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JP3943338B2 - 鉄心のコア部材 - Google Patents

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JP3943338B2 JP2001026354A JP2001026354A JP3943338B2 JP 3943338 B2 JP3943338 B2 JP 3943338B2 JP 2001026354 A JP2001026354 A JP 2001026354A JP 2001026354 A JP2001026354 A JP 2001026354A JP 3943338 B2 JP3943338 B2 JP 3943338B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のコア片が連結手段を介して連結されるコア片連結部材を、各コア片の積層方向に相隣なる縁部同士が重なり合うように積層された鉄心のコア部材に係り、特にその両端部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は例えば特開2000−201458号公報等に開示されるこの種従来のコア部材が適用された鉄心の構成を示す正面図、図9は図8におけるコア片連結部材の構成を示す平面図、図10はコア片連結部材の連結部の構成を示す断面図、図11は積層されたコア片連結部材の各コア片の縁部の構成を示す断面図である。
【0003】
図において、1は磁性材料でなる板状のコア片で、一端側裏表面に連結手段としての凹部1aおよび凸部1bが形成されるとともに、その端面1cはこれら凹部1aおよび凸部1bの中心を中心とした円弧状に形成され、他端側には相隣なるコア片1の端面1cと嵌合可能な端面1dが形成されている。2は複数のコア片1が各端面1c、1dを介して配列された第1のコア片連結部材、3は各コア片1が第1のコア片連結部材2とは長手方向に互い違いに配列された第2のコア片連結部材で、第1のコア片連結部材2とは交互に積層され、積層方向に相隣なるコア片1同士の凹部1aおよび凸部1bが嵌合されることにより回転自在に連結されており、両コア片連結部材2、3でコア部材4が構成されている。5は各コア片1に巻回された巻線、6は上記のようにして構成されたコア部材4の各コア片1の凹、凸部1a、1bを回転させることにより環状に形成された鉄心であり、凹部1aおよび凸部1bを介して相対向する各コア片1の縁部同士は、図11に示すように互い違いに重なり合った状態になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のコア部材4は上記のように構成され、連結手段としての凹、凸部1a、1bを回転させることにより環状に形成して鉄心6を構成しているが、環状に形成する工程の前工程として、例えば焼なまし、樹脂のモールド、巻線等の工程を経る必要があるため、図12に示すように多数のコア部材4を順次連結し、各工程が行われる位置に連続して搬送し、又、各工程が終了し環状に形成する時点で連結を取り外さなければならない。しかしながら、凹、凸部1a、1bは各コア片1同士がしっかり連結され、環状に形成する際に回転し易いように構成されているので、着脱が容易でなく搬送のために各コア部材4を連結、取り外す作業に手間がかかり、生産性が低下するという問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、搬送のために各コア部材を連結、取り外す作業を容易化し、生産性の向上を図ることが可能な鉄心のコア部材を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る鉄心のコア部材は、複数の板状のコア片を帯状に配列することによりコア片連結部材を形成し、コア片連結部材を各コア片の積層方向に相隣なる縁部同士が重なり合うように順次積層するとともに、重なり合ったコア片の縁部同士に、これらを回転自在に連結する連結手段を設けた鉄心のコア部材において、一端側は積層方向両端のそれぞれに少なくとも一枚のコア片を残して他の残りのコア片の重なり合う部分を除去するとともに、他端側は一端側の重なり合う部分が除去されたコア片と対応するコア片を残して積層方向両端の他の残りのコア片の重なり合う部分を除去したものであって、一端側の両端部にはコア片の縁部表裏面の所定の位置に凹部および凸部が形成されおり、他端側の残されたコア片の表面には一端側コア片の縁部表裏面に形成された凹部および凸部と嵌合可能な凹部および凸部が設けられており、一端側の積層方向両端にある少なくとも一枚のコア片を、凸部の高さ分撓むことができるようにしたものである。
【0007】
又、この発明の請求項2に係る鉄心のコア部材は、請求項1において、一端側の重なり合う部分が残されたコア片に設けられ、且つ他端側の残されたコア片の表面に形成された凸部と嵌合する凹部に、一端側コア片の端面側に開口する切り欠きを形成したものである。
【0008】
又、この発明の請求項3に係る鉄心のコア部材は、請求項1または2において、一端側の重なり合う部分が残されたコア片の少なくとも凹、凸部より内側に、コア片の幅方向に延在する長穴を形成したものである。
【0009】
又、この発明の請求項4に係る鉄心のコア部材は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、一端または他端側の少なくともいずれか一方の、重なり合う部分が残されたコア片の先端の角部に面取りを施したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるコア部材の構成を示す斜視図、図2は図1におけるコア部材によって形成された鉄心の構成を示す斜視図、図3は図1におけるコア部材の連結部の構成を示す断面図、図4は図3におけるコア部材の連結部が連結された状態を示す断面図である。
【0011】
図において、11は磁性材料でなる板状のコア片で、一端側裏表面に連結手段としての凹部11aおよび凸部11bが形成されるとともに、その端面11cはこれら凹部11aおよび凸部11bの中心を中心とした円弧状に形成され、他端側には相隣なるコア片11の端面11cと嵌合可能な端面11dが形成されている。12は複数のコア片11が各端面11c、11dを介して配列された第1のコア片連結部材、13は各コア片11が第1のコア片連結部材12とは長手方向に互い違いに配列された第2のコア片連結部材である。
【0012】
そして、これら第1および第2のコア片連結部材12、13は交互に積層されて抜きかしめにより一体化され、積層方向に相隣なるコア片11同士の凹部11aおよび凸部11bが嵌合することにより、回転自在に連結されてコア部材14が構成され、このコア部材14の一端側は、図3に示すように積層方向両端にそれぞれ一枚のコア片11を残して、他の残りのコア片11の重なり合う部分(図中二点鎖線で示す)が除去されており、又、他端側は、一端側の重なり合う部分が除去されたコア片11と対応するコア片11を残して、積層方向両端の残りの一枚ずつのコア片11の重なり合う部分(図中二点鎖線で示す)が除去されている。15はこのようにして構成されたコア部材14の各コア片11の凹部11aおよび凸部11bを回転させることにより環状に形成された鉄心である。
【0013】
このように上記実施の形態1によれば、コア部材14の一端側は、積層方向両端にそれぞれ一枚のコア片11を残して、他の残りのコア片11の重なり合う部分を除去し、他端側は、一端側の重なり合う部分が除去されたコア片11と対応するコア片11を残して、積層方向両端の残りの一枚ずつのコア片11の重なり合う部分を除去するようにしているので、図4に示すように一端側の積層方向両端に配置された両コア片11の先端側を、一点鎖線で示すように外側に撓ませ、連結方向に相隣なるコア部材14の他端側を内側に嵌挿した後、弾性力により撓みを元に戻してお互いの凹部11aおよび凸部11b同士を嵌合させることにより、コア部材14同士を容易に連結することができ、又、取り外す場合も、一端側の両コア片11の先端側を上記と同様に外側に撓ませるだけで容易に取り外すことができるため、搬送のために各コア部材14を連結、取り外す作業に手間がかからなくなり、生産性の向上を図ることが可能になる。
【0014】
なお、上記構成では、コア部材14の一端側の積層方向両端に、一枚ずつコア片11を残した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、外側に撓ませるに支障のない範囲で適当な枚数とすることにより、搬送のための引っ張り力に対する耐力の向上を図ることができる。
又、図5に示すようにコア部材14の一端または他端側の少なくともいずれか一方の、重なり合う部分が残されたコア片11の先端の角部に、面取り11eを施すことにより、一端側の内側に他端側を嵌挿させる作業が容易となり、さらに連結作業の手間を省くことができる。なお、面取り11eはコア片11を金型内で打ち抜く際に面打ちを施すことで容易に加工することができる。
さらに又、図3ないし図5における構成では、最下層となるコア片11が凹、凸部11a、11bを有したものとなっているが、製造工程によっては、単に凸部11bが嵌合可能な穴としても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0015】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2における鉄心のコア部材の要部の構成を示す平面図である。
図において、上記実施の形態1におけると同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。
この実施の形態2においては、コア部材14の一端側の重なり合う部分が残されたコア片11の凹部11aに、コア片11の端面側に開口する切り欠き11fが形成されている。
【0016】
このように上記実施の形態2によれば、コア部材14の一端側の重なり合う部分が残されたコア片11の凹部11aに、コア片11の端面側に開口する切り欠き11fを形成したので、連結方向に相隣なるコア部材14の他端側の重なり合う部分が残されたコア片11の凸部11bと嵌合される際に、切り欠き11fの部分が拡開し凹部11aの径を一時的に大きくするので、嵌合が容易となりコア部材14同士の連結作業の手間をさらに省くことができ、生産性の向上を図ることが可能になる。
【0017】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3における鉄心のコア部材の要部の構成を示す平面図である。
図において、上記実施の形態1におけると同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。
この実施の形態3においては、コア部材14の一端側の重なり部分が残されたコア片11の少なくとも凹、凸部11a、11bより内側に、コア片11の幅方向に延在する長穴11gが形成されている。
【0018】
このように上記実施の形態3によれば、コア部材14の一端側の重なり部分が残されたコア片11の少なくとも凹、凸部11a、11bより内側に、コア片11の幅方向に延在する長穴11gを形成したので、この長穴11gによりコア片11の先端側の可撓性を向上させることができるため、連結方向に相隣なるコア部材14の他端側を内側に嵌挿させる際に、一端側のコア部材11を外側に十分撓ませることができるので、さらに連結作業が容易となり生産性の向上を図ることができる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、複数の板状のコア片を帯状に配列することによりコア片連結部材を形成し、コア片連結部材を各コア片の積層方向に相隣なる縁部同士が重なり合うように順次積層するとともに、重なり合ったコア片の縁部同士に、これらを回転自在に連結する連結手段を設けた鉄心のコア部材において、一端側は積層方向両端のそれぞれに少なくとも一枚のコア片を残して他の残りのコア片の重なり合う部分を除去するとともに、他端側は一端側の重なり合う部分が除去されたコア片と対応するコア片を残して積層方向両端の他の残りのコア片の重なり合う部分を除去したものであって、一端側の両端部にはコア片の縁部表裏面の所定の位置に凹部および凸部が形成されており、他端側の残されたコア片の表面には一端側コア片の縁部表裏面に形成された凹部および凸部と嵌合可能な凹部および凸部が設けられており、一端側の積層方向両端にある少なくとも一枚のコア片を、凸部の高さ分撓むことができるようにしたので、搬送のために各コア部材を連結、取り外す作業を容易化し、生産性の向上を図ることが可能な鉄心のコア部材を提供することができる。
【0020】
又、この発明の請求項2によれば、請求項1において、一端側の重なり合う部分が残されたコア片に設けられ、且つ他端側の残されたコア片の表面に形成された凸部と嵌合する凹部に、一端側コア片の端面側に開口する切り欠きを形成したので、搬送のために各コア部材を連結、取り外す作業をさらに容易化し、生産性の向上を図ることが可能な鉄心のコア部材を提供することができる。
【0021】
又、この発明の請求項3によれば、請求項1または2において、一端側の重なり合う部分が残されたコア片の少なくとも凹、凸部より内側に、コア片の幅方向に延在する長穴を形成したので、搬送のために各コア部材を連結、取り外す作業をさらに容易化し、生産性の向上を図ることが可能な鉄心のコア部材を提供することができる。
【0022】
又、この発明の請求項4によれば、請求項1ないし3のいずれかにおいて、一端または 他端側の少なくともいずれか一方の、重なり合う部分が残されたコア片の先端の角部に面取りを施したので、搬送のために各コア部材を連結する作業をさらに容易化し、生産性の向上を図ることが可能な鉄心のコア部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における鉄心のコア部材の構成を示す斜視図である。
【図2】 図1におけるコア部材によって形成された鉄心の構成を示す斜視図である。
【図3】 図1におけるコア部材の連結部の構成を示す断面図である。
【図4】 図3におけるコア部材の連結部が連結された状態を示す断面図である。
【図5】 図1におけるコア部材の連結部の図3とは異なる構成を示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態2における鉄心のコア部材の要部の構成を示す平面図である。
【図7】 この発明の実施の形態3における鉄心のコア部材の要部の構成を示す平面図である。
【図8】 従来のコア部材が適用された鉄心の構成を示す正面図である。
【図9】 図8におけるコア片連結部材の構成を示す平面図である。
【図10】 コア片連結部材の連結部の構成を示す断面図である。
【図11】 積層されたコア片連結部材の各コア片の縁部の構成を示す断面図である。
【図12】 鉄心のコア部材の一般的な製造工程を示す図である。
【符号の説明】
11 コア片、11a 凹部、11b 凸部、11c,11d 端面、
11e 面取り、11f 切り欠き、11g 長穴、12 第1のコア片連結部材、
13 第2のコア片連結部材、14 コア部材、15 鉄心。

Claims (4)

  1. 複数の板状のコア片を帯状に配列することによりコア片連結部材を形成し、上記コア片連結部材を上記各コア片の積層方向に相隣なる縁部同士が重なり合うように順次積層するとともに、上記重なり合ったコア片の縁部同士に、これらを回転自在に連結する連結手段を設けた鉄心のコア部材において、一端側は積層方向両端のそれぞれに少なくとも一枚のコア片を残して他の残りのコア片の上記重なり合う部分が除去されるとともに、他端側は上記一端側の重なり合う部分が除去されたコア片と対応するコア片を残して上記積層方向両端の他の残りのコア片の上記重なり合う部分が除去されたものであって、上記一端側の両端部にはコア片の縁部表裏面の所定の位置に凹部および凸部が形成されており、上記他端側の残されたコア片の表面には上記一端側コア片の縁部表裏面に形成された凹部および凸部と嵌合可能な凹部および凸部が設けられており、上記一端側の積層方向両端にある少なくとも一枚のコア片は、上記凸部の高さ分撓むことができることを特徴とする鉄心のコア部材。
  2. 一端側の重なり合う部分が残されたコア片に設けられ、且つ他端側の残されたコア片の表面に形成された凸部と嵌合する凹部に、上記一端側コア片の端面側に開口する切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項1記載の鉄心のコア部材。
  3. 一端側の重なり合う部分が残されたコア片の少なくとも凹、凸部より内側に、上記コア片の幅方向に延在する長穴が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の鉄心のコア部材。
  4. 一端または他端側の少なくともいずれか一方の、重なり合う部分が残されたコア片の先端の角部に面取りを施したことを特徴とする請求項1ないし3記載の鉄心のコア部材。
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