JP3834628B2 - Resin filler for manufacturing fiber reinforced composite material and fiber reinforced composite material manufacturing method using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、レジン・フィルム・インフュージョン法(RFI法)による繊維強化複合材料の製造において、その製造に用いられる樹脂充填体、及びその樹脂充填体を用いた繊維強化複合材料製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、航空宇宙用の材料には高い強度と軽量化とが求められるが、これらの用途に使用される材料として加熱硬化型の樹脂をマトリクスとする先進複合材料がある。先進複合材料の製造方法としては、繊維又は繊維織物にマトリクスとなる未硬化の樹脂を予め含浸したプリプレグを製造し、このプリプレグを成形用金型の上や金型の内部に積層し、これを加熱・加圧するプリプレグ成形法が最も一般的である。プリプレグの加熱・加圧工程には、一般にはオートクレーブが使用されるが、単純形状の場合にはホットプレスなども使用される。
【0003】
一方、先進複合材料の別の製造方法として、密閉した型内に繊維又は繊維織物のプリフォームを設置し、型内のプリフォームにマトリクスとなる未硬化の樹脂を外部から圧入してプリフォーム中に樹脂を含浸した後、加熱・加圧することによって樹脂を硬化するRTM法(レジン・トランスファー・モールディング法)がある。RTM法は、寸法精度や仕上げ粗さの良い製品が低コストで製造できるという特徴があり、最近では航空宇宙用をはじめとして適用が拡大している。
【0004】
RTM法と類似した方法として、密閉した型内に繊維及び織物からなるプリフォームと、マトリクスとなる未硬化の樹脂フィルムを設置し、全体を加熱することによって樹脂を溶融させ、次に型内の減圧と外部からの加圧によって樹脂をプリフォームに含浸し、更に加熱してこれを硬化させるRFI法(レジン・フィルム・インフュージョン法)がある。RFI法は、RTM法のように樹脂を外部から圧送・圧入する設備が不要であり、繊維及び織物からなるプリフォームと、マトリクスとなる未硬化の樹脂フィルムとを重ねて型内に配置するため、単位面積当たりのプリフォームに含浸させる樹脂量をフィルム厚さで正確に制御することができ、RTM法と同様に寸法精度が高く平面素度の良い部品を製造することができるという特徴がある。
【0005】
しかしながら、RFI法における重要な技術課題は、未硬化樹脂のフィルム化にある。RFI法では、未硬化の樹脂でありながら、複合材を製作する際のハンドリングや、成形時に加えられる圧力等においても破損しないような、柔軟性と強度を有する未硬化樹脂フィルムが必要とされる。ところが、未硬化状態の樹脂は一般に強度が低く脆いため、最も一般的なエポキシ樹脂でさえも、RFI法に適用可能なフィルムを作製することは容易ではないことが知られている。特に、オリゴマー状態での分子量が小さく、かつガラス転移温度が室温よりはるかに高い熱硬化型ポリイミドのような樹脂の場合には、未硬化樹脂によるフィルムの製造は事実上不可能であり、RFI法を適用することは不可能であった。
【0006】
【非特許文献1】
キイ(B.Qi)ら、「先進複合材構造製造のためのレジンフィルムインフュージョン(RFI)プロセスについて」、コンポジットストラクチャー誌(Composite Structures)、エルゼビア サイエンス出版(Elsevier ScienceLtd.)、1999年、第47巻、p.471−476
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、強度が低く脆く、フィルム化したとしても複合材を製作する際のハンドリングや、成形時に加えられる圧力等によって破損しやすい未硬化樹脂について、未硬化樹脂の所定の形状や分布を略維持し、強化繊維又は繊維織物から成るプリフォームに対する所定の分布を略維持可能な構造にして、複合材の製作を可能にする点で解決すべき課題がある。
【0008】
この発明の目的は、上述の従来技術に対して、RFI成形用のフィルム化が困難である未硬化樹脂について、RFI成形に供することが可能な樹脂充填体を提供し、またそうして得られたRFI成形用の樹脂充填体を用いた強化繊維複合材料の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述課題を解決するため、この発明による繊維強化複合材料製造用の樹脂充填体は、強化繊維又は繊維織物に含浸されたときに複合材のマトリクスとなる未硬化樹脂であってレジン・フィルム・インフュージョン法のフィルム化が困難である未効果樹脂を保持体内に充填させて成り、前記保持体は前記未硬化樹脂を間に充填させることができる樹脂フィルムから成り、前記樹脂フィルムの少なくとも周囲部を接着又は融着されていることから成り、且つ温度上昇によって溶融した前記未硬化樹脂を外部に流出可能であることから成ることを特徴とするレジン・フィルム・インフュージョン法による繊維強化複合材料製造用の樹脂充填体である。
【0010】
この繊維強化複合材料製造用の樹脂充填体によれば、未硬化樹脂は、熱的に安定な保持体内に充填されて保持されており、機械的な強度や柔軟性は、この保持体が担うので、複合材のマトリクスとなる未硬化樹脂の強度には依存しない。硬化樹脂は保持体内に充填され且つ保持されているので、硬化樹脂が脆くまたその強度が低い場合であっても強化繊維又は繊維織物から成るプリフォームに対する相対位置が所定の位置から大きくずれることがなく、温度上昇によって溶融した未硬化樹脂を予め定めた所定の分布で所定の量だけプリフォームに含浸させることができる。これらの保持体の材料としては、フッ化エチレン樹脂、ポリイミド樹脂などが最適であるが、具体的な材料については特定されない。
【0011】
この繊維強化複合材料製造用の樹脂充填体において、前記保持体は、前記未硬化樹脂を間に充填させることができる前記樹脂フィルムから成り、前記樹脂フィルムの少なくとも周囲部を接着又は融着することができる。樹脂フィルムは、必要な機械的な強度や柔軟性を持つことができるので、未硬化樹脂を薄膜状又はフィルム状に形成した場合には、間にそうした未硬化樹脂を挟み込む等によって収容し、所定の形状及び配置を維持することが可能である。樹脂フィルムの少なくとも周囲部を接着又は融着することで、例えば袋状又は浅いトレー状の容器を形成することができ、強度の低い未硬化樹脂であっても充分に保持し、外部との連通をコントロール可能である。樹脂フィルムは、例えば、1枚のフィルムを折り返したり、2枚のフィルムを重ねる配置とし、周囲部を接着又は融着することで内部を未硬化樹脂を収容可能な収容部とすることができる。
【0012】
この繊維強化複合材料製造用の樹脂充填体において、前記保持体は複数の区画に分割されており、隣接する前記区画間の仕切り部において前記樹脂フィルム同士を接着又は融着することができる。樹脂充填体の寸法が大きくなった場合には、樹脂充填体としての形状保持が困難になる場合もある。このような場合には、樹脂充填体を形状保持が可能な大きさの複数の区画に分割し、各区画にて未硬化樹脂を収容し且つ各区画間の樹脂フィルム同士を接着又は融着することにより、サイズ拡大化にも対応して樹脂充填体の強度及び柔軟性を向上させることができる。なお、区画の大きさは、使用目的、フィルムの厚さ、樹脂の種類などによって適切な大きさが異なるが、詳細については特定されない。
【0013】
保持体を樹脂フィルムから形成した繊維強化複合材料製造用の樹脂充填体において、少なくとも一ぶの前記樹脂フィルムに、溶融した前記未硬化樹脂が流出するための少なくとも1個以上の孔を穿けることができる。未硬化樹脂が充填された樹脂フィルムには、加熱によって溶融した樹脂を流出させるための経路が必要である。そのためには、例えば、2枚の樹脂フィルムから保持体を形成した場合には、少なくとも一方の樹脂フィルムに、溶融した樹脂が通るための孔を少なくとも1個以上穿けておけばよい。これらの孔は予め樹脂フィルムに穿けておくことも可能であるし、型内に設置する直前に穿けることも可能である。本発明では、樹脂の流出経路のための具体的な穿孔方法については特定されない。
【0014】
保持体を樹脂フィルムから形成した繊維強化複合材料製造用の樹脂充填体において、前記周囲部又は前記仕切り部は、一部が外部に又は隣接する前記区画に連通可能な未接着又は未融着の状態にあるとすることができる。樹脂充填体の樹脂フィルムを融着又は接着している端部において、その一部を樹脂充填フィルムの製作当初から未接着又は未融着の状態にすることによって、未接着又は未融着の部分を、加熱によって溶融した樹脂を流出させるための経路として利用することができる。
【0015】
保持体を樹脂フィルムから形成した繊維強化複合材料製造用の樹脂充填体において、前記周囲部又は前記仕切り部は前記樹脂フィルムの接着によって形成されており、前記接着の強度は、前記周囲部又は前記仕切り部の一部又は全部が、前記樹脂の溶融温度域において低下する強度に設定することができる。溶融した樹脂を流出させる別の方法としては、充填された樹脂が溶融する温度域において、樹脂が充填されている上下2枚のフィルムにおける接着端部の一部又は全部の接着強度を低下させることによって、必要な温度域でフィルムの接着端部を意図的に剥がして樹脂を流出させることも可能である。
【0016】
この繊維強化複合材料製造用の樹脂充填体において、前記未硬化樹脂は、粉末プレス成形又は溶融成形によってフィルム状に形成された未硬化のイミドオリゴマーとすることができる。成形し難いポリイミドについても、樹脂フィルム内に充填して保持することにより、加熱溶融してプリフォームに含浸させることができる。
【0017】
また、この繊維強化複合材料製造用の樹脂充填体において、前記保持体は多数の開気孔部を有する柔軟な多孔質物体であり、前記未硬化樹脂は温度上昇によって溶融したときに前記開気孔部から外部に流出可能に前記開気孔部内に充填されている。柔軟な多孔質体の開気孔部に複合材のマトリクスとなる未硬化樹脂が充填された樹脂充填体を、複合材料の強化繊維又は繊維織物と共に複合材料成形用の型内に設置し、温度を上げることによって開気孔部に充填された樹脂を溶融させると、複合材料の成形のため、溶融樹脂を複合材料の強化繊維又は繊維織物に含浸させることが可能となる。未硬化樹脂は、熱的に安定な多孔質体の開気孔部に充填されており、機械的な強度や柔軟性はこれらの多孔質体が担うため、未硬化樹脂の強度には依存しない。多孔質体は形状加工が容易であるため、複雑形状の複合材を製造する際に必要となる複雑形状の樹脂充填体を製作するのが容易である。これらの保持フィルムには、フッ化エチレン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などが最適であるが、具体的な材料については特定されない。
【0018】
この発明による繊維強化複合材料の製造方法は、レジン・フィルム・インフュージョン法による繊維強化複合材料の製造方法であって、強化繊維又は繊維織物、及び請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂充填体を複合材料成形用の型内に設置し、温度を上げることによって前記樹脂充填体に充填されていた前記未硬化樹脂を溶融させ、溶融した前記未硬化樹脂を加圧によって前記強化繊維又は前記繊維織物に含浸させることから成ることを特徴とする。
【0019】
この強化繊維複合材料の製造方法によれば、複合材料の強化繊維又は繊維織物と、複合材のマトリクスとなる未硬化の樹脂を充填した樹脂充填体とを複合材料成形用の型内に設置し、温度を上げることによって樹脂充填体に充填した未硬化樹脂を溶融させ、溶融樹脂を複合材料の強化繊維に含浸させることによって複合材料を成形することができる。なお、樹脂充填体を構成する樹脂フィルムの少なくとも一部には、溶融した未硬化樹脂を流出させるため、少なくとも1個以上の孔を、予め穿けておくか又は複合材料成形用の型内への投入直前に穿けて、強化繊維又は繊維織物と共に複合材料成形用の型内に設置することができる。
【0020】
【実施例】
以下、この発明に関する実施例を具体的に説明する。
(実施例1〜9)
本発明における実施例を表1及び図1に示す。図1は、樹脂充填体の一例を示す模式図である。実施例1〜8に示す樹脂充填体1は、図1に示すように、この発明による保持体2を形成する樹脂フィルムとしての2枚のポリイミドフィルム3,4(宇部興産(株)製、ユーピレックスS、厚さ25μm又は100μm)の間に、この発明による未硬化樹脂としての未硬化のイミドオリゴマーフィルム(以下、「未硬化樹脂フィルム」と言う。)5をパッキングしたものである。未硬化樹脂フィルム5は、熱硬化型ポリイミド(宇部興産(株)製、ユーピレックスAD、平均分子量MW〜1600g/mole)を成形して作られている。
【表1】
【0021】
未硬化樹脂フィルム5は、2枚のポリイミドフィルム3,4間に充填の後、融着フィルムによってポリイミドフィルム3,4の周囲部を融着して融着部6とすることにより、未硬化樹脂フィルム5を充填した内部が封止されている。ここで、一方のポリイミドフィルム3には、直径φ1mmの孔7(一部にのみ符号を付す)が4mm間隔に穿けられている。孔径が小さいと、未硬化樹脂フィルム4を溶融したときの溶融樹脂の流れを阻害する。また、逆に孔径が大きすぎると、未硬化樹脂フィルム5にクラックが生じて細かく砕けた場合に、未硬化樹脂フィルム4の破片の脱落が生じるので、ポリイミドフィルム3,4の孔径および孔数については、十分な配慮が必要である。
【0022】
樹脂充填体1の具体的な製作手順は下記の通りである。実施例1〜4では、表1の未硬化樹脂成形方法の欄に記してあるように、未硬化樹脂フィルムを粉末プレス成形によって成形した例である。まず、ポリアミック酸の熱イミド化反応によって得られたユーピレックスADのイミドオリゴマー粉末を粉砕・分級して、平均粒径を約30μm以下とした。このようにして得られた粉末を、プレス金型を用いて200mm×200mmのフィルム状に成形した。このようにして成形された未硬化樹脂フィルム5を減圧下でポリイミドフィルム3,4中に真空パックし、ポリイミド融着フィルムを用いてポリイミドフィルム3,4の周囲部を融着して融着部6とし、樹脂充填体1を製作した。ポリイミドフィルム3,4を除いた樹脂フィルム部である未硬化樹脂フィルム5の厚さは、表1に示す通り、0.94mm、1.88mm、3.75mmである。
【0023】
一方、実施例5〜8は、表1の未硬化樹脂成形方法の欄に記してあるように、未硬化樹脂フィルムをイミドオリゴマーの溶融成形によって製作した例である。熱イミド化が終了したユーピレックスADのイミドオリゴマーを300℃で溶融後これを金型に充填し、わずかに圧力をかけながら金型内で徐冷して、200mm×200mmの平板状フィルムを得た。このようにして得られた未硬化樹脂フィルム5を、減圧下でポリイミドフィルム3,4中に真空パックし、ポリイミド融着フィルムを用いてポリイミドフィルム3,4を融着して樹脂充填体1を製作した。ポリイミドフィルム3,4を除いた未硬化樹脂フィルム5の厚さは、表1に示す通り、0.68mm、1.36mm、2.73mmである。いずれも、後述する複合材を製作するために必要なフィルムの面密度から、面密度が同じになるようにフィルム厚さを決定したため、粉末プレス法で成形された実施例1〜4の方が、溶融成形法で成形された実施例5〜8よりも厚くなった。なお、比較例1及び2は、それぞれ粉末プレス成形又は溶融成形によってフィルム化したイミドオリゴマーである。
【0024】
試作した樹脂充填体1の外観検査結果が表1の最右欄に示されている。まず、比較例1においては、未硬化樹脂フィルムに割れが生じ、樹脂充填体の成形は不可能であった。また、比較例2ではかろうじて未硬化樹脂フィルムが成形できたものの、これをハンドリング中に割れが発生し、RFI成形用フィルムに適用することは、全く不適であることがわかった。一方、本発明による実施例においては、厚さが薄い場合には、パックされた未硬化樹脂フィルム5に割れなどは認められず、外観上良好な樹脂充填体1が得られた。しかしながら、実施例1〜4のプレス成形品、実施例5〜8の溶融成形品ともに、未硬化樹脂フィルム5の厚さが厚くなる(フィルム樹脂部分厚さの欄で3.75mm又は2.73mm)と、成形された未硬化樹脂フィルム5の一部に割れ(クラック)が観察された。樹脂を保持するポリイミドフィルム3,4が100μm(樹脂保持用フィルムのフィルム仕様の欄)と厚い方が未硬化樹脂フィルム5の割れを抑制できる傾向が認められたが、逆に未硬化樹脂フィルム5の柔軟性は低下した。しかしながら、本発明による実施例においては、充填された未硬化樹脂フィルム5中にクラックが発生しても、これをポリイミドフィルム3,4の中にパッキングした樹脂充填体1としての形状保持性には全く問題はなく、RFI成形に十分適用可能な形状保持性を有していることがわかった。
【0025】
表1中の実施例9は、未硬化樹脂フィルム5の形状保持性を向上させた例である。図2は、実施例9に係る樹脂充填体の例を示す模式図である。実施例9に係る樹脂充填体10は、図2に示すように、溶融成形によって製作された未硬化樹脂フィルム5を200×200mmのサイズの区画12に区画化し、保持体11を構成するポリイミドフィルム3,4を各区画12間において融着部6と同様の融着部13によって融着して、全体として800mm×800mmサイズに作製されている。このように、樹脂充填体10の寸法が大きくなった場合には、樹脂充填体としての形状保持可能な大きさの複数の区画12に分割して未硬化樹脂フィルム5をパッキングすることで形状保持性を向上させることにより、サイズ拡大化にも対応可能である。
【0026】
表1中の実施例10は、溶融成形によって得られたイミドオリゴマーから成る未硬化樹脂フィルム5をポリイミドフィルム3,4間にパッキングする際に、上下2枚のポリイミドフィルム3,4の端部を融着する代わりに、エポキシ樹脂系接着剤を用いて接着した樹脂充填体を示す。使用した接着剤は200℃を越えると急激に強度が低下するため、未硬化樹脂フィルム5が溶融する温度(約290℃以上)ではポリイミドフィルム3,4の接着端部の接着力が急減し、封止力が低下した端部から溶融した未硬化樹脂を押し出す(又は吸い出し)によって容易に流出させることができる。この方法では、図1に示したような孔7をポリイミドフィルム3に穿ける必要がないという利点がある。
【0027】
(実施例11〜13)
表2に示す実施例11〜13は、本発明によって得られたRFI成形用の樹脂充填体1を用いてRFI法による複合材平板の製造を行った例である。使用した強化材は、東レ(株)製の高強度炭素繊維T800HB−6Kを強化繊維とする5枚朱子織物(織物目付は312g/m2 )である。図3は、複合材平板をRFI成形する際の製造工程を示す模式図である。まず、金型20の下型21内に160×160mmに裁断した炭素繊維織物を所定の枚数(8枚又は16枚)積層してドライプリフォーム25とした。この上に、実施例1に示した本発明による樹脂充填体1を、孔7が穿けられたポリイミドフィルム3が下側になるように設置した。織物1枚あたりの目標厚さを0.3mmとし、積層枚数に対応した目標板厚(2.4mm又は4.8mm)を設定した。これらの実施例では、計算上の繊維体積率は約58%である。
【表2】
【0028】
図4は、実施例11〜13における複合材のグラフ化された成形プログラムである。成形工程中、金型20内はロータリーポンプ24を用いて常に減圧されている。未硬化樹脂であるユーピレックスAD(分子量1600バージョン)は、約280℃から溶融を開始し、300℃で炭素繊維織物への含浸には十分な粘度(10Pa・s)まで低下する。そこで300℃に達してから徐々に金型20の加圧(上型22の加圧)を開始し、下型21と上型22との間に形成されるキャビティ23内において、プリフォーム25中へのポリイミド樹脂の含浸を行った。最大型締め圧10tonを負荷した状態で、更に温度を370℃まで昇温し、1時間保持することによってポリイミド樹脂(未硬化樹脂)を硬化させて複合材を成形した。実施例11〜13ともに、ポリイミド樹脂の含浸は良好であり、超音波探傷では欠陥は検出されなかった。また、製造した複合材平板から無孔圧縮試験片を切りだして圧縮強度を測定した結果も良好であった。
【0029】
しかしながら、実施例12のように、複合材の板厚が厚くなり、樹脂充填体1の厚さが増すとポリイミド樹脂が流出後の樹脂充填体1にシワが発生し、これが複合材表面に転写されるので、表面の平滑性が損なわれる。板厚が厚い場合には、実施例13のように、プリフォーム25の上下両側に樹脂充填体1,1を配置することによって各樹脂充填体1の厚さを薄くし、樹脂流出後の樹脂充填体1に発生するシワを抑制することが効果的である。
【0030】
実施例14は、本発明によるRFI成形用の樹脂充填体1を用いたRFI成形によって、補強構造を有する平板を一体成形した例である。図5は、本発明における強化繊維複合材料の製造方法によって、実施例14に示す補強構造を有する平板の製作方法の一例を示す模式図である。実施例14では、樹脂充填体1が相対的に厚く、また小さいため、孔7穿きフィルムではなく、実施例10で示した接着剤による封止構造を採用したタイプの樹脂フィルムを用いた。金型30は、図3に示した金型20と同様に、下型31、下型31と共にキャビティ33を形成する上型32、キャビティ33内のエアを吸引排気して負圧にするロータリーポンプ34を備えている。上型32は、プリフォーム35の補強用の突起部36を有する形状に合わせて、穴部37が形成されている。補強構造を有する複合材の成形プログラムは、図4に示すプログラムと同様である。成形された補強平板は、超音波探傷の結果では特に欠陥は認められず、良好な結果が得られた。このように、本発明における樹脂充填体1を用いることによって、複雑な形状の複合材製品であっても容易に製造することが可能である。
【0031】
(実施例15)
実施例15は、保持体を構成する柔軟な多孔質体の開気孔部に複合材のマトリクスとなる樹脂が充填された樹脂充填体の例である。多孔質体としては、多孔質ポリイミド(宇部興産(株)製ユーピレックスフォームBF301、密度0.01g/cm3 )を使用した。具体的な製作手順は下記の通りである。まず、ユーピレックスAD(分子量約1600)を300℃で加熱溶融し、真空含浸法によって厚さ3mmのユーピレックスフォームの開気孔部に充填させた。ユーピレックスフォームは発泡材ではあるが、壁厚が薄いため、ほとんどが外部に向かって開いた開気孔部となっており、樹脂の充填は良好であった。得られた樹脂充填体は、実施例1〜10に示した樹脂充填体1と異なり、柔軟性には劣るが、含浸された未硬化樹脂の脱落はほとんどなく、RFI成形の樹脂充填体として十分に使用可能であった。多孔質体は形状加工が容易であるため、複雑形状の複合材を製造する際に必要となる複雑形状の樹脂充填体を容易に製作できるという利点がある。図6に示す顕微鏡写真には、複合材のマトリクスとなる樹脂が充填される開気孔部が形成されている樹脂充填体の表面が撮影されている。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の繊維強化複合材料製造用の樹脂充填体によれば、強化繊維又は繊維織物に含浸されたときに複合材のマトリクスとなる未硬化樹脂を保持体内に充填させて成り、保持体は温度上昇によって溶融した未硬化樹脂を外部に流出可能であることから成っているので、従来は脆く強度の弱くフィルム化が不可能である未硬化樹脂に対しても、所定の位置に未硬化樹脂を保持することができ、未硬化樹脂が砕けたり破損すること等に気遣うことなく、取扱が非常に容易になる。また、未硬化樹脂のプリフォームに対する位置や分布も所定の位置や分布に維持することができる。上記の樹脂充填体のサイズが大きくなった場合には、樹脂充填体をいくつかの区画に分割し、かつ各区画間の2枚のフィルムを接着又は融着することにより、樹脂充填体の強度及び柔軟性を向上させることができる。更に、柔軟な多孔質体の開気孔部に複合材のマトリクスとなる樹脂を充填することにより、従来は未硬化樹脂のフィルム化が不可能である樹脂に対しても、また形状が複雑なプリフォームに対してもRFI法による複合材料の製造を提供することができる。
【0033】
また、この発明による繊維強化複合材料の製造方法によれば、複合材料の強化繊維又は繊維織物と、保持体に複合材のマトリクスとなる未硬化樹脂を充填し保持した樹脂充填体とを複合材料成形用の型内に設置し、温度を上げることによって保持体に充填した未硬化樹脂を溶融させた後、溶融した樹脂を複合材料の強化繊維又は繊維織物に含浸させることによって複合材料を成形しているので、従来は脆く強度の弱くフィルム化が不可能である未硬化樹脂に対しても、所定の位置に未硬化樹脂を保持することができ、強化繊維や繊維織物のようなプリフォームに対して所定の分布で溶融樹脂を含浸させることができるので、RFI法による複合材料を簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による樹脂充填体の一例(実施例1〜8)を示す模式図である。
【図2】本発明による樹脂充填体の別の例(実施例9)を示す模式図である。
【図3】本発明における実施例10〜12において複合材平板をRFI法によって成形する際の模式図である。
【図4】本発明における強化繊維複合材の製造方法における圧力と温度とで定められる成形プログラムを示した図である。
【図5】本発明における強化繊維複合材料の製造方法による補強平板(実施例14)を製作する際の模式図である。
【図6】本発明による樹脂充填用の開気孔部を有する樹脂充填体の顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1,10 樹脂充填体 2,11 保持体
3 ポリイミドフィルム(孔穿き) 4 ポリイミドフィルム
5 樹脂フィルムの融着部 6,13 溶着部
7 孔 12 区画
20,30 RFI成形用の金型
21,31 金型の下型 22,32 金型の上型
23,33 キャビティ 24,34 ポンプ
25,35 プリフォーム(炭素繊維織物)
36 突起部 37 穴部[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a resin filler used for manufacturing a fiber reinforced composite material by a resin film infusion method (RFI method), and a fiber reinforced composite material manufacturing method using the resin filler.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, materials for aerospace are required to have high strength and light weight, but as materials used for these applications, there are advanced composite materials using a thermosetting resin as a matrix. As an advanced composite material manufacturing method, a prepreg in which an uncured resin serving as a matrix is pre-impregnated into a fiber or fiber fabric is manufactured, and this prepreg is laminated on a molding die or inside a mold. The most common is a prepreg molding method that heats and pressurizes. In the prepreg heating / pressurizing step, an autoclave is generally used, but in the case of a simple shape, a hot press or the like is also used.
[0003]
On the other hand, as another manufacturing method of advanced composite materials, a preform of fiber or fiber fabric is installed in a sealed mold, and uncured resin as a matrix is press-fitted into the preform in the mold from the outside. There is an RTM method (resin transfer molding method) in which the resin is cured by impregnating the resin and then heating and pressing. The RTM method is characterized in that a product with good dimensional accuracy and finishing roughness can be manufactured at low cost, and recently, its application has been expanded including aerospace use.
[0004]
As a method similar to the RTM method, a preform made of fiber and woven fabric and an uncured resin film as a matrix are placed in a closed mold, and the whole is heated to melt the resin, and then in the mold There is an RFI method (resin film infusion method) in which a preform is impregnated with a reduced pressure and an external pressure, and further heated to be cured. The RFI method does not require equipment for pumping and injecting resin from the outside like the RTM method, and the preform made of fiber and woven fabric and the uncured resin film serving as the matrix are placed in the mold in an overlapping manner. The amount of resin impregnated into the preform per unit area can be accurately controlled by the film thickness, and, like the RTM method, it is possible to manufacture parts with high dimensional accuracy and good flatness. .
[0005]
However, an important technical problem in the RFI method is to form a film of an uncured resin. The RFI method requires an uncured resin film having flexibility and strength that is not uncured resin but does not break even in handling during production of a composite material or pressure applied during molding. . However, since the uncured resin generally has low strength and is brittle, it is known that even the most common epoxy resin is not easy to produce a film applicable to the RFI method. In particular, in the case of a resin such as a thermosetting polyimide having a small molecular weight in an oligomer state and a glass transition temperature much higher than room temperature, it is practically impossible to produce a film using an uncured resin. It was impossible to apply.
[0006]
[Non-Patent Document 1]
B. Qi et al., “Resin Film Infusion (RFI) Process for Advanced Composite Structure Manufacturing”, Composite Structures, Elsevier Science Ltd., 1999, 47th. Volume, p. 471-476
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the uncured resin has almost the same shape and distribution as the uncured resin, which is weak and fragile, and that is easily damaged even when it is made into a film. There is a problem to be solved in that a composite material can be manufactured by making a structure capable of substantially maintaining a predetermined distribution for a preform made of reinforcing fiber or fiber fabric.
[0008]
The object of the present invention is to provide a resin filler that can be used for RFI molding of an uncured resin, which is difficult to form into a film for RFI molding, as compared with the above-described conventional technology, and is obtained as such. Another object of the present invention is to provide a method for producing a reinforced fiber composite material using a resin filler for RFI molding.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, a resin filler for producing a fiber-reinforced composite material according to the present invention is an uncured resin that becomes a matrix of a composite material when impregnated in a reinforcing fiber or fiber fabric, and is a resin film-in resin. Fu The holding body is filled with an ineffective resin, which is difficult to form into a film, and the holding body is made of a resin film that can be filled with the uncured resin, and at least a peripheral portion of the resin film is formed. Resin film in, characterized in that it is bonded or fused, and is capable of flowing out the uncured resin melted by temperature rise to the outside Fu It is a resin filler for the production of fiber reinforced composite materials by the fusion method.
[0010]
According to the resin filler for producing the fiber-reinforced composite material, the uncured resin is filled and held in the thermally stable holding body, and the mechanical strength and flexibility are borne by the holding body. Therefore, it does not depend on the strength of the uncured resin that becomes the matrix of the composite material. Since the cured resin is filled and held in the holding body, even if the cured resin is brittle and its strength is low, the relative position with respect to the preform made of the reinforcing fiber or the fiber fabric may be greatly deviated from the predetermined position. Alternatively, the preform can be impregnated with a predetermined amount of a predetermined distribution with a predetermined distribution of the uncured resin melted by the temperature rise. As materials for these holders, fluorinated ethylene resin, polyimide resin, and the like are optimal, but specific materials are not specified.
[0011]
In this resin-filled body for producing a fiber-reinforced composite material, the holding body is composed of the resin film that can be filled with the uncured resin, and at least a peripheral portion of the resin film is bonded or fused. Can do. Since the resin film can have the necessary mechanical strength and flexibility, when the uncured resin is formed into a thin film or film, it is accommodated by sandwiching the uncured resin in between, etc. It is possible to maintain the shape and arrangement. By adhering or fusing at least the periphery of the resin film, for example, a bag-like or shallow tray-like container can be formed, and even an uncured resin with low strength can be sufficiently retained and communicated with the outside. Can be controlled. The resin film can be, for example, an arrangement in which an uncured resin can be accommodated by folding back one film or stacking two films and adhering or fusing the periphery.
[0012]
In this resin-filled body for producing a fiber-reinforced composite material, the holding body is divided into a plurality of sections, and the resin films can be bonded or fused together at a partition portion between the adjacent sections. When the dimension of the resin filler becomes large, it may be difficult to maintain the shape as the resin filler. In such a case, the resin filler is divided into a plurality of sections having a size capable of maintaining the shape, the uncured resin is accommodated in each section, and the resin films between the sections are bonded or fused together. Thus, the strength and flexibility of the resin filler can be improved in correspondence with the enlargement of size. In addition, although the suitable magnitude | size changes with the use purpose, the thickness of a film, the kind of resin, etc., the magnitude | size of a division is not specified for details.
[0013]
In a resin filler for manufacturing a fiber reinforced composite material, in which a holding body is formed from a resin film, at least one hole for allowing the molten uncured resin to flow out is formed in at least one of the resin films. Can do. The resin film filled with the uncured resin needs a route for flowing out the resin melted by heating. For this purpose, for example, when the holding body is formed from two resin films, at least one hole for allowing the molten resin to pass through may be formed in at least one resin film. These holes can be made in advance in the resin film, or can be made immediately before installation in the mold. In the present invention, a specific drilling method for the resin outflow path is not specified.
[0014]
In the resin-filled body for producing a fiber-reinforced composite material in which the holding body is formed from a resin film, the peripheral portion or the partition portion is partially bonded to the outside or to the adjacent section that is not bonded or unfused. You can be in a state. At the end where the resin film of the resin-filled body is fused or bonded, a part of the resin-filled film is unbonded or unfused from the beginning of the production of the resin-filled film, so Can be used as a path for causing the resin melted by heating to flow out.
[0015]
In the resin filler for manufacturing a fiber reinforced composite material in which the holding body is formed from a resin film, the peripheral portion or the partition portion is formed by adhesion of the resin film, and the strength of the adhesion is the peripheral portion or the Part or all of the partition portion can be set to a strength that decreases in the melting temperature range of the resin. As another method of causing the molten resin to flow out, in the temperature range where the filled resin melts, the adhesive strength of part or all of the bonded end portions of the upper and lower two films filled with the resin is reduced. Thus, the adhesive end of the film can be intentionally peeled off in the necessary temperature range to allow the resin to flow out.
[0016]
In the resin filler for producing the fiber-reinforced composite material, the uncured resin can be an uncured imide oligomer formed into a film by powder press molding or melt molding. Polyimide that is difficult to mold can also be melted by heating and impregnated into a preform by filling and holding the resin film.
[0017]
Further, in the resin-filled body for producing the fiber-reinforced composite material, the holding body is a flexible porous body having a large number of open pores, and the open pores when the uncured resin is melted by a temperature rise. The open pores are filled so that they can flow out from the outside. Place the resin filler in which the open pores of the flexible porous body are filled with the uncured resin that is the matrix of the composite material together with the reinforcing fiber or fiber fabric of the composite material in the mold for molding the composite material, When the resin filled in the open pores is melted by raising, it is possible to impregnate the reinforced fiber or fiber fabric of the composite material with the molten resin for molding the composite material. The uncured resin is filled in the open pores of the thermally stable porous body, and the mechanical strength and flexibility are borne by these porous bodies, so that it does not depend on the strength of the uncured resin. Since the porous body can be easily processed, it is easy to manufacture a resin-filled body having a complicated shape that is necessary when manufacturing a complex-shaped composite material. For these holding films, fluorinated ethylene resin, polyimide resin, silicone resin, and the like are optimal, but specific materials are not specified.
[0018]
The method for producing a fiber-reinforced composite material according to the present invention is a resin film-in method. Fu A fiber reinforced composite material manufacturing method by a fusion method, wherein the reinforcing fiber or fiber fabric and the resin filler according to any one of
[0019]
According to this method for producing a reinforced fiber composite material, a reinforced fiber or fiber fabric of the composite material and a resin filler filled with an uncured resin serving as a matrix of the composite material are placed in a mold for molding the composite material. The composite material can be formed by melting the uncured resin filled in the resin filler by increasing the temperature and impregnating the molten resin into the reinforcing fiber of the composite material. At least a part of the resin film constituting the resin filler is made to have at least one hole in advance in order to allow the molten uncured resin to flow out, or it is put into a mold for molding a composite material. It can be drilled immediately prior to loading and placed in a mold for molding a composite material with reinforcing fibers or fiber fabrics.
[0020]
【Example】
Examples of the present invention will be specifically described below.
(Examples 1-9)
Examples of the present invention are shown in Table 1 and FIG. FIG. 1 is a schematic view showing an example of a resin filler. As shown in FIG. 1, the
[Table 1]
[0021]
The
[0022]
The specific manufacturing procedure of the
[0023]
On the other hand, Examples 5-8 are the examples which manufactured the uncured resin film by melt molding of the imide oligomer as described in the column of the uncured resin molding method of Table 1. The imide oligomer of Upilex AD, which had been subjected to thermal imidization, was melted at 300 ° C. and then filled in a mold, and slowly cooled in the mold while applying a slight pressure to obtain a flat film of 200 mm × 200 mm. . The
[0024]
The appearance inspection results of the
[0025]
Example 9 in Table 1 is an example in which the shape retention of the
[0026]
In Example 10 in Table 1, when the
[0027]
(Examples 11 to 13)
Examples 11 to 13 shown in Table 2 are examples in which composite flat plates were produced by the RFI method using the RFI
[Table 2]
[0028]
FIG. 4 is a graphed forming program of the composite material in Examples 11-13. During the molding process, the inside of the
[0029]
However, as in Example 12, when the thickness of the composite material increases and the thickness of the
[0030]
Example 14 is an example in which a flat plate having a reinforcing structure is integrally molded by RFI molding using the RFI
[0031]
(Example 15)
Example 15 is an example of a resin-filled body in which a resin serving as a matrix of a composite material is filled in an open pore portion of a flexible porous body that constitutes a holding body. As the porous material, porous polyimide (Upilex foam BF301 manufactured by Ube Industries, Ltd., density 0.01 g / cm) Three )It was used. The specific manufacturing procedure is as follows. First, Upilex AD (molecular weight of about 1600) was heated and melted at 300 ° C., and filled into the open pores of Upilex foam having a thickness of 3 mm by vacuum impregnation. Upilex foam is a foam material, but since the wall thickness is thin, most of the open pores are open pores that open to the outside, and the resin filling is good. Unlike the
[0032]
【The invention's effect】
As described above, according to the resin filler for producing a fiber-reinforced composite material of the present invention, the holding body is filled with an uncured resin that becomes a matrix of the composite material when impregnated in a reinforcing fiber or fiber fabric. The holding body consists of being able to flow out the uncured resin melted by the temperature rise to the outside. The uncured resin can be held at the position, and the handling becomes very easy without worrying about the uncured resin being crushed or damaged. Further, the position and distribution of the uncured resin with respect to the preform can be maintained at a predetermined position and distribution. When the size of the resin filler is increased, the resin filler is divided into several sections, and the two films between the sections are bonded or fused, whereby the strength of the resin filler is increased. In addition, flexibility can be improved. Furthermore, by filling the open pores of a flexible porous body with a resin that is a matrix of a composite material, a resin with a complicated shape can be used even for resins that could not be made into a film of an uncured resin. The production of composite materials by the RFI method can also be provided for reform.
[0033]
Further, according to the method for producing a fiber-reinforced composite material according to the present invention, the composite material includes a reinforced fiber or a fiber fabric of the composite material, and a resin filling body in which the holding body is filled with an uncured resin serving as a matrix of the composite material and held. After the uncured resin filled in the holding body is melted by placing it in a mold for molding and raising the temperature, the composite material is molded by impregnating the molten resin into the reinforcing fiber or fiber fabric of the composite material. Therefore, it is possible to hold the uncured resin at a predetermined position even for uncured resin that is brittle and weak in strength and cannot be formed into a film. On the other hand, since the molten resin can be impregnated with a predetermined distribution, a composite material by the RFI method can be easily manufactured.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing an example (Examples 1 to 8) of a resin filler according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic view showing another example (Example 9) of the resin filler according to the present invention.
FIG. 3 is a schematic view when a composite flat plate is formed by RFI method in Examples 10 to 12 of the present invention.
FIG. 4 is a diagram showing a molding program determined by pressure and temperature in the method for producing a reinforcing fiber composite material according to the present invention.
FIG. 5 is a schematic view when a reinforcing flat plate (Example 14) is manufactured by the method for manufacturing a reinforcing fiber composite material according to the present invention.
FIG. 6 is a photomicrograph of a resin filler having open pores for resin filling according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1,10
3 Polyimide film (drilled) 4 Polyimide film
5 Resin
7 holes 12 sections
20, 30 Mold for RFI molding
21 and 31
23,33
25, 35 preform (carbon fiber fabric)
36
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