JP3969033B2 - ガスケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、部材同士の結合面間に介装され、結合面間のシールを確保するガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
平坦な金属基板の上下面に設けられたゴム材質からなるゴムビードによって結合面をシールするガスケットにおいては、金属基板の上面に設けられたゴムビードと、金属基板の下面に設けられたゴムビードとが金属基板の同一位置に設けられていると、ゴムビードの潰れによる劣化が発生しやいという問題がある。
【0003】
そこで、平坦な金属基板の上面に設けられるゴムビードと、下面に設けられるゴムビードとを、互いにオフセットさせた構造のガスケットが従来から知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属基板の上下面のゴムビードを互いにオフセットさせると、各ゴムビードに作用する面圧が低下してしまい、加工成形時に生じた結合面上の微少な傷をゴムビードを弾性変形させることによって隙間無く埋めることができず、結合面の十分なシール性を確保することができなくなる虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、ゴムビードの潰れによる劣化を防止しつつ、ゴムビードに結合面上の微少な傷を隙間無く埋められる程度の面圧を加えることができるガスケットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1に記載の発明は、板状の金属基板を階段状に折曲することにより、上記金属基板の一方の面及び他方の面に、互いにオフセットした山部を形成し、上記各山部にのみゴム材料からなるコーティング層が設けられ、金属基板の一方の面側に設けられたコーティング層と金属基板の他方の面側に設けられたコーティング層とが金属基板の同一位置で互いに重なり合わないように構成されていることを特徴としている。部材同士の結合面間にガスケットが挟み込まれると、コーティング層は、加工成形時に生じた結合面上の微細な傷を隙間無く埋めるように弾性変形する。そして、金属基板に形成された各山部も、金属基板が平坦となるよう結合面間で押し潰される。これによって、山部が押し潰されるまでの間、コーティング層に作用する初期面圧は高くなる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記各コーティング層の肉厚は、上記各コーティング層が設けられた上記山部の頂点から離れるに従って厚くなるよう形成されていることを特徴としている。これによって、コーティング層に均等な初期面圧を作用させることができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記各コーティング層は、発泡ゴムからなっていることを特徴としている。これによって、コーティング層は、より一層弾性変形し易くなる。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、コーティング層に高い初期面圧を作用させ、結合面上の微少な傷を隙間なく埋めるようにゴム製の突起を結合面に密着させることができるので、高いシール性を得ることができる。
【0010】
また、請求項2の発明にようコーティング層を形成すれば、コーティング層に均等な初期面圧を作用することになり、より広範囲に亙って結合面の微細な傷を隙間なく埋めることができ、コーティング層による結合面間のシール性をさらに向上させることができる。
【0011】
そして、請求項3の発明のように、発泡ゴムでコーティング層を形成すれば、コーティング層は一層弾性変形し易くなり、シール性をより一層向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施例は、本発明に係るガスケットを自動車用の直列4気筒内燃機関のシリンダヘッド1とシリンダブロック2の間に介装されるシリンダヘッドガスケット3に適用した例である。
【0014】
この内燃機関は、チェーン駆動式の動弁装置を備えているものであり、シリンダヘッド1の気筒列方向の一端には、チェーン室の一部を構成するカムスプロケット収容部4が形成されている。
【0015】
このカムスプロケット収容部4は、シリンダヘッド1に配設されるカムシャフト(図示せず)の一端に装着されたカムスプロケット(図示せず)を収容するものであり、このカムスプロケット収容部4に対応するシリンダブロック2の一端部に取り付けられるフロントカバー(図示せず)と伴に、シリンダヘッド1とシリンダブロック2に跨るチェーン室(図示せず)を形成している。
【0016】
シリンダヘッド1とシリンダブロック2とは、複数本のボルト5によって締結されており、これらボルト5の締め付けにより、シリンダヘッドガスケット3が結合面となるシリンダヘッド1のロアデッキとシリンダブロック2のアッパデッキとに密着し、両者間をシールしている。尚、上述したチェーン室側となるシリンダヘッド1の一端部においては、シリンダヘッド1のアッパデッキと上記フロントカバーの上端面とによってシリンダヘッドガスケット3は挟持されている。
【0017】
シリンダヘッドガスケット3は、一定板厚tの金属基板6(後述する図3を参照)を主体とするいわゆる金属ガスケットであって、燃焼室のシリンダボア内径に対応する4つの貫通孔7が設けられている。
【0018】
また、図2に示すように、各貫通孔7の外周縁には、燃焼室内の燃焼ガスをシールする環状の燃焼ガスシール部8が形成されている。
【0019】
この燃焼ガスシール部8の外周側には、複数の水孔9が貫通成形されている。この水孔9によって、シリンダヘッド内に形成されたウォータジャケットと、シリンダブロック内に形成されたウォータジャケットとが連通している。
【0020】
尚、図中に11はシリンダヘッドとシリンダブロックとを締結するボルトが挿入されるボルト孔、12はシリンダヘッドと上述したフロントカバーを締結するボルト(図示せず)が挿入されるボルト孔、13はエア抜き孔である。
【0021】
そして、このシリンダヘッドガスケット3には、水孔9とエア抜き孔13の外周側、並びにオイル孔の外周側に、水油シール部14,14が形成されている。換言すれば、水孔9及びエア抜き孔13は、燃焼ガスシール部8と水油シール部14との間に位置している。
【0022】
この水油シール部14においては、図3に示すように、金属基板6が略階段状に折曲され、金属基板6の一方の面6aと金属基板6の他方の面6bに、互いにオフセットした山部15,16がそれぞれ一つづつ形成されている。換言すれば、水油シール部14における金属基板6は、互いに平行な水平部17,18と、これら水平部17,18に対して緩やかな角度で傾いた斜辺部19とが形成されるように2箇所で折曲され、この折曲された位置が山部15,16となっている。
【0023】
そして、これら各山部15,16には、ゴム材料からなる一定肉厚sのコーティング層20,21がそれぞれ設けられている。
【0024】
金属基板6の一方の面6aの山部15に設けられたコーティング層は20は、山部15の頂点15aから水平部17側(図3における左側)に向かって所定幅形成されている。金属基板6の他方の面6bの山部16に設けられたコーティング層21は、山部16の頂点16aから水平部18側(図3における右側)に向かって所定幅形成されている。すなわち、コーティング層20,21は、各山部15,16の頂点15a,16aを跨らないように形成されており、金属基板6の斜辺部19の両面には、コーティング層20,21が設けられていない。
【0025】
尚、斜辺部19及び両コーティング層20,21が設けられた範囲Lをもって水油シール部14とする。
【0026】
このシリンダヘッドガスケット3は、シリンダヘッド1のロアデッキ、シリンダブロック2のアッパーデッキ及びフロントカバーの上端面等の結合面によって水油シール部14が挟み込まれると、コーティング層20,21は、加工成形時に生じた結合面上の微細な傷を隙間無く埋めるように弾性変形する。そして、金属基板6に形成された各山部15,16も、水油シール部14における金属基板6が平坦となるよう結合面間で押し潰される。
【0027】
このように構成されたシリンダヘッドガスケット3においては、金属基板6を折曲して山部15,16を形成することによって、結合面間で各山部15、16が押し潰されるまでの間、各コーティング層20,21に作用する初期面圧を高くすることができるので、コーティング層20,21を、シリンダヘッド1のロアデッキ、シリンダブロック2のアッパーデッキ及びフロントカバーの上端面等の結合面上に生じた加工成形時の微少な傷を隙間無く埋めるように弾性変形させることができ、水油シール部14において高いシール性を得ることができる。
【0028】
また、コーティング層20,21が互いにオフセットするよう設けられているので、水油シール部14におけるシリンダヘッドガスケット3の最大厚さhは、次式のようになる。
【0029】
【数1】
h=t+s …(1)
すなわち、コーティング層20,21が金属基板6の両面6a,6bに設けられているのも関わらず、水油シール部14におけるシリンダヘッドガスケット3の最大厚さhを小さくすることができるので、燃焼ガスシール部8に十分な荷重を加えることができ、燃焼ガスシール部8におけるシール性を相対的に向上させることが可能となる。
【0030】
図4は、シリンダヘッドガスケット3の水油シール部14の第2実施例を示している。この第2実施例は、上述した第1実施例と略同一構成となっているが、この第2実施例においては、コーティング層22、23の肉厚が、山部15,16の頂点で最も薄くなり、山部15,16の頂点15a,16aから離れるに従って徐々に厚くなるようそれぞれ形成されている。
【0031】
また、図5は、シリンダヘッドガスケット3の水油シール部14の第3実施例を示している。この第3実施例においては、コーティング層24,25が山部15,16の頂点15a,16aを跨るように形成されていると共に、コーティング層24、25の肉厚が、山部15、16の頂点15a,16aで最も薄くなり、山部の頂点から離れるに従って徐々に厚くなるようそれぞれ形成されている。
【0032】
これら第2、第3実施例にように、コーティング層の肉厚を山部15,16の頂点15a,16aから離れるに従って徐々に厚くなるように形成すれば、コーティング層に作用する初期面圧を均一にすることができるため、結合面上の微細な傷をより広範囲に埋めることができ、コーティング層による結合面間のシール性をさらに向上させることができる。
【0033】
また、図6は、シリンダヘッドガスケット3の水油シール部14の参考例を示している。この参考例においては、金属基板6の一方の面6a及び他方の面6bに第1のコーティング層26を設け、山部15,16に第2のコーティング層27、27がそれぞれ設けられている。
【0034】
このように構成されたシリンダガスケット3においては、金属基板6を第1のコーティング層26で覆うことにより、シール面積を増やすことでシール性を向上させることができる。
【0035】
尚、参考例は、第1のコーティング層26と第2のコーティング層27,27とを個別に設けるようにしたが、第2のコーティング層27,27を第1のコーティング層26と同一の材質で同時に成形してもよい。
【0036】
また、上述した第1〜第3実施例において、コーティング層のゴム材料として発泡ゴムを用いれば、コーティング層は一層弾性変形し易くなり、結合面間のシール性をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスケットとしてのシリンダヘッドガスケットのシリンダヘッドとシリンダブロックへの組み付け状態を示す説明図。
【図2】本発明に係るガスケットとしてのシリンダヘッドガスケットの平面図。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図にして、本発明に係るガスケットとしてのシリンダヘッドガスケットの要部断面図。
【図4】図2のA−A線に沿った断面図にして、本発明に係るガスケットとしてのシリンダヘッドガスケットの第2実施例における要部断面図。
【図5】図2のA−A線に沿った断面図にして、本発明に係るガスケットとしてのシリンダヘッドガスケットの第3実施例における要部断面図。
【図6】 図2のA−A線に沿った断面図にして、本発明に係るガスケットとしてのシリンダヘッドガスケットの参考例における要部断面図。
【符号の説明】
3…シリンダヘッドガスケット(ガスケット)
6…金属基板
15…山部
16…山部
20…コーティング層
21…コーティング層
Claims (3)
- 板状の金属基板を階段状に折曲することにより、上記金属基板の一方の面及び他方の面に、互いにオフセットした山部を形成し、上記各山部にのみゴム材料からなるコーティング層が設けられ、金属基板の一方の面側に設けられたコーティング層と金属基板の他方の面側に設けられたコーティング層とが金属基板の同一位置で互いに重なり合わないように構成されていることを特徴とするガスケット。
- 上記各コーティング層の肉厚は、上記各コーティング層が設けられた上記山部の頂点から離れるに従って厚くなるよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスケット。
- 上記各コーティング層は、発泡ゴムからなっていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスケット。
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