minutes, and then the reaction was continued for 60 minutes. The outermost layer polymer (C-4) was formed to obtain a polymer latex of the multilayer structure polymer (I-1).
[0100]
Preparation Example 2: Production of multilayer structure polymer (I-2) latex
After charging 8.5 parts of ion-exchanged water into a container equipped with a stirrer, a monomer mixture consisting of 0.3 part of MMA, 4.5 parts of BA, 0.2 part of BD, 0.05 part of AMA, and 0.025 part of CHP is added. And mixed with stirring. Next, 1.3 parts of the emulsifier (1) was added to the vessel while stirring, and stirring was continued again for 20 minutes to prepare an emulsion (N-1). The average particle size of the dispersed phase in the obtained emulsion was 10 μm.
[0101]
Next, 186.5 parts of ion exchange water is put into a polymerization vessel equipped with a cooler, the temperature is raised to 70 ° C., and 0.20 part of sodium formaldehyde sulfoxylate is added to 5 parts of ion exchange water. A mixture prepared by adding 0.0001 part of iron and 0.0003 part of EDTA was added all at once. Next, the emulsion (N-1) was dropped into the polymerization vessel over 8 minutes while stirring under nitrogen, and then the reaction was continued for 15 minutes to complete the polymerization of the innermost layer polymer (A-1). Subsequently, a monomer mixture consisting of 1.5 parts of MMA, 22.5 parts of BA, 1.0 part of BD, and 0.25 part of AMA was added over 90 minutes together with 0.016 part of CHP, and then the reaction was continued for 60 minutes to obtain crosslinking elasticity. A two-layer crosslinked rubber elastic body containing the polymer (B-1) was obtained.
[0102]
Subsequently, after a mixture of 6 parts of MMA, 4 parts of BA, 0.075 part of AMA, and 0.0125 part of CHP was dropped into the polymerization vessel over 45 minutes, the reaction was continued for 60 minutes to form an intermediate layer (D-1). It was.
[0103]
Next, a monomer mixture consisting of 55.2 parts of MMA, 4.8 parts of BA, 0.19 part of n-OM and 0.08 part of t-BH was dropped into the polymerization vessel over 140 minutes, and then the reaction was continued for 60 minutes. The outermost layer polymer (C-1) was formed to obtain a polymer latex of the multilayer structure polymer (I-2).
[0104]
Preparation Example 3: Production of linear polymer (II) having a hydroxyl group
The following mixture was charged into a reaction vessel equipped with a stirrer, a reflux condenser, a nitrogen gas inlet, and the like.
[0105]
MA 10 parts by mass
60 parts by mass of MMA
30 parts by mass of HEMA
n-OM 0.08 parts by mass
0.5 parts by mass of LPO
MMA / methacrylate
/ Copolymer of ethyl methacrylate sulfonate 0.05 parts by mass
Sodium sulfate 0.5 parts by mass
250 parts by mass of ion exchange water
After sufficiently replacing the inside of the container with nitrogen gas, the mixture was heated to 75 ° C. while stirring, and polymerization was advanced in a nitrogen gas stream. After 2 hours, the temperature was raised to 90 ° C. and held for another 45 minutes to complete the polymerization, followed by sieving under the condition of 150 mesh openings, and the passed beads were dehydrated and dried to form a linear chain having a hydroxyl group. Polymer (II) was obtained.
[0106]
The polymer was measured by the following method to find that its intrinsic viscosity was 0.11 L / g, Mw / Mn was 1.9, and the average particle size was 70 μm.
[0107]
(Intrinsic viscosity of a linear polymer having a hydroxyl group)
Intrinsic viscosity and reduced viscosity were measured at 25 ° C. using chloroform as a solvent using an AVL-2C automatic viscometer manufactured by Sun Electronics. In the measurement of reduced viscosity, 0.1 g of a sample dissolved in 100 ml of chloroform was used.
[0108]
(Measurement of dispersion ratio (Mw / Mn) of linear polymer having hydroxyl group)
Using Shimazu LC-6A system (manufactured by Shimadzu Corp.) and connecting three KF-802.5, KF-804 and KF-805 (manufactured by Showa Denko) as GPC columns, using THF as the solvent Measured in terms of polystyrene.
[0109]
(Average particle diameter of linear polymer having a hydroxyl group)
The average particle diameter of the obtained polymer having a hydroxyl group was measured using a laser diffraction / scattering particle size distribution analyzer LA-910 manufactured by HORIBA.
[0110]
In addition, about the heating roll peelability, it carried out by the method shown below.
[0111]
<Method for testing peelability of single mirror roll>
The acrylic resin film was rotated at a speed of 5 rpm while being brought into contact with a 40φ mirror roll, and the acrylic resin film was taken up in the vertical direction from the mirror roll surface. The heating temperature of the mirror roll at this time was 140 ° C., and the contact between the film and the mirror roll was set to be half of the circumference of the mirror roll.
[0112]
The film was taken out for 30 minutes under the above conditions. The case where the acrylic resin film was not taken on the roll was indicated as “◯”, and the case where the acrylic resin film was wound around the roll without peeling off from the roll was indicated as “x”.
[0113]
<Embossing roll peelability test method>
The acrylic resin film was sandwiched between the embossing roll and the mirror surface roll, and the acrylic resin film was wound on the downstream side of each roll. In addition, the heating temperature of the embossing roll at this time was 140 degreeC, and the pressure when pinching with each roll was 4.9 MPa.
[0114]
The film was taken out for 30 minutes under the above conditions. The case where the acrylic resin film was not taken on the roll was indicated as “◯”, and the case where the acrylic resin film was wound around the roll without peeling off from the roll was indicated as “x”.
[0115]
<Example 1>
The acrylic resin latex obtained in Preparation Example 1 was filtered through a filter having an opening of 75 μm, salted out and dehydrated, and then washed with water to obtain a multilayered polymer in a wet powder form.
[0116]
Subsequently, this powdery multilayer structure polymer was squeezed and dehydrated at a cylinder temperature of 190 to 210 ° C. using a 35 mmφ screw type twin screw extruder (L / D = 26) to obtain a granular powder having an average particle size of 650 μm. . 100 parts of the granular powder and 0.5 part of aerosol OT-B (trade name, component: sodium dioctyl succinate = 85%, sodium benzoate = 15%) manufactured by Mitsui Cytec Co., Ltd. as a surfactant 1 part of the linear polymer (II) having a hydroxyl group obtained in Example 3 as a thermoplastic polymer (III), Metablene P-530A (trade name, reduced viscosity: 0.375 l) manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd. / G) 1 part, 1.5 parts of Tinuvin P (trade name) manufactured by Ciba Geigy Co., Ltd. as an ultraviolet absorber, 0.1 part of Adeka Stub AO-50 (trade name) manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd. 0.8 parts of METABRENE L-1000 (trade name) manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd. was used and mixed with an automatic weighing and mixing apparatus [manufactured by Tamaki Co., Ltd., auto blender].
[0117]
Next, the mixture was melt-kneaded and pelletized at a cylinder temperature of 200 to 260 ° C. and a die temperature of 250 ° C. using a 40 mmφ screw type extruder (L / D = 26). The pellets were dried at 80 ° C. for a whole day and night, and formed into a 0.05 mm thick film using a T-die with a 115 mmφ extruder to obtain an acrylic resin film of the present invention.
[0118]
Table 1 shows the surface gloss, peel strength, and roll peelability evaluation results of the film.
[0119]
<Example 2>
Granular powder of a multilayer structure polymer having an average particle diameter of 650 μm was obtained in the same manner as in Example 1 except that the acrylic resin latex obtained in Preparation Example 2 was used. Furthermore, the acrylic resin film was obtained like Example 1 using granule powder.
[0120]
Table 1 shows the surface gloss, peel strength, and roll peelability evaluation results of the film.
[0121]
<Example 3>
100 parts of the granular powder used in Example 1, 1 part of the linear polymer (II) having a hydroxyl group obtained in Preparation Example 3, 1 part of Methbrene P-530A, 0.1 parts of ADK STAB AO-50 Part, 0.8 parts of methabrene L-1000, mixed by an automatic metering and mixing device, using a 40 mmφ twin screw extruder (L / D = 26) at a cylinder temperature of 200 to 260 ° C. and a die temperature of 250 ° C. It was melt-kneaded and pelletized.
[0122]
100 parts of the pellets, 1.5 parts of Tinuvin P as an ultraviolet absorber and 0.5 parts of aerosol OT-B were blended and formed into a 0.05 mm thick film using a T die with a 115 mmφ extruder. An acrylic resin film of the invention was obtained.
[0123]
Table 1 shows the surface gloss, peel strength, and roll peelability evaluation results of the film.
[0124]
<Example 4>
An acrylic resin film was obtained in the same manner as in Example 1 except that 3 parts of aerosol OT-B was used.
[0125]
Table 1 shows the surface gloss, peel strength, and roll peelability evaluation results of the film.
[0126]
<Example 5>
100 parts of the granule powder produced in Example 1, 0.5 part of aerosol OT-B, 1 part of the linear polymer (II) having a hydroxyl group obtained in Preparation Example 3, and 1 part of methabrene P-530A Parts, Tinuvin P 1.5 parts, Adeka Stub AO-50 0.1 parts, and Metabrene L-1000 0.8 parts were mixed with an automatic measuring and mixing device.
[0127]
This mixture was formed into a 0.05 mm-thick film using a T-die with a 115 mmφ extruder to obtain an acrylic resin film of the present invention.
[0128]
Table 1 shows the surface gloss, peel strength, and roll peelability evaluation results of the film.
[0129]
<Example 6>
100 parts of the granule powder produced in Example 1, 5 parts of the linear polymer (II) obtained in Preparation Example 3, 5 parts of Metabrene P-530A, 0.5 part of AO-50, Metabrene L -1000 was mixed with an automatic measuring and mixing device [4 parts and melt-kneaded using a 40 mmφ screw type extruder (L / D = 26) at a cylinder temperature of 200 to 260 ° C and a die temperature of 250 ° C to be pelletized. .
[0130]
20 parts of the pellets, 80 parts of the granulated powder produced in Example 1, 0.5 parts of aerosol OT-B and 1.5 parts of tinuvin P were blended and 0.05 mm using a T die with a 115 mmφ extruder. The acrylic resin film of the present invention was obtained by forming into a thick film.
[0131]
Table 1 shows the surface gloss, peel strength, and roll peelability evaluation results of the film.
[0132]
<Example 7>
An acrylic resin film was obtained in the same manner as in Example 6 except that 25 parts of the linear polymer (II) obtained in Preparation Example 3 was used.
[0133]
Table 1 shows the surface gloss, peel strength, and roll peelability evaluation results of the film.
[0134]
<Comparative Example 1>
An acrylic resin film was obtained in the same manner as in Example 1 except that aerosol OT-B was not used.
[0135]
Table 1 shows the surface gloss, peel strength, and roll peelability evaluation results of the film.
[0136]
<Comparative example 2>
An acrylic resin film was obtained in the same manner as in Example 1 except that 0.05 part of Aerosol OT-B was used.
[0137]
Table 1 shows the surface gloss, peel strength, and roll peelability evaluation results of the film.
[0138]
<Comparative Example 3>
An acrylic resin film was obtained in the same manner as in Comparative Example 1 except that 35 parts of the linear polymer (II) obtained in Preparation Example 3 was used. The obtained acrylic resin film had many fish eyes and poor appearance.
[0139]
Table 1 shows the surface gloss, peel strength, and roll peelability evaluation results of the film.
[0140]
<Comparative example 4>
An acrylic resin film was obtained in the same manner as in Example 1 except that the linear polymer (II) obtained in Preparation Example 3 was not used.
[0141]
Table 1 shows the surface gloss, peel strength, and roll peelability evaluation results of the film.
[0142]
[Table 1]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, an acrylic resin film excellent in releasability from a heating roll at the time of thermal lamination, a method for producing the same, and a laminate thereof are laminated without impairing the characteristics of the original acrylic resin film. Laminated sheets can be provided.
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