JP3960273B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
(1)本願の第1発明による半導体モジュールは、請求項1に記載したように、ともに冷却媒体の流通空間を有する角筒状の第1冷却チューブと第2冷却チューブとの間に、それぞれが薄い矩形板状の本体とその一端面から突出した一端端子及び他端面から突出した他端端子とを持つ複数の半導体モジュールが挟持され、前記本体が前記第1冷却チューブ及び前記第2冷却チューブに密着されている。各半導体モジュールの少なくとも一側第1縁に第1冷却チューブの一側面に係合する一側第1位置決め部が形成され、一側第2縁に第2冷却チューブの一側面に係合する一側第2位置決め部が形成されていることを特徴とする。
<半導体モジュール>
半導体モジュールは第1面(表面)及び第2面(裏面)と、一対の側面と、一対の端面とで区画される薄い矩形状の本体と、その一端面から延び出た一端端子及び他端面から延び出た他端端子とを含む。以下、両側面を結ぶ方向を「幅」と呼び、両端面を結ぶ方向を「長さ」と呼ぶ。
<冷却チューブ>
(1)全般
冷却チューブはアルミニウムや他の金属から成る。細長い角筒形状を呈し、横断面形状は薄い矩形状である。内面及び外面と、一側面と他側面と、一端面及び他端面とで区画される。以下、両側面を結ぶ方向を「幅」と呼び、両端面を結ぶ方向を「長さ」と呼ぶ。
<位置決め部>
位置決め部は半導体装置の組立て時、第1冷却チューブ及び第2冷却チューブと半導体モジュールとの相対位置を決めるものである。少なくとも、半導体モジュールの長手方向即ち冷却チューブの幅方向で相対位置決めする。半導体モジュール及び両冷却チューブの一方に設ければ良く、半導体モジュールに設ける場合(第1タイプ)と、冷却チューブに設ける場合(第2タイプ)とがある。
(1)第1タイプでは、半導体モジュールは少なくとも一側第1縁及び一側第2縁に、冷却チューブの一側面に係合し冷却チューブの長手方向に延びる一側第1位置決め部及び一側第2位置決め部を持つ。加えて、他側第1縁及び他側第2縁に、他側第1位置決め部及び他側第2位置決め部を持つことができる。半導体モジュールの長さ方向で、半導体モジュールと冷却チューブとを相対位置決めする。この他、半導体モジュールの幅方向の位置決め部を有することもできる。
(2)第2タイプでは、第1冷却チューブ及び第2冷却チューブの一側縁及び他側縁に位置決め部を有する。位置決め部は冷却チューブの長手方向に延び半導体モジュールの端面に当接し、半導体モジュールの長さ方向で相対位置決めする。
(3)遮蔽部
上記第2タイプにおいて、第1冷却チューブ及び第2冷却チューブは一側縁及び他側縁に遮蔽部を有する。遮蔽部は半導体モジュールからの電磁波等の漏れを防止する。上記位置決め部が遮蔽部を兼ねている。
<絶縁物>
第1、第2及び第3タイプの何れにおいても、半導体モジュールの本体の端面及び端子と位置決め兼遮蔽部との間に、Al2O3やSiNから成る絶縁部(絶縁板の接着、絶縁物の溶射による)を形成することができる。 半導体モジュールの第1面と第1冷却チューブとの間に第1絶縁板を接着させたり、溶射によって絶縁物を介在させる。第2面と第2冷却チューブとの間に第2絶縁板を接着させたり、溶射によって絶縁物を介在させる。
A 第1実施例から第4実施例は、半導体装置の構成部材の相対位置決め及び電磁波の漏れの防止を意図している。
<第1実施例>
(構成)
第1実施例の半導体装置の斜視図を示す図1において、半導体装置は複数(ここでは2つ図示)の並置された半導体モジュール10(10L,10R)と、半導体モジュール10を表裏両面からサンドイッチ状に挟持する第1冷却チューブ25及び第2冷却チューブ45とから成り、いわゆる両面冷却構造を持つ。
(1)半導体モジュール
図1及び図2に示すように、左方半導体モジュール10Lは薄い矩形板状の本体11と、その一端面13aから突出した制御ピン19と、他端面13bから突出したコレクタ端子15及びエミッタ端子17とを含む。本体11は半導体チップと、その表面に密着された第1電極板(放熱板)及び裏面に密着された第2電極板(放熱板)と、これらを一体的に封止する樹脂モールドとを持つ(何れも公知であり、不図示)。
(2)冷却チューブ
図1及び図2に示すように、第1冷却チューブ25は全体として四角筒形状を持ち、横断面は幅(図1で上下方向寸法)に比べて高さが低い扁平な長方形を呈し、内面26及び外面33を持つ。その幅は半導体モジュール10の本体11の幅とほぼ同じで、高さは本体11の高さよりも少し小さい。
(3)組立て
半導体装置の組立は以下の通り行う。第2冷却チューブ45の第2一側リブ62と第2他側リブ63との間に半導体モジュール10の本体11をセットし、その上に第1冷却チューブ25を乗せる。第1冷却チューブ25の外面33及び第2冷却チューブ45の外面53から内向きに加圧力を加える。第1冷却チューブ25の第1一側リブ42及び第1他側リブ43が、第2一側リブ62及び第2他リブ63に当接する。その後、第1冷却チューブ25及び第2冷却チューブ45の両端を締結する。
(作用効果)
この実施例において、半導体モジュール10がスイッチング素子として作動する間、第1冷却チューブ25の冷媒通路39及び第2冷却チューブ45の冷媒通路59に冷媒を流通させ、半導体モジュール10の第1及び第2電極板を冷却する。
<第2実施例>
図4に示す第2実施例は、一側位置決め兼遮蔽部及び他側位置決め兼遮蔽部の構成が第1実施例とは異なり、3つの態様が含まれる。
<第3実施例>
図5に示す第3実施例は、第1実施例と比較して、遮蔽物の形状と、第1冷却チューブ(不図示)及び第2冷却チューブ130に形成した半導体モジュール10の位置決め部の構成が異なる。
<第4実施例>
図6に示す第4実施例は、第1実施例と比べると、位置決め兼遮蔽部の他に、半導体モジュール10と冷却チューブとの間に絶縁物が介在されている点が異なり、3つの態様を含む。
B 第5実施例及び第6実施例は、半導体モジュールの構成部材の相対位置決めを意図している。
<第5実施例>
(構成)
図7に示す第5実施例では、複数の半導体モジュールのそれぞれの両側に位置決め部が形成されている。詳述すると、図7(a)(b)から分かるように、半導体モジュール200の一側201の上縁202及び下縁205にそれぞれ一側第1位置決め部203及び一側第2位置決め部206が形成されている。また、他側211の上縁212及び下縁215にそれぞれ他側第1位置決め部213及び他側第2位置決め部216が形成されている。その結果、半導体モジュール200は断面H字形状を持つ。
(組立て)
また、半導体装置の組立てに際しては、複数の冷却チューブ220,225等を両端に介在物を介して所定間隔で積み重ね、上下方向の空間内に半導体モジュール200を挿入し、その後冷却チューブ220,225により半導体モジュール200等を締め付ける。
(作用効果)
この実施例によれば、一側第1位置決め部203及び他側第1位置決め部213が半導体モジュール200と第1冷却チューブ220との半導体モジュール200の長さ方向(冷却チューブ220,225の幅方向)の相対位置を決める。また、一側第2位置決め部206及び他側第2位置決め部216が半導体モジュール200と第2冷却チューブ225との長さ方向(冷却チューブ220,225の幅方向)方向の相対位置を決める。
<第6実施例>
図8(a)(b)に示した第6実施例では、半導体モジュール250の一側251の上縁252に第1位置決め部253が形成され、下縁255に第2位置決め部256が形成されている。但し、他側261には位置決め部は形成されていない。
<変形例>
なお、上記第5実施例において、必要に応じて、半導体モジュールを幅方向で位置決めする位置決め部を設けることができる。即ち、図9(a)に示すように、第1冷却チューブ300及び第2冷却チューブ305の側面上に、矩形棒材から成り幅方向に延びる位置決め部310及び315が設けられている。位置決め部310及び315は半導体モジュール320の側面に当接して、半導体モジュール320の幅方向即ち冷却チューブ300,305の長さ方向で相対位置を決める。
13a,13b:端面 15,17,19:端子、ピン
25:第1冷却チューブ 26:内面
28,31:突出部 39:冷媒通路
45:第2冷却チューブ 46:内面
48,51:突出部 50:冷媒通路
30:一側位置決め兼遮蔽部 60:他側位置決め兼遮蔽部
203:一側第1位置決め部 205:一側第2位置決め部
Claims (8)
- ともに冷却媒体の流通空間を有する角筒状の第1冷却チューブと第2冷却チューブとの間に、それぞれが薄い矩形板状の本体とその一端面から突出した一端端子及び他端面から突出した他端端子とを持つ複数の半導体モジュールが挟持され、前記本体が前記第1冷却チューブ及び前記第2冷却チューブに密着されている半導体装置であって、
各前記半導体モジュールの少なくとも一側第1縁に前記第1冷却チューブの一側面に係合する一側第1位置決め部が形成され、一側第2縁に前記第2冷却チューブの一側面に係合する一側第2位置決め部が形成されていることを特徴とする半導体装置。 - 更に、各前記半導体モジュールの他側第1縁に前記第1冷却チューブの他側面に係合する他側第1位置決め部が形成され、他側第2縁に前記第2冷却チューブの他側面に係合する他側第2位置決め部が形成されている請求項1に記載の半導体装置。
- ともに冷却媒体の流通空間を有する角筒状の第1冷却チューブと第2冷却チューブとの間に、それぞれが薄い矩形板状の本体とその一端面から突出した一端端子及び他端面から突出した他端端子とを持つ複数の半導体モジュールが挟持され、前記本体が前記第1冷却チューブ及び前記第2冷却チューブに密着されている半導体装置であって、
前記第1冷却チューブの一側縁及び前記第2冷却チューブの一側縁に前記本体の一端面を覆う一側位置決め兼遮蔽部が形成され、該第1冷却チューブの他側縁及び該第2冷却チューブの他側縁に該本体の他端面を覆う他側位置決め兼遮蔽部が形成されていることを特徴とする半導体装置。 - 前記一側位置決め兼遮蔽部は、前記第1冷却チューブの一側縁に形成された第1一側突出部と、前記第2冷却チューブの一側縁に形成された第2一側突出部とを含み、前記他側位置決め兼遮蔽部は前記第1冷却チューブの他側縁に形成された第1他側突出部と、前記第2冷却チューブの他側縁に形成された第2他側突出部とを含む請求項3に記載の半導体装置。
- 前記第1冷却チューブ及び前記第2冷却チューブの第1長手方向位置に前記本体の一側面に当接し、前記半導体モジュールを前記第1冷却チューブ及び前記第2冷却チューブの幅方向で位置決めする一側位置決め部が形成され、該第1冷却チューブ及び該第2冷却チューブの第2長手方向位置に該本体の他側面に当接し、該半導体モジュールを該第1冷却チューブ及び該第2冷却チューブの幅方向で位置決めする他側位置決め部が形成されている請求項3に記載の半導体装置。
- 更に、前記本体の一端面及び他端面と、前記一側端子及び他側端子と、前記一側位置決め兼遮蔽部及び他側位置決め兼遮蔽部との間に、絶縁部が形成されている請求項3に記載の半導体装置。
- 更に、前記本体の第1面と前記第1冷却チューブとの間に第1絶縁板が介在され、該本体の第2面と前記第2冷却チューブとの間に第2絶縁板が介在されている請求項3に記載の半導体装置。
- 前記第1絶縁板は前記一側遮蔽板に設けられた第1保持部に保持され、前記第2絶縁板は前記他側位置決め兼遮蔽部に設けられた第2保持部に保持されている請求項7に記載の半導体装置。
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