JP3966687B2 - エンジンの点火装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的小型のエンジンに使用される磁石発電式の点火装置の改良に関する。
【従来の技術】
従来、かかる点火装置は、たとえば実公昭63−21739号公報および特公平5−42629号公報等で知られており、ロータの外周に永久磁石が取付けられている。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ロータの外周に永久磁石が取付けられる上記従来の構成では、次の(1)〜(3)のような問題が生じる。すなわち(1)ロータの回転バランスをとるために、永久磁石と同等の重量のカウンターウエイトを永久磁石と反対側でロータに取付ける必要が生じ、ロータが大重量になる。また(2)永久磁石およびカウンターウエイトの取付け部の構造および取付け方法を高速回転時の遠心力に耐えるように工夫することが必要である。さらに(3)永久磁石およびカウンターウエイトの取付け部よりも内方側の空間が狭くなり、永久磁石およびカウンターウエイトの取付け部が配置される部分よりも内方側には他の部品を配置し難い。
【0003】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ロータの回転バランスの調整を容易としつつロータを軽量化し、ロータ自体の構成を単純化し、しかもロータの半径方向内方側に対応する部分に有効活用し得るスペースを確保可能としたエンジンの点火装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、エンジン回転に同期して回転するロータと、該ロータの外周に対向して固定配置される鉄心と、該鉄心に同心に巻装される1次コイルおよび2次コイルとを備え、前記鉄心には、前記ロータの外周にその周方向に等間隔をあけた位置で対向する3つの脚部が設けられ、それら3つの脚部のうち、前記ロータの周方向に沿う両側の脚部に永久磁石がそれぞれ取付けられる一方、前記ロータの周方向に沿う中央の脚部に前記1次コイルおよび2次コイルが巻装され、一方の永久磁石はそれのS極が、また他方の永久磁石はそれのN極がそれぞれ前記ロータに対向しており、そのロータの周方向で相互に隣り合う一対の前記脚部との間で前記永久磁石によって生じる磁束の磁路を形成する誘導子が前記ロータの外周に固設され、前記1次コイルおよび2次コイルは、前記隣り合う一対の前記脚部を前記誘導子が通過する毎に点火プラグに通電することを可能として前記鉄心に巻装されることを特徴とする。
【0005】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、ロータには、鉄心側の永久磁石によって生じる磁束の磁路を形成するための誘導子が設けられるだけであり、永久磁石がロータに取付けられていた従来のものと比べて、ロータの軽量化を図ることが可能となるとともにロータの回転バランスの調整も容易となり、しかも誘導子をロータに設けることも容易である。またロータの半径方向内方側に対応する部分に比較的大きなスペースを確保し、そのスペースを有効活用することができる。また特にロータの周方向に間隔を等間隔をあけた3つの脚部が鉄心に設けられ、ロータの周方向に沿う両側の脚部に永久磁石がそれぞれ取付けられ、ロータの周方向に沿う中央の脚部に1次コイルおよび2次コイルが巻装されるので、ロータの回転に応じて誘導子が3つの脚部のうち中央の脚部を通過する際の磁束変化率が、脚部を2つとしたときに両脚部を誘導子が通過する際の磁束変化率よりも大きく、したがって大きな点火エネルギーを得ることができる。
【0006】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記永久磁石が、前記鉄心に設けられる切り込み内に装着されることを特徴とし、かかる構成によれば、永久磁石の鉄心への取付け、固定が容易となる。
【0007】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記永久磁石が、前記鉄心の前記ロータへの対向面に取付けられることを特徴とし、かかる構成によれば、漏れ磁束を小さく抑えることができる。
【0008】
請求項4記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記誘導子が、前記ロータの外周面から鉄心側に突出されることを特徴とし、かかる構成によれば、誘導子の形成を容易とすることができる。
【0009】
請求項5記載の発明は、上記請求項4記載の発明の構成に加えて、前記ロータの外周面に磁性板を取り付けて前記誘導子が形成されることを特徴とし、かかる構成によれば、成形型等を不要として誘導子を容易に形成することができる。
【0010】
請求項6記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、ダイカスト成形されるアルミニウム合金製の前記ロータに、磁性板の一部が埋封されることで前記誘導子が形成されることを特徴とし、かかる構成によれば、非磁性材であるアルミニウム合金から成るロータに、磁性板を簡単に取付け、固定して誘導子を容易に形成することができる。
【0011】
さらに請求項7記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記ロータの外周面の一部を内方に窪ませることで前記誘導子が形成されることを特徴とし、かかる構成によれば、誘導子の形成を容易とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 図1〜図4は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は点火装置の要部構成を示す側面図、図2はロータの回転が進んだ状態での図1に対応した側面図、図3は点火装置の電気回路の基本的構成例を示す図、図4はタイミングチャートである。
【0013】
先ず図1において、エンジン回転に同期して回転するロータ1Aは、たとえば図示しないエンジンのクランクシャフト3に同軸に連結されており、このロータ1Aの外周に対向する位置には鉄心4Aが固定配置され、該鉄心4Aには、1次コイル5および2次コイル6が同心に巻装されるとともに、たとえば一対の永久磁石7A,7Aが取付けられる。
【0014】
鉄心4Aは、前記ロータ1Aの外周にその周方向に間隔をあけた位置で対向する複数たとえば3つの脚部8,9,10を有して、ロータ1A側に開放したE字状に形成されるものであり、プレス機で打ち抜かれた複数枚の鉄心板を積層して構成される。しかも前記各脚部8〜10のうち、ロータ1Aの周方向に沿う中央に配置される脚部9に1次コイル5および2次コイル6が同心に巻装され、ロータ1Aの周方向に沿う両側に配置される一対の脚部8,10に永久磁石7A,7Aがそれぞれ取付けられており、一方の永久磁石7AはそれのS極が、また他方の永久磁石7BはそれのN極がそれぞれロータ1Aに対向している。而して前記両脚部8,10における先端寄りには切り込み11,11がそれぞれ設けられ、それらの切り込み11,11内に、前記永久磁石7A,7Aがそれぞれ装着される。
【0015】
永久磁石7Aとしては、磁束密度の高い希土類磁石を用いることが望ましく、たとえばNd−Fe−B系(ネオジウム/鉄/ボロン系)等を好適に用いることができる。
【0016】
前記誘導子2Aは、磁性板をロータ1Aの外周面に取付けることでロータ1Aの外周に固設されるものであり、該誘導子2Aは、前記ロータ1Aの周方向で相互に隣り合う一対ずつ2組の脚部8,9;9,10との間で前記永久磁石7A,7Aによって生じる磁束の磁路を形成するようにしてロータ1Aの外周から半径方向外方に突出する。
【0017】
すなわちロータ1Aの周方向に沿う誘導子2Aの両端部が鉄心4Aの3つの脚部8,9,10のうち一方の組の脚部8,9に対応した位置に在る図1の状態では、鉄心4Aの前記両脚部8,9および誘導子2A間で鎖線で示すように磁路が形成される。またロータ1Aの回転が図1の状態から進み、図2で示すように、ロータ1Aの周方向に沿う誘導子2Aの両端部が鉄心4Aの3つの脚部8〜10のうち他の組の脚部9,10に対応した位置に在る状態では、鉄心4Aの前記両脚部9,10および誘導子2A間で鎖線で示すように磁路が形成される。
【0018】
図3において、1次コイル5には点火回路12が接続されており、該点火回路12は、1次コイル5の両端間に直列に接続される抵抗13,14と、それらの抵抗13,14に並列に接続されるトランジスタ15および抵抗16から成る直列回路と、1次コイル5の両端間に接続されるトランジスタ17とを備え、抵抗13,14の接続点がトランジスタ15のベースに接続され、トランジスタ15および抵抗16の接続点がトランジスタ17のベースに接続される。また2次コイル6は点火プラグ18に接続される。
【0019】
このような点火装置の構成において、鉄心4Aおよびロータ1Aの相対位置が図1の状態から図2の状態に変化するのに応じて、図4(a)で示すように、1次コイル5を通る磁束ΦがΦ1からΦ2に変化すると、1次コイル5には、図4(b)で示すような一次電圧V1′が発生する。
【0020】
この一次電圧V1′が高くなると、点火回路12ではトランジスタ17がベース電圧が高くなるのに応じて導通し、1次コイル5には図4(c)で示すような制御された一次電流I1が流れる。しかも一次電流I1の増加によりトランジスタ17におけるコレクタ・エミッタ間の電位が上昇し、その電位が或る設定値に達したときにはトランジスタ15が導通することで、前記トランジスタ17が遮断し、それまで流れたいた一次電流I1が急激に遮断される。
【0021】
このような一次電流I1の急激な変化により、鉄心4Aにおいて1次コイル5が巻装された脚部9では急激な磁束変化が生じることになり、図4(d)で示すように、1次コイル5に数百Vの一次電圧V1が発生する。而して1次コイル5および2次コイル6が前記脚部9に同心に巻装されているので、2次コイル6には、1次コイル5との巻数比に応じた十数kVの二次電圧V2が、図4(e)で示すように誘起され、この二次電圧V2が点火プラグ18に供給されることで、エンジンの点火がなされる。
【0022】
すなわち鉄心4Aが備える3つの脚部8〜10のうち対をなす2組の脚部8,9;9,10をロータ1Aの前記誘導子2Aが通過する毎に点火プラグ18に通電するようにして、鉄心4Aの脚部9に一次および2次コイル6が巻装されている。
【0023】
この第1実施例によれば、ロータ1Aには、鉄心4A側の永久磁石7A,7Bによって生じる磁束の磁路を形成するための誘導子2Aが設けられるだけであり、永久磁石がロータに取付けられていた従来のものと比べて、ロータ1Aの軽量化を図ることが可能となるとともにロータ1Aの回転バランスの調整も容易となる。
【0024】
また誘導子2Aがロータ1Aの外周から半径方向外方にわずかに突出するだけのものであるので、ロータ1Aの半径方向内方側に対応する部分に比較的大きな空きスペースを確保し、そのスペースを有効活用することができる。
【0025】
鉄心4Aは、ロータ1Aの周方向に間隔を等間隔をあけた3つの脚部8,9,10を有するものであり、それらの脚部8〜10のうち少なくともロータ1Aの周方向に沿う両側(この実施例では両側だけ)の脚部8,10に永久磁石7A,7Aがそれぞれ取付けられ、ロータ1Aの周方向に沿う中央の脚部9に1次コイル5および2次コイル6が巻装されるので、ロータ1Aの回転に応じて誘導子2Aが3つの脚部8〜10のうち中央の脚部9を通過する際の磁束変化率を大きくして、大きな点火エネルギーを得ることができる。
【0026】
しかも永久磁石7A,7Aは、鉄心4Aの両脚部8,10に設けられる切り込み11,11内に装着されるものであり、複数の鉄心板を積層して成る鉄心4Aには、鉄心板の打ち抜き成形時に前記切り込み11,11に対応した開口部を形成しておくのは簡単であり、永久磁石7A,7Aの鉄心4Aへの取付け、固定が容易となる。
【0027】
また誘導子2Aは、ロータ1Aの外周面から鉄心4A側に突出されるものであり、この第1実施例のように、磁性板をロータ1Aの外周面に取付ける等で誘導子2Aを容易に形成することができ、その上、磁性板をロータの外周面に取り付けるので、成形型等を不要として誘導子2Aを容易に形成することができる。
【0028】
図5〜図10はロータおよび誘導子の変形例をそれぞれ示すものであり、図5の第1変形例では、鋳鉄製のロータ1Bの外周に該ロータ1Bと一体である誘導子2Bが、ロータ1Bの半径方向外方に突出するようにして一体に設けられ、この第1変形例によっても、誘導子2Bを容易に形成することができる。
【0029】
図6の第2変形例では、鉄板をプレス成形することで円筒部19を外周部に有した皿状に構成されるロータ1Cの外周に、前記円筒部19の一部を外方に押し出すことで誘導子2Cが形成される。
【0030】
図7の第3変形例では、プレス機で打ち抜かれた磁性金属板を積層することでロータ1Dが構成され、各磁性金属板の打ち抜き成形時に誘導子2Dに対応する部分を同時に形成しておくことにより、各磁性金属板を積層してロータ1Dを構成したときに該ロータ1Dの外周から半径方向外方に突出する誘導子2Dを同時に形成することができる。
【0031】
図8の第4変形例では、ロータ1Eが、アルミニウム合金のダイカスト成形により形成されるものであり、このロータ1Eの外周部に磁性板の一部が埋封されることで誘導子2Eが形成される。この第4変形例によれば、非磁性材であるアルミニウム合金から成るロータ1Eに、磁性板を簡単に取付け、固定して誘導子2Eを容易に形成することができる。
【0032】
図9の第5変形例では、鋳鉄製のロータ1Fの外周面に、その外周面の一部を内方に窪ませて成る凹部20が形成され、この凹部20を外面とする誘導子2Fが、ロータ1Fの外周部に設けられることになり、誘導子2Eの形成が容易である。
【0033】
さらに図10の第6変形例では、プレス機で打ち抜かれた磁性金属板を積層することでロータ1Gが構成され、各磁性金属板の打ち抜き成形時に凹部21に対応する部分を同時に形成しおくことにより、各磁性金属板を積層してロータ1Gを構成したときに該ロータ1Gの外周面の一部を内方に窪ませて成る凹部21が形成されるとともに、該凹部21を外面とする誘導子2Gが、ロータ1Gの外周部に設けられることになり、この第6変形例によっても誘導子2Gの形成が容易である。
【0034】
図11は本発明の第2実施例を示すものであり、ロータ1Aの外周に対向する位置に固定配置される鉄心4Bは、ロータ1Aの外周にその周方向に間隔をあけた位置で対向する3つの脚部8,9,10を有してロータ1A側に開放したE字状に形成されるものであり、各脚部8〜10のうち、ロータ1Aの周方向に沿う中央に配置される脚部9に1次コイル5および2次コイル6が同心に巻装され、ロータ1Aの周方向に沿う両側に配置される一対の脚部8,10の先端、すなわち脚部8,10のロータ1Aへの対向面に、たとえば接着等により永久磁石7B,7Bがそれぞれ取付けられる。
【0035】
この第2実施例によれば、鉄心4Aの脚部8,10に永久磁石11,11を装着した第1実施例と比べて、漏れ磁束を小さく抑えることができる。
【0036】
図12および図13は参考例を示すものであり、上記各実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0037】
ロータ1Aの外周に対向する位置には鉄心4Cが固定配置され、該鉄心4Cには、1次コイル5および2次コイル6が同心に巻装されるとともに、たとえば一対の永久磁石7A,7Aが取付けられる。
【0038】
鉄心4Cは、ロータ1Aの外周にその周方向に間隔をあけた位置で対向する一対の脚部22,23を有して、ロータ1A側に開放したU字状に形成されるものであり、プレス機で打ち抜かれた複数枚の鉄心板を積層して構成される。しかも前記各脚部22,23の先端寄りには切り込み11,11がそれぞれ設けられ、それらの切り込み11,11内に永久磁石7A,7Aがそれぞれ装着される。また両脚部22,23のうち脚部23に1次コイル5および2次コイル6が同心に巻装される。
【0039】
この参考例によれば、1次コイル5を通る磁束Φが図12(a)で示すように変化するのに応じて、一次コイル5には図12(b)で示すような一次電圧V1′が発生し、1次コイル5には図12(c)で示すような制御された一次電流I1が流れ、この一次電流I1の急激な遮断に応じて図12(d)で示すように、1次コイル5に数百Vの一次電圧V1が発生し、さらに2次コイル6には、1次コイル5との巻数比に応じた十数kVの二次電圧V2が、図12(e)で示すように誘起される。
【0040】
すなわち、2つの脚部22,23を有する鉄心4Cを用いた参考例のものでは、上記第1および第2実施例で示したように3つの脚部8〜10を備える鉄心4A,4Bを用いるものと比べると、1次コイル5を通る磁束Φの変化率が小さくなるので得られる点火エネルギーが小さくなることは避けられないが、上記第1および第2実施例と同様の効果を参考例でも得ることができる。
【0041】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、永久磁石がロータに取付けられていた従来のものと比べてロータの軽量化を図ることが可能となるとともにロータの回転バランスの調整も容易となり、しかも誘導子をロータに設けることも容易である。またロータの半径方向内方側に対応する部分に比較的大きなスペースを確保し、そのスペースを有効活用することができる。また特にロータの周方向に間隔を等間隔をあけた3つの脚部が鉄心に設けられ、ロータの周方向に沿う両側の脚部に永久磁石がそれぞれ取付けられ、ロータの周方向に沿う中央の脚部に1次コイルおよび2次コイルが巻装され、一方の永久磁石はそれのS極が、また他方の永久磁石はそれのN極がそれぞれロータに対向しているので、ロータの回転に応じて誘導子が3つの脚部のうち中央の脚部を通過する際の磁束変化率が、脚部を2つとしたときに両脚部を誘導子が通過する際の磁束変化率よりも大きく、したがって大きな点火エネルギーを得ることができる。
【0043】
請求項2の発明によれば、永久磁石の鉄心への取付け、固定が容易となる。
【0044】
請求項3の発明によれば、漏れ磁束を小さく抑えることができる。
【0045】
請求項4の発明によれば、誘導子の形成を容易とすることができる。
【0046】
請求項5の発明によれば、成形型等を不要として誘導子を容易に形成できる。
【0047】
請求項6の発明によれば、非磁性材であるアルミニウム合金から成るロータに磁性板を簡単に取付け、固定して誘導子を容易に形成することができる。
【0048】
さらに請求項7の発明によれば、誘導子の形成を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の点火装置の要部構成を示す縦断側面図である。
【図2】 ロータの回転が進んだ状態での図1に対応した縦断側面図でる。
【図3】 点火装置の電気回路の基本的構成例を示す図である。
【図4】 タイミングチャートである。
【図5】 ロータおよび誘導子の第1変形例を示す縦断面図である。
【図6】 ロータおよび誘導子の第2変形例を示す縦断側面図である。
【図7】 ロータおよび誘導子の第3変形例を示す斜視図である。
【図8】 ロータおよび誘導子の第4変形例を示す側面図である。
【図9】 ロータおよび誘導子の第5変形例を示す斜視図である。
【図10】 ロータおよび誘導子の第6変形例を示す斜視図である。
【図11】 第2実施例の図1に対応した縦断側面図である。
【図12】 参考例の図1に対応した縦断側面図である。
【図13】 参考例の図4に対応したタイミングチャートである。
【符号の説明】
1A〜1G・・・ロータ
2A〜2G・・・誘導子
4A〜4C・・・鉄心
5・・・1次コイル
6・・・2次コイル
7A,7B・・・永久磁石
8,9,10,22,23・・・脚部
11・・・切り込み
18・・・点火プラグ
Claims (7)
- エンジン回転に同期して回転するロータ(1A〜1G)と、該ロータ(1A〜1G)の外周に対向して固定配置される鉄心(4A〜4C)と、該鉄心(4A〜4C)に同心に巻装される1次コイル(5)および2次コイル(6)とを備え、前記ロータ(1A〜1F)の回転に同期した点火プラグ(18)での点火が可能なエンジンの点火装置において、
前記鉄心(4A〜4C)には、前記ロータ(1A〜1G)の外周にその周方向に等間隔をあけた位置で対向する3つの脚部(8,9,10)が設けられ、それら3つの脚部(8,9,10)のうち、前記ロータ(1A〜1G)の周方向に沿う両側の脚部(8,10)に永久磁石(7A,7B)がそれぞれ取付けられる一方、前記ロータ(1A〜1G)の周方向に沿う中央の脚部(9)に前記1次コイル(5)および2次コイル(6)が巻装され、一方の永久磁石(7A)はそれのS極が、また他方の永久磁石(7B)はそれのN極がそれぞれ前記ロータ(1A〜1G)に対向しており、そのロータ(1A〜1G)の周方向で相互に隣り合う一対の前記脚部(8,9;9,10)との間で前記永久磁石(7A,7B)によって生じる磁束の磁路を形成する誘導子(2A〜2G)が前記ロータ(1A〜1G)の外周に固設され、前記1次コイル(5)および2次コイル(6)は、前記隣り合う一対の前記脚部(8,9;9,10)を前記誘導子(2A〜2G)が通過する毎に点火プラグ(18)に通電することを可能として前記鉄心(4A〜4C)に巻装されることを特徴とする、エンジンの点火装置。 - 前記永久磁石(7A)が、前記鉄心(4A,4C)に設けられる切り込み(11)内に装着されることを特徴とする、請求項1記載のエンジンの点火装置。
- 前記永久磁石(7B)が、前記鉄心(4B)の前記ロータ(1A〜1G)への対向面に取付けられることを特徴とする、請求項1記載のエンジンの点火装置。
- 前記誘導子(2A〜2D)が、前記ロータ(1A〜1D)の外周面から鉄心(4A〜4C)側に突出されることを特徴とする、請求項1記載のエンジンの点火装置。
- 前記ロータ(1A)の外周面に磁性板を取り付けて前記誘導子(2A)が形成されることを特徴とする、請求項4記載のエンジンの点火装置。
- ダイカスト成形されるアルミニウム合金製の前記ロータ(1E)に、磁性板の一部が埋封されることで前記誘導子(2E)が形成されることを特徴とする、請求項1記載のエンジンの点火装置。
- 前記ロータ(1F,1G)の外周面の一部を内方に窪ませることで前記誘導子(2F,2G)が形成されることを特徴とする、請求項1記載のエンジンの点火装置。
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