JP3940013B2 - Leather-like sheet material - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮革様シート材料に関する。更に詳しくは、カルボン酸塩型ポリウレタン樹脂水性分散体を繊維材料基体に含浸又は塗布して感熱凝固させてなる皮革様シート材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
水系ウレタン樹脂を繊維材料基体に含浸し加熱乾燥した場合、水が繊維材料基体の表面より蒸発し、水の移動に引き連られて水系ウレタン樹脂が繊維材料基体の表面に移行するマイグレーションを起こすことが挙げられる。このマイグレーションによって、ウレタン樹脂は繊維材料基体の表面に移行し内部にほとんど付着していない状態となるため、風合いが硬い状態の皮革様シート状物しか得られなかった。そこで、このマイグレーションを防止するため種々の検討がなされてきた。
【0003】
自己乳化型ポリウレタン樹脂と、一定の温度を境界にして親水性と疎水性が可逆的に変化して加熱によりゲル化に至るビニル重合体とからなる水性樹脂分散体組成物を繊維材料基体に付与し、該ビニル重合体の転移温度以上かつ熱軟化点以下の温度で加熱する方法が知られている。(例えば、特開2000−17034号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような水性分散体組成物では、マイグレーションの防止が十分でなく、得られる皮革様シート状物の風合いが十分に改良されているとは言い難い。第1の課題は、マイグレーションが無く、得られる皮革様シート状物が良好な風合いを有する皮革様シート材料を提供することである。
また、従来、水系ウレタン樹脂の皮革様シート材料は、水性化する場合に必要なイオン基の作用により耐熱水性、耐アルカリ性はまだ満足するレベルには至ってないのが実状であった。第2の課題は、上記のような良好な風合いを有し、かつ優れた耐熱水性、耐アルカリ性を有する皮革様シート材料を提供することである。
【0005】
【解決するための手段】
本発明者らは、上記第1の課題と第2の課題を解決する皮革様シート材料について鋭意研究の結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
即ち本発明は、第1の課題に対しては、ポリウレタン樹脂の水性分散体を繊維材料基体に付与し感熱凝固させてなる皮革様シート材料において、ポリウレタン樹脂がポリウレタン樹脂の重量に基づいて0.3〜6重量%のカルボキシレート基(−COO-)を含有するカルボン酸塩型ポリウレタン樹脂(A)からなり、該水性分散体が10〜18のHLBを有するノニオン性界面活性剤(B)及び無機塩(C)を含有することを特徴とする、皮革様シート材料及びその製造方法を提供するものである。
また第2の課題に対しては、ポリウレタン樹脂の水性分散体を繊維材料基体に付与し感熱凝固させてなる皮革様シート材料において、ポリウレタン樹脂が上記(A)からなり、該水性分散体が上記(B)、上記(C)、並びにエポキシ化合物及び/又はイソシアネート化合物(D)を含有することを特徴とする、皮革様シート材料及びその製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の皮革様シート材料を構成するポリウレタン樹脂は、該ポリウレタン樹脂の重量に基づいて通常0.3〜6重量%、好ましくは0.4〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜4重量%のカルボキシレート基(−COO-)を含有する。すなわち、本発明の皮革様シート材料を構成するポリウレタン樹脂のカルボキシレート基含有量は、通常0.3重量%以上、好ましくは0.4重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上であり、6重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは4重量%以下である。カルボキシレート基の含有量が0.3重量%未満では安定な水性分散体が得られず、6重量%を越えると形成樹脂皮膜の耐水性が低下する傾向となる。
【0008】
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体の製造に用いられるノニオン性界面活性剤(B)のHLB(親水性−疎水性バランス)は通常10〜18、好ましくは11〜17、さらに好ましくは12〜16である。すなわち、本発明のポリウレタン樹脂水性分散体の製造に用いられるノニオン性界面活性剤(B)のHLBは通常10以上、好ましくは11以上、さらにこのましくは12以上であり、通常18以下、好ましくは17以下、さらに好ましくは16以下である。
(B)のHLBが10未満では、水性分散体を長期に保存した場合に、凝固物が発生するなどの保存安定性に問題を生じる。一方HLBが18を越えると、ポリウレタンの水に対する親和性が大きくなりすぎるため、水性分散体が凝固しにくくなる。
本発明におけるHLB値は、藤本武彦著、新・界面活性剤入門、三洋化成工業株式会社発行(1992年)、P128記載の下記のグリフィンの方法により算出される値である。
HLB=(親水基の重量%)×(1/5)
【0009】
(B)は、親水基として水中でイオン解離しないポリエーテル単位を有している界面活性剤であり、特に下記一般式(1)で表されるノニオン性界面活性剤であることが好ましい。
R−O−(CH2−CH2−O−)x−H (1)
但し、Rは炭素数8以上20以下のアルキル基が好ましく、直鎖状のものであっても、枝分かれ構造のものでもよい。具体的には、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、セチル基、オレイル基などを挙げることができる。これらの中で好ましいものはラウリル基、セチル基、オレイル基である。xは5〜40の整数を表し、好ましいものは7以上30以下である。
【0010】
(B)のHLBは一般式(1)においてRで示されるアルキル基の疎水性とエチレングリコール中に含まれるエチレンオキシド単位の繰り返し数であるxにより決まり、xが大きいほどHLBは大きくなる。
(B)の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(x=9)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(x=12)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(x=15)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(x=20)などの高級アルコールエチレンオキサイド付加物を挙げることができる。
(B)の含有量は特に限定されないが、ポリウレタン樹脂(A)の重量に基づいて0.5〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%である。すなわち、(B)の含有量は特に限定されないが、ポリウレタン樹脂(A)の重量に基づいて好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上であり、好ましくは20重量%以下、更に好ましくは15重量%以下である。
【0011】
無機塩(C)としては、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属の、無機塩又はハロゲン化物が挙げられる。
アルカリ金属の無機塩又はハロゲン化物としては、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カリウムが挙げられ、アルカリ土類金属の無機塩又はハロゲン化物としては、塩化カルシウム、硫酸カルシウムが挙げられる。
【0012】
(C)の含有量は、樹脂自体の保存安定性の観点から、ポリウレタン樹脂(A)の重量に基づいて0.5〜5重量%が好ましく、更に好ましくは1〜4重量%である。すなわち、(C)の含有量は、樹脂自体の保存安定性の観点から、ポリウレタン樹脂(A)の重量に基づいて好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上であり、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは4重量%以下である。
【0013】
本発明における上記(D)であるエポキシ化合物(D1)としては、芳香族、複素環含有、脂環族、脂肪族、及びそれらの2種以上の混合物のいずれであってもよい。官能基数は1以上、好ましくは2以上5以下である。
【0014】
芳香族エポキシ化合物としては、多環性フェノール変性ポリグリシジルエーテル、単環性フェノール変性ポリグリシジルエーテルおよびポリグリシジル芳香族ポリアミン等が挙げられる。
多環性フェノール変性ポリグリシジルエーテルとしては、例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル等が挙げられる。
単環性フェノール変性ポリグリシジルエーテルとしては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、フェノールのアルキレンオキサイド付加物(付加モル数:5以上50以下)グリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテルカテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル等が挙げられる。
ポリグリシジル芳香族ポリアミンとしては、例えば、N,N−ジグリシジルアニリンおよびN,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミンが挙げられる
【0015】
複素環含有エポキシ化合物系としては、例えば、トリスグリシジルメラミンが挙げられる。
【0016】
脂環族エポキシ化合物としては、例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン、及び前記芳香族エポキシ化合物の核水素添加物が挙げられる。
【0017】
脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルジグリシジルエーテルのアルキレンオキサイド付加物(付加モル数:5以上50以下)エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(n:1以上22以下)エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(n:1以上11以下)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、およびソルビトールポリグリシジルエーテルが挙げられる。
【0018】
これらのうち、好ましいのは脂肪族エポキシ化合物であり、さらに好ましいのは、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテルである。
【0019】
上記(D)であるイソシアネート化合物(D2)としては、有機モノイソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネートが挙げられる。 有機モノイシシアネートとしては、例えば、フェニルイソシアネート、ステアリルイソシアネート等が挙げられる。
有機ジイソシアネートとしては、例えば、下記に示す(a1)が挙げられる。
有機トリイソシアネートとしては、例えば、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4イソシアネートメチルオクタン、1,3,6ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等が挙げられ、水に分散させた上記イソシアネートも使用できる。
【0020】
本発明における上記(D)の使用量は、耐熱水性、耐アルカリ性効果の観点から、(A)中のカルボキシレート基1当量当り、好ましくは0.5当量以上、さらに好ましくは1.0当量以上であり、好ましくは2.0当量以下、さらに好ましくは1.5当量以下である。
【0021】
ポリウレタン樹脂(A)は、例えば、有機ジイソシアネート(a1)、高分子ポリオール(a2)、ヒドロキシル基含有カルボン酸(a3)から形成されるカルボン酸塩型ポリウレタン樹脂(A’)を3級アミン(a5)で中和してなるものであるか、又は上記(a1)、上記(a2)、上記(a3)および鎖伸長剤(a4)から形成されるカルボン酸塩型ポリウレタン樹脂(A’’)を3級アミン(a5)で中和してなるものである。以下、各成分について説明する。
【0022】
有機ジイソシアネート(a1)としては、従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。このような有機ジイソシアネートには、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ジイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性体(カーボジイミド変性体、ウレタン変性体、ウレトジオン変性体など)およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
【0023】
上記芳香族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(以下TDIと略記)、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略記)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0024】
上記脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
【0025】
上記脂環式ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0026】
上記芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0027】
これらのうち好ましいものは芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートであり、特に好ましいものはMDI、TDI、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである。
【0028】
高分子ジオール(a2)としては、例えば、ポリアルキレンエーテルジオール(a2−1)、ポリエステルジオール(a2−2)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
高分子ジオール(a2)の数平均分子量は、500〜20,000が好ましく、さらに好ましくは500〜10,000、特に好ましくは1,000〜3,000である。すなわち、高分子ジオール(a2)の数平均分子量は、好ましくは500以上、さらに好ましくは1,000以上であり、好ましくは20,000以下、さらに好ましくは10,000以下、特に好ましくは3,000以下である。
(a2)の数平均分子量は水酸基価より求める。水酸基価は、JIS K 0070−1992(電位差滴定方法)に規定された方法で測定する。
【0029】
ポリアルキレンエ−テルジオ−ル(a2−1)としては、活性水素原子含有二官能化合物にアルキレンオキサイド(以下AOと略記)が付加した構造の化合物およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
活性水素原子含有二官能化合物としては、2価アルコ―ル、2価フェノ―ル類、ジカルボン酸などが挙げられる。
【0030】
2価アルコールとしては、エチレングリコ―ル、プロピレングリコ―ル、1,3−ブチレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ―ル、1,6−ヘキサンジオ―ル、ジエチレングリコ―ル、ネオペンチルグリコ―ル、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼンなどの2価アルコ―ルなどが挙げられる。
2価フェノ―ル類としては、カテコール、ヒドロキノンなどの2価フェノ―ルのほかビスフェノ―ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノ―ル類などが挙げられる。
ジカルボン酸としてはコハク酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸があげられる。
上述した活性水素原子含有化合物は2種以上使用することもできる。
【0031】
活性水素原子含有化合物に付加するAOとしては、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、1,2−、2,3−もしくは1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(THF)、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリンなどがあげられる。
AOは単独でも2種以上併用してもよく、後者の場合はブロック付加でもランダム付加でも両者の混合系でもよい。
これらのAOのうちで好ましいものはEO単独、PO単独、THF単独、POおよびEOの併用、POおよび/またはEOとTHFの併用(併用の場合、ランダム、ブロックおよび両者の混合系)である。
活性水素原子含有化合物(a)へのAOの付加は、通常の方法で行うことができ、無触媒でまたは触媒(アルカリ触媒、アミン系触媒、酸性触媒)の存在下行なわれる。
【0032】
ポリエステルジオール(a2−2)には、低分子ジオ―ルおよび/または分子量1000以下のポリアルキレンエ−テルジオ―ルとジカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエステルジオ―ル、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンジオ―ル、低分子ジオール及びその混合物と低級アルコール(メタノールなど)の炭酸ジエステルとを反応させて得られるポリカーボネートジオール及びその共重合体などが含まれる。
【0033】
上記低分子ジオ―ルとしては、エチレングリコ―ル、ジエチレングリコ―ル、プロピレングリコ―ル、ジプロピレングリコ―ル、1,4−、1,3−ブタンジオ―ル、ネオペンチルグリコ―ル、1,6−ヘキサンジオ―ル;環状基を有する低分子ジオ―ル類[たとえば特公昭45−1474号公報記載のもの:ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビスフェノ―ルAのエチレンオキサイド付加物等]、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
また、分子量1,000以下のポリアルキレンエ−テルジオ―ルとしては、ポリテトラメチレンエ−テルグリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0034】
また、ジカルボン酸としては脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸など)、これらのジカルボン酸のエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステルなど]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられ;ラクトンとしてはε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0035】
ポリエステル化は、通常の方法、たとえば低分子ジオ―ルおよび/または分子量1000以下のポリエ−テルジオ―ルを、ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体[たとえば無水物(無水マレイン酸、無水フタル酸など)、低級エステル(アジピン酸ジメチル、テレフタル酸ジメチルなど)、ハライド等]と、またはその無水物およびアルキレンオキサイド(たとえばエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド)とを反応(縮合)させる、あるいは開始剤(低分子ジオ―ルおよび/または分子量1,000以下のポリエ−テルジオ―ル)にラクトンを付加させることにより製造することができる。
【0036】
これらのポリエステルジオール(a2−2)の具体例としては、ポリエチレンアジペ−トジオール、ポリブチレンアジペ−トジオール、ポリヘキサメチレンアジペ−トジオール、ポリネオペンチルアジペ−トジオール、ポリエチレンプロピレンアジペ−トジオール、ポリエチレンブチレンアジペ−トジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペ−トジオール、ポリジエチレンアジペ−トジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエ−テル)アジペ−トジオール、ポリエチレンアゼレ−トジオール、ポリエチレンセバケ−トジオール、ポリブチレンアゼレ−トジオール、ポリブチレンセバケ−トジオール、ポリカプロラクトンジオ―ル、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなどが挙げられる。
【0037】
これらの高分子ジオール(a2)の中で好ましいものは、低分子ジオ―ルとジカルボン酸との縮合ポリエステルジオ―ル、ポリカーボネートジオールである。
【0038】
ヒドロキシル基含有カルボン酸(a3)は、ポリウレタン樹脂を水中に自己分散させることを目的として、アニオン性の親水基導入のために使用される成分である。(a3)の具体例としては、乳酸等のモノヒドロキシカルボン酸;α,α−ジメチロール酢酸、α,α−ジメチロールプロピオン酸、α,α−ジメチロール酪酸等のジヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらのうち好ましいものはジヒドロキシカルボン酸であり、特に好ましいものはα,α−ジメチロールプロピオン酸およびα,α−ジメチロール酪酸である。
【0039】
(A)の構成成分として、鎖伸長剤(a4)および/または鎖停止剤を用いることができる。
該鎖伸長剤(a4)としては炭素数2〜10のジアミン類(例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トルエンジアミンなど);ポリアミン類(例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなど);ヒドラジンもしくはその誘導体(二塩基酸ジヒドラジドたとえばアジピン酸ジヒドラジドなど);炭素数2〜15の多価アルコール類[2価アルコール(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコールなど)、3価アルコール(例えばグリセリン、トリメチロールプロパンなど)、これらの多価アルコールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド)低モル付加物(分子量500未満)]などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、エチレンジアミン、イソホロンジアミンである。
該鎖停止剤としては炭素数1〜8のモノアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、セロソルブ類、カービトール類など)、炭素数1〜10のモノアミン類(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、モノオクチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなど)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、モノエチルアミン、モノブチルアミンである。
【0040】
ポリウレタンのカルボキシレート基の中和に用いられる3級アミン(a5)としては、炭素数3〜12またはそれ以上の3級モノアミン、例えば▲1▼脂肪族3級モノアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン等);▲2▼複素環式3級モノアミン(N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン等);▲3▼不飽和環式3級モノアミン(N−メチルピリジン、N−メチルキノリン等);▲4▼芳香環含有脂肪族3級モノアミン(ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン等);▲5▼芳香族3級モノアミン(N−ジメチルアニリン等)およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
これらのうち好ましいものは脂肪族3級モノアミンであり、特に好ましいものはトリエチルアミンである。
【0041】
カルボキシレート基(−COO-)を含有するカルボン酸3級アミノ塩の基において、カルボキシレート基は上記(a3)から由来するものであり、カルボキシル基と3級アミノ基のモル比は、(1:1.01)〜(1:2)が好ましく、(1:1.05)〜(1:1.5)がさらに好ましい。すなわち、カルボキシレート基を含有する3級アミノ塩の基において、カルボキシレート基は上記(a3)から由来するものであり、(3級アミノ基のモル数)/(カルボキシル基のモル数)は、好ましくは1.01以上、さらに好ましくは1.05以上であり、好ましくは2以下、さらに好ましくは1.5以下である。
【0042】
本発明におけるポリウレタン樹脂(A)の製造法は通常の方法でよく、特に限定されないが、たとえば下記の方法が例示できる。
▲1▼分子内に活性水素含有基を含まない有機溶剤(アセトン、メチルエチケトン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等)の存在下または非存在下で、前記有機ジイソシアネート(a1)と、高分子ジオール(a2)およびヒドロキシル基含有カルボン酸(a3)からなる活性水素成分とを、(NCO/水酸基)当量比が、通常1.05〜2.0、好ましくは1.1〜1.6の範囲で、すなわち、通常1.05以上、好ましくは1.1以上であり、通常2.0以下、好ましくは1.6以下の範囲でワンショット法または多段法により、通常20℃〜150℃、好ましくは60℃〜110℃で、すなわち、通常20℃以上、好ましくは60℃以上、通常150℃以下、好ましくは110℃以下で反応させて、末端NCO基含有ウレタンプレポリマーとし、該プレポリマーを3級アミン(a5)で中和後または中和しながら、通常10℃〜60℃、好ましくは20℃〜40℃で、すなわち、通常10℃以上、好ましくは20℃以上、通常60℃以下、好ましくは40℃以下で、必要により鎖伸長剤(a4)および/または鎖停止剤を含む水と混合して、NCO基がなくなるまで乳化・鎖伸長反応を行い、必要により有機溶剤を溜去する方法。
▲2▼有機溶剤の存在下または不存在下に、有機ジイソシアネート(a1)と高分子ジオール(a2)およびヒドロキシル基含有カルボン酸(a3)とからなる活性水素成分とを、(NCO/水酸基)当量比が、0.5〜0.99の範囲でワンショット法または多段法で反応させ、末端NCO基を含まないウレタンポリマーとし、これを3級アミン(a5)で中和後または中和しながら水と混合後、必要により有機溶剤を溜去する方法。
▲3▼有機溶剤の存在下または不存在下に、有機ジイソシアネート(a1)と高分子ジオール(a2)からなる活性水素成分とを、(NCO/水酸基)当量比が2.0〜1.3の範囲でワンショット法または多段法で反応させ、末端NCO基を含むウレタンポリマーとし、これにヒドロキシル基含有カルボン酸(a3)を3級アミン(a5)で中和したものを(NCO/水酸基)当量比が1.5〜1.0の範囲で反応させた後、水と混合後、必要により有機溶剤を溜去する方法。
上記の方法のうち▲1▼の方法が好ましい。
【0043】
上記(A)への、(B)、(C)の添加方法は、(B)、(C)の水溶液を(A)に配合し、攪拌すればよい。
また、上記(A)への、(B)、(C)及び(D)の添加方法は、(B)、(C)及び(D)の水溶液を(A)に配合し、攪拌すればよい。
【0044】
本発明の感熱凝固温度は、以下のように測定する。
試験管(内径18mm)に固形分が20%となるように希釈した水性分散体を10g秤取し、90℃の熱水浴中で無攪拌の状態で10℃/分の速度で昇温し、該水性分散体が流動性を失いゲル状物となったときの、該水性分散体の温度を感熱凝固温度とする。
ポリウレタン樹脂(A)水性分散体の感熱凝固温度は、樹脂自体の保存安定性の観点から40℃以上が好ましく、マイグレーションの観点から80℃以下が好ましい。さらに好ましくは50〜70℃である。すなわち、ポリウレタン樹脂(A)水性分散体の感熱凝固温度は、樹脂自体の保存安定性の観点から40℃以上が好ましく、さらに好ましくは50℃以上であり、マイグレーションの観点から80℃以下が好ましく、さらに好ましくは70℃以下である。
本発明において、固形分とは、水性分散体に基づいて、該水性分散体中のポリウレタン樹脂(A)および必要により加えられたその他の添加剤(揮発性物質は除く)の合計含有率を示す。
本発明の水性分散体の固形分は、好ましくは5%〜40%、さらに好ましくは10〜30%である。すなわち、本発明の水性分散体の固形分は、好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上であり、好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下である。
【0045】
本発明の平均分散粒子径は、以下のように測定する。
大塚電子株式会社製、ELS−800型電気泳動光散乱光度計を用い、分散媒を水として平均粒子径を測定する。
ポリウレタン樹脂(A)水性分散体の平均分散粒子径はマイグレーションの観点から0.1μm以上が好ましく、樹脂自体の安定性の観点から2μm以下が好ましい。さらに好ましくは0.2μm〜1μmである。すなわち、ポリウレタン樹脂(A)水性分散体の平均分散粒子径はマイグレーションの観点から0.01μm以上が好ましく、さらに好ましくは0.1μm以上であり、樹脂自体の安定性の観点から2μm以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以下である。
【0046】
本発明のポリウレタン樹脂には必要により酸化チタンなどの着色剤、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系など)や酸化防止剤[4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−1−ブチルフェノール)などのヒンダートフェノール;トリフェニルホスファイト、トリクロルエチルホスファイトなどの有機ホスファイトなど]などの各種安定剤を添加させることができる。これら各添加剤の合計量はポリウレタン樹脂に対して5重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.1重量部以上3重量部以下である。
【0047】
本発明の皮革様シート材料の製造において使用される繊維材料基体としては、従来から繊維材料基体の製造に用いられている不織布や編織布が全て特に制限無く用いられる。不織布としては、補強用等の目的で編織布等が内部または表面に積層されたものでも良い。
構成繊維としては、天然繊維、化学繊維のいずれでも良く、天然繊維としては綿、羊毛、絹、石綿等、化学繊維としてはレーヨン、テンセルなどの再生繊維、アセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリルなどの合成繊維が挙げられる。またこれらを混合使用した繊維を適宜用いることも可能である。
【0048】
本発明のポリウレタン樹脂(A)水性分散体の繊維材料基体への付与は、含浸または塗布により行われ、通常行われる方法であればいずれでも良い。例えば繊維材料基体に水性分散体を含浸し、マングル等で搾ってピックアップを調製する方法、ナイフコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング等が挙げられる。
該水性分散体を付与された繊維材料基体は、必要により、水洗等の処理が施される。
【0049】
ポリウレタン樹脂(A)水性分散体の凝固の方法としては、例えば、
(1)ポリウレタン樹脂(A)水性分散体を付与した繊維材料基体に、加熱水蒸気を吹き付けて凝固する方法、
(2)ポリウレタン樹脂(A)水性分散体を付与した繊維材料基体を、乾燥装置中にそのまま導入して加熱凝固すると共に乾燥する方法などを挙げることができる。
上記のうちで好ましいのは、(1)の方法である。
【0050】
本発明で使用されるポリウレタン樹脂(A)水性分散体を凝固させる温度は、ポリウレタン樹脂の凝固を速やかに完了させることでマイグレーションを防止できる点から50〜150℃が好ましく、さらに好ましくは60〜140℃である。すなわち、本発明で使用されるポリウレタン樹脂(A)水性分散体を凝固させる温度は、ポリウレタン樹脂の凝固を速やかに完了させることでマイグレーションを防止できる点から50℃以上が好ましく、さらに好ましくは60℃以上であり、150℃以下が好ましく、さらに好ましくは140℃以下である。
上記(1)の凝固方法を用いた場合は、ポリウレタン樹脂(A)水性分散体の加熱凝固後に、加熱乾燥または風乾を行って、皮革様シート状物中に含まれる水分を除去することが好ましい。
乾燥後の繊維材料基体への付着重量は、好ましくは繊維材料基体100重量部に対し3〜150重量部、さらに好ましくは20〜120重量部である。すなわち、乾燥後の繊維材料基体への付着重量は、繊維材料基体100重量部に対し好ましくは3重量部以上、さらに好ましくは20重量部以上であり、好ましくは150重量部以下、さらに好ましくは120重量部以下である。
【0051】
本発明の皮革様シート材料は、第1に適度な柔軟性を有し天然皮革に近似した良好な風合いを有しており、第2に第1の効果に加えて良好な耐熱水性、耐アルカリ性を有しているので、シート材料として極めて有用である。
本発明の皮革様シート材料は、種々の用途、例えば、マットレス、鞄内張り材料、衣料、靴用芯材、クッション地、自動車内装材、壁材などに好適に使用することができる。
【0052】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において、「部」は重量部を示す。
【0053】
製造例1
温度計および攪拌機を備えた密閉反応槽に、ポリブチレンアジペートジオール(数平均分子量2000)330部、α,α−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)19.7部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート102部およびアセトン450部を仕込み、反応系を窒素ガスで置換したのち、攪拌下80℃で6時間反応させ、NCO末端ウレタンプレポリマーを得た。 得られた該アセトン溶液を40℃に冷却してトリエチルアミン15.6部を加えた。次にエチレンジアミン1.0部を水30部に溶解したものを該アセトン溶液に加え、乳化・鎖伸長反応をさせた後、減圧下でアセトンを留去し、水で濃度調整して、固形分40%のウレタン樹脂の水性分散体を得た。
得られたポリウレタン樹脂中のカルボキシレート基の含有量は該ポリウレタン樹脂に基づいて1.5重量%であった。次いでポリウレタン樹脂(A)に対してポリオキシエチレンセチルエーテル(HLBは14.4、エチレンオキサイドの重合度は14)が5部、硫酸ナトリウムが3部配合されるよう予め添加した水で希釈し、固形分が20%となるよう調製した水性分散体(以下、水性分散体(1)と称する)を得た。水性分散体(1)の感熱凝固温度は55℃、平均分散粒子径は0.23μmであった。
【0054】
製造例2
温度計および攪拌機を備えた密閉反応槽に、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(数平均分子量2000)330部、DMPA10.5部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート80部およびアセトン450部を仕込み、反応系を窒素ガスで置換したのち、攪拌下80℃で6時間反応させ、NCO末端ウレタンプレポリマーを得た。
得られた該アセトン溶液を40℃に冷却してトリエチルアミン7.99部を加えた。次にエチレンジアミン1.0部を水30部に溶解したものを該アセトン溶液に加え、乳化・鎖伸長反応をさせた後、減圧下でアセトンを留去し、水で濃度調整して、固形分40%のウレタン樹脂の水性分散体を得た。
得られたポリウレタン樹脂中のカルボキシレート基の含有量は該ポリウレタン樹脂に基づいて0.8重量%であった。次いでポリウレタン樹脂(A)に対してポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLBは13.6、エチレンオキサイドの重合度は9)が10部、塩化カルシウムが2部配合されるよう予め添加した水で希釈し、固形分が20%となるよう調製した水性分散体(以下、水性分散体(2)と称する)を得た。水性分散体(2)の感熱凝固温度は50℃、平均分散粒子径は0.37μmであった。
【0055】
製造例3
温度計および攪拌機を備えた密閉反応槽に、ポリヘキサメチレンアジペ−トジオール(数平均分子量2000)216部、DMPA35.5部、TDI81部、およびアセトン230部を仕込み、反応系を窒素ガスで置換したのち、攪拌下80℃で6時間反応させ、NCO末端ウレタンプレポリマーを得た。 得られた該アセトン溶液を40℃に冷却してトリエチルアミン27.3部を加えた。次にエチレンジアミン1.3部を水30部に溶解したものを該アセトン溶液に加え、乳化・鎖伸長反応をさせた後、減圧下でアセトンを留去し、水で濃度調整して、固形分40%のウレタン樹脂の水性分散体を得た。
得られたポリウレタン樹脂中のカルボキシレート基の含有量は該ポリウレタン樹脂に基づいて3.2重量%であった。次いでウレタン樹脂(A)に対してポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLBは15.7、エチレンオキサイドの重合度は23)が8部、塩化カルシウムが4部配合されるよう予め添加した水で希釈し、固形分が20%となるよう調製した水性分散体(以下、水性分散体(3)と称する)を得た。水性分散体(3)の感熱凝固温度は67℃、平均分散粒子径は0.62μmであった。
【0056】
比較製造例1
温度計および攪拌機を備えた密閉反応槽に、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(数平均分子量2000)330部、DMPA2.5部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート60部およびアセトン450部を仕込み、反応系を窒素ガスで置換したのち、攪拌下80℃で6時間反応させ、NCO末端ウレタンプレポリマーを得た。
得られた該アセトン溶液を40℃に冷却してトリエチルアミン2.0部を加えた。次にエチレンジアミン1.0部を水30部に溶解したものを該アセトン溶液に加え、乳化・鎖伸長反応をさせた後、減圧下でアセトンを留去し、水で濃度調整して、固形分40%のウレタン樹脂の水性分散体を得た。
得られたポリウレタン樹脂中のカルボキシレート基の含有量は該ポリウレタン樹脂に基づいて0.2重量%であった。次いでポリウレタン樹脂に対してポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLBは13.6、エチレンオキサイドの重合度は9)が3部、塩化カルシウムが1部配合されるよう予め添加した水で希釈し、固形分が20%となるよう調製した水性分散体(以下、水性分散体(4)と称する)を得た。水性分散体(4)の感熱凝固温度は38℃であり、室温で放置しておくと、ゲル状物となっており、以後の皮革様シートの作製はできなかった。
【0057】
比較製造例2
ノニオン性界面活性剤、無機塩類の代わりに感温ゲル化剤として、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド、分子量20万)をポリウレタン樹脂に対して2部使用すること以外は、製造例3と同様に調製した水性分散体を得た。(以下、水性分散体(5)と称する)水性分散体(5)の感熱凝固温度は85℃、平均分散粒子径は1.21μmであった。
【0058】
比較製造例3
ノニオン性界面活性剤として、HLBが18.5のポリオキシエチレンセチルエーテル(HLBは18.5、エチレンオキサイドの重合度は60)を使用すること以外は製造例1と同様に調製した水性分散体を得た。(以下、水性分散体(6)と称する)水性分散体(6)は90℃まで加熱したが、全くゲル状物はなかった。
【0059】
比較製造例4
塩化カルシウムを加えないこと以外は製造例2と同様に調製した水性分散体を得た。(以下、水性分散体(7)と称する)水性分散体(7)は90℃まで加熱したが、全くゲル状物はなかった。
【0060】
<不織布の製造>
ポリエチレンテレフタレート短繊維から積層シートを作り、このシートを280本/cm2の打込数となるようにニードルパンチした後乾燥し、重量380g/m2、見掛密度0.18g/cm2の不織布を得た。
【0061】
実施例1〜3、比較例1〜4
上記不織布に水性分散体(1)〜(7)を含浸し(水性分散体(4)は不可)、樹脂の付着率が不織布重量に対して約50重量%となるようにマングルで絞った後、100℃の飽和水蒸気中で2分感熱凝固させ、更に120℃の熱風乾燥機で10分乾燥後水洗し、再度100℃の熱風乾燥機で10分乾燥することによりシートを得た。
【0062】
<性能試験>
実施例1〜3および比較例1〜4で製造した皮革様シートについて、下記試験方法によりマイグレーションの有無、風合いを評価した。これらの結果を表1に示した。
【0063】
【表1】
[樹脂の付着率]
乾燥後の皮革様シートにおいて次式により算出した。
100×[(皮革様シートの重量)−(繊維材料基体の重量)]/(繊維材料基体の重量)(単位重量%)
[マイグレーションの有無]
シートの断面を電子顕微鏡(日立製作所製、S−800)で観察し、表面部分と中央部分のポリウレタン樹脂の基体への付着状態を調べ、ポリウレタン樹脂が繊維材料基体中に均一に分布しており、マイグレーションが発生していないものを「○」、ポリウレタン樹脂が繊維材料基体表面部分に偏在しており、マイグレーションが発生しているものを「×」と判定した。
[風合い]
シートが天然皮革様の風合いを有するものである場合を「○」と判定し、天然皮革に比べて柔軟性がやや劣るものを「△」、柔軟性不足のためシートが天然皮革様の風合いを呈さない場合を「×」と判定した。判定は手の触感による官能試験で行った。
[通気性]
ガーレのデンソメータを使用して、JIS P8117の方法に準じて、50mlの空気が通過するに要する時間(秒)を測定した。
【0065】
製造例4
温度計および攪拌機を備えた密閉反応槽に、ポリカーボネートジオール(数平均分子量2000)330部、α,α−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)19.7部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート102部およびアセトン450部を仕込み、反応系を窒素ガスで置換したのち、攪拌下80℃で6時間反応させ、NCO末端ウレタンプレポリマーを得た。 得られた該アセトン溶液を40℃に冷却してトリエチルアミン15.6部を加えた。次にエチレンジアミン1.0部を水30部に溶解したものを該アセトン溶液に加え、乳化・鎖伸長反応をさせた後、減圧下でアセトンを留去し、水で濃度調整して、固形分40%のウレタン樹脂の水性分散体を得た。得られたポリウレタン樹脂中のカルボキシレート基の含有量は該ポリウレタン樹脂に基づいて1.5重量%であった。次いでポリウレタン樹脂(A)に対してソルビトールポリグリシジルエーテルが3.5部、ポリオキシエチレンセチルエーテル(HLBは14.4、エチレンオキサイドの重合度は14)が5部、硫酸ナトリウムが3部配合されるよう予め添加した水で希釈し、固形分が20%となるよう調製した水性分散体(以下、水性分散体(8)と称する)を得た。水性分散体(8)の感熱凝固温度は55℃、平均分散粒子径は0.23μmであった。
【0066】
製造例5
製造例4で用いたソルビトールポリグリシジルエーテルの代わりにプロピレングリコールジグリシジルエーテル4.5部を用いること以外は、製造例4と同様に調製した水性分散体(以下、水性分散体(9)と称する)を得た。水性分散体(9)の感熱凝固温度は55℃、平均分散粒子径は0.23μmであった。
【0067】
製造例6
製造例4で用いたソルビトールポリグリシジルエーテルの代わりに水分散ポリイソシアネート(旭化成株式会社製、デュラネートWB40−100)6部を用いること以外は、製造例4と同様にして調製した水性分散体(以下、水性分散体(10)と称する)を得た。水性分散体(10)の感熱凝固温度は55℃、平均分散粒子径は0.23μmであった。
【0068】
<不織布の製造>
上記と同様の方法で行った。
【0069】
実施例4〜6、比較例5〜7
上記不織布に水性分散体(8)〜(10)及び(5)〜(7)を含浸し、樹脂の付着率が不織布重量に対して約50重量%となるようにマングルで絞った後、100℃の飽和水蒸気中で2分感熱凝固させ、更に120℃の熱風乾燥機で10分乾燥後水洗し、再度100℃の熱風乾燥機で10分乾燥することによりシートを得た。
【0070】
<性能試験>
実施例4〜6および比較例5〜7で製造した皮革様シートについて、下記試験方法により耐熱水性および耐アルカリ性を評価した。これらの結果を表2に示した。
【0071】
【表2】
【0072】
[耐熱水試験]
シートを130℃の熱水に1時間浸漬した。
[耐アルカリ試験]
シートを100℃の1%NaOH水溶液に1時間浸漬した。
[樹脂の付着率]
上記と同様の方法で測定した。
[風合い]
上記と同様の方法で判定した。
【0073】
【発明の効果】
本発明の皮革様シート材料は、第1に水性分散体を繊維材料基体に付与し感熱凝固する際、マイグレーションが無く、適度な柔軟性を有し天然皮革に近似した良好な風合いを有している。また、第2に第1の効果に加えて良好な耐熱水性、耐アルカリ性を有している。本発明の皮革様シート材料は、上記効果を奏することから、種々の用途、例えば、マットレス、鞄内張り材料、衣料、靴用芯材、クッション地、自動車内装材、壁材などに有用である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a leather-like sheet material. More specifically, the present invention relates to a leather-like sheet material obtained by impregnating or applying a carboxylate-type polyurethane resin aqueous dispersion to a fiber material substrate and thermally coagulating it.
[0002]
[Prior art]
When water-based urethane resin is impregnated into a fiber material substrate and dried by heating, the water evaporates from the surface of the fiber material substrate, causing migration that causes the water-based urethane resin to move to the surface of the fiber material substrate. Is mentioned. Due to this migration, the urethane resin moved to the surface of the fiber material base and was hardly attached to the inside, so that only a leather-like sheet-like material having a hard texture was obtained. Therefore, various studies have been made to prevent this migration.
[0003]
An aqueous resin dispersion composition consisting of a self-emulsifying polyurethane resin and a vinyl polymer that reversibly changes its hydrophilicity and hydrophobicity at a certain temperature and leads to gelation upon heating is applied to the fiber material substrate. A method of heating at a temperature not lower than the transition temperature of the vinyl polymer and not higher than the thermal softening point is known. (For example, JP 2000-17034 A)
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the aqueous dispersion composition as described above, migration is not sufficiently prevented, and it is difficult to say that the texture of the resulting leather-like sheet is sufficiently improved. The first problem is to provide a leather-like sheet material that has no migration and the resulting leather-like sheet has a good texture.
Conventionally, the leather-like sheet material of water-based urethane resin has not yet reached a satisfactory level of hot water resistance and alkali resistance due to the action of ionic groups necessary for making it water-based. The second problem is to provide a leather-like sheet material having a good texture as described above and having excellent hot water resistance and alkali resistance.
[0005]
[Means for solving]
As a result of earnest research on the leather-like sheet material that solves the first and second problems, the present inventors have completed the present invention.
[0006]
That is, the present invention provides a leather-like sheet material obtained by applying an aqueous dispersion of a polyurethane resin to a fiber material substrate and thermally coagulating the polyurethane resin, based on the weight of the polyurethane resin. 3 to 6% by weight of carboxylate groups (—COO - ) Containing a carboxylate type polyurethane resin (A), wherein the aqueous dispersion contains a nonionic surfactant (B) having an HLB of 10 to 18 and an inorganic salt (C). A leather-like sheet material and a method for producing the same are provided.
In addition, for the second problem, in the leather-like sheet material obtained by applying an aqueous dispersion of polyurethane resin to a fiber material substrate and heat-coagulating the polyurethane resin, the polyurethane dispersion is composed of (A), and the aqueous dispersion is The present invention provides a leather-like sheet material and a method for producing the same, characterized by containing (B), the above (C), and an epoxy compound and / or an isocyanate compound (D).
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The polyurethane resin constituting the leather-like sheet material of the present invention is usually 0.3 to 6% by weight, preferably 0.4 to 5% by weight, more preferably 0.5 to 4% by weight, based on the weight of the polyurethane resin. % Carboxylate group (—COO - ). That is, the carboxylate group content of the polyurethane resin constituting the leather-like sheet material of the present invention is usually 0.3% by weight or more, preferably 0.4% by weight or more, more preferably 0.5% by weight or more. 6% by weight or less, preferably 5% by weight or less, and more preferably 4% by weight or less. If the carboxylate group content is less than 0.3% by weight, a stable aqueous dispersion cannot be obtained, and if it exceeds 6% by weight, the water resistance of the formed resin film tends to decrease.
[0008]
The HLB (hydrophilic-hydrophobic balance) of the nonionic surfactant (B) used in the production of the aqueous polyurethane resin dispersion of the present invention is usually 10 to 18, preferably 11 to 17, and more preferably 12 to 16. is there. That is, the HLB of the nonionic surfactant (B) used in the production of the aqueous polyurethane resin dispersion of the present invention is usually 10 or more, preferably 11 or more, more preferably 12 or more, usually 18 or less, preferably Is 17 or less, more preferably 16 or less.
When the HLB of (B) is less than 10, there is a problem in storage stability such that a solidified product is generated when the aqueous dispersion is stored for a long time. On the other hand, if the HLB exceeds 18, the affinity of polyurethane for water becomes too high, and the aqueous dispersion is difficult to coagulate.
The HLB value in the present invention is a value calculated by the following Griffin method described in Takehiko Fujimoto, Introduction to New Surfactants, Sanyo Chemical Industries, Ltd. (1992), P128.
HLB = (weight% of hydrophilic group) × (1/5)
[0009]
(B) is a surfactant having a polyether unit that does not ionically dissociate in water as a hydrophilic group, and is particularly preferably a nonionic surfactant represented by the following general formula (1).
R-O- (CH 2 -CH 2 -O-) x-H (1)
However, R is preferably an alkyl group having 8 to 20 carbon atoms, and may be linear or branched. Specific examples include octyl group, nonyl group, decyl group, lauryl group, cetyl group, oleyl group and the like. Among these, preferred are a lauryl group, a cetyl group and an oleyl group. x represents an integer of 5 to 40, preferably 7 or more and 30 or less.
[0010]
The HLB in (B) is determined by the hydrophobicity of the alkyl group represented by R in the general formula (1) and x, which is the number of repeating ethylene oxide units contained in ethylene glycol, and the larger the x, the larger the HLB.
Examples of (B) include polyoxyethylene lauryl ether (x = 9), polyoxyethylene cetyl ether (x = 12), polyoxyethylene stearyl ether (x = 15), polyoxyethylene oleyl ether (x = 20). And higher alcohol ethylene oxide adducts.
Although content of (B) is not specifically limited, 0.5-20 weight% is preferable based on the weight of a polyurethane resin (A), More preferably, it is 1-15 weight%. That is, the content of (B) is not particularly limited, but is preferably 0.5% by weight or more, more preferably 1% by weight or more, preferably 20% by weight or less, based on the weight of the polyurethane resin (A). More preferably, it is 15 weight% or less.
[0011]
Examples of the inorganic salt (C) include inorganic salts or halides of alkali metals or alkaline earth metals.
Examples of the inorganic salt or halide of alkali metal include sodium carbonate, sodium sulfate, sodium hydroxide, sodium nitrate, potassium chloride, and potassium carbonate. Examples of the inorganic salt or halide of alkaline earth metal include calcium chloride, sulfuric acid. Calcium is mentioned.
[0012]
The content of (C) is preferably 0.5 to 5% by weight, more preferably 1 to 4% by weight, based on the weight of the polyurethane resin (A), from the viewpoint of the storage stability of the resin itself. That is, the content of (C) is preferably 0.5% by weight or more, more preferably 1% by weight or more based on the weight of the polyurethane resin (A), from the viewpoint of the storage stability of the resin itself, Is 5% by weight or less, more preferably 4% by weight or less.
[0013]
The epoxy compound (D1) which is the above (D) in the present invention may be any of aromatic, heterocycle-containing, alicyclic, aliphatic, and a mixture of two or more thereof. The number of functional groups is 1 or more, preferably 2 or more and 5 or less.
[0014]
Examples of the aromatic epoxy compound include polycyclic phenol-modified polyglycidyl ether, monocyclic phenol-modified polyglycidyl ether, and polyglycidyl aromatic polyamine.
Examples of the polycyclic phenol-modified polyglycidyl ether include bisphenol F diglycidyl ether, bisphenol A diglycidyl ether, bisphenol B diglycidyl ether, bisphenol AD diglycidyl ether, bisphenol S diglycidyl ether, brominated bisphenol A diglycidyl, tetra Examples thereof include chlorobisphenol A diglycidyl ether, 1,5-dihydroxynaphthalene diglycidyl ether, dihydroxybiphenyl diglycidyl ether, and octachloro-4,4′-dihydroxybiphenyl diglycidyl ether.
Examples of the monocyclic phenol-modified polyglycidyl ether include phenyl glycidyl ether, phenol alkylene oxide adduct (addition mole number: 5 to 50) glycidyl ether, dibromophenyl glycidyl ether catechin diglycidyl ether, resorcinol diglycidyl ether, Examples include hydroquinone diglycidyl ether and pyrogallol triglycidyl ether.
Examples of the polyglycidyl aromatic polyamine include N, N-diglycidylaniline and N, N, N ′, N′-tetraglycidyldiphenylmethanediamine.
[0015]
Examples of the heterocyclic ring-containing epoxy compound system include trisglycidylmelamine.
[0016]
Examples of the alicyclic epoxy compound include vinylcyclohexene dioxide, limonene dioxide, dicyclopentadiene dioxide, bis (2,3-epoxycyclopentyl) ether, ethylene glycol bisepoxy dicyclopentyl ether, 3,4-epoxy- 6-methylcyclohexylmethyl-3 ′, 4′-epoxy-6′-methylcyclohexanecarboxylate, bis (3,4-epoxy-6-methylcyclohexylmethyl) adipate, bis (3,4-epoxy-6-methylcyclohexyl) Methyl) butylamine, and a nuclear hydrogenated product of the aromatic epoxy compound.
[0017]
As the aliphatic epoxy compound, for example, allyl glycidyl ether, 2-ethylhexyl glycidyl ether, alkylene oxide adduct of lauryl diglycidyl ether (addition mole number: 5 to 50) ethylene glycol diglycidyl ether, propylene glycol diglycidyl ether, Tetramethylene glycol diglycidyl ether, poly (n: 1 to 22) ethylene glycol diglycidyl ether, poly (n: 1 to 11) propylene glycol diglycidyl ether, neopentyl glycol diglycidyl ether, trimethylolpropane triglycidyl ether , Pentaerythritol tetraglycidyl ether, and sorbitol polyglycidyl ether.
[0018]
Of these, preferred are aliphatic epoxy compounds, and more preferred are sorbitol polyglycidyl ether, trimethylolpropane triglycidyl ether, and ethylene glycol diglycidyl ether.
[0019]
Examples of the isocyanate compound (D2) that is (D) include organic monoisocyanates, organic diisocyanates, and organic triisocyanates. Examples of the organic monoisocyanate include phenyl isocyanate and stearyl isocyanate.
As organic diisocyanate, (a1) shown below is mentioned, for example.
Examples of organic triisocyanates include 1,6,11-undecane triisocyanate, triphenylmethane triisocyanate, 1,8-diisocyanate-4isocyanate methyloctane, 1,3,6 hexamethylene triisocyanate, and bicycloheptane triisocyanate. The above isocyanate dispersed in water can also be used.
[0020]
The amount of (D) used in the present invention is preferably 0.5 equivalents or more, more preferably 1.0 equivalents or more per equivalent of the carboxylate group in (A) from the viewpoint of hot water resistance and alkali resistance. It is preferably 2.0 equivalents or less, more preferably 1.5 equivalents or less.
[0021]
For example, the polyurethane resin (A) is obtained by converting a carboxylate type polyurethane resin (A ′) formed from an organic diisocyanate (a1), a polymer polyol (a2), and a hydroxyl group-containing carboxylic acid (a3) to a tertiary amine (a5). ) Or a carboxylate-type polyurethane resin (A ″) formed from (a1), (a2), (a3) and a chain extender (a4). It is formed by neutralization with a tertiary amine (a5). Hereinafter, each component will be described.
[0022]
As the organic diisocyanate (a1), those conventionally used for polyurethane production can be used. Examples of such organic diisocyanates include aromatic diisocyanates having 6 to 20 carbon atoms (excluding carbon in the NCO group, the same shall apply hereinafter), aliphatic diisocyanates having 2 to 18 carbon atoms, and alicyclic diisocyanates having 4 to 15 carbon atoms. , Araliphatic diisocyanates having 8 to 15 carbon atoms, modified products of these diisocyanates (carbodiimide-modified products, urethane-modified products, uretdione-modified products, etc.) and mixtures of two or more of these.
[0023]
Specific examples of the aromatic diisocyanate include 1,3- and / or 1,4-phenylene diisocyanate, 2,4- and / or 2,6-tolylene diisocyanate (hereinafter abbreviated as TDI), 2,4′- And / or 4,4′-diphenylmethane diisocyanate (hereinafter abbreviated as MDI), 4,4′-diisocyanatobiphenyl, 3,3′-dimethyl-4,4′-diisocyanatobiphenyl, 3,3′-dimethyl Examples include -4,4'-diisocyanatodiphenylmethane and 1,5-naphthylene diisocyanate.
[0024]
Specific examples of the aliphatic diisocyanate include ethylene diisocyanate, tetramethylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, dodecamethylene diisocyanate, 2,2,4-trimethylhexamethylene diisocyanate, lysine diisocyanate, 2,6-diisocyanatomethylcaproate, Examples thereof include bis (2-isocyanatoethyl) carbonate and 2-isocyanatoethyl-2,6-diisocyanatohexanoate.
[0025]
Specific examples of the alicyclic diisocyanate include isophorone diisocyanate, 4,4′-dicyclohexylmethane diisocyanate, cyclohexylene diisocyanate, methylcyclohexylene diisocyanate, bis (2-isocyanatoethyl) -4-cyclohexylene-1,2- Examples thereof include dicarboxylate, 2,5- and / or 2,6-norbornane diisocyanate.
[0026]
Specific examples of the araliphatic diisocyanate include m- and / or p-xylylene diisocyanate, α, α, α ′, α′-tetramethylxylylene diisocyanate, and the like.
[0027]
Among these, preferred are aromatic diisocyanates and alicyclic diisocyanates, and particularly preferred are MDI, TDI, isophorone diisocyanate, and 4,4′-dicyclohexylmethane diisocyanate.
[0028]
Examples of the polymer diol (a2) include polyalkylene ether diol (a2-1), polyester diol (a2-2), and a mixture of two or more thereof.
The number average molecular weight of the polymer diol (a2) is preferably 500 to 20,000, more preferably 500 to 10,000, and particularly preferably 1,000 to 3,000. That is, the number average molecular weight of the polymer diol (a2) is preferably 500 or more, more preferably 1,000 or more, preferably 20,000 or less, more preferably 10,000 or less, particularly preferably 3,000. It is as follows.
The number average molecular weight of (a2) is determined from the hydroxyl value. The hydroxyl value is measured by a method defined in JIS K 0070-1992 (potentiometric titration method).
[0029]
Examples of the polyalkylene ether diol (a2-1) include a compound having a structure in which an alkylene oxide (hereinafter abbreviated as AO) is added to an active hydrogen atom-containing bifunctional compound and a mixture of two or more thereof.
Examples of the active hydrogen atom-containing bifunctional compound include divalent alcohols, divalent phenols, and dicarboxylic acids.
[0030]
Dihydric alcohols include ethylene glycol, propylene glycol, 1,3-butylene glycol, 1,4-butanediol, 1,6-hexanediol, diethylene glycol, neopentyl glycol. And divalent alcohols such as bis (hydroxymethyl) cyclohexane and bis (hydroxyethyl) benzene.
Examples of the divalent phenols include bisphenols such as bisphenol A, bisphenol F, and bisphenol S in addition to divalent phenols such as catechol and hydroquinone.
Examples of the dicarboxylic acid include aliphatic dicarboxylic acids such as succinic acid and adipic acid, and aromatic dicarboxylic acids such as phthalic acid and terephthalic acid.
Two or more of the above-mentioned active hydrogen atom-containing compounds can be used.
[0031]
Examples of AO added to the active hydrogen atom-containing compound include ethylene oxide (EO), propylene oxide (PO), 1,2-, 2,3- or 1,3-butylene oxide, tetrahydrofuran (THF), styrene oxide, α -Olefin oxide, epichlorohydrin and the like.
AO may be used alone or in combination of two or more. In the latter case, block addition, random addition, or a mixture of both may be used.
Among these AOs, preferred are EO alone, PO alone, THF alone, combined use of PO and EO, and combined use of PO and / or EO and THF (in the case of combined use, random, block and mixed system of both).
The addition of AO to the active hydrogen atom-containing compound (a) can be performed by a usual method, and is performed without a catalyst or in the presence of a catalyst (an alkali catalyst, an amine catalyst, an acidic catalyst).
[0032]
The polyester diol (a2-2) includes a ring-opening polymerization of a condensed polyester diol and a lactone obtained by reacting a low molecular diol and / or a polyalkylene ether diol having a molecular weight of 1000 or less and a dicarboxylic acid. And a polycarbonate diol obtained by reacting a low molecular weight diol and a mixture thereof with a carbonic acid diester of a lower alcohol (such as methanol) and a copolymer thereof.
[0033]
Examples of the low molecular weight polyol include ethylene glycol, diethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, 1,4-, 1,3-butanediol, neopentyl glycol, 1, 6-hexanediol; low-molecular-weight polyols having a cyclic group [for example, those described in JP-B No. 45-1474: bis (hydroxymethyl) cyclohexane, bis (hydroxyethyl) benzene, ethylene oxide of bisphenol A Adducts, etc.], and mixtures of two or more thereof.
Examples of the polyalkylene ether glycol having a molecular weight of 1,000 or less include polytetramethylene ether glycol, polypropylene glycol, polyethylene glycol, and a mixture of two or more thereof.
[0034]
Dicarboxylic acids include aliphatic dicarboxylic acids (succinic acid, adipic acid, azelaic acid, sebacic acid, etc.), aromatic dicarboxylic acids (terephthalic acid, isophthalic acid, phthalic acid, etc.), and ester-forming derivatives of these dicarboxylic acids. [Acid anhydride, lower alkyl (1 to 4 carbon atoms) ester and the like] and a mixture of two or more thereof; lactone includes ε-caprolactone, γ-butyrolactone, γ-valerolactone, and two of these The above mixture is mentioned.
[0035]
Polyesterification can be carried out by a conventional method, for example, a low molecular weight polyol and / or a polyether diol with a molecular weight of 1000 or less is converted to a dicarboxylic acid or an ester-forming derivative thereof [for example, anhydrides (maleic anhydride, phthalic anhydride, etc.) , Lower esters (dimethyl adipate, dimethyl terephthalate, etc.), halides, etc., or their anhydrides and alkylene oxides (eg, ethylene oxide and / or propylene oxide), or initiators (low molecular weight). Diol and / or polyether terdiol having a molecular weight of 1,000 or less) can be produced by adding a lactone.
[0036]
Specific examples of these polyester diols (a2-2) include polyethylene adipate diol, polybutylene adipate diol, polyhexamethylene adipate diol, polyneopentyl adipate diol, polyethylene propylene adipate diol Polyethylene butylene adipate diol, polybutylene hexamethylene adipate diol, polydiethylene adipate diol, poly (polytetramethylene ether) adipate diol, polyethylene azelate diol, polyethylene sebacate diol, poly Examples include butylene azelate diol, polybutylene sebacate diol, polycaprolactone diol, polytetramethylene carbonate diol, and polyhexamethylene carbonate diol.
[0037]
Among these polymer diols (a2), preferred are condensation polyester diols of low molecular diols and dicarboxylic acids, and polycarbonate diols.
[0038]
The hydroxyl group-containing carboxylic acid (a3) is a component used for introducing an anionic hydrophilic group for the purpose of self-dispersing the polyurethane resin in water. Specific examples of (a3) include monohydroxycarboxylic acids such as lactic acid; dihydroxycarboxylic acids such as α, α-dimethylolacetic acid, α, α-dimethylolpropionic acid, α, α-dimethylolbutyric acid, and the like. Of these, preferred are dihydroxycarboxylic acids, and particularly preferred are α, α-dimethylolpropionic acid and α, α-dimethylolbutyric acid.
[0039]
As a component of (A), a chain extender (a4) and / or a chain terminator can be used.
Examples of the chain extender (a4) include diamines having 2 to 10 carbon atoms (eg, ethylenediamine, propylenediamine, hexamethylenediamine, isophoronediamine, toluenediamine, etc.); polyamines (eg, diethylenetriamine, triethylenetetramine, etc.); hydrazine or Derivatives thereof (dibasic acid dihydrazide such as adipic acid dihydrazide); polyhydric alcohols having 2 to 15 carbon atoms [divalent alcohols (such as ethylene glycol, propylene glycol, neopentyl glycol, 1,4-butanediol, diethylene glycol, etc.) Trihydric alcohol (eg glycerin, trimethylolpropane, etc.), alkylene oxides (ethylene oxide and / or propylene oxide) of these polyhydric alcohols are low Le adduct (molecular weight less than 500), and the like.
Of these, ethylenediamine and isophoronediamine are preferred.
Examples of the chain terminator include monoalcohols having 1 to 8 carbon atoms (methanol, ethanol, isopropanol, butanol, cellosolves, carbitols, etc.), monoamines having 1 to 10 carbon atoms (monomethylamine, monoethylamine, monobutylamine, Dibutylamine, monooctylamine, monoethanolamine, diethanolamine, etc.).
Of these, monoethylamine and monobutylamine are preferred.
[0040]
The tertiary amine (a5) used for neutralizing the carboxylate group of the polyurethane includes tertiary monoamines having 3 to 12 or more carbon atoms, such as (1) aliphatic tertiary monoamines (trimethylamine, triethylamine, triethanolamine). , N-methyldiethanolamine, N, N-dimethylethanolamine, etc.); (2) Heterocyclic tertiary monoamine (N-methylpiperidine, N-methylmorpholine, etc.); (3) Unsaturated cyclic tertiary monoamine (N (4) aromatic ring-containing aliphatic tertiary monoamine (benzyldimethylamine, α-methylbenzyldimethylamine, etc.); (5) aromatic tertiary monoamine (N-dimethylaniline, etc.) ) And combinations of two or more of these.
Of these, preferred are aliphatic tertiary monoamines, and particularly preferred is triethylamine.
[0041]
Carboxylate group (-COO - In the group of the carboxylic acid tertiary amino salt containing), the carboxylate group is derived from the above (a3), and the molar ratio of the carboxyl group to the tertiary amino group is from (1: 1.01) to ( 1: 2) is preferable, and (1: 1.05) to (1: 1.5) is more preferable. That is, in the group of the tertiary amino salt containing a carboxylate group, the carboxylate group is derived from the above (a3), and (number of moles of tertiary amino group) / (number of moles of carboxyl group) is Preferably it is 1.01 or more, More preferably, it is 1.05 or more, Preferably it is 2 or less, More preferably, it is 1.5 or less.
[0042]
The production method of the polyurethane resin (A) in the present invention may be a normal method, and is not particularly limited, but examples thereof include the following methods.
(1) In the presence or absence of an organic solvent containing no active hydrogen-containing group in the molecule (acetone, methyl ethyl ketone, tetrahydrofuran, N, N-dimethylformamide, etc.), the organic diisocyanate (a1) The active hydrogen component comprising the molecular diol (a2) and the hydroxyl group-containing carboxylic acid (a3) has an (NCO / hydroxyl group) equivalent ratio of usually 1.05 to 2.0, preferably 1.1 to 1.6. In a range, that is, usually 1.05 or more, preferably 1.1 or more, and usually 2.0 or less, preferably 1.6 or less by a one-shot method or a multistage method, usually 20 ° C. to 150 ° C., The reaction is preferably performed at 60 ° C. to 110 ° C., that is, usually 20 ° C. or higher, preferably 60 ° C. or higher, usually 150 ° C. or lower, preferably 110 ° C. or lower. A urethane prepolymer, and after neutralization with the tertiary amine (a5) or while neutralizing, is usually 10 ° C to 60 ° C, preferably 20 ° C to 40 ° C, that is, usually 10 ° C or higher, preferably 20 ° C. or higher, usually 60 ° C. or lower, preferably 40 ° C. or lower, and if necessary, mixed with water containing a chain extender (a4) and / or a chain terminator to carry out an emulsification / chain extension reaction until there is no NCO group If necessary, distill away organic solvent.
(2) An active hydrogen component comprising an organic diisocyanate (a1), a polymer diol (a2) and a hydroxyl group-containing carboxylic acid (a3) in the presence or absence of an organic solvent (NCO / hydroxyl group) equivalent A ratio of 0.5 to 0.99 is reacted by a one-shot method or a multistage method to obtain a urethane polymer containing no terminal NCO group, and this is neutralized with a tertiary amine (a5) or while neutralizing After mixing with water, the organic solvent is distilled off if necessary.
(3) An active hydrogen component comprising an organic diisocyanate (a1) and a polymer diol (a2) in the presence or absence of an organic solvent has an (NCO / hydroxyl) equivalent ratio of 2.0 to 1.3. One-shot method or multi-stage reaction in a range to obtain a urethane polymer containing a terminal NCO group, which is obtained by neutralizing a hydroxyl group-containing carboxylic acid (a3) with a tertiary amine (a5) (NCO / hydroxyl group) equivalent A method in which the organic solvent is distilled off if necessary after reacting in a ratio of 1.5 to 1.0 and mixing with water.
Among the above methods, the method (1) is preferable.
[0043]
The addition method of (B) and (C) to the above (A) may be performed by blending the aqueous solution of (B) and (C) into (A) and stirring.
Moreover, the addition method of (B), (C), and (D) to said (A) should just mix | blend the aqueous solution of (B), (C), and (D) in (A), and stir. .
[0044]
The thermal coagulation temperature of the present invention is measured as follows.
10 g of an aqueous dispersion diluted to a solid content of 20% was weighed in a test tube (inner diameter 18 mm) and heated at a rate of 10 ° C./min in a 90 ° C. hot water bath without stirring. The temperature of the aqueous dispersion when the aqueous dispersion loses fluidity and becomes a gel-like material is defined as a thermal coagulation temperature.
The thermal coagulation temperature of the aqueous polyurethane resin (A) dispersion is preferably 40 ° C. or higher from the viewpoint of storage stability of the resin itself, and preferably 80 ° C. or lower from the viewpoint of migration. More preferably, it is 50-70 degreeC. That is, the thermal coagulation temperature of the polyurethane resin (A) aqueous dispersion is preferably 40 ° C. or more from the viewpoint of the storage stability of the resin itself, more preferably 50 ° C. or more, and preferably 80 ° C. or less from the viewpoint of migration. More preferably, it is 70 degrees C or less.
In the present invention, the solid content refers to the total content of the polyurethane resin (A) in the aqueous dispersion and other additives added as necessary (excluding volatile substances) based on the aqueous dispersion. .
The solid content of the aqueous dispersion of the present invention is preferably 5% to 40%, more preferably 10 to 30%. That is, the solid content of the aqueous dispersion of the present invention is preferably 5% or more, more preferably 10% or more, preferably 40% or less, more preferably 30% or less.
[0045]
The average dispersed particle diameter of the present invention is measured as follows.
Using an ELS-800 electrophoretic light scattering photometer manufactured by Otsuka Electronics Co., Ltd., the average particle diameter is measured using water as the dispersion medium.
The average dispersed particle size of the polyurethane resin (A) aqueous dispersion is preferably 0.1 μm or more from the viewpoint of migration, and preferably 2 μm or less from the viewpoint of the stability of the resin itself. More preferably, it is 0.2 micrometer-1 micrometer. That is, the average dispersed particle size of the polyurethane resin (A) aqueous dispersion is preferably 0.01 μm or more from the viewpoint of migration, more preferably 0.1 μm or more, and preferably 2 μm or less from the viewpoint of the stability of the resin itself. More preferably, it is 1 μm or less.
[0046]
If necessary, the polyurethane resin of the present invention may include a colorant such as titanium oxide, an ultraviolet absorber (benzophenone-based, benzotriazole-based, etc.) or an antioxidant [4,4′-butylidene-bis (3-methyl-6-1- Various stabilizers such as hindered phenols such as butylphenol; organic phosphites such as triphenyl phosphite and trichloroethyl phosphite] can be added. The total amount of these additives is preferably 5 parts by weight or less, more preferably 0.1 parts by weight or more and 3 parts by weight or less based on the polyurethane resin.
[0047]
As the fiber material substrate used in the production of the leather-like sheet material of the present invention, any nonwoven fabric and woven fabric conventionally used in the production of fiber material substrates can be used without any particular limitation. The nonwoven fabric may be one in which a woven fabric or the like is laminated inside or on the surface for the purpose of reinforcement or the like.
The constituent fiber may be either natural fiber or chemical fiber, natural fiber is cotton, wool, silk, asbestos, etc., chemical fiber is regenerated fiber such as rayon and tencel, semi-synthetic fiber such as acetate and triacetate, polyamide , Synthetic fibers such as polyester, polyolefin, and acrylic. Moreover, it is also possible to use appropriately a fiber using a mixture of these.
[0048]
The polyurethane resin (A) aqueous dispersion of the present invention may be applied to the fiber material substrate by impregnation or coating, and any method may be used as long as it is a commonly performed method. For example, a method of impregnating a fiber material substrate with an aqueous dispersion and squeezing with a mangle or the like to prepare a pickup, knife coating, air knife coating, roll coating, spray coating and the like can be mentioned.
The fiber material substrate to which the aqueous dispersion is applied is subjected to a treatment such as water washing as necessary.
[0049]
As a method of coagulation of the polyurethane resin (A) aqueous dispersion, for example,
(1) Polyurethane resin (A) A method of solidifying by spraying heated water vapor on a fiber material substrate provided with an aqueous dispersion,
(2) Polyurethane resin (A) A fiber material substrate provided with an aqueous dispersion can be introduced into a drying apparatus as it is, heated and solidified, and dried.
Among these, the method (1) is preferable.
[0050]
The temperature at which the aqueous polyurethane resin (A) dispersion used in the present invention is coagulated is preferably 50 to 150 ° C., more preferably 60 to 140 from the viewpoint that migration can be prevented by quickly completing coagulation of the polyurethane resin. ° C. That is, the temperature at which the aqueous polyurethane resin (A) dispersion used in the present invention is coagulated is preferably 50 ° C. or higher, more preferably 60 ° C. from the viewpoint that migration can be prevented by quickly completing coagulation of the polyurethane resin. It is above, 150 degrees C or less is preferable, More preferably, it is 140 degrees C or less.
When the coagulation method (1) is used, it is preferable to remove moisture contained in the leather-like sheet by performing heat drying or air drying after heat solidification of the polyurethane resin (A) aqueous dispersion. .
The weight adhering to the fiber material substrate after drying is preferably 3 to 150 parts by weight, more preferably 20 to 120 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the fiber material substrate. That is, the adhesion weight to the fiber material substrate after drying is preferably 3 parts by weight or more, more preferably 20 parts by weight or more, preferably 150 parts by weight or less, more preferably 120 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the fiber material substrate. Less than parts by weight.
[0051]
The leather-like sheet material of the present invention has firstly a suitable softness and a good texture similar to natural leather, and secondly, good hot water resistance and alkali resistance in addition to the first effect. Therefore, it is extremely useful as a sheet material.
The leather-like sheet material of the present invention can be suitably used in various applications, for example, mattresses, lining materials, clothing, shoe core materials, cushioning materials, automobile interior materials, wall materials, and the like.
[0052]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further, this invention is not limited to this. In the following, “parts” indicates parts by weight.
[0053]
Production Example 1
In a closed reaction vessel equipped with a thermometer and a stirrer, 330 parts of polybutylene adipate diol (number average molecular weight 2000), 19.7 parts of α, α-dimethylolpropionic acid (DMPA), 4,4′-dicyclohexylmethane diisocyanate 102 And 450 parts of acetone were charged, and the reaction system was replaced with nitrogen gas, followed by reaction at 80 ° C. for 6 hours with stirring to obtain an NCO-terminated urethane prepolymer. The obtained acetone solution was cooled to 40 ° C. and 15.6 parts of triethylamine was added. Next, 1.0 part of ethylenediamine dissolved in 30 parts of water is added to the acetone solution, and after emulsification and chain extension reaction, the acetone is distilled off under reduced pressure, the concentration is adjusted with water, An aqueous dispersion of 40% urethane resin was obtained.
The content of carboxylate groups in the obtained polyurethane resin was 1.5% by weight based on the polyurethane resin. Next, the polyurethane resin (A) is diluted with water added in advance so that 5 parts of polyoxyethylene cetyl ether (HLB is 14.4, the degree of polymerization of ethylene oxide is 14) and 3 parts of sodium sulfate are blended, An aqueous dispersion prepared to have a solid content of 20% (hereinafter referred to as aqueous dispersion (1)) was obtained. The aqueous dispersion (1) had a thermal coagulation temperature of 55 ° C. and an average dispersed particle size of 0.23 μm.
[0054]
Production Example 2
A closed reaction vessel equipped with a thermometer and a stirrer was charged with 330 parts of polyhexamethylene carbonate diol (number average molecular weight 2000), 10.5 parts of DMPA, 80 parts of 4,4′-dicyclohexylmethane diisocyanate and 450 parts of acetone, and the reaction system Was replaced with nitrogen gas, and reacted at 80 ° C. for 6 hours with stirring to obtain an NCO-terminated urethane prepolymer.
The obtained acetone solution was cooled to 40 ° C. and 7.9 parts of triethylamine was added. Next, 1.0 part of ethylenediamine dissolved in 30 parts of water is added to the acetone solution, and after emulsification and chain extension reaction, the acetone is distilled off under reduced pressure, the concentration is adjusted with water, An aqueous dispersion of 40% urethane resin was obtained.
The content of carboxylate groups in the obtained polyurethane resin was 0.8% by weight based on the polyurethane resin. Next, the polyurethane resin (A) is diluted with water added in advance so that 10 parts of polyoxyethylene lauryl ether (HLB is 13.6, the degree of polymerization of ethylene oxide is 9) and 2 parts of calcium chloride are blended, An aqueous dispersion prepared to have a solid content of 20% (hereinafter referred to as aqueous dispersion (2)) was obtained. The aqueous dispersion (2) had a thermal coagulation temperature of 50 ° C. and an average dispersed particle size of 0.37 μm.
[0055]
Production Example 3
A closed reaction vessel equipped with a thermometer and a stirrer was charged with 216 parts of polyhexamethylene adipate diol (number average molecular weight 2000), 35.5 parts of DMPA, 81 parts of TDI, and 230 parts of acetone, and the reaction system was replaced with nitrogen gas. Then, it was made to react at 80 degreeC under stirring for 6 hours, and the NCO terminal urethane prepolymer was obtained. The obtained acetone solution was cooled to 40 ° C. and 27.3 parts of triethylamine was added. Next, 1.3 parts of ethylenediamine dissolved in 30 parts of water was added to the acetone solution, and after emulsification and chain extension reaction, acetone was distilled off under reduced pressure, the concentration was adjusted with water, An aqueous dispersion of 40% urethane resin was obtained.
The content of carboxylate groups in the obtained polyurethane resin was 3.2% by weight based on the polyurethane resin. Next, the urethane resin (A) is diluted with water added in advance so that 8 parts of polyoxyethylene oleyl ether (HLB is 15.7, the degree of polymerization of ethylene oxide is 23) and 4 parts of calcium chloride are blended, An aqueous dispersion prepared to have a solid content of 20% (hereinafter referred to as aqueous dispersion (3)) was obtained. The aqueous dispersion (3) had a thermal coagulation temperature of 67 ° C. and an average dispersed particle size of 0.62 μm.
[0056]
Comparative production example 1
A closed reaction vessel equipped with a thermometer and a stirrer was charged with 330 parts of polyhexamethylene carbonate diol (number average molecular weight 2000), 2.5 parts of DMPA, 60 parts of 4,4′-dicyclohexylmethane diisocyanate and 450 parts of acetone, and the reaction system Was replaced with nitrogen gas, and reacted at 80 ° C. for 6 hours with stirring to obtain an NCO-terminated urethane prepolymer.
The obtained acetone solution was cooled to 40 ° C. and 2.0 parts of triethylamine was added. Next, 1.0 part of ethylenediamine dissolved in 30 parts of water is added to the acetone solution, and after emulsification and chain extension reaction, the acetone is distilled off under reduced pressure, the concentration is adjusted with water, An aqueous dispersion of 40% urethane resin was obtained.
The content of carboxylate groups in the obtained polyurethane resin was 0.2% by weight based on the polyurethane resin. Next, the polyurethane resin is diluted with pre-added water so that 3 parts of polyoxyethylene lauryl ether (HLB is 13.6, the degree of polymerization of ethylene oxide is 9) and 1 part of calcium chloride is blended, and the solid content is An aqueous dispersion prepared to be 20% (hereinafter referred to as aqueous dispersion (4)) was obtained. The heat-sensitive coagulation temperature of the aqueous dispersion (4) was 38 ° C., and when it was allowed to stand at room temperature, it became a gel-like product, and subsequent leather-like sheets could not be produced.
[0057]
Comparative production example 2
Prepared in the same manner as in Production Example 3 except that 2 parts of poly (N-isopropylacrylamide, molecular weight 200,000) is used as a temperature-sensitive gelling agent instead of nonionic surfactants and inorganic salts with respect to the polyurethane resin. An aqueous dispersion was obtained. The heat-sensitive coagulation temperature of the aqueous dispersion (5) (hereinafter referred to as the aqueous dispersion (5)) was 85 ° C., and the average dispersed particle size was 1.21 μm.
[0058]
Comparative production example 3
Aqueous dispersion prepared in the same manner as in Production Example 1 except that polyoxyethylene cetyl ether having an HLB of 18.5 (HLB is 18.5 and the degree of polymerization of ethylene oxide is 60) is used as the nonionic surfactant. Got. The aqueous dispersion (6) (hereinafter referred to as the aqueous dispersion (6)) was heated to 90 ° C., but there was no gel.
[0059]
Comparative production example 4
An aqueous dispersion prepared in the same manner as in Production Example 2 was obtained except that calcium chloride was not added. The aqueous dispersion (7) (hereinafter referred to as the aqueous dispersion (7)) was heated to 90 ° C., but there was no gel.
[0060]
<Manufacture of non-woven fabric>
A laminated sheet is made from polyethylene terephthalate short fibers, and this sheet is 280 / cm. 2 After punching the needle so that the number of shots is the same, it is dried and the weight is 380 g / m 2 Apparent density 0.18 g / cm 2 A non-woven fabric was obtained.
[0061]
Examples 1-3, Comparative Examples 1-4
After impregnating the non-woven fabric with the aqueous dispersions (1) to (7) (the aqueous dispersion (4) is not possible) and then squeezing with mangles so that the resin adhesion rate is about 50% by weight with respect to the non-woven fabric weight The sheet was obtained by heat-sensitive coagulation in saturated water vapor at 100 ° C. for 2 minutes, further drying with a hot air dryer at 120 ° C. for 10 minutes, washing with water, and drying again with a hot air dryer at 100 ° C. for 10 minutes.
[0062]
<Performance test>
About the leather-like sheet | seat manufactured in Examples 1-3 and Comparative Examples 1-4, the presence or absence of migration and the texture were evaluated by the following test method. These results are shown in Table 1.
[0063]
[Table 1]
[0064]
[Resin adhesion rate]
It calculated by the following formula in the leather-like sheet after drying.
100 × [(weight of leather-like sheet) − (weight of fiber material substrate)] / (weight of fiber material substrate) (unit weight%)
[Migration status]
The cross section of the sheet is observed with an electron microscope (S-800, manufactured by Hitachi, Ltd.), and the state of adhesion of the polyurethane resin to the substrate at the surface portion and the central portion is examined. The polyurethane resin is uniformly distributed in the fiber material substrate. The case where no migration occurred was judged as “◯”, and the case where the polyurethane resin was unevenly distributed on the surface of the fiber material base and the migration occurred was judged as “X”.
[Texture]
When the sheet has a natural leather-like texture, it is judged as “○”, and when the sheet is slightly inferior in comparison with natural leather, “△”, the sheet has a natural leather-like texture due to insufficient flexibility. The case where it did not present was determined as “×”. Judgment was made by a sensory test based on the hand touch.
[Breathability]
Using a Gurley densometer, the time (seconds) required for 50 ml of air to pass was measured according to the method of JIS P8117.
[0065]
Production Example 4
In a closed reaction vessel equipped with a thermometer and a stirrer, 330 parts of polycarbonate diol (number average molecular weight 2000), 19.7 parts of α, α-dimethylolpropionic acid (DMPA), 102 parts of 4,4′-dicyclohexylmethane diisocyanate and After 450 parts of acetone was charged and the reaction system was replaced with nitrogen gas, the mixture was reacted at 80 ° C. for 6 hours with stirring to obtain an NCO-terminated urethane prepolymer. The obtained acetone solution was cooled to 40 ° C. and 15.6 parts of triethylamine was added. Next, 1.0 part of ethylenediamine dissolved in 30 parts of water was added to the acetone solution, and after emulsification and chain extension reaction, acetone was distilled off under reduced pressure, the concentration was adjusted with water, An aqueous dispersion of 40% urethane resin was obtained. The content of carboxylate groups in the obtained polyurethane resin was 1.5% by weight based on the polyurethane resin. Next, 3.5 parts of sorbitol polyglycidyl ether, 5 parts of polyoxyethylene cetyl ether (HLB 14.4, ethylene oxide polymerization degree 14) and 3 parts of sodium sulfate are blended with polyurethane resin (A). In this way, an aqueous dispersion (hereinafter referred to as an aqueous dispersion (8)) prepared so as to have a solid content of 20% was obtained by diluting with water added in advance. The aqueous dispersion (8) had a thermal coagulation temperature of 55 ° C. and an average dispersed particle size of 0.23 μm.
[0066]
Production Example 5
An aqueous dispersion prepared in the same manner as in Production Example 4 except that 4.5 parts of propylene glycol diglycidyl ether was used instead of the sorbitol polyglycidyl ether used in Production Example 4 (hereinafter referred to as aqueous dispersion (9)). ) The aqueous dispersion (9) had a thermal coagulation temperature of 55 ° C. and an average dispersed particle size of 0.23 μm.
[0067]
Production Example 6
An aqueous dispersion prepared in the same manner as in Production Example 4 except that 6 parts of water-dispersed polyisocyanate (manufactured by Asahi Kasei Co., Ltd., Duranate WB40-100) was used instead of sorbitol polyglycidyl ether used in Production Example 4. An aqueous dispersion (10) was obtained. The aqueous dispersion (10) had a thermal coagulation temperature of 55 ° C. and an average dispersed particle size of 0.23 μm.
[0068]
<Manufacture of non-woven fabric>
The same method as described above was performed.
[0069]
Examples 4-6, Comparative Examples 5-7
The nonwoven fabric was impregnated with aqueous dispersions (8) to (10) and (5) to (7), and after squeezing with mangles so that the adhesion rate of the resin was about 50% by weight with respect to the weight of the nonwoven fabric, 100 The sheet was obtained by heat-sensitive coagulation in saturated water vapor at 2 ° C. for 2 minutes, further drying with a hot air dryer at 120 ° C. for 10 minutes, washing with water, and drying again with a hot air dryer at 100 ° C. for 10 minutes.
[0070]
<Performance test>
The leather-like sheets produced in Examples 4 to 6 and Comparative Examples 5 to 7 were evaluated for hot water resistance and alkali resistance by the following test methods. These results are shown in Table 2.
[0071]
[Table 2]
[0072]
[Heat resistance test]
The sheet was immersed in hot water at 130 ° C. for 1 hour.
[Alkali resistance test]
The sheet was immersed in a 1% NaOH aqueous solution at 100 ° C. for 1 hour.
[Resin adhesion rate]
It measured by the method similar to the above.
[Texture]
The determination was made in the same manner as above.
[0073]
【The invention's effect】
The leather-like sheet material of the present invention has firstly an aqueous dispersion applied to a fiber material base and heat-sensitive coagulation, there is no migration, moderate flexibility, and a good texture approximating that of natural leather. Yes. Second, in addition to the first effect, it has good hot water resistance and alkali resistance. Since the leather-like sheet material of the present invention has the above-mentioned effects, it is useful for various uses, for example, mattresses, lining materials, clothing, shoe core materials, cushion fabrics, automobile interior materials, wall materials and the like.
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