JP3945129B2 - Power-driven rotary tool - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボルトやナットなどのねじ類の締め付け作業及び緩め作業に使用するインパクトレンチやインパクトドライバのような動力駆動回転工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の動力駆動回転工具としては、図9に示すように、モータ1によってハンマ3を回転駆動し、ハンマ3による打撃衝撃を出力軸5に加えることで出力軸5を回転させ、出力軸5に装着されたドライバビット6やソケットレンチなどのビットにより、ボルトやナット等のねじ類の締め付け作業や緩め作業を行うインパクトドライバやインパクトレンチのようなインパクト回転工具が提供されていた。
【0003】
このインパクト回転工具は、出力軸5にかかるトルクを推定する負荷トルク推定部8と、締め付ける部材に応じて締付トルクを設定するためのリミットトルク設定器20と、負荷トルク推定部8の推定値とリミットトルク設定器20により設定された締付トルクの設定値との高低に応じてねじ部材が着座したか否かを判定し、ねじ部材の着座を判定するとモータ1を停止(シャットオフ)させる停止指令(シャットオフ指令)を発生するシャットオフ判定部10とを備えている。
【0004】
そして、ねじ締め作業を行う際は、シャットオフ判定部10において負荷トルク推定部8の推定値と、リミットトルク設定器20の設定値との高低を比較し、負荷トルク推定部8の推定値が締付トルクの設定値を超えると、ねじ部材が着座したと判定し、モータ1の回転を停止させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したインパクト回転工具では、ねじ締め作業を行う際にリミットトルク設定器20を用い、締め付けるねじ部材の種類に応じて締付トルクを予め設定した後、ねじ締め作業を行っていた。従って、締付トルクの異なる複数種類のねじ部材のねじ締め作業を行う場合は、種類の異なるねじ部材毎に締付トルクを設定する必要があり、設定作業の手間がかかるという問題があった。
【0006】
そこで締付トルクの異なる複数のねじ部材の内、許容トルク範囲の重複しているねじ部材については、締付トルクに同じ値を設定することにより、ある程度締付トルクの設定作業を減らすことはできるが、許容トルク範囲の重複していないねじ部材については、締付トルクの設定を変更する必要があり、作業性が悪いという問題があった。また締付トルクの共通化には限度があり、共通化した締付トルクが許容トルク範囲の境界付近にある場合、ねじ部材の製造上のばらつき等により、締付トルクが不足して締付途中でねじ部材が停止したり、また過大な締付トルクが与えられて、ねじ部材が相手部材を貫通したり、ねじ部材が破損するなどして、ねじ締めの品質が低下する虞があった。
【0007】
さらに、リミットトルク設定器20を用いて締付トルクを設定する際に、誤って適正値に比べて低い値を設定してしまうと、締付トルクが不足して、ねじ部材が締付途中で停止し、再度ねじ締め作業を行う必要があった。また、適正値に比べて高い値を設定してしまうと、過大な締付トルクがねじ部材に加わって、ねじ部材が相手側の部材を貫通したり、ねじ部材が破損するなどして、部材の交換作業が必要な場合があり、ねじ締めの品質が低下する虞があった。
【0008】
また、表面にねじ溝が形成されておらず、ねじ孔にねじ込むことによってねじ溝を切りながらねじ締めを行う樹脂グロメットのような合成樹脂製の部材(以下、「ソフトジョイント部材」と言う。)に交えて、金属製のねじ部材(以下、「ハードジョイント部材」と言う。)のねじ締め作業を上述のインパクト回転工具を用いて行う場合には、トルク推定値の変化速度が所定値に達すると、ねじ部材がソフトジョイント部材であると判断し、締付トルクに関わらずねじ締め作業を停止させると共に、トルク推定値の変化速度が所定値未満であれば、ねじ部材がハードジョイント部材であると判断し、締付トルクがハードジョイント部材の適正締付トルクに達した時点でねじ締め作業を停止させることにより、締付トルクの設定作業を不要にする方法も提案されているが、ハードジョイント部材の場合の締付トルクを複数設定することができないため、締付トルクの同じハードジョイント部材しか同時にねじ締め作業を行えないという問題があった。
【0009】
しかも、ねじ孔の形成された鉄板に焼付け塗装を行った後、鉄板に形成されたねじ孔にスプリングワッシャを間にしてねじ部材をねじ込む場合、ねじ孔に付着した塗装を剥がしながら、ねじ部材をねじ孔にねじ込んだ後、ねじ部材によってスプリングワッシャを押し潰すため、負荷トルクの推移の仕方が上述したソフトジョイント部材の締付時に発生する負荷トルクの推移と極めて酷似し、両者の区別がつかない場合がある。そのため、鉄板に設けたねじ孔にハードジョイント部材を締め付けているにもかかわらず、シャットオフ判定部10がソフトジョイント部材と判定し、締付トルクの小さい段階で締付作業を停止させてしまい、締付トルクが不足するという問題もあった。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、締付トルクの設定作業を行うことなく、締付トルクの異なる複数種類のねじ部材のねじ締め作業を確実に行うことができる動力駆動回転工具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、適正締付トルクのそれぞれ異なる複数種類のねじ部材の締緩作業に用いられる動力駆動回転工具において、ねじ部材の締緩を行うための出力軸と、出力軸を回転させる駆動部と、引き込み量に応じた操作信号を発生するトリガスイッチと、トリガスイッチから入力された操作信号に応じて駆動部の回転数を制御する駆動制御部と、出力軸にかかる負荷トルクを推定する負荷トルク推定部と、負荷トルク推定部の推定値の所定時間当たりの変動量を検出する負荷変動量検出部と、複数種類のねじ部材の適正締付トルクが予め設定され、負荷トルク推定部の推定値および負荷変動量検出部の検出結果に基づいて駆動部を所定の停止時間停止させる停止指令を駆動制御部に出力するシャットオフ判定部とを備え、シャットオフ判定部は、負荷トルク推定部の推定値と予め設定された複数の適正締付トルクとの高低を比較し、推定値が何れかの適正締付トルクに一致する毎に停止指令を駆動制御部に出力するとともに、負荷変動量検出部の検出した変動量が所定のしきい値以上になると停止指令を駆動制御部に出力し、駆動制御部は、シャットオフ判定部から停止指令が入力された場合、当該停止指令の入力時における負荷トルク推定部の推定値が、シャットオフ判定部に予め設定された複数の適正締付トルクのうち最も高い適正締付トルクでなければ、トリガスイッチの操作に関係無く駆動部を停止時間停止させるとともに、停止時間が経過するまでの間にトリガスイッチが開放されない場合は停止時間が経過した時点で駆動部を再び回転させ、停止指令の入力時における負荷トルク推定部の推定値が、シャットオフ判定部に予め設定された複数の適正締付トルクのうち最も高い適正締付トルクであれば、駆動部を停止させて、駆動部の再起動は行わないことを特徴とし、シャットオフ判定部は負荷トルクが各ねじ部材の適正締付トルクに達すると停止指令を駆動制御部に出力しており、駆動制御部では停止指令が入力されると、所定の停止時間だけ駆動部を停止させているので、この間にトリガスイッチを開放すれば、負荷トルクをこの時点の適正締付トルクとすることができる。一方停止時間が経過する間トリガスイッチを引き続けていれば、駆動制御部は駆動部の回転を再開させ、次に負荷トルクが適正締付トルクに達した時点でシャットオフ判定部から入力された停止指令により駆動部を停止させるから、負荷トルクが所望の適正締付トルクに達した時点でトリガスイッチを開放することにより、所望の適正締付トルクまでねじ部材を締め付けることができ、且つ駆動部の停止した回数で現在の締付トルクを把握することができる。したがって、締付トルクの設定作業を行うことなく、締付トルクの異なる複数のねじ部材のねじ締め作業を効率良く行うことができ、且つ従来の動力駆動回転工具のように締付トルクを設定するトルク設定器が不要になるから、動力駆動回転工具の小型化、低コスト化を図ることができる。
【0012】
しかも、樹脂グロメットのようなソフトジョイント部材のねじ締め作業を行う場合、着座直後にねじ締め作業を終了すれば、締付トルクが適正値となるが、シャットオフ判定部では、負荷変動量検出部の検出した変動量が所定のしきい値以上になると最初に停止指令を出力しているので、駆動制御部により駆動部が最初に停止された時点でトリガスイッチを開放すれば、負荷トルクの変動量が急激に増加した時点、すなわちねじ部材が着座した時点で駆動部を停止させることができ、適切な締付トルクでソフトジョイント部材のねじ締め作業を行える。
【0013】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、停止時間が略0.2秒以上且つ略1秒以下であることを特徴とし、停止時間は、負荷トルクが所望のトルクに達した時点でねじ締め作業を終了したい場合に作業者がトリガスイッチを離すだけの時間を確保できるような時間であって、且つ、ねじ締め作業を継続したい場合に駆動部が再起動されるまでの待ち時間を長く感じることがないような時間に設定するのが望ましく、停止時間としては略0.2秒以上且つ略1秒以下とするのが好ましい。
【0014】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、停止時間の設定値を変化させるための停止時間設定部を設けたことを特徴とし、停止時間は、負荷トルクが所望のトルクに達した時点でねじ締め作業を終了したい場合に作業者がトリガスイッチを離すだけの時間を確保できるような時間であって、且つ、ねじ締め作業を継続したい場合に駆動部が再起動されるまでの待ち時間を長く感じることがないような時間に設定するのが望ましく、停止時間設定部により停止時間を所望の時間に設定することができる。
【0015】
請求項4の発明では、請求項1の発明において、負荷変動量検出部の検出した変動量がしきい値以上になっていない段階で、負荷トルク推定部の推定値が所望の適正締付トルクに達して、シャットオフ判定部から駆動制御部に停止指令が入力された場合、駆動制御部は、トリガスイッチの操作信号に関係なく駆動部を停止させ、駆動部を停止させてから停止時間が経過するまでの間にトリガスイッチが開放されない場合は停止時間が経過した時点で、駆動部の回転を作業者が認識できる程度の十分短い間だけ駆動部を回転させた後、駆動部を停止させることを特徴とし、ねじ部材の種類やその組合せの設計によっては、負荷変動量検出部の検出した変動量がしきい値以上になっていない段階で、負荷トルク推定部の推定値がねじ部材の適正締付トルクに達する場合もあり、このような場合、所望の適正締付トルクに達するまでに駆動部が停止する回数が作業者の予想する回数よりも1回分少なくなり、所望のトルクでねじ締め作業が終了したのか作業者が分からなくなる場合があるが、負荷変動量検出部の検出した変動量がしきい値以上になっていない段階で、負荷トルク推定部の推定値が所望の適正締付トルクに達して、シャットオフ判定部から駆動制御部に停止指令が入力された場合、駆動部を停止させた時点から所定の停止時間が経過するまでの間にトリガスイッチが開放されなければ、停止時間が経過した時点で駆動制御部は所定の時間駆動部を回転させた後、停止させているので、締付トルクが所望の適正締付トルクに達するまでに駆動部が停止する回数を1回分増やして補正することができるから、所望の適正締付トルクでねじ部材が締め付けられたことを作業者に知らしめることができ、且つこの場合に駆動制御部が回転させる駆動部の回転量は十分小さいので、これによって締付トルク精度が大きく悪化するようなこともない。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
(基本構成)
本発明の基本構成を図1乃至図3を参照して説明する。この動力駆動回転工具は、モータ1によってハンマ3を回転駆動し、ハンマ3による打撃衝撃を出力軸5に加えることで出力軸5を回転させ、出力軸5に装着されたドライバビット6やソケットなどのビットにより、ボルトやナット等のねじ類の締め付け作業や緩め作業を行うインパクトドライバやインパクトレンチのようなインパクト回転工具であり、ハンマ3による打撃構造として次のものを用いている。すなわち、モータ1の回転が遊星減速機構からなる減速機2で減速されて伝達される駆動軸2aの外周に、円筒状のハンマ3を遊転自在に配設しており、駆動軸2aの外周に形成されたカム機構(図示せず)によって、駆動軸2aとハンマ3とが相互の軸方向の動き及び軸回り方向の動きが規制されている。そして、ばね4によって出力軸5側に向けて付勢されているハンマ3の先端面には出力軸5の後端部から側方に向けて突設されているアンビル5aと係合する打撃部3aが設けられている。
【0018】
而して、ドライバビット6やソケットが先端に装着される出力軸5に負荷が殆どかかっていない状態では、駆動軸2aの回転が上記カム機構を介してハンマ3に伝達されるとともに、ハンマ3の打撃部3aとアンビル5aとの係合で出力軸5に伝達される。そして出力軸5にかかる負荷が大きくなれば、ハンマ3と駆動軸2aとの間でカム機構により許されている範囲内の相対回転が生じるとともに、カム機構に誘導されてハンマ3がばね4に抗して後退し、打撃部3aとアンビル5aとの係合が外れて打撃部3aがアンビル5aを乗り越えると、ばね4の復元力によってハンマ3がカム機構に誘導されて前進してアンビル5aに打撃部3aを衝撃的に係合させ、打撃衝撃によって出力軸5に回転力を与える。ここに、ハンマ3やばね4やアンビル5aなどから出力軸5に打撃衝撃による回転力を与える打撃機構が構成される。
【0019】
ところで、駆動制御部たるモータ制御部12はトリガスイッチ7の引き込み量に応じてモータ1の回転数制御を行っており、モータ制御回路13がモータ制御部12から入力される制御信号に応じて、充電池14からモータ1への供給電力を調整することによりモータ1の回転速度が可変制御される。すなわち、モータ制御回路13は充電池14からモータ1への給電経路に挿入されたスイッチング素子と、後述のモータ制御部12から入力される制御信号に応じてスイッチング素子をオン/オフ駆動する駆動回路とを具備しており、モータ制御部12から入力される制御信号に応じて例えば上記スイッチング素子のオンデューティ比を可変することにより、供給電力を調整してモータ1の回転速度を可変している。
【0020】
また本回転工具は、例えばモータ1の回転数の推移から出力軸5にかかる負荷トルクを推定する負荷トルク推定部8と、負荷トルク推定部8の推定値からねじ部材が着座したと判定し、モータ1を停止させるシャットオフ指令(停止指令)をモータ制御部12に出力するシャットオフ判定部10を備えており、モータ制御部12はシャットオフ判定部10からシャットオフ指令が入力されるとモータ制御回路13を制御して、モータ1の回転を停止させる。尚、負荷トルク推定部8では例えば過去4回の推定値の移動平均を求め、その平均値を推定値としてシャットオフ判定部10に出力する。また、負荷トルク推定部8による負荷トルクの推定方法は上記の方法に限定されるものではなく、例えばトルクセンサを用いたり、モータ1の電流量や電圧量、ビットの進行角度、ハンマ3の跳ね返り量などから負荷トルクを推定しても良い。また、本回転工具では負荷トルク推定部8とシャットオフ判定部10とモータ制御部12とをマイクロコンピュータにより構成している。
【0021】
シャットオフ判定部10には、第1のねじ部材の適正締付トルク(以下、第1の閾値と言う。)と、第2のねじ部材の適正締付トルク(以下、第2の閾値と言う。)の値が予め設定されており、第2の閾値は第1の閾値に比べて高い値に設定されている。尚、本回転工具では適正締付トルクの異なる2種類のねじ部材の締付作業を行う場合を例にして説明を行う。
【0022】
ここで、負荷トルク推定部8ではハンマ3による打撃が発生する毎に負荷トルクの推定値を出力しており、負荷トルク推定部8からシャットオフ判定部10に負荷トルクの推定値が入力されると、シャットオフ判定部10は負荷トルクの推定値と第1及び第2の閾値との高低を比較し、負荷トルクの推定値が第1の閾値に達すると第1のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力すると共に、負荷トルクの推定値が第2の閾値に達すると第2のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力する。
【0023】
モータ制御部12はトリガスイッチ7の引き込み量に応じてモータ1の回転速度を制御しており、シャットオフ判定部10からシャットオフ指令が入力されると、トリガスイッチ7の引き込み操作に関係なく、モータ1を停止させる。ここで、シャットオフ判定部10から入力されたシャットオフ指令が第1の閾値による第1のシャットオフ指令の場合、モータ1を停止させた時点から所定の停止時間が経過するまでの間にトリガスイッチ7が開放されなければ、停止時間が経過した時点でモータ制御部12はモータ1を再び回転させる。一方、シャットオフ判定部10から入力されたシャットオフ指令が第2の閾値による第2のシャットオフ指令の場合、モータ制御部12はモータ1を停止させ、モータ1の再起動は行わない。
【0024】
以下にモータ1の制御動作を図2のフローチャートを参照して説明する。電源投入時に各部を初期化した後(図2のS2)、モータ制御部12では、トリガスイッチ7からの入力を読み込み(図2のS3)、作業者によってトリガスイッチ7が引き込まれたか否かを監視しており(図2のS4)、トリガスイッチ7が引き込まれると、モータ1の始動処理を行う(図2のS5)。
【0025】
その後モータ制御部12は、トリガスイッチ7が開放されるか、又はシャットオフ判定部10からシャットオフ指令が入力されるか否かを監視しており(図2のS6)、トリガスイッチ7が開放されず且つシャットオフ指令が入力されていなければモータ1を回転させる回転処理を行い(図2のS8)、トリガスイッチ7からの入力を読み込んだ後(図2のS9)、図2のS6に戻って上述の処理を繰り返し、トリガスイッチ7が開放されるか、又は、シャットオフ指令が入力されるまでトリガスイッチ7の引き込み量に応じてモータ1の回転制御を行う。
【0026】
一方、トリガスイッチ7が開放されるか、又は、シャットオフ判定部10からシャットオフ指令が入力されると、モータ制御部12はモータ1を一時的に停止させる停止信号をモータ制御回路13に出力して、モータ1を一時的に停止させる処理を行い(図2のS7)、シャットオフ判定部10から入力されたシャットオフ指令が第1の閾値による第1のシャットオフ指令か否かを判断する(図2のS10)。
【0027】
ここで、シャットオフ指令が第1の閾値によるものであれば、モータ制御部12はトリガスイッチ7からの入力を読み込み(図2のS12)、トリガスイッチ7が開放されるか否かを判断する(図2のS13)。そして、トリガスイッチ7が開放されていなければ、モータ1を停止させてから所定の停止時間が経過したか否かを判断し(図2のS14)、停止時間が経過していなければ再びS12に戻って上述の処理を繰り返し、停止時間が経過していればモータ1を再び回転させる再起動処理を行った後(図2のS16)、図2のS6に戻って上述の処理を繰り返す。
【0028】
また、シャットオフ指令が第1の閾値によるものではなかったり、停止時間が経過するまでの間にトリガスイッチ7が開放された場合、モータ制御部12はトリガスイッチ7からの入力を読み込み(図2のS11)、トリガスイッチ7が開放されたか否かを判断し(図2のS15)、トリガスイッチ7が開放されると、図2のS3に戻る。
【0029】
ところで、上述の打撃機構による打撃が発生する毎に割込みが発生し、後述のシャットオフ判定処理が行われる。以下にシャットオフ判定処理について図3のフローチャートを参照して説明する。
【0030】
打撃機構による打撃が発生すると、負荷トルク推定部8は打撃間のモータ1の回転数や打撃時のモータ1の回転速度からドライバビット6にかかる負荷トルクを推定し、シャットオフ判定部10に出力する(図3のS21)。シャットオフ判定部10では、負荷トルク推定部8から負荷トルクの推定値が入力されると、既に第1のシャットオフ指令を発生したか否かを判断し(図3のS22)、第1の第1のシャットオフ指令を発生していなければ、負荷トルクの推定値(推定トルク)と第1の閾値との高低を比較する(図3のS23)。そして、負荷トルクの推定値が第1の閾値に達すると第1のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力する(図3のS25)。一方、既に第1のシャットオフ指令を発生しているか、又は、負荷トルクの推定値が第1の閾値以下であれば、シャットオフ判定部10は負荷トルクの推定値と第2の閾値との高低を比較し(図3のS24)、負荷トルクの推定値が第2の閾値に達すると第2のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力する(図3のS26)。
【0031】
而して、負荷トルク推定部8の推定トルクが第1の閾値に達すると、シャットオフ判定部10は第1のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力し、モータ制御部12が第1のシャットオフ指令に応じてモータ1の回転を所定の停止時間停止させているので、モータ1の回転が停止した時点でトリガスイッチ7を開放すれば、ねじ部材の締付トルクを第1の閾値とすることができ、適正な締付トルクで第1のねじ部材のねじ締めが行える。一方、第2のねじ部材のねじ込み作業を行っている場合は、モータ1が停止した後もトリガスイッチ7を引き続けていれば、モータ1の停止時から所定の停止時間が経過した時点でモータ制御部12がモータ1を再び回転させ、負荷トルクが第2の閾値に達した時点でモータ1を停止させることができるから、適正な締付トルクで第2のねじ部材のねじ締め作業を行うことができる。
【0032】
なお、本回転工具では、適正締付トルクの異なる2種類のねじ部材の締付作業を行う場合について説明したが、シャットオフ判定部10に3種類以上のねじ部材の適正締付トルクを設定し、負荷トルク推定部8の推定値が各ねじ部材の適正締付トルクに達すると、シャットオフ判定部10が停止指令をモータ制御部12に出力するようにしても良く、モータ制御部12が、シャットオフ判定部10からから停止指令が入力されるとトリガスイッチ7の操作信号に関係なくモータ1を停止させ、モータ1を停止させてから所定の停止時間が経過するまでの間にトリガスイッチ7が開放されない場合は停止時間が経過した時点でモータ1を再び回転させ、この動作を負荷トルク推定部8の推定トルクが適正締付トルクの最も高いねじ部材の適正締付トルクに達するまで繰り返すことにより、上述と同様、3種類以上のねじ部材のねじ締め作業を行う場合でも、締付トルクの設定作業を行うことなく、適正締付トルクの異なる複数のねじ部材のねじ締め作業を効率良く行うことができ、且つ従来の動力駆動回転工具のように締付トルクを設定するトルク設定器が不要になるから、動力駆動回転工具の小型化、低コスト化を図ることができる。また、モータ1の停止回数から現在の締付トルクを把握することもできる。
【0033】
尚、モータ制御部12がモータ1の回転を一旦停止させる停止時間としては、負荷トルクが第1のねじ部材の適正締付トルクに達した時点でねじ締め作業を終了したい場合に作業者がトリガスイッチ7を離すだけの時間を確保できるような時間であり、且つ、負荷トルクが第2のねじ部材の適正締付トルクに達した時点でねじ締め作業を完了させたい場合に、モータ1が再起動されるまでの待ち時間を長く感じることがないような時間に設定するのが望ましく、本回転工具では例えば略0.45秒に設定している。尚、停止時間を0.45秒に限定する趣旨のものではなく、上記の条件を満たすような時間に適宜設定すれば良く、例えば約0.2秒以上且つ約1秒以下の時間に設定するのが好ましい。
【0034】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図4及び図5を参照して説明する。本実施形態では、基本構成で説明した動力駆動回転工具において、負荷トルク推定部8の推定した負荷トルクの推定値の推移から負荷トルクの変動量を算出する負荷変動量評価部(負荷変動量検出部)11を設けている。尚、負荷変動量評価部11以外の構成は基本構成と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0035】
負荷トルク推定部8は打撃機構による打撃が発生する毎に負荷トルクを推定し、その推定結果をシャットオフ判定部10及び負荷変動量評価部11に出力する。負荷変動量評価部11では、前回打撃が発生した際の負荷トルク推定部8の推定値と、次回打撃発生時の負荷トルク推定部8の推定値との差を変動量として出力しても良いが、耐ノイズ性を考慮する場合はバンドパスフィルタ処理を行うのが望ましい。バンドパスフィルタ処理の一例としては、負荷変動量評価部11が、負荷トルク推定部8の推定値の短期移動平均と長期移動平均とを算出し、両者の差を変動量として出力する方法がある。例えば、負荷変動量評価部11が短期移動平均として現在までの4個の推定値の移動平均を算出すると共に、長期移動平均として現在までの16個の推定値の移動平均を算出し、両者の差を求めて負荷変動量dTを求めている場合、負荷トルク推定部8が現在までに出力した負荷トルクの推定値をT1,T2,T3,……,T20とすると、負荷変動量dTは次式で表される。
【0036】
【数1】
【0037】
そして、シャットオフ判定部10では、負荷変動量評価部11の算出した負荷変動量dTが所定のしきい値(以下、第3の閾値と言う。)以上になると、第1のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力すると共に、負荷トルクの推定値が第2の閾値に達すると第2のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力する。
【0038】
ここで、シャットオフ判定処理について図5のフローチャートを参照して説明する。尚、モータ1の制御動作は基本構成と同様であるので、その説明は省略する。
【0039】
打撃機構による打撃が発生すると、負荷トルク推定部8は打撃間のモータ1の回転数や打撃時のモータ1の回転速度からドライバビット6にかかる負荷トルクを推定し、シャットオフ判定部10及び負荷変動量評価部11に出力する(図5のS31)。負荷変動量評価部11は負荷トルク推定部8の推定値から負荷トルクの負荷変動量dTを求め、シャットオフ判定部10に出力する。シャットオフ判定部10では、既に第3の閾値による第1のシャットオフ指令を出力したか否かを判断し(図5のS32)、第1のシャットオフ指令を出力していなければ、負荷変動量評価部11の求めた負荷変動量dTと第3の閾値との高低を比較する(図5のS33)。そして、負荷変動量dTが第3の閾値以上であれば第1のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力する(図5のS35)。一方、既に第1のシャットオフ指令を出力しているか、又は、負荷変動量dTが第3の閾値未満であれば、シャットオフ判定部10は推定トルクと第2の閾値との高低を比較し(図5のS34)、推定トルクが第2の閾値に達すると第2のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力する(図5のS36)。
【0040】
ところで、上述したソフトジョイント部材のねじ締め作業を行う場合、着座直後にねじ締め作業を終了すれば、締付トルクが適正値となるので、本実施形態では負荷トルクの急激な上昇からねじ部材の着座を検出して、ねじ締め作業を終了させることにより、適切な締付トルクでソフトジョイント部材のねじ締め作業を行えるようにしている。すなわち本実施形態では、負荷変動量評価部11の求めた負荷トルクの負荷変動量dTが第3の閾値以上になると、シャットオフ判定部10が第1のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力し、モータ制御部12がモータ1の回転を停止させているので、ソフトジョイント部材のねじ込み作業を行っている場合は、モータ1の回転が最初に停止した時点でトリガスイッチ7を開放することにより、ソフトジョイント部材が着座した直後にねじ締め作業を終了させることができ、ソフトジョイント部材を適切な締付トルクで締め付けることができる。一方、ハードジョイント部材のねじ込み作業を行っている場合は、モータ1が最初に停止した後もトリガスイッチ7を引き続けていれば、モータ1の停止時から所定の停止時間が経過した時点でモータ制御部12がモータ1を再び回転させ、負荷トルクが第2の閾値に達した時点でシャットオフ判定部が第2のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力し、モータ1を停止させているから、適正な締付トルクでハードジョイント部材のねじ締め作業を行うことができる。
【0041】
尚、モータ制御部12がモータ1の回転を一旦停止させる停止時間としては、負荷トルクの変動量が第3の閾値以上になった時点でねじ締め作業を終了したい場合に作業者がトリガスイッチ7を離すだけの時間を確保できるような時間であり、且つ、負荷トルクが第2のねじ部材の適正締付トルクに達した時点でねじ締め作業を完了させたい場合に、モータ1が再起動されるまでの待ち時間を長く感じることがないような時間に設定するのが望ましく、本実施形態では例えば略0.45秒に設定している。尚、停止時間を0.45秒に限定する趣旨のものではなく、上記の条件を満たすような時間に適宜設定すれば良く、例えば約0.2秒以上且つ約1秒以下の時間に設定するのが好ましい。
【0042】
本実施形態ではソフトジョイント部材とハードジョイント部材の2種類のねじ部材の締付作業を行う場合を例にして説明したが、基本構成で説明したようにシャットオフ判定部10に、複数のハードジョイント部材の適正締付トルクの値を設定して、負荷トルクの推定値が各適正締付トルクに達すると、シャットオフ判定部10がシャットオフ指令をモータ制御部12に出力するようにし、ソフトジョイント部材と、適正締付トルクの異なる複数のハードジョイント部材との締付作業を行うようにしても良いことは勿論のことである。
【0043】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図6を参照して説明する。本実施形態では、実施形態1の動力駆動回転工具において、シャットオフ判定部10から第3の閾値によるシャットオフ指令がモータ制御部12に入力され、モータ制御部12がシャットオフ指令によりモータ1を一時的に停止させてからモータ1を再起動するまでの停止時間(再起動待機時間)の設定値を変化させる再起動待機時間設定部(停止時間設定部)15を設けている。尚、再起動待機時間設定部15以外の構成は実施形態1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0044】
ここで、再起動待機時間設定部15は例えばダイヤル式の操作摘みを備えており、この操作摘みを回転させることによって停止時間を例えば約0.2秒以上、約1秒以下の範囲、好ましくは約0.25秒以上、約1秒以下の範囲で変化させることができる。上述のように停止時間は、負荷トルクの変動量が第3の閾値以上になった時点でねじ締め作業を終了したい場合に作業者がトリガスイッチ7を離すだけの時間を確保できるような時間であり、且つ、負荷トルクが第2のねじ部材の適正締付トルクに達した時点でねじ締め作業を完了させたい場合に、モータ1が再起動されるまでの待ち時間を長く感じることのないような時間に設定するのが望ましいが、この停止時間の設定を再起動待機時間設定部15により変化させることができるので、作業者の習熟度に応じて停止時間を必要最小限の時間に設定することにより、作業時間を短縮することができる。
【0045】
尚、本実施形態では実施形態1の動力駆動回転工具において停止時間の設定値を変化させるための再起動待機時間設定部15を設けているが、基本構成で説明した動力駆動回転工具に本実施形態の再起動待機時間設定部15を設けても良く、上述と同様の効果が得られる。
【0046】
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図7を参照して説明する。尚、動力駆動回転工具の構成は実施形態1と同様であるので、その説明は省略し、異なる部分についてのみ説明を行う。
【0047】
シャットオフ判定部10は、実施形態1と同様、負荷変動量評価部11の算出した負荷変動量dTが第3の閾値以上になると、第1のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力すると共に、負荷トルクの推定値が第2の閾値に達すると第2のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力する。またシャットオフ判定部10では、負荷変動量評価部11の求めた負荷トルクの変動量dTが第3の閾値以上になっていない状態(すなわち第1のシャットオフ指令を出力していない状態)で、負荷トルク推定部8の推定した負荷トルクの推定値が第2の閾値に達して、第2のシャットオフ指令を出力した場合、モータ1の回転を作業者が認識できる程度の十分短い間だけモータ1を回転させた後停止させる第3のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力する。
【0048】
ここで、シャットオフ判定処理について図7のフローチャートを参照して説明する。打撃機構による打撃が発生すると、負荷トルク推定部8は打撃間のモータ1の回転数や打撃時のモータ1の回転速度からドライバビット6にかかる負荷トルクを推定し、シャットオフ判定部10及び負荷変動量評価部11に出力する(図7のS41)。負荷変動量評価部11は負荷トルク推定部8の推定値から負荷トルクの負荷変動量dTを求め、シャットオフ判定部10に出力する。シャットオフ判定部10では、負荷変動量dTが第3の閾値を越えたことにより第1のシャットオフ指令を既に出力したか否かを判断し(図7のS42)、まだ第1のシャットオフ指令を出力していなければ、負荷トルク推定部8の推定値が第2の閾値に達したことによるシャットオフ処理が既に行われているか否かを判断し(図7のS43)、シャットオフ処理が行われていれば、モータ1を所定量だけ回転させた後停止させる第3のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力する(図7のS46)。一方、シャットオフ処理が行われていなければ、シャットオフ判定部10は、負荷変動量評価部11の求めた負荷変動量dTと第3の閾値との高低を比較し(図7のS44)、負荷変動量dTが第3の閾値以上になると、第1のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力する(図7のS47)。また、既に第1のシャットオフ指令を出力しているか、又は、負荷変動量dTが第3の閾値未満であれば、シャットオフ判定部10は負荷トルク推定部8の推定値と第2の閾値との高低を比較し(図7のS45)、負荷トルクの推定値が第2の閾値以上になると、第2のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力する(図7のS48)。
【0049】
而して、モータ制御部12は、トリガスイッチ7の引き込み量に応じてモータ1の回転速度を制御するとともに、シャットオフ判定部10からシャットオフ指令が入力されると、トリガスイッチ7の引き込み操作に関係なく、モータ1を停止させる。ここで、シャットオフ判定部10から入力されたシャットオフ指令が第3の閾値による第1のシャットオフ指令の場合、モータ1を停止させた時点から所定の停止時間が経過するまでの間にトリガスイッチ7が開放されなければ、停止時間が経過した時点でモータ制御部12はモータ1を再び回転させる。また、シャットオフ判定部10から入力されたシャットオフ指令が第2の閾値による第2のシャットオフ指令の場合、モータ制御部12はモータ1を停止させ、モータ1の再起動は行わない。一方、モータ制御部12では、第1のシャットオフ指令が入力されるよりも前に第2のシャットオフ指令が入力された場合、モータ1を停止させた時点から所定の停止時間が経過するまでの間にトリガスイッチ7が開放されなければ、停止時間が経過した時点でモータ制御部12は所定の時間モータ1を回転させた後、モータ1を停止させ、ねじ締め作業を終了する。
【0050】
ところで、ねじ部材の種類やその組合せの設計によっては、シャットオフ判定部10が第1のシャットオフ指令を出力することなく、負荷トルクの推定値が第2の閾値に達して第2のシャットオフ指令を出力する場合もあり得る。このような場合、モータ1が1回停止しただけで負荷トルクが適正締付トルクに達するため、適正締付トルクに達するまでにモータ1が停止する回数が作業者の予想する回数よりも少なくなり、第1のねじ部材の適正締付トルクでねじ締め作業が終了したのか、第2のねじ部材の適正締付トルクでねじ締め作業が終了したのか作業者が分からなくなる場合がある。
【0051】
それに対して、本実施形態では、第1のシャットオフ指令が入力されるよりも前に第2のシャットオフ指令が入力された場合、モータ1を停止させた時点から所定の停止時間が経過するまでの間にトリガスイッチ7が開放されなければ、停止時間が経過した時点でモータ制御部12は所定の時間モータ1を回転させた後、モータ1を停止させているので、締付トルクが第2のねじ部材の適正締付トルクに達するまでにモータ1が停止する回数を1回分増やして、2回に合わせることができ、第2のねじ部材の適正締付トルクでねじ部材が締め付けられたことを作業者に知らしめることができる。また、第3のシャットオフ指令によりモータ1が回転する回転量は十分小さいので、これによって締付トルク精度が大きく悪化するようなこともない。
【0052】
ここで、図8はねじ締め作業の進行(すなわちハンマ3による打撃数N)に伴って変化する負荷トルク推定部8の推定トルクT及び負荷変動量評価部11の求めた変動量dTを示しており、負荷変動量dTが第3の閾値Tb以上になった時点P2で、シャットオフ判定部10は第1のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力し、モータ制御部12がモータ1を所定の停止時間停止される。そして、停止時間が経過するまでの間にトリガスイッチ7が開放されなければ、停止時間の経過後にモータ制御部12がモータ1の回転を再び開始させ、負荷トルク推定部8の推定トルクTが第2の閾値Taに達した時点P1で、シャットオフ判定部10は第2のシャットオフ指令をモータ制御部12に出力し、モータ制御部12がモータ1を停止させる。
【0053】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明は、適正締付トルクのそれぞれ異なる複数種類のねじ部材の締緩作業に用いられる動力駆動回転工具において、ねじ部材の締緩を行うための出力軸と、出力軸を回転させる駆動部と、引き込み量に応じた操作信号を発生するトリガスイッチと、トリガスイッチから入力された操作信号に応じて駆動部の回転数を制御する駆動制御部と、出力軸にかかる負荷トルクを推定する負荷トルク推定部と、負荷トルク推定部の推定値の所定時間当たりの変動量を検出する負荷変動量検出部と、複数種類のねじ部材の適正締付トルクが予め設定され、負荷トルク推定部の推定値および負荷変動量検出部の検出結果に基づいて駆動部を所定の停止時間停止させる停止指令を駆動制御部に出力するシャットオフ判定部とを備え、シャットオフ判定部は、負荷トルク推定部の推定値と予め設定された複数の適正締付トルクとの高低を比較し、推定値が何れかの適正締付トルクに一致する毎に停止指令を駆動制御部に出力するとともに、負荷変動量検出部の検出した変動量が所定のしきい値以上になると停止指令を駆動制御部に出力し、駆動制御部は、シャットオフ判定部から停止指令が入力された場合、当該停止指令の入力時における負荷トルク推定部の推定値が、シャットオフ判定部に予め設定された複数の適正締付トルクのうち最も高い適正締付トルクでなければ、トリガスイッチの操作に関係無く駆動部を停止時間停止させるとともに、停止時間が経過するまでの間にトリガスイッチが開放されない場合は停止時間が経過した時点で駆動部を再び回転させ、停止指令の入力時における負荷トルク推定部の推定値が、シャットオフ判定部に予め設定された複数の適正締付トルクのうち最も高い適正締付トルクであれば、駆動部を停止させて、駆動部の再起動は行わないことを特徴とし、シャットオフ判定部は負荷トルクが各ねじ部材の適正締付トルクに達すると停止指令を駆動制御部に出力しており、駆動制御部では停止指令が入力されると、所定の停止時間だけ駆動部を停止させているので、この間にトリガスイッチを開放すれば、負荷トルクをこの時点の適正締付トルクとすることができる。一方停止時間が経過する間トリガスイッチを引き続けていれば、駆動制御部は駆動部の回転を再開させ、次に負荷トルクが適正締付トルクに達した時点でシャットオフ判定部から入力された停止指令により駆動部を停止させるから、負荷トルクが所望の適正締付トルクに達した時点でトリガスイッチを開放することにより、所望の適正締付トルクまでねじ部材を締め付けることができ、且つ駆動部の停止した回数で現在の締付トルクを把握することができる。したがって、締付トルクの設定作業を行うことなく、締付トルクの異なる複数のねじ部材のねじ締め作業を効率良く行うことができ、且つ従来の動力駆動回転工具のように締付トルクを設定するトルク設定器が不要になるから、動力駆動回転工具の小型化、低コスト化を図ることができるという効果がある。
【0054】
しかも、樹脂グロメットのようなソフトジョイント部材のねじ締め作業を行う場合、着座直後にねじ締め作業を終了すれば、締付トルクが適正値となるが、シャットオフ判定部では、負荷変動量検出部の検出した変動量が所定のしきい値以上になると最初に停止指令を出力しているので、駆動制御部により駆動部が最初に停止された時点でトリガスイッチを開放すれば、負荷トルクの変動量が急激に増加した時点、すなわちねじ部材が着座した時点で駆動部を停止させることができ、適切な締付トルクでソフトジョイント部材のねじ締め作業を行えるという効果がある。
【0055】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、停止時間が略0.2秒以上且つ略1秒以下であることを特徴とし、停止時間は、負荷トルクが所望のトルクに達した時点でねじ締め作業を終了したい場合に作業者がトリガスイッチを離すだけの時間を確保できるような時間であって、且つ、ねじ締め作業を継続したい場合に駆動部が再起動されるまでの待ち時間を長く感じることがないような時間に設定するのが望ましく、停止時間としては略0.2秒以上且つ略1秒以下とするのが好ましい。
【0056】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、停止時間の設定値を変化させるための停止時間設定部を設けたことを特徴とし、停止時間は、負荷トルクが所望のトルクに達した時点でねじ締め作業を終了したい場合に作業者がトリガスイッチを離すだけの時間を確保できるような時間であって、且つ、ねじ締め作業を継続したい場合に駆動部が再起動されるまでの待ち時間を長く感じることがないような時間に設定するのが望ましく、停止時間設定部により停止時間を所望の時間に設定することができるという効果がある。
【0057】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、負荷変動量検出部の検出した変動量がしきい値以上になっていない段階で、負荷トルク推定部の推定値が所望の適正締付トルクに達して、シャットオフ判定部から駆動制御部に停止指令が入力された場合、駆動制御部は、トリガスイッチの操作信号に関係なく駆動部を停止させ、駆動部を停止させてから停止時間が経過するまでの間にトリガスイッチが開放されない場合は停止時間が経過した時点で、駆動部の回転を作業者が認識できる程度の十分短い間だけ駆動部を回転させた後、駆動部を停止させることを特徴とし、ねじ部材の種類やその組合せの設計によっては、負荷変動量検出部の検出した変動量がしきい値以上になっていない段階で、負荷トルク推定部の推定値がねじ部材の適正締付トルクに達する場合もあり、このような場合、所望の適正締付トルクに達するまでに駆動部が停止する回数が作業者の予想する回数よりも1回分少なくなり、所望のトルクでねじ締め作業が終了したのか作業者が分からなくなる場合があるが、負荷変動量検出部の検出した変動量がしきい値以上になっていない段階で、負荷トルク推定部の推定値が所望の適正締付トルクに達して、シャットオフ判定部から駆動制御部に停止指令が入力された場合、駆動部を停止させた時点から所定の停止時間が経過するまでの間にトリガスイッチが開放されなければ、停止時間が経過した時点で駆動制御部は所定の時間駆動部を回転させた後、停止させているので、締付トルクが所望の適正締付トルクに達するまでに駆動部が停止する回数を1回分増やして補正することができるから、所望の適正締付トルクでねじ部材が締め付けられたことを作業者に知らしめることができ、且つこの場合に駆動制御部が回転させる駆動部の回転量は十分小さいので、これによって締付トルク精度が大きく悪化するようなこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインパクト回転工具の基本構成を示すブロック図である。
【図2】 同上の動作を説明するフローチャートである。
【図3】 同上の別の動作を説明するフローチャートである。
【図4】 実施形態1のインパクト回転工具のブロック図である。
【図5】 同上の動作を説明するフローチャートである。
【図6】 実施形態2のインパクト回転工具のブロック図である。
【図7】 実施形態3のインパクト回転工具の動作を説明するフローチャートである。
【図8】 同上の打撃回数とトルクとの関係を説明する説明図である。
【図9】 従来のインパクト回転工具のブロック図である。
【符号の説明】
1 モータ
6 出力軸
7 トリガスイッチ
8 負荷トルク推定部
10 シャットオフ判定部
12 モータ制御部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a power-driven rotary tool such as an impact wrench or impact driver used for tightening and loosening screws such as bolts and nuts.
[0002]
[Prior art]
As this type of power-driven rotary tool, as shown in FIG. 9, the
[0003]
The impact rotary tool includes a load torque estimating
[0004]
When the screw tightening operation is performed, the shut-off
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In the impact rotary tool described above, the screw tightening operation is performed after the tightening torque is set in advance according to the type of the screw member to be tightened using the limit
[0006]
Therefore, among the screw members with different tightening torques, the setting work of the tightening torque can be reduced to some extent by setting the same value for the tightening torque for the screw members having the same allowable torque range. However, for screw members that do not overlap in the allowable torque range, it is necessary to change the setting of the tightening torque, and there is a problem that workability is poor. In addition, there is a limit to the common tightening torque, and when the common tightening torque is near the boundary of the allowable torque range, the tightening torque is insufficient due to variations in the manufacturing of screw members, etc. Therefore, the screw member may be stopped, or an excessive tightening torque may be applied to cause the screw member to penetrate the mating member, or the screw member may be damaged.
[0007]
Furthermore, when setting the tightening torque using the limit
[0008]
In addition, a thread groove is not formed on the surface, and a synthetic resin member such as a resin grommet that performs screw tightening while cutting the thread groove by screwing into the screw hole (hereinafter referred to as “soft joint member”). In addition, when the screw tightening operation of the metal screw member (hereinafter referred to as “hard joint member”) is performed using the above-described impact rotating tool, the change rate of the estimated torque value reaches a predetermined value. Then, it is determined that the screw member is a soft joint member, the screw tightening operation is stopped regardless of the tightening torque, and the screw member is a hard joint member if the change rate of the estimated torque value is less than a predetermined value. When the tightening torque reaches the appropriate tightening torque for the hard joint member, the tightening torque setting operation is made unnecessary by stopping the screw tightening operation. Although a method has been proposed, it is impossible to set a plurality of tightening torque in the case of a hard joint member, there is a problem that the same hard joint member tightening torque only simultaneously perform the screw tightening operation.
[0009]
Moreover, when the screw member is screwed with a spring washer between the screw hole formed in the iron plate after baking coating is applied to the iron plate in which the screw hole is formed, the screw member is removed while removing the paint adhering to the screw hole. After screwing into the screw hole, the spring washer is crushed by the screw member, so the transition of the load torque is very similar to the transition of the load torque generated when tightening the soft joint member described above, and the two cannot be distinguished. There is a case. Therefore, despite the fact that the hard joint member is tightened in the screw hole provided in the iron plate, the shut-off
[0010]
The present invention has been made in view of the above-described problems, and the object of the present invention is to reliably perform screw tightening work of a plurality of types of screw members having different tightening torques without performing tightening torque setting work. It is in providing the power drive rotary tool which can be performed to.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, according to the first aspect of the present invention, in a power-driven rotary tool used for tightening and tightening a plurality of types of screw members having different proper tightening torques, an output for tightening and tightening the screw members is provided. A shaft, a drive unit that rotates the output shaft, a trigger switch that generates an operation signal according to the pull-in amount, a drive control unit that controls the rotation speed of the drive unit according to the operation signal input from the trigger switch, A load torque estimation unit for estimating a load torque applied to the output shaft;,negativeA load fluctuation amount detecting unit for detecting a fluctuation amount per predetermined time of the estimated value of the load torque estimating unit;The drive control unit issues a stop command to stop the drive unit for a predetermined stop time based on an estimated value of the load torque estimation unit and a detection result of the load fluctuation amount detection unit, in which appropriate tightening torques for a plurality of types of screw members are preset. A shut-off determination unit that outputs toWithThe shut-off determination unit compares the estimated value of the load torque estimation unit with a plurality of preset appropriate tightening torques, and drives a stop command each time the estimated value matches any of the appropriate tightening torques. In addition to outputting to the control unit, when the fluctuation amount detected by the load fluctuation amount detection unit is equal to or greater than a predetermined threshold, a stop command is output to the drive control unit,When a stop command is input from the shut-off determination unit, the drive control unitLoad torque estimation unitEstimated value isUnless the highest proper tightening torque among the plurality of proper tightening torques set in advance in the shut-off determination unit, the drive unit is stopped for the stop time regardless of the operation of the trigger switch, and until the stop time elapses. BetweenIf the trigger switch is not released during this time, rotate the drive again when the stop time has elapsed.LetWhen a stop command is inputIf the estimated value of the load torque estimation unit is the highest proper tightening torque among a plurality of proper tightening torques preset in the shut-off determination unit, the drive unit is stopped and the drive unit is restarted. Not performedThe shut-off determination unit outputs a stop command to the drive control unit when the load torque reaches an appropriate tightening torque of each screw member. When the stop command is input to the drive control unit, a predetermined command is output. Since the drive unit is stopped only for the stop time, the load torque can be set to the appropriate tightening torque at this point if the trigger switch is opened during this time. On the other hand, if the trigger switch is continuously pulled while the stop time elapses, the drive control unit restarts the rotation of the drive unit, and then is input from the shut-off determination unit when the load torque reaches the appropriate tightening torque. Since the drive unit is stopped by the stop command, the screw member can be tightened to the desired proper tightening torque by opening the trigger switch when the load torque reaches the desired proper tightening torque, and the drive unit The current tightening torque can be grasped by the number of times of stopping. Therefore, it is possible to efficiently perform the screw tightening operation of a plurality of screw members having different tightening torques without performing the tightening torque setting operation, and to set the tightening torque as in a conventional power-driven rotary tool. Since the torque setting device is not necessary, the power-driven rotary tool can be reduced in size and cost.
[0012]
Moreover,When performing screw tightening work for soft joint members such as resin grommets, the tightening torque will be an appropriate value if the screw tightening work is completed immediately after seating, but the shut-off determination unit detects the load fluctuation amount detection unit. Since the stop command is output first when the amount of fluctuation exceeds the predetermined threshold, if the trigger switch is opened when the drive unit is first stopped by the drive control unit, the amount of load torque fluctuation will be The drive part can be stopped at the time when it suddenly increases, that is, when the screw member is seated, and the screw tightening operation of the soft joint member can be performed with an appropriate tightening torque.
[0013]
Claim2In the invention of claim1'sIn the invention, the stop time is approximately 0.2 seconds or more and approximately 1 second or less, and the stop time is determined by the operator when the operator wants to finish the screw tightening operation when the load torque reaches a desired torque. Set the time so that the trigger switch can be released, and when the screw tightening operation is to be continued, the waiting time until the drive unit is restarted is not felt long. It is desirable that the stop time is approximately 0.2 seconds or more and approximately 1 second or less.
[0014]
Claim3In the invention of claim1 or 2In the present invention, a stop time setting unit for changing the set value of the stop time is provided, and the stop time is determined by the operator when the screw tightening operation is to be terminated when the load torque reaches a desired torque. Is set to a time that can ensure the time to release the trigger switch and not to feel the waiting time until the drive is restarted when the screw tightening operation is to be continued. Preferably, the stop time can be set to a desired time by the stop time setting unit.
[0015]
Claim4In the invention of claim1In this invention, when the fluctuation amount detected by the load fluctuation amount detection unit is not equal to or greater than the threshold value, the estimated value of the load torque estimation unit reaches a desired appropriate tightening torque and is driven from the shut-off determination unit. When a stop command is input to the control unit, the drive control unit stops the drive unit regardless of the operation signal of the trigger switch, and the trigger switch is released after the drive unit is stopped until the stop time elapses. If not, when the stop time has elapsed, the drive unit is rotated for a sufficiently short time that the operator can recognize the rotation of the drive unit, and then the drive unit is stopped. Depending on the design of the combination, the estimated value of the load torque estimation unit may reach the appropriate tightening torque of the screw member when the variation detected by the load variation detection unit does not exceed the threshold value. In such a case, the number of times that the drive unit stops before reaching the desired appropriate tightening torque is one less than the number of times expected by the operator, and the operator knows whether the screw tightening operation has been completed with the desired torque. The estimated value of the load torque estimation unit reaches the desired proper tightening torque when the variation detected by the load variation detection unit is not equal to or greater than the threshold value, and the shut-off determination unit When a stop command is input to the drive control unit, if the trigger switch is not released between the time when the drive unit is stopped and the predetermined stop time elapses, the drive control unit is Since it is stopped after rotating the drive unit for a predetermined time, it can be corrected by increasing the number of times the drive unit stops until the tightening torque reaches the desired appropriate tightening torque. The operator can be informed that the screw member has been tightened with the desired proper tightening torque, and in this case, the amount of rotation of the drive unit rotated by the drive control unit is sufficiently small. There will be no major deterioration.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0017]
(Basic configuration)
Of the present inventionBasic configurationWill be described with reference to FIGS. This power-driven rotary tool rotates the
[0018]
Thus, in the state where the load is hardly applied to the
[0019]
By the way, the
[0020]
AlsoThis rotating toolFor example, the load
[0021]
The shut-off
[0022]
Here, the load
[0023]
The
[0024]
The control operation of the
[0025]
Thereafter, the
[0026]
On the other hand, when the
[0027]
Here, if the shutoff command is based on the first threshold value, the
[0028]
If the shutoff command is not based on the first threshold or the
[0029]
By the way, every time a hit by the hitting mechanism occurs, an interrupt is generated, and a shut-off determination process described later is performed. The shut-off determination process will be described below with reference to the flowchart of FIG.
[0030]
When an impact is generated by the impact mechanism, the load
[0031]
Thus, when the estimated torque of the load
[0032]
In addition,This rotating toolIn the above description, the case where two types of screw members having different proper tightening torques are tightened has been described. However, the proper tightening torque of three or more types of screw members is set in the shut-off
[0033]
The stop time for the
[0034]
(Embodiment1)
Embodiment of the present invention1Will be described with reference to FIGS. In this embodiment,Described in the basic configurationThe power-driven rotary tool is provided with a load fluctuation amount evaluation unit (load fluctuation amount detection unit) 11 that calculates the fluctuation amount of the load torque from the transition of the estimated value of the load torque estimated by the load
[0035]
The
[0036]
[Expression 1]
[0037]
Then, when the load fluctuation amount dT calculated by the load fluctuation
[0038]
Here, the shut-off determination process will be described with reference to the flowchart of FIG. The control operation of the
[0039]
When an impact is generated by the impact mechanism, the load
[0040]
By the way, when the screw tightening operation of the soft joint member described above is performed, if the screw tightening operation is finished immediately after the seating, the tightening torque becomes an appropriate value. By detecting the seating and terminating the screw tightening operation, the soft joint member can be tightened with an appropriate tightening torque. That is, in this embodiment, when the load fluctuation amount dT of the load torque obtained by the load fluctuation
[0041]
Note that the stop time for the
[0042]
In the present embodiment, the case where the tightening operation of the two types of screw members of the soft joint member and the hard joint member is described as an example.Basic configurationAs described in the above, when the appropriate tightening torque values of the plurality of hard joint members are set in the shut-off determining
[0043]
(Embodiment2)
Embodiment of the present invention2Will be described with reference to FIG. In this embodiment, the embodiment1In the power driven rotary tool, a shutoff command based on the third threshold value is input from the
[0044]
Here, the restart waiting
[0045]
In this embodiment, the embodiment1In the power driven rotary tool, there is provided a restart standby
[0046]
(Embodiment3)
Embodiment of the present invention3Will be described with reference to FIG. The configuration of the power driven rotary tool is the embodiment.1Therefore, description thereof is omitted, and only different portions will be described.
[0047]
The shut-off
[0048]
Here, the shut-off determination process will be described with reference to the flowchart of FIG. When an impact is generated by the impact mechanism, the load
[0049]
Thus, the
[0050]
By the way, depending on the type of the screw member and the combination thereof, the estimated value of the load torque reaches the second threshold value without the shut-off
[0051]
On the other hand, in this embodiment, when the second shut-off command is input before the first shut-off command is input, a predetermined stop time elapses from the time when the
[0052]
Here, FIG. 8 shows the estimated torque T of the load
[0053]
【The invention's effect】
As described above, the invention of
[0054]
MoreoverWhen tightening a soft joint member such as a resin grommet, the tightening torque will be an appropriate value if the screw tightening operation is completed immediately after seating. Since the stop command is output first when the detected fluctuation amount exceeds a predetermined threshold, if the trigger switch is opened when the drive section is first stopped by the drive control section, the load torque fluctuation amount The driving portion can be stopped at the time when the pressure suddenly increases, that is, when the screw member is seated, and there is an effect that the soft joint member can be tightened with an appropriate tightening torque.
[0055]
Claim2The invention of claim1'sIn the invention, the stop time is approximately 0.2 seconds or more and approximately 1 second or less, and the stop time is determined by the operator when the operator wants to finish the screw tightening operation when the load torque reaches a desired torque. Set the time so that the trigger switch can be released, and when the screw tightening operation is to be continued, the waiting time until the drive unit is restarted is not felt long. It is desirable that the stop time is approximately 0.2 seconds or more and approximately 1 second or less.
[0056]
Claim3The invention of claim 1Or 2The stop time setting unit for changing the set value of the stop time is provided, and the stop time is set when the screw tightening operation is finished when the load torque reaches a desired torque. When the person can secure enough time to release the trigger switch, and when he wants to continue screw tightening, he will not feel long waiting time until the drive is restarted. It is desirable to set, and there is an effect that the stop time can be set to a desired time by the stop time setting unit.
[0057]
Claim4The invention of claim1In this invention, when the fluctuation amount detected by the load fluctuation amount detection unit is not equal to or greater than the threshold value, the estimated value of the load torque estimation unit reaches a desired appropriate tightening torque and is driven from the shut-off determination unit. When a stop command is input to the control unit, the drive control unit stops the drive unit regardless of the operation signal of the trigger switch, and the trigger switch is released after the drive unit is stopped until the stop time elapses. If not, when the stop time has elapsed, the drive unit is rotated for a sufficiently short time that the operator can recognize the rotation of the drive unit, and then the drive unit is stopped. Depending on the design of the combination, the estimated value of the load torque estimation unit may reach the appropriate tightening torque of the screw member when the variation detected by the load variation detection unit does not exceed the threshold value. In such a case, the number of times that the drive unit stops before reaching the desired appropriate tightening torque is one less than the number of times expected by the operator, and the operator knows whether the screw tightening operation has been completed with the desired torque. The estimated value of the load torque estimation unit reaches the desired proper tightening torque when the variation detected by the load variation detection unit is not equal to or greater than the threshold value, and the shut-off determination unit When a stop command is input to the drive control unit, if the trigger switch is not released between the time when the drive unit is stopped and the predetermined stop time elapses, the drive control unit is Since it is stopped after rotating the drive unit for a predetermined time, it can be corrected by increasing the number of times the drive unit stops until the tightening torque reaches the desired appropriate tightening torque. The operator can be informed that the screw member has been tightened with the desired proper tightening torque, and in this case, the amount of rotation of the drive unit rotated by the drive control unit is sufficiently small. There will be no major deterioration.
[Brief description of the drawings]
[Figure 1]1 shows a basic configuration of an impact rotary tool according to the present invention.It is a block diagram.
FIG. 2 is a flowchart for explaining the operation described above.
FIG. 3 is a flowchart illustrating another operation of the above.
FIG. 4 Embodiment1It is a block diagram of the impact rotary tool of.
FIG. 5 is a flowchart for explaining the operation described above.
FIG. 6 is an embodiment.2It is a block diagram of the impact rotary tool of.
FIG. 73It is a flowchart explaining operation | movement of this impact rotary tool.
FIG. 8 is an explanatory diagram for explaining the relationship between the number of hits and torque.
FIG. 9 is a block diagram of a conventional impact rotary tool.
[Explanation of symbols]
1 Motor
6 Output shaft
7 Trigger switch
8 Load torque estimation unit
10 Shut-off judgment part
12 Motor controller
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