JP3959973B2 - 液晶装置及び電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、本発明は、液晶装置及び電子機器に関し、特に少なくとも一方の基板にプラスチック基板を用いた液晶装置の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型携帯情報端末等の携帯電子機器の普及に伴い、従来の液晶表示パネルに比べて軽量化、薄型化が容易、割れない、曲面表示が可能、等の利点を有するプラスチックフィルム基板を用いた液晶表示パネルへの要求が高まっている。プラスチック基板を用いた液晶装置の一例が、例えば特開平6−214111号公報、特開2000−267073公報などに開示されている。
【0003】
特開平6−214111号公報に記載の液晶表示装置(従来例1)は、液晶を挟持する一対の基板の一方がガラス基板、他方がプラスチック基板であり、ガラス基板とプラスチック基板の組み合わせでパネルが構成されている。そして、カラー液晶表示装置を構成するため、プラスチック基板の外面にカラーフィルターが配置されている。
【0004】
特開2000−267073公報に記載の液晶表示装置(従来例2)も上記と同様、ガラス基板とプラスチック基板の組み合わせでパネルが構成されている。この発明は、画素のスイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)を用いたカラー液晶表示装置の提供を目的としており、素子基板として用いるガラス基板上にTFTおよびカラーフィルターが形成され、対向基板として用いるプラスチック基板上に共通電極、配向膜などが形成されている。
【0005】
これら2つの公報に記載の液晶表示装置は、ガラス基板とプラスチック基板の組み合わせで構成されているが、薄型化、軽量化をより追求して2枚のプラスチック基板を用いたものも検討されている。プラスチック基板を用いた液晶表示装置は種々の電子機器に用いることができるが、現状では時計、電卓、電子手帳等の小型携帯機器に多く用いられており、例えばカレンダー表示、スケジュール、住所録管理等、各種の機能を切り替える際に所望の機能が表示された画面上の一部の領域を指やペン等で触れることにより機能の切り替えが行えるようになっていたり、また、手書き入力が行えるようなものもある。この種の携帯機器用液晶表示装置の場合、表示面となる基板上に機能切り替え時のスイッチまたは入力装置となるタッチキーが取り付けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、プラスチック基板を用いた液晶表示装置は薄型化、軽量化が図れる等の多くの利点を有しているが、その反面、種々の問題点を抱えている。その一つがプラスチック基板の耐熱性、伸縮性の問題である。すなわち、プラスチック基板の材料にはメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート樹脂等のプラスチックが用いられるが、一般にこれらプラスチック材料のガラス転移温度は150〜200℃程度、実質的な耐熱温度が120〜150℃程度であるため、プラスチック基板側の製造プロセスにおいて120℃以上の熱処理を加えることができない。
【0007】
したがって、例えば従来例2の液晶表示装置の場合、対向基板であるプラスチック基板側にインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透明導電膜からなる共通電極を形成する必要があるが、ITOの成膜時に高温となる一般のスパッタを用いることができず、常温スパッタが必須となる。しかしながら、常温スパッタによるITO膜は通常のITO膜に比べて抵抗値が大きくなる、信頼性に劣るなどの欠点があり、良質な膜を得ることができない。また、共通電極上に形成する配向膜についても、焼成温度が低くて済むものをわざわざ選択しなければならないという面倒がある。
【0008】
また、プラスチック基板はガラス基板に比べて熱膨張率が大きく、わずかな温度変化でも大きく伸縮してしまう。また、伸縮の度合は基板が大きくなればなるほど顕著になる。そのため、各基板毎の製造工程における熱履歴を経た後、2枚の基板を貼り合わせる際にプラスチック基板と他の基板を精度良くアライメントするのが難しく、プラスチック基板を用いた液晶装置の大型化は困難であった。また、従来例1の液晶表示装置のケースでは、基板間のアライメントのみならず、実際に伸縮した後のプラスチック基板と外付けのカラーフィルターを貼り合わせる際に各画素とR、G、Bの各色素層を精度良くアライメントするのが困難であった。
【0009】
通常、液晶表示装置の量産時には1枚のマザーガラス上に複数個の液晶表示装置のパターンを同時に作り込み、2枚のマザーガラスを貼り合わせて液晶を注入した後で個々の液晶表示装置に切り離す、いわゆる「複数個取り」と呼ばれる製造方法が採用されているが、プラスチック基板を用いた液晶表示装置では、上記の理由から大きなサイズの基板を貼り合わせることが必要な「複数個取り」を実施することができなかった。そこで、従来は初めから個々の装置毎に個別に製造するか、ガラス基板−プラスチック基板の組み合わせの場合には、まとめて作るとしてもせいぜい1枚のマザーガラス上に個々の装置毎に分割したプラスチック基板を貼り合わせる方法が採られていた。しかしながら、これらは極めて生産性が悪い方法であった。
【0010】
また、タッチキーを備えた液晶装置の場合、タッチキーを指やペンで押した際にその押圧力によってその下の液晶セルの基板が歪み、表示が歪んだり、セルギャップが変化して表示ムラなどが生じる恐れがあった。その対策として、液晶セルとタッチキーの間に隙間を設けるためのスペーサ等を介してこれらを接合し、液晶セルとタッチキーが直接接触しないように隙間を設けていた。ところが、この構成によって、液晶装置全体の厚みが厚くなり、液晶装置の薄型化の障害となっていた。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、製造プロセスにおいて処理温度の制限により所望の特性が得られない、基板間のアライメントが困難である等の不具合が生じることなく製造できるとともに生産性にも優れ、タッチキーを備えた電子機器にも好適な構造を有する液晶装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の液晶装置は、液晶が挟持された一対の基板と、マトリクス状に形成された複数の走査線および複数のデータ線と、これら走査線およびデータ線に接続されたスイッチング素子と、スイッチング素子に接続された画素電極と、画素電極との間で横電界を発生させる共通電極とを有する液晶装置であって、一対の基板のうち、一方の基板がプラスチック基板からなり、他方の基板上に複数の走査線および複数のデータ線と、スイッチング素子と、画素電極と、共通電極とが設けられたことを特徴とする。
【0013】
本発明者らは、上記課題の解決手段を検討したとき、プラスチック基板側の電極と配向膜の存在をなくせないかと考えた。上述したように、プラスチック基板と対向する側の基板(特許請求の範囲ではこの基板のことを他方の基板と呼ぶ)にTFT基板を用いたとしても、通常の画素電極を用いた構成では従来例2のようにプラスチック基板上に共通電極が必要になってしまう。薄膜ダイオード(Thin Film Diode, 以下、TFDと略記する)をスイッチング素子としたTFD基板でもやはりプラスチック基板側に電極が必要である。
【0014】
これに対して、他方の基板上に画素電極、共通電極を設け、画素電極と共通電極との間に発生する横電界で液晶を駆動する、いわゆるインプレーン・スイッチング(In-Plane-Switching, 以下、IPSと略記する)方式の駆動を採用すれば、プラスチック基板側から電極をなくせることに思い至った。すなわち、他方の基板上にスイッチング素子、スイッチング素子を駆動する走査線およびデータ線、スイッチング素子に電気的に接続された画素電極、共通電極を設け、プラスチック基板(一方の基板)上には基本的に何も設けない構成である。
【0015】
この構成によれば、そもそもプラスチック基板上にアライメントを必要とするパターンが何も存在しなくなるので、他方の基板とプラスチック基板とを貼り合わせる際にアライメントが不要となり、プラスチック基板の伸縮がアライメントの障害とならない。そのため、液晶装置の大型化が容易になり、個々の液晶装置の大型化が図れるだけでなく、液晶表示装置の製造時に「複数個取り」の製造方法を採用することができ、量産性を高めることができる。
【0016】
本発明において、前記「他方の基板」の材料としては従来一般のガラス基板を用いることができる。ガラス基板を用いた場合、プラスチック基板に比べて充分に耐熱温度が高いため、ITOをはじめとする種々の膜の成膜時に通常の方法を用いることができ、信頼性の高い良質の膜を形成することができる。
【0017】
ただし、「他方の基板」の材料はガラス基板に限るものでもなく、プラスチック基板を用いてもよい。先の説明からすると、プラスチック基板を用いたのでは信頼性の高い良質の膜が得られないことになるが、例えば製造工程中はガラス基板を用いてスイッチング素子や電極等を高温で作り込み、これらスイッチング素子や電極が完成した後にこれらをガラス基板から剥離してプラスチック基板上に転写する方法も考えられ、この方法を用いれば、直接ガラス基板上に作ったものと同等の特性を有するスイッチング素子や電極をプラスチック基板上に形成することができる。双方の基板をプラスチック基板とすることで液晶装置のさらなる薄型化、軽量化を図ることができる。
【0018】
本発明の液晶装置は白黒、カラーのいずれの表示にも適用可能であるが、カラー表示とするためにはカラーフィルターが必要となる。本発明の趣旨はプラスチック基板側には極力何も設けないことであるから、この場合にもカラーフィルターは他方の基板の内面側に設けることが望ましい。この構成により、カラー液晶装置が容易に実現できる。
【0019】
また、本発明の液晶装置は透過型、反射型、半透過反射型のいずれのタイプの液晶装置にも適用可能であるが、透過型とする場合には双方の基板に光透過率が充分高い基板を用いる必要がある。一方、反射型とする場合、反射層を形成するのはプラスチック基板側、他方の基板側のいずれでもよいが、反射層が電極を兼ねず、反射機能のみを有するベタの反射層とする場合にはプラスチック基板側に形成することができる。この場合、反射層はほぼ表示領域の大きさに等しいベタパターンで形成されているので、基板間のアライメントには何ら支障がない。
【0020】
そして、プラスチック基板側に反射層を設ける場合、金属膜を成膜するなどして基板の内面側(液晶側)に設けても良いし、外付けなどにより外面側に設けてもよい。特に基板の内面側に設けた場合には基板内を光が透過しないため、光透過率の低い安価なプラスチック材料や、また透過率は低いが耐熱性の良好なプラスチック材料を用いることが可能となる。
【0021】
プラスチック基板側の電極をなくせることは上述したが、配向膜に関しても、他方の基板にIPS方式の電極を設けた場合にはプラスチック基板側の配向膜は必ずしもなくてもよい。その理由は、IPSモードの表示原理によれば、基板間の液晶層における液晶分子のねじれを利用するのではなく、他方の基板からの横電界により液晶分子全体を基板面内で回転させることで表示を行うからである。これにより、耐熱性の低いプラスチック基板側の配向膜に焼成温度が低くて済むものを選択しなければならない、という従来の問題点を解消することができる。ただし、プラスチック基板の内面に配向膜を設けてもよく、その場合、コントラスト比の向上が図れ、表示品位が向上する等の利点もある。
【0022】
さらに、本発明の液晶装置において、液晶装置に直接、タッチキーを備えてもよい。上述したように、液晶装置を携帯用電子機器に適用する際に液晶セルの前面にタッチキーを取り付けることがあるが、従来は、タッチキーの押圧により表示が歪む問題の対策として液晶セルとタッチキーとの間に間隙を開けており、この構造が液晶装置の薄型化を阻害していた。これに対して、本発明の液晶装置においては、押圧により前面側基板が変形した分、裏面側のプラスチック基板の変形で吸収されるため、表示の歪みを低減することができる。また、IPS駆動方式の採用によりセルギャップ変化の表示への影響も小さくなる。
【0023】
すなわち、別の表現をすれば、本発明の液晶装置は、液晶が挟持された一対の基板を有する液晶装置であって、前記一対の基板のうち、一方の基板がプラスチック基板からなり、他方の基板から発生する横電界によって液晶が駆動することを特徴とするものである。
【0024】
本発明の液晶装置の製造方法は、上記本発明の液晶装置の製造方法であって、複数個の液晶装置がとれるだけの大きさを有する基板上に複数個の液晶装置分の複数の走査線および複数のデータ線、スイッチング素子、画素電極および共通電極を同時に形成する工程と、基板と該基板に対応した大きさを有するプラスチック基板とをシール材を介して貼り合わせる工程と、前記基板とプラスチック基板との間に液晶を注入する工程と、プラスチック基板を個々の液晶装置毎に切り離す工程と、前記基板を個々の液晶装置毎に切り離す工程とを有することを特徴とする。
【0025】
すなわち、上記構成の液晶装置の採用により、上述したように基板の貼り合わせ時にアライメントが不要となり、プラスチック基板の伸縮が問題とならないので、液晶装置の大型化が容易になり、液晶表示装置の製造時に「複数個取り」の製造方法を採用することができるので、量産性を高めることができる。これにより、製造コストの低減を図ることができる。
【0026】
本発明の電子機器は、上記本発明の液晶装置を備えたことを特徴とする。
本発明の液晶装置を備えたことによって液晶表示部の薄型化、軽量化が図れ、特に携帯用電子機器に好適なものとなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明における第1の実施の形態を図1〜図3、図12を参照して説明する。
図1は本実施の形態の液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に配置された複数の画素におけるスイッチング素子、信号線等の等価回路図、図2は同、液晶装置の1つの画素を拡大視した平面図、図3は図2のA−A’線に沿う断面図、図12は同、液晶装置の組立工程を順を追って示す模式図である。なお、以下の全ての図面においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。また、非表示領域も含めた液晶装置の全体構成については後述する。
【0028】
本実施の形態では下基板(一方の基板)にプラスチック基板、上基板(他方の基板)にガラス基板を用い、ガラス基板上に画素スイッチング用のTFT、TFTを駆動するための信号線であるデータ線および走査線、TFTに接続された画素電極、画素電極との間で横電界を発生する共通電極をそれぞれ形成し、全体として透過型液晶表示装置を構成した例について説明する。すなわち、プラスチック基板−ガラス基板の組み合わせで液晶セルが構成されており、ガラス基板側がアクティブマトリクス基板となっている。
【0029】
図1に示すように、本実施の形態における液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に配置された複数の画素は、画素電極1と当該画素電極1を制御するためのTFT2が形成されており、画像信号が供給されるデータ線3が当該TFT2のソースに電気的に接続されている。データ線3に書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線3に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT2のゲートに走査線4が電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線4にパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極1は、TFT2のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT2を一定期間だけオンすることにより、データ線3から供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
【0030】
画素電極1を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、後述する共通電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電圧に応じて入射光の透過光量が減少され、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に応じて入射光の透過光量が増大され、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極1と共通電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量5を付加する。蓄積容量5は、TFT2のドレインと定電位を供給する容量線6との間に誘電体膜を介して形成されている。
【0031】
図2は1つの画素を拡大視した平面図であるが、本発明の趣旨としてプラスチック基板側にはパターンがないため、実質的には、上基板を構成するガラス基板上のパターンを下から見上げた状態を示す平面図である。本実施の形態の液晶表示装置は、上基板、下基板からなる一対の基板間にIPSモードに対応し得る液晶が挟持されている。上基板のパターン構成は、図2に示す通り、図中縦方向に延在する複数のデータ線3と図中横方向に延在する複数の走査線4とが互いに交差するようにマトリクス状に設けられている。これら隣接するデータ線3と走査線4で囲まれた領域が本実施の形態の液晶装置の一画素を構成する。
【0032】
画素の左下の部分において走査線4の下方を横断するように半導体層8が設けられ、半導体層8の一端側のソース領域にデータ線3から分岐したソース電極9が、他端側のドレイン領域には画素電極1がそれぞれ接続されており、この部分が画素スイッチング用のTFT2を構成している。画素電極1は、画素の中央付近と右端に縦方向に延在する2本の電極指1aを有しており、櫛歯状に形成されている。一方、画素の中央部と左端に縦方向に延在する2本の電極指11aを有する櫛歯状の共通電極11が設けられている。
【0033】
次に、画素部分の断面構造について説明するが、TFT2の断面構造は従来一般のものでよく、ここでの図示および説明は省略する。図3に示すように、上基板13は、ガラス基板14の内面側(液晶側)にアルミニウム等の金属膜からなる共通電極11が形成され、共通電極11上に例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の異なる色の色素層15とこれら色素層15間を遮光する遮光層16(ブラックマトリクス)とからなるカラーフィルター17が形成されている。TFT2およびデータ線3、走査線4等の信号線は上記遮光層16の領域に配置されている。
【0034】
カラーフィルター17上に、各色素層15や遮光層16による段差を平坦化するため、絶縁膜からなるオーバーコート層18が形成され、オーバーコート層18上にはアルミニウム等の金属膜の同一レイヤーからなる画素電極1およびデータ線3が形成されている。そして、上基板13の全面にポリイミド等からなる配向膜19が形成されている。配向膜19の表面はラビング処理等により水平配向処理がなされている。ただし、本実施の形態ではIPSモードを用いるので、上下基板間の縦電界による液晶駆動方式の場合に比べて配向規制力は弱くてかまわない。
【0035】
一方、下基板21はプラスチック基板22のみから構成されている。プラスチック基板22の具体的な材料としては、例えばメタクリレート系樹脂、アクリレート系樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、シアヌル酸トリアリルエステル(トリアリルシアヌレート)等からなるプラスチック板、もしくはプラスチックフィルムが用いられる。プラスチック基板22の厚みは50〜2000μm程度が望ましいが、50〜300μm程度がより望ましい。なお、図示は省略するが、プラスチック基板22の耐熱性、耐ガス透過性、耐溶剤性などを補うため、実際にはプラスチック基板の表面に各種の保護膜をコーティングして用いることが望ましい。また、本実施の形態では下基板21側に配向膜を形成していないが、IPSモードの表示原理からすれば特に問題ない。ただし、下基板21の内面に配向膜を形成してもよい。これにより、コントラスト比の向上が図れ、表示品位が向上する場合もある。
【0036】
そして、下基板21の外面側に入射側偏光板23(偏光子)が設けられるとともに、上基板13の外面側(観察者側)に出射側偏光板24(検光子)が設けられ、下基板の下方には照明装置25(バックライト)が設けられている。よって、本実施の形態の液晶装置では、照明装置25からの光が入射側偏光板23、下基板21、液晶26、上基板13、出射側偏光板24を順次透過して観察者の目に入る。本実施の形態の液晶装置の表示原理は基本的にIPSモードで有りさえすれば良く、液晶材料として正、負いずれの誘電率異方性を持つものを用いるかといったことやそれに伴う液晶分子の初期配向方向、各偏光板の透過軸の方向などの各種の設定は適宜選択が可能である。
【0037】
上記構成の液晶装置を製造するにあたって、基本的に上基板13の作製は従来一般のIPS方式の電極を備えた周知の製造方法で良い。ただし、カラー表示を行う場合には、カラーフィルターを上基板に形成しておくことが好ましい。大まかに言えば、ガラス基板14上に半導体層8、走査線4および共通電極11を順次形成し、その上にカラーフィルター17を形成する。次に、オーバーコート層18を形成した後、データ線3および画素電極1を形成し、最後に配向膜19を形成すればよい。また、下基板21側はプラスチック基板22を準備するだけでよい。ところが、組立工程全体を通して見ると、従来の方法とは全く異なっている。つまり、従来、プラスチック基板を用いた液晶装置を製造する際には個々の装置毎に個別に製造するか、もしくは1枚のマザーガラス上に個々の装置毎に分割したプラスチック基板を貼り合わせる方法が採られていた。これに対して、本実施の形態の構成によれば、2枚のガラス基板を用いた液晶装置で通常用いられている多数個取りを行うことができる。この組立工程を4個取りの場合を例に挙げ、図12を用いて説明する。
【0038】
まず、図12(1)に示すように、ワークサイズ(本実施の形態では4個分の液晶装置がとれるだけの大きさ)のプラスチック基板31と図2に示すパターンを4個のパネル分一括形成したガラス基板32とをそれぞれ準備した後、例えばプラスチック基板31の上面に2枚の基板間の間隔を一定に保持するためのスペーサ33を散布し、ガラス基板32の電極形成面には液晶を封止するためのシール材34をスクリーン印刷等により形成する。次に、図12(2)に示すように、これら2枚の基板31,32を重ねた状態でシール材34を硬化させ、2枚の基板31,32を貼り合わせる。次に、図12(3)に示すように、プラスチック基板31側をカッター等で切断した後、ガラス基板32側はダイヤモンドガラススクライバー、ブレイクマシン等を用いてスクライブ、チッピングし、個々の液晶セル35(空セル)に分割する。
【0039】
その後、図12(4)に示すように、液晶注入装置36を用いて各液晶セル35のシール材34の開口部である液晶注入口37から2枚の基板31,32間の間隙に液晶26を注入する。後は、図12(5)に示すように、液晶注入口37を封止材38により封止し、両面に偏光板を貼り付けることによって液晶装置が完成する。なお、ここでは完全に4個の液晶セル35に分割した後、液晶26を注入するように説明したが、ワークサイズで貼り合わせた基板から縦横一方向のみをスクライブし、複数のセルが短冊状につながった状態で液晶を注入しても勿論よい。最後に、この液晶装置に対して照明装置、各種駆動用基板等を実装し、ケースに収納すれば、液晶表示装置として完成する。
【0040】
本実施の形態の液晶装置においては、図3に示した通り、上基板13(ガラス基板14)側にTFT2、TFT2を駆動するデータ線3および走査線4、IPS方式の電極を構成する櫛歯状の画素電極1および共通電極11、カラーフィルター17が設けられる一方、下基板21(プラスチック基板22)側に何も設けられていない、すなわち、プラスチック基板22上にアライメントを必要とするパターンが何も存在しないので、両基板13,21を貼り合わせる際にアライメントが不要となり、プラスチック基板22の伸縮が問題とならない。そのため、液晶装置の大型化が容易になり、個々の液晶装置の大型化が図れるだけでなく、液晶装置の製造時に複数個取りの製造方法を採用することができ、生産性の高い製造方法によりカラー液晶装置を生産することができる。
【0041】
また、TFT2や各種電極、信号線、配向膜等が全てガラス基板14側に形成されているので、これらを構成する各種膜の形成工程において高温の処理を用いることができ、信頼性の高い良質の膜を形成することができる。その結果、電気的特性や信頼性に優れたスイッチング素子や電極、配線、配向膜を得ることができる。さらに、常温での処理を行う特殊な製造プロセスや製造装置を選択する面倒がない。
【0042】
このようにして、軽量化、薄型化が容易、割れない、曲面表示が可能といったプラスチック基板の持つ利点を生かした液晶表示装置を容易に実現することができる。それに加えて、この液晶表示装置は表示にIPSモードを利用しているので、IPSモードの持つ広視野角という利点も得ることができる。
【0043】
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態を図4を参照して説明する。
第1の実施の形態では透過型カラー液晶装置の例を挙げたが、本実施の形態では反射型カラー液晶装置の例を挙げて説明する。それでも、液晶装置としての基本構成、具体的には、図2に示したTFT、データ線および走査線等の信号線、画素電極および共通電極等のIPS方式の電極等を含む平面的なパターン構成は第1の実施の形態と全く同様である。したがって、本実施の形態では第1の実施の形態の図3に相当する図4の断面図を用いて異なる部分のみを説明し、共通部分の詳細な説明は省略する。また、図4において図3と共通の構成部材には同一の符号を付す。
【0044】
本実施の形態の液晶装置は、図4に示すように、上基板13(他方の基板)にガラス基板14を用い、ガラス基板14上に画素スイッチング用のTFT2、TFT2を駆動するための信号線であるデータ線3および走査線4、TFT2に接続された画素電極1、画素電極1との間で横電界を発生する共通電極11、カラーフィルター17等が形成されている。上基板13の構成は第1の実施の形態と全く同一である。
【0045】
これに対して、下基板41の構成は、プラスチック基板22の内面の全域にアルミニウムや銀等の反射率の高い金属膜からなる反射層42が形成され、反射層42上に配向膜43が形成されている。この構成により、本実施の形態の場合、上基板13側から入射する自然光、照明光などの外光が上基板13、液晶26を透過し、反射層42の表面で反射した後、再度液晶26、上基板13を透過し、観察者の目に入る。よって、反射光をある程度広い角度にわたって均一に散乱させるために、例えばアクリル等の樹脂中に屈折率の異なるビーズ状の粒子を分散させたものや表面に微小な凹凸を形成した樹脂からなる散乱層を反射層42上に形成してもよい。あるいは、プラスチック基板22の内面に凹凸を形成することにより、その上に形成する反射層42の表面に凹凸を付与してもよい。なお、下基板41上に配向膜43を設ける場合も、上基板13側と同様、強い配向規制力を持つ必要はない。
【0046】
また、上基板13の外面(表示面)に偏光板24が設けられている。この偏光板24は偏光子と検光子を兼ねるものである。したがって、本実施の形態の場合、液晶のオン/オフでλ/4のリタデーション調節ができるように液晶の組成、セルギャップ等が調整されている。さらに、上基板13の外面に位相差板を設けてもよい。
【0047】
第1の実施の形態ではプラスチック基板22側に何も設けられていなかったのに対し、本実施の形態の液晶装置では、プラスチック基板22側に反射層42と配向膜43とが設けられている。しかしながら、反射層42、配向膜43のいずれもパターニングは必要なく、ベタパターンで形成すればよいものであるから、やはりガラス基板14側とのアライメントは不要である。したがって、プラスチック基板22の伸縮が問題とならないことで個々の液晶装置の大型化が図れるだけでなく、複数個取りの製造方法を採用することができ、量産性の高い製造方法によりカラー液晶装置を生産できる、高温処理により素子や電極、配線を形成できるので、電気的特性や信頼性に優れ、プラスチック基板の利点を生かした液晶装置が得られる、といった第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
また本実施の形態の場合、透過型の構成の第1の実施の形態と異なり、下基板41の内面側に反射層42を形成したことでプラスチック基板22の内部は光が透過しないことになる。したがって、メタクリレート系樹脂、アクリレート系樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、トリアリルシアヌレート等、第1の実施の形態で用いた材料が使えることは勿論であるが、これらのプラスチックよりも透過率が低い、例えばポリイミドのようなより耐熱性の高いプラスチック材料を使用することもできる。これにより、信頼性の高い配向膜を用いることができるというさらなる効果も得られる。
【0049】
[第3の実施の形態]
以下、本発明の第3の実施の形態を図5を参照して説明する。
第2の実施の形態で反射型カラー液晶装置の例を挙げたが、本実施の形態も反射型カラー液晶装置の他の形態を示すものである。よって、本実施の形態でも第1の実施の形態の図3に相当する図5の断面図を用いて異なる部分のみを説明し、共通部分の詳細な説明は省略する。また、図5において図3、図4と共通の構成部材には同一の符号を付す。
【0050】
本実施の形態の液晶装置は、図5に示すように、上基板13(他方の基板)にガラス基板14を用い、ガラス基板14上に画素スイッチング用のTFT2、TFT2を駆動するための信号線であるデータ線3および走査線4、TFT2に接続された画素電極1、画素電極1との間で横電界を発生する共通電極11、カラーフィルター17等が形成されている。上基板13の構成は第1、第2の実施の形態と全く同一である。
【0051】
下基板45の構成は、第2の実施の形態ではプラスチック基板22の内面側に反射層42が形成されていたのに対し、本実施の形態ではプラスチック基板22の外面に反射層46付きの偏光板47が設置されている。この偏光板47は一般の偏光板の片面に例えばアルミニウムや銀等の反射率の高い金属膜からなる反射層46が形成されたものであり、反射層46側が外面側になるように配置されている。また、プラスチック基板22の内面に配向膜43が形成されている。よって、本実施の形態の場合、上基板13側から入射する自然光、照明光などの外光が上基板13、液晶26、下基板45、偏光板47を透過し、反射層46の表面で反射した後、再度偏光板47、下基板45、液晶26、上基板13を透過し、観察者の目に入る。本実施の形態の場合も第2の実施の形態と同様、反射光をある程度の角度にわたって均一に散乱させるための手段を付加してもよい。
【0052】
本実施の形態の液晶装置でもプラスチック基板22とガラス基板14とのアライメントが不要である点は第2の実施の形態と同様である。したがって、プラスチック基板22の伸縮が問題とならないことで個々の液晶装置の大型化が図れるだけでなく、複数個取りの製造方法を採用することができ、量産性の高い製造方法によりカラー液晶装置を生産できる、高温処理により素子や電極、配線を形成できるので、電気的特性や信頼性に優れ、プラスチック基板の利点を生かした液晶装置が得られる、といった第1、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
一般に、反射型カラー液晶装置を構成する際に上基板側にカラーフィルターを配置し、下基板の外面側に反射層を配置すると、ある程度の角度をもって入射する光が厚みのある下基板の内部を往復するために視差によって二重映りや混色が発生する懸念がある。下基板に通常のガラス基板を用いた場合にはこの問題は顕著である。その点、本実施の形態の場合には下基板45がたかだか50〜250μm程度の厚みのプラスチック基板22であるから、視差による二重映りや混色はほとんど問題とならず、良好な表示画面が得られる。
【0054】
[第4の実施の形態]
以下、本発明の第4の実施の形態を図6を参照して説明する。
本実施の形態ではタッチキーを備えた液晶装置の例について説明するが、適用する液晶装置の基本構成として第1の実施の形態のものを採用した。よって、本実施の形態でも第1の実施の形態の図3に相当する図6の断面図を用いて異なる部分のみを説明し、共通部分の詳細な説明は省略する。また、図6において図3と共通の構成部材には同一の符号を付す。
【0055】
本実施の形態の液晶装置は、図6に示すように、上基板13(他方の基板)にガラス基板14を用い、ガラス基板14上に画素スイッチング用のTFT2、TFT2を駆動するための信号線であるデータ線3および走査線4、TFT2に接続された画素電極1、画素電極1との間で横電界を発生する共通電極11、カラーフィルター17等が形成されている。下基板21はプラスチック基板22のみから構成されている。そして、下基板21の外面側に入射側偏光板23(偏光子)が設けられるとともに、上基板13の外面側(観察者側)に出射側偏光板24(検光子)が設けられ、下基板の下方には照明装置25(バックライト)が設けられている。以上の構成は第1の実施の形態と全く同一である。
【0056】
そして本実施の形態では、出射側偏光板24の外面側にタッチキー51が配置されている。ここで用いられるタッチキー51の詳細な構造の図示は省略するが、位置検出の方式として抵抗接触方式、静電容量方式等があり、いずれにしても内面に所定の形状の透明電極を形成した一対の基板を対向配置したものである。
【0057】
本実施の形態の液晶装置の場合も、液晶装置の大型化が図れ、複数個取りの製造方法を採用できるので、量産性の高い製造方法により液晶装置を生産できる、高温処理により素子や電極、配線を形成できるので、電気的特性や信頼性に優れ、プラスチック基板の利点を生かした液晶装置が得られる、といった第1〜第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0058】
さらに本実施の形態の場合、タッチキー51が押圧により変形した分、ガラス基板14も変形するが、その変形はプラスチック基板22の変形で吸収されるため、2つの基板間のギャップはほぼ均一に保たれ、タッチキー51を備えた液晶装置で従来問題となっていた押圧に伴う表示の歪みを問題を軽減することができる。つまり、スペースを空けることなく液晶装置上にタッチキー51を直接貼付しても支障がないため、装置の薄型化を図ることができる。また、IPS駆動方式を採用しているため、セルギャップ変化の表示への影響も小さくなる。その結果、時計、電卓、電子手帳などの小型携帯機器に好適な液晶表示装置を提供することができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、第1の実施の形態の液晶装置を基本としてこれにタッチキーを具備した例を示したが、タッチキーを具備する液晶装置の構成はこれに限るものではなく、第2、第3の実施の形態の液晶装置に具備してもよいし、その他の構成の液晶装置に具備してもよい。
【0060】
[液晶装置の全体構成]
以下、非表示領域を含む上記実施の形態の液晶装置の全体構成について説明する。なお、ここでは上基板がプラスチック基板、下基板がガラス基板として説明する。
液晶装置の全体構成は、図7に示すように、上基板13側のガラス基板14上に、シール材34がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して額縁としての遮光膜54が設けられている。シール材34の外側の領域には、データ線駆動回路55および外部回路接続用端子56が上基板13の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路57がこの一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。さらに、上基板13の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路57間を接続するための複数の配線58が設けられている。
【0061】
そして、図8に示すように、図7に示したシール材34とほぼ同じ輪郭を持つ下基板21側のプラスチック基板22がシール材34により上基板13に固着されており、上基板13と下基板21との間に液晶26が封入されている。また、図7に示すシール材34に設けられた開口部は液晶注入口37であり、封止材38によって封止されている。
【0062】
[電子機器]
上記実施の形態の液晶表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
図9は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図9において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0063】
図10は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図10において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0064】
図11は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図11において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0065】
図9〜図11に示す電子機器は、上記実施の形態の液晶装置を用いた液晶表示部を備えているので、液晶表示部の薄型化、軽量化が図れるとともに、割れにくい、曲面表示が可能といった利点を有しており、この種の携帯用電子機器に好適なものとなる。
【0066】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば第1の実施の形態では透過型液晶装置の例、第2、第3の実施の形態では反射型液晶装置の例を示したが、光をある程度の割合で反射および透過する機能を持つ、いわゆるハーフミラーと呼ばれる反射層、あるいは光透過用の窓部を各画素に形成した反射層と照明装置とを兼ね備えた半透過反射型液晶装置に本発明を適用することもできる。
【0067】
また、第2、第3の実施の形態で反射型液晶装置を構成する際にプラスチック基板側に反射層を形成した例を示したが、ガラス基板側の構成がかなり複雑になることを許容できるならば、TFT、カラーフィルター等を形成するガラス基板側に反射層も形成し、プラスチック基板を上基板(観察者側)とする構成にしてもよい。また、上記全ての実施の形態でカラー液晶装置の例を示したが、カラーフィルターを持たない白黒表示の液晶装置に本発明を適用してもよいことは勿論である。
【0068】
また、上記全ての実施の形態でガラス基板とプラスチック基板の組み合わせで液晶装置を構成したが、2枚のプラスチック基板で液晶装置を構成してもよい。この場合、製造工程中はガラス基板上にスイッチング素子や電極等を形成し、これらスイッチング素子や電極が完成した後にガラス基板から剥離してプラスチック基板上に転写する方法を採れば、直接ガラス基板上に作ったものと同等の特性を有するスイッチング素子や電極を形成することができる。あるいは、ある程度の特性の低下が許容できる範囲であれば、プラスチック基板上に素子や電極等を直接作り込んでも勿論かまわない。双方の基板をプラスチック基板とすることで液晶装置の更なる薄型化、軽量化を図ることができる。さらに上記実施の形態で例示した電極、配線等のパターン形状、各種膜の材料、膜厚等の具体的な記載はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0069】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の液晶装置によれば、一対の基板をなすプラスチック基板と他方の基板とのアライメントが不要になるため、プラスチック基板の伸縮が問題とならず、個々の液晶装置の大型化が図れるだけでなく、複数個取りの製造方法を採用できるので、量産性の高い製造方法により液晶装置を生産できる、高温処理により素子や電極、配線を形成できるので、電気的特性や信頼性に優れ、プラスチック基板の利点を生かした液晶装置が提供できる、という効果が得られる。また、表示上の問題もなくタッチキーを備えることができ、特に携帯用電子機器に好適な液晶装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の液晶装置の画像表示領域を構成する複数の画素における等価回路図である。
【図2】 同、液晶装置の1つの画素を拡大視した平面図である。
【図3】 図2のA−A’線に沿う断面図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態の液晶装置を示す断面図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態の液晶装置を示す断面図である。
【図6】 本発明の第4の実施の形態の液晶装置を示す断面図である。
【図7】 上記実施の形態の液晶装置の全体構成を示す平面図である。
【図8】 図7のH−H’線に沿う断面図である。
【図9】 上記実施の形態の液晶装置を用いた電子機器の一例を示す図である。
【図10】 同、電子機器の他の例を示す図である。
【図11】 同、電子機器のさらに他の例を示す図である。
【図12】 同、液晶装置の組立工程を順を追って示す模式図である。
【符号の説明】
1 画素電極
2 TFT(薄膜トランジスタ、スイッチング素子)
3 データ線
4 走査線
11 共通電極
13 上基板(他方の基板)
14,32 ガラス基板
17 カラーフィルター
19 配向膜
21,41,45 下基板(一方の基板)
22,31 プラスチック基板
26 液晶
42,46 反射層
43 配向膜
51 タッチキー
Claims (3)
- 液晶が挟持された一対の基板と、マトリクス状に形成された複数の走査線および複数のデータ線と、これら走査線およびデータ線に接続されたスイッチング素子と、該スイッチング素子に接続された画素電極と、前記画素電極との間で横電界を発生させる共通電極とを有する液晶装置であって、
前記一対の基板のうち、一方の基板がプラスチック基板からなり、
他方の基板がガラス基板からなり、前記他方の基板上に前記複数の走査線および前記複数のデータ線と、前記スイッチング素子と、前記画素電極と、前記共通電極と、配向膜と、カラーフィルターとが設けられ、
前記一方の基板には配向膜が設けられておらず、
前記カラーフィルターが、前記共通電極を覆うと共に、当該共通電極と前記画素電極との間に設けられていることを特徴とする液晶装置。 - 前記他方の基板の外面にタッチキーが備えられたことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
- 請求項1または2に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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