JP3949467B2 - fishing rod - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣りに用いる釣竿を構成する竿体に関する。
【0002】
【従来の技術】
釣竿を構成する筒状の竿体は、近年その強度と軽量化を図るため、炭素繊維やガラス繊維に合成樹脂を含浸させたシートまたはテープ状の繊維強化樹脂(プリプレグ)から構成される。この竿体は、先細りテーパが施された円筒型の芯材の周面に離型材等を塗布し、その上に圧をかけながらプリプレグを任意数巻回し、これを炉内で焼成して製造される。
【0003】
ところで、従来の竿体で最も竿元側に位置する元竿の竿元側端部には尻栓と呼ばれる栓部材が脱着自在にはめ込めこまれている。例えば、振出形式の釣竿を分解して個々の竿体とする場合には、この尻栓を元竿から外して穂先側の竿体を元竿の内部に竿元側から出し入れするのである。従来の多くの釣竿は、内周面にねじ山を設けた雌ねじ部材を別途製造した後に元竿の竿元側端部にはめ込んで固定し、ここに尻栓を脱着自在に螺合させるタイプのものが多かった。しかし、このような別途製造した雌ねじ部材を固定するような釣竿は、製造パーツが増加し製造工程も増加することになる。そこで、近年、元竿の竿元側内周面に直接ねじ溝を削り掘って、ここに底栓を螺合させるようなタイプのものも市場に登場している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、元竿の竿元側端部内周面に直接ねじ山を削り掘って形成した場合、竿体を構成する繊維強化樹脂の繊維の剥離が生じる恐れがある。即ち、一般に多くの竿体は上述のようなプリプレグを焼成して形成されているため、そのような竿体の内周面を削ってねじ溝を形成すると、削った部分から強化繊維の一部が露出し又はこの削った部分で強化繊維が切断され、強化繊維が剥離してしまうような恐れがある。このような強化繊維の剥離は底栓の円滑な脱着を阻害する。
【0005】
また、ねじ止め式の底栓ではねじの緩みという問題も排除できない。底栓の系の設定や緩み止め用のゴムリングなどを底栓と共に元竿端部に配置しても、緩み止め防止のためには十分とはいえず、さらなる緩み止めの為の工夫が求められる。
本発明の課題は、緩みにくく脱着作業も容易な尻栓を有する釣竿を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1の釣竿は、魚釣りに用いる釣竿であって、軸方向の竿元側の一定の範囲で部分的に、外径及び内径が、前記竿元側が拡径したラッパ状の部分と、拡径した竿元側端部内周面に直接に削り掘られたねじ溝とを有するとともに繊維強化樹脂で形成された竿体と、前記ねじ溝に塗布されたエポキシ系塗料と、前記ねじ溝に脱着自在に螺合する雄ねじ部分を有する尻栓とを備えている。
【0007】
この釣竿では、底栓は、その雄ねじ部分を竿体の竿元側端部内周面のねじ溝に螺合させることで、竿体に脱着自在に装着されている。この竿体のねじ溝は竿体内周面に直接削り掘られたものであり比較的容易にねじ溝を形成可能である。そして、このねじ溝にはエポキシ系塗料が塗布されており、この塗料が竿体の内周面を削って形成した溝から強化繊維が剥離するのを抑えている。なお、竿体内周面にねじ溝が削り掘られており、別段の内周面の荒らし加工などを施すことなくエポキシ樹脂の竿体内周面への付着程度を良好なものとでき、塗布工程も比較的容易である。
【0008】
発明2の釣竿は、発明1の釣竿であって、エポキシ系塗料はエポキシ樹脂をクリア剤で200〜500%に希釈したものである。
このような所定の範囲に希釈した希エポキシ系塗料を塗布することで、ねじ部分への円滑なエポキシ系塗料の塗布が可能となる。また、500%を超えるような希塗料となると剥離防止のための十分な効果が得難くなる。
【0009】
発明3の釣竿は、発明1又は2の釣竿であって、エポキシ系塗料を塗布した表面にさらにゴム系塗料が塗布されている。
この釣竿では、エポキシ系塗料の表面に更に塗布されるゴム系塗料がクッションとなり、ここに螺合している底栓の不要な回転を抑えてその緩みを防止する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本発明の一実施形態を採用した釣竿は、図1に示すように、元竿1と、元竿1の穂先側に順次振出形式で連結される、元上竿2,第1中竿3,第2中竿4及び穂先竿5とを有している。これら元竿1〜穂先竿5は炭素繊維またはガラス繊維等に合成樹脂を含浸させたプリプレグから形成される先細り筒状部材であって、第1中竿2〜穂先竿5は穂先側から順次竿元側の竿体の内部に挿入され出し入れ自在である。もっとも、竿体の数は任意に設定するものであり、5本に限定されるものではない。各竿体の製造について詳細に述べれば、これらの各竿体は、炭素繊維やガラス繊維を周方向若しくは軸方向に引き揃えた上でエポキシ系の樹脂をここに含浸させてシート状又はテープ状の素材を形成し、これを芯材に巻回して焼成して製造されたものである。
【0011】
元竿1は、外周面に形成されリール(図示せず)を脱着自在に装着可能なリールシート6を有し、後に詳しく述べるように、竿元側端部には尻栓10が脱着自在に装着されている。このリールシート6は別途合成樹脂等で形成されたパイプ状の部材を所定の位置に配置して固定して形成されている。また、元竿1の竿元側端部内周面には雌ねじ部材が配置され、ここに尻栓10が脱着自在に螺合している。さらに、元竿1の穂先側端部内周面は他の部分に比べてやや小径に設定されて嵌合雌部となっている。
【0012】
元上竿2は、元竿1の穂先側に連結された先細りテーパが形成された竿体である。竿元側端部外周面に第1嵌合雄部2a(図2参照)を有すると共に、穂先側の内周面に第2嵌合雄部2bを有している。第2嵌合雄部2bは肉盛などによって他の部分よりやや大径化した部分であり、必要に応じてその穂先側に金属リング等が配置されている。そして、それぞれの嵌合雄部を元竿1の穂先側端部内周面の嵌合雌部と嵌着させ、収納状態と延伸状態とに於いて相互に固定可能となっている。また、元上竿2の第2嵌合雄部2bより竿元側の外周面と、元上竿2の穂先側端部外周面とには、釣糸ガイド8が固定されている。
【0013】
第1中竿3〜穂先竿5はそれぞれ順次元上竿2の穂先側に連結される。各竿体の竿元側端部や穂先側端部外周面は相互に嵌合固定可能な嵌合部分として加工されている。また、各竿体の周面には、それぞれの竿体の穂先側端部外周面に固定ガイドが装着されると共に複数のスライドガイドが配置されている。このスライドガイドは周知のものであり、各竿体周面を軸方向に滑動自在に配置され、所定の軸方向位置において竿体の外径と合致して固定可能となっている。
【0014】
図2に示すように、元竿1の竿元側端部は軸方向の一定の範囲で部分的に外径も内径も拡径したラッパ状の部分となっている。そして、その竿元側端部の内周面にはねじ溝12が形成されて、ここに底栓10が脱着自在に装着されており、さらに、ねじ溝12の穂先側に隣接する元竿1の内部には短筒型のストッパーリング11が配置されている。このストッパーリング11は元竿1に固定しても脱着自在としてもよい。
【0015】
ストッパーリング11は、軸方向に貫通する短筒型の部材であって、内周面に周方向に間隔を隔てて軸方向に伸びて形成された複数の係止突起を有している。この係止突起の内径は前述の元上竿2の竿元側端部外周面の第1嵌合雄部2a部分の外径に合致する。その穂先側においては穂先側ほど大径化する面取りを施してもよい。そして、収納状態において、穂先側からこの係止突起内に元上竿2の竿元側端部が挿入されるとこれと係止突起が嵌着する。
【0016】
ねじ溝12は元竿1の竿元側端部内周面に直接に螺旋状に削り掘られた溝である。そして、図3及び図4に詳しく示すように、このねじ溝12が形成されている元竿1の竿元側端部内周面には、2重に合成樹脂塗料が塗布されて合成樹脂層を形成している。まず、第1層として元竿1の内周面に直接塗布されているのはエポキシ系塗料であり、これがエポキシ樹脂層21を形成する。詳しくは、このエポキシ系塗料はエポキシ樹脂をクリア剤で200〜500%に希釈したものである。さらに、エポキシ樹脂層21の表面に第2層として、ゴム系樹脂層22が積層されている。このゴム系樹脂層22はセノソフト(商品名)などのポリウレタン系ゴムを塗材で希釈したゴム系塗料を塗布して形成される層である。これらの両塗材は、それぞれの樹脂塗材槽に元竿1の竿元側端部を部分的に浸けてディッピングする等の方法によって塗布できる。
【0017】
底栓10は、元竿1の竿元側端部を塞ぐ栓であり、頭端部10aと頭端部10aより小径で周面にねじ山が形成されている雄ねじ部分10bとを有する。この雄ねじ部分10bを上述のねじ溝12に螺合させることで、底栓10が元竿1に装着されている。
このような構成の釣竿では、釣りを終えた際には、各竿体上のスライドガイドを穂先側にスライド移動させた上で、各竿体を順次竿元側の竿体の内部に振出形式で収納してコンパクトな状態とする。一方、釣りを行う際には、順次穂先側の竿体を引き出して相互に竿体を連結し、スライドガイドもスライド移動させて固定し、一本の釣竿をして用いることになる。特に、元竿1と元上竿2とにおいては、元上竿2を元竿1の穂先側に引き出した延伸状態と、元上竿2を元竿1内に挿入した収納状態との双方の状態において相互に竿体を固定可能である。そして、釣竿全体の長さを調整しつつ、釣り状況に応じて釣りを行うことが可能となる。
【0018】
即ち、延伸状態においては、元上竿2の第1嵌合雄部1aを元竿1の嵌合雌部に嵌着させる。一方、収納状態においては、元上竿2の第2嵌合雄部1bを元竿1の嵌合雌部に嵌着させるとともに、第1嵌合雄部1aをストッパーリング11に嵌着させる。
このような釣竿で各竿体を分離する場合、元竿1内に順次収納される穂先側の竿体(元上竿2〜穂先竿5)は、順次、元竿1の尻栓10を外して、竿元側から元竿1内に出し入れすることになる。底栓10の雄ねじ部分10bが螺合しているねじ溝12は、元竿1内周面に直接削り掘られたものであってその製造工程も簡易である。そして、このねじ溝12にはエポキシ系塗料からなる層21が塗布されており、この層21が元竿1の内周面を削って形成したねじ溝12から強化繊維が剥離するのを抑えている。
【0019】
なお、元竿1の内周面にねじ溝12が直接削り掘られており、別段の内周面の荒らし加工などを施すことなくエポキシ系樹脂の元竿1の内周面への付着程度も良好なものと為し得る。さらに、この層21を形成するエポキシ系塗料は、エポキシ系樹脂を所定の範囲に希釈した希エポキシ系塗料であり、ねじ溝12へ円滑に塗布できる。さらにまた、このねじ溝12においては、エポキシ系塗料の表面に更にゴム系塗料が塗布されてゴム系樹脂層22を形成しており、このゴム系樹脂層22がクッションとなって、ここに螺合する底栓10の不要な回転を抑え、その緩みを防止する。
【0020】
[他の実施形態]
(a)上記実施形態では、ゴム系塗料を塗布してゴム系樹脂層22をも形成しているが、これは任意に塗布すれば足りる。
(b)上記実施形態では、元竿1と元上竿2とを延伸状態及び収納状態の何れにおいても相互に固定可能な場合を例示しているが、これに限定されるものではない。即ち、ストッパーリング11の配備は任意である。
【0021】
【発明の効果】
本発明の釣竿では、尻栓が緩みにくく尻栓の脱着作業も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した中通し竿の全体図。
【図2】図1の元竿1の竿元側の拡大断面図。
【図3】図2のねじ溝12付近の拡大断面図。
【図4】図3のねじ溝12付近を更に拡大した断面図。
【符号の説明】
1 元竿
2 元上竿
10 尻栓
11 ストッパーリング
12 ねじ溝
21 エポキシ系樹脂層
22 ゴム系樹脂層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a rod body constituting a fishing rod used for fishing.
[0002]
[Prior art]
In order to reduce the strength and weight in recent years, a cylindrical rod constituting the fishing rod is made of a sheet or tape-like fiber reinforced resin (prepreg) in which a synthetic resin is impregnated with carbon fiber or glass fiber. This casing is manufactured by applying a release material or the like to the peripheral surface of a cylindrical core material with a tapered taper, winding an arbitrary number of prepregs while applying pressure thereto, and firing the prepreg in a furnace. Is done.
[0003]
By the way, a plug member called a butt plug is detachably fitted in the end side end portion of the main rod located on the most base side in the conventional case. For example, when disassembling a swing type fishing rod into individual rods, the tail plug is removed from the main rod, and the rod on the tip side is inserted into and removed from the rod side. Many conventional fishing rods are of a type in which a female screw member having a thread on the inner peripheral surface is separately manufactured and then fitted and fixed to the base end portion of the main rod, and the end plug is detachably screwed here. There were many things. However, such a fishing rod that fixes a separately produced female screw member increases the number of manufactured parts and the manufacturing process. Therefore, in recent years, a type in which a thread groove is directly cut on the inner peripheral surface of the heel side of the mortar and a bottom plug is screwed therein has appeared on the market.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, when a thread is directly cut and formed on the inner peripheral surface of the base side end portion of the base rod, there is a possibility that the fibers of the fiber reinforced resin constituting the casing may be peeled off. That is, in general, many cases are formed by firing the prepreg as described above. Therefore, when the inner peripheral surface of such a case is shaved to form a thread groove, a part of the reinforcing fiber is formed from the shaved part. There is a risk that the reinforcing fiber is cut at the exposed or shaved portion and the reinforcing fiber is peeled off. Such peeling of the reinforcing fibers hinders the smooth desorption of the bottom plug.
[0005]
In addition, the problem of screw loosening cannot be excluded with a screw-type bottom plug. Even if the bottom plug system is set or a rubber ring for locking is placed at the end of the main shaft together with the bottom plug, it cannot be said that it is sufficient to prevent the locking, and a device for further locking is required. It is done.
An object of the present invention is to provide a fishing rod having a bottom plug that is less likely to loosen and can be easily attached and detached.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The fishing rod of the
[0007]
In this fishing rod, the bottom plug is detachably attached to the rod body by screwing the male screw portion into the thread groove on the inner peripheral surface of the rod side end portion of the rod body. The thread groove of the housing is directly cut in the peripheral surface of the housing, and the thread groove can be formed relatively easily. An epoxy-based paint is applied to the thread groove, and the reinforcing fiber is prevented from peeling from the groove formed by cutting the inner peripheral surface of the casing. In addition, the thread groove is carved in the inner peripheral surface of the housing, and the degree of adhesion of the epoxy resin to the inner peripheral surface of the housing can be improved without performing a roughening process on the inner peripheral surface, and the coating process is also performed. It is relatively easy.
[0008]
The fishing rod of the
By applying the diluted epoxy paint diluted to such a predetermined range, it is possible to smoothly apply the epoxy paint to the screw portion. Moreover, when it becomes a rare paint exceeding 500%, it will become difficult to acquire sufficient effect for peeling prevention.
[0009]
The fishing rod of the invention 3 is the fishing rod of the
In this fishing rod, the rubber-based paint further applied to the surface of the epoxy-based paint serves as a cushion, and unnecessary rotation of the bottom plug screwed here is suppressed to prevent loosening.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
As shown in FIG. 1, a fishing rod that employs an embodiment of the present invention is connected to a
[0011]
The
[0012]
The former
[0013]
The first middle rod 3 to the tip rod 5 are respectively connected to the tip side of the forward dimension
[0014]
As shown in FIG. 2, the base end portion of the
[0015]
The
[0016]
The
[0017]
The
In a fishing rod having such a structure, when fishing is finished, the slide guide on each rod is slid to the tip side, and then each rod is sequentially placed inside the rod on the rod side. Store in a compact state. On the other hand, when fishing, the rods on the tip side are sequentially pulled out and connected to each other, the slide guide is also slid and fixed, and used as a single fishing rod. In particular, in the
[0018]
That is, in the extended state, the first fitting male part 1a of the
When each rod is separated with such a fishing rod, the rod-side rods (the
[0019]
In addition, the
[0020]
[Other Embodiments]
(A) In the above embodiment, a rubber-based paint is applied to form the rubber-based
(B) In the above-described embodiment, the case where the
[0021]
【The invention's effect】
In the fishing rod of the present invention, the butt plug is difficult to loosen and the butt plug is easily attached and detached.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall view of a threading rod that employs an embodiment of the present invention.
2 is an enlarged cross-sectional view of the base side of the
3 is an enlarged cross-sectional view of the vicinity of a
4 is a cross-sectional view in which the vicinity of the
[Explanation of symbols]
1
Claims (3)
軸方向の竿元側の一定の範囲で部分的に、外径及び内径が、前記竿元側が拡径したラッパ状の部分と、拡径した竿元側端部内周面に直接に削り掘られたねじ溝とを有するとともに繊維強化樹脂で形成された竿体と、
前記ねじ溝に塗布されたエポキシ系塗料と、
前記ねじ溝に脱着自在に螺合する雄ねじ部分を有する尻栓と
を備えた釣竿。A fishing rod used for fishing,
The outer diameter and the inner diameter are partly cut within a certain range on the heel side in the axial direction , directly on the trumpet-shaped part whose diameter is enlarged on the heel side, and on the inner peripheral surface of the enlarged heel side end. A housing having a thread groove and formed of fiber reinforced resin ;
An epoxy-based paint applied to the thread groove;
A fishing rod provided with a butt plug having a male thread portion that is detachably engaged with the thread groove.
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