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JP3940426B2 - フラットパネルディスプレイの製造方法、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板の外面機械研磨装置及びフラットパネルディスプレイ - Google Patents

フラットパネルディスプレイの製造方法、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板の外面機械研磨装置及びフラットパネルディスプレイ Download PDF

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JP3940426B2 JP2006140865A JP2006140865A JP3940426B2 JP 3940426 B2 JP3940426 B2 JP 3940426B2 JP 2006140865 A JP2006140865 A JP 2006140865A JP 2006140865 A JP2006140865 A JP 2006140865A JP 3940426 B2 JP3940426 B2 JP 3940426B2
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Description

本願の発明は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(以下、FPD)及びその製造に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのFPDは、コンピュータの表示デバイス用やTV受像器用、携帯電話の表示部用など、各種電子機器に多用されている。最近では、自発光のためバックライトが不要で高速応答性に優れた有機ELディスプレイの開発が進められており、将来が有望視されている。
このようなFPDに求められている課題の一つに、薄型化がある。薄型化は、搭載される電子機器の薄型化や小型化、軽量化に伴って要求されている。例えば、ノートパソコンや携帯電話では、さらなる薄型化や軽量化が求められており、これに伴いFPDも薄く軽量なものが求められている。
FPDの薄型化や軽量化にとって重要な要素は、ガラス基板である。液晶ディスプレイにしろ、プラズマディスプレイにしろ、有機ELディスプレイにしろ、一対のガラス基板を貼り合わせ、その内側面に素子電極を配した構造を採る。ガラスは比重が重く、また機械的強度を確保する必要性からある程度の厚さが必要となる。従って、ガラス基板の存在がFPDの薄型化や軽量化にとって障害となっている。
多くのFPDの製造工程では、大きな一対のガラス基板から多数のFPDを産出する工法が採られている。一対のガラス基板は、産出する各FPD用に区分けがされており、各区域にそれぞれ素子電極が形成される。貼り合わせ等の工程が終了した後、一対のガラス基板は各区域に切断され、仕上げの工程に回される。
このように一対のガラス基板から多数のFPDを産出する工法は、工程の集約化が行えるため製造コストが安くできるメリットがあるものの、ガラス基板が大きくなる傾向がある。例えば、液晶ディスプレイの製造プロセスでは、2200mm×1800mm程度の大きなガラス基板が使用される。このように大きなガラス基板を取り扱う場合、ガラス基板をあまり薄くすると、割れやすくなったり、自重で撓んだりすることがある。従って、ある程度の厚さが必要になる。
一方、各区域に切断された後のもの(半製品)や製品となったものの場合、ガラス基板がある程度薄くても、大きさが小さいため問題はない。このようなことから、特開平5−249422号公報の発明では、一対のガラス基板の貼り合わせを行った後、一方のガラス基板の外面をエッチングして薄くし、その後、各区域に切断する工法が採用されている。
特開平5−249422号公報
上記公報では、外面を薄くする際のエッチングについては、具体的内容は殆ど開示されていない。即ち、エッチングは浸漬法によるとの説明はあるものの、どのようなエッチング液を使用し、どの程度の時間浸漬するのか、具体的説明は一切無い。従って、上記公報の開示内容では、当業者の実施能力を持ってしても当該発明を実施することは困難であり、また実施できたとしても、FPDによって非常に重要な要素である平坦性の点で充分な品質が確保できないと判断される。
本願の発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、FPDの薄型化を可能にする実用的な技術を提供する技術的意義を有するものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、一方又は双方がガラス基板である一対の基板の少なくとも一方に電極を形成する電極形成工程と、電極形成工程の後に一対の基板をシール材を介して貼り合わせ内部を封止する封止工程と、封止工程の後に、ガラス基板である一方又は双方の基板の外面を機械的に研磨して厚さを薄くする外面機械研磨工程とを含むフラットパネルディスプレイの製造方法であって、
前記外面機械研磨工程は、前記ガラス基板の外面の材料を溶出させる溶出液を前記外面に向けて噴射することで自重による加速度より大きな加速度を付けて溶出液を前記外面に吹き付けて前記外面を衝撃し、前記一方又は双方の基板を、溶出液を噴射するノズルの複数の噴射孔に対して相対的に機械的に移動させながら、溶出液により前記外面を溶かし出し溶出液による衝撃の物理的作用を利用して研磨する工程であり、
前記外面機械研磨工程では、前記複数の噴射孔から噴射されて広がった溶出液のその広がりが前記ガラス基板の外面上で重ならないようにし、前記相対的な移動の結果、隣接するノズルから噴射された溶出液の広がりの端部において前記ガラス基板が重複して溶出液の供給を受けるようにすることで、前記ガラス基板の外面の各点に均一に溶出液を供給して研磨を行うという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記溶出液の広がりは、前記ガラス基板の外面と平行な面で見た際、第一の方向に長いものであり、前記相対的な移動は、前記ガラス基板の外面と平行な面上の方向であって第一の方向とは異なる第二の方向の移動であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記溶出液は、フッ酸であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1乃至3いずれかの構成において、前記貼り合わせられた一対のガラス基板の両方の外面を同時に機械的に研磨して全体の厚さを薄くするという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記溶出液の噴射は、噴射孔を有するノズルによって行われるものであり、研磨を始める際のノズルの噴射孔から前記基板の外面までの距離は、5mm以上100mm以下となっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板の外面を機械的に研磨して厚さを薄くする外面機械研磨装置であって、
内部で外面機械研磨処理が行われる処理チャンバーと、
処理チャンバー内の所定位置に前記ガラス基板を垂直に保持する基板保持具と、
前記外面の材料を溶出させる溶出液を前記基板保持具に保持された前記ガラス基板の当該外面に向けて噴射する複数の噴射孔を有するノズルと、
ノズルに溶出液を供給する溶出液供給系と
を備えており、
前記溶出液供給系は、自重による加速度より大きな加速度を付けて溶出液を前記外面に吹き付けて前記外面を衝撃し、衝撃による物理的作用を利用して前記外面を研磨できる圧力で溶出液を前記ノズルに供給するものであり、
前記ノズルの各噴射孔の形状及び配置位置は、各噴射孔から噴射されて広がった溶出液の広がりが前記ガラス基板の外面上で重ならないようにしたものとなっており、
前記ノズル又は前記ガラス基板を相対的に移動させる移動機構が設けられており、この移動機構は、移動の結果、隣接するノズルから噴射された溶出液の広がりの端部において前記ガラス基板が重複して溶出液の供給を受けるようにすることで、前記ガラス基板の外面の各点に均一に溶出液が供給されるようにするものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項6の構成において、前記噴射孔は、噴射される溶出液の広がりが前記ガラス基板の外面と平行な面で見た際に第一の方向に長くなるよう第一の方向に長いものであり、
前記移動機構は、前記ガラス基板の外面と平行な面上の方向であって第一の方向とは異なる第二の方向に前記ノズル又は前記ガラス基板を移動させるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、前記請求項6又は7の構成において、前記溶出液は、フッ酸であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項9記載の発明は、前記請求項6乃至8いずれかの構成において、貼り合わされた一対のガラス基板の両方の外面を同時に機械的に研磨できるよう、前記ノズルは、基板保持具に保持された一対のガラス基板の両側に設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、前記請求項6乃至9いずれかの構成において、研磨を始める際の前記ノズルの噴射孔から前記ガラス基板の外面までの距離は、5mm以上100mm以下となっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項11記載の発明は、前記請求項1乃至5いずれかの構成において、前記溶出液により衝撃して研磨を行うことにより、前記ガラス基板の外面の最大粗さを0.1μm以下とするという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項12記載の発明は、前記請求項6乃至10いずれかの構成において、前記ノズルの各噴射孔の形状及び配置位置は、前記溶出液により衝撃して研磨を行うことにより前記ガラス基板の外面の最大粗さを0.1μm以下とする形状及び配置位置であるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の各請求項記載の発明によれば、新鮮な(外面の材料が溶け込んでいない)溶出液が次々に供給される他、外面の材料が溶け込んだ溶出液が衝撃により次々に流出していくので、効率良く且つ均一性良く研磨が行える。外面のガラスの組成や結晶状態に不均一な箇所があっても、物理的作用を併用しているため、充分均一に研磨が行える。
また、請求項4又は9記載の発明によれば、上記効果に加え、貼り合わせられた一対のガラス基板の両方の外面を同時に機械的に研磨して全体の厚さを薄くするので、貼り合わせパネルの薄型化により貢献できる他、プロセスの生産性も高い。
また、請求項5又は10記載の発明によれば、上記効果に加え、研磨を始める際のノズルの噴射孔から基板の外面までの距離は、5mm以上100mm以下となっているので、衝撃の均一性(即ち、研磨の平坦性)を確保しつつ実用的なプロセスとすることが可能となる。
以下、本願発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)について説明する。
以下の説明では、FPDの一例として、液晶ディスプレイ(以下、LCD)を採り上げる。
図1は、実施形態に係るFPDの製造方法の概略を示した図である。図1に方法は、例えば携帯電話用のLCDの製造方法である。図1に示す方法では、双方がガラス基板である一対の基板1の一方に電極11を形成する電極形成工程と、電極形成工程の後に、一対の基板1をシール材12を介して貼り合わせて内部に液晶13を注入した上で封止する封止工程と、封止工程の後に、双方のガラス基板1の外面を機械的に研磨して厚さを薄くする外面機械研磨工程とを含んでいる。
図1に示す製造方法では、ほぼ同じ形状大きさの一対のガラス基板1から多数のLCDが産出される。一対のガラス基板1は、産出する各LCD用に区分けがされており、電極形成等の工程は、それぞれの区域について行われる。
電極形成工程は、ITOのような透明導電膜による透明電極の形成工程、プラズマCVD法により作成した低温ポリシリコン膜等による駆動電極やコモン電極の形成工程が含まれる。各工程には、露光、現像、エッチング等から成るフォトリソグラフィ工程が含まれる。
他方のガラス基板1については、カラーフィルタ形成工程が行われる。カラーフィルタ形成工程は、ガラス基板1上に着色層やブラックマトリックス、透明電極等を形成していく工程である。着色層は、カラー画像のための顔料を所定のパターンで形成する工程であり、フォトリソグラフィ法、印刷法又は電着法などにより行われる。ブラックマトリックスは、コントラスト向上や混色防止のために画素の境界部分に沿って形成される遮光膜であり、多くの場合スパッタリングにより形成される。透明電極は、多くの場合ITO膜でありスパッタリングにより形成される。
シール工程では、一方のガラス基板1の表面にシール材12が塗布される。シール材12は、産出される各LCDの輪郭に沿って周状に塗布される。シール材12で囲まれた内側に液晶13を所定量滴下する。その後、必要に応じてスペーサを散布し、他方の基板1を位置合わせしながら被せて所定の位置関係で貼り合わせる。
次に、本実施形態の大きな特徴点を成す外面機械研磨工程が行われる。本実施形態の外面機械研磨工程は、ガラス基板1の外面の材料を溶出させる溶出液Lを外面に向けて噴射することで自重による加速度より大きな加速度を付けて溶出液Lを外面に吹き付けることで行われる。溶出液Lが吹き付けられる結果、吹き付けによる物理的作用を利用して外面が研磨される。尚、溶出液Lを単に散布しただけでは自重による加速度しか溶出液Lには付かないので、これとは異なる。
尚、本明細書では、一対の基板の互いに向かい合う面を「内面」とし、それとは反対側の面を「外面」としている。本実施形態の外面機械研磨工程は、貼り合わせた一対のガラス基板(以下、貼り合わせパネル10)の両方の外面を機械研磨する工程となっている。「機械研磨」とは、吹き付け圧力という溶出液の物理的な作用を利用した研磨であるという意味と、研磨の際にガラス基板1が機械的に移動するという意味とを併せ持つ。「機械的に移動する」とは、「機械を利用して移動する」との意味である。尚、「削減」即ち「削って厚さを減らす」という用語と比較すると、研磨を行うと、必ず表面が削られて厚さが減るので、「研磨」は「削減」の下位概念であり、そのことは自明である。
図1に示すように、本実施形態では、貼り合わせパネル10を垂直に立てて保持し、その両側に配したノズル4から溶出液Lを噴射させる。溶出液Lとしては、フッ酸のような強酸が使用される。フッ酸の場合、例えば水100に対して10〜50%程度(体積百分率)に希釈して使用される。衝撃圧力は、貼り合わせパネル10の外面上で0.5kg/cm〜3.5kg/cmである。
ノズル4から噴射された溶出液Lにより衝撃された外面は、溶出液Lに溶かし出され、かつ溶出液Lの衝撃により流出していく。これにより外面が機械研磨され、ガラス基板1の厚さ(ひいては貼り合わせパネル10全体の厚さ)が薄くなる。
機械研磨の際、溶出液Lが触れないようにすべき箇所がある場合、マスキングテープを貼り付けしてして保護しておく。マスキングテープとしては、溶出液Lが強酸である場合、ポリプロピレン(PP)やテフロン(デュポン社の登録商標)等のフッ素樹脂系の耐酸性のシートで、裏面に粘着剤が数十μmの厚さで塗布されたものが使用できる。例えば、日東電工株式会社製のSPV−362M等である。
上記のような外面機械研磨工程の後、外面を洗浄する工程が必要に応じて行われた後、分断工程が行われる。分断工程は、産出される各LCDの輪郭に沿って、貼り合わせパネル10を切断していく工程である。
上述した本実施形態の製造方法によれば、ガラス基板1の外面の材料を溶出させる溶出液Lを外面に向けて噴射することで自重による加速度より大きな加速度を付けて溶出液Lを外面に吹き付けて外面を衝撃し、溶出液Lによる衝撃という物理的作用を利用して外面を機械研磨しているので、新鮮な溶出液Lが次々に供給される他、外面の材料が溶け込んだ溶出液Lが衝撃により次々に流出していくので、効率よく且つ均一性よく機械研磨が行える。外面のガラスの組成や結晶状態に不均一な箇所があっても、物理的作用を併用しているため、充分均一に機械研磨が行える。このため、機械研磨後の外面の平坦性を高くでき、産出されるの表示性能も高いものとなる。
次に、上記製造方法に好適に用いられる外面機械研磨装置について説明する。以下の説明は、実施形態に係る外面機械研磨装置の説明でもある。
図2は、実施形態の外面機械研磨装置の正面断面概略図、図3は図2に示す装置の側面断面概略図である。図2及び図3に示す外面機械研磨装置は、内部で外面機械研磨処理が行われる処理チャンバー2と、処理チャンバー2内の所定位置にガラス基板1を保持する基板保持具3と、基板保持具3に保持されたガラス基板1の外面に向けて溶出液Lを噴射する位置に設けられたノズル4と、ノズル4に溶出液Lを供給する溶出液供給系5とを備えている。本実施形態では、貼り合わせ後に外面エッチングを行うため、基板保持具3は、貼り合わせパネル10を保持する部材となっている。
処理チャンバー2には、貼り合わせパネル10を搬入する搬入口21と、外面機械研磨処理後に貼り合わせパネル10を搬出する搬出口22とを備えている。搬入口21及び搬出口22は、封鎖ゲート23で開閉されるようになっている。尚、開閉は、封鎖ゲート23を搬送方向に垂直な水平方向(図2の紙面垂直方向)に移動させることで行わせる。
この装置は、溶出液が噴射されるガラス基板1を、ノズル4の噴射孔に対して相対的に機械的に移動させる移動機構を備えている。この移動機構に兼用されるものとして、搬入口21及び搬出口22を通して貼り合わせパネル10を搬送する搬送機構30が設けられている。基板保持具3は、搬送機構30を構成する部材として設けられている。図4は、図2及び図3に示す装置における基板保持具3の斜視概略図である。
図4に示すように、基板保持具3は、貼り合わせパネル10をほぼ垂直に立てて保持する部材である。基板保持具3は、は、水平な姿勢のベース板31と、ベース板31に立設された支柱32と、支柱32に取り付けられた緩衝具33とから主に構成されている。
支柱32は、細長い長方形のベース板31の角の部分にそれぞれ設けられており、計4本設けられている。ベース板31の長辺方向に沿って延びる梁部材34が設けられており、各支柱32の上端をつないで基板保持具3を補強している。各支柱32は、立てられた貼り合わせパネル10より少し高さが高い。ベース板31の短辺における二本の支柱32の間隔は、貼り合わせパネル10の厚さより少し大きい。ベース板31の長辺方向における二本の支柱32の間隔は、貼り合わせパネル10の長さより少し長い。貼り合わせパネル10は、これらの支柱32で出来た空間に挿入されるようにして保持される。
緩衝具33は、貼り合わせパネル10に直接接触する部材であり、貼り合わせパネル10がぐらつかないようにするものである。緩衝具33は、溶出液Lに対して腐食されない(耐薬品性のある)材料で形成されており、例えばテフロン(デュポン社の登録商標)のようなフッ素樹脂で形成されている。
図4に示すように、緩衝具33は、ベース板31の長辺方向の両端において各支柱32の下端をつなぐよう設けられたものと、同じく長辺方向の両端において支柱32の上端をつなぐよう設けられたものからなる。保持された貼り合わせパネル10は、これらの緩衝具33に各角部が接触する。貼り合わせパネル10の下端角部に接触する下側の緩衝具33は、短辺方向の断面形状が凹状で、長辺方向の断面形状がL字状である。貼り合わせパネル10の上端角部に当接する緩衝具33は、短辺方向の断面形状が横にした凹状である。図4に示すように、貼り合わせパネル10を装着する場合、上から挿入し、各緩衝具33の凹部に落とし込むようにする。
搬送機構30としては、例えばラックアンドピニオン機構によるものとされる。ベース板31をラックとし、これに噛み合うピニオン301で搬送機構30は構成される。ピニオンは、搬送ラインに沿って所定間隔で多数設けられる。ピニオン301は、処理チャンバー2内外に配置される。尚、移動する基板保持具3を全体にガイドするガイド部材が適宜設けられる。
図3に示すように、ノズル4は、基板保持具3に保持された貼り合わせパネル10の両側に位置するよう設けられており、貼り合わせパネル10の両側の外面に向けて同時に溶出液Lを噴射させることができるようになっている。図5は、図3に示すノズル4の形状を示した斜視概略図である。
図5に示すように、ノズル4は、噴射孔41を有する管状の部材である。図5に示すように、ノズル4は、垂直な方向に延びるよう配置されており、貼り合わせパネル10の長さ方向(搬送方向)に均等間隔をおいて複数並んで設けられている。噴射孔41は、ノズル4のうち貼り合わせパネル10を臨む部分に設けられており、管の延びる方向(垂直方向)に均等間隔をおいて設けられている。尚、ノズル4の構成としては、図5に示すよりもさらに多くの(又は少ない)ものを並べる場合もあるし、水平方向又は斜め方向に沿って複数のノズルを並べる場合もある。また、ノズル4が管状である必要はなく、板状や他の形状であってもよい。
溶出液供給系5は、溶出液Lを溜めた液溜め51と、液溜め51と各ノズル4とをつなぐ配管52と、配管52上に設けられたバルブ53や送液ポンプ54などから構成されている。供給する溶出液Lから不純物やゴミ等を除去するフィルタや調圧用のバルブなどが、必要に応じて設けられる。
溶出液供給系5により各ノズル4に溶出液Lは、各噴射孔41から、基板保持具3に保持された貼り合わせパネル10の外面に向けて噴射される。噴射された溶出液Lは、外面を衝撃して溶出し、外面を研磨する。
尚、図2に示すように、処理チャンバー2の底部は漏斗状になっており、最下部には、排出孔24が設けられている。排出孔24には、使用済みの溶出液Lを排出する排出管25が接続されている。上記のように貼り合わせパネル10の材料が溶け込んだ溶出液Lは、処理チャンバー2の底部に落下し、排出孔24及び排出管25を通って排出されるようになっている。
また、処理チャンバー2の内壁面や、処理チャンバー2内の各部材の表面は、溶出液Lに対して耐薬品性の構成となっている。例えば溶出液Lがフッ酸である場合、内壁面や各部材の表面はテフロン(デュポン社の登録商標)のようなフッ素樹脂をコーティングして覆った構成とされる。尚、搬入口21や搬出口22を開閉する封鎖ゲート23は、溶出液Lが漏出しないよう液密に封鎖を行うようになっている。
本実施形態の装置は、機械研磨後の外面の平坦性をさらに高めるため、ノズル4の構成に特別の工夫を凝らしている。以下、この点について、図5及び図6を使用して説明する。図6は、各噴射孔41から貼り合わせパネル10の外面に対して溶出液Lが均一に噴射される点を示した概略図である。
図5に示すように、各噴射孔41は、貼り合わせパネル10の外面に平行な面で見た際、ノズル4の管の延びる方向(垂直方向)に対して斜めの45度の方向(以下、第一の方向)に細長い。従って、各噴射孔41から噴射される溶出液Lは、図5に示すように、この第一の方向に長い錐状(ないしはラッパ状)に広がるようになっている。尚、搬送機構30による貼り合わせパネル10の移動は、図5中に矢印で示すように、貼り合わせパネル10の外面に平行な面上の方向(以下、第二の方向)である。
図6の中ほどに、一つのノズル4の各噴射孔41から噴射される溶出液Lを示す。図6の右側には、貼り合わせパネル10の高さ方向で見た各噴射孔41からの溶出液Lの噴射量の分布を示す。搬送機構30による第二の方向への移動により両側のノズル4の間を貼り合わせパネル10が通過する際、貼り合わせパネル10の外面の各点は、いずれかの噴射孔41から噴射された溶出液Lの供給を受けて衝撃される。この際、上下に隣り合う二つの噴射孔41の丁度中間の位置を臨むようにして通過する外面上の点Pは、その隣り合う二つの噴射孔41から溶出液Lの供給を受けて衝撃されることになる。この場合、この点Pは、錐状の溶出液Lの広がりの端部に位置するので、図6の右側に示すように、一つの噴射孔41から受け取る溶出液Lの量は、他の点の1/2程度であり、上下両隣の噴射孔41で一つの噴射孔41分の溶出液Lの供給による衝撃を受ける。従って、貼り合わせパネル10の高さ方向において、外面の各点での溶出液Lの供給による衝撃量は均一である。尚、図5に示すような断面形状に溶出液Lが広がる場合だけではなく、楕円状、円状、方形状(正方形、長方形)、菱形状、平行四辺形状等の断面形状で溶出液Lが広がる場合もあり得る。
次に、上記装置の動作について説明する。
上述したようなシール工程が行われて出来上がった貼り合わせパネル10は、処理チャンバー2外にて基板保持具3に搭載される。搭載動作は、ロボットにより行われる場合もあるし、作業員の手により行われる場合もある。基板保持具3への搭載に先立ち、マスキングテープによるマスキングが行われる場合もある。
搬送機構30が動作し、搬入口21の封鎖ゲート23が開けられて、基板保持具3が搬入口21を通って処理チャンバー2内に移動する。基板保持具3は、両側のノズル4の間の所定の位置に貼り合わせパネル10が位置した時点で停止する。搬入口21の封鎖ゲート23は閉じられる。この状態で、溶出液供給系5のバルブ53が開けられ、送液ポンプ54が所定の圧力で溶出液Lを各ノズル4に送る。この結果、各ノズル4の各噴射孔41から送出液が噴射され、所定の圧力で貼り合わせパネル10の外面を衝撃する。これにより、貼り合わせパネル10の外面が削減される。外面の材料が溶け込んだ溶出液Lは、落下して排出孔24から排出される。
溶出液Lの噴射を所定時間行った後、送液ポンプ54を止め、バルブ53を閉める。そして、搬送機構30が動作し、基板保持具3を移動させ、搬出口22の封鎖ゲート23を開けて貼り合わせパネル10を処理チャンバー2外に搬出する。搬出された貼り合わせパネル10は、純水等の洗浄液による洗浄やマスキングテープの除去などの作業が行われる。その後、次の分断工程などに回される。
上記装置の動作において、溶出液Lの噴射中に必要に応じて貼り合わせパネル10を変位させることがある。貼り合わせパネル10の外面上の各点のうち、各ノズル4の各噴射孔41に対して最短距離にある点において衝撃圧力が高くなり過ぎる場合、溶出液Lの噴射中に貼り合わせパネル10を前後に移動させることで、時間平均した各点での衝撃圧力を均一にできる。これにより、機械研磨後の外面の平坦性をさらに高めることができる。貼り合わせパネル10の移動は、上下方向に行うこともある。
装置は、全体を制御する不図示の制御部を備える。制御部は、各部をシーケンス制御する機能を含んでおり、上記動作の制御や、衝撃均一化のための基板保持具3の移動等の制御は、制御部が行うシーケンス制御で達成される。
また、上記装置の構成において、送液ポンプ54による送液圧力は、外面の溶出液Lによる衝撃圧力が0.5kg/cm〜3.5kg/cmの範囲になるように設定される。この際、各ノズル4の各噴射孔41と外面との距離(図3にdで示す)は重要な要素である。距離dがあまり大きくなると、送液ポンプ54による送液圧力をかなり高くしなければ、上記範囲内の圧力で外面を衝撃することができなくなってしまい、実用的に難しくなる。また、距離dが小さい場合、衝撃圧力を最適値に保つことは容易となるが、噴射孔41への最短点での衝撃圧力が高くなり過ぎ、均一性の点で問題が生じてくる。衝撃の均一性(即ち、研磨の平坦性)を確保しつつ実用的な構成とするためには、距離dは、5mm以上100mm以下とすることが好ましい。尚、溶出液Lによる研磨が進む過程で噴射孔41から外面までの距離は僅かに長くなるが、5mm以上100mm以下は、研磨を始める際の距離ということである。
また、衝撃圧力が0.5kg/cmより小さいと、新鮮な溶出液Lの供給が少なくなるので充分な研磨が行えない他、物理的な作用も充分で無くなるので、ガラスの組成や結晶状態に不均一な箇所が充分研磨できず、平坦性が低下する問題がある。また、衝撃圧力が3.5kg/cmより大きいと、ノズル4の噴射孔41から最短点のみが多く研磨されてしまい、この点で平坦性が悪化する。よって、0.5kg/cm〜3.5kg/cmの範囲の衝撃圧力とすることが好ましい。
上記装置によれば、溶出液Lの化学的な作用に加え衝撃という物理的な作用も利用して外面の研磨が行われるので平坦性の高い研磨が行える上、ガラス基板1の搬送と機械研磨処理が自動化されているので、生産性も高い。
また、ノズル4の各噴射孔41が均等間隔をおいて設けられており、各噴射孔41から外面までの距離は一定であるので、噴射される溶出液Lによる衝撃圧力を均一させることが容易で、この点で平坦性の高い研磨処理に貢献できる。
また、貼り合わせパネル10が垂直に保持された状態で溶出が行われる点は、外面での溶出液Lの置換を促進させる効果があり、外面機械研磨が充分に効率的に行えるようにする技術的意義がある。
さらに、ノズル4が貼り合わせパネル10の両側に設けられていて、両方の外面を同時に機械研磨できるので、貼り合わせパネル10の薄型化により貢献できる他、生産性も高い。
上記各実施形態の構成において、溶出液Lによる外面の研磨は、溶出液による衝撃の物理的作用を利用するものであって、エッチング液に浸漬したりエッチング液を散布したりするだけのエッチングとは本質的に異なる。
また、上記実施形態では、一対のガラス基板1を貼り合わせた後に外面機械研磨処理を行ったが、貼り合わせる前に外面機械研磨処理を行う場合もあり得る。この場合、電極形成工程等を行う前に外面機械研磨を行ったり、カラーフィルタを形成する前に外面機械研磨を行ったりである。この場合、基板保持具3は、一枚のガラス基板1のみを保持するよう構成されることもある。ガラス基板1を薄くすると強度的に問題を生ずるが、フッ酸等の強酸で機械研磨すると、強酸の作用でガラスが強化される副次的効果があり、薄くなっても問題が無いこともある。さらに、分断工程後に外面機械研磨が行われることもある。また、複数の貼り合わせパネル10を同時に保持して同時に外面機械研磨処理を行う場合もあり得る。
また、上記実施形態の装置では、搬送機構30が移動機構に兼用されたが、搬送機構30とは別に移動機構を設けても良い。例えば、基板保持具3を移動機構の一部として設け、搬送機構30で搬送された貼り合わせパネル10を基板保持具に移載して移動させるようにする場合もある。尚、「相対的に移動」とは、ガラス基板1とノズル4の噴射孔41の位置関係が変化するよう移動するとの趣旨であり、上記実施形態のように静止したノズル4の噴射孔41に対してガラス基板1が移動してもよく、静止したガラス基板41に対して噴射孔41が移動しても良く、また両者が移動する場合もあり得る。
上記実施形態の説明ではLCDを採り上げたが、プラズマディスプレイや有機ELディスプレイの場合でも同様に実施できる。これらのFPDはバックライトを必要としないので、出射側とは反対側の基板はガラス基板ではないことがある。つまり一方のみがガラス基板であることもある。また、本願発明のおいては、一対のガラス基板のうちの一方に対して外面機械研磨処理を行ってもよく、この場合でも本願発明の効果は得られる。
次に、FPDの発明の実施形態について説明する。
図7は、実施形態に係るFPDの断面概略図である。図7に示すFPDは、一対のガラス基板1を貼り合わせて形成されている。図7に示すものは、前述の実施形態と同様、FPDの一例としての液晶ディプスレイである。一対のガラス基板の内部には、光透過制御部を構成するものとして、一方のガラス基板1の内面に形成された電極(素子電極、コモン電極等)11と、封入された液晶13とを有している。他方のガラス基板1の内面には、カラーフィルタ14が形成されている。光制透過制御部の構成自体は、通常の液晶ディスプレイと同様である。
図7に示すFPDの特徴点は、一対のガラス基板1の両方の外面100が、外面機械研磨処理により研磨されている点である。外面機械研磨処理は、上述した各実施形態の場合と同様にできるので、説明は省略する。この実施形態のFPDの大きな特徴点は、上述したような外面機械研磨処理を行うことにより、外面100が0.1μm以下の平坦性を有している点である。
平坦性について説明すると、図7に拡大して示すように、外面100のうち、最頂部101と最低部102との距離を平坦性としている。この値は、表面粗さの測定において最大粗さ(Rmax)を測定する場合に相当している。幾つかの会社から最大粗さを測定可能な表面粗さ計が市販されており、その中から適宜選んで上記外面100の平坦性を測定することができる。本願の発明者の研究によると、上述した外面機械研磨処理を行うことで、一枚のガラス基板1の厚さtを0.5mm以下とした上で、平坦性(Rmax)を0.1μm以下にすることができ、薄型化、軽量化を達成しつつ表示ムラの無い高性能のFPDを提供することができる。尚、このような平坦性は、外面機械研磨処理が行われる前のガラス基板1の外面の平坦性と同程度の場合があり、この場合には、外面機械研磨処理によって平坦性が損なわれない、と表現することもあり得る。
上記の例では、最大粗さを平坦性としたが、中心線平均粗さ(Ra)を平坦性とすることもできる。この場合は、外面100の凹凸について平均の高さを求め、その高さを基準にして各凹凸の高さの差異の絶対値の平均を求める。この場合も、中心線平均粗さ(Ra)を測定できる表面粗さ計が市販されているので、それを用いる。ちなみに、中心線平均粗さの場合、0.03mm以下とすると表示ムラの無いFPDが提供でき、そのような平坦性も上記外面機械研磨処理によって達成できる。
尚、上記構成は、液晶ディプスレイ以外のFPDであっても同様に適用できる。有機ELディプスレイのような自発光のFPDの場合、光透過制御部の代わりに発光部が設けられる。
実施形態に係るFPDの製造方法の概略を示した図である。 実施形態の外面機械研磨装置の正面概略図である。 図2に示す装置の側面断面概略図である。 図2及び図3に示す装置における基板保持具3の斜視概略図である。 図3に示すノズル4の形状を示した斜視概略図である。 各噴射孔41から貼り合わせパネル10の外面に対して溶出液Lが均一に噴射される点を示した概略図である。 実施形態に係るFPDの断面概略図である。
符号の説明
1 ガラス基板
11 電極
12 シール部
13 液晶
14 カラーフィルタ
2 処理チャンバー
21 搬入口
22 搬出口
23 封鎖ゲート
24 排出孔
3 基板保持具
30 搬送機構
31 ベース板
32 支柱
33 緩衝具
301 ピニオン
4 ノズル
41 噴射孔
5 溶出液供給系
51 液溜め
52 配管
53 バルブ
54 送液ポンプ
L 溶出液

Claims (12)

  1. 一方又は双方がガラス基板である一対の基板の少なくとも一方に電極を形成する電極形成工程と、電極形成工程の後に一対の基板をシール材を介して貼り合わせ内部を封止する封止工程と、封止工程の後に、ガラス基板である一方又は双方の基板の外面を機械的に研磨して厚さを薄くする外面機械研磨工程とを含むフラットパネルディスプレイの製造方法であって、
    前記外面機械研磨工程は、前記ガラス基板の外面の材料を溶出させる溶出液を前記外面に向けて噴射することで自重による加速度より大きな加速度を付けて溶出液を前記外面に吹き付けて前記外面を衝撃し、前記一方又は双方の基板を、溶出液を噴射するノズルの複数の噴射孔に対して相対的に機械的に移動させながら、溶出液により前記外面を溶かし出し溶出液による衝撃の物理的作用を利用して研磨する工程であり、
    前記外面機械研磨工程では、前記複数の噴射孔から噴射されて広がった溶出液のその広がりが前記ガラス基板の外面上で重ならないようにして前記ガラス基板の外面を衝撃し、前記相対的な移動の結果、隣接するノズルから噴射された溶出液の広がりの端部において前記ガラス基板が重複して溶出液による衝撃を受けるようにすることで、前記ガラス基板の外面の各点を均一に溶出液により衝撃して研磨を行うことを特徴とするフラットパネルディスプレイの製造方法。
  2. 前記溶出液の広がりは、前記ガラス基板の外面と平行な面で見た際、第一の方向に長いものであり、前記相対的な移動は、前記ガラス基板の外面と平行な面上の方向であって第一の方向とは異なる第二の方向の移動であることを特徴とする請求項1記載のフラットパネルディスプレイの製造方法。
  3. 前記溶出液は、フッ酸であることを特徴とする請求項1又は2記載のフラットパネルディスプレイの製造方法。
  4. 前記貼り合わせられた一対のガラス基板の両方の外面を同時に機械的に研磨して全体の厚さを薄くすることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のフラットパネルディスプレイの製造方法。
  5. 研磨を始める際の前記ノズルの噴射孔から前記基板の外面までの距離は、5mm以上100mm以下となっていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のフラットパネルディスプレイの製造方法。
  6. フラットパネルディスプレイ用のガラス基板の外面を機械的に研磨して厚さを薄くする外面機械研磨装置であって、
    内部で外面機械研磨処理が行われる処理チャンバーと、
    処理チャンバー内の所定位置に前記ガラス基板を垂直に保持する基板保持具と、
    前記外面の材料を溶出させる溶出液を前記基板保持具に保持された前記ガラス基板の当該外面に向けて噴射する複数の噴射孔を有するノズルと、
    ノズルに溶出液を供給する溶出液供給系と
    を備えており、
    前記溶出液供給系は、自重による加速度より大きな加速度を付けて溶出液を前記外面に吹き付けて前記外面を衝撃し、衝撃による物理的作用を利用して前記外面を研磨できる圧力で溶出液を前記ノズルに供給するものであり、
    前記ノズルの各噴射孔の形状及び配置位置は、各噴射孔から噴射されて広がった溶出液の広がりが前記ガラス基板の外面上で重ならないようにして前記ガラス基板の外面を衝撃するものとなっており、
    前記ノズル又は前記ガラス基板を相対的に移動させる移動機構が設けられており、この移動機構は、移動の結果、隣接するノズルから噴射された溶出液の広がりの端部において前記ガラス基板が重複して溶出液による衝撃を受けるようにすることで、前記ガラス基板の外面の各点が均一に溶出液により衝撃されるものであることを特徴とする外面機械研磨装置。
  7. 前記噴射孔は、噴射される溶出液の広がりが前記ガラス基板の外面と平行な面で見た際に第一の方向に長くなるよう第一の方向に長いものであり、
    前記移動機構は、前記ガラス基板の外面と平行な面上の方向であって第一の方向とは異なる第二の方向に前記ノズル又は前記ガラス基板を移動させるものであることを特徴とする請求項7記載の外面機械研磨装置。
  8. 前記溶出液は、フッ酸であることを特徴とする請求項6又は7記載の外面機械研磨装置。
  9. 貼り合わされた一対のガラス基板の両方の外面を同時に機械的に研磨できるよう、前記ノズルは、基板保持具に保持された一対のガラス基板の両側に設けられていることを特徴とする請求項6乃至8いずれかに記載の外面機械研磨装置。
  10. 研磨を始める際の前記ノズルの噴射孔から前記ガラス基板の外面までの距離は、5mm以上100mm以下となっていることを特徴とする請求項6乃至9いずれかに記載の外面機械研磨装置。
  11. 前記溶出液により衝撃して研磨を行うことにより、前記ガラス基板の外面の最大粗さを0.1μm以下とすることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のフラットパネルディスプレイの製造方法。
  12. 前記ノズルの各噴射孔の形状及び配置位置は、前記溶出液により衝撃して研磨を行うことにより前記ガラス基板の外面の最大粗さを0.1μm以下とする形状及び配置位置である請求項6乃至10いずれかに記載の外面機械研磨装置。
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