JP3948270B2 - Inkjet image forming method using aqueous inkjet ink set - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット用水性インクセットとそれを用いたインクジェット画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させてインクジェット記録媒体に付着させ、画像、文字等の記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易であるという利点を有している。
【0003】
また、近年の技術進歩により、染料インクによるインクジェットプリントが、その銀塩写真に迫る高画質や装置の低価格化に伴い、その普及を加速させている。
【0004】
染料は溶媒に可溶であり、色素分子は分子状態もしくはクラスター状態で着色している。従って、各分子の環境が似通っているために、その吸収スペクトルはシャープであり高純度で鮮明な発色を呈する。更に、粒子に起因する粒状パターンがなく、また記録表面に着色剤が存在しないため耐擦過性に優れ、かつ散乱光や反射光が発生しないため、透明性が高く色相も鮮明なインクジェット画像を得ることができる。
【0005】
しかしその一方で、光化学反応等により分子が破壊された場合には、分子数の減少がそのまま着色濃度に反映するために、耐光性、褪色耐性に劣るという欠点を有している。染料インクを用いたインクジェット記録画像は、高画質であるが、経時保存による画像品質の低下が大きく、耐光性、耐水性、褪色耐性、滲み耐性等の観点で銀塩写真を凌駕する技術が未だ現れていないのが現状である。
【0006】
染料インクに対して、光による退色に強い画像を必要とする用途向けのインクとして、耐光性、褪色耐性、滲み特性が良好である顔料を着色剤として用いる顔料インクが使用されている。しかしながら、顔料は染料と比べて顔料粒子として存在するため、光の散乱を受けやすく、透明感のない画像を与え、更に光沢性、耐擦過性の点で染料には及ばない欠点があった。
【0007】
上述のように、染料インクは、透明性、光沢性、耐擦過性に優れた点を有しているものの、耐光性、耐水性、褪色耐性、滲み耐性に劣り、逆に、顔料インクは、耐光性、褪色耐性、滲みに優れているものの透明性、光沢性、耐擦過性に劣るという相反する特性である。
【0008】
以上述べたような顔料を用いた水性インクの問題点を解決する方策として、エマルジョン、ラテックス等の樹脂微粒子を添加することが古くから検討されている。特開昭55−18418号には、「ゴム、樹脂等の成分を乳化剤により微細粒子の形で水中に分散せしめた一種のコロイド溶液」であるラテックスを添加したインクジェット記録用の記録剤に関する提案がある。該特許提案のようにラテックスを添加して耐光堅牢性を改善したり、滲み防止効果を持たせるためには、染料の使用量以上のラテックスが必要となり分散安定性、吐出安定性を確保することは非常に困難で、更に得られる画像として、透明性や光沢性の点で写真画像に匹敵する画像を得るには至っていないのが現状である。
【0009】
前記の水溶性染料を用いた水性インクの耐水性、耐光堅牢性の低い問題を解決するため、油溶性染料、疎水性染料等により水分散性樹脂を着色する方法の提案がインクジェット記録用インクとしてなされている。例えば、特開昭55−139471号、同58−45272号、特開平3−250069号、同8−253720号、同8−92513号、同8−183920号、特開2001−11347等には油溶性染料によって染色された乳化重合粒子または分散した重合粒子、いわゆる着色微粒子を用いたインクが提案されている。このような着色微粒子を用いた水性インクにおいては、粒子表面や粒子外に染料が存在すると、耐光性効果が減じられ、分散安定性、吐出安定性、耐光堅牢性等の諸性能を高めることは困難であり、更に得られる画像として、透明性や光沢性の点で写真画像に匹敵する画像を得るには至っていないのが現状である。
【0010】
更に、特開2001−19880では、キレート染料を含浸させた着色微粒子が提案され、印字濃度、耐光性、色調等が改良されるとされているが、この方法では目的とする写真画像に匹敵する画像を得るには不十分である。また一方、特開2001−139607では、キレート染料を含浸したコアシェル型の二重構造からなる着色微粒子によるインクヘッドの目詰まり、密着性を改良する方法が提案されているが、写真画像に匹敵する耐光性や画質を得るには満足のいくレベルではない。
【0011】
また、染料インクを樹脂に溶解し、微粒子状でインク中に分散させているインクが知られているが、染料を着色微粒子とすることで、通常の染料インクに比較すると常温高湿下での滲みや耐水性はやや改良することができるが、これらのインクを高温高湿下で長期間保存することにより画像が滲む欠点を有していた。
【0012】
一方、インクジェット記録画像の耐水性の改良方法として、インクジェット記録媒体の最表層に熱可塑性樹脂を含有させる方法が提案されており、例えば、特開2000−28063、同2000−28064には、最表層に熱可塑性樹脂を含有するインクジェット記録媒体が開示されている。上記発明によれば、水性インクによる画像形成後、加熱処理により、最表層中の熱可塑性樹脂を溶融、成膜させ、結果として色彩性、画像保存性、耐水性、接着性を改良するものである。ただし、本研究者等が追試、確認を行った結果、上述の各特許に記載の技術では、現在要求されている写真画質を凌駕する品質を追求する品質レベルからすると、耐光性や褪色耐性に劣り、そのレベルには未だ到達できていないことが判明した。
【0013】
以上述べてきたように、上記の各技術手段は、従来の水溶性染料、顔料分散体を用いた水性インクの問題点を克服し、高い記録品位を実現する可能性を秘めたものではあるが、それにより形成されるインクジェット形成画像は、写真画像に比較すると、未だ画像の光沢性、透明性のレベルが決して満足のいく品質ではなく、更に色再現性が劣るという課題を有しており、新たな改良技術の開発が切望されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を鑑みなされたものであり、その目的は色再現性、透明性及び光沢性が改良されたインクジェット用水性インクセット及びそれを用いたインクジェット画像形成方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記の構成により達成された。
【0016】
1.インクジェット用水性インクセットと最表層に熱可塑性樹脂を含有するインクジェット記録媒体とを用いて画像を記録した後、該画像を加熱処理、加圧処理又は加熱・加圧処理するインクジェット画像形成方法であって、該インクセットが、2色以上からなるインクジェット用水性インクセットであり、少なくとも1色のインクを構成する色材が、染料を含有した樹脂からなる着色微粒子、染料を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び染料を含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子から選ばれる少なくとも1種の着色微粒子であり、かつ残りのインクを構成する色材が顔料であるインクジェット用水性インクセットであることを特徴とするインクジェット画像形成方法。
【0017】
2.前記着色微粒子を形成する染料がシアン染料であることを特徴とする前記1項に記載のインクジェット画像形成方法。
【0018】
3.前記着色微粒子を形成する染料がマゼンタ染料であることを特徴とする前記1項に記載のインクジェット画像形成方法。
【0019】
4.前記着色微粒子を形成する染料がイエロー染料であることを特徴とする前記1項に記載のインクジェット画像形成方法。
【0020】
5.前記インクセットの少なくとも1色のインクが、2種以上の色材濃度が異なる独立したインクからなることを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
【0021】
6.前記着色微粒子の体積平均粒子径が、10〜150nmであることを特徴とする前記1〜5項のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
【0024】
本発明者は、上記課題を鑑み鋭意検討を行った結果、インクジェット用水性インクセット(以下、単にインクセットともいう)において、着色微粒子を含有する染料インクと顔料を用いた顔料インクとを併用すること、画像を形成した後、形成画像を加熱処理、加圧処理、又は加熱・加圧処理すること、あるいは着色微粒子を含有するインクと顔料を用いたインクとからなるインクセットと、最表層に熱可塑性樹脂を含有するインクジェット記録媒体(以下、単に記録媒体ともいう)とを用いて画像を形成した後、形成画像を加熱処理、加圧処理、又は加熱・加圧処理することにより、形成されたインクジェット画像の色再現性、光沢性、透明性を向上できることを見いだし、本発明に至った次第である。
【0025】
本発明に係る構成による効果の詳細は未だ明確にはなっていないが、染料を樹脂で熔解、あるいは被覆した着色微粒子を含有するインクは、染料の特徴である色再現性、透明性を維持すると共に、画像保存性に優れた効果を発揮する。この着色微粒子を含有するインクと共に、顔料を含有したインクを併せて用いることにより、表面における色材の配向、すなわち粒子状である着色微粒子の間隙を顔料粒子が、効果的に補填することにより色再現性、光沢性及び透明性に優れた画像を形成することができた。
【0026】
更に、本発明のインクセットの構成要素である着色微粒子は、粒子中に樹脂を含有しているため、加熱、加圧あるいは加熱・加圧処理によりこの樹脂成分が軟化・融解し、最終的には記録媒体上に印字された着色微粒子が互いに結合、融着して膜を形成することにより、各粒子間の界面、あるいは粒子と空気との界面が減少することにより、光の乱反射が低減し、色再現性、光沢性及び透明性が向上したものと推測している。
【0027】
一方、熱可塑性樹脂を最表層に含む記録媒体と着色微粒子を含有するインクと顔料を含むインクからなるインクセットを併せて用いることにより、色再現性、光沢性及び透明性がより一層向上することが判明した。これは、着色微粒子を構成する樹脂成分と、記録媒体の最表面に存在する熱可塑性樹脂との間に相互作用が働き、更に上記効果に顔料粒子が効果的に働いて記録媒体上に固着されるため、同様に、色再現性、光沢性及び透明性が向上したものと考えられる。
【0028】
以下、本発明の詳細について説明する。
はじめに、インクジェット用水性インクセットについて説明する。
【0029】
本発明においては、2色以上からなるインクジェット用水性インクセットにおいて、少なくとも1色のインクを構成する色材が、染料を含有した樹脂からなる着色微粒子、染料を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び染料を含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子から選ばれる少なくとも1種の着色微粒子であり、かつ残りのインクを構成する色材が顔料であることが特徴である。
【0030】
はじめに、着色微粒子について以下説明する。
本発明のインクセットにおいては、インクセットを構成する少なくとも1色のインクが、着色微粒子を色材として含有するインクであることが一つの特徴である。
【0031】
本発明に係る着色微粒子は、各種の方法で調製することができる。例えば、モノマー中に油溶性染料を溶解させ、水中で乳化後、重合によりポリマー中に染料を封入する方法、ポリマーと染料を有機溶剤中に溶解し、水中で乳化した後有機溶剤を除去する方法、染料溶液に多孔質のポリマー微粒子を添加し、染料を微粒子に吸着、含浸させる方法等が挙げられ、更に、それらの着色微粒子をポリマーで被覆するシェル化法も用いることができる。
【0032】
ポリマーシェルを設ける方法としては、コアの水系サスペンションに水溶性のポリマー分散剤を添加し吸着させる方法、モノマーを徐々に滴下し、重合と同時にコア表面に沈着させる方法、あるいは、有機溶剤に溶解したポリマーを徐々に滴下し、析出と同時にコア表面に吸着させる方法などがある。更に一段階でコアシェル形成する方法も考えられる。例えば、コアとなるポリマーと染料をシェルとなるポリマーに溶解または分散し、水中で懸濁後重合する方法や、その液を活性剤ミセルを含有する水中に徐々に滴下しながら乳化重合していく方法などがある。あるいは、重合後にコアとなりうるモノマーとシェルとなりうるモノマーに染料を溶解または分散し、懸濁重合あるいは乳化重合する方法がある。
【0033】
本発明に係る着色微粒子は、シェル化したものでなくても、シェル化したものでも、特に制限はないが、発明の効果から考えて好ましくはシェル化したものである。その場合、シェルに用いられるポリマー量が、総ポリマー量の5質量%以上95質量%以下であることが好ましい。5質量%より少ないとシェルの厚みが不十分で、染料を多く含有するコアの一部が粒子表面に現れ易くなる。また、シェルのポリマーが多すぎると、コアの染料保護機能の低下を起こし易い。さらに好ましくは10質量%以上90質量%以下である。
【0034】
染料は、総ポリマー量に対して20質量%以上1000質量%以下であることが好ましい。染料がポリマーに比して少なすぎると、吐出後の画像濃度が上がらず、また、染料の比率が高いとポリマーの保護能が十分に得られない。
【0035】
(コアシェル化の評価)
本発明においては、実際にコアシェル化されているかの評価が重要である。本発明においては、個々の粒子径が150nm以下と非常に微小であるため、分析方法は分解能の観点から限られる。このような目的に沿う分析方法としては、透過型電子顕微鏡(TEM)や飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)などが適用できる。TEMによりコアシェル化した着色微粒子を観察する場合、カーボン支持膜上に分散液を塗布、乾燥させ観察することができる。TEMの観察像は、通常モノクロであるため、コアシェル化されているかどうかを評価するために、着色微粒子を染色する必要がある。コアだけの着色微粒子を染色しそのTEM観察を行い、シェルを設けたものと比較する。さらに、シェルを設けた微粒子と設けていない微粒子を混合し、染色し、染色度合いの異なる微粒子の割合がシェルの有無に一致しているかの確認を行う。TOF−SIMSでは、粒子表面にシェルを設けることで表面近傍の染料がコアだけの時よりも減少していることを確認する。染料にコアシェルのポリマーに含有されていない元素がある場合、その元素をプローブとして色材含有量の少ないシェルが設けられたかを確認することができる。そのような元素がない場合、適当な染色剤を用いてシェル中の染料含有量がシェルを設けていないものと比較することができる。コアシェル粒子をエポキシ樹脂内に包埋し、ミクロトームで超薄切片を作製、染色を行うことでコアシェル化はより明瞭に観察できる。ポリマーや、染料にプローブとなりうる元素がある場合、TEMによってコアシェルの組成、染料のコアとシェルへの分布量を見積もることもできる。
【0036】
必要な粒子径を得るには、構成条件の最適化と、適当な乳化法の選定が重要である。構成条件は用いる染料、ポリマーによって異なるが、水中のサスペンションであるので、コアポリマーよりシェルポリマーの方が一般的に親水性が高いことが必要である。また、シェルポリマーに含有される染料は、コアポリマー中より少ないことが好ましく、染料もシェルポリマーよりも親水性の低いことが必要である。親水性や疎水性は、例えば、溶解性パラメータ(SP)を用いて見積もることができる。溶解性パラメータは、その値や、測定、計算法がPOLYMER HANDBOOK 第4版(JOHN WILEY & SONS,INC.)675ページからの記載が参考になる。
【0037】
また、着色微粒子に用いられるポリマーは、その数平均分子量が500〜100000、特に1000〜30000であることが、印字後の塗膜強度、その耐久性及びサスペンションの形成性の点から好ましい。
【0038】
該ポリマーのTgは、各種用いることが可能であるが、用いるポリマーのうち、少なくとも1種以上はTgが10℃以上であるものを用いる方が好ましい。
【0039】
本発明において、一般に知られているすべてのポリマーを使用可能であるが、特に好ましいポリマーは、主な官能基としてアセタール基を含有するポリマー、炭酸エステル基を含有するポリマー、水酸基を含有するポリマー、および、エステル基を有するポリマーであり、特に最表部のシェル部分を構成するポリマーは、水酸基を有していることが好ましい。上記のポリマーは、置換基を有していてもよく、その置換基は直鎖状、分岐、あるいは環状構造をとっていてもよい。また、上記の官能基を有するポリマーは、各種のものが市販されているが、常法によって合成することもできる。また、これらの共重合体は、例えば1つのポリマー分子中にエポキシ基を導入しておき、後に他のポリマーと縮重合させたり、光や放射線を用いてグラフト重合を行っても得られる。
【0040】
主な官能基としてアセタールを含有するポリマーとしては、ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられる。例えば、電気化学工業株式会社製の#2000−L、#3000−1、#3000−2、#3000−4、#3000−K、#4000−1、#4000−2、#5000−A、#6000−C、#6000−EP、あるいは積水化学工業製のBL−1、BL−1H、BL−2、BL−2H、BL−5、BL−10、BL−S、BL−SH、BX−10、BX−L、BM−1、BM−2、BM−5、BM−S、BM−SH、BH−3、BH−6、BH−S、BX−1、BX−3、BX−5、KS−10、KS−1、KS−3、KS−5などがある。
【0041】
ポリビニルブチラール樹脂は、PVA(ポリビニルアルコール)の誘導体として得られるが、もとのPVAの水酸基のアセタール化は最大でも80mol%程度であり、通常は50mol%から、80mol%程度である。なお、ここで言うアセタールは狭義の1,1−ジエトキシエタン基を指すのではなく、オルトアルデヒドとの化合物一般を指す。水酸基については、特に規定はないが、最表部のシェル部分を構成するポリマーでは、水酸基を含有モノマーを5〜50mol%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜30mol%である。また、アセチル基の含有率に特に規定はないが、10mol%以下であることが好ましい。主な官能基としてアセタールを含有するポリマーとは、ポリマー中に含まれる酸素原子のうち、少なくとも30mol%以上がアセタール基を形成していることをいう。
【0042】
他に主な官能基としてアセタールを含有するポリマーとして、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製のユピタールシリーズなども使用可能である。
【0043】
主な官能基として炭酸エステルを含有するポリマーとしては、ポリカーボネート樹脂が挙げられる。たとえば、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製のユーピロンシリーズ、ノバレックスシリーズがある。ユーピロンシリーズはビスフェノールAを原料として作られており、測定法によってその値は異なるが各種の分子量のものを用いることができる。ノバレックスシリーズでは分子量が2〜3万、ガラス転移点150℃付近のものを用いることができるが、これらに限るものではない。
【0044】
主な官能基として炭酸エステル基を含有するポリマーとは、ポリマー中に含まれる酸素原子のうち、少なくとも30mol%以上が炭酸エステル基の形成に寄与していることをいう。
【0045】
主な官能基として水酸基を含有するポリマーとしては、たとえば、PVAがあげられる。PVAの有機溶剤への溶解度は小さいものが多いが、けん化価の小さいPVAであれば、有機溶剤への溶解度は上昇する。水溶性が高いPVAは水相中に添加しておき有機溶剤除去後に、ポリマーのサスペンションに吸着させるようにして使用することもできる。
【0046】
PVAとしては市販のものを用いることができ、たとえば、クラレのポバールPVA−102、PVA−117、PVA−CSA、PVA−617、PVA−505などのほか、特殊銘柄のサイズ剤用PVA、熱溶融成形用PVA、その他機能性ポリマーとして、KL−506、C−118、R−1130、M−205、MP−203、HL−12E、SK−5102、などを用いることができる。けん化度は50mol%以上のものが一般的であるが、LM−10HDのように40mol%程度であっても、これを用いることは可能である。このようなPVA以外でも主な官能基として水酸基を有するものが使用可能であるが、ポリマー中に含まれる酸素原子のうち少なくとも20mol%以上が水酸基を形成しているものが使用可能である。
【0047】
主な官能基としてエステル基を含有するポリマーとしては、たとえばメタクリル樹脂が挙げられる。旭化成製デルペットシリーズの560F、60N、80N、LP−1、SR8500、SR6500などを用いることができる。主な官能基としてエステル基を含有するポリマーとは、ポリマー中に含まれる酸素原子のうち、少なくとも30mol%以上がエステル基を形成していることをいう。
【0048】
これらのポリマーをそれぞれ1種ないし2種以上を混合して用いてもよい。また、これらのポリマーが質量比で50%以上含まれていれば、他のポリマーや無機物のフィラーが含有されていてもよい。
【0049】
これらのポリマーの共重合体を用いることも好ましいが、たとえば水酸基を含有するポリマーと、各種のポリマーを共重合させる方法として、水酸基をグリシジルメタクリレートのようなエポキシ基を有するモノマーと反応させ、その後、懸濁重合でメタクリル酸エステルモノマーと共重合させ、得ることができる。
【0050】
本発明に係る水性インクにおいては、着色微粒子に用いられるポリマーは、該インク中に0.5〜50質量%配合されることが好ましく、0.5〜30質量%配合されることが更に好ましい。上記ポリマーの配合量が0.5質量%に満たないと、色材の保護能が十分でなく、50質量%を超えると、サスペンションのインクとしての保存安定性が低下したり、ノズル先端部でのインク蒸発に伴うインクの増粘やサスペンションの凝集が起こることによってプリンタヘッドの目詰りが起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0051】
一方、染料は、水性インク中に1〜30質量%配合されることが好ましく、1.5〜25質量%配合されることが更に好ましい。上記染料の配合量が1質量%に満たないと印字濃度が不十分であり、30質量%を超えるとサスペンションの経時安定性が低下し、凝集等による粒径増大の傾向があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0052】
請求項6に係る発明では、着色微粒子の体積平均粒子径は、10〜150nmであることが特徴であり、好ましくは20〜120nm、特に好ましくは20〜90nmである。
【0053】
体積平均粒子径の測定は、例えば、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができ、具体的粒径測定装置としては、例えば、島津製作所製のレーザー回折式粒径測定装置SLAD1100、粒径測定機(HORIBA LA−920)、マルバーン社製ゼータサイザー1000等を挙げることができる。
【0054】
本発明に係る着色微粒子を含有するインクジェット用水性インク(以降、単に水性インクともいう)は、水を媒体とし、上記色材を封入したポリマーのサスペンションからなり、該サスペンションには、従来公知の各種添加剤、例えば多価アルコール類のような湿潤剤、分散剤、シリコーン系等の消泡剤、クロロメチルフェノール系等の防黴剤及び/又はEDTA等のキレート剤、又、亜硫酸塩等の酸素吸収剤等が含有されていてもよい。
【0055】
ここで、上記湿潤剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ジエチルカルビトール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール及びそのエーテル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、トリエタノールアミン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物類、ジメチルサルフォキサイドの一種又は二種以上を使用することができる。これらの湿潤剤の配合量に特に制限はないが、上記インク中に好ましくは0.1〜50質量%配合することができ、更に好ましくは0.1〜30質量%配合することができる。
【0056】
また、上記分散剤としては、特に制限されるものではないが、そのHLB値が8〜18であることが、分散剤としての効果が発現し、サスペンションの粒子径の増大抑制効果がある点から好ましい。
【0057】
分散剤として市販品も使用することができる。そのような市販品としては、例えば花王(株)製の分散剤デモールSNB,MS,N,SSL,ST,P(商品名)が挙げられる。
【0058】
分散剤の配合量に特に制限はないが、本発明のインク中に、0.01〜10質量%配合されることが好ましい。該化合物の配合量が0.01質量%に満たないとサスペンションの小粒径化が困難であり、10質量%を超えるとサスペンションの粒径が増大したりサスペンション安定性が低下し、ゲル化するおそれがあるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0059】
また、上記消泡剤としては、特に制限なく、市販品を使用することができる。そのような市販品としては、例えば信越シリコーン社製のKF96、66、69、KS68、604、607A、602、603、KM73、73A、73E、72、72A、72C、72F、82F、70、71、75、80、83A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品名)等が挙げられる。これら化合物の配合量に特に制限はないが、本発明に係る着色微粒子含有水性インク中に、0.001〜2質量%配合されることが好ましい。該化合物の配合量が0.001質量%に満たないとインク調製時に泡が発生し易く、又、インク内での小泡の除去が難しく、2質量%を超えると泡の発生は抑えられるものの、印字の際、インク内でハジキが発生し印字品質の低下が起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0060】
次に、本発明に係る着色微粒子を含有する水性インクの製造方法について説明する。
【0061】
本発明に係る水性インクは、各種の乳化法で製造することができる。
乳化法としては、各種の方法を用いることができる。それらの例は、例えば、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の86ページの記載にまとめられている。本発明においては、特に、超音波、高速回転せん断、高圧による乳化分散装置を使用することが好ましい。
【0062】
超音波による乳化分散では、いわゆるバッチ式と連続式の2通りが使用可能である。バッチ式は、比較的少量のサンプル作製に適し、連続式は大量のサンプル作製に適する。連続式では、たとえば、UH−600SR(株式会社エスエムテー製)のような装置を用いることが可能である。このような連続式の場合、超音波の照射時間は、分散室容積/流速×循環回数で求めることができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞれの照射時間の合計としてもとめられる。超音波の照射時間は実際上に3秒以上必要であり、それ以内で乳化が完了するのであれば、超音波乳化分散装置を必要としない。また、10000秒以上必要であると、工程の負荷が大きく、実際上は乳化剤の再選択などにより乳化分散時間を短くする必要がある。そのため10000秒以上は必要でない。さらに好ましくは、10秒以上、2000秒以内である。
【0063】
高速回転せん断による乳化分散装置としては、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の255〜256ページに記載されているような、ディスパーミキサーや、251ページに記載されているようなホモミキサー、256ページに記載されているようなウルトラミキサーなどが使用できる。これらの型式は、乳化分散時の液粘度によって使い分けることができる。これらの高速回転せん断による乳化分散機では、攪拌翼の回転数が重要である。ステーターとのクリアランスは通常0.5mm程度で、極端に狭くはできないので、せん断力は主として攪拌翼の周速に依存する。周速が5m/sec以上150m/sec以内であれば本発明の乳化・分散に使用できる。周速が遅い場合、乳化時間を延ばしても小粒径化が達成できない場合が多く、150m/secにするにはモーターの性能を極端に上げる必要があるからである。さらに好ましくは、20〜100m/secである。
【0064】
高圧による乳化分散では、LAB2000(エスエムテー社製)などが使用できるが、その乳化・分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。圧力は、10MPa以上500MPa以下が好ましい。また、必要に応じて数回にわたり乳化・分散を行い、目的の粒径を得ることができる。圧力が低すぎる場合、何度乳化分散を行っても目的の粒径は達成できない場合が多く、また、圧力を500MPaにするためには、装置に大きな負荷がかかり実用的ではない。さらに好ましくは、50MPa以上200MPa以下である。
【0065】
これらの乳化・分散装置は単独で用いてもよいが、必要に応じて組み合わせて使用することが可能である。コロイドミルや、フロージェットミキサなども単独では本発明の目的を達成できないが、上述した装置との組み合わせにより、単時間で乳化・分散を可能にするなど本発明の効果を高めることが可能である。
【0066】
また、本発明のインクは、上記の装置を用いるほか、いわゆる転相乳化によっても製造することができる。
【0067】
ここで、転相乳化は、上記ポリマーを、上記染料と共にエステル、ケトンなどの有機溶剤に溶解させ、必要に応じて中和剤を加えて該ポリマー中のカルボキシル基をイオン化し、次いで水相を加えた後、上記有機溶剤を留去して水系に転相することからなる。
【0068】
転相が完了した後、系を減圧下に加熱することにより、上記エステル、ケトン系溶剤を除去すると共に、所定量の水を除去して、所望の濃度を有する本発明の着色微粒子含有水性インクが得られる。
【0069】
本発明で用いることのできる染料として、特に制限はなく、油性染料、分散染料、水溶性染料(直接染料、酸性染料及び反応性染料等)の例を挙げることができるが、着色微粒子を構成する染料としては、油性染料を用いることが好ましい。色相としてはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブルー、グリーン、レッドが好ましく用いられるが、請求項2に係る発明では、着色微粒子を形成する染料がシアン染料であることが特徴であり、請求項3に係る発明では、着色微粒子を形成する染料がマゼンタ染料であることが特徴であり、また請求項4に係る発明では、着色微粒子を形成する染料がイエロー染料であることが特徴である。
【0070】
油溶性染料の中には、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料も含まれる。油性染料としては、以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例としては、例えば、
オリエント化学工業株式会社製 Valifast Yellow 4120、Valifast Yellow 3150、Valifast Yellow 3108、Valifast Yellow 2310N、Valifast Yellow 1101、Valifast Red 3320、Valifast Red 3304、Valifast Red 1306、Valifast Blue 2610、Valifast Blue 2606、Valifast Blue 1603、Oil Yellow GG−S、OilYellow 3G、Oil Yellow 129、Oil Yellow107、Oil Yellow 105、Oil Scarlet 308、Oil Red RR、Oil Red OG、Oil Red 5B、OilPink 312、Oil Blue BOS、Oil Blue 613、Oil Blue 2N、Oil Black BY、Oil Black BS、Oil Black 860、Oil Black 5970、Oil Black 5906、Oil Black 5905、
日本化薬株式会社製 Kayaset Yellow SF−G、Kayaset Yellow K−CL、Kayaset Yellow GN、Kayaset Yellow A−G、Kayaset Yellow 2G、Kayaset Red SF−4G、Kayaset Red K−BL、Kayaset Red A−BR、KayasetMagenta312、Kayaset Blue K−FL、
有本化学工業株式会社製 FS Yellow 1015、FS Magenta 1404、FS Cyan 1522、FS Blue 1504、C.I.Solvent Yellow 88、Solvent Yellow 83、Solvent Yellow 82、Solvent Yellow 79、Solvent Yellow 56、Solvent Yellow 29、Solvent Yellow 19、Solvent Yellow 16、Solvent Yellow 14、Solvent Yellow 04、Solvent Yellow 03、Solvent Yellow 02、Solvent Yellow 01、C.I.Solvent Red 84:1、C.I.Solvent Red 84、C.I.Solvent Red 218、C.I.Solvent Red 132、C.I.Solvent Red 73、C.I.Solvent Red 72、C.I.Solvent Red 51、C.I.Solvent Red 43、C.I.Solvent Red 27、C.I.Solvent Red 24、Solvent Red 18、Solvent Red 01、Solvent Blue 70、Solvent Blue 67、Solvent Blue44、Solvent Blue 40、Solvent Blue 35、Solvent Blue 11、 Solvent Blue 02、Solvent Blue 01、Solvent Black 43、C.I.Solvent Black 70、C.I.Solvent Black 34、C.I.Solvent Black 29、C.I.Solvent Black 27、C.I.Solvent Black 22、C.I.Solvent Black 7、C.I.Solvent Black 3、C.I.Solvent Violet 3、C.I. Solvent Green 3及び7等が挙げられる。
【0071】
また、特開平9−277693号、同10−20559号、同10−30061号に示されるような、金属錯体色素も好ましく用いられ、好ましい構造としては下記一般式(1)で表されるものである。
【0072】
一般式(1) M(Dye)l(A)m
式中、Mは金属イオンを表し、Dyeは金属と配位結合可能な色素を表す。Aは色素以外の配位子を表し、lは1ないし3、mは0、1、2、3を表す。mが0のときlは2または3を表し、その場合Dyeは同種でも異なっていてもよい。Mで表される金属イオンとしては、例えばAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Pt、Pd、Zr及びZnのイオンが挙げられる。色調、各種耐久性からNi、Cu、Cr、Co、Zn、Feのイオンが特に好ましい。更に好ましくはNiイオンである。
【0073】
Dyeで表される金属と配位結合可能な色素としては種々の色素構造が考えられるが、共役メチン色素、アゾメチン色素、アゾ色素骨格に配位基を有するものが好ましい。
【0074】
分散染料としては、以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例としては、C.I.ディスパーズイエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、204、224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119及び163;C.I.ディスパーズレッド54、60、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、73、87、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等が挙げられる。
【0075】
本発明のインクセットにおいては、上記説明した着色微粒子を含むインクと共に顔料を色材として含むインクを用いることが一つの特徴である。
【0076】
本発明で用いることのできる顔料として、公知の有色有機あるいは有色無機顔料を用いることができる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0077】
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0078】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0079】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0080】
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
【0081】
請求項5に係る発明では、2色以上からなるインクジェット用水性インクにおいては、少なくとも1色のインクが、2種以上の色材濃度が異なる独立したインク、いわゆる濃淡インクからなることが特徴であり、更に、2色以上において、少なくとも2種の濃度の異なる同色水性インクから構成される水性インクセットを用いることがより好ましく、3色以上において少なくとも2種の濃度の異なる同色水性インクから構成される水性インクセットを用いることがさらに好ましい。
【0082】
これは低濃度の水性インクを用いることにより粒状感を減少させ、いわゆる「ざらつき」のない高画質画像を形成することができる。
【0083】
ここで人間の視感度の高いマゼンタインクあるいはシアンインクにおいて濃度の異なる少なくとも2種の水性インクを用いることが好ましい。
【0084】
この濃度が異なる水性インクセットの濃度比は任意な値として良いが、滑らかな階調再現を行うためには、高濃度インクと低濃度インクとの比〔(低濃度インクの濃度)/(高濃度インクの濃度)〕が、0.1〜1.0の間にあることが好ましく、0.2〜0.5の間にあることがさらに好ましく、0.25〜0.4の間にあることが特に好ましい。
【0085】
上記説明した以外の水性インクの構成について、以下説明する。
本発明に係るインクジェット用水性インクのpHは、7.0以上であることが好ましく、より好ましくは8.0〜10.0である。本発明に係る水性インクに使用される水性媒体で用いられるpH調整剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や、鉱酸が挙げられる。
【0086】
また、本発明においては、水性インクの多価金属イオン含有量が、5ppm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3ppm、特に好ましくは0.1〜1ppmである。水性インク中の多価金属イオンの含有量を、上記で規定した量とすることにより、本発明に係る着色微粒子の高い分散安定性を有する水性インクを得ることができる。
【0087】
本発明でいう多価金属イオンとは、例えば、Fe3+、Sr2+、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Zr2+、Ni2+、Al3+などを挙げることができ、それらは硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩等として含有されている。
【0088】
本発明で用いることのできるインク溶剤は、特に制限はないが、水溶性の有機溶媒が好ましく、具体的にはアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、スルホン酸塩類(例えば1−ブタンスルホン酸ナトリウム塩等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
【0089】
本発明に係る水性インクにおいて、各種の界面活性剤を用いることができる。本発明で用いることのできる各界面活性剤として、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
【0090】
また、本発明においては、高分子界面活性剤も用いることができ、例えば、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
【0091】
本発明においては、水性インクが水溶性高分子または水不溶性高分子分散液を含有することができる。
【0092】
水溶性高分子としての好ましい例としては天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、若しくはアルブミンなどのたんぱく質類、アラビアゴム、若しくはトラガントゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸及びアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、若しくはアルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、若しくはエチルヒドロキシルセルロースなどのセルロース誘導体が挙げられる。
【0093】
更に、水溶性高分子の好ましい例として合成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルピロリドン類が挙げられる。
【0094】
水溶性高分子の分子量は、1,000以上200,000以下が好ましい。更には、3,000以上20,000以下がより好ましい。1,000未満では着色微粒子の成長及び凝集を抑制する効果が少なくなり、200,000を越えると粘度上昇、溶解不良等の問題が発生し易くなる。
【0095】
水溶性高分子の添加量は、染料に対して10質量%以上1,000質量%以下が好ましい。更には、50質量%以上200質量%以下がより好ましい。10質量%未満では着色微粒子の成長及び凝集を抑制する効果が少なくなり、1000質量%を越えると粘度上昇、溶解不良等の問題が発生し易くなる。
【0096】
また、本発明で用いることのできる水不溶性高分子分散液(以下、ラテックスともいう)として、特に制限はないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル共重合体およびアクリル変性フッ素授脂等のラテックスが挙げられる。ラテックスは、乳化剤を用いてポリマー粒子を分散させたものであっても、また乳化剤を用いないで分散させたものであってもよい。乳化剤としては界面活性剤が多く用いられるが、スルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を用いることも好ましい。
【0097】
また本発明に係る水性インクでは、ソープフリーラテックスを用いることが特に好ましい。ソープフリーラテックスとは、乳化剤を使用していないラテックス、およびスルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を乳化剤として用いたラテックスのことを指す。
【0098】
近年ラテックスのポリマー粒子として、粒子全体が均一であるポリマー粒子を分散したラテックス以外に、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェルタイプのポリマー粒子を分散したラテックスも存在するが、このタイプのラテックスも好ましく用いることができる。
【0099】
本発明に係る水性インクにおいて、ラテックス中のポリマー粒子の平均粒径は10nm以上、300nm以下であり、10nm以上、100nm以下であることがより好ましい。ラテックスの平均粒径が300nmを越えると、画像の光沢感の劣化が起こり、10nm未満であると耐水性、耐擦過性が不十分となる。ラテックス中のポリマー粒子の平均粒子径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。
【0100】
本発明に係る水性インクにおいて、ラテックスは固形分添加量としてインクの全質量に対して0.1質量%以上、20質量%以下となるように添加されるが、ラテックスの固形分添加量を0.5質量%以上、10%質量%以下とすることが特に好ましい。ラテックスの固形分添加量が0.1質量%未満では、耐水性に関して十分な効果を発揮させることが難しく、また20質量%を越えると、経時でインク粘度の上昇が起こったり、着色微粒子の分散粒径の増大が起こりやすくなる等インク保存性の点で問題が生じることが多い。
【0101】
本発明に係る水性インクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
【0102】
次いで、本発明に係る記録媒体について説明する。
一般に、インク吸収層としては、大きく分けて膨潤型と空隙型がある。
【0103】
膨潤型としては、水溶性バインダーを用い、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等を単独もしくは併用して塗布し、これをインク吸収層としたものである。
【0104】
空隙型としては、微粒子及び水溶性バインダーを混合して塗布したもので、特に光沢性のあるものが好ましい。微粒子としては、アルミナもしくはシリカが好ましく、特に粒径0.1μm以下のシリカを用いたものが好ましい。水溶性バインダーとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等を単独もしくは併用したものが好ましい。
【0105】
上記の2タイプの内、連続高速プリントに適応するには、記録媒体のインク吸収速度が速い方が適しており、この点から、本発明においては、空隙型を特に好ましく用いることができる。
【0106】
以下、空隙型インク吸収層について、更に詳しく説明する。
空隙層は、主に親水性バインダーと無機微粒子の軟凝集により形成されるものである。従来より、皮膜中に空隙を形成する方法は種々知られており、例えば、二種以上のポリマーを含有する均一な塗布液を支持体上に塗布し、乾燥過程でこれらのポリマーを互いに相分離させて空隙を形成する方法、固体微粒子および親水性または疎水性樹脂を含有する塗布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、インクジェット記録用紙を水或いは適当な有機溶媒を含有する液に浸漬し、固体微粒子を溶解させて空隙を作製する方法、皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を含有する塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡させて皮膜中に空隙を形成する方法、多孔質固体微粒子と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、多孔質微粒子中や微粒子間に空隙を形成する方法、親水性バインダーに対して、概ね等量以上の容積を有する固体微粒子及びまたは微粒子油滴と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、固体微粒子の間に空隙を形成する方法等が知られている。本発明においては、空隙層に、平均粒径が100nm以下の各種無機固体微粒子を含有させることによって形成されることが、特に好ましい。
【0107】
上記の目的で使用される無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
【0108】
無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは空隙層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
【0109】
無機微粒子としては、シリカ、及びアルミナまたはアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いることが好ましい。
【0110】
本発明で用いることのできるシリカとしては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカが好ましく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは、高い空隙率が得られるだけでなく、染料を固定化する目的で用いられるカチオン性ポリマーに添加したときに、粗大凝集体が形成されにくいので好ましい。また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することができる。
【0111】
無機微粒子は、カチオン性ポリマーと混合する前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態であるのが好ましい。
【0112】
無機微粒子は、その粒径が100nm以下であることが好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された無機微粒子の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、100nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜50nm、最も好ましくは4〜20nmである。
【0113】
最も好ましく用いられる、一次粒子の平均粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジルが市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより、容易に吸引分散することで、比較的容易に一次粒子まで分散することができる。
【0114】
本発明においては、インク吸収層に水溶性バインダーを含有することができる。本発明で用いることのできる水溶性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性バインダーは、二種以上併用することも可能である。
【0115】
本発明で好ましく用いられる水溶性バインダーは、ポリビニルアルコールである。
【0116】
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0117】
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0118】
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
【0119】
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0120】
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
【0121】
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0122】
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
【0123】
インク吸収層で用いられる無機微粒子の添加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、無機顔料の種類、水溶性バインダーの種類に大きく依存するが、一般には、記録用紙1m2当たり、通常5〜30g、好ましくは10〜25gである。
【0124】
また、インク吸収層に用いられる無機微粒子と水溶性バインダーの比率は、質量比で通常2:1〜20:1であり、特に、3:1〜10:1であることが好ましい。
【0125】
また、分子内に第四級アンモニウム塩基を有するカチオン性の水溶性ポリマーを含有しても良く、インクジェット記録用紙1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
【0126】
空隙層において、空隙の総量(空隙容量)は記録用紙1m2当り20ml以上であることが好ましい。空隙容量が20ml/m2未満の場合、印字時のインク量が少ない場合には、インク吸収性は良好であるものの、インク量が多くなるとインクが完全に吸収されず、画質を低下させたり、乾燥性の遅れを生じるなどの問題が生じやすい。
【0127】
インク保持能を有する空隙層において、固形分容量に対する空隙容量を空隙率という。本発明において、空隙率を50%以上にすることが、不必要に膜厚を厚くさせないで空隙を効率的に形成できるので好ましい。
【0128】
空隙型の他のタイプとして、無機微粒子を用いてインク吸収層を形成させる以外に、ポリウレタン樹脂エマルジョン、これに水溶性エポキシ化合物及び/又はアセトアセチル化ポリビニルアルコールを併用し、更にエピクロルヒドリンポリアミド樹脂を併用させた塗工液を用いてインク吸収層を形成させてもよい。この場合のポリウレタン樹脂エマルジョンは、ポリカーボネート鎖、ポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を有する粒子径が3.0μmであるポリウレタン樹脂エマルジョンが好ましく、ポリウレタン樹脂エマルジョンのポリウレタン樹脂がポリカーボネートポリオール、ポリカーボネートポリオール及びポリエステルポリオールを有するポリオールと脂肪族系イソシアネート化合物とを反応させて得られたポリウレタン樹脂が、分子内にスルホン酸基を有し、さらにエピクロルヒドリンポリアミド樹脂及び水溶性エポキシ化合物及び/又はアセトアセチル化ビニルアルコールを有することが更に好ましい。上記ポリウレタン樹脂を用いたインク吸収層は、カチオンとアニオンの弱い凝集が形成され、これに伴い、インク溶媒吸収能を有する空隙が形成されて、画像形成できると推定される。
【0129】
本発明においては、硬化剤を使用することが好ましい。硬化剤は、インクジェット記録媒体作製の任意の時期に添加することができ、例えば、インク吸収層形成用の塗布液中に添加しても良い。
【0130】
本発明においては、インク吸収層形成後に、水溶性バインダーの硬化剤を供給する方法を単独で用いても良いが、好ましくは、上述の硬化剤をインク吸収層形成用の塗布液中に添加する方法と併用して用いることである。
【0131】
本発明で用いることのできる硬化剤としては、水溶性バインダーと硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
【0132】
ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられる。
【0133】
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸およびその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
【0134】
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化する事が出来る。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることが出来る利点がある。
【0135】
上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性バインダー1g当たり1〜600mgが好ましい。
【0136】
請求項8に係る発明では、記録媒体の最表層が熱可塑性樹脂を含有していることが一つの特徴である。
【0137】
本発明でいう最表層を明示するための好ましい構成例を以下に列挙するが、本発明に係る層構成は、これらにのみ限定されるものではない。
【0138】
1:支持体上に空隙型インク吸収層を有し、その上に熱可塑性樹脂、あるいは無機顔料及び熱可塑性樹脂が含まれている層が最表層である構成
2:支持体上に空隙型インク吸収層を有し、その上に熱可塑性樹脂、あるいは無機顔料及び熱可塑性樹脂が含まれている層の上に、表面物性の改良を目的とした薄層を設けた構成
3:支持体上に空隙型インク吸収層を有し、その上に熱可塑性樹脂、あるいは無機顔料及び熱可塑性樹脂が含まれている層の上に、有害光をカットする目的で、紫外線吸収機能を有する薄層を設けた構成
4:支持体上に空隙型インク吸収層を有し、その上に熱可塑性樹脂、あるいは無機顔料及び熱可塑性樹脂が含まれている層の上に、マット剤を含む層を設けた構成
5:支持体上に空隙型インク吸収層を有し、その上に熱可塑性樹脂、あるいは無機顔料及び熱可塑性樹脂が含まれている層の上に、剥離可能な層を設けた構成。
【0139】
上記に記載の構成例の内で最も好ましい構成は、本発明の効果を最も発揮できる1項に係る無機顔料及び熱可塑性樹脂の含有層が最表層である場合である。
【0140】
本発明に係る熱可塑性樹脂を含む最表層は、無機顔料、熱可塑性樹脂及び必要によりバインダー成分等を含んでも良い。
【0141】
無機顔料としては、前述の空隙層に用いることのできる無機微粒子から選択することができる。
【0142】
例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
【0143】
好ましい無機顔料は、シリカ及びアルミナまたはアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いることが好ましく、シリカがより好ましい。
【0144】
シリカとしては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカが好ましく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは高い空隙率が得られるだけでなく、染料を固定化する目的で用いられるカチオン性ポリマーに添加したときに粗大凝集体が形成されにくいので好ましい。また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することができるが、無機顔料として、好ましくはシリカ、アルミナを用いることであり、その中でもシリカがより好ましい。
【0145】
無機顔料は、カチオン性ポリマーと混合する前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態であるのが好ましい。
【0146】
無機顔料は、その粒径が100nm以下であることが好ましい。例えば、気相法微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された無機顔料の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、100nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜50nm、最も好ましくは4〜20nmである。
【0147】
本発明で用いることのできる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、これらの共重合体及びこれらの塩が挙げられる。中でも、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、SBRラテックスが好ましい。また、熱可塑性樹脂は、モノマー組成及び粒径、重合度が違う複数の重合体を混合して用いても良い。
【0148】
熱可塑性樹脂を選択するに際しては、インク受容性、加熱及び加圧による定着後の画像の光沢性、画像堅牢性及び離型性を考慮すべきである。
【0149】
インク受容性については、熱可塑性樹脂の粒径が0.05μm未満の場合は、顔料インク中の顔料粒子とインク溶媒の分離が遅くなり、インク吸収速度の低下を招くことになる。また、10μmを越えると、塗設乾燥後のインクジェット記録媒体の皮膜強度の点及び光沢劣化の点から好ましくない。このために好ましい熱可塑性樹脂径としては好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmである。さらに好ましくは、0.1〜1μmである。
【0150】
また、熱可塑性樹脂の選択の基準としては、ガラス転移点(Tg)が挙げられる。Tgが塗布乾燥温度より低い場合は、例えば、記録媒体製造時の塗布乾燥温度が既にTgより高く、インク溶媒が透過するため、熱可塑性樹脂による空隙が消失してしまう。またTgが、支持体の熱による変性を起こす温度以上の場合は、顔料インクによるインクジェット記録後、溶融、成膜するためには、高温での定着操作が必要となり、装置上の負荷及び支持体の熱安定性等が問題となる。熱可塑性樹脂の好ましいTgは50〜150℃である。
【0151】
また、最低造膜温度(MFT)としては、50〜150℃のものが好ましい。熱可塑性樹脂は、環境適性の観点からは水系に分散されたものが好ましく、特に、乳化重合により得られた水系ラテックスが好ましい。この際、ノニオン系分散剤を乳化剤として用いて乳化重合したタイプは、好ましく用いることができる形態である。また、用いる熱可塑性樹脂は、臭気および安全性の観点から、残存するモノマー成分が少ない方が好ましく、重合体の固形分に対して3質量%以下が好ましく、さらに1質量%以下が好ましい、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
【0152】
熱可塑性樹脂を含む最表層の場合、熱可塑性樹脂/無機顔料の固形分質量比としては、90/10〜10/90の範囲から選択でき、好ましくは70/30〜30/70の範囲であり、より好ましくは60/40〜40/60の範囲である。
【0153】
本発明においては、最表層に含有される熱可塑性樹脂の固形分量としては、2g/m2以上、20g/m2以下であることが好ましく、より好ましくは2〜15g/m2の範囲、さらに好ましくは2.5〜10g/m2の範囲である。熱可塑性樹脂の固形分量が少なすぎると、充分な皮膜が形成されず、顔料を充分に皮膜中に分散することができない。このため、画質、光沢が充分に向上しない。また、熱可塑性樹脂の固形分量が多すぎると、短時間の加熱工程で熱可塑性樹脂を完全に皮膜化できず、微粒子のまま残り不透明性がありかえって画質が低下する。また、インク吸収速度も低下させてしまい境界にじみが発生し問題となる。
【0154】
熱可塑性樹脂を含む最表層用塗布液は、熱可塑性樹脂と無機顔料を同時に分散しても良いし、各々分散調製したものを、塗布液調製時に混合する方法でもよい。
【0155】
本発明で用いることのできる支持体としては、従来からインクジェット記録媒体に用いられている支持体、例えば、普通紙、アート紙、コート紙およびキャストコート紙などの紙支持体、プラスティック支持体、両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体、これらを張り合わせた複合支持体等を、適宜選択して用いることができる。
【0156】
本発明に係る記録媒体では、支持体とインク吸収層との接着強度を高める等の目的で、インク吸収層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。さらに、本発明に係る記録媒体は必ずしも無色である必要はなく、着色された記録用紙であってもよい。
【0157】
本発明に係る記録媒体では、原紙支持体の両面をポリエチレン等でラミネートした紙支持体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、かつ低コストで高品質の画像が得られるため、特に好ましい。そのようなポリエチレンでラミネートした紙支持体について、以下に説明する。
【0158】
紙支持体に用いられる原紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて、木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSPおよびまたはLDPの比率は10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
【0159】
上記パルプには、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、四級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
【0160】
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の質量%は、20質量%以下であることが好ましい。原紙の坪量は、30〜250g/m2が好ましく、特に50〜200g/m2が好ましい。原紙の厚さは40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して、高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS−P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズと同様のサイズ剤を使用できる。原紙のpHは、JIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
【0161】
原紙表面および裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)および/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他にLLDPE(リニアローデンシティーポリエチレン)やポリプロピレン等も一部使用することができる。特に、インク吸収層側のポリエチレン層は、写真用印画紙で広く行われているように、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量は、ポリエチレンに対して通常3〜20質量%、好ましくは4〜13質量%である。
【0162】
ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って、通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成した物も本発明で使用できる。
【0163】
原紙の表裏のポリエチレンの使用量は、空隙層やバック層を設けた後、低湿および高湿下でのカールを最適化するように選択されるが、通常、空隙層側のポリエチレン層が20〜40μm、バック層側が10〜30μmの範囲である。
【0164】
更に、上記ポリエチレンで被覆紙支持体は、以下の特性を有していることが好ましい。
【0165】
1.引っ張り強さ:JIS−P−8113で規定される強度で、縦方向が20〜300N、横方向が10〜200Nであることが好ましい
2.引き裂き強度:JIS−P−8116に規定される方法で、縦方向が0.1〜20N、横方向が2〜20Nが好ましい
3.圧縮弾性率≧98.1MPa
4.表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定される条件で、20秒以上が光沢面としては好ましいが、いわゆる型付け品ではこれ以下であっても良い
5.表面粗さ:JIS−B−0601に規定される表面粗さが、基準長さ2.5mm当たり、最大高さは10μm以下であることが好ましい
6.不透明度:JIS−P−8138に規定された方法で測定したとき、80%以上、特に85〜98%が好ましい
7.白さ:JIS−Z−8729で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜95、a*=−3〜+5、b*=−6〜+2であることが好ましい
8.表面光沢度:JIS−Z−8741に規定される60度鏡面光沢度が、10〜95%であることが好ましい
9.クラーク剛直度:記録媒体の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm2/100である支持体が好ましい
10.中紙の含水率:中紙に対して、通常2〜100質量%、好ましくは2〜6質量%
次に、本発明のインクジェット記録媒体の製造方法について説明する。
【0166】
インクジェット記録媒体の製造方法としては、インク吸収層を含む各構成層を、各々単独にあるいは同時に、公知の塗布方式から適宜選択して、支持体上に塗布、乾燥して製造することができる。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
【0167】
同時重層塗布を行う際の各塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
【0168】
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
【0169】
塗布および乾燥方法としては、塗布液を30℃以上に加温して、同時重層塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましい。塗布液調製時、塗布時及び乾燥時おいて、最表層に含まれる熱可塑性樹脂が製膜しないように、該熱可塑性樹脂のTg以下の温度で塗布液の調製、塗布、乾燥することが好ましい。より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
【0170】
次いで、本発明のインクジェット画像形成方法について説明する。
請求項7に係る発明では、着色微粒子を含むインクと顔料を含むインクとからなるインクセットにより記録媒体上に画像記録した後、加熱処理、加圧処理又は加熱・加圧処理して画像形成することが特徴であり、請求項8に係る発明では、上記インクセットと最表層に熱可塑性樹脂を含有するインクジェット記録媒体とを用いて画像記録した後、その画像を加熱処理、加圧処理又は加熱・加圧処理して画像形成することが特徴である。
【0171】
本発明のインクジェット画像形成方法の好ましい形態は、画像記録後の加熱、加圧処理により、インクセットに含有される着色微粒子を構成する樹脂、あるいは記録媒体の最表層に含まれる熱可塑性樹脂を、溶融、圧縮により皮膜化することである。加熱処理は、インクセットに含有される着色微粒子を構成する樹脂、あるいは記録媒体中の熱可塑性樹脂を溶融、皮膜化することにより、耐水性、耐光性、褪色耐性向上及び滲み耐性の改良を目的に行う。加熱処理においては、インクセットに含有される着色微粒子を構成する樹脂、あるいは記録媒体中の熱可塑性樹脂をほぼ完全に溶融、皮膜化するのに必要な熱量又は圧力、あるいは熱と圧力を同時に付与することが望ましく、一方、処理時間の短縮に対しては短時間で加熱、加圧処理することが望ましく、画質に実質的に差が見られない範囲であれば、インクセットに含有される着色微粒子を構成する樹脂、あるいは熱可塑性樹脂の溶融、皮膜化処理は完遂しなくても良い。
【0172】
短時間で必要な熱量を付与するためには、できる限り高温の熱源を用いて加熱することが望ましいが、過度に高温にすると支持体の破損、激しいカール発生、あるいは、画像表面の荒れ、ローラー汚染が生じることがあり、100〜200℃の範囲が好ましく、100〜150℃の範囲がさらに好ましい。また、加圧する圧力としては、9.8×104〜4.9×106Paの範囲が好ましい。
【0173】
加熱方法は、プリンターに内蔵された加熱器で行っても、別の加熱器で行っても良い。加熱手段としては、加熱ローラー又は加熱ベルトを用いることが、ムラの発生を防止し、小スペースで、かつ連続処理をするのに適している。また、電子写真の加熱定着器を転用することは、コスト的に有利である。例えば、発熱体を内蔵した加熱ローラーと圧着ローラーとの間に記録媒体を通すことによって加熱、加圧する方法、2つの加熱ローラーに記録媒体をはさんで加熱処理する方法、あるいは1対の加熱ローラー間に定着ベルトを設けて加熱処理する方法がある。
【0174】
加熱ローラーは、中空状のローラーからなり、駆動手段により回転する。ローラー内には熱源として、例えば、ハロゲンランプヒーター、セラミックヒーター、ニクロム線等からなる発熱体を内蔵する。ローラーは、熱伝導性の高い材料が好ましく、特に金属ローラーであることが好ましい。ローラー表面は、汚染を防ぐためにフッ素樹脂コートされていることが好ましい。その他、耐熱シリコンを被覆したシリコンゴムローラーを用いることができる。
【0175】
加熱ローラーを用いる場合の記録媒体の搬送速度は、1〜15mm/秒の範囲が好ましい。これは、高速処理化の観点以外に、画質向上の観点からも好ましいことが判った。更に、高い質感、光沢を得るためには、加熱と同時もしくはその直後に加圧することが好ましい。加圧する圧力としては、9.8×104〜4.9×106Paの範囲が好ましい。これは加圧により皮膜化が促進されるためである。
【0176】
図1に、本発明で用いることのできる加熱ローラーを有するインクジェット記録装置の一例を示す。また、図2には、本発明で用いることのできる加熱ベルトを有するインクジェット記録装置の他の一例を示す。
【0177】
【実施例】
実施例1
《着色微粒子分散体の調製》
表1に記載の着色微粒子分散体1〜6を調製した。以下に、マゼンタの着色微粒子分散体の調製例を一例として示す。
【0178】
〈調製例1:着色微粒子分散体3の調製〉
10.0gのポリビニルブチラール(P−3:積水化学製BL−S)、10.0gのマゼンタの染料(M−A)及び150gの酢酸エチルをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素ガスで置換後、攪拌して上記ポリビニルブチラール及びマゼンタ染料を完全に溶解させた。次いで、ラウリル硫酸ナトリウム1.5gを含む水溶液130gを滴下し、撹拌した後、クリアミックスWモーションCLM−0.8W(エムテクニック製)を用いて、300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、マゼンタ染料を含浸するコア型の着色微粒子分散体を得た。次いで、これに0.5gの過硫酸カリウムを加えて溶解し、ヒーターを付して70℃に加温した後、更に、7.5gのスチレン及び2.5gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートの混合液を滴下しながら5時間反応させてコアシェル型の着色微粒子分散体3を得た。この着色微粒子分散体3に含まれる着色微粒子の平均粒径は72nmであった。なお、本発明でいう平均粒径は、大塚電子製のレーザー粒径解析システムを用いて行った体積平均粒子径である。
【0179】
〈他の着色微粒子分散体の調製〉
他の着色微粒子分散体についても、上記着色微粒子分散体3の調製に従い、染料の種類、コアポリマーの種類、界面活性剤の濃度及びシェルポリマーの組成を表1に記載のように変更して調製した。
【0180】
なお、表1中に記載の化合物略称の詳細は、以下の通りである。
染料Y−A:FS Yellow 1015(有本化学製)
染料Y−B:FS Yellow 1015(有本化学製)とOil Yellow 129(オリエント化学製)の1:1の混合物
染料C−A:Kayaset K−FL(日本化薬製)
染料C−B:FS Blue 1504(有本化学製)
P−1:ポリビニルブチラール(KS−10 積水化学製)
P−2:ポリビニルブチラール(#3000−K 電気化学製)
P−3:ポリビニルブチラール(BL−S 積水化学製)
P−4:ポリビニルブチラール(BL−10 積水化学製)
SDS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
P−5:スチレン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=75/25
P−6:スチレン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート=50/25/25
P−7:スチレン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ブチルアクリレート=40/20/40
【0181】
【化1】
【0182】
【表1】
【0183】
〔各色インクの調製〕
上記で調製した各着色微粒子分散体を用い、表2に記載の構成によりインクY1〜C3を調製した。各インクの調製においては、各マゼンタ着色微粒子分散体に、純水および表2に記載のインク溶媒、界面活性剤を、表2に記載の濃度となるように加えて調製した。なお、各着色微粒子分散体は、インク中の色材濃度が表2に記載の濃度となるようにその添加量を適宜調整した。ただし、分散液中の色材濃度が不足し、規定の色材濃度に調整できない場合には、着色微粒子分散体を減圧下で、水を除去、濃縮して再調製した。
【0184】
なお、表2中に記載の化合物略称の詳細は、以下の通りである。
EG:エチレングリコール
gly:グリセリン
TEGBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
SA−1:オルフィンE1010(日信化学製、ノニオン界面活性剤)
【0185】
【表2】
【0186】
《画像の作成及び評価》
(インクセットの作製)
前記調製した各インクを、カラーインクジェットプリンターMC2000(エプソン製)用の純正インクカートリッジに、表3に記載の組み合わせとなるように各インクを詰め替え、インクセット1〜10を作製した。また、MC2000(エプソン製)用の顔料インクである純正インク〔*1:純正インクY、*2:純正インクM(濃インク)、*3:純正インクLM(淡インク)、*4:純正インクC(濃インク)、*5:純正インクLC(淡インク)、*6:純正K(黒)インク〕を、表3に記載の組み合わせで使用し、インクセット10は、すべて純正の顔料インクからなる構成とした。
【0187】
【表3】
【0188】
(画像出力)
上記作製したインクセット1〜10を、記録媒体としてコニカ(株)製インクジェットペーパー フォトライクQP(以下、フォトライクQPと略す)を用いて、カラーインクジェットプリンターMC2000(エプソン製)により、Y、M、C、B、G、R及びグレーの各出力濃度を0%から100%の間を16段階に分割したウェッジ画像(各濃度について3cm×3cmのパッチ状に出力)と財団法人・日本規格協会発行の高精細カラーデジタル標準画像データ「N5・自転車」(1995年12月発行)を出力画像として使用した。また、同じ画像を、デジタルミニラボQD−21 PLUS(コニカ製)を用い、コニカカラーQAペーパータイプA7上に出力し、現像処理して比較用のカラー銀塩写真画像を作成した。
【0189】
《出力画像の評価》
以上により作製した各出力画像について、下記に記載の方法に従って評価を行った。
【0190】
(色再現性の評価)
上記出力した「N5・自転車」の出力画像について、画像中の果物の赤色及び植物の緑色再現性について、任意に選んだ20人の一般パネラーにより、目視観察にて、下記の基準に則り評価を行った。なお、評価時の視距離は300〜400mmで、照度は1000±50ルックスとした。
【0191】
4.十分な色再現性を示していると評価した人が16人以上
3.十分な色再現性を示していると評価した人が12〜15人
2.十分な色再現性を示していると評価した人が8〜11人
1.十分な色再現性を示していると評価した人が7人以下
(透明性の評価)
上記出力した各ウェッジ画像を用い、同時に作成した比較のカラー銀塩写真画像と相対比較した。評価は、各画像の透明性(色の濁り具合)を表4の括弧に記載の各色画像について、任意に選んだ20人の一般パネラーにより、目視観察を行い、下記の基準に則り評価した。なお、評価時の視距離は300〜400mmで、照度は1000±50ルックスとした。
【0192】
A.カラー銀塩写真画像と同等と評価した人が16人以上
B.カラー銀塩写真画像と同等と評価した人が12〜15人
C.カラー銀塩写真画像と同等と評価した人が8〜11人
D.カラー銀塩写真画像と同等と評価した人が7人以下
以上により得られた結果を表4に示す。
【0193】
【表4】
【0194】
表4より明らかなように、本発明のインクセットにより形成した画像は、比較画像に対して、良好な色再現性と透明性を示した。顔料においては、色調(色再現性)と耐光性を両立できるものはほとんどないため、現状ではいずれかを犠牲にして、色材が選択されている。これは、特にイエローとマゼンタの色材において顕著である。本発明で用いた比較のインクにおいても、本実施例では記載していないが、良好な耐光性を有してはいるものの、色再現性に関しては表4に記載のごとく、劣った性能であるのが現状である。一方、着色微粒子を有するインクを用いる場合、良好な色調を有する色材を選択し、耐光性はその表面を樹脂で被覆することにより維持することができるため、その結果として耐光性と色再現性を両立することができる。更に、着色微粒子を有するインクにおいては、色材は溶解状態にあるため、非常に良好な透明性を呈していることが、表4に記載の結果からも明らかである。
【0195】
実施例2
《記録媒体の作製》
以下に示す手順に従って、インクジェット記録媒体を作製した。
【0196】
〔無機微粒子分散液の調製〕
(シリカ分散液−1の調製)
1次粒子の平均粒径が約0.012μmの気相法シリカ(トクヤマ社製:QS−20)125kgを、三田村理研工業株式会社製のジェットストリーム・インダクターミキサーTDSを用いて、硝酸でpHを2.5に調整した620Lの純水中に室温で吸引分散した後、純水で全量を694Lに仕上げて、シリカ分散液−1を調製した。
【0197】
(シリカ分散液−2の調製)
上記カチオン性ポリマー(P−1)1.14kg、エタノール2.2L、n−プロパノール1.5Lを含む水溶液(pH=2.3)18Lに、上記調製したシリカ分散液−1の69.4Lを攪拌しながら添加し、次いで、ホウ酸260gとホウ砂230gを含む水溶液7.0Lを添加し、消泡剤SN381(サンノプコ株式会社製)を1g添加した。この混合液を、三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザーで分散し、全量を純水で97Lに仕上げて、シリカ分散液−2を調製した。
【0198】
〔熱可塑性樹脂塗布液の調製〕
(熱可塑性樹脂塗布液1の調製)
ノニオン系界面活性剤を乳化剤として乳化重合したスチレン−アクリル系ラテックスポリマー(Tg78℃、平均粒径0.13μm、固形分濃度40%)を、6%硝酸水溶液でpH4.7に調整し、これを熱可塑性樹脂塗布液1とした。
【0199】
〔各塗布液の調製〕
以下に記載の様にして各塗布液を調製した後、各塗布液を市販のフィルター(東洋濾紙株式会社製TCP10あるいはTCP30)を用いて濾過した。
【0200】
(下層塗布液1の調製)
40℃で攪拌しながら、前記調製したシリカ分散液−2の710mlに、以下の添加剤を順次混合して、下層塗布液1を調製した。
【0201】
純水で全量を1000mlに仕上げた。
【0202】
(上層塗布液1の調製)
前記調製した熱可塑性樹脂塗布液1を上層塗布液1とした。
【0203】
(上層塗布液2の調製)
前記調製した熱可塑性樹脂塗布液1及び前記下層塗布液1を用いて、熱可塑性樹脂と無機顔料の固形分比率が40:60となるように混合した後、43℃での粘度が45mPa・sとなるように水を添加して、これを上層塗布液2とした。
【0204】
(上層塗布液3の調製)
上記上層塗布液2の調製において、熱可塑性樹脂と無機顔料の固形分比率を60:40に変更した以外は同様にして、上層塗布液3を調製した。
【0205】
〔インクジェット記録媒体の作製〕
(記録媒体101の作製)
コニカ(株)製インクジェットペーパー フォトライクQP上に、上層塗布液1を、熱可塑性樹脂の固形分量として2.0g/m2となる条件で、ワイヤーバーを用いて、塗布、乾燥を行った。塗布条件は、塗布液を、40℃に加温して塗布し、塗布直後に0℃に保たれた冷却ゾーンで20秒冷却した後、25℃の風(相対湿度15%)で60秒間、45℃の風(相対湿度が25%)で60秒間、50℃の風(相対湿度が25%)で60秒間順次乾燥し、20〜25℃、相対湿度が40〜60℃の雰囲気下で2分間調湿して、記録媒体を作製し、次いで、上層塗布液の塗布終了後に、硬化剤としてホウ酸溶液を用いて、ホウ酸の付き量が1g/m2の塗設量となるように上層表面にオーバーコートを行い、記録媒体101を作製した。
【0206】
(記録媒体102の作製)
両面をポリエチレンで被覆した紙支持体(RC紙ともいい、厚みが220μmで、インク吸収層面のポリエチレン中にはポリエチレンに対して13質量%のアナターゼ型酸化チタンを含有)に、支持体側から順に、第1層として前記下層塗布液1を湿潤膜厚200μmで、第2層として前記上層塗布液1を熱可塑性樹脂の固形分量として2.0g/m2となる条件で、スライドホッパーを用いて2層同時塗布及び乾燥を行った。なお、各塗布液は、40℃に加温して塗布し、塗布直後に0℃に保たれた冷却ゾーンで20秒冷却した後、25℃の風(相対湿度15%)で60秒間、45℃の風(相対湿度が25%)で60秒間、50℃の風(相対湿度が25%)で60秒間順次乾燥し、20〜25℃、相対湿度が40〜60℃の雰囲気下で2分間調湿した後、巻き取って、記録媒体102を作製した。
【0207】
(記録媒体103の作製)
上記記録媒体102の作製において、第1層の塗布液を下層塗布液1(湿潤膜厚140μm)及び第2層塗布液として上層塗布液2(湿潤膜厚60μm)を用い、熱可塑性樹脂の固形分量を3.0g/m2とし、かつ塗布、乾燥した後、該記録媒体をポリエチレン袋に封入して、55℃で3日間のエージング処理を施した以外は同様にして、記録媒体103を作製した。
【0208】
(記録媒体104の作製)
上記記録媒体103の作製において、第2層塗布液を前記上層塗布液3に変更した以外は同様にして、記録媒体104を作製した。
【0209】
《画像の出力》
実施例1で作製した各色インクセットと上記作製した記録媒体101〜104及びフォトライクQPを表5に記載の組み合わせで、カラーインクジェットプリンターMC2000(エプソン製)用いて、画像を作成した。画像としては、実施例1で記載したのと同様の各画像を印字した。次いで、画像を作成した後、表5に記載の方法により、後処理を行った。なお、加熱加圧ローラーは、図1に記載の構成で、また加熱加圧ベルトは図2に記載の構成で行った。また、ローラー加圧処理は、図1の構成で、発熱体のスイッチを切って行った。
【0210】
後処理の詳細な条件は以下の通りである。
温風加熱:温風温度として120℃で行った
ローラ加圧処理:23℃、ニップ圧3.0×106Paで行った
加熱加圧ローラ処理:105℃、ニップ圧4.5×105Paで行った
加熱加圧ベルト処理:105℃、ニップ圧4.5×105Paで行った
《出力画像の評価》
以上により作成した各出力画像について、実施例1に記載の方法に従い色再現性、透明性の評価を行うと共に、下記に記載の方法に従って光沢性の評価を行った。
【0211】
(光沢性の評価)
上記作成した出力100%のウェッジ画像を写像性測定器ICM−1DP(スガ試験機械社製)で反射60度、光学くし2mmでの写像性(光沢値C値%)を測定した。評価は、以下の基準によって行った。
【0212】
4:C値%が71以上
3:C値%が70〜56
2:C値%が55〜41
1:C値%が40以下
上記評価ランクにおいて、4、3が実用上特に好ましいランクと判断した。
【0213】
以上により得られた結果を表5に示す。
【0214】
【表5】
【0215】
表5より明らかなように、実施例1の結果と同様に本発明のインクセットにより形成した画像は、比較画像に対して、良好な色再現性、透明性を示した。
【0216】
また、後処理である加熱処理、加圧処理あるいは加熱・加圧処理を施すことにより、光沢性が大きく向上していることが分かる。これは、着色微粒子が温度、圧力あるいは温度と圧力により溶融、変形され形成された画像表面が平滑化されることにより、光沢性が向上したものと考えられる。この効果は、更に記録媒体として最表層に熱可塑性樹脂を含有する記録媒体を用いることにより、一層向上していることが分かる。
【0217】
これに対し、顔料インクのみで構成したインクセット10を用いた比較品は、いずれの項目においても劣った結果となった。また、記録媒体として最表層に熱可塑性樹脂を含有する記録媒体103を用いた場合でも、後処理により光沢性は向上するものの、色再現性及び透明性に対する効果は認められなかった。
【0218】
【発明の効果】
本発明により、色再現性、透明性及び光沢性が改良されたインクジェット用水性インクセット及びそれを用いたインクジェット画像形成方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる加熱ローラーを有するインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図。
【図2】本発明で用いられる加熱ベルトを有するインクジェット記録装置の他の一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
1 記録媒体
1a たるみ部
2 記録媒体の搬送手段
21 搬送ローラー対
3 記録ヘッド
34 記録媒体保持部
4 加熱加圧手段
41 加熱ローラー
42 圧着ローラー
43 発熱体
44 加熱ベルト
45 下部ベルト
46 従動ローラー
5 温度センサ
6 記録媒体の切断手段
61、62 カッタ
7 たるみ形成手段
71 第1のローラー対
72 第2のローラー対[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an aqueous inkjet ink set and an inkjet image forming method using the same.
[0002]
[Prior art]
Ink-jet recording is a method in which fine droplets of ink are ejected by various operating principles and deposited on an ink-jet recording medium to record images, characters, etc., but are relatively high speed, low noise, and easy to make multiple colors. It has the advantage of being.
[0003]
In addition, due to recent technological advances, inkjet printing using dye ink is accelerating the spread of high-quality images that are close to silver halide photography and the cost reduction of the apparatus.
[0004]
The dye is soluble in the solvent, and the pigment molecule is colored in a molecular state or a cluster state. Therefore, since the environment of each molecule is similar, its absorption spectrum is sharp, and it exhibits a clear color with high purity. Furthermore, there is no granular pattern due to particles, and since there is no colorant on the recording surface, it has excellent scratch resistance, and since no scattered light or reflected light is generated, an inkjet image with high transparency and clear hue is obtained. be able to.
[0005]
However, on the other hand, when the molecule is destroyed by a photochemical reaction or the like, the decrease in the number of molecules is reflected in the coloring density as it is, so that it has a disadvantage of being inferior in light resistance and fading resistance. Inkjet recording images using dye inks have high image quality, but the image quality greatly deteriorates with storage over time, and technology that surpasses silver salt photography in terms of light resistance, water resistance, fading resistance, bleeding resistance, etc. The current situation does not appear.
[0006]
In contrast to dye inks, pigment inks that use pigments with good light resistance, fading resistance, and bleeding characteristics as colorants are used as inks for applications that require images that are resistant to fading due to light. However, since pigments exist as pigment particles compared to dyes, they are susceptible to light scattering, give an image with no transparency, and have disadvantages that are inferior to dyes in terms of gloss and scratch resistance.
[0007]
As described above, although the dye ink has excellent points in transparency, gloss, and scratch resistance, it is inferior in light resistance, water resistance, fading resistance, and bleeding resistance. Although it has excellent light resistance, fading resistance, and bleeding, it has contradictory properties such as inferior transparency, glossiness, and scratch resistance.
[0008]
As a measure for solving the problems of water-based inks using pigments as described above, the addition of resin fine particles such as emulsion and latex has long been studied. Japanese Patent Application Laid-Open No. 55-18418 proposes a recording agent for ink jet recording to which a latex which is “a kind of colloidal solution in which components such as rubber and resin are dispersed in water in the form of fine particles with an emulsifier” is added. is there. In order to improve the light fastness by adding latex as in the patent proposal and to have the effect of preventing bleeding, latex more than the amount of dye used is required, ensuring dispersion stability and ejection stability. However, it is difficult to obtain an image comparable to a photographic image in terms of transparency and gloss.
[0009]
In order to solve the problems of water resistance and light fastness of water-based inks using the above water-soluble dyes, a proposal of a method for coloring water-dispersible resins with oil-soluble dyes, hydrophobic dyes, etc. is proposed as an ink for ink jet recording. Has been made. For example, JP-A-55-139471, 58-45272, JP-A-3-250069, 8-253720, 8-92513, 8-183920, JP-A-2001-11347, etc. There has been proposed an ink using emulsion polymer particles or dispersed polymer particles dyed by a soluble dye, so-called colored fine particles. In such a water-based ink using colored fine particles, if a dye is present on the particle surface or outside the particle, the light resistance effect is reduced, and various properties such as dispersion stability, ejection stability, and light fastness can be improved. At present, it is difficult to obtain an image comparable to a photographic image in terms of transparency and gloss.
[0010]
Furthermore, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-19880 proposes colored fine particles impregnated with a chelate dye, and it is said that the printing density, light resistance, color tone, etc. are improved, but this method is comparable to the intended photographic image. It is insufficient to obtain an image. On the other hand, Japanese Patent Laid-Open No. 2001-139607 proposes a method for improving clogging and adhesion of an ink head with colored fine particles having a core-shell type double structure impregnated with a chelate dye, which is comparable to a photographic image. It is not a satisfactory level for obtaining light resistance and image quality.
[0011]
Also known is an ink in which a dye ink is dissolved in a resin and dispersed in the ink in the form of fine particles. By using dyes as colored fine particles, compared with ordinary dye inks, the ink is used at room temperature and high humidity. Although bleeding and water resistance can be slightly improved, there has been a drawback that images are blurred when these inks are stored for a long time under high temperature and high humidity.
[0012]
On the other hand, as a method for improving the water resistance of an ink jet recording image, a method of adding a thermoplastic resin to the outermost layer of the ink jet recording medium has been proposed. For example, JP 2000-28063 and 2000-28064 disclose an outermost layer. Discloses an ink jet recording medium containing a thermoplastic resin. According to the above invention, after the image formation with the water-based ink, the thermoplastic resin in the outermost layer is melted and formed into a film by heat treatment, and as a result, the color property, the image storage stability, the water resistance and the adhesiveness are improved. is there. However, as a result of further examinations and confirmations by the researchers, the technologies described in the above-mentioned patents have light resistance and fading resistance in terms of a quality level that pursues quality that surpasses the currently required photographic image quality. It turned out to be inferior and not yet reached that level.
[0013]
As described above, each of the above technical means has the potential to achieve high recording quality by overcoming the problems of conventional water-based inks using water-soluble dyes and pigment dispersions. The ink-jet formed image formed thereby has a problem that the glossiness and transparency level of the image are not yet satisfactory quality, and the color reproducibility is inferior compared to the photographic image, The development of new improved technology is eagerly desired.
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above problems, and an object of the present invention is to provide an aqueous inkjet ink set having improved color reproducibility, transparency and gloss, and an inkjet image forming method using the same. .
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The above object of the present invention has been achieved by the following constitution.
[0016]
1.This is an inkjet image forming method in which an image is recorded using an aqueous inkjet ink set and an inkjet recording medium containing a thermoplastic resin in the outermost layer, and then the image is subjected to heat treatment, pressure treatment, or heat / pressure treatment. The ink set isWater-based ink set for inkjet that consists of two or more colorsAndThe colorant constituting at least one color ink is selected from colored fine particles made of a resin containing a dye, colored fine particles made of a resin coated with a dye, and colored fine particles obtained by further coating the surface of a resin containing a dye with a resin. At least one kind of colored fine particles, and the color material constituting the remaining ink is a pigment.RuWater jet ink setInk jet image forming method.
[0017]
2. 2. The ink jet according to item 1, wherein the dye forming the colored fine particles is a cyan dye.Image forming method.
[0018]
3. 2. The inkjet according to item 1, wherein the dye forming the colored fine particles is a magenta dye.Image forming method.
[0019]
4). 2. The ink jet according to item 1, wherein the dye forming the fine colored particles is a yellow dye.Image forming method.
[0020]
5.Of the ink setThe inkjet according to any one of the above items 1 to 4, wherein at least one color ink is composed of independent inks having two or more different colorant concentrations.Image forming method.
[0021]
6). 6. The inkjet according to any one of 1 to 5, wherein the colored fine particles have a volume average particle diameter of 10 to 150 nm.Image forming method.
[0024]
As a result of intensive studies in view of the above-mentioned problems, the present inventors have used a dye ink containing colored fine particles and a pigment ink using a pigment in combination in a water-based ink set for inkjet (hereinafter also simply referred to as an ink set). After the image is formed, the formed image is subjected to heat treatment, pressure treatment, or heat / pressure treatment, or an ink set comprising an ink containing colored fine particles and an ink using a pigment, and an outermost layer. After forming an image using an inkjet recording medium containing a thermoplastic resin (hereinafter also simply referred to as a recording medium), the image is formed by heat treatment, pressure treatment, or heat / pressure treatment. In addition, it has been found that the color reproducibility, glossiness, and transparency of an inkjet image can be improved, and as soon as the present invention has been achieved.
[0025]
Although the details of the effects of the constitution according to the present invention have not yet been clarified, the ink containing colored fine particles obtained by melting or coating the dye with a resin maintains the color reproducibility and transparency that are characteristic of the dye. At the same time, it exhibits an excellent image storage stability. By using the ink containing the pigment together with the ink containing the colored fine particles, the pigment particles effectively compensate for the orientation of the coloring material on the surface, that is, the gap between the colored fine particles. An image excellent in reproducibility, glossiness and transparency could be formed.
[0026]
Further, since the colored fine particles that are constituent elements of the ink set of the present invention contain a resin in the particles, the resin component is softened and melted by heating, pressurizing, or heating / pressurizing treatment. The colored fine particles printed on the recording medium are bonded and fused together to form a film, and the interface between particles or the interface between particles and air is reduced. It is estimated that the color reproducibility, glossiness and transparency are improved.
[0027]
On the other hand, color reproducibility, glossiness, and transparency can be further improved by using a recording medium containing a thermoplastic resin as the outermost layer and an ink set comprising an ink containing pigments and an ink containing colored fine particles. There was found. This is because the interaction between the resin component constituting the colored fine particles and the thermoplastic resin present on the outermost surface of the recording medium, and the pigment particles work effectively on the above-mentioned effect and is fixed on the recording medium. Therefore, it is considered that the color reproducibility, glossiness, and transparency are also improved.
[0028]
Details of the present invention will be described below.
First, an aqueous inkjet ink set will be described.
[0029]
In the present invention, in a water-based ink set for ink jet comprising two or more colors, the color material constituting at least one color ink is colored fine particles made of a resin containing a dye, colored fine particles made of a resin coated with a dye, and a dye It is characterized in that it is at least one kind of colored fine particles selected from colored fine particles whose surface is further coated with a resin, and the color material constituting the remaining ink is a pigment.
[0030]
First, the colored fine particles will be described below.
One feature of the ink set of the present invention is that at least one color of ink constituting the ink set is an ink containing colored fine particles as a color material.
[0031]
The colored fine particles according to the present invention can be prepared by various methods. For example, a method in which an oil-soluble dye is dissolved in a monomer and emulsified in water, and the dye is then encapsulated in the polymer by polymerization. A method in which the polymer and the dye are dissolved in an organic solvent and emulsified in water, and then the organic solvent is removed. Examples thereof include a method of adding porous polymer fine particles to a dye solution and adsorbing and impregnating the dye to the fine particles, and a shelling method in which these colored fine particles are coated with a polymer can also be used.
[0032]
As a method of providing a polymer shell, a method of adding a water-soluble polymer dispersant to an aqueous suspension of a core and adsorbing it, a method of gradually dropping a monomer and depositing it on the core surface simultaneously with polymerization, or a method of dissolving in an organic solvent There is a method in which a polymer is gradually dropped and adsorbed on the core surface simultaneously with precipitation. Furthermore, a method of forming a core shell in one step is also conceivable. For example, a core polymer and a dye are dissolved or dispersed in a shell polymer and polymerized after being suspended in water, or emulsion polymerization is performed while gradually dropping the liquid into water containing activator micelles. There are methods. Alternatively, there is a method in which a dye is dissolved or dispersed in a monomer that can become a core and a monomer that can become a shell after polymerization, and suspension polymerization or emulsion polymerization is performed.
[0033]
The colored fine particles according to the present invention are not particularly shelled or shelled, and are not particularly limited, but are preferably shelled in view of the effects of the invention. In that case, it is preferable that the polymer amount used for the shell is 5% by mass or more and 95% by mass or less of the total polymer amount. If it is less than 5% by mass, the thickness of the shell is insufficient, and a part of the core containing a large amount of dye tends to appear on the particle surface. Moreover, when there are too many polymers of a shell, it will be easy to raise | generate the fall of the dye protection function of a core. More preferably, it is 10 mass% or more and 90 mass% or less.
[0034]
The dye is preferably 20% by mass to 1000% by mass with respect to the total polymer amount. If the amount of the dye is too small compared to the polymer, the image density after ejection will not increase, and if the ratio of the dye is high, the protective ability of the polymer cannot be sufficiently obtained.
[0035]
(Evaluation of core shell)
In the present invention, it is important to evaluate whether the core shell is actually formed. In the present invention, since the individual particle diameter is as very small as 150 nm or less, the analysis method is limited from the viewpoint of resolution. As an analysis method that meets such a purpose, a transmission electron microscope (TEM), a time-of-flight secondary ion mass spectrometer (TOF-SIMS), or the like can be applied. When observing colored fine particles that have been core-shelled by TEM, the dispersion can be applied on a carbon support film, dried and observed. Since the observation image of TEM is usually monochrome, it is necessary to dye colored fine particles in order to evaluate whether or not the core shell is formed. The colored fine particles only of the core are dyed, the TEM observation is performed, and the result is compared with that provided with the shell. Further, the fine particles provided with the shell and the fine particles not provided are mixed and dyed, and it is confirmed whether or not the proportion of the fine particles having different dyeing degree matches the presence or absence of the shell. In TOF-SIMS, it is confirmed that by providing a shell on the particle surface, the dye in the vicinity of the surface is reduced as compared with the case of only the core. When there is an element that is not contained in the core-shell polymer in the dye, it can be confirmed whether or not a shell having a low colorant content is provided using the element as a probe. In the absence of such elements, the dye content in the shell can be compared to that without the shell using a suitable dye. The core-shell formation can be observed more clearly by embedding the core-shell particles in an epoxy resin, making an ultrathin section with a microtome, and performing staining. When there is an element that can be a probe in a polymer or dye, the composition of the core shell and the distribution amount of the dye into the core and shell can be estimated by TEM.
[0036]
In order to obtain the required particle size, it is important to optimize the configuration conditions and select an appropriate emulsification method. Although the constitutional conditions vary depending on the dye and polymer used, since the suspension is an underwater suspension, the shell polymer generally needs to be more hydrophilic than the core polymer. Moreover, it is preferable that the dye contained in the shell polymer is less than that in the core polymer, and it is necessary that the dye is also less hydrophilic than the shell polymer. The hydrophilicity and hydrophobicity can be estimated using, for example, the solubility parameter (SP). As for the solubility parameter, its value, measurement and calculation method can be referred to the description from page 675 of POLYMER HANDBOOK 4th edition (John Wiley & Sons, Inc.).
[0037]
In addition, the polymer used for the colored fine particles preferably has a number average molecular weight of 500 to 100,000, particularly 1,000 to 30,000, from the viewpoint of coating strength after printing, durability and suspension formability.
[0038]
Although various kinds of Tg can be used for the polymer, it is preferable to use at least one polymer having a Tg of 10 ° C. or more.
[0039]
In the present invention, all generally known polymers can be used, but particularly preferred polymers are polymers containing an acetal group as a main functional group, a polymer containing a carbonate group, a polymer containing a hydroxyl group, And it is a polymer which has ester group, and it is preferable that especially the polymer which comprises the shell part of the outermost part has a hydroxyl group. The above polymer may have a substituent, and the substituent may have a linear, branched, or cyclic structure. Various polymers having the above functional groups are commercially available, but can also be synthesized by a conventional method. These copolymers can also be obtained, for example, by introducing an epoxy group into one polymer molecule and then performing polycondensation with another polymer or graft polymerization using light or radiation.
[0040]
Examples of the polymer containing acetal as a main functional group include polyvinyl butyral resin. For example, # 2000-L, # 3000-1, # 3000-2, # 3000-4, # 3000-K, # 4000-1, # 4000-2, # 5000-A, # 5000 manufactured by Denki Kagaku Kogyo Co., Ltd. 6000-C, # 6000-EP, or BL-1, BL-1H, BL-2, BL-2H, BL-5, BL-10, BL-S, BL-SH, BX-10 manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd. , BX-L, BM-1, BM-2, BM-5, BM-S, BM-SH, BH-3, BH-6, BH-S, BX-1, BX-3, BX-5, KS -10, KS-1, KS-3, KS-5, and the like.
[0041]
The polyvinyl butyral resin is obtained as a derivative of PVA (polyvinyl alcohol), and the acetalization of the hydroxyl group of the original PVA is about 80 mol% at the maximum, and usually about 50 mol% to about 80 mol%. In addition, the acetal said here does not indicate a 1,1-diethoxyethane group in a narrow sense, but indicates a compound in general with orthoaldehyde. The hydroxyl group is not particularly defined, but in the polymer constituting the outermost shell portion, the monomer containing the hydroxyl group is preferably 5 to 50 mol%, more preferably 10 to 30 mol%. Moreover, although there is no prescription | regulation in particular in the content rate of an acetyl group, it is preferable that it is 10 mol% or less. The polymer containing acetal as a main functional group means that at least 30 mol% or more of oxygen atoms contained in the polymer forms an acetal group.
[0042]
In addition, Iupital series manufactured by Mitsubishi Engineering Plastics Co., Ltd. can be used as a polymer containing acetal as a main functional group.
[0043]
Polycarbonate resin is mentioned as a polymer which contains carbonate ester as a main functional group. For example, there are Iupilon series and Novalex series manufactured by Mitsubishi Engineering Plastics. The Iupilon series is made with bisphenol A as a raw material, and various molecular weights can be used although the values differ depending on the measurement method. In the NOVAREX series, those having a molecular weight of 20,000 to 30,000 and a glass transition point of around 150 ° C. can be used, but are not limited thereto.
[0044]
The polymer containing a carbonate group as a main functional group means that at least 30 mol% or more of oxygen atoms contained in the polymer contribute to the formation of the carbonate group.
[0045]
Examples of the polymer containing a hydroxyl group as a main functional group include PVA. Although the solubility of PVA in organic solvents is often small, the solubility in organic solvents increases with PVA having a low saponification value. PVA having high water solubility can be used by adding it to the aqueous phase and adsorbing it to the polymer suspension after removing the organic solvent.
[0046]
Commercially available PVA can be used, for example, Kuraray's Poval PVA-102, PVA-117, PVA-CSA, PVA-617, PVA-505, and other special brands of sizing agents, PVA As the PVA for molding and other functional polymers, KL-506, C-118, R-1130, M-205, MP-203, HL-12E, SK-5102, and the like can be used. The saponification degree is generally 50 mol% or more, but even if it is about 40 mol% as in LM-10HD, it can be used. In addition to PVA, those having a hydroxyl group as a main functional group can be used, but those having at least 20 mol% or more of oxygen atoms contained in the polymer can be used.
[0047]
Examples of the polymer containing an ester group as a main functional group include a methacrylic resin. Asahi Kasei Delpet series 560F, 60N, 80N, LP-1, SR8500, SR6500, etc. can be used. A polymer containing an ester group as a main functional group means that at least 30 mol% or more of oxygen atoms contained in the polymer form an ester group.
[0048]
These polymers may be used alone or in combination of two or more. Moreover, as long as 50% or more of these polymers are contained by mass ratio, the other polymer and the inorganic filler may be contained.
[0049]
Although it is also preferable to use a copolymer of these polymers, for example, as a method of copolymerizing a polymer containing a hydroxyl group and various polymers, the hydroxyl group is reacted with a monomer having an epoxy group such as glycidyl methacrylate, It can be obtained by copolymerization with a methacrylic acid ester monomer by suspension polymerization.
[0050]
In the water-based ink according to the present invention, the polymer used for the colored fine particles is preferably blended in the ink in an amount of 0.5 to 50% by mass, and more preferably 0.5 to 30% by mass. If the blending amount of the polymer is less than 0.5% by mass, the color material cannot be protected sufficiently. If it exceeds 50% by mass, the storage stability of the suspension ink may be reduced, or the tip of the nozzle may The printer head may be clogged due to ink thickening or suspension aggregation caused by ink evaporation, so it is preferably within the above range.
[0051]
On the other hand, it is preferable that 1-30 mass% of dyes are mix | blended in water-based ink, and it is still more preferable that 1.5-25 mass% is mix | blended. When the blending amount of the dye is less than 1% by mass, the printing density is insufficient, and when it exceeds 30% by mass, the suspension stability is deteriorated and the particle size tends to increase due to aggregation or the like. It is preferable to be inside.
[0052]
In the invention according to claim 6, the volume average particle diameter of the colored fine particles is 10 to 150 nm, preferably 20 to 120 nm, particularly preferably 20 to 90 nm.
[0053]
The volume average particle size can be measured by a commercially available particle size measuring device using, for example, a light scattering method, an electrophoresis method, a laser Doppler method, and the specific particle size measuring device is, for example, Shimadzu Corporation. Examples thereof include a laser diffraction particle size measuring device SLAD1100, a particle size measuring device (HORIBA LA-920), and a Zetasizer 1000 manufactured by Malvern.
[0054]
The aqueous inkjet ink containing colored fine particles according to the present invention (hereinafter also simply referred to as an aqueous ink) comprises a polymer suspension containing water as a medium and encapsulating the coloring material. Additives, for example, wetting agents such as polyhydric alcohols, dispersants, antifoaming agents such as silicones, antifungal agents such as chloromethylphenols and / or chelating agents such as EDTA, oxygen such as sulfites An absorbent or the like may be contained.
[0055]
Here, as the wetting agent, for example, ethylene glycol, propylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, polyethylene glycol, glycerin, diethylene glycol diethyl ether, diethylene glycol mono n-butyl ether, ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl Polyhydric alcohols such as ether, ethylene glycol monobutyl ether, methyl carbitol, ethyl carbitol, butyl carbitol, ethyl carbitol acetate, diethyl carbitol, triethylene glycol monomethyl ether, triethylene glycol monoethyl ether, propylene glycol monomethyl ether And its ethers, acetates, N Can be used methyl-2-pyrrolidone, 1,3-dimethylimidazolidinone, triethanolamine, formamide, nitrogen-containing compounds such as dimethyl formamide, dimethyl monkey sulfoxide one or two or more kinds. Although there is no restriction | limiting in particular in the compounding quantity of these wetting agents, Preferably 0.1-50 mass% can be mix | blended in the said ink, More preferably, 0.1-30 mass% can be mix | blended.
[0056]
Further, the dispersant is not particularly limited. However, when the HLB value is 8 to 18, an effect as a dispersant is exhibited, and an increase in suspension particle diameter is suppressed. preferable.
[0057]
A commercial item can also be used as a dispersing agent. Examples of such commercially available products include the dispersant Demol SNB, MS, N, SSL, ST, and P (trade names) manufactured by Kao Corporation.
[0058]
Although there is no restriction | limiting in particular in the compounding quantity of a dispersing agent, It is preferable to mix | blend 0.01-10 mass% in the ink of this invention. When the compounding amount of the compound is less than 0.01% by mass, it is difficult to reduce the particle size of the suspension. When the compounding amount exceeds 10% by mass, the particle size of the suspension increases or the suspension stability decreases, resulting in gelation. Since there exists a possibility, it is preferable to set it as the said range.
[0059]
Moreover, as said antifoamer, a commercial item can be used without a restriction | limiting in particular. Examples of such commercially available products include KF96, 66, 69, KS68, 604, 607A, 602, 603, KM73, 73A, 73E, 72, 72A, 72C, 72F, 82F, 70, 71, manufactured by Shin-Etsu Silicone. 75, 80, 83A, 85, 89, 90, 68-1F, 68-2F (trade name) and the like. Although there is no restriction | limiting in particular in the compounding quantity of these compounds, It is preferable to mix | blend 0.001-2 mass% in the colored fine particle containing aqueous ink which concerns on this invention. If the compounding amount of the compound is less than 0.001% by mass, bubbles are likely to be generated at the time of preparing the ink, and it is difficult to remove small bubbles in the ink. During printing, repellency may occur in the ink and the print quality may be deteriorated.
[0060]
Next, a method for producing a water-based ink containing colored fine particles according to the present invention will be described.
[0061]
The aqueous ink according to the present invention can be produced by various emulsification methods.
Various methods can be used as the emulsification method. Examples thereof are summarized in the description on page 86 of “Advances in Functional Emulsifier / Emulsification Technology and Application Development CMC”. In the present invention, it is particularly preferable to use an emulsifying and dispersing apparatus using ultrasonic waves, high-speed rotational shearing, and high pressure.
[0062]
In the emulsification dispersion using ultrasonic waves, two types of so-called batch type and continuous type can be used. The batch method is suitable for producing a relatively small amount of sample, and the continuous method is suitable for producing a large amount of sample. In the continuous type, for example, a device such as UH-600SR (manufactured by SMT Co., Ltd.) can be used. In the case of such a continuous system, the ultrasonic wave irradiation time can be obtained by the volume of the dispersion chamber / flow velocity × the number of circulations. In the case where there are a plurality of ultrasonic irradiation apparatuses, the total irradiation time is obtained. The ultrasonic irradiation time is actually required for 3 seconds or more, and if the emulsification is completed within that time, an ultrasonic emulsification dispersion apparatus is not required. Further, if it is necessary for 10000 seconds or more, the load on the process is large, and in practice, it is necessary to shorten the emulsification dispersion time by reselecting the emulsifier. Therefore, more than 10,000 seconds are not necessary. More preferably, it is 10 seconds or more and 2000 seconds or less.
[0063]
As an emulsifying and dispersing device by high-speed rotational shearing, it is described in Disper Mixer as described in pages 255 to 256 of "Functional emulsifier / emulsification technology and application development CMC", or page 251. Such a homomixer and an ultramixer as described on page 256 can be used. These types can be properly used depending on the liquid viscosity at the time of emulsification dispersion. In the emulsification disperser using these high-speed rotary shears, the rotational speed of the stirring blade is important. Since the clearance with the stator is usually about 0.5 mm and cannot be made extremely narrow, the shearing force mainly depends on the peripheral speed of the stirring blade. If the peripheral speed is 5 m / sec or more and 150 m / sec or less, it can be used for emulsification and dispersion of the present invention. This is because when the peripheral speed is low, it is often impossible to reduce the particle size even if the emulsification time is extended, and in order to achieve 150 m / sec, it is necessary to extremely increase the performance of the motor. More preferably, it is 20-100 m / sec.
[0064]
For emulsification and dispersion by high pressure, LAB2000 (manufactured by SMT) can be used, but the emulsification and dispersion ability depends on the pressure applied to the sample. The pressure is preferably 10 MPa or more and 500 MPa or less. Moreover, it can emulsify and disperse | distribute several times as needed, and can obtain the target particle size. If the pressure is too low, the desired particle size cannot be achieved in many cases by carrying out emulsification and dispersion many times, and in order to make the pressure 500 MPa, the apparatus is heavily loaded and is not practical. More preferably, it is 50 MPa or more and 200 MPa or less.
[0065]
These emulsifying / dispersing devices may be used alone or in combination as necessary. Colloid mills, flow jet mixers and the like alone cannot achieve the object of the present invention, but by combining with the above-described apparatus, it is possible to enhance the effects of the present invention, such as enabling emulsification and dispersion in a single time. .
[0066]
The ink of the present invention can be produced by so-called phase inversion emulsification in addition to using the above-described apparatus.
[0067]
Here, in the phase inversion emulsification, the polymer is dissolved in an organic solvent such as an ester or a ketone together with the dye, a neutralizing agent is added as necessary to ionize carboxyl groups in the polymer, and then the aqueous phase is After the addition, the organic solvent is distilled off and the phase is changed to an aqueous system.
[0068]
After the phase inversion is completed, the system is heated under reduced pressure to remove the ester and ketone solvents, and to remove a predetermined amount of water, thereby providing the colored fine particle-containing aqueous ink of the present invention having a desired concentration. Is obtained.
[0069]
The dye that can be used in the present invention is not particularly limited, and examples thereof include oily dyes, disperse dyes, and water-soluble dyes (direct dyes, acid dyes, reactive dyes, and the like). As the dye, an oily dye is preferably used. As the hue, yellow, magenta, cyan, black, blue, green and red are preferably used. In the invention according to claim 2, the dye forming the colored fine particles is a cyan dye. The invention according to the present invention is characterized in that the dye forming the colored fine particles is a magenta dye, and the invention according to claim 4 is characterized in that the dye forming the colored fine particles is a yellow dye.
[0070]
The oil-soluble dye includes a dye that exhibits oil-solubility by salting a water-soluble dye with a long-chain base. The oily dye is not limited to the following, but as a particularly preferred specific example, for example,
Orient Chemical Industries Co., Ltd. Valifast Yellow 4120, Valifast Yellow 3150, Valifast Yellow 3108, Valifast Yellow 2310N, Valifast Yellow 1101, Valifast Red 3320, Valifast Red 3304, Valifast Red 1306, Valifast Blue 2610, Valifast Blue 2606, Valifast Blue 1603, Oil Yellow GG-S, Oil Yellow 3G, Oil Yellow 129, Oil Yellow 107, Oil Yellow 105, Oil Scarlet 308, Oil Red RR, Oil Red OG, Oil Red 5B, OilPink 312, Oil Blue BOS, Oil Blue 613, Oil Blue 2N, Oil Black BY, Oil Black BS, Oil Black 860, Oil Black 5970, Oil Black 5906, Oil Black 5905,
Nippon Kayaku Co., Ltd. Kayase Yellow SF-G, Kayase Yellow K-CL, Kayase Yellow GN, Kayase Yellow A-G, Kayase Yellow 2G, Kayset Red SF-4G, Kayset Red A-BLK KayaseMagenta312, Kayase Blue K-FL,
FS Yellow 1015, FS Magenta 1404, FS Cyan 1522, FS Blue 1504, C.I. I. Solvent Yellow 88, Solvent Yellow 83, Solvent Yellow 82, Solvent Yellow 79, Solvent Yellow 56, Solvent Yellow 29, Solvent Yellow 19, Solvent Yellow 16, Solvent Yellow 16, Solvent Yellow 04, Solvent Yellow 04, Solvent Yellow 03, Solvent Yellow 01, C.I. I. Solvent Red 84: 1, C.I. I. Solvent Red 84, C.I. I. Solvent Red 218, C.I. I. Solvent Red 132, C.I. I. Solvent Red 73, C.I. I.
[0071]
In addition, metal complex dyes such as those disclosed in JP-A Nos. 9-277893, 10-20559, and 10-30061 are also preferably used. Preferred structures are those represented by the following general formula (1). is there.
[0072]
General formula (1) M (Dye)l(A)m
In the formula, M represents a metal ion, and Dye represents a dye capable of coordinating with a metal. A represents a ligand other than a dye, l represents 1 to 3, and m represents 0, 1, 2, or 3. When m is 0, l represents 2 or 3, in which case Dye may be the same or different. Examples of metal ions represented by M include ions of Al, Co, Cr, Cu, Fe, Mn, Mo, Ni, Sn, Ti, Pt, Pd, Zr, and Zn. Ni, Cu, Cr, Co, Zn, and Fe ions are particularly preferable from the viewpoint of color tone and various durability. More preferably, it is Ni ion.
[0073]
Various dye structures are conceivable as the dye capable of coordinating with the metal represented by Dye, but conjugated methine dyes, azomethine dyes, and those having a coordination group in the azo dye skeleton are preferred.
[0074]
The disperse dye is not limited to the following, but as a particularly preferred specific example, C.I. I. Disperse Yellow 5, 42, 54, 64, 79, 82, 83, 93, 99, 100, 119, 122, 124, 126, 160, 184: 1, 186, 198, 199, 204, 224 and 237; C . I. Disperse Orange 13, 29, 31: 1, 33, 49, 54, 55, 66, 73, 118, 119 and 163; C.I. I. Disperse
[0075]
One feature of the ink set of the present invention is that it uses an ink containing a pigment as a coloring material together with the ink containing the colored fine particles described above.
[0076]
As the pigment that can be used in the present invention, a known colored organic or colored inorganic pigment can be used. For example, azo pigments such as azo lakes, insoluble azo pigments, condensed azo pigments, chelate azo pigments, phthalocyanine pigments, perylene and perylene pigments, anthraquinone pigments, quinacridone pigments, dioxazine pigments, thioindigo pigments, isoindolinone pigments, quinophthalone pigments, etc. Examples include polycyclic pigments, dye lakes such as basic dye type lakes and acid dye type lakes, organic pigments such as nitro pigments, nitroso pigments, aniline black, daylight fluorescent pigments, and inorganic pigments such as carbon black. However, the present invention is not limited to these.
[0077]
Specific organic pigments are exemplified below.
Examples of the magenta or red pigment include C.I. I. Pigment red 2, C.I. I.
[0078]
Examples of the pigment for orange or yellow include C.I. I. Pigment orange 31, C.I. I.
[0079]
Examples of the pigment for green or cyan include C.I. I. Pigment blue 15, C.I. I. Pigment blue 15: 2, C.I. I. Pigment blue 15: 3, C.I. I. Pigment blue 16, C.I. I. Pigment blue 60, C.I. I. And CI Pigment Green 7.
[0080]
Examples of black pigments include C.I. I. Pigment black 1, C.I. I. Pigment black 6, C.I. I. Pigment black 7 and the like.
[0081]
The invention according to claim 5 is characterized in that at least one color ink is composed of two or more kinds of independent inks having different color material concentrations, that is, so-called dark and light inks. Further, it is more preferable to use a water-based ink set composed of at least two types of the same color aqueous ink having two or more colors in two or more colors, and at least two types of the same color water-based ink having different concentrations in three or more colors More preferably, an aqueous ink set is used.
[0082]
This can reduce graininess by using a low-concentration water-based ink, and can form a high-quality image free from so-called “roughness”.
[0083]
Here, it is preferable to use at least two water-based inks having different densities in magenta ink or cyan ink having high human visibility.
[0084]
The density ratios of the water-based ink sets having different densities may be arbitrary values. However, in order to perform smooth gradation reproduction, the ratio between the high density ink and the low density ink [(density of low density ink) / (high density Density ink density)] is preferably between 0.1 and 1.0, more preferably between 0.2 and 0.5, and between 0.25 and 0.4. It is particularly preferred.
[0085]
The configuration of the water-based ink other than that described above will be described below.
The pH of the aqueous inkjet ink according to the present invention is preferably 7.0 or more, more preferably 8.0 to 10.0. Examples of the pH adjuster used in the aqueous medium used in the aqueous ink according to the present invention include various organic amines such as monoethanolamine, diethanolamine, and triethanolamine, sodium hydroxide, lithium hydroxide, and potassium hydroxide. Inorganic alkali agents such as alkali metal hydroxides, organic acids, and mineral acids.
[0086]
In the present invention, the polyvalent metal ion content of the water-based ink is preferably 5 ppm or less, more preferably 0.1 to 3 ppm, and particularly preferably 0.1 to 1 ppm. By setting the content of the polyvalent metal ion in the aqueous ink to the amount specified above, the aqueous ink having high dispersion stability of the colored fine particles according to the present invention can be obtained.
[0087]
The polyvalent metal ion referred to in the present invention is, for example, Fe3+, Sr2+, Mg2+, Ca2+, Zn2+, Zr2+, Ni2+, Al3+These are contained as sulfates, chlorides, nitrates, acetates and the like.
[0088]
The ink solvent that can be used in the present invention is not particularly limited, but is preferably a water-soluble organic solvent. Specifically, alcohols (for example, methanol, ethanol, propanol, isopropanol, butanol, isobutanol, secondary butanol, Tertiary butanol, pentanol, hexanol, cyclohexanol, benzyl alcohol, etc.), polyhydric alcohols (eg, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, polyethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, polypropylene glycol, butylene glycol, hexane) Diol, pentanediol, glycerin, hexanetriol, thiodiglycol, etc.), polyhydric alcohol ethers (eg, ethylene glycol) Ether monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monobutyl ether, ethylene glycol monophenyl ether, diethylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, diethylene glycol dimethyl ether, propylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monobutyl ether, ethylene glycol Monomethyl ether acetate, triethylene glycol monomethyl ether, triethylene glycol monoethyl ether, triethylene glycol monobutyl ether, triethylene glycol dimethyl ether, dipropylene glycol monopropyl ether, tripropylene glycol dimethyl ester Ethers), amines (eg, ethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, N-methyldiethanolamine, N-ethyldiethanolamine, morpholine, N-ethylmorpholine, ethylenediamine, diethylenediamine, triethylenetetramine, tetraethylenepentamine, polyethylene Imines, pentamethyldiethylenetriamine, tetramethylpropylenediamine, etc.), amides (eg, formamide, N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, etc.), heterocyclics (eg, 2-pyrrolidone, N-methyl- 2-pyrrolidone, N-cyclohexyl-2-pyrrolidone, 2-oxazolidone, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone, etc.), sulfoxides (for example, dimethylsulfoxy) ), Sulfones (for example, sulfolane), sulfonates (for example, 1-butanesulfonic acid sodium salt), urea, acetonitrile, acetone and the like.
[0089]
Various surfactants can be used in the water-based ink according to the present invention. Each surfactant that can be used in the present invention is not particularly limited, and examples thereof include anionic surfactants such as dialkyl sulfosuccinates, alkyl naphthalene sulfonates, fatty acid salts, polyoxyethylene alkyl ethers, polyoxyethylene alkyl ethers, and the like. Nonionic surfactants such as oxyethylene alkyl allyl ethers, acetylene glycols, polyoxyethylene / polyoxypropylene block copolymers, and cationic surfactants such as alkylamine salts and quaternary ammonium salts. In particular, an anionic surfactant and a nonionic surfactant can be preferably used.
[0090]
In the present invention, a polymer surfactant can also be used. For example, styrene-acrylic acid-acrylic acid alkyl ester copolymer, styrene-acrylic acid copolymer, styrene-maleic acid-acrylic acid alkyl ester. Copolymer, styrene-maleic acid copolymer, styrene-methacrylic acid-acrylic acid alkyl ester copolymer, styrene-methacrylic acid copolymer, styrene-maleic acid half ester copolymer, vinylnaphthalene-acrylic acid copolymer Examples thereof include vinyl compounds and vinyl naphthalene-maleic acid copolymers.
[0091]
In the present invention, the water-based ink can contain a water-soluble polymer or a water-insoluble polymer dispersion.
[0092]
Preferable examples of the water-soluble polymer include natural polymers. Specific examples thereof include proteins such as glue, gelatin, casein, or albumin, natural rubbers such as gum arabic or tragacanth rubber, saponins and the like. Examples include glucosides, alginic acid and alginic acid propylene glycol ester, alginic acid derivatives such as triethanolamine alginate, or ammonium alginate, and cellulose derivatives such as methylcellulose, carboxymethylcellulose, hydroxyethylcellulose, or ethylhydroxylcellulose.
[0093]
Further, preferred examples of water-soluble polymers include synthetic polymers, such as polyvinyl alcohols, polyvinyl pyrrolidones, polyacrylic acid, acrylic acid-acrylonitrile copolymers, potassium acrylate-acrylonitrile copolymers, vinyl acetate. -Acrylic resin such as acrylic acid ester copolymer or acrylic acid-acrylic acid ester copolymer, styrene-acrylic acid copolymer, styrene-methacrylic acid copolymer, styrene-methacrylic acid-acrylic acid ester copolymer Styrene acrylic acid resin, styrene-maleic acid copolymer, styrene-anhydride such as styrene-α-methylstyrene-acrylic acid copolymer, or styrene-α-methylstyrene-acrylic acid-acrylic acid ester copolymer Maleic acid copolymer, vinyl naphthalene-a Crylic acid copolymer, vinyl naphthalene-maleic acid copolymer, vinyl acetate-ethylene copolymer, vinyl acetate-fatty acid vinyl ethylene copolymer, vinyl acetate-maleic acid ester copolymer, vinyl acetate-crotonic acid copolymer Examples include polymers, vinyl acetate copolymers such as vinyl acetate-acrylic acid copolymers, and salts thereof. Among these, polyvinylpyrrolidones are particularly preferable examples.
[0094]
The molecular weight of the water-soluble polymer is preferably 1,000 or more and 200,000 or less. Furthermore, 3,000 or more and 20,000 or less are more preferable. If it is less than 1,000, the effect of suppressing the growth and aggregation of colored fine particles is reduced, and if it exceeds 200,000, problems such as an increase in viscosity and poor dissolution tend to occur.
[0095]
The addition amount of the water-soluble polymer is preferably 10% by mass or more and 1,000% by mass or less with respect to the dye. Furthermore, 50 mass% or more and 200 mass% or less are more preferable. If it is less than 10% by mass, the effect of suppressing the growth and aggregation of the colored fine particles is reduced, and if it exceeds 1000% by mass, problems such as increased viscosity and poor dissolution tend to occur.
[0096]
Further, the water-insoluble polymer dispersion (hereinafter, also referred to as latex) that can be used in the present invention is not particularly limited, and examples thereof include styrene-butadiene copolymer, polystyrene, acrylonitrile-butadiene copolymer, and acrylic acid. Examples thereof include latex such as ester copolymer, polyurethane, silicon-acrylic copolymer, and acrylic-modified fluorine grease. The latex may be obtained by dispersing polymer particles using an emulsifier, or may be dispersed without using an emulsifier. A surfactant is often used as an emulsifier, but a polymer having a water-soluble group such as a sulfonic acid group or a carboxylic acid group (for example, a polymer in which a solubilizing group is graft-bonded, a single group having a solubilizing group). It is also preferable to use a polymer obtained from a monomer and a monomer having an insoluble part.
[0097]
In the water-based ink according to the present invention, it is particularly preferable to use soap-free latex. Soap-free latex is a latex that does not use an emulsifier and a polymer having a water-soluble group such as a sulfonic acid group or a carboxylic acid group (for example, a polymer in which a solubilizing group is graft-bonded, a solubilizing group) A polymer obtained from a monomer having an insoluble part and a monomer having an insoluble part).
[0098]
In recent years, as latex polymer particles, there are latexes in which core-shell type polymer particles with different compositions at the center and outer edge of the particles are dispersed, in addition to latex in which polymer particles that are uniform throughout the particle are dispersed. This type of latex can also be preferably used.
[0099]
In the water-based ink according to the present invention, the average particle size of the polymer particles in the latex is 10 nm or more and 300 nm or less, and more preferably 10 nm or more and 100 nm or less. When the average particle size of the latex exceeds 300 nm, the glossiness of the image is deteriorated, and when it is less than 10 nm, the water resistance and scratch resistance become insufficient. The average particle size of the polymer particles in the latex can be determined by a commercially available particle size measuring instrument using a light scattering method, an electrophoresis method, or a laser Doppler method.
[0100]
In the water-based ink according to the present invention, the latex is added so that the solid content is 0.1% by mass or more and 20% by mass or less based on the total mass of the ink. It is particularly preferable that the content be 5% by mass or more and 10% by mass or less. If the solid content of the latex is less than 0.1% by mass, it is difficult to exert a sufficient effect on water resistance, and if it exceeds 20% by mass, the viscosity of the ink increases over time or the dispersion of the colored fine particles Problems often occur in terms of ink storage stability, such as an increase in particle size.
[0101]
In the water-based ink according to the present invention, in addition to the above description, if necessary, according to the purpose of improving the emission stability, print head and ink cartridge compatibility, storage stability, image storage stability, and other various performances. Various known additives such as a viscosity modifier, a specific resistance modifier, a film forming agent, an ultraviolet absorber, an antioxidant, a discoloration inhibitor, an antifungal agent, and a rust inhibitor can be appropriately selected and used. For example, oil droplet fine particles such as liquid paraffin, dioctyl phthalate, tricresyl phosphate, silicone oil, ultraviolet absorbers described in JP-A-57-74193, JP-A-57-87988, and JP-A-62-261476, As described in JP-A-57-74192, JP-A-57-87989, JP-A-60-72785, JP-A-61-146591, JP-A-1-95091 and JP-A-3-13376. Anti-fading agents, fluorescent whitening agents described in JP-A-59-42993, JP-A-59-52689, JP-A-62-280069, JP-A-61-228771, JP-A-4-219266, etc. Can be mentioned.
[0102]
Next, the recording medium according to the present invention will be described.
In general, the ink absorption layer is roughly classified into a swelling type and a void type.
[0103]
As the swelling type, a water-soluble binder is used, for example, gelatin, polyvinyl alcohol, polyvinyl pyrrolidone, polyethylene oxide or the like is applied alone or in combination, and this is used as an ink absorbing layer.
[0104]
As the void type, a mixture of fine particles and a water-soluble binder is applied and particularly glossy is preferable. As the fine particles, alumina or silica is preferable, and those using silica having a particle size of 0.1 μm or less are particularly preferable. As the water-soluble binder, gelatin, polyvinyl alcohol, polyvinyl pyrrolidone, polyethylene oxide or the like is preferably used alone or in combination.
[0105]
Of the above two types, in order to adapt to continuous high-speed printing, it is suitable that the ink absorption speed of the recording medium is faster. From this point, the void type can be particularly preferably used in the present invention.
[0106]
Hereinafter, the void type ink absorbing layer will be described in more detail.
The void layer is mainly formed by soft aggregation of a hydrophilic binder and inorganic fine particles. Conventionally, various methods for forming voids in a film are known. For example, a uniform coating solution containing two or more kinds of polymers is coated on a support, and these polymers are phase-separated from each other in the drying process. A method of forming voids by applying a coating liquid containing solid fine particles and a hydrophilic or hydrophobic resin on a support, and after drying, the inkjet recording paper is immersed in water or a liquid containing an appropriate organic solvent. , A method of creating voids by dissolving solid fine particles, a method of forming voids in a film by applying a coating liquid containing a compound having a property of foaming during film formation, and then foaming this compound in the drying process, porous A coating solution containing porous solid fine particles and a hydrophilic binder on a support to form voids in the porous fine particles or between the fine particles; The coating liquid containing the solid particles and or particulate oil and a hydrophilic binder is coated on a support having a method or the like to form an air gap between the solid particles are known. In the present invention, it is particularly preferable that the void layer is formed by containing various inorganic solid fine particles having an average particle diameter of 100 nm or less.
[0107]
Examples of the inorganic fine particles used for the above purpose include light calcium carbonate, heavy calcium carbonate, magnesium carbonate, kaolin, clay, talc, calcium sulfate, barium sulfate, titanium dioxide, zinc oxide, zinc hydroxide, zinc sulfide. , Zinc carbonate, hydrotalcite, aluminum silicate, diatomaceous earth, calcium silicate, magnesium silicate, synthetic amorphous silica, colloidal silica, alumina, colloidal alumina, pseudoboehmite, aluminum hydroxide, lithopone, zeolite, magnesium hydroxide, etc. A white inorganic pigment etc. can be mentioned.
[0108]
The average particle size of the inorganic fine particles is determined by observing the particles themselves or the particles appearing on the cross section or surface of the void layer with an electron microscope, measuring the particle size of 1,000 arbitrary particles, and calculating the simple average value (number average). ). Here, the particle diameter of each particle is represented by a diameter assuming a circle equal to the projected area.
[0109]
As the inorganic fine particles, it is preferable to use silica and solid fine particles selected from alumina or alumina hydrate.
[0110]
As the silica that can be used in the present invention, silica synthesized by a usual wet method, colloidal silica, silica synthesized by a gas phase method, or the like is preferably used. Colloidal silica or fine particle silica synthesized by a gas phase method is preferable. Among them, fine particle silica synthesized by a gas phase method not only provides a high porosity but also a cationic polymer used for the purpose of immobilizing a dye. When added to, it is preferable because coarse aggregates are hardly formed. Alumina or alumina hydrate may be crystalline or amorphous, and any shape such as amorphous particles, spherical particles, and acicular particles can be used.
[0111]
The inorganic fine particles are preferably in a state where the fine particle dispersion before mixing with the cationic polymer is dispersed to the primary particles.
[0112]
The inorganic fine particles preferably have a particle size of 100 nm or less. For example, in the case of the above vapor phase method fine particle silica, the average particle size of primary particles of inorganic fine particles dispersed in a primary particle state (particle size in a dispersion state before coating) is preferably 100 nm or less, More preferably, it is 4-50 nm, Most preferably, it is 4-20 nm.
[0113]
As the silica synthesized by the vapor phase method in which the average particle diameter of primary particles is 4 to 20 nm, which is most preferably used, for example, Aerosil manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd. is commercially available. The vapor phase fine particle silica can be dispersed to primary particles relatively easily by being sucked and dispersed in water, for example, by a jet stream inductor mixer manufactured by Mitamura Riken Kogyo Co., Ltd.
[0114]
In the present invention, the ink absorption layer can contain a water-soluble binder. Examples of the water-soluble binder that can be used in the present invention include polyvinyl alcohol, gelatin, polyethylene oxide, polyvinyl pyrrolidone, polyacrylic acid, polyacrylamide, polyurethane, dextran, dextrin, color ginnan (κ, ι, λ, etc.), agar , Pullulan, water-soluble polyvinyl butyral, hydroxyethyl cellulose, carboxymethyl cellulose and the like. Two or more of these water-soluble binders can be used in combination.
[0115]
The water-soluble binder preferably used in the present invention is polyvinyl alcohol.
[0116]
The polyvinyl alcohol preferably used in the present invention includes, in addition to ordinary polyvinyl alcohol obtained by hydrolyzing polyvinyl acetate, modified polyvinyl alcohol such as polyvinyl alcohol having a cation-modified terminal and anion-modified polyvinyl alcohol having an anionic group. Alcohol is also included.
[0117]
The polyvinyl alcohol obtained by hydrolyzing vinyl acetate preferably has an average degree of polymerization of 1,000 or more, and particularly preferably has an average degree of polymerization of 1,500 to 5,000. The degree of saponification is preferably 70 to 100%, particularly preferably 80 to 99.5%.
[0118]
Examples of the cation-modified polyvinyl alcohol have primary to tertiary amino groups and quaternary ammonium groups in the main chain or side chain of the polyvinyl alcohol as described in JP-A-61-110483. Polyvinyl alcohol, which is obtained by saponifying a copolymer of an ethylenically unsaturated monomer having a cationic group and vinyl acetate.
[0119]
Examples of the ethylenically unsaturated monomer having a cationic group include trimethyl- (2-acrylamido-2,2-dimethylethyl) ammonium chloride and trimethyl- (3-acrylamido-3,3-dimethylpropyl) ammonium chloride. N-vinylimidazole, N-vinyl-2-methylimidazole, N- (3-dimethylaminopropyl) methacrylamide, hydroxylethyltrimethylammonium chloride, trimethyl- (2-methacrylamidopropyl) ammonium chloride, N- (1, 1-dimethyl-3-dimethylaminopropyl) acrylamide and the like.
[0120]
The ratio of the cation-modified group-containing monomer of the cation-modified polyvinyl alcohol is 0.1 to 10 mol%, preferably 0.2 to 5 mol%, relative to vinyl acetate.
[0121]
Anion-modified polyvinyl alcohol is, for example, polyvinyl alcohol having an anionic group as described in JP-A-1-2060888, as described in JP-A-61-237681 and JP-A-63-330779, Examples thereof include a copolymer of vinyl alcohol and a vinyl compound having a water-soluble group, and modified polyvinyl alcohol having a water-soluble group as described in JP-A-7-285265.
[0122]
Nonionic modified polyvinyl alcohol is, for example, a polyvinyl alcohol derivative obtained by adding a polyalkylene oxide group to a part of vinyl alcohol as described in JP-A-7-9758, and described in JP-A-8-25595. And a block copolymer of a vinyl compound having a hydrophobic group and vinyl alcohol. Polyvinyl alcohol can be used in combination of two or more, such as the degree of polymerization and the type of modification.
[0123]
The amount of inorganic fine particles used in the ink absorption layer depends largely on the required ink absorption capacity, the void ratio of the void layer, the type of inorganic pigment, and the type of water-soluble binder.2Usually, it is 5-30 g, preferably 10-25 g.
[0124]
Further, the ratio of the inorganic fine particles and the water-soluble binder used in the ink absorbing layer is usually 2: 1 to 20: 1 by mass ratio, and particularly preferably 3: 1 to 10: 1.
[0125]
Further, a cationic water-soluble polymer having a quaternary ammonium base in the molecule may be contained, and the inkjet recording paper 1 m2Usually, it is used in the range of 0.1 to 10 g, preferably 0.2 to 5 g.
[0126]
In the void layer, the total amount of voids (void volume)2It is preferably 20 ml or more per unit. The void volume is 20ml / m2If the amount of ink is less, the ink absorptivity is good when the amount of ink at the time of printing is small, but if the amount of ink increases, the ink is not completely absorbed, resulting in a decrease in image quality or a delay in drying. The problem is likely to occur.
[0127]
In the void layer having ink retention ability, the void volume relative to the solid content volume is referred to as a void ratio. In the present invention, it is preferable to set the porosity to 50% or more because the voids can be efficiently formed without unnecessarily increasing the film thickness.
[0128]
In addition to forming an ink absorbing layer using inorganic fine particles as another type of void type, a polyurethane resin emulsion, a water-soluble epoxy compound and / or acetoacetylated polyvinyl alcohol are used in combination with an epichlorohydrin polyamide resin The ink absorbing layer may be formed using the applied coating liquid. The polyurethane resin emulsion in this case is preferably a polyurethane resin emulsion having a polycarbonate chain, a polycarbonate chain and a polyester chain and a particle diameter of 3.0 μm, and the polyurethane resin of the polyurethane resin emulsion is a polyol having a polycarbonate polyol, a polycarbonate polyol and a polyester polyol. Further, the polyurethane resin obtained by reacting the aliphatic isocyanate compound with an aliphatic isocyanate compound has a sulfonic acid group in the molecule, and further has an epichlorohydrin polyamide resin, a water-soluble epoxy compound and / or an acetoacetylated vinyl alcohol. preferable. In the ink absorption layer using the polyurethane resin, it is estimated that a weak aggregation of a cation and an anion is formed, and accordingly, a void having an ink solvent absorption ability is formed, so that an image can be formed.
[0129]
In the present invention, it is preferable to use a curing agent. The curing agent can be added at any time during the production of the ink jet recording medium. For example, the curing agent may be added to the coating liquid for forming the ink absorbing layer.
[0130]
In the present invention, a method of supplying a water-soluble binder curing agent after forming the ink absorbing layer may be used alone, but preferably, the above-mentioned curing agent is added to the coating liquid for forming the ink absorbing layer. It is to be used in combination with the method.
[0131]
The curing agent that can be used in the present invention is not particularly limited as long as it causes a curing reaction with a water-soluble binder, but boric acid and its salts are preferable, but other known ones can be used. Specifically, it is a compound having a group capable of reacting with a water-soluble binder or a compound that promotes the reaction between different groups of the water-soluble binder, and is appropriately selected depending on the type of the water-soluble binder. Specific examples of the curing agent include, for example, epoxy curing agents (diglycidyl ethyl ether, ethylene glycol diglycidyl ether, 1,4-butanediol diglycidyl ether, 1,6-diglycidyl cyclohexane, N, N-diglycidyl- 4-glycidyloxyaniline, sorbitol polyglycidyl ether, glycerol polyglycidyl ether, etc.), aldehyde-based curing agents (formaldehyde, glycoxal, etc.), active halogen-based curing agents (2,4-dichloro-4-hydroxy-1,3,5) -S-triazine, etc.), active vinyl compounds (1,3,5-trisacryloyl-hexahydro-s-triazine, bisvinylsulfonylmethyl ether, etc.), aluminum alum and the like.
[0132]
Boric acid or a salt thereof refers to an oxygen acid having a boron atom as a central atom and a salt thereof, specifically, orthoboric acid, diboric acid, metaboric acid, tetraboric acid, pentaboric acid, and octaboron. Examples include acids and their salts.
[0133]
Boric acid having a boron atom and a salt thereof as a curing agent may be used alone or in combination of two or more. Particularly preferred is a mixed aqueous solution of boric acid and borax.
[0134]
The aqueous solutions of boric acid and borax can be added only in relatively dilute aqueous solutions, respectively, but by mixing them both can be made into a concentrated aqueous solution and the coating solution can be concentrated. Further, there is an advantage that the pH of the aqueous solution to be added can be controlled relatively freely.
[0135]
The total amount of the curing agent used is preferably 1 to 600 mg per 1 g of the water-soluble binder.
[0136]
The invention according to claim 8 is characterized in that the outermost layer of the recording medium contains a thermoplastic resin.
[0137]
Although the preferable structural example for demonstrating the outermost layer said by this invention is enumerated below, the layer structure which concerns on this invention is not limited only to these.
[0138]
1: A structure having a void-type ink absorbing layer on a support, and a layer containing a thermoplastic resin or an inorganic pigment and a thermoplastic resin on the support is an outermost layer
2: A thin layer intended to improve surface properties is formed on a layer having a void-type ink absorbing layer on a support and a thermoplastic resin or an inorganic pigment and a thermoplastic resin on the layer. Configuration provided
3: UV absorbing function for the purpose of cutting harmful light on a layer containing a void-type ink absorbing layer on a support and containing a thermoplastic resin or an inorganic pigment and a thermoplastic resin on the layer. With a thin layer having
4: A structure in which a void-type ink absorbing layer is provided on a support, and a layer containing a matting agent is provided on a layer containing a thermoplastic resin or an inorganic pigment and a thermoplastic resin.
5: A structure in which a void-type ink absorbing layer is provided on a support, and a peelable layer is provided on a layer containing a thermoplastic resin or an inorganic pigment and a thermoplastic resin.
[0139]
The most preferable configuration among the configuration examples described above is a case where the layer containing the inorganic pigment and the thermoplastic resin according to the item 1 in which the effect of the present invention can be most exerted is the outermost layer.
[0140]
The outermost layer containing the thermoplastic resin according to the present invention may contain an inorganic pigment, a thermoplastic resin, and a binder component if necessary.
[0141]
As an inorganic pigment, it can select from the inorganic fine particle which can be used for the above-mentioned void layer.
[0142]
For example, light calcium carbonate, heavy calcium carbonate, magnesium carbonate, kaolin, clay, talc, calcium sulfate, barium sulfate, titanium dioxide, zinc oxide, zinc hydroxide, zinc sulfide, zinc carbonate, hydrotalcite, aluminum silicate, diatomaceous earth Examples include white inorganic pigments such as earth, calcium silicate, magnesium silicate, synthetic amorphous silica, colloidal silica, alumina, colloidal alumina, pseudoboehmite, aluminum hydroxide, lithopone, zeolite, and magnesium hydroxide.
[0143]
As the preferable inorganic pigment, solid fine particles selected from silica and alumina or alumina hydrate are preferably used, and silica is more preferable.
[0144]
As the silica, silica synthesized by a usual wet method, colloidal silica, silica synthesized by a gas phase method, or the like is preferably used. As the fine particle silica particularly preferably used in the present invention, colloidal silica or a gas phase method is used. The fine particle silica synthesized by the vapor phase method is preferable. Among them, the fine particle silica synthesized by the gas phase method not only provides a high porosity, but also a coarse aggregate when added to a cationic polymer used for immobilizing a dye. Is preferable because it is difficult to form. Alumina or alumina hydrate may be crystalline or amorphous, and any shape such as amorphous particles, spherical particles, and acicular particles can be used. As the inorganic pigment, silica and alumina are preferably used, and silica is more preferable among them.
[0145]
The inorganic pigment is preferably in a state where the fine particle dispersion before mixing with the cationic polymer is dispersed to the primary particles.
[0146]
The inorganic pigment preferably has a particle size of 100 nm or less. For example, in the case of vapor phase method fine particle silica, the average particle size (particle size in the dispersion state before coating) of the inorganic pigment dispersed in the primary particle state is preferably 100 nm or less, more Preferably it is 4-50 nm, Most preferably, it is 4-20 nm.
[0147]
Examples of the thermoplastic resin that can be used in the present invention include polycarbonate, polyacrylonitrile, polystyrene, polyacrylic acid, polymethacrylic acid, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, polyvinyl acetate, polyester, polyamide, polyether, These copolymers and their salts are mentioned. Among them, styrene-acrylic acid ester copolymer, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, vinyl chloride-acrylic acid ester copolymer, ethylene-vinyl acetate copolymer, ethylene-acrylic acid ester copolymer, SBR latex preferable. The thermoplastic resin may be used by mixing a plurality of polymers having different monomer compositions, particle sizes, and polymerization degrees.
[0148]
When selecting a thermoplastic resin, consideration should be given to ink acceptability, glossiness of an image after fixing by heating and pressing, image fastness and releasability.
[0149]
Regarding the ink receptivity, when the particle size of the thermoplastic resin is less than 0.05 μm, the separation of the pigment particles and the ink solvent in the pigment ink is slowed, resulting in a decrease in the ink absorption rate. On the other hand, if it exceeds 10 μm, it is not preferable from the viewpoint of the film strength and gloss deterioration of the ink jet recording medium after coating and drying. For this reason, the preferred thermoplastic resin diameter is preferably 0.05 to 10 μm, more preferably 0.1 to 5 μm. More preferably, it is 0.1-1 micrometer.
[0150]
Moreover, a glass transition point (Tg) is mentioned as a reference | standard of selection of a thermoplastic resin. When Tg is lower than the coating / drying temperature, for example, the coating / drying temperature at the time of manufacturing the recording medium is already higher than Tg and the ink solvent permeates, so the voids due to the thermoplastic resin disappear. Further, when Tg is higher than the temperature at which the support is denatured by heat, in order to melt and form a film after ink jet recording with a pigment ink, a fixing operation at high temperature is required. There is a problem with the thermal stability and the like. A preferable Tg of the thermoplastic resin is 50 to 150 ° C.
[0151]
Moreover, as minimum film-forming temperature (MFT), the thing of 50-150 degreeC is preferable. The thermoplastic resin is preferably dispersed in an aqueous system from the viewpoint of environmental suitability, and an aqueous latex obtained by emulsion polymerization is particularly preferable. At this time, the type obtained by emulsion polymerization using a nonionic dispersant as an emulsifier is a form that can be preferably used. The thermoplastic resin to be used is preferably less residual monomer component from the viewpoint of odor and safety, preferably 3% by mass or less, more preferably 1% by mass or less, based on the solid content of the polymer. Preferably it is 0.1 mass% or less.
[0152]
In the case of the outermost layer containing the thermoplastic resin, the solid content mass ratio of the thermoplastic resin / inorganic pigment can be selected from the range of 90/10 to 10/90, preferably 70/30 to 30/70. More preferably, it is in the range of 60/40 to 40/60.
[0153]
In the present invention, the solid content of the thermoplastic resin contained in the outermost layer is 2 g / m.220 g / m2Or less, more preferably 2 to 15 g / m.2, More preferably 2.5 to 10 g / m2Range. When the solid content of the thermoplastic resin is too small, a sufficient film cannot be formed, and the pigment cannot be sufficiently dispersed in the film. For this reason, image quality and gloss are not sufficiently improved. On the other hand, if the amount of the solid content of the thermoplastic resin is too large, the thermoplastic resin cannot be completely formed into a film in a short heating process, and the fine particles remain as they are, and the opacity is changed and the image quality is lowered. In addition, the ink absorption speed is also lowered, causing blurring at the boundary, which becomes a problem.
[0154]
The outermost surface coating liquid containing the thermoplastic resin may be obtained by dispersing the thermoplastic resin and the inorganic pigment at the same time, or may be a method of mixing each dispersion prepared at the time of preparing the coating liquid.
[0155]
As a support that can be used in the present invention, a support conventionally used for an ink jet recording medium, for example, a paper support such as plain paper, art paper, coated paper, and cast coated paper, a plastic support, and both sides are used. A paper support coated with polyolefin and a composite support obtained by bonding them together can be appropriately selected and used.
[0156]
In the recording medium according to the present invention, for the purpose of increasing the adhesive strength between the support and the ink absorbing layer, the support is preferably subjected to corona discharge treatment or subbing treatment prior to the application of the ink absorbing layer. . Furthermore, the recording medium according to the present invention is not necessarily colorless, and may be a colored recording paper.
[0157]
In the recording medium according to the present invention, it is particularly preferable to use a paper support obtained by laminating both sides of a base paper support with polyethylene or the like because the recorded image is close to photographic image quality and a high-quality image can be obtained at low cost. . A paper support laminated with such polyethylene will be described below.
[0158]
The base paper used for the paper support is made from wood pulp as a main raw material, and if necessary, paper is made using synthetic pulp such as polypropylene or synthetic fibers such as nylon or polyester in addition to wood pulp. As wood pulp, any of LBKP, LBSP, NBKP, NBSP, LDP, NDP, LUKP, and NUKP can be used, but it is preferable to use more LBKP, NBSP, LBSP, NDP, and LDP with a large amount of short fibers. . However, the ratio of LBSP and / or LDP is preferably 10% by mass or more and 70% by mass or less.
[0159]
As the above-mentioned pulp, chemical pulp (sulfate pulp or sulfite pulp) with few impurities is preferably used, and a pulp whose whiteness is improved by performing a bleaching treatment is also useful. In the base paper, sizing agents such as higher fatty acids and alkyl ketene dimers, white pigments such as calcium carbonate, talc and titanium oxide, paper strength enhancing agents such as starch, polyacrylamide and polyvinyl alcohol, fluorescent whitening agents, polyethylene glycols A water retaining agent such as a dispersant, a softening agent such as a quaternary ammonium, and the like can be appropriately added.
[0160]
The freeness of the pulp used for papermaking is preferably 200 to 500 ml as defined by CSF, and the fiber length after beating is 24% by weight as defined in JIS-P-8207 and 42 mesh residue. 30 to 70% of the sum with the mass% of is preferable. In addition, it is preferable that the mass% of 4 mesh remainder is 20 mass% or less. The basis weight of the base paper is 30 to 250 g / m2In particular, 50 to 200 g / m2Is preferred. The thickness of the base paper is preferably 40 to 250 μm. The base paper can be given a high smoothness by calendering at the paper making stage or after paper making. Base paper density is 0.7-1.2g / m2(JIS-P-8118) is common. Furthermore, the base paper stiffness is preferably 20 to 200 g under the conditions specified in JIS-P-8143. A surface sizing agent may be applied to the surface of the base paper. As the surface sizing agent, a sizing agent similar to the size that can be added to the base paper can be used. The pH of the base paper is preferably 5 to 9 when measured by a hot water extraction method defined in JIS-P-8113.
[0161]
The polyethylene that covers the front and back of the base paper is mainly low-density polyethylene (LDPE) and / or high-density polyethylene (HDPE), but in addition, some LLDPE (linear low-density polyethylene), polypropylene, etc. should be used. Can do. In particular, the polyethylene layer on the ink absorbing layer side is preferably one in which rutile or anatase type titanium oxide is added to polyethylene to improve opacity and whiteness, as is widely done in photographic paper. The titanium oxide content is usually 3 to 20% by mass, preferably 4 to 13% by mass, based on polyethylene.
[0162]
Polyethylene-coated paper can be used as glossy paper, or when the polyethylene is melt-extruded and coated on the surface of the base paper, a so-called molding process is performed to provide a matte surface or silky surface as obtained with ordinary photographic printing paper. A surface-formed product can also be used in the present invention.
[0163]
The amount of polyethylene used on the front and back of the base paper is selected so as to optimize curling under low and high humidity after providing a void layer and a back layer. The range is 40 μm and the back layer side is 10 to 30 μm.
[0164]
Furthermore, the polyethylene-coated paper support preferably has the following characteristics.
[0165]
1. Tensile strength: strength defined by JIS-P-8113, preferably 20 to 300N in the vertical direction and 10 to 200N in the horizontal direction.
2. Tear strength: 0.1 to 20 N in the vertical direction and 2 to 20 N in the horizontal direction are preferred according to the method specified in JIS-P-8116.
3. Compression modulus ≧ 98.1 MPa
4). Surface Beck smoothness: 20 seconds or more is preferable as a glossy surface under the conditions specified in JIS-P-8119, but it may be less than this for so-called molded products.
5. Surface roughness: The surface roughness specified in JIS-B-0601 preferably has a maximum height of 10 μm or less per reference length of 2.5 mm.
6). Opacity: when measured by the method defined in JIS-P-8138, 80% or more, particularly 85 to 98% is preferable.
7. Whiteness: L defined by JIS-Z-8729*, A*, B*But L*= 80-95, a*= -3 to +5, b*= −6 to +2 is preferable
8). Surface glossiness: 60 degree specular glossiness specified in JIS-Z-8741 is preferably 10 to 95%.
9. Clark stiffness: Clark stiffness in the conveyance direction of the recording medium is 50 to 300 cm.2/ 100 support is preferred
10. Water content of middle paper: usually 2 to 100% by weight, preferably 2 to 6% by weight, based on the middle paper
Next, the manufacturing method of the inkjet recording medium of this invention is demonstrated.
[0166]
As a method for producing an ink jet recording medium, each constituent layer including an ink absorbing layer can be produced by individually or simultaneously selecting from a known coating method, coating and drying on a support. Examples of the coating method include a roll coating method, a rod bar coating method, an air knife coating method, a spray coating method, a curtain coating method, or US Pat. Nos. 2,761,419 and 2,761,791. A slide bead coating method using an hopper, an extrusion coating method, or the like is preferably used.
[0167]
When the slide bead coating method is used, the viscosity of each coating solution at the time of simultaneous multilayer coating is preferably in the range of 5 to 100 mPa · s, more preferably in the range of 10 to 50 mPa · s. Moreover, when using a curtain application | coating system, the range of 5-1200 mPa * s is preferable, More preferably, it is the range of 25-500 mPa * s.
[0168]
Further, the viscosity at 15 ° C. of the coating solution is preferably 100 mPa · s or more, more preferably 100 to 30,000 mPa · s, further preferably 3,000 to 30,000 mPa · s, and most preferably 10 , 30,000 to 30,000 mPa · s.
[0169]
As a coating and drying method, the coating liquid is heated to 30 ° C. or more, and after simultaneous multi-layer coating, the temperature of the formed coating film is once cooled to 1 to 15 ° C. and dried at 10 ° C. or more. Is preferred. It is preferable to prepare, apply and dry the coating liquid at a temperature equal to or lower than Tg of the thermoplastic resin so that the thermoplastic resin contained in the outermost layer does not form a film at the time of preparing the coating liquid, at the time of coating and at the time of drying. . More preferably, the drying conditions are a wet bulb temperature of 5 to 50 ° C. and a film surface temperature of 10 to 50 ° C. Moreover, as a cooling method immediately after application | coating, it is preferable to carry out by a horizontal set system from a viewpoint of the formed coating-film uniformity.
[0170]
Next, the inkjet image forming method of the present invention will be described.
In the invention according to claim 7, an image is formed on a recording medium by an ink set comprising an ink containing colored fine particles and an ink containing a pigment, and then subjected to heat treatment, pressure treatment, or heat / pressure treatment to form an image. In the invention according to claim 8, an image is recorded using the ink set and an ink jet recording medium containing a thermoplastic resin in the outermost layer, and then the image is subjected to a heat treatment, a pressure treatment or a heat treatment. -It is characterized by pressurization to form an image.
[0171]
In a preferred embodiment of the inkjet image forming method of the present invention, a resin constituting the colored fine particles contained in the ink set, or a thermoplastic resin contained in the outermost layer of the recording medium, by heating and pressurizing after image recording, It is to form a film by melting and compression. The purpose of the heat treatment is to improve water resistance, light resistance, fading resistance, and bleeding resistance by melting and forming a resin that forms the colored fine particles contained in the ink set or the thermoplastic resin in the recording medium. To do. In the heat treatment, the amount of heat or pressure necessary to almost completely melt and form a film of the thermoplastic resin in the recording medium, or the thermoplastic resin in the recording medium, or heat and pressure are simultaneously applied. On the other hand, for shortening the processing time, it is desirable to heat and press in a short time, and the color contained in the ink set is within the range where there is no substantial difference in image quality. It is not necessary to complete the melting and film-forming treatment of the resin constituting the fine particles or the thermoplastic resin.
[0172]
In order to provide the necessary amount of heat in a short period of time, it is desirable to heat using a heat source as high as possible. However, if the temperature is excessively high, the support will be damaged, severe curling will occur, or the image surface will be rough, the roller Contamination may occur, and the range of 100 to 200 ° C is preferable, and the range of 100 to 150 ° C is more preferable. Moreover, as a pressure to pressurize, 9.8x10Four~ 4.9 × 106A range of Pa is preferred.
[0173]
The heating method may be performed by a heater built in the printer or by another heater. As the heating means, use of a heating roller or a heating belt is suitable for preventing unevenness and performing continuous processing in a small space. In addition, diverting an electrophotographic heat fixing device is advantageous in terms of cost. For example, a method of heating and pressurizing by passing a recording medium between a heating roller containing a heating element and a pressure roller, a method of heat-treating a recording medium between two heating rollers, or a pair of heating rollers There is a method in which a fixing belt is provided between them and heat treatment is performed.
[0174]
A heating roller consists of a hollow roller, and rotates with a drive means. In the roller, as a heat source, for example, a heating element made of a halogen lamp heater, a ceramic heater, nichrome wire or the like is incorporated. The roller is preferably made of a material having high heat conductivity, and particularly preferably a metal roller. The roller surface is preferably coated with a fluororesin to prevent contamination. In addition, a silicon rubber roller coated with heat-resistant silicon can be used.
[0175]
When the heating roller is used, the conveyance speed of the recording medium is preferably in the range of 1 to 15 mm / second. This was found to be preferable from the viewpoint of improving the image quality in addition to the viewpoint of high-speed processing. Furthermore, in order to obtain a high texture and gloss, it is preferable to apply pressure at the same time as or immediately after heating. As a pressure to pressurize, 9.8 × 10Four~ 4.9 × 106A range of Pa is preferred. This is because film formation is promoted by pressurization.
[0176]
FIG. 1 shows an example of an ink jet recording apparatus having a heating roller that can be used in the present invention. FIG. 2 shows another example of an ink jet recording apparatus having a heating belt that can be used in the present invention.
[0177]
【Example】
Example 1
<< Preparation of colored fine particle dispersion >>
Colored fine particle dispersions 1 to 6 shown in Table 1 were prepared. An example of preparing a magenta colored fine particle dispersion is shown below as an example.
[0178]
<Preparation Example 1: Preparation of colored
10.0 g of polyvinyl butyral (P-3: BL-S manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.), 10.0 g of magenta dye (MA) and 150 g of ethyl acetate are placed in a separable flask, and the inside of the flask is replaced with nitrogen gas. Thereafter, the polyvinyl butyral and the magenta dye were completely dissolved by stirring. Next, 130 g of an aqueous solution containing 1.5 g of sodium lauryl sulfate was added dropwise and stirred, and then emulsified for 300 seconds using Clearmix W Motion CLM-0.8W (M Technique). Thereafter, ethyl acetate was removed under reduced pressure to obtain a core-type colored fine particle dispersion impregnated with a magenta dye. Next, 0.5 g of potassium persulfate was added and dissolved therein, and after heating to 70 ° C. with a heater, a mixture of 7.5 g of styrene and 2.5 g of 2-hydroxyethyl methacrylate was further added. The core shell type colored
[0179]
<Preparation of other colored fine particle dispersions>
Other colored fine particle dispersions were also prepared by changing the type of dye, the type of core polymer, the concentration of the surfactant, and the composition of the shell polymer as shown in Table 1 in accordance with the preparation of the colored
[0180]
The details of the compound abbreviations listed in Table 1 are as follows.
Dye YA: FS Yellow 1015 (Arimoto Chemical)
Dye YB: 1: 1 mixture of FS Yellow 1015 (Arimoto Chemical) and Oil Yellow 129 (Orient Chemical)
Dye CA: Kayset K-FL (Nippon Kayaku)
Dye C-B: FS Blue 1504 (Arimoto Chemical)
P-1: Polyvinyl butyral (KS-10 manufactured by Sekisui Chemical)
P-2: Polyvinyl butyral (# 3000-K manufactured by Electrochemical)
P-3: Polyvinyl butyral (BL-S Sekisui Chemical)
P-4: Polyvinyl butyral (BL-10 manufactured by Sekisui Chemical)
SDS: Sodium dodecylbenzenesulfonate
P-5: Styrene / 2-hydroxyethyl methacrylate = 75/25
P-6: Styrene / 2-hydroxyethyl methacrylate / 2-ethylhexyl acrylate = 50/25/25
P-7: Styrene / 2-hydroxyethyl methacrylate / butyl acrylate = 40/20/40
[0181]
[Chemical 1]
[0182]
[Table 1]
[0183]
[Preparation of each color ink]
Using the colored fine particle dispersions prepared above, inks Y1 to C3 were prepared according to the configuration shown in Table 2. In the preparation of each ink, each magenta colored fine particle dispersion was prepared by adding pure water, the ink solvent described in Table 2, and the surfactant so as to have the concentrations described in Table 2. In addition, the addition amount of each colored fine particle dispersion was appropriately adjusted so that the color material concentration in the ink became the concentration shown in Table 2. However, when the color material concentration in the dispersion was insufficient and could not be adjusted to the specified color material concentration, the colored fine particle dispersion was re-prepared by removing and concentrating water under reduced pressure.
[0184]
The details of the compound abbreviations described in Table 2 are as follows.
EG: Ethylene glycol
gly: glycerin
TEGBE: Triethylene glycol monobutyl ether
SA-1: Olphine E1010 (Nonshin Chemical, nonionic surfactant)
[0185]
[Table 2]
[0186]
《Image creation and evaluation》
(Preparation of ink set)
Each ink prepared above was refilled into a genuine ink cartridge for color ink jet printer MC2000 (manufactured by Epson) so as to have the combinations shown in Table 3, and ink sets 1 to 10 were produced. Also, genuine ink that is pigment ink for MC2000 (manufactured by Epson) [* 1: genuine ink Y, * 2: genuine ink M (dark ink), * 3: genuine ink LM (light ink), * 4: genuine ink C (Dark ink), * 5: Genuine ink LC (Light ink), * 6: Genuine K (Black) ink) are used in the combinations shown in Table 3, and the ink set 10 is made of pure pigment ink. It became the composition which becomes.
[0187]
[Table 3]
[0188]
(Image output)
Using the ink sets 1 to 10 produced above as a recording medium, K, Konica Inkjet Paper Photo-like QP (hereinafter abbreviated as Photo-like QP), a color inkjet printer MC2000 (manufactured by Epson), Y, M, Wedge image (output in 3cm x 3cm patch form for each density) with each output density of C, B, G, R and gray divided into 16 steps between 0% and 100% and published by the Japan Standards Association High-definition color digital standard image data “N5 bicycle” (issued in December 1995) was used as the output image. The same image was output on Konica color QA paper type A7 using a digital minilab QD-21 PLUS (manufactured by Konica) and developed to produce a color silver salt photographic image for comparison.
[0189]
<Evaluation of output image>
Each output image produced as described above was evaluated according to the method described below.
[0190]
(Evaluation of color reproducibility)
About the output image of the output “N5 / bicycle”, the redness of the fruits in the image and the green reproducibility of the plants were evaluated according to the following criteria by visual observation using 20 general panelists selected arbitrarily. went. The viewing distance at the time of evaluation was 300 to 400 mm, and the illuminance was 1000 ± 50 lux.
[0191]
4). More than 16 people evaluated that they showed sufficient color reproducibility
3. 12 to 15 people rated it as having sufficient color reproducibility
2. Eight to eleven people rated it as having sufficient color reproducibility
1. Less than 7 people rated it as having sufficient color reproducibility
(Evaluation of transparency)
Each of the output wedge images was used for relative comparison with a comparative color silver salt photographic image prepared at the same time. In the evaluation, the transparency (color turbidity) of each image was visually observed by 20 general panelists arbitrarily selected for each color image described in parentheses in Table 4, and evaluated according to the following criteria. The viewing distance at the time of evaluation was 300 to 400 mm, and the illuminance was 1000 ± 50 lux.
[0192]
A. More than 16 people rated it as equivalent to color silver halide photographic images
B. 12-15 people rated it as equivalent to a color silver halide photographic image
C. 8 to 11 people rated it as equivalent to a color silver halide photographic image
D. Less than 7 people rated it as equivalent to a color silver halide photographic image
Table 4 shows the results obtained as described above.
[0193]
[Table 4]
[0194]
As is clear from Table 4, the image formed by the ink set of the present invention showed good color reproducibility and transparency with respect to the comparative image. Since there are few pigments that can achieve both color tone (color reproducibility) and light fastness, color materials are currently selected at the expense of either. This is particularly noticeable in yellow and magenta color materials. The comparative ink used in the present invention is not described in this example, but although it has good light resistance, the color reproducibility is inferior as shown in Table 4. is the current situation. On the other hand, when using ink having colored fine particles, a color material having a good color tone is selected, and the light resistance can be maintained by coating the surface with a resin, resulting in light resistance and color reproducibility. Can be achieved. Further, in the ink having colored fine particles, since the coloring material is in a dissolved state, it is clear from the results shown in Table 4 that it exhibits very good transparency.
[0195]
Example 2
<Production of recording medium>
An ink jet recording medium was prepared according to the following procedure.
[0196]
[Preparation of inorganic fine particle dispersion]
(Preparation of silica dispersion-1)
125 kg of gas phase method silica (Tokuyama: QS-20) having an average primary particle size of about 0.012 μm was mixed with nitric acid using a jet stream inductor mixer TDS manufactured by Mitamura Riken Kogyo Co., Ltd. After being sucked and dispersed in 620 L of pure water adjusted to 2.5 at room temperature, the total amount was finished to 694 L with pure water to prepare silica dispersion-1.
[0197]
(Preparation of silica dispersion-2)
69.4 L of the silica dispersion-1 prepared above was added to 18 L of an aqueous solution (pH = 2.3) containing 1.14 kg of the cationic polymer (P-1), 2.2 L of ethanol, and 1.5 L of n-propanol. Then, 7.0 L of an aqueous solution containing 260 g of boric acid and 230 g of borax was added, and 1 g of an antifoaming agent SN381 (manufactured by San Nopco) was added. This mixed solution was dispersed with a high-pressure homogenizer manufactured by Sanwa Kogyo Co., Ltd., and the entire amount was finished to 97 L with pure water to prepare silica dispersion-2.
[0198]
[Preparation of thermoplastic resin coating solution]
(Preparation of thermoplastic resin coating solution 1)
A styrene-acrylic latex polymer (Tg 78 ° C., average particle size 0.13 μm, solid content concentration 40%) emulsion-polymerized with a nonionic surfactant as an emulsifier was adjusted to pH 4.7 with a 6% nitric acid aqueous solution. A thermoplastic resin coating solution 1 was obtained.
[0199]
[Preparation of each coating solution]
After preparing each coating solution as described below, each coating solution was filtered using a commercially available filter (TCP10 or TCP30 manufactured by Toyo Roshi Kaisha, Ltd.).
[0200]
(Preparation of lower layer coating solution 1)
While stirring at 40 ° C., the following additives were sequentially mixed with 710 ml of the silica dispersion-2 prepared above to prepare a lower coating solution 1.
[0201]
The whole amount was finished to 1000 ml with pure water.
[0202]
(Preparation of upper layer coating solution 1)
The prepared thermoplastic resin coating solution 1 was used as the upper layer coating solution 1.
[0203]
(Preparation of upper layer coating solution 2)
Using the prepared thermoplastic resin coating liquid 1 and the lower layer coating liquid 1, the thermoplastic resin and the inorganic pigment were mixed so that the solid content ratio was 40:60, and then the viscosity at 43 ° C. was 45 mPa · s. Water was added so that the upper coating solution 2 was obtained.
[0204]
(Preparation of upper layer coating solution 3)
In the preparation of the upper layer coating liquid 2, an upper
[0205]
[Preparation of inkjet recording medium]
(Preparation of recording medium 101)
On the Konica Inkjet Paper Photo-like QP, the upper layer coating liquid 1 is 2.0 g / m as the solid content of the thermoplastic resin.2Application | coating and drying were performed using the wire bar on the conditions which become. The coating conditions were as follows: the coating solution was heated to 40 ° C. and then cooled for 20 seconds in a cooling zone maintained at 0 ° C. immediately after coating, and then for 60 seconds with 25 ° C. wind (15% relative humidity). It is dried for 60 seconds in a wind of 45 ° C (relative humidity 25%) and 60 seconds in a wind of 50 ° C (25% relative humidity), and 2 in an atmosphere of 20-25 ° C and a relative humidity of 40-60 ° C. The recording medium is prepared by adjusting the humidity for a minute, and then, after the application of the upper layer coating solution is finished, the boric acid amount is 1 g / m using a boric acid solution as a curing agent.2The recording medium 101 was manufactured by overcoating the surface of the upper layer so that the coating amount was as follows.
[0206]
(Preparation of recording medium 102)
To a paper support coated with polyethylene on both sides (also referred to as RC paper, having a thickness of 220 μm and containing 13% by mass of anatase-type titanium oxide based on polyethylene in the polyethylene of the ink absorption layer surface), in order from the support side, The lower layer coating liquid 1 is a wet film thickness of 200 μm as the first layer, and the upper layer coating liquid 1 is 2.0 g / m as the solid content of the thermoplastic resin as the second layer.2Under the conditions, two layers were simultaneously applied and dried using a slide hopper. Each coating solution was heated to 40 ° C. and then applied, cooled for 20 seconds in a cooling zone maintained at 0 ° C. immediately after application, and then subjected to 45 ° C. wind (relative humidity 15%) for 60 seconds for 45 seconds. Dry sequentially for 60 seconds with air at ℃ (25% relative humidity) and 60 seconds with wind at 50 ℃ (25% relative humidity) for 2 minutes in an atmosphere of 20 to 25 ° C. and relative humidity of 40 to 60 ° C. After conditioning the humidity, the recording medium 102 was wound up.
[0207]
(Preparation of recording medium 103)
In the production of the recording medium 102, the first layer coating solution is the lower layer coating solution 1 (wet film thickness 140 μm) and the second layer coating solution is the upper layer coating solution 2 (wet film thickness 60 μm), and a thermoplastic resin solid is used. The amount is 3.0g / m2In addition, the recording medium 103 was manufactured in the same manner except that the recording medium was sealed in a polyethylene bag and subjected to aging treatment at 55 ° C. for 3 days.
[0208]
(Preparation of recording medium 104)
A recording medium 104 was produced in the same manner as in the production of the recording medium 103 except that the second layer coating solution was changed to the upper
[0209]
《Image output》
Each color ink set prepared in Example 1, the above-prepared recording media 101 to 104, and Photo-like QP were combined as shown in Table 5, and an image was prepared using a color inkjet printer MC2000 (manufactured by Epson). As images, the same images as described in Example 1 were printed. Next, after creating an image, post-processing was performed by the method described in Table 5. The heating and pressing roller was configured as shown in FIG. 1, and the heating and pressing belt was configured as shown in FIG. Moreover, the roller pressurization process was performed by switching off the heating element in the configuration of FIG.
[0210]
Detailed conditions for the post-processing are as follows.
Hot air heating: performed at 120 ° C. as the hot air temperature
Roller pressure treatment: 23 ° C., nip pressure 3.0 × 106I went at Pa
Heating and pressure roller treatment: 105 ° C., nip pressure 4.5 × 10FiveI went at Pa
Heating and pressure belt treatment: 105 ° C., nip pressure 4.5 × 10FiveI went at Pa
<Evaluation of output image>
For each output image created as described above, color reproducibility and transparency were evaluated according to the method described in Example 1, and glossiness was evaluated according to the method described below.
[0211]
(Glossiness evaluation)
The created wedge image having an output of 100% was measured for image clarity (gloss value C value%) at a reflection degree of 60 degrees and an optical comb of 2 mm with a clarity measuring instrument ICM-1DP (manufactured by Suga Test Instruments Co., Ltd.). Evaluation was performed according to the following criteria.
[0212]
4: C value% is 71 or more
3: C value% is 70 to 56
2: C value% is 55 to 41
1: C value% is 40 or less
In the above evaluation ranks, 4 and 3 were judged to be particularly preferable ranks for practical use.
[0213]
Table 5 shows the results obtained as described above.
[0214]
[Table 5]
[0215]
As is clear from Table 5, the image formed by the ink set of the present invention showed good color reproducibility and transparency as compared with the result of Example 1, compared to the comparative image.
[0216]
It can also be seen that the glossiness is greatly improved by performing post-treatments such as heat treatment, pressure treatment, or heat / pressure treatment. This is presumably because the glossiness is improved by smoothing the surface of the image formed by melting and deforming the colored fine particles by temperature, pressure or temperature and pressure. It can be seen that this effect is further improved by using a recording medium containing a thermoplastic resin as the outermost layer as the recording medium.
[0217]
On the other hand, the comparative product using the ink set 10 composed only of the pigment ink was inferior in all items. Even when the recording medium 103 containing a thermoplastic resin as the outermost layer was used as the recording medium, glossiness was improved by post-processing, but no effect on color reproducibility and transparency was observed.
[0218]
【The invention's effect】
INDUSTRIAL APPLICABILITY According to the present invention, it is possible to provide an aqueous inkjet ink set having improved color reproducibility, transparency and gloss, and an inkjet image forming method using the same.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing an example of an ink jet recording apparatus having a heating roller used in the present invention.
FIG. 2 is a schematic configuration diagram showing another example of an ink jet recording apparatus having a heating belt used in the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Recording medium
1a Slack part
2. Recording medium transport means
21 Transport roller pair
3 Recording head
34 Recording medium holding unit
4 Heating and pressing means
41 Heating roller
42 Pressure roller
43 Heating element
44 Heating belt
45 Lower belt
46 Followed roller
5 Temperature sensor
6. Recording medium cutting means
61, 62 Cutter
7 Sagging formation means
71 First roller pair
72 Second roller pair
Claims (6)
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