JP3965391B2 - 棒状化粧料繰出容器 - Google Patents

Description

本発明は、棒状化粧料繰出容器に関する。

従来、揮発性の棒状化粧料を繰り出すと共に当該棒状化粧料の揮散を防止する棒状化粧料繰出容器が知られている（例えば、特許文献１参照）。この棒状化粧料繰出容器にあっては、円柱形の軸体部の先端に横断面円形の凹部が形成された支持棒を備え、この凹部に棒状化粧料の後端部が嵌合支持されて、この支持棒が、先筒に設けられた横断面円形の進退孔に進退可能に収容され、且つ、支持棒の棒状化粧料より後側に、上記進退孔に圧接し気密に摺動するＯリングが嵌合され、このＯリングによって当該Ｏリングから棒状化粧料側の空間が当該Ｏリングから後端側の空間に対して気密とされると共に、Ｏリングの先筒に対する回転方向の摺動抵抗により先筒と支持棒とが同期回転可能とされ（支持棒の回り止めが構成され）、この先筒の後端側に回転可能に連結される本体筒と先筒とが相対回転されると、支持棒の後端部の外周面に設けられた雄螺子と本体筒の内周面に設けられた雌螺子とにより構成される螺合機構の動作に従い支持棒が進退孔で進退して棒状化粧料が先筒の先端から出没する構成とされている。
特開平９−２８４５７号公報

しかしながら、上記棒状化粧料繰出容器にあっては、容器の例えば落下等により作用する外力によって、棒状化粧料が折損する虞がある。また、円形のＯリングによる摺動抵抗では、先筒と支持棒とを確実に同期回転させることが難しく、その結果、支持棒が進退孔で進退できず、棒状化粧料繰出容器としての機能が果たせない場合がある。

本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、容器の落下等の外力作用による棒状化粧料の折損が防止されると共に棒状化粧料の揮散が良好に防止されこれらにより優れた品質が確保され、且つ、先筒と支持棒とが確実に同期回転され棒状化粧料繰出容器としての機能が十分に発揮される棒状化粧料繰出容器を提供することを目的とする。

本発明による棒状化粧料繰出容器は、周方向に複数離間して配設され横断面円形形状の棒状化粧料の後端部を支持する支持片であってそれぞれが横断面略半円形状に構成され、外周部に雄螺子を有する支持棒と、棒状化粧料の外周面に近接した内周面を有し棒状化粧料を軸線方向に進退可能とする貫通孔、及び、それぞれが支持片の外周面に近接した内周面を有するように貫通孔の周囲の複数箇所に連設され支持片を軸線方向に進退可能とする溝、から成る進退孔を備えた先筒と、先筒の後端側に軸線周りに回転可能に連結され、内周部に雄螺子に螺合する雌螺子を有する本体筒と、支持棒における支持片より後側に対し、軸線周りに同期回転可能且つ軸線方向に移動不能に装着されると共に、進退孔の内周面形状に倣った外周面形状とされることにより当該進退孔に対し圧接して、気密を維持し且つ回り止め機構を構成して支持棒を先筒に対し軸線周りに同期回転可能且つ軸線方向に摺接可能とするパッキンと、を備え、先筒と本体筒の相対回転に伴い、雌螺子及び雄螺子より成る螺合機構と回り止め機構との作用により、支持棒が進退孔内で進退して棒状化粧料が先筒の先端から出没することを特徴としている。

このような棒状化粧料繰出容器によれば、棒状化粧料及び複数の支持片が進退する先筒の進退孔が、棒状化粧料及び支持片に近接する非円形の形状とされている。このため、棒状化粧料の進退孔（貫通孔の溝同士の間の面）に対する隙間が小さくされ、棒状化粧料が撓んで折損する前に進退孔（貫通孔の溝同士の間の面）に支えられ当該棒状化粧料の撓みによる折損が防止される。また、支持棒の支持片より後側に装着されその外形が非円形の進退孔の形状に倣い進退孔に圧接するパッキンによって、当該パッキンから棒状化粧料側の空間が当該パッキンから後端側の空間に対して気密とされ棒状化粧料の揮散が良好に防止されると共に、先筒と支持棒とが確実に同期回転可能とされ先筒と本体筒の相対回転によりパッキンが気密に摺接しながら支持棒が進退孔で良好に進退されて棒状化粧料が先筒の先端から良好に出没される。

ここで、パッキンの内周面と支持棒の外周面は、支持棒が前進限又は後退限に達すると上記相対回転によりパッキンと支持棒とが所定の抵抗感をもって空転する形状に構成されていると、先筒と支持棒との同期回転が解除され無理な回転による破壊が防止されると共に、所定の抵抗感が与えられ前進限又は後退限に達したことが感知される。

また、支持棒は、支持片が配設されている部材とパッキンが装着されている部材とに分割され、且つ、両部材を回転可能に連結して成る構成であると、上記相対回転によりパッキンに作用する回転トルクが支持片に対して遮断され、この支持片に支持される棒状化粧料に対して捩れ力が作用することが防止される。

このように本発明による棒状化粧料繰出容器によれば、容器の落下等の外力作用による棒状化粧料の折損が防止されると共に棒状化粧料の揮散が良好に防止され、これらにより優れた品質が確保され、且つ、先筒と支持棒とが確実に同期回転され棒状化粧料繰出容器としての機能が十分に発揮される棒状化粧料繰出容器を提供することが可能となる。

以下、本発明による棒状化粧料繰出容器の好適な実施形態について図１〜図１３を参照しながら説明する。なお、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図１〜図１１は、本発明の第一実施形態に係る棒状化粧料繰出容器を示す各図であって、図１〜図３は、棒状化粧料繰出容器を示す各図、図４及び図５は、棒状化粧料カートリッジを示す各図、図６〜図９は、支持棒を示す各図、図１０は、先筒及びパッキンを示す図、図１１は、パッキンを示す図であり、本実施形態の棒状化粧料繰出容器は、全体形状が筆記具の如き細長い丸棒状（スティック状）を成し、例えば、アイライナー、アイブロー、リップライナー等を始めとした種々の固形状の棒状化粧料を収容し、使用者が必要に応じて適宜出没可能とする棒状化粧料繰出容器である。

図１に示すように、棒状化粧料繰出容器１は、棒状化粧料Ｍを収容する棒状化粧料カートリッジ３を、点線で図示する収容容器２の先端側（図示左側）に着脱可能に備え、棒状化粧料カートリッジ３を構成する先筒８と収容容器２とを相対回転すると棒状化粧料Ｍが先筒８の先端の開口８ｈから出没する一方で、棒状化粧料カートリッジ３を収容容器２から取り外し、先筒８と棒状化粧料カートリッジ３を構成する本体筒７とを相対回転すると棒状化粧料Ｍが先筒８の先端から出没し当該棒状化粧料カートリッジ３を単独で棒状化粧料繰出容器として使用することも可能なものであり、この棒状化粧料繰出容器１の先端側には、収容容器２から外方に突出する部分を覆い棒状化粧料Ｍの揮散防止を図る（詳しくは後述）キャップ５が着脱可能に装着されている。

図１及び図２に示すように、収容容器２は、有底円筒形状を成し、筒内に棒状化粧料カートリッジ３の後部側を収容する空間が画成されている。この収容容器２には、開口寄りの内周面に、棒状化粧料カートリッジ３を着脱可能に装着するための雌螺子２ｂが形成されると共に、この雌螺子２ｂの後方側近傍に、棒状化粧料カートリッジ３を装着する際に締め付けのフィニッシュ感を与えるためのＯリング（弾性体）３０が設けられている。

棒状化粧料カートリッジ３は、鍔付円筒形状の上記本体筒７と、その後部側が本体筒７に内挿されると共にその先端側が本体筒７の先端から突出する上記先筒８と、これらの先筒８及び本体筒７内に収容されて軸線方向に延在し先端に棒状化粧料Ｍを保持して進退する支持棒９と、を備えている。

本体筒７は、全長の１／４程度先端からの位置の外周面に環状の鍔部７ａと、図１、図２、図４及び図５に示すように、この鍔部７ａより多少後端側の外周面に雄螺子７ｂと、を各々有し、鍔部７ａより後端部側が、収容容器２の内径より小とされて挿入可能とされている。この本体筒７は、鍔部７ａより先端側の外周面に、図１〜図５に示すように、キャップ５を回転不能且つ軸線方向移動可能に連結するための突条７ｅを周方向の四等配の位置に軸線方向に沿って備えると共に、さらにこの突条７ｅより先端側の外周面に、キャップ５を着脱可能に軸線方向に係止するための突部（所謂ダボ）７ｆを周方向の三等配の位置に備えている。

この本体筒７は、図１及び図２に示すように、鍔部７ａより後端部側が収容容器２に内挿され、本体筒７の雄螺子７ｂが収容容器２の雌螺子２ｂに螺合すると共に、鍔部７ａの後端面が収容容器２の先端面に突き当てられた状態で、収容容器２に着脱可能に装着されている。

この本体筒７は、全長の１／３程度先端迄が先筒８の後端部を収容するように大径孔とされると共に、この大径孔から後端面の範囲に亘って小径孔とされ、この小径孔の先端に、支持棒９の進退機構の螺合機構を構成する螺合突起７ｃが形成され、図１、図２及び図５に示すように、大径孔の先端寄りの位置に、先筒８を装着するための環状溝部７ｄが形成されている。

また、本体筒７には、後端面から凹設され螺合突起７ｃの周囲迄延びる環状の凹設溝７ｇが設けられている。この凹設溝７ｇにより、大径孔周囲の肉厚（肉厚小）と小径孔周囲の肉厚の均等化が図られ、大きい肉厚差に起因して生じる虞のある肉ひけ（ボイドを含む）の発生が抑止され、本体筒７の小径孔及び螺合突起７ｃが高精度に樹脂成形される。

先筒８は、本体筒７の先端から突出する先端側の摘み部としての大径部と、この大径部の後端に外周段差面を介し外周面が小径とされて連続する小径部と、を備える段付円筒形状とされている。大径部は、先端に向けて次第に外径が細くなる先細り形状とされ、小径部は、本体筒７の内径より小とされて挿入可能とされていると共に外周段差面寄りの外周面に環状突部８ａを備えている。

この先筒８は、小径部が本体筒７に内挿され、外周段差面が本体筒７の先端面に突き当てられ、環状突部８ａが、本体筒７の環状溝部７ｄに係合されることで、本体筒７に相対回転自在且つ軸線方向移動不能に装着されている。

すなわち、本体筒７と先筒８とは相対回転自在に連結され、本体筒７と収容容器２とは螺合により一体化され、従って、先筒８と収容容器２とは本体筒７を介して相対回転自在に連結される一方で、本体筒７と収容容器２との螺合は収容容器２と本体筒７とが相対回転されることで解除される。

先筒８には、図１〜図３及び図５に示すように、先端から後端迄貫通し棒状化粧料Ｍの進退を可能とする貫通孔８ｂが設けられていると共に、この貫通孔８ｂの周囲の複数箇所に、先端近傍から後端に亘って、後述の支持片９ｃを進退可能とする溝８ｃが連設され、これらの貫通孔８ｂ及び溝８ｃにより進退孔８ｄが構成されている（詳しくは後述）。

先筒８及び本体筒７に収容される支持棒９は、図１、図２及び図７に示すように、先筒８に収容される支持部９ａと、主に本体筒７に収容される軸体部９ｂと、を備えている。

支持部９ａは、棒状化粧料Ｍの後端部を支持して進退孔８ｄを進退するもので、図１〜図３、図５〜図７に示すように、棒状化粧料Ｍの後端面が突き当てられる基部９ｄと、この棒状化粧料Ｍの後端部を支持する複数（本実施形態では四個）の支持片９ｃと、を備え、弾性を有する例えば樹脂等の一体成形品とされている。

基部９ｄは、図１、図２、図５〜図７に示すように、短尺の円柱状を成し、円柱形状の棒状化粧料Ｍに略合致する形状に構成され、その後部に、図７に示すように、軸体部９ｂの先端の連結部９ｍを挿入可能とする凹部９ｅを備え、この凹部９ｅの内周面には、軸体部９ｂの連結部９ｍを回転自在に装着するための環状溝部９ｆが設けられている。

支持片９ｃは、図３、図６及び図７に示すように、基部９ｄの外周面の周方向の四等配の位置（９０°間隔）に、先筒８の先端側に向かって突出するように設けられている。この支持片９ｃは、図３に示すように、薄肉の略半円柱状に構成されると共に内周面が棒状化粧料Ｍを支持可能な円弧面にされ、これら四個の支持片９ｃ，９ｃ同士の間に、図１及び図２に示すように、棒状化粧料Ｍの後端部が嵌め込まれて保持されている。

なお、支持片９ｃの各々の内面には、図３に示すように、軸線方向に延びる突条９ｇが設けられている。この突条９ｇは、棒状化粧料Ｍとの接触面積を増大し摩擦抵抗を増大すると共に棒状化粧料Ｍの回転を阻止し、当該棒状化粧料Ｍを確実に支持するためのものである。

この棒状化粧料Ｍ及び支持片９ｃを収容すると共に当該棒状化粧料Ｍ及び支持片９ｃが進退する前述の先筒８の進退孔８ｄは、棒状化粧料Ｍ及び支持片９ｃに近接する非円形の形状とされ、貫通孔８ｂと溝８ｃとの繋部がＲ面状に繋がる曲線状に構成されている。この進退孔８ｄでは、棒状化粧料Ｍと進退孔８ｄ（貫通孔８ｂの溝８ｃ，８ｃ同士の間の面）との隙間が小さくされていると共に、支持片９ｃと進退孔８ｄ（溝８ｃ）との隙間が小さくされている。なお、進退孔８ｄは、図２に示すように、その先端面が、支持棒９の先端面の突き当たる支持棒９の前進限とされている。

また、支持棒９を構成する軸体部９ｂは、図１、図２、図７及び図８に示すように、連結部９ｍより所定長後方側へ離間した位置に鍔部９ｎを備えると共に、図１、図２、図５〜図８に示すように、この鍔部９ｎから後端に亘って、螺合機構を構成する螺旋溝９ｉを備えている。連結部９ｂの外周面には、図７及び図８に示すように、環状突部９ｊが形成されている。

軸体部９ｂの連結部９ｍと鍔部９ｎとの間はパッキン装着部とされ、このパッキン装着部には、図７〜図９に示すように、その外周面の周方向の四等配の位置（９０°間隔）に、パッキン１０を装着するための突条９ｋが軸線方向に延びるように設けられている。

パッキン１０は、図１０及び図１１に示すように、その中心に軸線方向に貫通する横断面歯車形状の貫通孔１０ａを備え、その外形が、上記進退孔８ｄの非円形の形状に倣い、特に軸線方向中央部の外形が、進退孔８ｄの非円形の形状に倣うと共に進退孔８ｄの外形より多少大きくされ、摺接部１０ｂとされている。

このように構成されたパッキン１０は、図５〜図７に示すように、軸体部９ｂの連結部９ｍ側からパッキン装着部に外挿され、パッキン１０の歯車形状を構成する複数の溝部１０ｃ（本実施形態では８個の溝部）に軸体部９ｂの突条９ｋが進入し係合され、パッキン１０の後端面が軸体部９ｂの鍔部９ｎに突き当てられることで、軸体部９ｂのパッキン装着部に同期回転可能（相対回転不能）に連結される。このパッキン１０の歯車形状を構成する溝部１０ｃと軸体部９ｂの突条９ｋとは、所定以上の回転力が作用すると、突条９ｋが相手側の突条を乗り越えその係合が解除されるように構成されている。

このような構成の軸体部９ｂ（パッキン１０が装着されている部材）は、図７に示すように、その連結部９ｍが、基部９ｄの凹部９ｅに内挿され、連結部９ｍの環状突部９ｊが、凹部９ｅの環状溝部９ｆに係合することで、支持部９ａ（支持片９ｃが配設されている部材）に対して回転自在に装着されると共に、パッキン１０がパッキン装着部に軸線方向移動不能に装着され図６及び図７に示す支持棒９が得られる。

この支持棒９は、図１に示すように、その支持片９ｃが、先筒８の溝８ｃに進入するようにして進退孔８ｄに内挿され、一方、その軸体部９ｂが本体筒７の小径孔に内挿され軸体部９ｂの螺旋溝９ｉと本体筒７の螺合突起７ｃとが螺合状態とされている。

この状態で、パッキン１０の非円形の摺接部１０ｂは、非円形の進退孔８ｄの外形より多少大きくされているため、非円形の進退孔８ｄと同期回転可能（相対回転不能）とされて進退機構の同期回転機構（回り止め機構）を構成すると共に、進退孔８ｄに圧接し、当該パッキン１０より先端側の空間が当該パッキン１０より後端側の空間に対して気密とされる。

また、キャップ５は、例えば合成樹脂等の可撓性材で形成されて、図１に示すように、有底筒状を成し、底部内面に、開放端側に突出する気密部としての環状の弾性突部５ａと、図１及び図３に示すように、開放端側の内周面に沿って配設され軸線方向に所定長延びる多数の凹凸部５ｂと、図１に示すように、この凹凸部５ｂより底部側の内周面に環状溝部５ｃと、を備えている。このキャップ５は、本体筒７の収容容器２から突出している部分に外挿され、開放端面が本体筒７の鍔部７ａの先端面に突き当てられ、図３に示すように、キャップ５の凹凸部５ｂに本体筒７の突条７ｅが進入し係合されることで、当該キャップ５が本体筒７に相対回転不能に連結されると共に、図１に示すように、キャップ５の環状溝部５ｃに本体筒７の突部７ｆが係合されることで、当該キャップ５が本体筒７に着脱可能に装着され、この状態で、先筒８の先端部外周面がキャップ５の弾性突部５ａの先端部内周面に圧接し、キャップ５の弾性突部５ａと上記パッキン１０との間の空間が気密とされる。

このような棒状化粧料繰出容器１にあっては、キャップ５を、キャップ５の環状溝部５ｃと本体筒７の突部７ｆとの係合が外れるように本体筒７から抜脱した状態で、先筒８と収容容器２とを相対回転すると、支持棒９の螺旋溝９ｉ及び本体筒７の螺合突起７ｃより構成される螺合機構と、支持棒９のパッキン１０の摺接部１０ｂ及び先筒８の進退孔８ｄより構成される同期回転機構との作用により、パッキン１０の摺接部１０ｂが進退孔８ｄに気密に摺接しながら棒状化粧料Ｍ及び支持棒９が進退孔８ｄを良好に進退し、棒状化粧料Ｍが先筒８の先端から良好に出没される。このため、棒状化粧料繰出容器１としての機能が十分発揮される。

この時、支持棒９のパッキン１０が装着されている軸体部９ｂと支持片９ｃが配設されている支持部９ａとは、連結部９ｍを介して回転可能に連結されているため、上記相対回転によりパッキン１０に作用する回転トルクが支持片９に対して遮断され、この支持片９に支持される棒状化粧料Ｍに対して捩れ力が作用することが防止され、棒状化粧料Ｍの破損が防止される。

そして、支持棒９が前進限／後退限に達し、さらに相対回転を継続すると、パッキン１０の溝部１０ｃと軸体部９ｂの突条９ｋには上記所定以上の回転力が作用し、突条９ｋが相手側の突条を乗り越えてその係合が解除されて空転し、先筒８と支持棒９との同期回転が解除される。このため、無理な回転による破壊が防止されると共に、突条９ｋが相手側の突条を乗り越えることから所定の抵抗感が与えられ前進限又は後退限に達したことが感知される。

ここで、棒状化粧料カートリッジ３を収容容器２から取り出して使用したい場合、また、消耗等により棒状化粧料Ｍを交換する必要が生じ棒状化粧料カートリッジ３を収容容器２から取り出す場合には、キャップ５を本体筒７に装着した状態で、キャップ５と収容容器２とを相対回転する。すると、キャップ５と本体筒７とは、キャップ５の凹凸部５ｂと本体筒７の突条７ｅとが係合し回転不能に連結されているため、本体筒７の雄螺子７ｂと収容容器２の雌螺子２ｂとの螺合が解除される。このように螺合が解除されたら、キャップ５と共に棒状化粧料カートリッジ３を収容容器２から抜脱してキャップ５を外し、先筒８と本体筒７とを相対回転する。すると、棒状化粧料カートリッジ３を収容容器２に装着している場合と同様に、棒状化粧料Ｍ及び支持棒９が進退孔８ｄを進退し、棒状化粧料Ｍは先筒８の先端から出没される。このように、棒状化粧料カートリッジ３を単独で棒状化粧料繰出容器として使用することも可能とされている。なお、棒状化粧料カートリッジ３を収容容器２に装着する場合には、上記と逆の操作をすれば良い。

また、棒状化粧料繰出容器１又は棒状化粧料カートリッジ３に、落下等による外力が作用した場合にあっては、棒状化粧料Ｍの進退孔８ｄ（貫通孔８ｂの溝８ｃ，８ｃ同士の間の面）に対する隙間が小さくされているため、棒状化粧料Ｍが撓んで折損する前に進退孔８ｄ（貫通孔８ｂの溝８ｃ，８ｃ同士の間の面）に支えられ当該棒状化粧料Ｍの撓みによる折損が防止され、優れた品質が確保されている。

また、パッキン１０から先端側の空間が、当該パッキン１０により当該パッキン１０から後端側の空間に対して気密とされると共に、キャップ５の装着時には、キャップ５の弾性突部５ａとパッキン１０との間の空間が、キャップ５及びパッキン１０により気密とされるため、揮発性の棒状化粧料Ｍの揮散が良好に防止され、優れた品質が確保されている。

図１２は、本発明の第二実施形態に係る棒状化粧料繰出容器を示す横断面図であり、図１のIII−III矢視図に対応する図、図１３は、本発明の第三実施形態に係る棒状化粧料繰出容器を示す横断面図であり、図１のIII−III矢視図に対応する図である。

これらの実施形態が第一実施形態と違う点は、第二実施形態では支持片９ｃを３個、第三実施形態では支持片９ｃを２個とした点である。

これらの実施形態にあっても、支持片９ｃを備える支持棒１９，２９は、第一実施形態と同様に、支持片９ｃを周方向の等配位置に備えている。一方、棒状化粧料Ｍが進退する貫通孔に支持片９ｃが進退する溝を連設して成ると共に棒状化粧料Ｍ及び支持片９ｃに近接する進退孔１８ｄ，２８ｄは、支持棒１９，２９の外形の変更に伴って、第二実施形態では、角部がＲの略三角形横断面の非円形の形状とされ、第三実施形態では、略楕円横断面の非円形の形状とされている。また、進退孔１８ｄ，２８ｄに倣うと共に圧接するパッキン２０，３０は、角部がＲの略三角形形状、略楕円形状とされている。

このような第二実施形態、第三実施形態にあっても、第一実施形態と同様な作用・効果を奏するというのはいうまでもない。

なお、支持片９ｃを５個以上とする場合も、上記実施形態と同様にして、支持片９ｃの配置、進退孔及びパッキンの形状を変更すれば良い。

因みに、上記実施形態においては、円形の棒状化粧料Ｍを対象としている。

以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態の螺旋溝、螺合突起、雌螺子、雄螺子は、これらと同様な機能を有する螺子状のものであれば良い。

また、本発明は、例えば実公昭５９−１７２１０号公報に記載のような、先筒と、この先筒の後端側に回転可能に連結される（実際には中筒を介して回転可能に連結される）本体筒と、を備え、先筒には、棒状化粧料を支持する支持片を収容すると共に支持片を進退可能とする進退孔が設けられ、本体筒には、その内周側に軸線方向に延在する雌螺子が設けられると共に、支持片を備える支持棒のその後側に配設される押棒が収容され、この押棒の後端部に設けられた突部が、本体筒の内周側の雌螺子に螺合して螺合機構を構成し、先筒と本体筒とを相対回転すると、螺合機構の動作に従い押棒が進退し、前進する押棒に支持棒が押されて棒状化粧料が先筒の先端から突出する一方で、先筒と本体筒とを逆方向に相対回転すると、螺合機構の動作に従い押棒が後退し支持棒に係止された戻しバネの作用で当該支持棒が先筒内の元の位置迄引き戻されて棒状化粧料が先筒の先端から没入し、加えて、先筒を本体筒から抜脱すると、戻しバネの作用で支持棒が先筒内の元の位置迄引き戻されて棒状化粧料が先筒の先端から没入する構成の棒状化粧料繰出容器に対しても適用可能であり、さらにまた、例えば特公平３−７１１２１号公報に記載のような、後半部にスリットパイプを備える先筒と、先筒のスリットパイプ部分を収容し当該先筒に回転可能に連結される本体筒と、を備え、先筒には、棒状化粧料を支持する支持片を収容すると共に支持片を進退可能とする進退孔が設けられ、支持片を備える支持棒の後端部に設けられた突部が、スリットパイプのスリットを通して外方に突出し、この突部が、本体筒の内周側に形成され軸線方向に延在する雌螺子や螺旋溝等の螺子部に螺合して螺合機構を構成し、先筒と本体筒とを相対回転すると、螺合機構の動作に従い支持棒が進退し棒状化粧料が先筒の先端から出没する構成の棒状化粧料繰出容器に対しても適用可能であり、これらの何れの場合であっても、支持片、進退孔及びパッキンを上記実施形態と同様にして設ければ良く、要は、支持棒の進退機構としては種々のものが採用可能である。

本発明の第一実施形態に係る棒状化粧料繰出容器を示す縦断面図である。 図１に示す棒状化粧料繰出容器のキャップを外した縦断面図であり、棒状化粧料が前進限に達した状態図である。 図１のIII−III矢視図である。 図１及び図２中の棒状化粧料カートリッジを示す斜視図である。 図４に示す棒状化粧料カートリッジの部分破断斜視図である。 図５中の支持棒を示す斜視図である。 図６に示す支持棒の部分破断斜視図である。 図６に示す支持棒の軸体部の側面図である。 図８のIX−IX矢視図である。 図２中の先筒とパッキンの分解斜視図である。 図１０中のパッキンの正面図である。 本発明の第二実施形態に係る棒状化粧料繰出容器を示す横断面図であり、図１のIII−III矢視図に対応する図である。 本発明の第三実施形態に係る棒状化粧料繰出容器を示す横断面図であり、図１のIII−III矢視図に対応する図である。

符号の説明

１…棒状化粧料繰出容器、２…収容容器、３…棒状化粧料カートリッジ、７…本体筒、８…先筒、８ｂ…貫通孔、８ｃ…溝、８ｄ，１８ｄ，２８ｄ…進退孔、８ｈ…先筒の開口、９，１９，２９…支持棒、９ａ…支持部（支持片が配設されている部材）、９ｂ…軸体部（パッキンが装着されている部材）、９ｍ…連結部、９ｃ…支持片、９ｋ…支持棒の突条（支持棒の外周面）、１０，２０，３０…パッキン、１０ａ…パッキンの貫通孔（パッキンの内周面）、１０ｂ…パッキンの摺接部、Ｍ…棒状化粧料。

Claims (3)

1. 周方向に複数離間して配設され横断面円形形状の棒状化粧料の後端部を支持する支持片であってそれぞれが横断面略半円形状に構成され、外周部に雄螺子を有する支持棒と、
   前記棒状化粧料の外周面に近接した内周面を有し前記棒状化粧料を軸線方向に進退可能とする貫通孔、及び、それぞれが前記支持片の外周面に近接した内周面を有するように前記貫通孔の周囲の複数箇所に連設され前記支持片を軸線方向に進退可能とする溝、から成る進退孔を備えた先筒と、
   前記先筒の後端側に軸線周りに回転可能に連結され、内周部に前記雄螺子に螺合する雌螺子を有する本体筒と、
   前記支持棒における前記支持片より後側に対し、軸線周りに同期回転可能且つ軸線方向に移動不能に装着されると共に、前記進退孔の内周面形状に倣った外周面形状とされることにより当該進退孔に対し圧接して、気密を維持し且つ回り止め機構を構成して前記支持棒を前記先筒に対し軸線周りに同期回転可能且つ軸線方向に摺接可能とするパッキンと、を備え、
   前記先筒と前記本体筒の相対回転に伴い、前記雌螺子及び前記雄螺子より成る螺合機構と前記回り止め機構との作用により、前記支持棒が前記進退孔内で進退して前記棒状化粧料が前記先筒の先端から出没することを特徴とする棒状化粧料繰出容器。
   
2. 前記パッキンの内周面と前記支持棒の外周面は、前記支持棒が前進限又は後退限に達すると前記相対回転により前記パッキンと前記支持棒とが所定の抵抗感をもって空転する形状に構成されていることを特徴とする請求項１記載の棒状化粧料繰出容器。
3. 前記支持棒は、前記支持片が配設されている部材と前記パッキンが装着されている部材とに分割され、且つ、両部材を回転可能に連結して成ることを特徴とする請求項１又は２記載の棒状化粧料繰出容器。

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