JP3971351B2 - 粒子加速器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粒子加速器に関し、特に放射性同位元素の製造等に好適な粒子加速器に関する。
【0002】
【従来の技術】
サイクロトロン等の粒子加速器に使用される高周波加速空洞(RFキャビティ)は、イオン源から導入されたイオンを加速するために、通常、対向した一対の加速電極(通称、「ディ」)を備えている。このディには、印加する高周波電圧の周波数に応じた長さの内導体(ステム)が連結されている。この内導体の周囲には外導体が設けられており、これら内導体及び外導体の間にショート板(短絡板)が接触配置される。
【0003】
一般に、高周波電圧の周波数が高い場合(100MHz以上)には、内導体の長さは短くてもよく、内導体はディの並び方向と同方向に延びている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−144597号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
粒子加速器を陽電子放射断層撮影装置(PET)等に用いる場合には、製造する放射性同位元素の種類等に応じて、陽子の他に重陽子を加速する必要がある。重陽子を加速する場合、ハーモニック数(=加速周波数/ビームの回転周波数)を陽子を加速する場合の2倍にする必要があるが、加速周波数が100MHz程度の高い値であると、陽子のハーモニック数が4となり、重陽子については8が必要になる。しかるに、ハーモニック数が4よりも大きいと、加速効率が低下して、十分なビーム電流を得ることができない。従って、陽子の加速だけでなく重陽子の加速をも可能にするには、印加する高周波電圧の周波数を低く(50MHz未満)しなければならず、必然的に内導体の長さが長くなってしまう。
【0006】
しかしながら、内導体がディの並び方向に延びる従来の粒子加速器では、内導体の長さが長くなってしまうと、粒子加速器の大型化を招いてしまう。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みて為されたものであり、複数種の粒子について効率的な加速を可能とする小型の粒子加速器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粒子加速器は、一対の磁極と、一対の磁極間において所定軸上に対向配置される一対の加速電極と、一対の加速電極にそれぞれ連結される一対の内導体と、一対の内導体をそれぞれ取り囲む一対の外導体と、を備える。そして、一対の内導体は、所定軸と交差する方向に所定軸に対して反対方向に延びていることを特徴とする。
【0009】
この粒子加速器では、一対の内導体は所定軸と交差する方向に延びているため、内導体の長さを長くした場合であっても、従来の加速器と比べて小型化を図ることができる。また、一対の内導体は所定軸に対して反対方向に延びているため、所定軸を挟んで磁極の両側にフォイルストリッパーやターゲット等の装置を配置することができ、スペースの有効利用が図られる。また、所定軸に対して対称に一対のフォイルストリッパーを配置することができるため、2ポート照射の制御が容易になる。
【0010】
本発明に係る粒子加速器は、内導体と外導体とを短絡させるショート板を備え、内導体の軸と所定軸との交点と、内導体の軸とショート板との交点と、を結ぶ直線と、所定軸とのなす角度は、鋭角であることを特徴としてもよい。このようにすれば、粒子加速器がより一層コンパクトになる。また、ショート板と内導体との交点近傍の磁界が最大になる部分において、内導体と外導体との距離を離すことができるため、当該交点近傍での磁界を弱めることで発熱を抑えることができる。
【0011】
本発明に係る粒子加速器では、一対の加速電極の対向する先端部同士は、機械的且つ電気的に接続されていることを特徴としてもよい。このようにすれば、一対の加速電極に同位相で高周波電圧を印加することができるため、アンプを共通化することができる。また、内導体が熱変形を起しても加速電極の先端部が磁極の中心からズレにくいため、粒子を安定的に加速することができる。
【0012】
本発明に係る粒子加速器は、一対の磁極を取り囲む環状のヨークを備え、ヨークの長軸は、所定軸に沿うことを特徴としてもよい。このようにすれば、内導体をヨークの側方から外に向かって延ばすことができる。
【0013】
本発明に係る粒子加速器は、一対の磁極、一対の加速電極、一対の内導体、及び一対の外導体を収容する真空箱であって、真空排気のための排気口を有する真空箱を備え、一対の磁極の対向する面には、谷領域と山領域とが交互に連続して設けられており、一対の磁極の中心と真空箱の排気口との間に、谷領域があることを特徴としてもよい。このようにすれば、真空箱内の効率的な排気が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る粒子加速器としてサイクロトロンの構成を示す正面図である。図1に示すように、本実施形態に係るサイクロトロン10は縦型で、また全体が放射線を遮断する鉛等の遮蔽壁100で覆われた自己シールド型のサイクロトロンである。
【0016】
図2は、図1に示すサイクロトロン長軸に沿ってII−II線で切断したサイクロトロン10の断面図である。また図3は、サイクロトロン10の本体部12と蓋部14とを分離した状態の断面図である。また図4は、サイクロトロン10の本体部12の正面図である。
【0017】
図2〜4に示すように、サイクロトロン10は、一対の磁極16と、一対のコイル18と、真空箱20と、一対の加速電極22と、一対の内導体24と、一対の外導体26と、一対のショート板37と、ヨーク28と、を備えている。
【0018】
一対の磁極16は、図4及び図5に示すように、それぞれ円板状の外形を有する。これら磁極16の対向する面には、それぞれ谷領域16aと山領域16bとが交互に連続して設けられている。より詳細には、これら磁極16の対向する面は、それぞれ4つの谷領域16aと4つの山領域16bとが交互に現れる8つの扇形のセクタに分割されている。このように構成することで、セクターフォーカシングを利用して加速粒子の高集束を図っている。
【0019】
ヨーク28は、本体部12側のヨーク本体28aと、蓋部14側のヨーク蓋28bとを有している。ヨーク本体28aは、図2及び図3に示すように、縦断面がコ字状をなす。ヨーク蓋28bは、鉛直方向に沿って延び、正面視が長方形状をなす。ヨーク蓋28bの長軸は、磁極16の直径の二倍程度の長さであり、短軸は磁極16の直径よりも若干長い程度の長さである。一対の磁極16の一方は、ヨーク本体28a上に設けられ、他方の磁極16は、ヨーク蓋28b上に設けられている。そして、固定側のヨーク本体28aに対して可動側のヨーク蓋28bを付き当てることで、図2に示すように、環状のヨーク28が構成されている。なお、ヨーク蓋28bの長軸はヨーク28全体としての高さと等しく、以降はこれをヨーク長軸という。このヨーク長軸が、サイクロトロン長軸となる。
【0020】
真空箱20は、図6に示すように、箱本体30と箱蓋32とを有している。箱本体30は、底壁部30aと側壁部30bとを含んでいる。底壁部30aには、磁極16の外形と略同径の開口部30cが設けられている。また、底壁部30aには真空排気用の2つの排気口30dが設けられている。これら排気口30dに、図1に示すように真空ポンプ102が接続される。この箱本体30が、図2〜4に示すように、サイクロトロン10の本体部12側に取り付けられる。箱本体30が取り付けられたとき、磁極16の表面は開口部30cを通して真空箱20内に突出している。箱蓋32は、箱本体30の上部開口を塞ぐ。この箱蓋32には、磁極16の外形と略同径の開口部32aが設けられている。この箱本体32が、図2〜4に示すように、サイクロトロン10の蓋部14側に取り付けられる。箱蓋32が取り付けられたとき、磁極16の表面は開口部32aを通して真空箱20内に突出している。
【0021】
サイクロトロン10の本体部12側のコイル18は、磁極16の周りであってヨーク本体28aと箱本体30との間に設けられており、電磁石が構成されている。また、サイクロトロン10の蓋部14側のコイル18は、磁極16の周りであってヨーク蓋28bと箱蓋32との間に設けられており、電磁石が構成されている。
【0022】
一対の加速電極22は、図4に示すように、それぞれ正面視において略三角形状をなす。各加速電極22は、図7に示すように、上下2枚の三角板を底辺で連結して構成されている。そして、加速電極22の板面には複数の孔22aが穿設されている。これにより、真空排気の効率化とサイクロトロン10の軽量化が図られている。かかる構成の一対の加速電極22が、図3及び図4に示すように、サイクロトロン10の本体部12側に設けられている。ここで、一対の加速電極22が並置される並び軸(所定軸)Xは、ヨーク長軸に沿っていると好ましい。本実施形態では、並び軸Xとヨーク長軸とは一致している。
【0023】
これら一対の加速電極22は、一対の磁極16の谷領域16aに位置する。そして、加速電極22の先端部同士が、図7に示すように、蝶の羽のような外形を有する接続部材34により、機械的且つ電気的に接続されている。
【0024】
一対の内導体24は、図4及び図7に示すように、それぞれ加速電極22の並び軸Xと交差する方向に、当該並び軸Xに対して反対方向に延びている。これら一対の内導体24はそれぞれ円筒状の部材であり、一端が加速電極22に接続されている。そして、加速電極22の並び軸Xと内導体24の軸との交点P1と、内導体24の軸とショート板37との交点P2と、を結ぶ直線と、並び軸Xとのなす角度θは鋭角である。なお、内導体24は湾曲していてもよい。このようにすれば、サイクロトロン10がよりコンパクトになる。また、ショート板37と内導体24との交点P2近傍の磁界が最大になる部分において、内導体24と外導体26との距離を離すことができるため、当該交点P2近傍での磁界を弱めることで発熱を抑えることができる。更に、内導体24と真空箱20との距離を離すことができるため、当該交点P2近傍での磁界が真空箱20に与える影響を弱めることで発熱を抑えることができる。
【0025】
一対の外導体26は、それぞれ一対の内導体24を取り囲む。各外導体26は、図8に示すように、外導体本体部36と外導体蓋部38とを含み、所定周波数を生成するように外形が設計されている。外導体本体部36は、底壁部36aと側壁部36bとカウンタ電極36cとを有する。カウンタ電極36cは、外形が加速電極22よりも若干大きく、加速電極22の下板を収容可能である。これにより、加速電極22の下板とカウンタ電極36cの上端が面一になる。この外導体本体部36が、サイクロトロン10の本体部12側で真空箱20の箱本体30上に設けられている。このとき、カウンタ電極36cは磁極16の谷領域16aに入り込む。そして、側壁部36bの一端に、ショート板37が設けられている。ショート板37は、内導体24と外導体26とを短絡する。このショート板37に設けられた開口部37eを通して、加速電極22が連結された内導体24が支持されている。
【0026】
外導体蓋部38は、底壁部38aと側壁部38bとカウンタ電極38cとを有する。カウンタ電極38cは、外形が加速電極22よりも若干大きく、加速電極22の上板を収容可能である。これにより、加速電極22の上板とカウンタ電極38cの下端が面一になる。この外導体蓋部38が、サイクロトロン10の蓋部14側で真空箱20の箱蓋32上に設けられる。このとき、カウンタ電極38cは磁極16の谷領域16aに入り込む。
【0027】
サイクロトロン10の本体部12と蓋部14とを合体させたとき、外導体本体部36と外導体蓋部38とが合体し、閉空間が形成される。この閉空間内に、加速電極22及び内導体24が収容される。このようにして、外導体26、内導体24、ショート板37、及び加速電極22により、高周波加速空洞(RFキャビティ)が形成される。なお、外導体本体部36及び外導体蓋部38それぞれの側壁部36b,38bの縁とショート板37の縁には、コンタクトフィンガー40が設けられている。コンタクトフィンガー40は、図9に示すように、バネ板片40aを所定方向に連続して並べて構成したものである。このように、外導体本体部36と外導体蓋部38及びショート板37がコンタクトフィンガー40を介して合わさることで、両者の確実な電気的接続が図られている。
【0028】
一対の内導体24は、図4に示すように、それぞれ真空箱20の外まで延びている。これら内導体24の内部には、冷媒を循環させるための管42が通っており、加速電極22及び内導体24を冷却できるようになっている。また、外導体26の内部にも冷媒を循環させるための管44が通っており、外導体26を冷却できるようになっている。
【0029】
このように、本実施形態に係るサイクロトロン10では、一対の内導体24は、それぞれ加速電極22の並び軸Xと交差するように、当該並び軸Xに対して反対方向に延びている。従って、磁極16の周りには他の装置を配置するスペースが生じる。そこで、このスペースに、並び軸Xに対して対称な位置に、加速粒子を取り出すためのフォイルストリッパー46と、放射性同位元素を生成するためのターゲット48とを配置している。また、真空箱20の右方に、先端が磁極16内に至る電流検出器50が設けられている。
【0030】
また、真空箱20に設けられた排気口30dと、磁極16の中心部に設けられたビーム引出し部Oとの間に、磁極16の谷領域16aが存在している。よって、排気口30dからビーム引出し部Oが見通せるようになっている。
【0031】
本実施形態に係るサイクロトロン10では、磁極16の中心部に設けられたビーム引出し部Oから引き出された陽子或いは重陽子といった加速粒子は、RFキャビティにより生成される加速電極22とカウンタ電極36c,38cとの間の電界により多重加速される。そして、加速に伴って軌道半径が大きくなり、最後にフォイルストリッパー46のフォイルにより軌道が曲げられて、ターゲット48内に進入する。
【0032】
次に、本実施形態に係るサイクロトロン10の作用及び効果について説明する。
【0033】
本実施形態に係るサイクロトロン10では、一対の内導体24は加速電極22の並び軸Xと交差する方向に延びているため、内導体24の長さを長くした場合であっても、従来の加速器と比べて小型化を図ることができる。また、一対の内導体24は並び軸Xに対して反対方向に延びているため、当該並び軸Xを挟んで磁極16の両側にフォイルストリッパー46やターゲット48を配置することができ、スペースの有効利用が図られる。また、並び軸Xに対して対称に一対のフォイルストリッパー46を配置することができるため、2ポート照射の制御が容易になる。発明者は、フォイルストリッパー46を対称に配置した場合には、同じ強度のビームを安定して取り出すことが可能であり、磁極16の片側にフォイルストリッパーを2つ配置する場合と比較して、その制御が容易になることを見出した。
【0034】
なお、サイクロトロン10の小型化を図るために、一対の内導体24を、加速電極の並び軸Xの同じ側において、磁極16の側面に沿うように屈曲して延ばすことも考えられるが、この場合は、フォイルストリッパーやターゲット等の装置の設置スペースが磁極16の一側に限られてしまい、ビームの有効利用が図れない。
【0035】
また本実施形態に係るサイクロトロン10では、加速電極22の並び軸Xと内導体24の軸との交点P1と、内導体24の軸とショート板37との交点P2と、を結ぶ直線と、並び軸Xとのなす角度θは鋭角であるため、サイクロトロン10のより一層のコンパクトが図られる。また、ショート板37と内導体24との交点P2近傍の磁界が最大になる部分において、内導体24と外導体26との距離を離すことができるため、当該交点P2近傍での磁界を弱めることで発熱を抑えることができる。更に、内導体24と真空箱20との距離を離すことができるため、当該交点P2近傍での磁界が真空箱20に与える影響を弱めることで発熱を抑えることができる。
【0036】
また本実施形態に係るサイクロトロン10では、一対の加速電極22の対向する先端部同士は、接続部材34を介して機械的且つ電気的に接続されているため、一対の加速電極24に同位相で高周波電圧を印加することができ、アンプを共通化することができる。
【0037】
また本実施形態に係るサイクロトロン10では、内導体24及び外導体26に設けられた管42,44に冷媒を循環させることにより、RFキャビティの温度上昇を抑制し、内導体24の熱膨張による変形を抑制して、粒子の安定的な加速を図ることができる。また、たとえ内導体24が熱変形を起しても、一対の加速電極22の先端部同士が接続されているため、磁極16の中心に対して回動するだけで、加速電極22の先端部が磁極の中心からズレにくいため、粒子を安定的に加速することができる。ここで、加速電極22の先端部はビーム引き出し部Oと対向しており、正常なビーム引出しのためには、0.1mm程度の位置精度が要求される。従って、このように一対の内導体24を加速電極22の並び軸Xに対して対称に反対方向に延ばすことで、位置精度が高められ、正常なビーム引き出しが可能となる。
【0038】
また本実施形態に係るサイクロトロン10では、一対の加速電極22の並び軸Xがヨーク長軸に沿っているため、内導体24をヨーク28の側方から外に向かって延ばすことができる。これにより、サイクロトロン10の大型化が抑制される。
【0039】
また本実施形態に係るサイクロトロン10では、一対の磁極16の中心と真空箱20の排気口30dとの間に磁極16の谷領域16aがあり、磁極16の中心から排気口30dに至るガスの流れを遮るものが少ないため、真空箱20内の効率的な排気が可能となり、真空ポンプ102への負荷を軽減することができる。
【0040】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、ショート板37は、内導体24の軸方向に可動に構成してもよい。このようにすれば、周波数の微調整を行うことができる。
【0041】
また、一対の加速電極22の並び軸Xは、ヨーク長軸に対して±20°程度の角度範囲内で傾斜していてもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、複数種の粒子について効率的な加速を可能とする小型の粒子加速器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るサイクロトロンの構成を示す正面図である。
【図2】長軸に沿って切断したサイクロトロンの断面図である。
【図3】サイクロトロンの本体部と蓋部とを分離した状態の断面図である。
【図4】サイクロトロンの本体部の正面図である。
【図5】一対の磁極の構成を示す斜視図である。
【図6】真空箱の構成を示す斜視図である。
【図7】加速電極及び内導体の構成を示す斜視図である。
【図8】外導体及びショート板の構成を示す斜視図である。
【図9】コンタクトフィンガーの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…サイクロトロン、16…磁極、16a…谷領域、16b…山領域、20…真空箱、22…加速電極、24…内導体、26…外導体、28…ヨーク、30d…排気口、37…ショート板、X…並び軸。
Claims (5)
- 一対の円板状の磁極と、該一対の円板状の磁極間において該円板の径方向に延びる所定軸上に対向配置される一対の加速電極と、該一対の加速電極にそれぞれ連結される一対の内導体と、該一対の内導体をそれぞれ取り囲む一対の外導体と、を備える粒子加速器であって、
前記内導体と前記外導体とを短絡させるショート板を備え、
前記一対の内導体は、前記所定軸と交差する方向に、該所定軸に対して反対方向に延びており、
前記内導体の軸と前記所定軸との交点と、該内導体の軸と前記ショート板との交点と、を結ぶ直線と、該所定軸とのなす角度は、鋭角であることを特徴とする粒子加速器。 - 一対の円板状の磁極と、該一対の円板状の磁極間において該円板の径方向に延びる所定軸上に対向配置される一対の加速電極と、該一対の加速電極にそれぞれ連結される一対の内導体と、該一対の内導体をそれぞれ取り囲む一対の外導体と、を備える粒子加速器であって、
前記一対の内導体は、前記所定軸と交差する方向であって前記一対の円板状の磁極の円板平面視において該磁極と交わらない方向に、該所定軸に対して反対方向に延びていることを特徴とする粒子加速器。 - 前記一対の加速電極の対向する先端部同士は、機械的且つ電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒子加速器。
- 前記一対の磁極を取り囲む環状のヨークを備え、
前記ヨークの長軸は、前記所定軸に沿うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粒子加速器。 - 前記一対の磁極、前記一対の加速電極、前記一対の内導体、及び前記一対の外導体を収容する真空箱であって、真空排気のための排気口を有する真空箱を備え、
前記一対の磁極の対向する面には、谷領域と山領域とが交互に連続して設けられており、
前記一対の磁極の中心と前記真空箱の前記排気口との間に、前記谷領域があることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粒子加速器。
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