JP3961788B2 - Golf club head - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフボールを打撃するための金属製のゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
パーシモンが主体であったウッド型ゴルフクラブヘッドは、近年では金属材料、例えば炭素鋼、ステンレス、ジュラルミン、チタンなどを使用したものが主流となっている。このようなゴルフクラブヘッドは、パーシモンを使用したものに比べて、ヘッド体積やフェース面積を大きくでき、またヘッドの慣性モーメントを大きくして打球の方向性を安定させうる。さらに、ヘッドのスウィートエリアを大きくして、芯を外してボールを打撃した場合のボールの反発の低下を小さくすることができる。またゴルフクラブヘッドを大型化すると、アドレス時の安定感が良くなり、さらに長尺のシャフトが装着でき飛距離の増大をもたらす。
【0003】
ところで、本件出願人は、ヘッドとゴルフボールとの反発性能を最大限に高めて飛距離を増大させるゴルフクラブヘッドとして、日本国特許第2130519号(特公平5−33071号)を取得している。この特許には、ゴルフクラブヘッドのメカニカルインピーダンスの1次の極小値を示す周波数(以下、単に「ヘッドのインピーダンスの1次の振動数」ということがある。)をゴルフボールのメカニカルインピーダンスの1次の極小値を示す周波数(以下、単に「ボールのインピーダンスの1次の振動数」ということがあり、約600〜1600Hzとなる。)に近づけることにより、インパクトされたボールの打ち出し速度を最大限に高めるという理論(以下、「インピーダンスマッチング理論」ということがある。)が開示されている。
【0004】
「メカニカルインピーダンス」とは、ある点に作用する力の大きさと、この力が作用した時の他の点の応答速度の大きさとの比として定義される。即ち、ある物体に外部から加えられる力をF、応答速度をVとすると、メカニカルインピーダンスZは、Z=F/Vで定義される。
【0005】
ヘッドのインピーダンスの1次の振動数を下げるためには、ヘッドのフェ−ス面ないしフェース部の剛性を小さくする事が効果的である。例えば、フェース部の面積を大きくすること、フェース部の厚さを小さくすること、フェース部に低ヤング率の材料を使用すること、などが挙げられる。特にヘッドのフェース部に、低ヤング率の金属材料を用いると、ボールを打撃した時のフィーリング(打球感)がソフトになり、かつミスショット時でも手に伝わる衝撃が小さい利点があることも経験的に知られている。
【0006】
しかしながら、ヤング率が低くても引張強度が小さい金属材料では、インパクト時の衝撃に耐え得る強度を確保するのが困難となる。またフェース部の強度を得るためにフェース部の厚さを大きくすると、結果としてフェ−ス部の剛性を低下させる効果は小さく、ヘッドのインピーダンスの1次の振動数を下げることにも限界があった。
【0007】
またヤング率が低くても表面硬度が小さい金属材料では、インパクト時のボールとの摩擦や、インパクト時のボールとの間で砂を噛むことなどにより、フェース部の表面が早期に摩耗したり傷付き易いなどの問題がある。
【0008】
本発明では、インパクト時の衝撃に耐え得る強度を確保しつつフェ−ス部の剛性を低下させることを基本として、前述のインピーダンスマッチング理論に基づき飛距離を増大しうるゴルフクラブヘッドを提供することを目的としている。
【0009】
また本発明では、インパクト時のボールとの摩擦や砂噛みなどによるフェース部の摩耗や傷つきを防止しうる硬度を確保しつつフェース部の剛性を低下させることを基本として、ソフトな打球感をうるとともに、インピーダンスマッチング理論に基づき飛距離を一層増大しうるゴルフクラブヘッドを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、ヤング率をx(単位:kgf /mm2 )、引張強度をy(単位:kgf /mm2 )としたときに、少なくともフェース部の一部が、
y≧0.006x+60
前記ヤング率をx、ビッカース硬さをz(単位:HV)としたとき、
z≧(x/60)+200
の関係を満たす非晶質金属からなる。
【0011】
又請求項1に係る発明は、つ前記非晶質合金が、
一般式:MaXb(a、bは原子%で65≦a≦100、0≦b≦35)
で示される組成で構成される(ここで、MはZr、V、Cr、Mn、 F e、Co、Ni、Cu、Ti、Mo、W、Ca、Li、Mg、Si、Al、Pd、Beより選ばれる1種類以上の金属元素であり、XはY、La、Ce、Sm、Md、Hf、Nb、Taから選ばれる1種類以上の金属元素からなる非晶質合金、
又は一般式:ZrcMdXe
(c、d、eは原子%で20≦c≦80、20≦d≦80、0≦e≦35、ただし、Zrはジルコニウム、MはV、Cr、Mn、 F e、Co、Ni、Cu、Ti、Mo、W、Ca、Li、Mg、Si、Al、Pd、Beより選ばれる1種類以上の金属元素であり、XはY、La、Ce、Sm、Md、Hf、Nb、Taから選ばれる1種類以上の金属元素)からなるジルコニウム系の非晶質合金であって、
しかも非晶質相の体積v1と全体の体積vとの比(v1/v)である非晶質率が75%以上であることを特徴とする。
【0012】
また請求項2記載の発明は、前記a、bは、99≦a≦100、0≦b≦1であることを特徴とする
【0013】
また請求1であることを特徴とする。項3記載の発明は、前記c、d、eは、50≦c≦75、25≦d≦50、0≦e≦
【0014】
また請求項4記載の発明は、
前記引張強度y(単位: kgf / mm 2 )は、105〜175( kgf / mm 2 )、しかも前記ヤング率x(単位: kgf / mm 2 )を5000( kgf / mm 2 )以上かつ10000( kgf / mm 2 )以下であることを特徴とする。
【0015】
また請求項5記載の発明は、
前記ビッカース硬さz(単位:HV)を400HV以上、かつ1000HV以下としたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
図1〜図3には、本発明に係るゴルフクラブヘッドとして、金属材料で形成された中空のウッド型(メタルヘッド)のゴルフクラブヘッドを例示している。本例では前記ヘッドは、ヘッド本体1と、このヘッド本体1の前面に配されたフェース板2とから構成される。またゴルフクラブヘッドは、例えばヘッド体積を80〜360cm3 、好ましくは230〜360cm3 とするのが望ましい。
【0017】
前記ヘッド本体1は、ボールを打撃するためのフェース部6の周縁をなし前記フェース板2を装着しうるフェース取付部1aと、このフェース取付部1aに続くソール部7、クラウン部8、及びサイド部9などを具える。前記フェース取付部1aは、本例では、図3に示すように前記フェース板2を装着する段差部3aを有してヘッド内部へ貫通する嵌合用の開口3を形成したものを示している。
【0018】
また前記フェース板2は、本例ではフェース部6の主要部をなし、前記嵌合用の孔部3に、例えば溶接、かしめ、接着剤などの接合方法により一体化され、前記フェース取付部1aとともにフェース部6を構成しうる。なおフェース取付部1aは、図4(A)に示すように、前記段差部3aを有しない開口3としても形成でき、また図4(B)に示すように、ヘッド内部に向けて広がるテーパ状をなしかつフェース板2の裏面を支持可能な嵌合用の凹部4としても形成しうる。この場合には、フェース板2も、略同じテーパ状に形成することが望ましい。
【0019】
また発明者らの種々の実験の結果、ヤング率をx(単位:kgf /mm2 )、引張強度をy(単位:kgf /mm2 )としたときに、フェース部6の一部が
y≧0.006x+60
の関係を満たす金属材料から形成されることが望ましいことが判った。
【0020】
本実施形態では、フェース部6の一部として前記フェース板2がこのような金属材料で形成されているものを例示している。このため、前記フェース部6の一部(本例ではフェース部6の主要部をなすフェース板2)は、インパクト時の衝撃に耐える引張強度を確保しつつ、そのヤング率を低く保つことが可能になる。したがって、このゴルフクラブヘッドは、ヘッドのインピーダンスの1次の振動数を下げることができ、前記インピーダンスマッチング理論によって打球の飛距離を向上させることが可能であり、またインパクト時の衝撃を低下させ、ソフトな打球感を提供する。
【0021】
さらに、このゴルフクラブヘッドは、ヤング率を低くしつつ、その引張強度を高く維持することが可能であるため、フェース部6又はフェース板2の厚さを薄くしてヘッドの軽量化が可能になる。また例えばフェース板2の厚さを薄くした分だけヘッドのバネ定数が低下し、ヘッドのインピーダンスの1次の振動数をさらに下げることが可能になる。
【0022】
また本例において、前記フェース板2の厚さは、ほぼ均一なものが示されている。その厚さは、例えば1〜4mm、より好ましくは1〜3mmとするのが望ましい。前記フェース板2の厚さが、1mm未満であると強度が低下する傾向があり、逆に4mmを越えるとヘッドの軽量化や前記ヘッドのインピーダンスの1次の振動数を低下させる効果が小さくなる傾向がある。
【0023】
ところで、ゴルフボールのインピーダンスの1次の振動数は、約600〜1600Hzの範囲にあり、一般の2ピースボールの場合には約1000〜1200Hzとなる。これに対して、従来のステンレス製のウッド型ヘッドのインピーダンスの1次の振動数は、約1800〜2500Hz、チタン製のウッド型ヘッドでは約1400〜2000Hz程度である。本実施形態のゴルフクラブヘッドでは、ヘッドのインピーダンスの1次の振動数を、従来のヘッドに比べて小さくし、ゴルフボールのインピーダンスの1次の振動数に近似させることもまた一致させることも可能である。
【0024】
例えば、本実施形態では、ヘッドのインピーダンスの1次の振動数を1300Hz未満とすることができた。これは、2ピースボールのそれにほぼ一致する値である。これにより、本実施形態のゴルフクラブヘッドでは、インパクト時のボールの打ち出し速度が最大限に高められ、飛距離を増加させる。また、好ましくは、ヤング率をx(単位:kgf /mm2 )、引張強度をy(単位:kgf /mm2 )としたときに、少なくともフェース部6の一部を、
y≧0.006x+63
の関係を満足する金属材料にて構成することや、さらに好ましくは、
y≧0.006x+100
の関係を満足する金属材料にて構成することも望ましい。
【0025】
なお、例えばフェース板2の金属材料が、
y<0.006x+60
であると、引張強度とヤング率のバランスが悪くなり、インパクト時の衝撃に耐え得る強度を確保しつつフェ−ス部の剛性を低下させることが困難になる。また本実施形態において、前記フェース板2の金属材料の引張強度は、フェース板2の厚さを著しく増大させない程度に維持することが望ましく、例えば80kgf /mm2以上、好ましくは105kgf /mm2 以上、さらに好ましくは130kgf /mm2 以上とするのが望ましい。なお引張強度の上限は、前記いずれかの下限値との組み合わせにおいても製造上の問題などから400kgf /mm2 以下、好ましくは、実施例の表1に示すように175 kgf / mm 2 以下と規定することもできる。
【0026】
また本実施形態において、前記フェース板2の金属材料のヤング率は、必要な剛性を得るために例えば3000kgf /mm2 以上、好ましくは5000kgf /mm2 以上とするのが望ましい。ただし、ヤング率が大きすぎると、フェース部6の剛性が大きくなる傾向があるため、その上限値は、前記いずれかの下限値との組み合わせにおいて25000kgf /mm2 以下、好ましくは20000kgf /mm2 以下、さらに好ましくは16000kgf /mm2 以下、より好ましくは12000kgf /mm2 以下、さらに好ましくは10000kgf /mm2 以下とすることが望ましい。
【0027】
このように、インパクト時の衝撃に耐え得る強度を確保しつつフェ−ス部の剛性を低下させる。次に、インパクト時のボールとの摩擦や、砂を噛むことによるフェース部の表面の摩耗や傷つきを防止しうる実施形態について説明する。
【0028】
図1〜3、あるいは図4(A)、(B)に示した形状のゴルフクラブヘッドにおいて、ヤング率をx(単位:kgf /mm2 )、ビッカース硬さをz(単位:HV)としたときに、少なくともフェース部の表面の一部が、
z≧(x/60)+200
の関係を満たす金属材料から構成されることが望ましいことを突き止めた。例えば、前記フェース板2をこのような金属材料で形成することにより、フェース部6の表面の一部を、z≧(x/60)+200を充たす金属材料にて構成できる。なお本例ではフェース板2の表面には、他の金属、樹脂、木材等の表面層は設けずこれを露出するように構成している。
【0029】
また金属材料のビッカース硬さは、対面角が136度のダイヤモンド正四角錐圧子を用い、試験面にくぼみをつけたときの試験荷重と、くぼみの表面積とから求めた硬さであり、詳細はJISなどに規定されており、本発明では試験荷重を30kgf とする。この実施形態ではフェース板2は、ビッカース硬さを大きく確保してインパクト時のボールとの摩擦や砂噛みなどによるフェース部6の摩耗や傷つきを防止できる。また、前記フェース板の金属材料は、上述のようなヤング率xとビッカース硬さzとの関係を具えるため、大きなビッカース硬さを確保しつつヤング率を低く維持することが可能である。
【0030】
したがって、この実施形態のゴルフクラブヘッドも、ヘッドのインピーダンスの1次の振動数を下げることができ、インピーダンスマッチング理論によって打球の飛距離を向上させることが可能である。またフェース部の表面の一部が、ヤング率が低いためにインパクト時の衝撃が低下し、ソフトな打球感を提供する。
【0031】
なお本実施形態において、前記フェイス板2が、
z<(x/60)+200
の金属材料であると、ソフトな打球感、飛距離の増大、フェース部6の耐久性という3つの性能を同時に満足させることができなくなる。また、フェース板2については、ヤング率を低くしつつ、ビッカース硬さを大きく維持することが可能になるため、フェース部6(フェース板2)の厚さを薄くすることも可能である。従って、ヘッドの軽量化を図ることができ、かつ、フェース板2の厚さを薄くした分だけヘッドのバネ定数が低下するため、これらの相乗作用によってさらにヘッドのインピーダンスの1次の振動数を下げうる。
【0032】
ここで、前記フェース板2のビッカース硬さの好ましい範囲としては、250HV以上、好ましくは300HV以上。より好ましくは370HV以上、さらに好ましくは400HV以上とすれば、非常に優れた耐傷性が得られて理想的である。またその上限は、前記いずれかの下限値との組み合わせにおいても製造上の問題などから1000HV以下と規定することもできる。これによって、フェース部6の表面の傷つきをより好適に防止することができる。
【0033】
また、好ましくは、ヤング率をx(単位:kgf /mm2 )、ビッカース硬さをz(単位:HV)としたときに、少なくともフェース部6の表面の一部を、
z≧(x/60)+250
を満足する金属材料にて構成するのが望ましい。またこの実施形態においても、前記フェース板2のヤング率は、必要な剛性を得るために例えば3000kgf /mm2 以上、好ましくは5000kgf /mm2 以上とするのが望ましい。ただし、ヤング率が大きすぎると、フェース部6の剛性が大きくなる傾向があるため、その上限値は、前記いずれかの下限値との組み合わせにおいても25000kgf /mm2 以下、好ましくは20000kgf /mm2 以下、さらに好ましくは16000kgf /mm2 以下、より好ましくは12000kgf /mm2 以下、さらに好ましくは10000kgf /mm2 以下とすることが望ましい。
【0034】
このようなフェース板2を形成する金属材料は非晶質(アモルファス)金属からなる。非晶質金属とは、原子の配列が広い範囲に亘って規則的ではないものをいい、現在では主として各種合金の材料を高温にて溶融した溶融合金を、結晶核が生成及び成長しないよう急速に冷却して固形化することにより製造される。本実施形態では、非晶質の度合い、すなわち非晶質相の体積v1と全体の体積vとの比(v1/v)である非晶質率が50%以上の非晶質金属を好ましく使用する。本発明においては、後記するごとく非晶質率が57%の非晶質金属を用いる。
【0035】
非晶質金属は、
一般式:MaXb(a、bは原子%で65≦a≦100、0≦b≦35)
で示される組成で構成される。
ここで、MはZr、V、Cr、Mn、F e、Co、Ni、Cu、Ti、Mo、W、Ca、Li、Mg、Si、Al、Pd、Beより選ばれる1種類以上の金属元素であり、XはY、La、Ce、Sm、Md、Hf、Nb、Taから選ばれる1種類以上の金属元素からなる。また好ましくは、前記a、bは、
99≦a≦100 0≦b≦1
とするのが望ましい。
【0036】
このような非晶質金属は、高い引張強度、高いビッカース硬さ、低いヤング率とを同時に具えるため、本発明のゴルフクラブヘッドに適した金属材料となる。またこの非晶質金属としては、ジルコニウム系の非晶質合金が特に好ましく採用できる。このジルコニウム系非晶質合金は、より高い引張強度と、低いヤング率とを有する。また製造時の冷却速度を比較的小さくでき、鋳型に溶融金属を流し込んで冷却して塊状ないし板状のものが比較的容易に成形できる点でも実用的で好ましい。
【0037】
ジルコニウム系の非晶質合金は、
一般式:ZrcMdXe
(c、d、eは原子%で20≦c≦80、20≦d≦80、0≦e≦35)
で示される組成で構成される。
ただし、Zrはジルコニウム、MはV、Cr、Mn、F e、Co、Ni、Cu、Ti、Mo、W、Ca、Li、Mg、Si、Al、Pd、Beより選ばれる1種類以上の金属元素であり、XはY、La、Ce、Sm、Md、Hf、Nb、Taから選ばれる1種類以上の金属元素からなる。
【0038】
また前記c、d、eは、好ましくは、
35≦c≦75 25≦d≦65 0≦e≦30
であり、さらに好ましくは、
35≦c≦75 25≦d≦65 0≦e≦1
より好ましくは
50≦c≦75 25≦d≦50 0≦e≦1
とするのが望ましい。また前記MはAl、Cu、Niが特に好ましく、XはHfが好ましい。特に、このようなジルコニウム系非晶質合金としては、
ZrcAld1Cud2Nid3Hfe
が好ましい(なおd1+d2+d3=dとする。またc+d+e=100とする)。
【0039】
また本発明において非晶質金属は、前記非晶質率が57%以上とする。好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%とするのが望ましい。このような非晶質率は、金属材料のサンプルのカット断面を鏡面研磨及びエッヂング処理を施した後に光学顕微鏡で観察し、非晶質部分の面積を測定することによって特定されうる。また非晶質率は、非晶質金属の合金組成や、非晶質金属を製造する際に溶融合金を冷却する冷却温度、さらには非晶質金属を製造する際の周囲の気体中の酸素濃度などを変えることによって調節することができる。とりわけ、前記冷却速度を大きくするほど、また周囲の気体中の酸素濃度を低くするほど非晶質率を高めることができる。
【0040】
本実施形態に関しては、種々の方法で設計変更が可能である。例えば、フェース板の厚さに関して、中央部を厚くし、その周辺部を外方へ向かって次第に薄く構成することもできる。この場合、フェース板2の強度を低下させずにヘッドのインピーダンスの1次の振動数をより一層小さくすることが可能である。また、この逆にフェース板2の厚さを、中央部を薄くし、その周辺部を外方へ向かって次第に厚く構成することもできる。この場合には、フェース板2とこれを取り付けるフェース取付部1aとの接合部分の強度が向上するため好ましい。
【0041】
また前記ヘッド本体1については、本発明の非晶質金属の他に、例えばチタン、チタン合金、ステンレス鋼等の従来と同様の金属材料で構成する場合を説明する。また図5に示すように、フェース部6、ソール部7、クラウン部8及びサイド部9をなすヘッド全てを、ヤング率をx(単位:kgf /mm2 )、引張強度をy(単位:kgf /mm2 )としたときに、
y≧0.006x+60
の関係を満足する金属材料、又はビッカース硬さをz(単位:HV)としたときに、
z≧(x/60)+200
の関係を満たす金属材料を用いることができる。この場合には、衝撃耐久性、打球感がより一層良好となり、ヘッドのインピーダンスの1次の振動数をより一層小さくすることができる。
【0042】
図6、図7には、本発明の他の実施形態として、金属製のアイアン型クラブヘッドを示している。本例では、ヘッドは、ヘッド本体101と、該ヘッド本体101のフェース部104側に嵌着されるフェース面インサート板102とから構成されるものを示す。このフェース面インサート板102は、フェース部104の主要部をなし、主としてその表面によりボールを打撃する。また、フェース面インサート板102は、本例ではほぼ均一の厚さで形成されるとともに、ヘッド本体1のフェース部104側に形成された嵌合用凹部103に嵌合されて接着剤や溶接、かしめ、圧入等にて固着されているものを示す。このため、フェース面インサート板102の裏面全体が、ヘッド本体1に密着又は当接しているので、フェース部104の耐久性が高くなる。
【0043】
そして、例えばこのようなフェース面インサート板102に、ヤング率をx(単位:kgf /mm2 )、引張強度をy(単位:kgf /mm2 )としたときに、
y≧0.006x+60
の関係を満たす金属材料、又は、ヤング率をx(単位:kgf /mm2 )、ビッカース硬さをz(単位:HV)としたときに、
z≧(x/60)+200
の関係を満たす金属材料を用いて、前記と同様の効果を得ることができる。
【0044】
本発明は、フェース板2ないしフェース面インサート板102を、ヤング率をx(単位:kgf /mm2 )、引張強度をy(単位:kgf /mm2 )、ビッカース硬さをz(単位:HV)としたときに、
y≧0.006x+60
z≧(x/60)+200
を同時に満足させる金属材料を用いる。インピーダンスマッチング理論に基づいて、ボールの飛距離を向上すると同時に、インパクト時の衝撃に耐えうる強度と、表面に傷が付きにくい非常に耐久性の高いフェースを有するさらに好ましいゴルフクラブヘッドが得られる。本発明は、ヘッドの種類としては、特にウッド型、アイアン型が好ましいが、パター型とすることもできる。
【0045】
【実施例】
<第1具体例>
フェース部の一部に、合金組成を種々変更したジルコニウム系非晶質合金(Zr−Al−Cu−Ni−Hf、又はZr−Al−Cu−Ni)を使用してウッド型のゴルフクラブヘッド(実施例1〜6)を製造し、そのゴルフクラブヘッドを使用して、ヘッド速度、ボール速度、反発係数、キャリー、トータル飛距離、ヘッドのメカニカルインピーダンスの1次の極小値の周波数、打球感等について調べ、その結果を表1に示した。なお、比較例1、2としてチタン製のウッド型中空ヘッドとステンレス製のウッド型中空ヘッドを製造し、性能を比較した。
なおヘッド速度、ボール速度、反発係数、キャリー及びトータル飛距離は、スウィングロボットによる打撃試験により測定した。またヘッドのメカニカルインピーダンスの1次の極小値の周波数の測定には、前記日本国特許に示されているのと同様な加振機、加速度ピックアップ、パワーユニット、ダイナミック・シグナルアナライザなどを使用した加振測定法を用いた。また打球感は、20名のゴルファーが実際に打撃して評価し、衝撃の少なさ(ソフトな打ち心地が得られるか)を基準に、1〜5点の5段階の官能評価を行い、その平均値をとった。
【0046】
【表1】
表1から明らかなように、比較例1、2のゴルフクラブヘッドのメカニカルインピーダンスの1次の極小値の周波数は1450Hzと1980Hzであるのに対し、実施例1〜6は、全て1290Hz以下に抑えられている。これにより、実施例1〜6のゴルフクラブヘッドはヘッドのメカニカルインピーダンスの1次の極小値の周波数を従来のヘッドよりも小さくでき、2ピースボールのメカニカルインピーダンスの1次の極小値の周波数(約1000〜1200Hz)に近似していることが確認された。なおフェース板に用いた金属材料の引張強度は、200kgf /mm2 以下のものが例示されている。また、反発係数、キャリー、トータル飛距離とも、実施例1〜6の方が比較例1、2よりも大きくなっていることがわかる。さらに打球感についても、実施例1〜6の方が比較例1、2よりも優れている(ソフトである)。
【0048】
これらの実施例では、フェース板(非晶質金属部)の厚さが、引張強度が大きいものほど小さく設定されている。この厚さの減少分が、さらにフェース部としてのバネ定数を低下させ、反発係数、キャリー、トータル飛距離の増大と打球感の向上が得られたと考えられる。また、図8は、金属材料のヤング率xと引張強度yとの関係を示している。前記実施例1〜6、比較例1、2のフェース板に用いられた金属材料を図8にプロットした。また、ジュラルミン、マグネシウム合金、スーパーハイテンのデータについても併せてプロットした。
【0049】
図8において、直線10はy=0.006x+60を示すグラフ線、直線11はy=0.006x+63を示すグラフ線、直線12はy=0.006x+100を示すグラフ線である。なおy≧0.006x+60を満足する領域を斜線にて示している。実施例1〜6で使用した金属材料は、y≧0.006x+60を満足するが、比較例1、2で使用した金属材料やびジュラルミン、マグネシウム合金、スーパーハイテンなどはy<0.006x+60であることがわかる。
【0050】
<第2具体例>
次に、本発明の他の具体例として、ヤング率とビッカース硬さとの関係について調べた。図6及び図7に示したものと同様のアイアン型のヘッド(実施例7〜9)と、図1〜図3に示したものと同様のウッド型のヘッド(実施例10〜12)を製造した。また、フェース面インサート板、フェース板の材質を、ステンレス、チタン、ジュラルミンとしたアイアン型ヘッド(比較例4〜6)とウッド型ヘッド(比較例7〜9)を製造した。そして、それらのヘッドについては、主としてフェース部の表面の耐傷性と、打球感のソフトさについてテストを行った。なおフェース部の表面の耐傷性は、スウィングロボットにて地面に置いたゴルフボールを僅かに砂が介在するよう打撃して、フェース部表面についた傷の量を調べたものである。また、打球感のソフトさは20名のゴルファーにてフィーリング評価を行い、その平均をとったものである。またビッカース硬さの測定荷重は30kgf である。テストの結果を表2、表3に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
表2及び表3から明らかなように、実施例7〜9及び実施例10〜12のゴルフクラブヘッドは、フェース部の表面が傷つき難く(傷つきが少ない又は極めて少ない)、かつ打球感がソフト(良又はきわめて良)である。そして、フェース面の傷つきとソフトフィーリング性能の少なくとも一方は、「きわめて良い」という結果となっている。また例えば実施例7は、比較例3、4と同程度のビッカース硬さ(同程度の耐傷性)であるが、ヤング率については非常に低くなっている。従って、この実施例のゴルフクラブヘッドは、飛距離を増大し、打球時のフィーリングがソフトでありながら、砂、石等による傷つきが少なく、耐摩耗性に優れていることがわかる。
【0054】
また、図9は、金属材料のヤング率xとビッカース硬さzの関係を示し、実施例7〜9及び比較例3〜8のフェース板の金属材料と、マグネシウム、及び、スーパーハイテンのそれぞれのデータをプロットしたものである。図において直線16はz=(x/60)+200を示し、直線17はz=(x/60)+250を示す。また、z≧(x/60)+200の関係を満足する領域を斜線にて示す。同図から明らかなように、実施例7〜12は、z≧(x/60)+200の関係を満たしている。
【0055】
【発明の効果】
上述したように、請求項1記載のゴルフクラブヘッドによれば、またフェース部には非晶質金属を用いているため、高引張強度と低ヤング率の両立を容易に達成することができ、フェース部の一部を、インパクト時の衝撃に耐える引張強度を維持しつつ剛性を小さくできる。したがって、ヘッドのメカニカルインピーダンスの1次の極小値の周波数を従来のゴルフクラブヘッドよりも小さくできる。例えば、ゴルフクラブヘッドのメカニカルインピーダンスの1次の極小値の周波数を、ゴルフボールのメカニカルインピーダンスの1次の極小値の周波数により近似した値とすることができる。従って、飛距離が伸びる。また、打球時の打ち心地をソフトとすることができる。さらに、ゴルフクラブヘッドは、フェース部の厚さを小さくすることが可能であり、さらに軽量化を図りうる。またフェース部の厚さを小さくした場合には、その分だけフェース部のバネ定数が低下し、さらにメカニカルインピーダンスの1次の極小値の周波数を低くすることが可能である。
【0056】
また請求項に係る発明では、フェース部に適した金属材料として非晶質金属を用いており、高引張強度と低ヤング率の両立を容易に達成することができ、しかもフェース部の一部を、インパクト時の摩擦やインパクト時の砂噛みに耐える表面硬さを維持しつつその剛性を小さくすることができる。したがって、ヘッドの耐久性、耐傷性を維持しつつメカニカルインピーダンスの1次の極小値の周波数を従来のゴルフクラブヘッドよりも小さくできる。例えば、ゴルフクラブヘッドのメカニカルインピーダンスの1次の極小値の周波数を、ゴルフボールのメカニカルインピーダンスの1次の極小値の周波数により近似した値とすることができる。従って、飛距離が伸びる。また、打球時の打ち心地をソフトとすることができる。さらに、ゴルフクラブヘッドは、フェース部の厚さを小さくすることが可能であり、さらに軽量化を図りうる。またフェース部の厚さを小さくした場合には、その分だけフェース部のバネ定数が低下し、さらにメカニカルインピーダンスの1次の極小値の周波数を低くすることが可能である。
【0057】
又請求項3の発明において前記a、bを、99≦a≦100、0≦b≦1であることを特徴とし、これにより本発明のゴルフクラブヘッドに適した非晶質合金材となる。
【0058】
又請求項4に係る発明は、前記c、d、eを、50≦c≦75、25≦d≦50、0≦e≦1であることを特徴とし、これにより本発明のゴルフクラブヘッドに適した非晶質合金材となる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】ウッド型のゴルフクラブヘッドの実施の一形態を示す正面図である。
【図2】その側面図である。
【図3】図2の断面図である。
【図4】(A)及び(B)はフェース板の取付構造が異なる他の実施形態のヘッドの断面図である。
【図5】さらに別の実施の形態を示すヘッドの断面図である。
【図6】アイアン型のゴルフクラブヘッドの実施の一形態を示す正面図である。
【図7】その断面図である。
【図8】ヤング率と引張強度の関係を示すグラフである。
【図9】ヤング率とビッカース硬さの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ゴルフクラブヘッド
2 フェース板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a metal golf club head for hitting a golf ball.
[0002]
[Prior art and problems to be solved by the invention]
In recent years, wood-type golf club heads mainly composed of persimmon have been mainly made of metal materials such as carbon steel, stainless steel, duralumin, and titanium. Such a golf club head can have a larger head volume and face area than those using persimmon, and can increase the moment of inertia of the head to stabilize the direction of the hit ball. Furthermore, the sweet area of the head can be enlarged to reduce the reduction in the rebound of the ball when the core is removed and the ball is hit. Further, when the golf club head is enlarged, the feeling of stability at the time of addressing is improved, and a long shaft can be attached to increase the flight distance.
[0003]
By the way, the present applicant has acquired Japanese Patent No. 2130519 (Japanese Patent Publication No. 5-33071) as a golf club head that maximizes the resilience performance between the head and the golf ball and increases the flight distance. . In this patent, a frequency indicating the primary minimum value of the mechanical impedance of the golf club head (hereinafter, simply referred to as “the primary frequency of the impedance of the head”) is referred to as the primary mechanical impedance of the golf ball. The frequency at which the impacted ball is launched is maximized by approaching the frequency indicating the local minimum value (hereinafter, simply referred to as “the first frequency of the impedance of the ball”, which is approximately 600 to 1600 Hz). The theory of enhancing (hereinafter, sometimes referred to as “impedance matching theory”) is disclosed.
[0004]
“Mechanical impedance” is defined as the ratio between the magnitude of a force acting on a point and the magnitude of the response speed of another point when this force is applied. That is, if the force applied to a certain object from the outside is F and the response speed is V, the mechanical impedance Z is defined as Z = F / V.
[0005]
In order to reduce the primary frequency of the impedance of the head, it is effective to reduce the rigidity of the head face or face portion. For example, increasing the area of the face part, reducing the thickness of the face part, and using a material having a low Young's modulus for the face part. In particular, if a metal material with a low Young's modulus is used for the face part of the head, there is an advantage that the feeling when hitting the ball is soft and the impact transmitted to the hand is small even during a miss shot. Known empirically.
[0006]
However, it is difficult to secure a strength that can withstand an impact at the time of impact with a metal material having a low tensile strength even if the Young's modulus is low. In addition, if the thickness of the face portion is increased to obtain the strength of the face portion, the effect of lowering the rigidity of the face portion is small as a result, and there is a limit to lowering the primary frequency of the head impedance. It was.
[0007]
In addition, metal materials with low surface hardness even though the Young's modulus is low may cause the surface of the face to wear or scratch early due to friction with the ball during impact or biting sand with the ball during impact. There are problems such as easy attachment.
[0008]
In the present inventionThe purpose is to provide a golf club head capable of increasing the flight distance based on the impedance matching theory described above, based on the fact that the rigidity of the face portion is lowered while ensuring the strength that can withstand an impact at the time of impact. Yes.
[0009]
AlsoIn the present inventionIn addition, it provides a soft feel at impact and impedance matching based on lowering the rigidity of the face while ensuring the hardness that can prevent wear and damage to the face due to friction with the ball at impact and sand biting. An object of the present invention is to provide a golf club head capable of further increasing the flight distance based on the theory.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, the Young's modulus is x (unit: kgf / mm).2), The tensile strength is y (unit: kgf / mm)2), At least part of the face
y ≧ 0.006x + 60
When the Young's modulus is x and the Vickers hardness is z (unit: HV),
z ≧ (x / 60) +200
It consists of an amorphous metal that satisfies the above relationship.
[0011]
The invention according to
General formula: MaXb (a and b are atomic% 65 ≦ a ≦ 100, 0 ≦ b ≦ 35)
(Where M is Zr, V, Cr, Mn, F e, Co, Ni, Cu, Ti, Mo, W, Ca, Li, Mg, Si, Al, Pd, Be is one or more metal elements selected from Be, X is Y, La, Ce, Sm, Md , An amorphous alloy comprising one or more metal elements selected from Hf, Nb, Ta,
Or the general formula: ZrcMdXe
(C, d, e are atomic% 20 ≦ c ≦ 80, 20 ≦ d ≦ 80, 0 ≦ e ≦ 35, where Zr is zirconium, M is V, Cr, Mn, F e, Co, Ni, Cu, Ti, Mo, W, Ca, Li, Mg, Si, Al, Pd, Be is one or more metal elements selected from Be, X is Y, La, Ce, Sm, Md , A zirconium-based amorphous alloy comprising one or more metal elements selected from Hf, Nb, and Ta,
Moreover, the amorphous ratio, which is the ratio (v1 / v) between the volume v1 of the amorphous phase and the total volume v, is 75% or more..
[0012]
The invention according to claim 2The a and b are 99 ≦ a ≦ 100 and 0 ≦ b ≦ 1.
[0013]
Also chargeIt is characterized by 1.The invention according to Item 3C, d, e are 50 ≦ c ≦ 75, 25 ≦ d ≦ 50, 0 ≦ e ≦.
[0014]
The invention according to
Tensile strength y (unit: kgf / mm 2 ) Is 105-175 ( kgf / mm 2 ), And the Young's modulus x (unit: kgf / mm 2 ) To 5000 ( kgf / mm 2 ) And 10,000 ( kgf / mm 2 ) Characterized by:.
[0015]
The invention according to claim 5
The Vickers hardness z (unit: HV) is 400 HV or more and 1000 HV or less.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
1 to 3 illustrate a hollow wood type (metal head) golf club head formed of a metal material as a golf club head according to the present invention. In this example, the head includes a
[0017]
The head
[0018]
In addition, the
[0019]
As a result of various experiments conducted by the inventors, the Young's modulus was expressed as x (unit: kgf / mm).2), The tensile strength is y (unit: kgf / mm)2) Part of the
y ≧ 0.006x + 60
It has been found that it is desirable to form a metal material that satisfies the above relationship.
[0020]
In the present embodiment, the
[0021]
Further, since this golf club head can maintain its tensile strength high while lowering the Young's modulus, the thickness of the
[0022]
In this example, the
[0023]
By the way, the primary frequency of the impedance of the golf ball is in the range of about 600 to 1600 Hz, and in the case of a general two-piece ball, it is about 1000 to 1200 Hz. On the other hand, the primary frequency of impedance of the conventional stainless steel wood type head is about 1800 to 2500 Hz, and the titanium wood type head is about 1400 to 2000 Hz. In the golf club head of the present embodiment, the primary frequency of the impedance of the head can be made smaller than that of the conventional head so that it can be approximated or matched with the primary frequency of the impedance of the golf ball. It is.
[0024]
For example, in the present embodiment, the primary frequency of the head impedance could be made less than 1300 Hz. This is a value that roughly matches that of a two-piece ball. Thereby, in the golf club head of this embodiment, the launching speed of the ball at the time of impact is maximized and the flight distance is increased. Preferably, the Young's modulus is x (unit: kgf / mm).2), The tensile strength is y (unit: kgf / mm)2) At least a part of the
y ≧ 0.006x + 63
Or a metal material satisfying the above relationship, and more preferably,
y ≧ 0.006x + 100
It is also desirable to use a metal material that satisfies this relationship.
[0025]
For example, the metal material of the
y <0.006x + 60
If this is the case, the balance between the tensile strength and the Young's modulus will be poor, and it will be difficult to reduce the rigidity of the face portion while ensuring the strength to withstand the impact during impact. In the present embodiment, the tensile strength of the metal material of the
[0026]
In this embodiment, the Young's modulus of the metal material of the
[0027]
in this way,Reducing the rigidity of the face part while ensuring the strength to withstand impact during impactThe NextNext, an embodiment capable of preventing friction with the ball at the time of impact and wear and damage to the surface of the face portion due to the biting of sand will be described.
[0028]
Figure1 to 3 or a golf club head having the shape shown in FIGS.YaX (unit: kgf / mm2), When the Vickers hardness is z (unit: HV), at least a part of the surface of the face portion is
z ≧ (x / 60) +200
It was found that it is desirable to be made of a metal material that satisfies the above relationship. For example, by forming the
[0029]
The Vickers hardness of the metal material is the hardness obtained from the test load when the indentation is made on the test surface using a diamond regular pyramid indenter with a face angle of 136 degrees and the surface area of the indentation. In the present invention, the test load is 30 kgf. In this embodiment, the
[0030]
Therefore, the golf club head of this embodiment can also reduce the primary frequency of the impedance of the head, and can improve the flight distance of the hit ball by impedance matching theory. Further, since a part of the surface of the face portion has a low Young's modulus, the impact at the time of impact is reduced, and a soft shot feeling is provided.
[0031]
In the present embodiment, the
z <(x / 60) +200
In the case of the metal material, it is impossible to satisfy the three performances of soft feel at impact, increased flight distance, and durability of the
[0032]
Here, the preferable range of the Vickers hardness of the
[0033]
Preferably, the Young's modulus is x (unit: kgf / mm).2), When the Vickers hardness is z (unit: HV), at least a part of the surface of the
z ≧ (x / 60) +250
It is desirable that the metal material satisfy the above. Also in this embodiment, the Young's modulus of the
[0034]
thisThe metal material forming the
[0035]
Amorphous metal
General formula: MaXb (a and b are atomic% 65 ≦ a ≦ 100, 0 ≦ b ≦ 35)
It is comprised by the composition shown by these.
Here, M is one or more metal elements selected from Zr, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Ti, Mo, W, Ca, Li, Mg, Si, Al, Pd, and Be. X is composed of one or more metal elements selected from Y, La, Ce, Sm, Md, Hf, Nb, and Ta. Preferably, a and b are
99 ≦ a ≦ 100 0 ≦ b ≦ 1
Is desirable.
[0036]
Since such an amorphous metal simultaneously has high tensile strength, high Vickers hardness, and low Young's modulus, it is a metal material suitable for the golf club head of the present invention. As the amorphous metal, a zirconium-based amorphous alloy can be particularly preferably employed. This zirconium-based amorphous alloy has higher tensile strength and lower Young's modulus. Also, it is practically preferable in that the cooling rate during production can be made relatively small, and a molten metal can be poured into a mold and cooled to form a block or a plate in a relatively easy manner.
[0037]
Zirconium-based amorphous alloys
General formula: ZrcMdXe
(C, d and e are atomic%, 20 ≦ c ≦ 80, 20 ≦ d ≦ 80, 0 ≦ e ≦ 35)
It is comprised by the composition shown by these.
However, Zr is zirconium, M is V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Ti, Mo, W, Ca, Li, Mg, Si, Al, Pd, and Be. X is composed of one or more metal elements selected from Y, La, Ce, Sm, Md, Hf, Nb, and Ta.
[0038]
The c, d, and e are preferably
35 ≦ c ≦ 75 25 ≦ d ≦ 65 0 ≦ e ≦ 30
And more preferably
35 ≦ c ≦ 75 25 ≦ d ≦ 65 0 ≦ e ≦ 1
More preferably
50 ≦ c ≦ 75 25 ≦ d ≦ 50 0 ≦ e ≦ 1
Is desirable. The M is particularly preferably Al, Cu, or Ni, and X is preferably Hf. In particular, as such a zirconium-based amorphous alloy,
ZrcAld1Cud2Nid3Hfe
(D1 + d2 + d3 = d and c + d + e = 100) are preferable.
[0039]
AlsoIn the present invention, the amorphous metal has an amorphous ratio of 57% or more.. Preferably it is 75% or more, more preferably 80% or more, and still more preferably 90%. Such an amorphous ratio can be specified by observing a cut section of a sample of a metal material with an optical microscope after mirror polishing and edging, and measuring the area of the amorphous portion. The amorphous ratio is determined by the alloy composition of the amorphous metal, the cooling temperature for cooling the molten alloy when producing the amorphous metal, and the oxygen in the surrounding gas when producing the amorphous metal. It can be adjusted by changing the concentration. In particular, the amorphous ratio can be increased as the cooling rate is increased and the oxygen concentration in the surrounding gas is decreased.
[0040]
Regarding this embodiment, the design can be changed by various methods. For example, with respect to the thickness of the face plate, the central part can be made thicker and the peripheral part can be made thinner gradually outward. In this case, it is possible to further reduce the primary frequency of the impedance of the head without reducing the strength of the
[0041]
For the
y ≧ 0.006x + 60
When the metal material that satisfies the above relationship or the Vickers hardness is z (unit: HV),
z ≧ (x / 60) +200
A metal material satisfying the above relationship can be used. In this case, impact durability and feel at impact are further improved, and the primary frequency of the head impedance can be further reduced.
[0042]
6 and 7 show a metal iron-type club head as another embodiment of the present invention. In this example, the head is composed of a head
[0043]
For example, such a face
y ≧ 0.006x + 60
Or a Young's modulus x (unit: kgf / mm)2), When the Vickers hardness is z (unit: HV),
z ≧ (x / 60) +200
The same effect as described above can be obtained by using a metal material that satisfies the above relationship.
[0044]
The
y ≧ 0.006x + 60
z ≧ (x / 60) +200
Using metal materials that satisfyTheBased on impedance matching theory, it is possible to obtain a more preferable golf club head having a highly durable face that can withstand impacts at the time of impact and has a highly durable face that is hard to be scratched while improving the flight distance of the ball.The BookIn the invention, the wood type and the iron type are particularly preferable as the type of the head, but it can also be a putter type.The
[0045]
【Example】
<First specific example>
Using a zirconium-based amorphous alloy (Zr-Al-Cu-Ni-Hf or Zr-Al-Cu-Ni) with variously changed alloy compositions for a part of the face portion, a wood type golf club head ( Examples 1 to 6) were manufactured, and the golf club head was used to measure the head speed, ball speed, coefficient of restitution, carry, total flight distance, frequency of the primary minimum value of the head mechanical impedance, feel at impact, etc. The results are shown in Table 1. As Comparative Examples 1 and 2, a wood-type hollow head made of titanium and a wood-type hollow head made of stainless steel were manufactured, and the performance was compared.
The head speed, ball speed, coefficient of restitution, carry and total flight distance were measured by a hitting test using a swing robot. For the measurement of the frequency of the primary minimum value of the mechanical impedance of the head, the vibration using the same vibrator, accelerometer, power unit, dynamic signal analyzer, etc. as shown in the above Japanese patent is used. The measurement method was used. The feel of hitting ball is evaluated by 20 golfers who actually hit, and based on the low impact (whether soft hitting feeling can be obtained), 5 levels of sensory evaluation are performed. Average values were taken.
[0046]
[Table 1]
[0047]
As is clear from Table 1, the frequencies of the first-order minimum values of the mechanical impedance of the golf club heads of Comparative Examples 1 and 2 are 1450 Hz and 1980 Hz, while Examples 1 to 6 are all suppressed to 1290 Hz or less. It has been. Thereby, the golf club heads of Examples 1 to 6 can make the frequency of the primary minimum value of the mechanical impedance of the head smaller than that of the conventional head, and the frequency of the primary minimum value of the mechanical impedance of the two-piece ball (about It was confirmed that the frequency was close to 1000 to 1200 Hz. The tensile strength of the metal material used for the face plate is 200 kgf / mm.2The following are illustrated. It can also be seen that the coefficient of restitution, carry, and total flight distance are larger in Examples 1 to 6 than in Comparative Examples 1 and 2. Further, in terms of feel at impact, Examples 1 to 6 are superior to Comparative Examples 1 and 2 (soft).
[0048]
In these examples, the thickness of the face plate (amorphous metal portion) is set smaller as the tensile strength is larger. This decrease in thickness further reduces the spring constant as the face portion, and it is considered that an increase in the coefficient of restitution, carry, total flight distance and improvement in feel at impact are obtained. FIG. 8 shows the relationship between the Young's modulus x and the tensile strength y of the metal material. The metal materials used for the face plates of Examples 1 to 6 and Comparative Examples 1 and 2 are plotted in FIG. In addition, data for duralumin, magnesium alloy, and super high tension were also plotted.
[0049]
8, the
[0050]
<Second specific example>
Next, as another specific example of the present invention, the relationship between Young's modulus and Vickers hardness was examined. Iron type heads (Examples 7 to 9) similar to those shown in FIGS. 6 and 7 and wood type heads (Examples 10 to 12) similar to those shown in FIGS. 1 to 3 are manufactured. did. In addition, iron type heads (Comparative Examples 4 to 6) and wood type heads (Comparative Examples 7 to 9), in which the face surface insert plate and face plate were made of stainless steel, titanium, and duralumin, were manufactured. These heads were mainly tested for scratch resistance on the surface of the face portion and softness of the shot feeling. The scratch resistance on the surface of the face portion is obtained by hitting a golf ball placed on the ground with a swing robot so that a slight amount of sand is interposed, and examining the amount of scratches on the surface of the face portion. Further, the softness of the hit feeling is obtained by performing an evaluation of feelings with 20 golfers and taking the average. The measurement load for Vickers hardness is 30 kgf. The test results are shown in Tables 2 and 3.
[0051]
[Table 2]
[0052]
[Table 3]
[0053]
As is clear from Tables 2 and 3, in the golf club heads of Examples 7 to 9 and Examples 10 to 12, the surface of the face part is hardly damaged (little damage or very little damage), and the shot feeling is soft ( Good or very good). In addition, at least one of the scratch on the face surface and the soft feeling performance is “very good”. For example, Example 7 has the same Vickers hardness (same scratch resistance) as Comparative Examples 3 and 4, but the Young's modulus is very low. Therefore, it can be seen that the golf club head of this example has a great flight distance, a soft feeling during hitting, and is hardly damaged by sand, stones, etc., and has excellent wear resistance.
[0054]
FIG. 9 shows the relationship between the Young's modulus x and the Vickers hardness z of the metal material. Each of the metal material of the face plates of Examples 7 to 9 and Comparative Examples 3 to 8, magnesium, and super high tension. A plot of the data. In the figure, the
[0055]
【The invention's effect】
As described above, according to the golf club head of
[0056]
In the claimed invention,Amorphous metal is used as the metal material suitable for the face part, and both high tensile strength and low Young's modulus can be easily achieved, and part of the face part is subjected to friction and impact during impact. It is possible to reduce the rigidity while maintaining the surface hardness that can withstand sand biting. Therefore, the primary minimum frequency of the mechanical impedance can be made smaller than that of the conventional golf club head while maintaining the durability and scratch resistance of the head. For example, the frequency of the primary minimum value of the mechanical impedance of the golf club head can be approximated by the frequency of the primary minimum value of the mechanical impedance of the golf ball. Therefore, the flight distance increases. Further, the hitting feeling at the time of hitting can be made soft. Further, the golf club head can reduce the thickness of the face portion, and can further reduce the weight. Further, when the thickness of the face portion is reduced, the spring constant of the face portion is reduced by that amount, and the frequency of the first-order minimum value of mechanical impedance can be lowered.
[0057]
In the invention of
[0058]
The invention according to
[0059]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view showing an embodiment of a wood-type golf club head.
FIG. 2 is a side view thereof.
FIG. 3 is a cross-sectional view of FIG.
FIGS. 4A and 4B are cross-sectional views of heads of other embodiments having different face plate mounting structures. FIGS.
FIG. 5 is a cross-sectional view of a head showing still another embodiment.
FIG. 6 is a front view showing an embodiment of an iron type golf club head.
FIG. 7 is a sectional view thereof.
FIG. 8 is a graph showing the relationship between Young's modulus and tensile strength.
FIG. 9 is a graph showing the relationship between Young's modulus and Vickers hardness.
[Explanation of symbols]
1 Golf club head
2 Face plate
Claims (5)
ヤング率をx(単位:kgf /mm2 )、引張強度をy(単位:kgf /mm2 )としたとき、 y≧0.006x+60
前記ヤング率をx、ビッカース硬さをz(単位:HV)としたとき、
z≧(x/60)+200
の関係を満たす非晶質金属からなり、
かつ前記非晶質合金は、
一般式:MaXb(a、bは原子%で65≦a≦100、0≦b≦35)
で示される組成で構成される(ここで、MはZr、V、Cr、Mn、 F e、Co、Ni、Cu、Ti、Mo、W、Ca、Li、Mg、Si、Al、Pd、Beより選ばれる1種類以上の金属元素であり、XはY、La、Ce、Sm、Md、Hf、Nb、Taから選ばれる1種類以上の金属元素からなる非晶質合金、
又は一般式:ZrcMdXe
(c、d、eは原子%で20≦c≦80、20≦d≦80、0≦e≦35、ただし、Zrはジルコニウム、MはV、Cr、Mn、 F e、Co、Ni、Cu、Ti、Mo、W、Ca、Li、Mg、Si、Al、Pd、Beより選ばれる1種類以上の金属元素であり、XはY、La、Ce、Sm、Md、Hf、Nb、Taから選ばれる1種類以上の金属元素)からなるジルコニウム系の非晶質合金であって、
しかも非晶質相の体積v1と全体の体積vとの比(v1/v)である非晶質率が57%以上であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。At least part of the face part
When Young's modulus is x (unit: kgf / mm 2 ) and tensile strength is y (unit: kgf / mm 2 ), y ≧ 0.006x + 60
When the Young's modulus is x and the Vickers hardness is z (unit: HV),
z ≧ (x / 60) +200
Made of amorphous metal that satisfies the relationship
And the amorphous alloy is
General formula: MaXb (a and b are atomic% 65 ≦ a ≦ 100, 0 ≦ b ≦ 35)
In a composition composed of (here shown, M is Zr, V, Cr, Mn, F e, Co, Ni, Cu, Ti, Mo, W, Ca, Li, Mg, Si, Al, Pd, Be One or more metal elements selected from X, X is an amorphous alloy comprising one or more metal elements selected from Y, La, Ce, Sm, Md, Hf, Nb, Ta,
Or the general formula: ZrcMdXe
(C, d, e is provided that 20 ≦ c ≦ 80,20 ≦ d ≦ 80,0 ≦ e ≦ 35, in atomic%, Zr is zirconium, M is V, Cr, Mn, F e , Co, Ni, Cu , Ti, Mo, W, Ca, Li, Mg, Si, Al, Pd, Be is one or more kinds of metal elements, and X is selected from Y, La, Ce, Sm, Md, Hf, Nb, Ta A zirconium-based amorphous alloy composed of one or more selected metal elements),
Moreover , the golf club head is characterized in that the amorphous ratio, which is the ratio (v1 / v) of the volume v1 of the amorphous phase to the total volume v, is 57% or more .
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001169897A JP3961788B2 (en) | 1997-04-16 | 2001-06-05 | Golf club head |
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