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JP3944434B2 - 給湯暖房システム - Google Patents

給湯暖房システム Download PDF

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JP3944434B2
JP3944434B2 JP2002260713A JP2002260713A JP3944434B2 JP 3944434 B2 JP3944434 B2 JP 3944434B2 JP 2002260713 A JP2002260713 A JP 2002260713A JP 2002260713 A JP2002260713 A JP 2002260713A JP 3944434 B2 JP3944434 B2 JP 3944434B2
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英克 藤田
新治 蔵本
真理 宮田
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Hitachi Appliances Inc
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Hitachi Appliances Inc
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯暖房システムに関し、特に、浴槽への給湯機能を備えた給湯装置の電気温水器を熱源として利用し、他の熱源を使用することなく、浴室の暖房及び/又は乾燥や床暖房等の暖房を行うことができる給湯暖房システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、集合住宅や一般の戸建て住宅などにおいて、浴槽内への給湯に温水ボイラーや深夜電気を利用した電気温水器が汎用されており、電気温水器のタンク内に貯湯されている所定温度の温水を、浴槽の給湯口や蛇口から供給するようにし、また、必要に応じて追い焚きを可能とするため、追い焚き用熱交換器をタンク内に配設している。
【0003】
ところで、例えば、浴室内の暖房及び/又は乾燥をする場合、一般には浴槽内への給湯装置の熱源と別にした浴室暖房乾燥機を浴室内に設置している。
この浴室暖房乾燥機としては、浴室暖房乾燥機に内蔵する電気式ヒータにて加熱した空気を送風機にて浴室内に送風するようにした電気ヒータ方式、浴室暖房乾燥機に内蔵する空気熱交換器に、ガス、石油等を燃料としたボイラーによって生成した温水を供給し、浴室内の空気を熱交換器にて加熱するようにしたボイラー温水方式等が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の浴室暖房乾燥機では、給湯装置の熱源があるにもかかわらずこれとは別個に、浴室暖房乾燥用熱源として新たに電気或いはガスを必要とし、設備費及びランニングコストが高くなるという問題を有していた。
また、ボイラー温水方式においては、暖房能力を大きくとれるが、運転開始直後の温度上昇特性が悪く、運転開始をするには温水が生成されるまでの時間を要し、さらには浴室内の温度制御を行う際、ボイラーの燃焼の運転、停止が繰り返えされるため、燃焼の際のロスが大きいという問題があった。
さらに、電気ヒータ方式においては、電気ヒータによる暖房運転のため、温度上昇特性はボイラー温水方式に比べて良いが、ヒータ容量に限界があるため、暖房能力に限界があり、能力不足になることがあるとともに、電気代がかかり、ボイラー温水方式に比べランニングコストが大きくなるという問題があった。
【0005】
また、床暖房等を行う暖房機においても、同様の問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の浴室暖房乾燥機、床暖房機等の暖房機が有する問題点に鑑み、他の熱源を使用することなく、浴室の暖房及び/又は乾燥や床暖房等の暖房を行うことができるようにした給湯暖房システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の給湯暖房システムは、電気温水器より浴槽へ給湯するようにするとともに、前記電気温水器のタンク内の上部に設置した暖房用熱交換器と室内に設置した暖房機間を、前記熱交換器内にて加熱された温水が、循環用ポンプにより循環する暖房用回路を設けた給湯暖房システムにおいて、前記暖房用回路に膨張タンクを配設するとともに、該膨張タンクへの補給水を電気温水器の給水又は給湯配管から分岐して取り入れるように補給水配管を構成し、該補給水配管に膨張タンクの水位に応じて自動的に開閉する開閉弁を配設した給湯暖房システムにおいて、暖房用熱交換器と浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器を、暖房用熱交換器の巻き径が、浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器の巻き径より小さい螺旋状に形成し、暖房用熱交換器と浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器の間を通ってタンク内に貯留された温水の対流と循環が維持されるように、電気温水器のタンク内の上部に、暖房用熱交換器の外周に浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器を配設して並列に設置したことを特徴とする。
【0008】
この給湯暖房システムは、電気温水器のタンク内に暖房用熱交換器を設置し、電気温水器を熱源機として暖房用熱交換器にて生成した温水を、室内に設置した暖房機に供給して暖房機の熱交換器によって暖房(及び/又は乾燥)を行うようにしているから、室内の暖房(及び/又は乾燥)を行うために新たな熱源を必要とせず、設備費及びランニングコストの低廉化を図ることができる。
また、運転開始時においては、タンク内に設置した熱交換機内に、すでに加熱された温水が停滞しているため、短時間で室内に設置した暖房機へ加熱された温水を供給でき、温度上昇特性が優れているとともに、ボイラー温水方式のように燃焼機を必要としないため、室内の温度制御を行う際においても燃焼の運転、停止が繰り返されることによる燃焼の際のロスがなく、暖房能力を大きくとることができる。
また、暖房用回路に配設した膨張タンクによって、温度変化による循環水の体積の膨張、収縮を吸収することができるので、暖房用回路内の水量を一定に保つことができ、暖房用熱交換器と室内に設置した暖房機間で温水を安定して循環させることができる。
さらに、膨張タンクへの補給水を電気温水器の給水又は給湯配管から分岐して取り入れるように補給水配管を構成し、補給水配管に膨張タンクの水位に応じて自動的に開閉する開閉弁を配設するようにしているので、循環水量が減少した場合においても、循環水を補給することができ、メンテナンスの簡易化を図ることができる。
【0009】
特に、暖房用熱交換器と浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器を、暖房用熱交換器の巻き径が、浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器の巻き径より小さい螺旋状に形成し、暖房用熱交換器と浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器の間を通ってタンク内に貯留された温水の対流と循環が維持されるように、電気温水器のタンク内の上部に、暖房用熱交換器の外周に浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器を配設して並列に設置したことにより、電気温水器のタンク内の上部空間を有効に利用することができ、上部ヒータにて電気温水器のタンク内を再加熱する際の加熱湯量を少なくでき、エネルギコストを低減することができるとともに、大きな熱量を必要とする浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器と、比較的小さな熱量しか必要としない暖房用熱交換器との熱量のバランスを容易にとることができる。
【0010】
さらに、深夜電力時間帯の終了時刻前より暖房機による暖房を行うことで、蓄熱を行うようにすることができる。
【0011】
これにより、安価な深夜電力を用いて、電気温水器と、例えば、床面の構成材料に蓄熱し、効率のよい暖房を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の給湯暖房システムの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図2に、給湯装置の電気温水器を、浴室暖房乾燥用熱源として利用するようにした本発明の給湯暖房システムの第1実施例を示す。
一般に、給湯装置としての電気温水器は、図1に示すように、所要の貯湯容量を有する円筒状のタンク1と、タンク1の上部と下部に設置され、タンク1内の水を設定温度まで加温するための上部ヒータ2及び下部ヒータ3と、また必要に応じて上部ヒータ2の上方に配設され、浴槽10から供給される水をタンク1内に貯留された温水により加温するようにした追い焚き用熱交換器4とを備えている。
【0014】
また、電気温水器のタンク1には、その底部位置に給水管5、上部位置に出湯管6を設けて、給水管5から給水することによりタンク1内の湯を押し上げるようにして、配管6から出湯するようにしている。
なお、給水管5には、減圧逆止弁11及びバキュームブレーカ11aを介して水道管Sが接続されており、自動的或いは手動的に電気温水器のタンクへの給水を可能としている。
【0015】
一方、追い焚き用熱交換器4は、タンク1内の貯湯と効率的に熱交換されるようタンク1の径よりも小径の螺旋状に形成するとともに、この熱交換器4を、タンク1内の中央部に配設するようにして、これにより、タンク1内に貯留された温水の対流と循環が良好に維持され、熱交換器4による熱交換を効率よく、かつ、確実に行うことができるようにする。
また、タンク1の胴部には、その取付位置を上下方向に変えて複数の温度センサ34,35,36を取り付け、この温度センサ34,35,36によって、タンク内温水温度の低下を迅速、かつ、正確に検知することができ、必要に応じて上部ヒータ2及び/又は下部ヒータ3による追加的な加熱を適切に実施することができるようにする。
【0016】
さらに、電気温水器のタンク1には、2本の配管6、9を介して浴槽10に接続し、該2本の配管6、9のうち一方の配管6(以下、「温水側配管6」という。)を介して浴槽10にタンク1の温水を、他方の配管9(以下、「水道水側配管9」という。)を介して浴槽10に水道水を、それぞれ供給するようになっている。
【0017】
温水側配管6は、逃し弁30の配管と分岐した配管61を形成し、この配管61の温水は、熱交換器4の配管8との合流部T2を経て、配管63、64を介して浴槽10に供給されるようにする。
また、水道水側配管9は、減圧逆止弁11の下流で水道管Sから分岐され、この水道水側配管9の水は、熱交換器4の配管7との合流部T1を経て、配管91を介して浴槽10に供給されるようにする。
【0018】
また、温水側配管61の合流部T2の上流側には、ソレノイドバルブ19、流量センサ20及び逆止弁21を備えた制御手段22が設けられるとともに、水道水側配管9の合流部T1の上流側には、同じ構成からなる制御手段23が設けられている。
なお、制御手段23の上流側と下流側には、それぞれ温度センサ31,32が配設されている。
これらの制御手段22、23は、温水側配管6から電気温水器の温水を、水道管Sから水道水を、それぞれ浴槽10に供給するに際し、浴槽10に供給される温水及び水道水の温度に基づいて、電気温水器の温水及び水道水の水量を調節し、浴槽10の湯の温度及び湯量を適正に制御するもので、これにより給湯速度を上げて給湯時間を大幅に短縮することができる。
【0019】
この場合、温水側配管63と水道水側配管91とを、逆止弁25を備えた接続管24により接続し、少なくとも水道水の一部を、電気温水器の温水と共に、温水側配管64を介して浴槽10に供給するようにしている。
これにより、温水側配管64で高温の温水に水道水を混合し、温水の温度を下げることによって、水道水側配管92からの水道水と温度ムラのできにくい状態で浴槽10に給湯することができる。
【0020】
また、前記制御手段22、23は、浴槽10の湯量が設定した量に近づいたとき、浴槽10への水道水の供給を停止し、電気温水器の温水のみを供給するように構成されている。
これにより、浴槽10の底部に滞留している低温の湯を最後に供給した温水の対流により撹拌して、浴槽10内の湯の温度を均一にすることができる。
【0021】
さらに、浴槽10に接続した温水側配管63を合流部T2で熱交換器4の配管8に接続するとともに、水道水側配管91を合流部T1で熱交換器4の配管7に接続し、これにより、熱交換器4に浴槽10内の湯を循環させ、浴槽10内の湯の追い焚きを可能とし、これにより特に、深夜電力を利用する電気温水器を使用する場合には、低コストの深夜電力の利用を促進することができる。
【0022】
そして、本実施例では、熱交換器4から延びる2本の配管7、8をアダプタ33を介して浴槽10に接続しており、これにより、熱交換器4に浴槽10内の湯を循環させ、浴槽10内の湯の追い焚きができるようになっている。
また、熱交換器4の配管7には、その途中に混合弁18を接続し、この混合弁18と配管91の合流部T1との間の配管7に水位センサ12、ストレーナ13、温度センサ14、循環ポンプ15、ソレノイドバルブ16及び逆止弁17がそれぞれ上流側から順に配設されており、水位センサ12と温度センサ14で浴槽10の水位と温度を検出するとともに、循環ポンプ15によって浴槽10内の湯を吸い上げ、熱交換器4に浴槽10内の湯を循環させるようになっている。
【0023】
また、水道水側配管9の制御手段23の上流側で水道水側配管93を分岐するとともに、温水側配管61の制御手段22の上流側で温水側配管62を分岐し、これら分岐した水道水側配管93と温水側配管62とを混合弁26で接続することにより、温度センサ27と流量センサ28を備えた他の配管経路29を形成している。
この配管経路29では、設定された温度に基づいて、電気温水器の温水と水道水の水量を調節し、配管経路29を経て供給される湯の水温を制御することができる。
【0024】
以上、電気温水器を備えた給湯装置の一実施例について説明したが、本発明の給湯装置としては、特にこれに限定されるものではなく、貯湯式の温水タンクであれば利用することができるとともに、さらに本発明においては、貯湯式のタンクに、給湯暖房システムを接続するものである。
【0025】
ところで、この給湯暖房システムにおいては、タンク1内上部に配設した追い焚き用熱交換器4と別個に、独立して配設した暖房用熱交換器(浴室暖房乾燥用熱交換器)41と、浴室内に配設した暖房機(浴室暖房乾燥機)42と、暖房用熱交換器41、暖房機42間を温水が循環するように配管した暖房側配管43,44と、この一方の暖房側配管43に接続された開放型の膨張タンク45及び循環ポンプ46等より構成する。
【0026】
この暖房用熱交換器41は、熱交換器4と同様に螺旋状とし、かつ熱交換器4の径よりも小径とし、これにより熱交換器41を熱交換器4の内周側に、同心的に配設するようにする。
これにより同一のタンク内で、2つの熱交換器4,41で同時に熱交換による水又は温水の加熱を行うようにする。
そして、特に限定されるものではないが、熱交換器4の内周側に暖房用熱交換器41を、それぞれ螺旋状に配設することにより、大きな熱量を必要とする浴槽10内の湯の追い焚き用熱交換器4と、比較的小さな熱量しか必要としない暖房用熱交換器41との熱量のバランスを容易にとることができるものとなる。
ただし、この熱交換器41と熱交換器4との配置関係は、同心的の内外周に配置する実施例に限定されるものではなく、タンク1内の上部と下部の上下位置となるように配設することも可能で、これら2つの熱交換器の構成及び配置は、これに限定されるものではない。
【0027】
また、膨張タンク45には、上限用レベルセンサ47a及び下限用レベルセンサ47bと、オーバフロー管48を備え、水道管Sより分岐した補給水配管49を接続し、補給水配管49に接続した開閉弁(給水電磁弁)50により熱交換器41、暖房機42間を循環する水量が、その温度変化により体積が膨張又は収縮しても、水量が常に一定量となるように膨張タンク45内にて吸収させるとともに、循環水量が減少した場合においても、下限用レベルセンサ47bの検知により開閉弁50にて循環水を補給することができ、これにより、安定して温水が暖房用熱交換器41と暖房機42間を循環するようにすることができる。
なお、暖房機42には制御装置51を備え、この制御装置51にて暖房機42の運転又は運転停止を行うようにする。
また、暖房側配管43,44には点検時等において、配管43,44内の排水を簡易に、確実に行えるように排水コック52,53を備えるとともに、暖房側配管43,44の適宜箇所に、凍結防止用温度センサ54を配設するようにする。
【0028】
次に、この給湯装置の電気温水器を熱源として用いた給湯暖房システムの作用について説明する。
冬季などにおいて、入浴に際し、浴室内を暖房する場合、或いは浴室内の乾燥又は浴室内に干した洗濯物を乾燥する場合、暖房機42を運転して行う。通常は、給湯暖房システムの開閉弁50は閉じられているので、タンク1内に配設された暖房用熱交換器41内の水はタンク1内の湯との熱交換にて加温されており、この状態で循環用ポンプ46を駆動することにより、熱交換器41内で熱交換にて加熱された温水が、熱交換器41と暖房機42との間を、暖房側配管43,44を介して循環することとなる。そして、暖房機42内には熱交換器42aと送風機42bとが配設されているので、暖房機42内で空気は熱交換され、温風となって浴室内へ吹き出され、浴室内の暖房及び/又は乾燥を行うことができる。
【0029】
なお、この場合、暖房用循環水は、熱交換器41内を通過する際、加熱されて、その加熱温度により体積が膨張したり、また反対に循環水の温度が低下することにより体積が収縮したりする。これにより、密閉された暖房側配管43,44内にて、循環水の体積が変化する。この体積の変化時、暖房側配管43に配設された膨張タンク45にて、循環水の体積変化を吸収するようになって、循環配管内においては、常に一定の循環水量が保たれ、これにより安定した循環が行われて、浴室内の暖房及び/又は乾燥を行うものとなる。
【0030】
このように、電気温水器のタンク内に暖房機のシステム配管内の水を加熱するための熱交換器を配設し、該熱交換器にて生成した温水を暖房機に供給して、暖房機内の空気熱交換器によって暖房、乾燥を行う方式のため、特に運転開始時においては、該熱交換機内に、すでに加熱された温水が停滞しているため、短時間で暖房機へ加熱された温水が供給でき、温度上昇特性に優れており、また、ボイラー温水方式のように燃焼機を必要としないため、浴室内の温度制御を行う際においても燃焼の運転、停止が繰り返されることによる燃焼の際のロスがなくなる。
ボイラー温水方式と同様に暖房機に温水を供給する方式のため、電気ヒータ式よりも暖房能力を大きくとれ、ボイラー温水方式と同等の能力を確保することができ、さらに電気ヒータ式、ボイラー温水方式と異なり、深夜電力を使用して蓄えた温水を利用できることから、電気ヒータ式、ボイラー温水方式に比べ、ランニングコストの低減が図られる。
【0031】
図3に、給湯装置の電気温水器を、床暖房用熱源として利用するようにした本発明の給湯暖房システムの第2実施例を示す。
【0032】
この給湯暖房システムにおいては、タンク1内上部に配設した追い焚き用熱交換器4と別個に、独立して配設した暖房用熱交換器(床暖房用熱交換器)41と、居室内に床面内部に敷設した暖房機(床暖房機)42と、暖房用熱交換器41、暖房機42間を温水が循環するように配管した暖房側配管43,44と、この一方の暖房側配管43に接続された開放型の膨張タンク45及び循環ポンプ46等より構成する。
【0033】
そして、この給湯暖房システムにおいては、暖房側配管(戻り側)43から分岐したバイパス配管56を、暖房用熱交換器41からの暖房側配管(往き側)44に配設した混合弁55に接続するようにする。
また、混合弁55を配設した暖房側配管(往き側)44の下流側に、混合弁制御用温度センサ57を、暖房機42の近傍位置の暖房側配管(戻り側)43(又は床面)に床面温度センサ58を、それぞれ配設するようにする。
【0034】
次に、この給湯装置の電気温水器を熱源として用いた給湯暖房システムの作用について説明する。
床暖房運転の開始時は、混合弁55によってバイパス配管56を閉止させることで、電気温水器のタンク1内に配設した暖房用熱交換器41で加熱した高温の温水を、居室内の床面内部に敷設した暖房機42の熱交換器42aに供給し、床面温度が短時間で所定の温度に達するように運転する。
この際、床面温度センサ58によって、暖房側配管(戻り側)43の水温(又は床面の温度)を測定し、水温(又は床面の温度)が設定温度まで上昇した後は、設定温度を維持するように、混合弁55によってバイパス配管56にバイパスさせる水量を調節し、暖房機42の熱交換器42aに供給する温水の温度を制御したり、さらに、必要に応じて、循環ポンプ46の駆動状態(循環ポンプ46の回転数又はON、OFF)を制御する。
ここで、床暖房の使用に際しては、深夜の沸き上げ時間内に床暖房を使用するケースも想定されることから、床暖房を使用している場合においても、電気温水器の沸き上げ終了時刻には、電気温水器のタンク1内に貯留されている湯が確実に沸き上がるように、タンク1内に配設するヒータ2,3の容量は、通常よりも大容量のものを用いることが望ましい。
なお、床面の構成材料が蓄熱材としての機能を奏することから、深夜の沸き上げ時間内に電気温水器の沸き上げ終了時刻を予測し、床暖房の負荷を加味した上で、深夜電力時間帯の終了時刻の数時間前より床暖房を行うことで、安価な深夜電力を用いて、電気温水器のタンク1内と床面の構成材料への蓄熱を行い、効率のよい床暖房を実現することができる。
【0035】
なお、この給湯暖房システムのその他の構成及び作用は、上記第1実施例の給湯暖房システムと同様である。
【0036】
以上、本発明の給湯暖房システムについて、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものであり、また、その適用対象も、上記実施例の浴室暖房乾燥機や床暖房機以外の暖房機を含むものである。
【0037】
【発明の効果】
本発明の給湯暖房システムによれば、電気温水器のタンク内に暖房用熱交換器を設置し、電気温水器を熱源機として暖房用熱交換器にて生成した温水を、室内に設置した暖房機に供給して暖房機の熱交換器によって暖房(及び/又は乾燥)を行うようにしているから、室内の暖房(及び/又は乾燥)を行うために新たな熱源を必要とせず、設備費及びランニングコストの低廉化を図ることができる。
また、運転開始時においては、タンク内に設置した熱交換機内に、すでに加熱された温水が停滞しているため、短時間で室内に設置した暖房機へ加熱された温水を供給でき、温度上昇特性が優れているとともに、ボイラー温水方式のように燃焼機を必要としないため、室内の温度制御を行う際においても燃焼の運転、停止が繰り返されることによる燃焼の際のロスがなく、暖房能力を大きくとることができる。
また、暖房用回路に配設した膨張タンクによって、温度変化による循環水の体積の膨張、収縮を吸収することができるので、暖房用回路内の水量を一定に保つことができ、暖房用熱交換器と室内に設置した暖房機間で温水を安定して循環させることができる。
さらに、膨張タンクへの補給水を電気温水器の給水又は給湯配管から分岐して取り入れるように補給水配管を構成し、補給水配管に膨張タンクの水位に応じて自動的に開閉する開閉弁を配設するようにしているので、循環水量が減少した場合においても、循環水を補給することができ、メンテナンスの簡易化を図ることができる。
【0038】
特に、暖房用熱交換器と浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器を、暖房用熱交換器の巻き径が、浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器の巻き径より小さい螺旋状に形成し、暖房用熱交換器と浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器の間を通ってタンク内に貯留された温水の対流と循環が維持されるように、電気温水器のタンク内の上部に、暖房用熱交換器の外周に浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器を配設して並列に設置したことにより、電気温水器のタンク内の上部空間を有効に利用することができ、上部ヒータにて電気温水器のタンク内を再加熱する際の加熱湯量を少なくでき、エネルギコストを低減することができるとともに、大きな熱量を必要とする浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器と、比較的小さな熱量しか必要としない暖房用熱交換器との熱量のバランスを容易にとることができる。
【0039】
さらに、深夜電力時間帯の終了時刻前より暖房機による暖房を行うことで、蓄熱を行うようにすることにより、安価な深夜電力を用いて、電気温水器と、例えば、床面の構成材料に蓄熱し、効率のよい暖房を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の給湯暖房システムの第1実施例を示す概略構造図である。
【図2】 本発明の給湯暖房システムに用いる電気温水器を示し、(A)は断面図、(B)は電気温水器のタンク内に配設された熱交換器の正面図である。
【図3】 本発明の給湯暖房システムの第2実施例を示す概略構造図である。
【符号の説明】
1 電気温水器のタンク
2 上部ヒータ
3 下部ヒータ
4 熱交換器
5 給水管
6 温水側配管
7 熱交換器の配管
8 熱交換器の配管
9 水道水側配管
10 浴槽
41 暖房用熱交換器(浴室暖房乾燥用熱交換器、床暖房用熱交換器)
42 暖房機(浴室暖房乾燥機、床暖房機)
43 暖房側配管
44 暖房側配管
45 膨張タンク
46 循環用ポンプ
47a 上限用レベルセンサ
47b 下限用レベルセンサ
48 オーバフロー管
49 補給水配管
50 開閉弁(給水電磁弁)
51 制御装置

Claims (2)

  1. 電気温水器より浴槽へ給湯するようにするとともに、前記電気温水器のタンク内の上部に設置した暖房用熱交換器と室内に設置した暖房機間を、前記熱交換器内にて加熱された温水が、循環用ポンプにより循環する暖房用回路を設けた給湯暖房システムにおいて、前記暖房用回路に膨張タンクを配設するとともに、該膨張タンクへの補給水を電気温水器の給水又は給湯配管から分岐して取り入れるように補給水配管を構成し、該補給水配管に膨張タンクの水位に応じて自動的に開閉する開閉弁を配設した給湯暖房システムにおいて、暖房用熱交換器と浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器を、暖房用熱交換器の巻き径が、浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器の巻き径より小さい螺旋状に形成し、暖房用熱交換器と浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器の間を通ってタンク内に貯留された温水の対流と循環が維持されるように、電気温水器のタンク内の上部に、暖房用熱交換器の外周に浴槽内の湯の追い焚き用熱交換器を配設して並列に設置したことを特徴とする給湯暖房システム。
  2. 深夜電力時間帯の終了時刻前より暖房機による暖房を行うことで、蓄熱を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の給湯暖房システム。
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