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JP3836654B2 - 易開封性複合フイルム - Google Patents

易開封性複合フイルム Download PDF

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JP3836654B2 JP2000030557A JP2000030557A JP3836654B2 JP 3836654 B2 JP3836654 B2 JP 3836654B2 JP 2000030557 A JP2000030557 A JP 2000030557A JP 2000030557 A JP2000030557 A JP 2000030557A JP 3836654 B2 JP3836654 B2 JP 3836654B2
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Mitsubishi Plastics Inc
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は易開封性複合フイルムに関し、特に高温状態での耐破袋性に優れ、酸素バリアー性を持つ、高温成形性の良好な深絞り包装用底材として好適に使用できる易開封性複合フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
高温殺菌用特に高圧下で行われる100〜130℃の殺菌用の深絞り底材用フイルムとしては、融点が90〜120℃の範囲の低密度ポリエチレン系樹脂あるいは融点が115〜125℃の範囲の直鎖状低密度ポリエチレンでは耐破袋性の問題があり、主にポリプロピレン樹脂をシーラントとするフイルムが用いられている。
【0003】
またこのような底材に易開封性(イージーピール性)を付与するために付与するために使用するイージーピール材には、ポリプロピレン樹脂と直鎖状低密度ポリエチレンとのブレンド樹脂樹脂やポリプロピレン樹脂とポリスチレン樹脂とのブレンド樹脂が使用されている。
【0004】
しかしながら厚さが200〜1000μm程度のポリプロピレン樹脂を基材とする高温殺菌用深絞り底材に前記のブレンド樹脂層を配した場合、高温成形時に熱板にフイルムが融着してとられるという問題があった。
【0005】
また、前記ブレンド樹脂のうち前者は、剥離強度が低く、高温高圧下の使用で破袋することがあり、後者は、常温での開封時、剥離強度にばらつきがあり、開封性が悪いため、膜残りが発生したり層剥離が発生することもあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術の前記の問題点を解決しようとするものであり、高温高圧状態での耐破袋性に優れ、かつ高温成形性の良好な深絞り包装用底材として好適に使用できる易開封性複合フイルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的は以下の手段によって達成される。
【0008】
すなわち、本発明は、少なくとも最外層と中間層とイージーピール層とからなり、最外層がポリプロピレン樹脂層でイージーピール層がポリプロピレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂との混合樹脂層からなる複合フイルムであって、該混合樹脂層の配合比率が70:30〜30:70であると共に、該混合樹脂層の厚さが3〜20μmの範囲であり、前記混合樹脂層のポリプロピレン樹脂の融点が135〜165℃の範囲であり、高密度ポリエチレン樹脂の融点が130〜140℃の範囲であり、前記中間層と前記イージーピール層とは共押出しにより製膜されることを特徴とする、深絞り包装用底材として用いる易開封性複合フイルムを提案するものであり、前記中間層に、酸素遮断性のバリアー材を配したこと、前記の最外層のポリプロピレン樹脂層に無機フイラーを添加したことを含む。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明において、最外層となるポリプロピレン樹脂(以下、PPという。)層は、ホモ並びにポリプロピレンーポリエチレンランダムコポリマー等のコポリマーが使用でき、融点が155〜165℃の範囲のものが好適であり、融点が155℃未満では耐熱性が低く、高温殺菌時に成形部が変形することがある。
【0010】
また、上記最外層には耐熱性を向上させる目的で無機フイラーを添加してもよく、無機フイラーの添加は20〜50質量%の範囲が好ましく、20質量%未満では耐熱性の改良効果がなく、50質量%を越えると製膜性が低下する。このような無機フイラーとしてはケイ酸塩鉱物 、アルミノシリケート、ホワイトカーボン等が挙げられる。
【0011】
また、中間層にはポリアミド樹脂(以下、Nyという。)、エチレンー酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂(以下、EVOHという。)、塩化ビニリデン樹脂(以下、PVDCという。)、ポリメタキシレンアジパミド樹脂(以下、MXD6Nyという。)等の使用がが好ましい。
【0012】
イージーピール層はポリプロピレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂との混合樹脂からなり、混合樹脂層の配合比率は、70:30〜30:70の範囲とする必要があり、この範囲を越えると、剥離強度が強すぎたり、弱すぎたりし、膜残りや層剥離を発生したり、耐破袋性の点で問題となる。
【0013】
また高温成形時に熱板取られが起こり易くなる。一般にポリプロピレン樹脂及び高密度ポリエチレン樹脂の物性によって配合比率は多少異なるが、イージーピール強度は対ポリプロピレン樹脂と適切な温度にてヒートシールを行い、15mm幅の短冊状に切取り、引張試験機にて200mm/minの速度で引張った時のイージーピール強度が4.90〜11.77N/15mm幅に入るよう調整すればよい。
【0014】
上記イージーピール層(以下、EP層という。)の厚さは、3〜20μmの範囲とする必要があり、3μm未満では製膜性が安定せず、また20μmを越えるとケバ立ち、膜残りが発生するという問題がある。
【0015】
またEP層で使用するポリプロピレン樹脂(以下、PPという。)はその融点が135〜165℃の範囲、高密度ポリエチレン樹脂(以下、HDPEという。)はその融点が130〜140℃の範囲の樹脂を使用する必要があり、上記融点未満では易開封性に劣り、上記融点を越えるものではシール性に劣るという問題ががある。
【0016】
なお、上記PPの密度は0.89〜0.90g/cm3の範囲、HDPEの密度は0.93〜0.97g/cm3の範囲のものが好適に使用できる。
【0017】
以下本発明の実施例を示すが本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
(実施例1)
以下に示した層構成の複合フィルムを共押出しによって製膜し、
Ny(厚み30μm)/接着性樹脂(以下、ADという)(厚み10μm)/PP(厚み57μm)/EP(厚み3μm)
この複合フイルムの最外側のNy側にPPフイルムをドライラミネ−トして
以下の構成の本発明の底材用の複合フイルムを得た。
PP(厚み400μm)//Ny(厚み30μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み57μm)/EP(3μm)
また、厚み25μmの延伸ポリアミド樹脂(以下、ONyという。)フイルムと厚み60μmのPPフイルムをドライラミネートして蓋材とした。
なお、底材用の複合フイルムのEP層はPPとHDPEからなり、PPの含有量は30質量%であり、このPPの密度は0.90g/cm3、融点は160℃、HDPEの密度は0.95g/cm3、融点は133℃であった。
【0019】
(実施例2)
以下に示した層構成の複合フィルムを共押出しによって製膜し、
Ny(厚み30μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み57μm)/EP(厚み3μm)
この複合フイルムの最外側のNy側にPPフイルムをドライラミネ−トして
以下の構成の本発明の底材用の複合フイルムを得た。
PP(厚み400μm)//Ny(厚み30μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み57μm)/EP(3μm)
また、蓋材は実施例1と同一層構成のものを用いた。
なお、底材用の複合フイルムのEP層はPPとHDPEからなり、PPの含有量は70質量%であり、このPPの密度は0.90g/cm3、融点は160℃、HDPEの密度は0.95g/cm3、融点は133℃であった。
【0020】
(実施例3)
以下に示した層構成の複合フィルムを共押出しによって製膜し、
Ny(厚み10μm)/EVOH(厚み20μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み40μm)/EP(厚み20μm)
この複合フイルムの最外側のNy側にPPフイルムをドライラミネ−トして
以下の構成の本発明の底材用の複合フイルムを得た。
PP(厚み400μm)//Ny(厚み10μm)/EVOH(厚み20μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み40μm)/EP(20μm)
また、蓋材は厚み20μmのOPPフイルムと厚み12μmのアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフイルム(以下、VMPETという。)と厚み50μmのPPとをその順序でドライラミネートして蓋材とした。
なお、底材用の複合フイルムのEP層はPPとHDPEからなり、PPの含有量は60質量%であり、このPPの密度は0.90g/cm3、融点は160℃、HDPEの密度は0.95g/cm3、融点は133℃であった。
【0021】
(実施例4)
以下に示した層構成の複合フィルムを共押出しによって製膜し、
Ny(厚み10μm)/MXD6(厚み20μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み40μm)/EP(厚み20μm)
この複合フイルムの最外側のNy側にフイラー入りポリプロピレンフイルムをドライラミネ−トして
以下の構成の本発明の底材用の複合フイルムを得た。
フイラー入りPP(厚み400μm)//Ny(厚み30μm)/MXD6(厚み20μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み40μm)/EP(20μm)
また、蓋材は実施例3と同一層構成のものを用いた。
なお、底材用の複合フイルムのEP層はPPとHDPEからなり、PPの含有量は60質量%であり、このPPの密度は0.89g/cm3、融点は135℃、HDPEの密度は0.97g/cm3、融点は137℃であった。
また、底材用の複合フイルムの最外層のPP層中の無機フイラーの含有量は
30質量%であった。
【0022】
なお、無機フイラーはアルミノシリケートを使用した。
【0023】
(比較例1)
以下に示した層構成の複合フィルムを共押出しによって製膜し、
Ny(厚み30μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み57μm)/EP(厚み3μm) この複合フイルムの最外側のNy側にPPフイルムをドライラミネ−トして
以下の構成の本発明の底材用の複合フイルムを得た。
PP(厚み400μm)//Ny(厚み30μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み57μm)/EP層(3μm)
また、蓋材は実施例1と同一層構成のものを用いた。
【0024】
なお、底材用の複合フイルムのEP層はPPとHDPEからなり、PPの含有量は20質量%であり、このPPの密度は0.90g/cm3、融点は160℃、HDPEの密度は0.95g/cm3、融点は135℃であった。
【0025】
(比較例2)
以下に示した層構成の複合フィルムを共押出しによって製膜し、
Ny(厚み30μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み57μm)/EP(厚み3μm) この複合フイルムの最外側のNy側にPPフイルムをドライラミネ−トして
以下の構成の本発明の底材用の複合フイルムを得た。
【0026】
PP(厚み400μm)//Ny(厚み30μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み57μm)/EP層(3μm)
また、蓋材は実施例1と同一層構成のものを用いた。
【0027】
なお、底材用の複合フイルムのEP層はPPとHDPEからなり、PPの含有量は80質量%であり、このPPの密度は0.90g/cm3、融点は 160℃、HDPEの密度は0.95g/cm3、融点は133 ℃であった。
【0028】
(比較例3)
以下に示した層構成の複合フィルムを共押出しによって製膜し、
Ny(厚み10μm)/EVOH(厚み20μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み30μm)/EP(厚み30μm)
この複合フイルムの最外側のNy側にPPフイルムをドライラミネ−トして
以下の構成の本発明の底材用の複合フイルムを得た。
PP(厚み400μm)//Ny(厚み10μm)/EVOH(厚み20μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み30μm)/EP(30μm)
また、蓋材は実施例3と同一層構成のものを用いた。
【0029】
なお、底材用の複合フイルムのシール層中のPPの含有量は60質量%であり、このPPの密度は0.90g/cm3、融点は160℃、HDPEの密度は0.95g/cm3、融点は133℃であった。
【0030】
上述した内容の実施例1〜4、比較例1〜3の複合フイルムを底材及び蓋材として使用し、深絞り包装機FV6300(大森機械工業社製)にてパック品を作製し、テスト評価を実施した。
【0031】
<評価方法>
・剥離強度
常温環境下でシール部を15mm幅の短冊状に切取り、引張試験機にて200mm/分で引張った時の応力を測定し、剥離強度とした。
・開封性
スキンパックテストで作製したパック品を開封し、容易に開封できるか否かを評価した。
・成形時の熱板とられ
EP層側(シール部側)を表面温度150℃に達した熱板に接触させて3秒間加熱した後、熱板にとられず容易に脱離できるか否かを評価した。
・耐破袋性
油分の多い惣菜食品(鯖の煮付け等)を内容物にしてパック品を作製し、電子レンジ(600W)で4分間加熱したとき、パック品が破袋するか否かを評価した。
【0032】
【表1】
Figure 0003836654
表1に示すように最外層がPP層であり、EP層中のPP含有量が30〜70質量%であり該樹脂層の厚みが3〜20μmの範囲で、前記EP層中のPPの融点が135〜165℃の範囲であり、HDPEの融点が130〜140℃の範囲である実施例1〜4は剥離強度は4.90〜11.77N/15mm幅の範囲内に収まり、イージーピール性は極めて良好であり、開封性、耐破袋性も良好であり、成形時の熱板とられもないものである。
EP層中のPP含有量が30質量%未満の比較例1は剥離強度が4.90N/15mm幅未満となり、イージーピール強度が劣り、成形時の熱板とられもあり、耐破袋性も劣る。
【0033】
またEP層中のPP含有量が70質量%を越える比較例2は剥離強度が11.77N/15mm幅を越え、イージーピール性が劣り、開封性も劣る。
【0034】
さらにEP層の厚みが20mmを越える比較例3は膜残りが発生し、開封性が劣る。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば高温状態での耐破袋性に優れ、高温成形時に熱板とられすることなく、使用時には極めて容易に開封可能である易開封性複合フイルムが得られる。

Claims (3)

  1. 少なくとも最外層と中間層とイージーピール層とからなり、最外層がポリプロピレン樹脂層でイージーピール層がポリプロピレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂との混合樹脂層からなる複合フイルムであって、該混合樹脂層の配合比率が70:30〜30:70であると共に、該混合樹脂層の厚さが3〜20μmの範囲であり、前記混合樹脂層のポリプロピレン樹脂の融点が135〜165℃の範囲であり、高密度ポリエチレン樹脂の融点が130〜140℃の範囲であり、前記中間層と前記イージーピール層とは共押出しにより製膜されることを特徴とする、深絞り包装用底材として用いる易開封性複合フイルム。
  2. 前記中間層に、酸素遮断性のバリアー材を配した請求項1に記載の深絞り包装用底材として用いる易開封性複合フイルム。
  3. 前記の最外層のポリプロピレン樹脂層に無機フイラーを添加した請求項1または2に記載の深絞り包装用底材として用いる易開封性複合フイルム。
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