JP3964197B2 - 車輌用洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な車輌用洗浄装置に関する。詳しくは、バンパーに取り付けられて洗浄液の噴射時には噴射ノズルがバンパーに設けた開口部から突出する車輌用洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌用洗浄装置にヘッドランプの前面カバーの洗浄を行うヘッドランプクリーナーがある。
【0003】
上記した車輌用洗浄装置は、バンパーに取り付けられて使用され、洗浄液を噴射するときには噴射ノズルがバンパーに設けられた開口部から突出するようにされている。そして、不使用時、すなわち、噴射ノズルから洗浄液を噴射する必要のない時には、噴射ノズルはバンパーの内側に引き込まれる。
【0004】
そして、不使用時に、噴射ノズルがバンパーの内側に引き込まれただけであると、バンパーの開口部が開口したままになり、見栄えが悪いばかりでなく、該開口部から異物が飛び込んで噴射ノズルに衝突したりして噴射ノズルを損傷する等の不都合がある。
【0005】
そこで、不使用時にバンパーの開口部を覆うカバーが設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の車輌用洗浄装置にあっては、バンパーの開口部を覆うカバーはバンパーの外側面に当接され、カバーの厚み分だけバンパーの外側面から突出した状態となってしまう。
【0007】
カバーがバンパーの外側面から突出してしまうことは、バンパーの見栄えを損ねるばかりでなく、車体洗浄時に洗浄用作業部材がカバーに引っ掛かったりして、カバー体を損傷したりする惧もあり、好ましくない。
【0008】
そこで、本発明は、カバー体がバンパーの外側面から突出することがないようにすることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明車輌用洗浄装置は、上記した課題を解決するために、稼働時に洗浄液を噴射する噴射ノズルと、移動自在に保持されると共に上記噴射ノズルを保持したノズルホルダと、上記ノズルホルダを移動させる駆動装置とを備えた車輌用洗浄装置において、上記駆動装置がブラケットを介して開口部を有するバンパーに取り付けられ、上記ノズルホルダの移動に伴って上記バンパーの開口部を開閉するカバー体が設けられ、上記カバー体は上記ブラケットに上記ノズルホルダの移動方向に移動可能に支持されると共に、カバー体が上記開口部を閉塞した閉塞状態において、カバー体又はカバー体と一体に固定された部材にブラケットの一部が当接すると、カバー体の外面とバンパーの外面とがほぼ同一の面内に位置するようにし、カバー体をバンパーの開口部を閉塞する方向に弾発的に付勢する弾発付勢手段が、カバー体とブラケットとの間に設けられ、稼働時にはカバー体がノズルホルダに押されてバンパーの開口部を開放する位置へと移動されるようにしたものである。
【0010】
従って、本発明車輌用洗浄装置にあっては、閉塞状態において、カバー体又はカバー体と一体に固定された部材にブラケットの一部が当接すると、カバー体の外面とバンパーの外面とがほぼ同一面上に位置するので、カバーが目立たず、バンパーの見栄えが損なわれることがなく、また、異物がカバーに引っ掛かることもない。そして、カバー体をバンパーの開口部を閉塞する方向に弾発的に付勢する弾発付勢手段がカバー体とブラケットとの間に設けられ、稼働時にはカバー体がノズルホルダに押されてバンパーの開口部を開放する位置へと移動されるようにしたので、非稼働時にはカバー体が確実に閉塞位置に移動する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明車輌用洗浄装置の実施の形態を、本発明の基本的構成例とともに、添付図面を参照して説明する。なお、図示した本発明の基本的構成例と実施の形態は、自動車用のヘッドランプの前面カバーの洗浄を行うヘッドランプクリーナーに適用したものである。
【0012】
図1乃至図3に従ってヘッドランプクリーナーの基本的構成例について説明する。
【0013】
先ず、ヘッドランプクリーナーの概要を説明する。
【0014】
ヘッドランプクリーナー1は外殻筒体2を有する。外殻筒体2は3つの筒体が互いに摺動自在に嵌合されて全体として伸縮可能にされている。
【0015】
基端側の筒体、すなわち、外殻筒体2を構成する筒体のうち最も外側に位置する筒体3(以下、「ベース筒体」という。)が最も太く、且つ、車体に固定されるシリンダとなる。ベース筒体3の基端部の外周面には周方向に等間隔に間をあけて4個の係合突起4、4、・・・が突設されている。さらに、ベース筒体3の先端部の外周面にも周方向に間隔をあけて複数の係合突起5、5、・・・が突設されている。そして、係合突起4、4、・・・の外側面の後端部4a、4a、・・・は後方に行くに従ってベース筒体3の中心方向に変位する傾斜面にされ、係合突起5、5、・・・の外側面の前端部5a、5a、・・・は前方に行くに従ってベース筒体3の中心方向に変位する傾斜面にされている(図1、図2参照)。
【0016】
また、ベース筒体3の外周面のうち上記先端寄りの係合突起5、5、・・・からやや後方に離間した位置に全周に亘って延びるフランジ6が突設されている。さらに、ベース筒体3の外周面のうち前後方向における中間部から僅かに後方に寄った位置に取付片7が突設され、該取付片7にはネジ挿通孔7aが形成されている(図1参照)。
【0017】
中間の筒体8は上記ベース筒体3よりやや細い筒状を為し、ベース筒体3内に摺動自在に内嵌されており、これを第1のピストンという。先端の筒体9は上記第1のピストン8よりやや細い筒状を為し、第1のピストン8内に摺動自在に内嵌されており、これを第2のピストンという(図1参照)。
【0018】
10はバックキャップであり、短い円筒状を為し基端が閉塞された主部11と、該主部11の開口縁に連設され主部11より大きな径を有し短い円筒状をした連結部12と主部11の側面から突出した連結管部13とが一体に形成されて成り、連結部12の側壁部には周方向に等間隔に間をおいて4個の係合孔12a、12a、・・・が形成され、また、主部11の底部内面の中央にはバネ掛け部14が形成されている(図1、図2参照)。
【0019】
15はゴム、合成ゴム等の弾性材料で形成されたブーツであり、蛇腹状の円筒状をした主部15aの基端には外方へ突出したフランジ15bが形成され、また、主部15aの先端には外方へ突出したフランジ15cが形成されている(図1参照)。
【0020】
上記バックキャップ10の連結部12がベース筒体3の基端部に外嵌され、ベース筒体3の係合突起4、4、・・・がバックキャップ10の係合孔12a、12a、・・・に係合され、これによって、バックキャップ10がベース筒体3の基端を覆うように結合される(図2参照)。また、このとき、ベース筒体3とバックキャップ10との間に上記ブーツ15の基端側のフランジ15bが挟持される(図1参照)。
【0021】
第2のピストン9の先端部にはトップキャップ16が取り付けられる。そして、該トップキャップ16と第2のピストン9との間に上記ブーツ15の先端側のフランジ15cが挟持される。また、該トップキャップ16にはバネ掛け部16aが形成されている(図1参照)。
【0022】
引張コイルバネ17の両端に形成されたフック部17a、17bがそれぞれバックキャップ10のバネ掛け部14とトップキャップ16のバネ掛け部16aに各別に係止される(図1参照)。
【0023】
引張コイルバネ17が以上のように2つのバネ掛け部14、16a間に張設されると、引張コイルバネ17の収縮力により各ピストン8、9はベース筒体3内に収納されるように引っ張られ、非稼働時には、図1及び図2に示すように、2つのピストン8、9がベース筒体3内に収納された状態となっている。
【0024】
第2のピストン9の先端部にチェックバルブ部18が設けられる(図1参照)。
【0025】
チェックバルブ部18内には所要のバルブ要素が配置されてチェックバルブ19が構成され、該チェックバルブ19はチェックバルブ部18の基端側での液圧が所定の値以上となったときに開いてチェックバルブ部18の基端から先端までの通路が開通するものであればどのようなものでも良い。例えば、特願平6−24942号や特願平6−216796号に記載された閉止弁のようなものを採用することができる。その特徴を述べれば、チェックバルブ19はチェックバルブ部18の基端から先端までの液通路を途中で仕切る弾性材料から成るダイヤフラム20を有し、該ダイヤフラム20を閉塞位置に保持する圧縮コイルバネ状の閉塞バネ21が配置されている(図1参照)。しかして、チェックバルブ部18の基端側での液圧が所定の値以上になると、閉塞バネ21が圧縮され、ダイヤフラム20が変形して該ダイヤフラム20によって閉止されていた通路が開通する。
【0026】
チェックバルブ部18の先端部にノズルホルダ22が取着される(図1参照)。
【0027】
ノズルホルダ22は連結管23の先端に収納部24が一体に形成されて成り、収納部24はほぼ一端が閉塞した円筒状をしており、軸方向が上記連結管23の軸方向と交差する向きで閉塞端側が連結管23の先端に連結され、連結管23の中心孔と収納部24の内部空間とが連通される。そして、上記収納部24内には噴射ノズル25が傾動可能に内嵌されている。そして、連結管23が上記チェックバルブ部18の先端部に内嵌状に固定され、これによって、ノズルホルダ22はチェックバルブ19を介して外殻筒体2の内部と連通される(図1参照)。
【0028】
ノズルホルダ22にはカバー体26が一体的に設けられる。カバー体26はほぼ板状をしていて、後面からステー26a、26aが突設され、該ステー26a、26aの後端がノズルホルダ22にネジ止め等の適宜手段によって固定されている。また、ノズルホルダ22には被ガイド翼片27、27が側方へ一体に突設されている(図2、図3参照)。
【0029】
上記ベース筒体3の先端部にはダストカバー28が取着される。ダストカバー28はゴム、合成ゴム等の弾性を有する材料で形成され、シリンダ3の先端部の外径とほぼ等しい内径を有する筒状に形成され、複数の係合孔28a、28a、・・・が周方向に間隔を置いて形成されている(図1、図2参照)。
【0030】
また、ダストカバー28の外周面の後端にはオーリング状の突条29が一体に突設され、さらに、外周面の先端近くにも全周に亘って突条30が形成されている(図1、図2参照)。
【0031】
そして、上記ダストカバー28はベース筒体3の先端部に外嵌され、ベース筒体3の先端部外面に形成された係合突起5、5、・・・がダストカバー28の係合孔28a、28a、・・・に係合されて、ベース筒体3の先端部に取着され、ダストカバー28の後端はベース筒体3の先端部に形成されたフランジ6の前面に接した状態となる。そして、ベース筒体3の係合突起5、5、・・・はその大部分がダストカバー28の外側面から突出された状態とされる(図2参照)。
【0032】
しかして、ベース筒体3が車体に支持され、バンパー31に形成された挿通孔32からノズルホルダ22が出入りするようにされる。上記挿通孔32はほぼ矩形を為す。そして、上記挿通孔32の内側開口縁が切り欠かれて、切欠凹部32aが形成される。なお、上記挿通孔32の外側開口縁の大きさは上記カバー体26の大きさと等しく、すなわち、挿通孔32にカバー体26がぴったりと内嵌されるようにされている。
【0033】
ベース筒体3のバンパー31への支持には取付用のブラケット33が使用される(図2、図3参照)。
【0034】
ブラケット33はほぼ円筒状をした支持筒34と該支持筒34から前方へ突出されたほぼ矩形筒状を為す固定接触端部35とこれら支持筒34及び固定接触端部35の側面部から側方へ突出された取付片36、36とが一体に形成されて成る。なお、上記取付片36、36にはネジ挿通孔36a、36aが形成されている(図3参照)。
【0035】
支持筒34は前半の小径部37と後半の大径部38とから成り、内面の2つの部分の境界部には後方を向いた段差面39が形成されている。また、小径部37には周方向に間隔をあけて複数の係合孔37a、37a、・・・が形成されている(図2、図3参照)。
【0036】
固定接触端部35の前端部はバンパー31に形成した挿通孔32の外側開口縁より一回り大きい矩形をしており、該前端部がバンパー31の挿通孔32の内側開口縁部に形成された切欠凹部32aに嵌合されるようになっている。そして、固定接触端部35の側面部には前後方向に延び前端に達する案内スリット40、40が形成されている。
【0037】
上記ブラケット33は外殻筒体2のベース筒体3の前端部に外嵌状に固定される。ベース筒体3の前端部にダストカバー28を外嵌した状態で、ブラケット33の支持筒34をベース筒体3の前端部にダストカバー28の上から外嵌する。これによって、ベース筒体3の前端部の係合突起5、5、・・・がブラケット33の係合孔37a、37a、・・・に係合し、これによって、ブラケット33とベース筒体3とが結合される(図2、図3参照)。また、ブラケット33とベース筒体3とが結合されると、ダストカバー28のオーリング状突条29はブラケット33の段差面39とベース筒体3のフランジ6との間で圧縮され、また、ダストカバー28の突条30がブラケット33の支持筒34の内面に圧接される。これによって、ブラケット33とベース筒体3との結合状態が安定する。
【0038】
以上のようにして、ブラケット33がシリンダ3の先端部に結合されると、ノズルホルダ22の被ガイド翼片27、27はブラケット33の案内スリット40、40に摺動自在に係合される(図2、図3参照)。
【0039】
ヘッドランプクリーナー1の先端部はブラケット33を介してバンパー31に以下のようにして支持される。
【0040】
まず、ブラケット33の固定接触端部35の先端をバンパー31の裏面の挿通孔32の開口縁部に形成された切欠凹部32aに嵌合する。これによって、固定接触端部35の先端がバンパー31の挿通孔32に対して位置決めされる。そこで、取付片36、36のネジ挿通孔36a、36aを挿通した取付ネジ41、41によってバンパー31に固定する。例えば、板金材料をU字状に折り曲げて形成したスピードナット42、42をバンパー31の端縁に形成した切欠(長孔でも良い)31a、31aに位置合わせした状態で上記端縁に挟み込み、取付片36、36のネジ挿通孔36a、36aを挿通させた取付ネジ41、41を上記スピードナット42、42に螺合し、これによって、ブラケット33をバンパー31に固定する(図3参照)。このようにして、上記シリンダ3の先端部がブラケット33を介してバンパー31に支持され、また、シリンダ3に設けた取付片7が図示しない取付ネジによって車体に固定され、これらによって、シリンダ3が車体に固定される。
【0041】
以上のようにして、ヘッドランプクリーナー1はバンパー31の取付孔32に対してピストン9の先端や噴射ノズル25が位置決めされた状態で車体に固定される。
【0042】
なお、ベース筒体3の基端部に設けられた連結管部12は図示しないモータポンプと連結され、稼働時にモーターポンプによって洗浄液が該連結管部12を介してベース筒体3内に供給されるようになっている。
【0043】
そして、非稼働状態、すなわち、洗浄水の噴射をしていないときは、第1及び第2のピストン8、9はシリンダ3内に引込まれていて、ノズルホルダ22はバンパー31の裏側に引っ込んだ状態となっており、従って、カバー体26は閉塞位置に位置していて、バンパー31の挿通孔32を閉塞した状態となっている(図2、図3の実線参照)。そして、この閉塞位置にある状態においてカバー体26は挿通孔32内に内嵌された状態でその外面がバンパー31の外面とほぼ同一の面内に位置し、形状的に目立たないようになっている。従って、カバー体26の外面をバンパー31の外面とほぼ同じ色彩にしておけば、非稼働時には当該箇所に何も存在しないバンパーのように見えて、稼働時に突如として噴射ノズル22が突出してくるように見え、見る者に意外感を与えることができる。
【0044】
そして、稼働状態では、モーターポンプによって洗浄液が該連結管部12を介してベース筒体3内に供給され、その液圧が高まってくると、該液圧によって引張コイルバネ17が伸張されて第1及び第2のピストン8、9がベース筒体3から突出していく。これによって、ピストン8、9が伸張し、噴射ノズル25が図示しないヘッドランプの前面カバーを洗浄するに適した位置に達することができる。そして、ノズルホルダ22がバンパー31の挿通孔32を通ってバンパー31の外側へ突出するに従って、カバー体26もノズルホルダ22と共に移動し、図2及び図3に2点鎖線で示す開放位置へと移動する。
【0045】
洗浄水の噴射が終了して、シリンダ3内の液圧が低下すると、引張コイルバネ17の引張力によって、第1及び第2のピストン8、9がシリンダ3内に引込まれ、ノズルホルダ22はバンパー31の挿通孔32からバンパー31の内側に引込まれる。これと共に、カバー体26は図2及び図3に実線で示す閉塞位置へと移動されて、バンパー31の挿通孔32を閉塞する。
【0046】
そして、上記したヘッドランプクリーナー1にあっては、ノズルホルダ22の移動、従って、カバー体26の移動に際しては、ノズルホルダ22に設けられた被ガイド翼片27、27がブラケット33に設けられた案内スリット40、40によって案内されるので、ノズルホルダ22及びカバー体26のバンパー31の挿通孔32に対する位置が不安定になることが無く、確実に開閉の動作が行われる。
【0047】
図4及び図5は本発明車輌用洗浄装置の実施の形態1Aを示すものである。この実施の形態も自動車用のヘッドランプクリーナーに適用したものであり、本発明の基本的構成例と比較してブラケットが異なっており、他の部分は本発明の基本的構成例と同じである。従って、この実施の形態に関しては、本発明の基本的構成例におけると同様の部分については本発明の基本的構成例における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して、詳細な図示及び説明を省略する。
【0048】
ブラケット43はほぼ円筒状をした支持筒44と該支持筒44から前方へ突出されたほぼ矩形筒状を為す固定接触端部45とこれら支持筒44及び固定接触端部45の側面部から側方へ突出された取付片46、46とが一体に形成されて成る。なお、上記取付片46、46にはネジ挿通孔46a、46aが形成されている(図4、図5参照)。
【0049】
支持筒44は前半の小径部47と後半の大径部48とから成り、内面の2つの部分の境界部には後方を向いた段差面49が形成されている。また、小径部47には周方向に間隔をあけて複数の係合孔47a、47a、・・・が形成されている(図4、図5参照)。
【0050】
固定接触端部45の前端部はバンパー31に形成した矩形を為す挿通孔50の形状にほぼ等しい形状の外形をした矩形をしており、該前端部がバンパー31の挿通孔50に内嵌されるようになっている。また、固定接触端部45の前端部外周面には突当フランジ51が突設されており、固定接触端部45の前端部をバンパー31の挿通孔50に内嵌したときに上記突当フランジ51が上記挿通孔50の内側開口縁部に突き当たって、固定接触端部45の前端面がバンパー31の外面とほぼ同じ面内に位置するようになっている。また、固定接触端部45の内面の前端寄りの位置には4つのガイド片52、52、・・・が突設されている。
【0051】
ノズルホルダ22Aにはカバー体53が支持される。カバー体53はブラケット43の固定接触端部45の前端に内嵌状に位置して固定接触端部45の前面を覆う形状の板状に形成されており、背面から2つの取付ステー54、54と4つの被ガイドピン55、55、・・・が突設されており、被ガイドピン55、55、・・・の後端にはバネ受け片55a、55a、・・・が形成されている。
【0052】
なお、ノズルホルダ22Aは本発明の基本的構成例におけるノズルホルダ22が有していた被ガイド翼片27を有していないこと以外は本発明の基本的構成例におけるノズルホルダ22と同様である。
【0053】
上記カバー体53の取付ステー54、54の後端がノズルホルダ22Aにネジ止めによって固定され、これによって、カバー体53がノズルホルダ22Aに支持され、カバー体43はノズルホルダ22Aと一体に移動されるようになる。
【0054】
上記ブラケット43は外殻筒体2のベース筒体3の前端部に外嵌状に固定される。ベース筒体3の前端部にダストカバー28を外嵌した状態で、ブラケット43の支持筒44をベース筒体3の前端部にダストカバー28の上から外嵌する。これによって、ベース筒体3の前端部の係合突起5、5、・・・がブラケット43の係合孔47a、47a、・・・に係合し、これによって、ブラケット43とベース筒体3とが結合される。また、ブラケット43とベース筒体3とが結合されると、ダストカバー28のオーリング状突条29はブラケット43の段差面49とベース筒体3のフランジ6との間で圧縮され、また、ダストカバー28の突条30がブラケット43の支持筒44の内面に圧接される。これによって、ブラケット43とベース筒体3との結合状態が安定する。
【0055】
以上のようにして、ブラケット43がシリンダ3の先端部に結合された状態で、カバー体43の被ガイドピン55、55、・・・は固定接触端部45のガイド片52、52、・・・に摺動自在に挿通され、被ガイドピン55、55、・・・のバネ受け片55a、55a、・・・と固定接触端部45のガイド片52、52、・・・との間にはコイルバネ56、56、・・・が圧縮された状態で介挿され、これによって、カバー体43は後方、すなわち、固定接触端部45の前端を閉塞する方向へ付勢される。そして、非稼働時、すなわち、ピストン8、9がシリンダ3から突出されていない状態のおいて、カバー体53は固定接触端部45の前端を覆っており、カバー体53の外面は固定接触端部45の前端と同じ面内に位置している。
【0056】
ヘッドランプクリーナー1の先端部はブラケット43を介してバンパー31に以下のようにして支持される。
【0057】
まず、ブラケット43の固定接触端部45の先端をバンパー31の挿通孔50に挿通し、固定接触端部45の突当フランジ51を挿通孔50の後側開口縁部に突き当てる。これによって、固定接触端部45の前端面がバンパー31の外面とほぼ同じ面内に位置するようになる。従って、カバー体53はその外面がバンパー31の外面と同じ面内に位置した状態でバンパー31の挿通孔50を覆った状態となる。これによって、固定接触端部45の先端がバンパー31の挿通孔50に対して位置決めされる。そこで、取付片46、46のネジ挿通孔46a、46aを挿通した取付ネジ41、41によってバンパー31に固定する。例えば、板金材料をU字状に折り曲げて形成したスピードナット42、42をバンパー31の端縁に形成した切欠(長孔でも良い)31b、31bに位置合わせした状態で上記端縁に挟み込み、ブラケット43、43のネジ挿通孔46a、46aを挿通させた取付ネジ41、41を上記スピードナット42、42に螺合し、これによって、ブラケット43をバンパー31に固定する。このようにして、上記シリンダ3の先端部がブラケット43を介してバンパー31に支持され、また、シリンダ3に設けた取付片7が図示しない取付ネジによって車体に固定され、これらによって、シリンダ3が車体に固定される。
【0058】
以上のようにして、ヘッドランプクリーナー1はバンパー31の取付孔50に対してピストン9の先端や噴射ノズル25が位置決めされた状態で車体に固定される。
【0059】
そして、非稼働状態、すなわち、洗浄水の噴射をしていないときは、第1及び第2のピストン8、9はシリンダ3内に引込まれていて、ノズルホルダ22Aはバンパー31の裏側に引っ込んだ状態となっており、従って、カバー体53は閉塞位置に位置していて、バンパー31の挿通孔55を閉塞した状態となっている(図4、図5の実線参照)。そして、この図4及び図5の実線で示す閉塞位置にある状態においてカバー体53はその外面がバンパー31の外面とほぼ同一の面内に位置し、形状的に目立たないようになっている。従って、カバー体53の外面をバンパー31の外面とほぼ同じ色彩にしておけば、非稼働時には当該箇所に何も存在しないバンパーのように見えて、稼働時に突如として噴射ノズル25が突出してくるように見え、見る者に意外感を与えることができる。
【0060】
そして、稼働状態では、第1及び第2のピストン8、9がベース筒体3から突出していく。これによって、噴射ノズル25が図示しないヘッドランプの前面カバーを洗浄するに適した位置に達することができる。そして、ノズルホルダ22Aがバンパー31の挿通孔50を通ってバンパー31の外側へ突出する過程において、カバー体43もノズルホルダ22Aと共に移動し、これによって、カバー体53はコイルバネ56、56、・・・の付勢力に抗して開蓋位置へと移動して、バンパー31の挿通孔50を開放する(図4、図5の2点鎖線参照)。
【0061】
洗浄水の噴射が終了すると、第1及び第2のピストン8、9がシリンダ3内に引込まれ、ノズルホルダ22Aはバンパー31の挿通孔50からバンパー31の内側に引込まれる。これに従って、カバー体53はコイルバネ56、56、・・・の付勢力によって、図4及び図5の実線に示す閉蓋位置へと回動されて、バンパー31の挿通孔50を閉塞する。
【0062】
なお、この実施の形態において、カバー体53はノズルホルダ22Aに支持されていなくても良く、その場合は、取付ステー54、54は不要となる。そして、非稼働時には、カバー体53はコイルバネ56、56の付勢力によって閉塞位置に保持され、稼働時には、カバー体53はノズルホルダ22Aに押されて開蓋位置へと移動する。
【0063】
上記車輌用洗浄装置1、1Aにあっては、カバー体26、53がバンパー31の開口部32、50を覆った閉蓋時において、カバー体26、53がバンパー31の外面から突出することがなく、従って、カバー体26、53が目立たず、バンパー31の見栄えが損なわれることがない。
【0064】
また、車体の洗浄時のブラシ等の洗浄部材のようにバンパー31の外面を掃行するものがカバー体26、53に引っ掛かってカバー体26、53を損傷してしまう惧もない。
【0065】
なお、上記した本発明の基本的構成例と実施の形態において示した各部の形状乃至構造は、いずれも本発明を実施する際に行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されるようなことがあってはならないものである。
【0066】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明車輌用洗浄装置は、稼働時に洗浄液を噴射する噴射ノズルと、移動自在に保持されると共に上記噴射ノズルを保持したノズルホルダと、上記ノズルホルダを移動させる駆動装置とを備えた車輌用洗浄装置において、上記駆動装置がブラケットを介して開口部を有するバンパーに取り付けられ、上記ノズルホルダの移動に伴って上記バンパーの開口部を開閉するカバー体が設けられ、上記カバー体は上記ブラケットに上記ノズルホルダの移動方向に移動可能に支持されると共に、カバー体が上記開口部を閉塞した閉塞状態において、カバー体又はカバー体と一体に固定された部材にブラケットの一部が当接すると、カバー体の外面とバンパーの外面とがほぼ同一の面内に位置し、カバー体をバンパーの開口部を閉塞する方向に弾発的に付勢する弾発付勢手段が、カバー体とブラケットとの間に設けられ、稼働時にはカバー体がノズルホルダに押されてバンパーの開口部を開放する位置へと移動されることを特徴とする。
【0067】
従って、本発明車輌用洗浄装置にあっては、閉塞状態において、カバー体又はカバー体と一体に固定された部材にブラケットの一部が当接すると、カバー体の外面とバンパーの外面とがほぼ同一面上に位置するので、カバーが目立たず、バンパーの見栄えが損なわれることがなく、また、異物がカバーに引っ掛かることもない。そして、カバー体をバンパーの開口部を閉塞する方向に弾発的に付勢する弾発付勢手段がカバー体とブラケットとの間に設けられ、稼働時にはカバー体がノズルホルダに押されてバンパーの開口部を開放する位置へと移動されるようにしたので、非稼働時にはカバー体が確実に閉塞位置に移動する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2及び図3と共に本発明車輌用洗浄装置の基本的構成例を示すものであり、本図はブラケットを外した状態の縦断面図である。
【図2】 バンパーに取り付けた状態を要部を断面にして示す平面図である。
【図3】 バンパーに取り付けた状態を要部を断面にして示す側面図である。
【図4】 図5と共に本発明車輌用洗浄装置の実施の形態を示し、本図はバンパーに取り付けた状態を要部を断面にして示す平面図である。
【図5】 バンパーに取り付けた状態を要部を断面にして示す側面図である。
【符号の説明】
25…噴射ノズル、31…バンパー、1A…ヘッドランプクリーナー(車輌用洗浄装置)、22A…ノズルホルダ、43…ブラケット、50…挿通孔(開口部)、53…カバー体、56…コイルバネ(弾発付勢手段)
Claims (1)
- 稼働時に洗浄液を噴射する噴射ノズルと、移動自在に保持されると共に上記噴射ノズルを保持したノズルホルダと、上記ノズルホルダを移動させる駆動装置とを備えた車輌用洗浄装置において、
上記駆動装置がブラケットを介して開口部を有するバンパーに取り付けられ、
上記ノズルホルダの移動に伴って上記バンパーの開口部を開閉するカバー体が設けられ、
上記カバー体は上記ブラケットに上記ノズルホルダの移動方向に移動可能に支持されると共に、カバー体が上記開口部を閉塞した閉塞状態において、カバー体又はカバー体と一体に固定された部材にブラケットの一部が当接すると、カバー体の外面とバンパーの外面とがほぼ同一の面内に位置し、
上記カバー体を上記バンパーの開口部を閉塞する方向に弾発的に付勢する弾発付勢手段が、カバー体と上記ブラケットとの間に設けられ、
稼働時にはカバー体がノズルホルダに押されて上記バンパーの開口部を開放する位置へと移動される
ことを特徴とする車輌用洗浄装置。
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