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JP3964181B2 - 酸素吸収性テープ - Google Patents

酸素吸収性テープ Download PDF

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JP3964181B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素吸収性テープに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、酸素による変質や微生物の繁殖による腐敗を防いで品質保持するために、食品、医薬品等の商品の保存に脱酸素剤を利用する、所謂、脱酸素剤包装が広く普及し、今日では一般消費者の手に渡る各種の包装商品には脱酸素剤の同封されたものが多くなっている。脱酸素剤包装には一般に粒状または粉末状の脱酸素剤を通気性包装材料に包装した脱酸素剤包装体(小袋入り脱酸素剤)が重宝され、脱酸素剤包装体が被保存物と共にガスバリア−性の容器内に包装される。
【0003】
小袋入り脱酸素剤(以下、小袋とも略す)は固定されていないと、商品と混在して違和感を与えたり、時には誤って食されたり、調理されたりする恐れがある。また、小袋が破損すると内容物がもれて汚染の心配もある。このため、脱酸素剤包装に際し脱酸素剤の固定が必要なものは、包装容器内に固定される。小袋の固定化方法も種々提案され、通常、接着剤、ホットメルト剤、両面テ−プ等を介して、小袋と袋、ケース等の容器の内部壁面とが接着される。
【0004】
しかし、小袋の表面は平滑でなく、また、製造時の「膨らみ」もあって小袋の接着面が必ずしも密着するものでもなく、しかも、小袋の片面全面が接着される訳ではなく部分接着されることも多い。このため、間隙に被保存物が挟まったり、引っ掛かりが生じたりするため、小袋が剥離脱落することはないにしても被保存物の容器内への円滑な出し入れに支障が起きる。また、粉体を小袋に充填する際の飛散粉塵による小袋表面の汚染も厄介な問題である。更に、従来の小袋入り脱酸素剤は、電子レンジ等によるマイクロ波照射をした場合、スパーク、発熱等により破袋して脱酸素剤小袋の内容物が飛散して商品を汚染する等の問題があった。このように重宝される小袋状脱酸素剤にも未だ改良すべき欠点が多々あるのである。
【0005】
そこで、包装材料内の酸素を除去する方法として、外層から順にポリプロピレン/酸素吸収層/ガスバリア層/酸素吸収層/ポリプロピレン層からなる多層シートを包装材料として用いることが提案されている(特開昭63−137838号公報)。この多層シートを熱成形した包装容器を用いて包装容器内の酸素を除去しようとするものである。
【0006】
また、別の解決方法として、シート構成がセパレータ層/粘着層/脱酸素層/通気性層であるラベルが提案されている。このラベルのセパレータを剥がして、酸素ガスバリア性のある袋の内面に粘着層側より貼り付けるものである(特開平7−219430号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭63−137838号公報記載の技術では、酸素吸収層を含む多層シートは、成形性が悪く、容易に酸素吸収性能を付与された容器を製造することは困難であった。
また、特開平7−219430号公報記載の技術では、ラベルを袋へ貼り付けるために粘着剤を使用しているため、粘着剤の臭気が発生し、臭気が内容物へ移行するという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、容易に酸素吸収性能を付与することができ、臭気が内容物へ移行することもない酸素吸収性テープを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達するために、本発明の酸素吸収性テープの製造方法は、酸素吸収物質を含む酸素吸収層と、酸素吸収物質を含まない熱可塑性樹脂層とを備えた酸素吸収性テープの製造方法であって、異形押し出しによる押し出し成形により、前記酸素吸収層を芯部、前記熱可塑性樹脂層を鞘部とし、前記酸素吸収層が、前記熱可塑性樹脂層に被覆された断面を有する状態の芯鞘構造を有する前記酸素吸収層および前記熱可塑性樹脂を形成することを特徴とする。
【0010】
ここで、酸素吸収性テープの酸素吸収層は、酸素吸収性を有する物質を含有している。酸素吸収性物質としては、鉄、亜鉛等の金属粉、FeO、FeTiO2、Fe23等の鉄の還元性低位酸化物、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、シュウ酸塩、ピロガロール、カテロール、ロンガリット、グルコース、ビタミンC、酸素吸収ポリエステル等の酸素吸収ポリマー等が挙げられる。
【0011】
酸素吸収層の形態としては、酸素吸収性物質が、熱可塑性樹脂中に混練されている場合、熱可塑性樹脂層が不織布等の場合には、酸素吸収性物質が熱可塑性樹脂層にすき込まれている場合、酸素吸収性物質が粉体のまま、または熱可塑性樹脂パウダーとの混合物として存在する場合等、の種々の形態が採用できる。
【0012】
熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンの少なくともいずれか1つを含むことが好ましく、より好ましくは、ポリプロピレンおよび直鎖状ポリエチレンである。
【0013】
また、熱可塑性樹脂層の形態としては、樹脂状、シート状、不織布状、合成紙等、種々の形態を採用できる。
【0014】
酸素吸収性テープの形状としては特に制限はないが、通常、長尺な矩形状である。また、断面の形態としては、矩形状の酸素吸収層が完全に熱可塑性樹脂層に覆われている形態、円形の酸素吸収層のまわりがドーナツ形の熱可塑性樹脂層に覆われている形態、円形の酸素吸収層のまわりが星形の熱可塑性樹脂層に覆われている形態等、種々の形態を採用できる。
【0015】
酸素吸収性テープの製造方法としては、多層異形押し出し法を採用できる。
【0016】
このような本発明によれば、酸素吸収物質を含む酸素吸収層と、酸素吸収物質を含まない熱可塑性樹脂層とを備え、前記酸素吸収層が、前記熱可塑性樹脂層に被覆された断面を有することにより、包装体の酸素吸収層を有するシートを包装体として製造するのと比較して、包装体内に酸素吸収性テープを熱接着等するだけでよいので、包装体に容易に酸素吸収性能を付与することができる。
また、前記酸素吸収層が、前記熱可塑性樹脂層に被覆された断面を有することにより、一層確実に内容物と酸素吸収物質の接触を防止できる。
【0017】
本発明の酸素吸収性テープは、前記酸素吸収層が、酸素吸収物質と熱可塑性樹脂との混練物であることが好ましい。
これによれば、前記酸素吸収層が、酸素吸収物質と熱可塑性樹脂との混練物である場合、酸素吸収速度は、粉体の場合より劣るが、耐水性が向上し、お粥等の水物レトルト食品の包装の用途に好適である。また、粉体である場合、酸素吸収速度は高くなるが、酸素吸収性テープの熱接着加工が混練の場合よりも若干難しくなる場合がある。
【0018】
また、前述の酸素吸収性テープは、包装体等に接着されて用いられるのに好適である。例えば、この包装体は、矩形状のシートの周縁を溶着して構成される包装体であって、前述の酸素吸収性テープが包装体内側に熱接着されていることが好ましい。
ここで、シートとしてはガスバリア性を有するものが好ましく、例えば、アルミニウム、ナイロン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の少なくともいずれか1つからなるシート、または、ポリエチレンテレフタレートに酸化ケイ素や酸化アルミ等の無機物を蒸着させたものからなるシート等、種々のものを採用できる。
【0019】
具体的なシートの構成としては、ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ナイロン/ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート/ナイロン/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートに酸化ケイ素や酸化アルミ等の無機物を蒸着させた層/ポリオレフィン系樹脂、ポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリプロピレン、ナイロン/ポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン等が挙げられる。
なお、ここでいうシートとは、比較的厚さの薄いフィルムや、熱成形等で得られる容器成形品も含む概念である。
【0020】
形成される包装体の形態としては、縦ピロー袋、横ピロー袋、四方シール袋、三方シール袋、ガゼット袋、自立袋、熱成形容器包装体、等種々の形態の包装体を採用できる。
また、酸素吸収性テープの熱接着の箇所としては、各ピロー袋内面への熱接着、容器成形品、蓋材への熱接着等、が挙げられる。
【0021】
これによれば、前述の酸素吸収性テープが、包装体内側に熱接着されていることにより、接着剤、粘着剤等で貼り付けた場合と比較して臭気の発生がなく、臭気が内容物へ移行するということもない。
また、熱水に対して接着性が高いため、ボイル、レトルト等加熱殺菌が容易に行える。
さらに、製造上、シート端部の溶着と同時に酸素吸収性テープの溶着を行えるため、効率的である。
【0022】
この包装体では、前記酸素吸収性テープは該端部が前記シート周縁部に達し、前記シートとともに溶着されていることが好ましい。
これによれば、前記酸素吸収性テープは、該端部が前記シート周縁部に達し、前記シートとともに溶着されていることにより、酸素吸収性テープの端部の断面が周縁部で溶着されて、包装体内部に露出しないので、より一層確実に内容物と酸素吸収物質の接触を防止できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
[1]酸素吸収性テープ
図1には、本発明の第1実施形態に係る長尺の酸素吸収性テープ10の断面形状が示されている。酸素吸収性テープ10は、内側の矩形状の酸素吸収層10Aおよび酸素吸収層10Aを囲む外側の熱可塑性樹脂層10Bから構成される。ここで、酸素吸収性テープ10の厚さをT1、幅をW1、とし、酸素吸収層10Aの厚さをT2とする。また、熱可塑性樹脂層10Bの厚さをT3とする。
【0024】
酸素吸収層10Aは、酸素吸収性を有する物質を含有している。酸素吸収性物質としては、鉄、亜鉛等の金属粉を採用している。その他、FeO、FeTiO2、Fe23等の鉄の還元性低位酸化物、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、シュウ酸塩、ピロガロール、カテロール、ロンガリット、グルコース、ビタミンC、酸素吸収ポリエステル等を採用できる。
【0025】
熱可塑性樹脂層10Bの熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレンを採用している。その他、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ナイロン等、またはこれらの混合物を採用できる。熱可塑性樹脂層10Bの形態としては、樹脂状の形態を採用している。その他、シート状、不織布状、合成紙等、種々の形態を採用できる。
【0026】
[2]酸素吸収性テープの製造方法
酸素吸収性テープ10の製造方法としては、酸素吸収層10Aおよび熱可塑性樹脂層10Bを構成する材料を単軸押し出し機2台からなる多層異形押し出し装置を用いた多層異形押し出し法により押し出し成形を行い、図1の酸素吸収性テープ10を成形している。
【0027】
[3]包装体
図2、3には、本発明の第1実施形態に係る矩形状の2枚のシート30を含んで構成される酸素吸収性テープ付き包装体である包装体1が示されている。包装体1は、2枚のシート30、30と、酸素吸収性テープ10と、を備えて構成されている。シート30、30が重ね合わさって、短辺側の1辺が開口部20となり、残りの3辺がヒートシール部21となる。酸素吸収性テープ10は、開口部20と反対側の短辺側近傍に、開口部20と平行に、包装体1の内面に貼着されている。
【0028】
また、シート30の構成としては、ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ナイロン/ポリオレフィン系樹脂を採用している。その他、ポリエチレンテレフタレート/ナイロン/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートに酸化ケイ素や酸化アルミ等の無機物を蒸着させた層/ポリオレフィン系樹脂、ポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリプロピレン、ナイロン/ポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン等が挙げられる。
【0029】
さらに、シート30のうち、ガスバリア性を有する層は、アルミニウム、ナイロン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等または、ポリエチレンテレフタレートに酸化ケイ素や酸化アルミ等の無機物を蒸着させたものからなる層が該当する。
【0030】
[4]包装体の製造方法
図4を参照して、包装体1の製造方法について説明する。2枚のシート30を連続的に製袋機に供給するとともに、酸素吸収性テープ10も製袋機(図示略)に供給する。酸素吸収性テープ10は、製袋される包装体1の短辺と同寸法となるように裁断した後、1枚のシート30に製袋機に内蔵される加熱ロール(図示略)により、シート30の長手方向と平行になるように、さらに、酸素吸収性テープ10の端部が、シート30の周縁部に達するようにして溶着する(テープ接着工程、図4(A))。
【0031】
酸素吸収性テープ10が接着されたシート30に、酸素吸収性テープ10上からもう1枚のシート30を重ね合わせ、シート30の長手方向とは垂直な方向に包装体1の短辺の長さで区画される区画部22を形成する。そして、この区画部22および包装体1の開口部20となる短辺に対向する短辺を含んでコ字形に連続的にヒートシールを行う(シート接着工程、図4(B))。
コ字形に連続的にヒートシールしたシート30、30を、区画部22の中心線に沿って切断する(シート切断工程、図4(C))。
【0032】
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)酸素吸収層10Aと、熱可塑性樹脂層10Bとを備えた酸素吸収性テープ10が、酸素吸収層10Aが熱可塑性樹脂層10Bに被覆された断面を有することにより、酸素吸収層を有するシートそのものを包装体1として製造するのと比較して、包装体1内に酸素吸収性テープ10を熱接着するだけでよいので、無駄なく低コストで製造でき、さらに包装体1に容易に酸素吸収性能を付与することができる。
(2)酸素吸収層10Aが、熱可塑性樹脂層10Bに被覆された断面を有することにより、一層確実に内容物と酸素吸収物質の接触を防止できる。
【0033】
(3)酸素吸収性テープ10が、包装体1の内側となるシート30に熱接着されていることにより、接着剤、粘着剤等で貼り付けた場合と比較して、臭気の発生がなく、臭気が内容物へ移行するということもない。さらに耐熱性が向上するので、ボイル、レトルト等にも使用することができる。また、製造上、シート30端部の熱接着と同時に酸素吸収性テープ10の溶着を行えるため、効率的である。
(4)酸素吸収性テープ10は、シート30の互いに対向する開口部20に垂直な2辺を横断するように貼られていることにより、酸素吸収性テープ10が偏在しないで貼られているので、一様に酸素を吸収することができる。
【0034】
(5)シート切断工程を有することにより、区画部22に沿って切断されるので、包装体1の周縁部分の位置ずれが起こらない。
(6)酸素吸収性テープ10の端部が、シート30の周縁部に達し、シート30とともに溶着されていることにより、酸素吸収性テープ10の端部の断面が周縁部で溶着されて包装体1内部に露出しないので、より一層確実に内容物と酸素吸収物質の接触を防止できる。
【0035】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の説明では既に説明した部分、部材と同一のものは同一符号を付してその説明を簡略する。
【0036】
[3]包装体2
包装体1では、ヒートシール部21と酸素吸収性テープ10が重なる部分はヒートシールされるだけであったが、包装体2では、ヒートシールされる前に超音波シールがなされ、超音波シール部23を有する点が包装体1とは異なる。
【0037】
[4]包装体2の製造方法
図5を参照して、包装体2の製造方法について説明する。
2枚のシート30を連続的に製袋機(図示略)に供給するとともに、酸素吸収性テープ10も製袋機に供給する。酸素吸収性テープ10を、1枚のシート30に製袋機に内蔵される加熱ロールにより、シート30と同じ長さで、シート30の長手方向と平行になるように、さらに、酸素吸収性テープ10の端部がシート30の周縁部に達するようにして溶着する(テープ接着工程、図5(A))。
【0038】
酸素吸収性テープ10が接着されたシート30に、酸素吸収性テープ10上からもう1枚のシート30を重ね会わせる。包装体2の開口部20の長さの間隔で、酸素吸収性テープ10を介在させて、酸素吸収性テープ10とシート30が重なる部分を超音波シールにより、超音波シール部23を形成し、溶着する。その後、シート30の長手方向とは垂直な方向に包装体1の短辺の長さに区画し、超音波シール部23も含む区画部22を形成する。そして、この区画部22および包装体1の開口部20となる短辺に対向する短辺を含んでコ字形に連続的にヒートシールを行う(シート接着工程、図5(A)、(B))。
【0039】
コ字形に連続的にヒートシールしたシート30、30を、区画部22の中心線に沿って切断する(シート切断工程、図5(C))。
上述のような本実施形態によれば、前述の第1実施形態の効果に加えて次のような効果がある。
(7)シート接着工程において、区画部22では、シート30の間に酸素吸収性テープ10が超音波シールにより介在して溶着されていることにより、酸素吸収性テープ10が表裏両面から接着されるので、酸素吸収性テープ10を確実に包装体2に固定することができる。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。
【0041】
例えば、酸素吸収性テープ10の断面の形態としては、前記各実施形態では、矩形状の酸素吸収層10Aが完全に熱可塑性樹脂層10Bに覆われている形態(図1)であったが、これに限られず、円形の酸素吸収層10Aのまわりがドーナツ形の熱可塑性樹脂層10Bに覆われている形態(図6(A))、円形の酸素吸収層10Aのまわりが、星形の熱可塑性樹脂層10Bに覆われている形態(図6(B))等、種々の形態も採用できる。
【0042】
また、酸素吸収性テープ10の製造方法としては、前記各実施形態では、多層異形押し出し法を採用していたが、これに限られず、熱可塑性樹脂のチューブに酸素吸収性物質を充填し、熱ロールなどで熱圧着する方法、熱可塑性樹脂からなる不織布や織布の間に酸素吸収物質を充填し、熱可塑性樹脂のシート等で被覆し熱圧着したり、熱可塑性樹脂のチューブに挿入する方法等、種々の方法も採用できる。
【0043】
包装体1、2の形態としては、前記各実施形態では、三方シール袋を採用していたが、これに限られず、縦ピロー袋、横ピロー袋、四方シール袋、ガゼット袋、自立袋等種々の形態の包装体も採用できる。
【0044】
酸素吸収性テープ10の貼る部分としては、前記各実施形態では、包装体の開口部の対面側の近傍であったが、これに限られず、包装体の開口部中間部分等任意の部分に貼ることができる。
その他、本発明を実施する際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で他の構造等としてもよい。
【0045】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は実施例の内容に限定されるものではない。
【0046】
[実施例1]
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
第1実施形態において、具体的条件を下記の通りとして酸素吸収性テープ10を製造した。
多層異形押し出し装置の単軸押し出し機のスクリュー径は、それぞれ、30mmφ、40mmφであった。
酸素吸収層10A:ポリプロピレン(出光ポリプロEー170GM)および鉄粉系酸素吸収剤(カサ比重2.0以上で比表面積0.5以上の鉄粉と食塩等からなる)が、60:40の重量比のマスターバッチ
熱可塑性樹脂層10B: ポリプロピレン(出光ポリプロEー170GM)
【0047】
生産速度は、25m/min(吐出量13kg/hour)で、生産が安定するまでの酸素吸収性テープ10の損失は、約100m(約1kg)であった。また、酸素吸収性テープ10の各層の厚さ等は、以下の通りである。
酸素吸収性テープ10の厚さT1 :300μm
酸素吸収性テープ10の幅W1 :30mm
酸素吸収層10Aの厚さT2 :200μm
熱可塑性樹脂層10Bの厚さT3 :50μm
【0048】
第1実施形態において、具体的条件を下記の通りとして包装体1を製造した。
シート30の構成:ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ナイロン/無延伸ポリプロピレン(厚さ 12μm/7μm/15μm/60μm)
2枚のシート30は、無延伸ポリプロピレン同士を重ねて接着される。
【0049】
[実施例2]
酸素吸収性テープ10は、実施例1と同様にして製造した。
第2実施形態において、具体的条件を下記の通りとして包装体2を製造した。
シート30の構成:ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ナイロン/無延伸ポリプロピレン(厚さ 12μm/7μm/15μm/60μm)
2枚のシート30は、無延伸ポリプロピレン同士を重ねて接着される。
超音波シールは、先端が、35mm×20mmの超音波ホーンによって、行った。
【0050】
[比較例1]
単軸押し出し機2台からなる共押し出し多層シート押し出し装置により、2層の酸素吸収層(厚さ50μm)および外層(厚さ30μm)からなる2層の酸素吸収性シート(厚さ80μm、幅600mm)を製造した。
共押し出し多層シート押し出し装置の単軸押し出し機のスクリュー径は、それぞれ、50mmφ、60mmφであった。
酸素吸収層:ポリプロピレン(出光ポリプロEー170GM)および鉄粉系酸素吸収剤(カサ比重2.0以上で比表面積0.5以上の鉄粉と食塩等からなる)が、70:30の重量比のマスターバッチ
外層:ポリプロピレン(出光ポリプロEー170GM)
【0051】
生産速度は、3.7m/min(吐出量13kg/hour)で、酸素吸収性シートの表面状態を調整し、厚み調整を行い、所定の幅での生産が安定するまで約20kgの損失があった。また、製造中も常に約20重量%の耳ロスが発生した。
【0052】
以上のようにして完成した酸素吸収性シートを予めドライラミネートにて製造したポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ナイロン(厚さ 12μm/7μm/15μm)の3層の多層シートのナイロン面が、酸素吸収層とが重なるようにドライラミネートを行った。このドライラミネート時に、耳ロスが5重量%生じた。
得られたポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ナイロン/酸素吸収層/ポリプロピレン(厚さ 12μm/7μm/15μm/50μm/30μm)の5層の多層シートを第1実施形態における製袋機によりコ字形にヒートシールを行い、外寸法 200mm×140mmの包装体を得た。
【0053】
[比較例2]
実施例1と同様にして、酸素吸収性テープ(厚さ300μm、幅30mm)を製造しているが、実施例1では、酸素吸収性テープ10の断面が、矩形状の酸素吸収層10Aが熱可塑性樹脂層10Bに覆われていたが、比較例2では、外層(厚さ50μm)/酸素吸収層(厚さ200μm)/外層(厚さ50μm)のサンドイッチ形の3層構造である点のみが異なる。
【0054】
生産速度は、25m/min(吐出量13kg/hour)で、生産が安定するまでの酸素吸収性テープ10の損失は、約100m(約1kg)でった。
【0055】
第1実施形態において、具体的条件を下記の通りとして包装体を製造した。
シート30の構成:ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ナイロン/無延伸ポリプロピレン(厚さ 12μm/7μm/15μm/60μm)
2枚のシート30は、無延伸ポリプロピレン同士を重ねて接着される。
【0056】
[性能評価]
実施例1、比較例1、2について、得られた包装体に100mlの蒸留水と100mlの空気を充填し、包装体の開口部を密閉した後、120℃、30分間の定差圧式レトルト加熱を行った。
以上のレトルト前、レトルト直後および20℃で放置した状態で2時間おき、2時間後、4時間後、6時間後に包装体内の開口部付近の酸素ガス濃度をガスクロマトグラフにより測定した。測定結果を表1に示す。さらに、常温1ヶ月放置した後の包装体内の蒸留水の臭気の官能検査を行った。検査結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
Figure 0003964181
【0058】
実施例1は、比較例1、2と比較して、酸素ガスの吸収がよく、かつ、1ヶ月後の蒸留水の臭気も気にならないことがわかる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、酸素吸収物質を含む酸素吸収層と、酸素吸収物質を含まない熱可塑性樹脂層とを備え、前記酸素吸収層が、前記熱可塑性樹脂層に被覆された断面を有することにより、包装体の酸素吸収層を有するシートを包装体として製造するのと比較して、包装体内に酸素吸収性テープを熱接着等するだけでよいので、包装体に容易に酸素吸収性能を付与することができる。
また、前記酸素吸収層が、前記熱可塑性樹脂層に被覆された断面を有することにより、一層確実に内容物と酸素吸収物質の接触を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の酸素吸収性テープを示す図である。
【図2】図1の実施形態における包装体の平面図である。
【図3】図1の実施形態における包装体の断面図である。
【図4】図1の実施形態における包装体の製造工程を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態の包装体の製造工程を示す図である。
【図6】本発明の酸素吸収性テープを断面形態の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、2 包装体
10 酸素吸収性テープ
10A 酸素吸収層
10B 熱可塑性樹脂層
21 ヒートシール部
23 超音波シール部
30 シート

Claims (1)

  1. 酸素吸収物質を含む酸素吸収層と、酸素吸収物質を含まない熱可塑性樹脂層とを備えた酸素吸収性テープの製造方法であって、
    異形押し出しによる押し出し成形により、前記酸素吸収層を芯部、前記熱可塑性樹脂層を鞘部とし、前記酸素吸収層が、前記熱可塑性樹脂層に被覆された断面を有する状態の芯鞘構造を有する前記酸素吸収層および前記熱可塑性樹脂を形成する
    ことを特徴とする酸素吸収テープの製造方法。
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