JP3955874B2 - 原動機 - Google Patents
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Description
そこで、流体の作動によって動力を伝達するトルクコンバータを介して内燃機関とモータとを接続すれば、上記衝撃を緩和できるとも考えられる。しかし、変速機をトルクコンバータから離れて配設せざるを得ないことから、変速機用のオイルをトルクコンバータ内へ作動油として供給することが困難である。
図1に示すように、本実施形態は、内燃機関2と、トルクコンバータ4と、電動式のモータ6と、変速機8と、を主たる原動機要素とし、トルクコンバータ4と、変速機8と、の間に、モータ6を配置した走行用のハイブリッド原動機である。
内燃機関2は、その駆動力を、トルクコンバータ4を介してモータ6へ伝達する。なお、内燃機関2の回転速度が一定値以上となった際には、トルクコンバータ4内の流体を介さずに、内燃機関2から直接的に変速機8へ出力を伝達する構成(ロックアップ)とするのがよい。
モータ6は、略環状のステータ10と、ステータ10の内側で回転可能なロータ12と、を備え、ステータ10の外周を覆うモータハウジング14内に収納支持されている。ロータ12は、ロータ本体12aと、ロータ本体12aの夫々図示左側(内燃機関2側)および図示右側(変速機8側)の側面から突出する筒状の回転軸16,18と、を有する。回転軸16,18は、これらの先端部付近において、夫々、モータハウジング14内に取り付けられたベアリング20,22に軸受けされている。なお、モータハウジング14と回転軸18との間の隙間は、ベアリング22とロータ本体12aとの間の位置に配設された環状のオイルシール23によってシールされている。
ロータ本体12a内部のマグネット26より内周側には、マグネット26と近接して空洞28が形成されている。また、ロータ本体12aの回転軸16,18外側の左右両側壁には、夫々外側に突出する突出部12bが設けられ、該突出部12bには空洞28と連通した噴油ノズル12cが形成され、噴油ノズル12cの終端はステータ10へ向けて開放されている。
また、両端が開放された筒状で、外周面および内周面がスプライン加工されたリンケージ部材34が設けられ、該リンケージ部材34がその外周スプラインを前記内周スプライン18aに嵌合して取り付けられている。
一方、メインドライブシャフト36には、その中心軸に沿って、油通路36bが形成されている。
一方、リレーシャフト42には、その中心軸に沿って、油通路42bが貫通して形成されている。油通路42bは、油通路36bおよびトルクコンバータ4内と連通している。
シュラウド部材46は、軸方向と直交するフランジ部46aと、フランジ部46aから軸方向(左方向)に突出した筒状の筒部46bを有し、フランジ部46aがモータハウジング14内壁に複数のボルト47の締結によって固定されている。筒部46bの左右両端部は開放され、筒部46bにはリレーシャフト42が貫通状態で回動可能に挿入されている。リレーシャフト42の左端部は、筒部46bの左端部からトルクコンバータ4内へ突出し、トルクコンバータ4の出力羽根車から出力の供給を受ける。
さらに、変速機8を収納するフロントギアハウジング50内で、モータハウジング14に近接する位置に、メインドライブシャフト36に係合して回転駆動され、環状の隙間38にオイルを供給するオイルポンプ52が設けられている。なお、オイルポンプ52は、変速制御実行時における変速機8の油圧制御や、変速機8の歯車の潤滑などにも用いられる。
本実施形態では、モータ6のコイル24への通電を遮断して、内燃機関2のみの駆動力で運転することも可能であるが、以下では、モータ6のみによる運転時、または、モータ6および内燃機関2の双方による運転時について説明する。
まず、モータ6への運転指令により、複数のコイル24に夫々位相の異なる交流電圧が印加され、ステータ10内には回転磁界が発生し、この回転磁界がマグネット26に作用してロータ本体12aを回転駆動する。これにより、メインドライブシャフト36も駆動する。
従来のハイブリッド式原動機では、モータと変速機とをクラッチを介して接続する構成が一般的であった。このような構成において、変速機用のオイルをモータのロータへ供給する目的で、クラッチを迂回して変速機側とロータ本体内とを連通する油通路を配設しようとする試みもあったが、その配設が煩雑になるという理由からこのような油通路は実現に至ってはいなかった。
一方、空洞28から環状の隙間44へと流入したオイルは、油孔46cを経てトルクコンバータ4内へ供給され、トルクコンバータ4の作動油となる。そして、このトルクコンバータ4へ供給されたオイルは、油通路42b,36bを順に通って変速機8側へ戻され、前記オイルパンに溜まり、上記と同様にオイルポンプ52によって吸い上げられて循環する。
これにより、トルクコンバータ4が内燃機関2とモータ6との間に配設される構成、つまりトルクコンバータ4が変速機8から離れて位置する構成となっても、簡易な構成によって、変速機8用のオイルをトルクコンバータ4内へ供給できることから、トルクコンバータ4を介して内燃機関2とモータ6とを接続可能になる。
まず、上記説明では、オイルポンプ52から流出するオイルは、環状の隙間38、油孔40、空洞28、環状の隙間44、油孔46c、トルクコンバータ4内、油通路42b,36bの順に流れ、オイルポンプ52に戻るような循環方向を挙げたが、該循環方向を逆にしてもよい。この場合、オイルポンプ52はまず油通路36bへオイルを圧送し、最終的に環状の隙間38から変速機8側へ流れ出たオイルは、前記オイルパンに溜まり、オイルポンプ52によって吸い上げられて循環する。
さらに、オイルポンプ52は、モータ6の運転時に駆動するように設定すれば、必ずしもメインドライブシャフト36に係合して駆動される必要はなく、別の駆動原を使用してもよい。
さらに、突出部12bおよび噴油ノズル12cを省略して、コイル24へ向けて噴油せず、最低限ロータ本体12aをオイルにより内側から冷却する簡易な構成としてもよい。突出部12bおよび噴油ノズル12cの省略は、左右両方に限らず、左右のうち一方のみでもよい。さらに簡易な構成として、空洞28,突出部12bおよび噴油ノズル12cを省略することで、ロータ本体12aおよびコイル24を冷却せず、ロータ12には、最低限トルクコンバータ4内へ変速機8用のオイルを供給する油通路を形成する構成としてもよい。
4 トルクコンバータ
6 モータ
8 変速機
10 ステータ
12 ロータ
12a ロータ本体
12c 噴油ノズル
16 回転軸
18 回転軸
20 ベアリング
22 ベアリング
28 空洞
36 メインドライブシャフト
36b 油通路
38 環状の隙間
40 油孔
42 リレーシャフト
42b 油通路
44 環状の隙間
46c 油孔
52 オイルポンプ
Claims (10)
- 内燃機関と、該内燃機関の出力軸に接続された液体式のトルクコンバータと、該トルクコンバータの出力軸に接続されたモータと、該モータの回転軸に接続された変速機と、を含んで構成され、
前記モータの回転軸の内部を通って、前記変速機用のオイルを前記トルクコンバータ内に供給する油通路を形成したことを特徴とする原動機。 - 前記モータの回転軸は、前記変速機の入力軸と一体に回転するように、該入力軸に直結されていることを特徴とする請求項1に記載の原動機。
- 前記トルクコンバータ内に導かれたオイルは前記変速機側に戻され、オイルが循環するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原動機。
- 前記トルクコンバータの出力軸は、前記モータの回転軸と共に前記ロータ本体中心部を貫通して設けられ、
前記トルクコンバータ内に導かれたオイルは、前記トルクコンバータの出力軸中心部を貫通して形成された第2油通路を通って、前記変速機側に戻されることを特徴とする請求項3に記載の原動機。 - 前記トルクコンバータの出力軸は、前記変速機の入力軸と一体に回転するように前記変速機の入力軸に連結され、
前記変速機の入力軸には、前記第2油通路と連通してオイルを前記変速機側に戻す第3油通路が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の原動機。 - 前記油通路、前記第2油通路、前記第3油通路、の順に通るオイルの循環方向を、逆転させたことを特徴とする請求項5に記載の原動機。
- 前記モータのロータ本体内部に空洞を形成するとともに、該空洞を前記油通路と連通させたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の原動機。
- 前記空洞と連通し、前記モータのステータに向けて開口して形成され、前記空洞内のオイルを前記ステータへ向けて噴射する噴油ノズルを、前記ロータ本体に対して設けたことを特徴とする7に記載の原動機。
- オイルは、前記モータで駆動されるオイルポンプによって圧送されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の原動機。
- 前記モータの回転軸周壁を貫通する孔を開口し、前記油通路を流れるオイルの一部を、前記孔から前記モータ回転軸を支持するベアリングの被潤滑部へ供給することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の原動機。
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