JP3948965B2 - 多点計測厚み計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線を用いて被測定物の厚さを非接触で測定する多点計測厚み計に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、鉄鋼業における圧延の形状制御のニーズの高まりによって、より制御に適した板形状の測定器が求められている。従来、板幅方向の厚み測定は走査型厚み計などで行ってきているが、被測定物は板厚測定中も連続的に移動している場合が殆どであるため、そのままでは板形状を求めることは出来ない。従って多くの場合、走査型厚み計の他に、板中心を測定する厚み計を導入し、これによって得られたデータを基に補正を行って板形状を求めている。
【0003】
多点計測厚み計について、図15を参照して説明する。水平に配置された板状の被測定物4の板方向上下にやや距離をおいて対向するようにコ字型フレーム1の上側に検出部2、下側に発生器3を配置する。検出部2の出力信号は厚み演算器7に送られる。検出部2と発生器3はコ字型フレーム1に固定されている。検出部2内には円筒状の電離箱5が被測定物2の幅方向に複数個平行に配置され、これらが発生器3より出力される扇形状の放射線を感知するが、電離箱5の形状は円筒状であり、その中心部と端部では放射線に対する感度に大きな差がある。これについて、図16〜図18を用いて更に説明する。
【0004】
図16は、電離箱5と被測定物4の位置関係を表す斜視図である。発生器3から出力される扇形上の放射線を破線で表している。図17は、電離箱5の真上から見た状態を示すAA’矢視図である。電離箱5は、図17に示すように、被測定物4に対し平行に配列している。電離箱5の端部は中心部に比べ感度が低いため、被測定物4のハイスポット(欠陥)の検出が困難である。
【0005】
図18に電離箱5を被測定物4に対し平行に配列した場合の感度分布を示す。図18に示すように、電離箱5の感度が低いため精度良く板厚測定を出来なくなる不感帯が周期的に存在する事になり、幅方向の連続的な厚み値が得られなくなる。
【0006】
また、エッジ部を高分解能・高精度で測定可能な装置のニーズも高まってきているが、従来の多点計測厚み計では電離箱と電離箱の間に存在する放射線に対する感度の低い領域(以後不感帯と呼ぶ)で精度の良い測定を行うことが出来ず、連続的なエッジ形状を得ることが困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、多点計測厚み計においては、測定位置における板厚は電離箱の高さ方向で入射した放射線量の総和の平均をとって板厚に変換するが、電離箱は円筒状のため、中心部が最も放射線に対する感度が高く、端に近づくにつれその感度は低いという特性がある。
【0008】
そのため、測定ポイントがちょうど不感帯であった場合、電離箱の高さ方向全域が不感帯ということになる。そのため、この位置において感度が著しく低くなり、被測定物の幅方向の板厚測定時に測定出来ない箇所が出て来る。
【0009】
また、被測定物のエッジ部から任意の距離における位置の厚さ測定を行う場合において、幅計等の外部装置より被測定物の幅値を演算器に入力し、被測定物の蛇行量に合わせて多点計測厚み計を移動装置6により移動させ測定を行っているが、台車が目標位置に移動するまでは目標位置での測定が行えない。
【0010】
一方、電離箱を隣接させて配列した場合、隣接する電離箱からの散乱線が電離箱に入射するためにエッジ部の精度低下、分解能低下など測定結果に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0011】
本発明は、以上の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、測定位置による放射線に対する感度の差を減らし、より良い幅方向測定が可能となる多点計測厚み計を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、放射線源と、被測定物を介して放射線源と対向する位置において被測定物の幅方向に複数個平行に配置された円筒状の電離箱を有し、放射線源から放射され被測定物を透過して入射された放射線のレベルに関連した出力信号を得る検出手段と、この検出手段の出力信号から被測定物の厚みを演算する演算手段とを備え、電離箱は、円筒の側面から放射線を入射する構造のものとし、電離箱を、入射される放射線の不感帯が無くなるように、被測定物の流れ方向に対し、時計方向若しくは反時計方向に任意の角度回転させて配列したことを特徴とする。
【0013】
請求項1に係る発明によれば、従来の電離箱の配置で存在した不感帯の部分を無くすことが可能となり、被測定物の厚みの幅方向測定を連続的に精度良く行うことが出来る。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の多点計測厚み計において、演算手段が、被測定物の幅を測定する手段により測定された幅値が入力され、被測定物のエッジ位置、または中心位置を演算し、検出手段の出力信号から演算した厚みについての被測定物のエッジ位置、または中心位置からの位置を特定できるものであることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1の多点計測厚み計において、前記演算手段が、被測定物のエッジを検出する手段からの出力信号が入力され、被測定物のエッジ位置を演算し、検出手段の出力信号から演算した厚みについての被測定物のエッジ位置からの位置を特定できるものであることを特徴とする。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の多点計測厚み計において、演算手段が、外部装置からの中心ずれ量が入力され、被測定物の中心位置を演算し、検出手段の出力信号から演算した厚みについての被測定物の中心位置からの位置を特定できるものであることを特徴とする。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の多点計測厚み計において、電離箱が、目標測定位置を含む所定範囲の位置に配列されているものとし、演算手段が、被測定物の幅を測定する手段、または被測定物のエッジを検出する手段、または外部装置からの出力信号が入力され、被測定物の蛇行量を求めるとともに、複数の測定位置の厚み値を基に測定位置間の厚み値を算出するための補間関数を求め、補間関数により目標測定位置から蛇行量ずれた位置の厚み値を演算するものであることを特徴とする。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、目標測定位置から被測定物がずれた場合でも連続的に厚みが測定できる。
【0019】
請求項6に係る発明は、請求項1に記載の多点計測厚み計において、電離箱の全長と、電離箱側壁の肉厚に安全率を乗じて求めた不感帯の値とを用いて、被測定物の流れ方向に対し、不感帯が無くなるような電離箱の回転角度を決定したことを特徴とする。
【0020】
請求項7に係る発明は、請求項1に記載の多点計測厚み計において、電離箱の全長と、電離箱内径および電離箱中心部に対するガス量比を用いて求めた不感帯の値とを用いて、被測定物の流れ方向に対し、不感帯が無くなるような電離箱の回転角度を決定したことを特徴とする。
【0021】
請求項8に係る発明は、請求項1に記載の多点計測厚み計において、電離箱の全長と、電離箱外径およびガス充満係数を用いて求めた不感帯の値とを用いて、被測定物の流れ方向に対し、不感帯が無くなるような電離箱の回転角度を決定したことを特徴とする。
【0022】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の多点計測厚み計において、隣接する2つの電離箱間にしきい板を挿入したことを特徴とする。
【0023】
請求項9に係る発明によれば、隣接した電離箱から入射する散乱線の影響がなくなり、エッジ部の精度低下、分解能低下など測定結果に悪影響を及ぼす要因のない優れた測定を行うことが出来る。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図において、従来例を示す図を含めて、同符号は同一部分または対応部分を示す。
【0025】
(第1の実施形態)
図1〜図4を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。
【0026】
図1において、板状の被測定物4の板厚を測定出来るように、多点計測厚み計移動装置6によるコ字型フレーム1の幅方向移動操作が行われる。コ字型フレーム1には、下側に発生器3、上側に検出部2が固定されている。また検出部2内には電離箱5が配列されている。
【0027】
発生器3より出力される放射線は被測定物4を透過し、電離箱5に入射する。入射した放射線は電離箱5内に封入された気体を光電吸収、コンプトン散乱、電子対生成などの作用によって電離し、この際発生した電荷は電極間に加えられた電界によって電極に引き寄せられ、電極で再結合して中性の原子に戻る。この時流れ出た電流が検出部2の出力信号となり、A/D変換された後に厚み演算器7に送られ、被測定物4の厚み値に変換される。
【0028】
従来例においては、上述のように、電離箱5を被測定物4に対し平行に配列しているため不感帯が周期的に存在し、幅方向の連続的な厚み値が得られなかった。そこで、この実施形態においては、電離箱5の配列を変更し、不感帯を無くすようにしている。
【0029】
図2は、この実施形態における電離箱5と被測定物4の位置関係を表す斜視図である。発生器3から出力される扇形上の放射線を破線で表している。図3は、電離箱5の真上から見た状態を示すAA’矢視図である。電離箱5の配列を図3に示すように被測定物4に対し斜めに配列した構造とする。このように、電離箱5を、被測定物4の真上から見た平面上で、被測定物4の流れ方向に対し、時計方向若しくは反時計方向に任意の角度回転させた状態に配置にすることで、従来の電離箱の配置で存在した不感帯の部分を無くすことが可能となり、被測定物4の幅方向測定を連続的に精度良く行うことが出来る。
【0030】
図4に、電離箱5を被測定物4の流れ方向に対し、時計方向もしくは反時計方向に回転させたこの実施形態における感度分布を示す。図より明らかなように、被測定物4の板幅方向について、一定以上の感度を得ることが可能となる。従って、被測定物4に局所的にハイスポット(欠陥)があった場合、これを容易に検出することができる。
【0031】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。この実施形態においては、厚み演算器7において、第1の実施形態の場合と同様に検出部2の出力信号から被測定物4の厚み値を演算するとともに、幅計8で測定された板幅値を厚み演算器7に入力し、被測定物4の板エッジ位置、または板中心位置を演算する。
【0032】
従って、演算器7においては、検出部2の出力信号から演算した厚みについて、被測定物4の板エッジ位置、または板中心位置からの位置を特定することができる。
【0033】
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態の構成を示す図である。この実施形態においては、厚み演算器7において、第1の実施形態の場合と同様に検出部2の出力信号から被測定物4の厚み値を演算するとともに、エッジセンサー9で検出された信号を厚み演算器7に入力し、被測定物の板エッジ位置を演算する。
【0034】
従って、演算器7においては、検出部2の出力信号から演算した厚みについて、被測定物の板エッジ位置からの位置を特定することができる。
【0035】
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態の構成を示す図である。この実施形態においては、厚み演算器7において、第1の実施形態の場合と同様に検出部2の出力信号から被測定物4の厚み値を演算するとともに、上位の計算機などの外部装置10より板中心ずれ量を厚み演算器7に入力し、板中心位置を演算する。
【0036】
従って、演算器7においては、検出部2の出力信号から演算した厚みについて、被測定物4の板中心位置からの位置を特定することができる。
【0037】
(第5の実施形態)
図8〜図10は、本発明の第5の実施形態を説明する図である。
【0038】
図8は、第1の実施形態のような構成の多点計測厚み計を、被測定物4のエッジ部より任意の距離離れた目標位置の板厚を測定するために用いる場合の構成を示している。多点計測厚み計は被測定物4のエッジより任意の距離離れた目標位置を測定するため、この位置を中心とした所定範囲の位置に、板厚を測定出来るよう電離箱5を配列する。
【0039】
厚み演算器7において、検出部2の出力信号から目標測定位置近傍の所定範囲の複数の測定位置における板厚値11、12、13が求められ、また、幅計8、またはエッジセンサー9からの出力信号によりエッジ位置が求められると、図9に示すように、板厚値11、12、13を、それぞれエッジ位置から測定位置までの距離に対応した位置にプロットし、これらの板厚測定結果を補間関数14で結び、グラフ化することができる。目標測定位置が、実際の測定位置同士の間に位置する場合でも、補間関数14より、エッジ位置から任意の距離15離れた目標測定位置の板厚値16を求めることができる。
【0040】
また、被測定物4は通板されて来る際に幅方向に蛇行しながら来る場合が殆どである。幅計8、またはエッジセンサー9、または外部装置10等からの板幅、またはエッジ位置、または中心ずれ量(蛇行量)などを表わす出力信号を厚み演算器7に入力し、被測定物4の蛇行量を演算する。そして、目標測定位置近傍の板厚測定結果を補間関数で結び、図10に示すようにグラフ化する。即ち、目標測定位置での板厚値17とその近傍の位置における板厚値18、19を補間関数20で結ぶ。幅計8等より得たエッジ位置によって板ずれ量即ち蛇行量21が算出された場合、補間関数20より板厚値22が求められる。この値を目標測定位置の板厚値とすることで、目標測定位置から被測定物4がずれた場合でも連続的に板厚が測定できるようになる。
【0041】
(第6の実施形態)
図11〜図13は本発明の第6の実施形態を説明する図である。電離箱5の放射線に対する感度は電離箱5内のガス量に比例する。電離箱5端部ではガス量が少ないため感度が低下し、電離箱5の側壁部分では放射線に対する感度が無くなる。
【0042】
この実施形態では、電離箱5が円筒の側面から放射線を入射する構造のものとし、図11に示すように、被測定物の流れ方向に対し、この不感帯がなくなるような電離箱5の回転角度αを決定する。
【0043】
まず、回転角度αを決定する第1の方法として、電離箱の全長と、電離箱側壁の肉厚に安全率を乗じて求めた不感帯の値とを用いて求めることができる。すなわち、電離箱5の全長を2Lとし、電離箱側壁の肉厚tに安全率γを乗じて求めた不感帯11の値をT(=t・γ)とした場合、被測定物4の流れ方向に対し、不感帯がなくなるような電離箱5の回転角度αはα=tan-1(T/L)として求められる。安全率γは任意の定数(例えば、2)とする。
【0044】
次に、回転角度αを決定する第2の方法として、電離箱の全長と、電離箱内径および電離箱中心部に対するガス量比を用いて求めた不感帯の値とを用いて求めることができる。図12に示すように、電離箱5の中心部Oに対しガス量比がcとなる位置を不感帯11との境界となる位置とし、中心部Oを通る水平線上のこの位置をBとする。すなわち、位置Bは、電離箱内径を2rとしたとき、位置Bからその上方の内壁の位置Cまでの距離をl1とすると、l1=c・rとなるような位置とする。また、図において、中心部Oの上方の内壁の位置をA、中心部Oから位置Bまでの距離をt”、位置Bからその水平方向の内壁の位置Dまでの距離をt’とし、OAとOCのなす角度をβとする。
【0045】
ここで、l1=c・rであるが、図より、l1=rcosβとなるので、c=cosβとなり、従って、電離箱中心部に対するガス量比cが与えられると、角度βを求めることができる。また、図より、t”=rsinβであるので、不感帯11の値Tは次のようにして求めることができる。
【0046】
【数1】
そして、このようにして求めた不感帯11の値Tと電離箱5の全長2Lとから、被測定物4の流れ方向に対し、不感帯がなくなるような電離箱5の回転角度αをα=tan-1(T/L)として求めることができる。なお、電離箱中心部に対するガス量比cは任意の定数(例えば、0.5)とすることができる。
【0047】
また、第3の方法として、電離箱の全長と、電離箱外径およびガス充満係数(ガスが充満している有効径の係数)を用いて求めた不感帯の値とを用いて求めることができる。電離箱外径を2Rとしたとき、図13に示すように、電離箱5の中心部Oを通る水平線上で、中心部Oからの距離が、電離箱外径の半分の値Rにガス充満係数c’を乗じた値の位置Eを不感帯11との境界とし、不感帯11の値Tを次のようにして求める。
【0048】
【数2】
そして、このようにして求めた不感帯11の値Tと電離箱5の全長2Lとから、被測定物4の流れ方向に対し、不感帯がなくなるような電離箱5の回転角度αをα=tan-1(T/L)として求めることができる。なお、ガス充満係数c’は任意の定数(例えば、0.7〜0.8程度の値)とすることができる。
【0049】
(第7の実施形態)
図14は本発明の第7の実施形態を説明する図である。第1〜第6の実施形態のように、電離箱5を複数個隣接させて配列している場合、電離箱5には発生器3から放射された放射線14以外に、隣接する電離箱5からの散乱線13が入射するためエッジ部の精度低下、分解能低下など測定結果に悪影響を及ぼすことがある。
【0050】
そこで、この実施形態では、このような散乱線13の影響を低減させるため、隣接する電離箱5間にしきい板12を配置している。
【0051】
しきい板12の厚みは散乱線を十分に吸収できる厚さとし、しきい板12の長さ、高さについては、それぞれ電離箱5の長さ、高さと同等以上とする。
【0052】
また、しきい板12の材質は、ステンレス鋼(例えばSUS304)を用いることができるが、散乱線を吸収できる材質であればこの限りでない。例えば、タングステン、鉛などを用いることもできる。
【0053】
また、線吸収係数の大きい材質のものほど、板厚を薄くすることが出来る。
【0054】
なお、このように、しきい板12を用いた場合、被測定物4の流れ方向に対し、不感帯がなくなるような電離箱5の回転角度α’は、しきい板12の板厚をt2としたとき、第6の実施形態の場合のTの代わりに、(T+0.5t2)を用いて、α’=tan-1{(T+0.5t2)/L}として求めることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電離箱の配置を被測定物の流れ方向に対し、時計方向もしくは反時計方向に回転させることで、放射線感度の低い領域が減り、測定領域全体に渡って感度の変化が少ない多点計測厚み計を得ることが出来、被測定物に局所的にハイスポット(欠陥)がある場合に、これを容易に検出することができる。
【0056】
また、入力された信号から蛇行量を求め、これを、各測定位置間を補間した関数に適用することで、被測定物の蛇行による目標測定位置のずれに対応でき、目標測定位置付近の測定を連続的に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る多点計測厚み計の構成を示す正面図。
【図2】 第1の実施形態における電離箱の配列を示す斜視図。
【図3】 図2において電離箱の真上から見た状態を示すAA’矢視図。
【図4】 第1の実施形態における電離箱の幅方向についての感度分布を示す図。
【図5】 本発明の第2の実施形態に係る多点計測厚み計の構成を示す図。
【図6】 本発明の第3の実施形態に係る多点計測厚み計の構成を示す図。
【図7】 本発明の第4の実施形態に係る多点計測厚み計の構成を示す図。
【図8】 本発明の第5の実施形態に係る多点計測厚み計の構成を示す図。
【図9】 第5の実施形態における目標測定位置が実際の測定位置同士の間にある場合に目標測定位置の板厚値を補間して求めるグラフを示す図。
【図10】第5の実施形態における被測定物が蛇行した場合に目標測定位置の板厚値を補間して求めるグラフを示す図。
【図11】本発明の第6の実施形態における電離箱の回転角度を決定する方法を説明するための図。
【図12】本発明の第6の実施形態における電離箱内径、電離箱中心部に対するガス量比等を用いて電離箱の回転角度を決定する方法を説明するための図。
【図13】本発明の第6の実施形態における電離箱外径、ガス充満係数等を用いて電離箱の回転角度を決定する方法を説明するための図。
【図14】本発明の第7の実施形態に係る多点計測厚み計の主要部の構成を示す図。
【図15】従来例の構成を示す正面図。
【図16】従来例における電離箱の配列を示す斜視図。
【図17】図16において電離箱の真上から見た状態を示すAA’矢視図。
【図18】従来例における電離箱の幅方向についての感度分布を示す図。
【符号の説明】
1…コ字型フレーム
2…検出部
3…発生器
4…被測定物
5…電離箱
6…多点計測厚み計移動装置
7…厚み演算器
8…幅計
9…エッジセンサー
10…外部装置
11…不感帯
12…しきい板
13…散乱線
14…放射線
Claims (9)
- 放射線源と、被測定物を介して前記放射線源と対向する位置において前記被測定物の幅方向に複数個平行に配置された円筒状の電離箱を有し、前記放射線源から放射され前記被測定物を透過して入射された放射線のレベルに関連した出力信号を得る検出手段と、この検出手段の出力信号から前記被測定物の厚みを演算する演算手段とを備え、前記電離箱は、円筒の側面から放射線を入射する構造のものとし、前記電離箱を、入射される放射線の不感帯が無くなるように、前記被測定物の流れ方向に対し、時計方向若しくは反時計方向に任意の角度回転させて配列したことを特徴とする多点計測厚み計。
- 請求項1に記載の多点計測厚み計において、前記演算手段は、前記被測定物の幅を測定する手段により測定された幅値が入力され、前記被測定物のエッジ位置、または中心位置を演算し、前記検出手段の出力信号から演算した厚みについての前記被測定物のエッジ位置、または中心位置からの位置を特定できるものであることを特徴とする多点計測厚み計。
- 請求項1の多点計測厚み計において、前記演算手段は、前記被測定物のエッジを検出する手段からの出力信号が入力され、前記被測定物のエッジ位置を演算し、前記検出手段の出力信号から演算した厚みについての前記被測定物のエッジ位置からの位置を特定できるものであることを特徴とする多点計測厚み計。
- 請求項1に記載の多点計測厚み計において、前記演算手段は、外部装置からの中心ずれ量が入力され、前記被測定物の中心位置を演算し、前記検出手段の出力信号から演算した厚みについての前記被測定物の中心位置からの位置を特定できるものであることを特徴とする多点計測厚み計。
- 請求項1に記載の多点計測厚み計において、前記電離箱は、目標測定位置を含む所定範囲の位置に配列されているものとし、前記演算手段は、前記被測定物の幅を測定する手段、または前記被測定物のエッジを検出する手段、または外部装置からの出力信号が入力され、前記被測定物の蛇行量を求めるとともに、複数の測定位置の厚み値を基に測定位置間の厚み値を算出するための補間関数を求め、前記補間関数により前記目標測定位置から前記蛇行量ずれた位置の厚み値を演算するものであることを特徴とする多点計測厚み計。
- 請求項1に記載の多点計測厚み計において、前記電離箱の全長と、前記電離箱側壁の肉厚に安全率を乗じて求めた不感帯の値とを用いて、前記被測定物の流れ方向に対し、前記不感帯が無くなるような前記電離箱の回転角度を決定したことを特徴とする多点計測厚み計。
- 請求項1に記載の多点計測厚み計において、前記電離箱の全長と、前記電離箱の内径および前記電離箱中心部に対するガス量比を用いて求めた不感帯の値とを用いて、前記被測定物の流れ方向に対し、前記不感帯が無くなるような前記電離箱の回転角度を決定したことを特徴とする多点計測厚み計。
- 請求項1に記載の多点計測厚み計において、前記電離箱の全長と、前記電離箱外径およびガス充満係数を用いて求めた不感帯の値とを用いて、前記被測定物の流れ方向に対し、前記不感帯が無くなるような前記電離箱の回転角度を決定したことを特徴とする多点計測厚み計。
- 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の多点計測厚み計において、隣接する2つの前記電離箱間にしきい板を挿入したことを特徴とする多点計測厚み計。
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