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JP3834344B2 - シート処理装置 - Google Patents

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JP3834344B2
JP3834344B2 JP13348095A JP13348095A JP3834344B2 JP 3834344 B2 JP3834344 B2 JP 3834344B2 JP 13348095 A JP13348095 A JP 13348095A JP 13348095 A JP13348095 A JP 13348095A JP 3834344 B2 JP3834344 B2 JP 3834344B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばプリンタやプロッタ等に適用され、種々のサイズのシートに連続的に所望の画像を記録した後、これらシートを処理するためのシート処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々のサイズのシート(例えば、A4,A3,A2,A1,A0等のA系列サイズのシート)に画像を形成する方法としては、以下の2つの方法が知られている。
【0003】
第1の方法は、幅がA0版に対応するシートロール(シートがロール状に巻かれたもの)のみを画像形成装置にセットし、画像形成後に所望のサイズに切断する方法である。また、第2の方法は、各サイズに対応した幅を有するシートロールを複数本画像形成装置にセットし、画像形成後に各シートを所望の長さに切断する方法である。
【0004】
本発明は、上記第2の方法を改良して構成されており、このような方法において、A4からA0に至る各種サイズのシートに所望の画像を形成する場合、幅が夫々異なる3種類のシートロールが必要である。具体的には、これらシートロールにおいて、幅297mmのシートロールがA4とA3サイズに対応し、幅594mmのシートロールがA2サイズに対応し、そして、幅841mmのシートロールがA1とA0サイズに対応する。なお、これらシートロールにおいて、例えば1巻当たりの長さが150mとすると、A0サイズのシートロールは、一般的約10kg程の重さを有している。
【0005】
従来の画像形成装置には、これら3本のシートロールが装着できるように、3段の引出式トレイが装置下部や操作側に設けられており、各シートロールを保持する保持部と、これら保持部に保持された各シートロールから所望のシートを引き出すローラとによって構成されている。
【0006】
このような従来の画像形成装置において、各ローラによって引き出された所望のシートは、シート経路を経た後、所定の搬送手段によって記録部へ搬送されるように構成されており、記録部は、記録部下流側にある搬送手段によって搬送されたシートの先端を押さえて、記録部の記録手段に対するシートの位置関係を適正な状態に保持するように構成されている。なお、記録部において、プラテンローラがシート支持部分になっていたり、プラテンローラと下流側搬送手段との間に記録面として機能するガイドが設けられている場合もある。
【0007】
また、従来の画像形成装置に配置されているキャリッジには、シート検出手段と記録手段とが設けられており、シート検出手段は、記録手段とキャリッジ移動方向に並んだ位置に配置されている。なお、キャリッジの位置は、待機位置検出手段と、リニアエンコーダを備えた移動位置検出手段とによって検出されるように構成されている。
【0008】
このような従来の画像形成装置によれば、シートを僅かに往復搬送させながら、シート検出手段によってシートの側端位置を複数箇所検出して、シートが斜行しているか否かが判断される。このとき、シートが斜行していなければ、続いて画像記録が実行される。そして、画像記録終了後、シート搬送方向下流側に配置された切断手段によってシートを切断すると共に、再びシートを戻した後次の画像記録動作を開始する。なお、切断されたシートは、シート収納ストッカへ落下させるか、或いは、各シートサイズ毎のソータへ振り分けて収納される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、記録済みのシートをソータ等でサイズ毎に分けて収納するタイプの画像形成装置では、シートサイズが大きい場合には、ソーター自身の占有スペースが多大になり、実際の使用には不便であった。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、簡単な構成で画像記録済みシートを安定且つ効率的に処理することが可能シート処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明に従ったシート処理装置は:
幅が異なる複数のシートを配置可能な給紙ステーションと;
前記給紙ステーションの下方に配置されていて、前記給紙ステーションから搬出されたシートに画像を記録する記録ステーションと;
前記記録ステーションにおいて画像が記録されたシートを所定の搬送量で切断するカッターと;そして、
前記記録ステーションの下方に配置されていて、前記カッターにより切断された画像記録済みシートを収納する処理ステーションと;
を備えるシート処理装置において
前記処理ステーション
前記給紙ステーションに配置される、幅が異なる複数のシートに対応し、当該複数のシートをそれぞれ収納可能とする、幅が異なる複数の排紙トレイを具備し
前記複数の排紙トレイのうち、画像記録済みのシートの幅に対応した幅の所望の排紙トレイに上記画像記録済みのシートを収納させることができるように、水平方向に移動可能に構成されている、
ことを特徴としている。
【0013】
【作用】
上述した如く構成されたことを特徴とする本発明に従ったシート処理装置では、給紙ステーションには異なる幅の複数のシートが配置され、記録ステーシヨンに向けて搬出される。記録ステーションでは給紙ステーションから搬出されたシートに対して画像が記録され、下方へ搬送される。画像が記録され画像記録済みシートは予め設定された所定の搬送量でもってカッターにより切断され、記録ステーションの下方に配置されている処理ステーションに向けて搬送される。処理ステーションでは、給紙ステーションに配置される幅が異なる複数のシートに対応して、その幅が異なる複数の排紙トレイが具備されている共に、水平方向に移動可能な構成となっており、搬送されてくるシートの幅に見合った幅の排紙トレイを、処理ステーションを水平方向に移動させることで排紙位置に位置づけて、当該排紙トレイに画像記録済みシートを収納させる
【0014】
【実施例】
以下、本発明の一実施例に係る画像形成装置について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施例の画像形成装置は、所定サイズのシートに所望の画像を記録可能に構成されており、シートとしては、例えば記録紙、用紙、プラスチックフィルム、布等が適用可能である。
【0015】
以下の実施例の説明では、その1例として、画像記録用のシートとして用紙を適用した画像形成装置について説明する。図1に示すように、本実施例の画像形成装置は、所定サイズの用紙がロール状に巻かれた複数巻のロール紙(同図では、符号101,102で示す2本のロール紙のみ示すが、本実施例では、図2に示すように、第1ないし第3のロール紙101,102,103が該当する)を収容可能な給紙ステーション1と、この給紙ステーション1から給紙された用紙(101又は102又は103)に所望の画像を記録する記録ステーション2と、この記録ステーション2によって画像が記録された上記用紙を排紙処理する処理ステーション3とを備えている。
【0016】
なお、本実施例において、第1のロール紙101は、例えば幅841mmの用紙101をロール状に巻いて構成されており、第2のロール紙102は、例えば幅594mmの用紙102をロール状に巻いて構成されており、第3のロール紙103は、例えば幅297mmの用紙103をロール状に巻いて構成されているものとする。
【0017】
記録ステーション2には、用紙搬送方向Tに直交する方向に延出して設けられたプラテンユニット5と、このプラテンユニット5に沿って移動しながら上記用紙に所望の画像を記録するキャリッジユニット4とが配置されている。
【0018】
図5に示すように、記録ステーション2のプラテンユニット5には、用紙搬送方向Tに直交する方向にプラテンローラ501が配置されており、このプラテンローラ501は、対向配置されたアルミニウム製の第1及び第2のフレーム201,202に回転自在に支持されている。
【0019】
第1及び第2のフレーム201,202には、用紙搬送方向Tの上流側及び下流側に夫々位置決め用切欠部が形成されており、これら位置決め用切欠部には、例えばフライスやワイヤーカット手段によって高い真直度が施されたアルミニウム製の上流側ステー505及び下流側ステー506の端部が位置決め固定されている。
【0020】
これら上流側及び下流側ステー505,506の操作面側Zの端面には、用紙搬送方向Tに直交する方向に配列されたアルミニウム製のプラテンボード502が複数枚固定されている。これらプラテンボード502には、夫々、プラテンローラ501用の窓502aと、空気吸引用の孔502b(直径2mm程度)が複数個形成されている。なお、複数枚のプラテンボード502は、上流側及び下流側ステー505,506に取り付けられることにより、用紙搬送方向Tに沿って高精度な平面度を実現して維持されている。
【0021】
このように複数枚のプラテンボード502を用いたことによって、1枚の大きなプラテンボード502を用いた場合に比して、高精度な平面度を出すことができ、更に、「反り」の問題も発生し難い設計とすることができる。
【0022】
本実施例に適用されたプラテンローラ501は、段付きローラであり、複数枚のプラテンボード502を上流側及び下流側ステー505,506の操作面側Zの端面に固定した際、その最大外周部がプラテンボード502の窓502aから露出するように構成されている。なお、この場合、第1及び第2のフレーム201,202と、上流側及び下流側ステー505,506と、プラテンローラ501と、プラテンボード502の部品精度によって、プラテンローラ501の最大径表面は、プラテンボード502の操作面側Zの面(即ち、キャリッジユニット4に対面する面)とほぼ同一平面上に位置付けられる。
【0023】
また、上流側及び下流側ステー505,506には、複数枚のプラテンボード502に対向して蓋503が取り付けられており、この蓋503には、その内面(即ち、複数枚のプラテンボード502に対面する面)に複数個の吸引手段504が設けられている。
【0024】
なお、このようなプラテンユニット5によれば、複数枚のプラテンボード502と第1及び第2のフレーム201,202と上流側及び下流側ステー505,506と蓋503とによって吸引チャンバが構成される。
【0025】
図1に示すように、記録ステーション2の上部には、給紙ステーション1が設けられており、この給紙ステーション1は、図2に示すように、第1ないし第3のロール紙101,102,103を搭載可能に構成されている。
【0026】
具体的には、図1,図2及び図4に示すように、第1のロール紙101は、第1及び第2のフレーム201,202(図4参照)の間に所定間隔で配置されたステンレス製の第1の給紙ローラ104と第1の支持ローラ110上に回転自在に支持されている。
【0027】
第1の給紙ローラ104は、その両端から突出した給紙ローラ軸104aを備えており、これら給紙ローラ軸104aは、軸受け104bを介して第1及び第2のフレーム201,202に回転自在に支持されている。また、これら給紙ローラ軸104aには、スリーブ113,114が回転自在に嵌合されており、嵌合部分は低い摩擦係数になっている。
【0028】
また、第1の支持ローラ110(図2参照)は、その両端から突出した軸(図示しない)を介して第1及び第2のフレーム201,202に回転自在に支持されており、これら軸にはスリーブ(図示しない)が回転自在に嵌合されている。
【0029】
第1のロール紙101の両側には、フランジ101a,101bが着脱自在に取り付けられており、これらフランジ101a,101bを対応する第1の給紙ローラ104のスリーブ113,114及び第1の支持ローラ110のスリーブ上に載置させることによって、第1のロール紙101は、第1の給紙ローラ104及び第1の支持ローラ110上に回転自在に支持されることになる。
【0030】
この場合、第1の給紙ローラ104のスリーブ113は、第1のロール紙101のフランジ101aを回転自在に保持すると共に、第1のロール紙101を幅方向に位置決めするように構成されている。なお、他のスリーブ114は、フランジ101bを回転自在に保持し、第1の支持ローラ110の両スリーブは、フランジ101a,101bを回転自在に保持するように構成されている。また、用紙搬送を円滑に行うために、各スリーブの外周径は、第1の給紙ローラ104の中央部の外周径よりも小さくなっている。
【0031】
また、第1の給紙ローラ104の中央部には、用紙101をニップするためのピンチローラ107が接離可能に押圧されており、第1の給紙ローラ104は、少なくとも、この中央部外周面の摩擦係数が高くなるように処理されている。なお、この処理方法としては、例えば、ゴムを圧入したり、或いは、アルミナの粉を塗装する方法が考えられるが、本実施例のように幅の広いサイズの用紙101を案内搬送する場合には、撓みにくいローラが要求される。ゴムを圧入する方法は、ゴムの厚み分だけローラ径が減少して強度が低下するので、約150μm以下の塗装厚さでアルミナの粉を塗装する方法が好ましい。
【0032】
また、第1の給紙ローラ104の給紙ローラ軸104aには、第1のフレーム201の外側に設けられたモータ117からの駆動力を伝達する駆動ベルト116が掛けられており、クラッチ115を介して第1の給紙ローラ104を所定方向に回動自在に構成されている。なお、モータ117は、ウォーム機構を介してプラテンローラ501を正逆回転させるように構成されている。この場合、第1の支持ローラ110には、モータ117からの駆動力は伝達されることはなく、第1のロール紙101のフランジ101a,101bの回転に伴って、回転されるように構成されている。
【0033】
また、図2に示すように、第2及び第3のロール紙102,103は、第1のロール紙101と平行に搭載可能に構成されており、具体的には、第2のロール紙102は、第2の給紙ローラ105と第2の支持ローラ112(図1参照)上に回転自在に支持され、第3のロール紙103は、第3の給紙ローラ106と第3の支持ローラ111上に回転自在に支持される。また、第2及び第3のロール紙102,103には、その中央部にピンチローラ108、109が接離可能に押圧され、少なくともその部分の摩擦係数は高くする処理が施されている。なお、第2及び第3の給紙ローラ105,106と第2及び第3の支持ローラ112,111の構成は、第1の給紙ローラ104と第1の支持ローラ110と同様であるため、その図面及び説明は省略する。
【0034】
このような第2及び第3の給紙ローラ105,106には,図4に示すように、モータ117からウォーム機構を介して駆動ベルト116に伝達された駆動力がクラッチ115を介して選択的に伝達されるように構成されている。この結果、第1ないし第3の給紙ローラ104、105,106は、クラッチ115の選択駆動によって、独立して回転駆動させることができる。
【0035】
なお、図1及び図2に示された矢印Zは操作面側を示しており、本実施例に適用された第1ないし第3の給紙ローラ104、105,106は、最も幅が長くて重い第1のロール紙101を操作面側Zに接近配置させ、第2及び第3のロール紙102,103は、その奥側に第1のロール紙101と平行且つ互いに幅方向で重ならない間隔を保って配置されている。この場合、第1のロール紙101と第2及び第3のロール紙102,103とは互いに、その幅方向で重なるように搭載されることになる。
【0036】
図3(a),(b)には、本実施例に適用された第1ないし第3のロール紙101,102,103の配置状態を装置上方から見たときのバリエーションが示されている。このように、最大幅の第1のロール紙102に平行して小サイズ幅の第2及び第3のロール紙102,103を互いに幅方向で重ならない位置に配置することで、少ないスペースで複数巻のロール紙を同時に配置させることが可能となる。なお、図3(c)には、上記第1ないし第3のロール紙101,102,103に加えて更に第4のロール紙103′を配置させた場合のバリエーションが示されている。
【0037】
次に、第1ないし第3のロール紙101,102,103から用紙101,102,103を記録ステーション2へ案内搬送するための構成について、図13及び図14を参照して説明する。
【0038】
図13及び図14に示すように、第1ないし第3の給紙ローラ104,105,106に押圧されるピンチローラ107,108,109は、夫々、揺動自在に支持された第1ないし第3の案内ガイド118,119,120の揺動先端部に取り付けられたブラケット118a,119a,120a内に回転自在に保持されている。
【0039】
第1ないし第3の案内ガイド118,119,120は、夫々、第1ないし第3の給紙ローラ104,105,106の軸方向に直交する方向に揺動自在に支持されており、各ブラケット118a,119a,120aの近傍に配置された付勢バネ118b,119b,120bによって、常時、その自重に抗して第1ないし第3の給紙ローラ104,105,106方向へ付勢されている。この結果、各ピンチローラ107,108,109は、夫々、第1ないし第3の給紙ローラ104,105,106の外周面上に密着押圧される。
【0040】
各ピンチローラ107,108,109が、第1ないし第3の給紙ローラ104,105,106の外周面上に密着押圧された状態において、第1の案内ガイド118は、第1及び第2のフレーム201,202(図4参照)に固定された第1の固定ガイド122と対向して第1搬送経路を構成している。また、第2の案内ガイド119は、第1及び第2のフレーム201,202に固定された第2の固定ガイド121と対向して第2搬送経路を構成している。そして、第3の案内ガイド120(図14参照)は、上記第2の固定ガイド121と対向して第3経路を構成している。
【0041】
これら第1ないし第3搬送経路は、第1及び第2のフレーム201,202に保持されたガイドバー208の位置で互いに合流するように構成されている。ガイドバー208には、所定角度だけ回転自在に構成された複数のピンチホルダ209が所定間隔で保持されており、これらピンチホルダ209の先端部には、夫々、駆動ピンチローラ507(図14参照)が回転自在に支持されている。具体的には、図16ないし図18に示すように、各ピンチホルダ209は、夫々、金具213を介してガイドバー208に締結されている。夫々の金具213は、その一端部が各用紙搬送経路とは反対側に形成された各ピンチホルダ209の穴209a(図17及び図18参照)に係合させ、その中央部がビス701(図16及び図18参照)でガイドバー208に締結されている。このような金具213は、夫々、その一端部によって、各ピンチホルダ209の穴209a内に収容されたバネ214を付勢支持すると共に、その他端部によって、各ピンチホルダ209の回転範囲を規制するように構成されている。なお、各ピンチホルダ209は、夫々、金具213によって軸方向への移動が規制されているため、これらピンチホルダ209がカイドバー208の軸方向へ移動することはない。
【0042】
このようなピンチホルダ209が取り付けられたガイドバー208は、その第1のフレーム201の外側に設けられたリンク機構211を介してレバー212に接続されている。このため、図17及び図18に示すように、レバー212を図中矢印方向に回動させることによって、各ピンチホルダ209の駆動ピンチローラ507をプラテンローラ501に対して接離させることができる。具体的には、レバー212を図17の2点鎖線で示された状態から実線で示された状態へ回動させると、リンク機構211を介してガイドバー208が僅かに回転する。このガイドバー208の回転に伴って各金具213が回転することによって、各ピンチホルダ209にはバネ214の付勢力が作用する。このとき、バネ214の付勢力が作用して各ピンチホルダ209がプラテンローラ501方向に付勢されることによって、各ピンチホルダ209に設けれた駆動ピンチローラ507がプラテンローラ501に圧接されることになる。なお、逆方向にレバー212を回動させると、ピンチホルダ209がプラテンローラ501から離れる方向へ移動するため、各駆動ピンチローラ507は、プラテンローラ501から離れることになる。
【0043】
図16に示すように、ガイドバー208には、複数のピンチホルダ209の間にスリーブ210が回転自在に嵌装されている。これらスリーブ210の外周面は、各ピンチホルダ209の用紙搬送経路側の外周面の一部円弧形状部209b(図17及び図18参照)とはほぼ同位置に規定され、且つ、他の部分は、用紙101,102,103が各スリーブ210と積極的に接触するように、若干スリーブ210の外周面を各ピンチホルダ209の外周面よりも突出させて形成されている。
【0044】
このような構成によれば、各ピンチホルダ209は、第1ないし第3搬送経路を介して搬送された用紙101,102,103を円弧形状部209bで曲げて案内する用紙案内手段としての機能を有すると共に、各駆動ピンチローラ507をプラテンローラ501に対して接離させる接離手段としての機能も兼ね備えている。この結果、第1ないし第3の給紙ローラ104,105,106からプラテンローラ501に至る経路長を最短に短縮化させることができる。
【0045】
また、本実施例において、第1ないし第3の給紙ローラ104、105,106は、各ピンチホルダ209の円弧形状部209b近傍の搬送経路合流位置(即ち、プラテンボード502)よりも操作面側Zに配置されており、第1ないし第3のロール紙101,102,103の配置位置を全体的に操作面側Zに設定している。特に、第1のロール紙101をキャリッジユニット4の移動空間上にセットさせている。この結果、装置全体の大きさ即ち装置の床占有面積を変えることなく、記録ステーション2のキャリッジユニット4の移動収容スペースを大きく確保することが可能となる。更に、第1ないし第3のロール紙101,102,103の配置位置を全体的に操作面側Zに設定したことによって、第1ないし第3のロール紙101,102,103のセット操作を容易に行うことが可能となり、操作性の向上を実現させることができる。
【0046】
また、図14に示すように、第1ないし第3搬送経路を介して搬送された用紙101,102,103が円弧形状部209bで曲げられて円滑に案内されるように、搬送経路合流位置には、薄部材207が設けられている。
【0047】
この薄部材207は、主には第1搬送経路から搬送される用紙101の先端を巻き癖方向と逆方向へ曲げるためのものであり、約0.5mm厚さのステンレス板で作られ、操作面側Zに近い方に支点を持ち且つ自重でピンチホルダ209やスリーブ210上に接触するように構成されている。なお、支点と反対側の先端部分は、スリーブ210に近づく方へ一部曲げられた形状を成しており、搬送経路合流点に近い位置まで延在している。
【0048】
以上、第1ないし第3のロール紙101,102,103から用紙101,102,103を記録ステーション2へ案内搬送するための構成によれば、第1の案内ガイド118を付勢バネ118bの付勢力に抗して押し下げた後、第1のロール紙101の用紙先端を第1の給紙ローラ104とピンチローラ107と間に挿入してニップさせる。このとき、モータ117によって回転駆動されたプラテンローラ501の回転駆動力が、駆動ベルト116及びクラッチ115を介して第1の給紙ローラ104に伝達され、第1の給紙ローラ104を正回転させる。この結果、用紙101は、第1の案内ガイド118と第1の固定ガイド122とによって形成された第1搬送経路を搬送される。
【0049】
この後、ピンチホルダ209近傍の搬送経路合流位置に搬送された用紙101先端部分は、自重でスリーブ210上に乗っている薄部材207に押さえられながら案内される。薄部材207は、適度な自重であるため、用紙101は、座屈することなく且つ薄部材207を押し上げることもなく薄部材207に沿って進行する。更に、スリーブ210がガイドバー208に対して回転自在であるため、用紙101は、スリーブ210上を円滑に搬送されることになる。
【0050】
続いて、用紙101の先端部分は、第2の固定ガイド121とスリーブ210との間を通って曲げられ、プラテンボード502とピンチホルダ209との間へ案内された後、プラテンローラ501と駆動ピンチローラ507との間にニップされて後述する画像記録領域へ搬送される。
【0051】
同様に、第2のロール紙102の用紙先端も、第2の案内ガイド119を付勢バネ119bの付勢力に抗して押し下げて、第2の給紙ローラ105とピンチローラ108との間にニップさせることができる。このとき、プラテンローラ501の回転駆動力をクラッチ115を介して第2の給紙ローラ105に伝達させることによって、用紙102は、第2の案内ガイド119と第2の固定ガイド121とによって形成された第2搬送経路を搬送される。そして、用紙102先端部分は、第2の固定ガイド121とスリーブ210との間を通って曲げられ、プラテンボード502とピンチホルダ209との間へ案内された後、プラテンローラ501と駆動ピンチローラ507との間にニップされて後述する画像記録領域へ搬送される。
【0052】
また、図14に示すように、第3のロール紙103の用紙先端も、第3の案内ガイド120を付勢バネ120bの付勢力に抗して押し下げて、第3の給紙ローラ106とピンチローラ109との間にニップさせることができる。このとき、プラテンローラ501の回転駆動力をクラッチ115を介して第3の給紙ローラ106に伝達させることによって、用紙103は、第3の案内ガイド120と第2の固定ガイド121とによって形成された第3搬送経路を搬送される。そして、用紙103先端部分は、第2の固定ガイド121とスリーブ210との間を通って曲げられ、プラテンボード502とピンチホルダ209との間へ案内された後、プラテンローラ501と駆動ピンチローラ507との間にニップされて後述する画像記録領域へ搬送される。
【0053】
図13に示すように、記録ステーション2内に設けられた画像記録領域において、上記プラテンユニット5の吸引チャンバ内は、吸引手段504(図5参照)によって負圧に引かれている。このため、プラテンボード502に形成された多数の孔502b(図5参照)からチャンバ内へ空気が吸引されている。
【0054】
これら多数の孔502bは、夫々、プラテンローラ501と駆動ピンチローラ507とをニップさせる窓502a(図5参照)から用紙搬送方向T(図5参照)下流側に亘って形成されている。
【0055】
プラテンローラ501と駆動ピンチローラ507によって押し出された用紙(101,102,103)は、プラテンボード502に吸着された状態で平面状態に維持され、プラテンボード502上を押し出されるように摺動してゆく。
【0056】
アルミニウム製のプラテンボード502の用紙摺動面(用紙が摺動する面)には、摩擦係数が低くなるように、アルマイト処理が施されている。また、各用紙101,102,103の巻き癖方向とプラテンボード502の位置関係は、用紙先端のエッジ部分がプラテンボード502と接触し、且つ、巻き癖によって操作面側Z方向へ生じる用紙中央の膨らみ部分がプラテンボード502から離れる関係にある。
【0057】
このような状態で搬送される用紙101,102,103は、吸引手段504によって用紙中央の膨らみ部分の空気が吸引されるため、用紙101,102,103は、プラテンボード502に密着することになる。
【0058】
プラテンボード502の多数の孔502bは、直径約1〜4mmの範囲で形成することができるが、実験によれば直径約2mm程度が用紙の変形量も少なく良好であった。また、多数の孔502bは、用紙幅方向の側部近傍とプラテンボード502の最下流側(カッター205近傍)に密に形成され、その他の場所では粗に形成されている。
【0059】
このように多数の孔205bを形成することによって、浮き上がり易い用紙側部をプラテンボード502に密着させる効果が高められる。また、後述するカッター205によって切断する際には、カッター205の上流側にある用紙101,102,103を動かぬよう押さえる効果も高められる。
【0060】
また、図13に示すように、カッター205は、吸引チャンバを構成する下流側ステー506(図5参照)に取り付けられており、用紙幅方向(用紙搬送方向に直交する方向)に延出した固定刃205aと、この固定刃205aに沿って移動することによって、用紙101,102,103を切断する移動刃205bとを備えている。
【0061】
カッター205の下流側には,互いに回転自在に圧接された排紙ローラ対206が配置されており、この排紙ローラ対206は、用紙非記録面に圧接される駆動ローラ206aと、用紙記録面に圧接される従動ローラ206bとを備えている。この従動ローラ206bは、インクが乾かぬうちに用紙記録面に圧接するように配置されている。このため、インクが従動ローラ206bの外周面に付着しないように、従動ローラ206bの外周面には、先端が鋭角に尖った針状の突起部(図示しない)が設けられている。
【0062】
このような構成によれば、カッター205で用紙101,102,103を切断する際、切断部分に対して用紙上流側は、前述のように吸引チャンバの吸引力によってプラテンボード502に吸着保持されると共に、その用紙下流側は、排紙ローラ対206によって挟持される。この結果、切断時において、上記用紙のズレを抑えることが可能となる。更に、カッター205を吸引チャンバに直接取り付けたことで、吸引チャンバと切断部分とを近接させることができる。この結果、吸引チャンバ上に位置決め保持された上記用紙の切断部分に対して高精度な切断処理を行うことが可能となる。
【0063】
また、図5に示すように、吸引チャンバ内は、プラテンローラ501の部分を回避した形状のセパレータ508によって、少なくとも1箇所以上用紙幅方向に亘って区切られている。なお、セパレータ508によって区切られた領域毎に上記吸引手段504によって吸引作用が働いている。本実施例では、第2のロール紙102と第3のロール紙103との間の境界部にセパレータ508が配置されており、第2のロール紙102に属する領域内に2個の吸引手段504が設けられ且つ第3のロール紙103に属する領域内に1個の吸引手段504が設けられている。
【0064】
このような構成によれば、最大幅を有する第1のロール紙101を搬送する際には、合計3個の吸引手段504を同時に作用させる。これに対して、最小幅を有する第3のロール紙103を搬送する際には、セパレータ508によって区切られた領域に配置された1個の吸引手段504のみを作用させ、一方、第2のロール紙102を搬送する際には、残りの2個の吸引手段504を作用させる。
【0065】
このようにセパレータ508を設けることによって、搬送させる用紙幅によって吸引チャンバの吸引力が不均一になるのを防止することが可能となると共に、必要な電力のみを消費することが可能となる。更に、このように必要な吸引手段504のみを選択的に作用させることによって、騒音の発生を可能な限り低く抑えることが可能となる。
【0066】
次に、記録ステーション2に設けられたキャリッジユニット4について、図1及び図13を参照して説明する。キャリッジユニット4は、プラテンユニット5のプラテンボード502に対向しながら且つプラテンボード502に沿って移動可能に構成されている(図2参照)。このため、第1及び第2のフレーム201,202には,キャリッジユニット4が通過可能な開口部201a、202aが対向して形成されている(図5参照)。
【0067】
また、これら開口部201a、202aに隣接した位置であって且つプラテンユニット5に近接した位置には、用紙搬送方向Tに直交する方向に延出した2本のリニアガイド203,204が設けられている。これらリニアガイド203,204は、用紙搬送方向Tに沿って互いに並列し且つプラテンボード502に平行に延出されている。
【0068】
このようなリニアガイド203,204は、その両端部が第1及び第2のフレーム201,202から外側へ突出させた状態で第1及び第2のフレーム201,202に固定されている。
【0069】
キャリッジユニット4は、これら2本のリニアガイド203,204に軸受けを介してスライド自在に保持されており、装置を動作させる前の待機時において、キャリッジユニット4は、第1のフレーム201の外側に設けられたホームポジション(図7参照)に位置付けられるように構成されている。
【0070】
キャリッジユニット4には、4色のインクを噴射する画像記録部401が設けられている。画像記録部401には、インクを噴射可能な複数のノズル(図示しない)を有する記録ヘッドが用紙搬送方向Tに沿って4個配列されている。具体的には、画像記録部401は、用紙搬送方向Tの上流側から順に、ブラックインクを噴射する記録ヘッドK、シアンインクを噴射する記録ヘッドC、マジェンタインクを噴射する記録ヘッドM、イエローインクを噴射する記録ヘッドYが配列して構成されている。これら記録ヘッドは、夫々、キャリッジユニット4のスライド方向(即ち、用紙搬送方向Tに直交する方向)に各インクが重ならないように配置されている。また、各記録ヘッドは、キャリッジユニット4がスライドしている間、プラテンボード502から一定距離(約1mm程度)に維持されるように位置決めされている。また、本実施例に適用された記録ヘッドは、夫々、インクジェット方式のヘッドであり、そのノズル数は、例えば各インク毎に256チャンネルである。
【0071】
このような記録ヘッドの複数のノズルは、夫々、ノズル相互の間隔が用紙搬送方向Tに沿って例えば360(DPI)となるように形成されている。この場合、1色のインクの記録幅は、約18mmとなる。本実施例に適用された各記録ヘッドは、画像記録部401の4分の5倍ピッチで配置されている。このため、画像記録部401の幅は、約90mmとなる。この結果、本実施例に適用されたプラテンボード502は、少なくとも画像記録部401の幅以上に亘って各記録ヘッドに対する距離が一定に維持されるように、平面状に位置決めされている。
【0072】
また、キャリッジユニット4は、各色のインクを収容したインクカートリッジ4aとインクタンク4bとを備えており、インクカートリッジ4a内のインクがインクタンク4bを介して記録ヘッドに供給されるように構成されている。
【0073】
また、キャリッジユニット4には、用紙101,102,103を検出するセンサS4がプラテンボード502と対向して配置されている。センサS4は、特に図7に示すように、キャリッジユニット4がホームポジションに位置付けられている場合を基準に位置関係を規定すると、画像記録部401に対して用紙搬送方向Tの上流側で且つ上記用紙に最も接近した位置に設けられている。
【0074】
ここで、キャリッジユニット4の位置検出方法について説明する。図8に示すように、いま、キャリッジユニット4が、第1のフレーム201の外側に設けられたホームポジション(図7参照)に位置付けられているとする。このとき、図示されない駆動機構を動作させること、キャリッジユニット4は、リニアガイド203,204にガイドされながら、プラテンボード502に沿って図中矢印方向に往復移動する。
【0075】
キャリッジユニット4には、リアセンサ404が設けられており、往復移動区間以上の幅に亘って張設されたリニアスケール405の目盛り(図示しない)を読み取ることができるように構成されている。なお、目盛りは、例えば各記録ヘッドの記録密度に合わせた間隔でリニアスケール405に記録されている。
【0076】
リニアセンサ404で読み取られたパルス信号は、制御回路(CPU)406を介してエンコーダパルスカウンタ407に入力され、そのパルス出力が計数される。更に、上述したホームポジション(図7参照)には、制御回路406に接続されたホームポジションセンサ408が設けられており、キャリッジユニット4がホームポジションにあるか否かを検出している。
【0077】
そして、ホームポジションセンサ408の出力に基づいて、制御回路406が、エンコーダパルスカウンタ407のパルス出力を計数することによって、キャリッジユニット4の現在の位置が検出されることになる。
【0078】
本実施例において、第1ないし第3のロール紙101,102,103(図2参照)は、夫々、対応するスリーブ113(図4参照)によって用紙幅方向の位置決めが成されている。従って、各ロール紙毎にその用紙側端の位置と幅とは、リニアスケール405の目盛りの位置に対応する。また、制御回路406に接続されたメモリ(ROM)409には、エンコーダパルスカウンタ407のカウンター値に基づいて、各ロール紙毎に、ホームポジション位置に対する各用紙側部の位置及び幅が予め記憶されている。なお、各用紙101,102,103は、夫々、環境温度や湿度の変化に伴って寸法が変化するが、このメモリ409に記憶されているデータは、称呼寸法に基づくカウンター値である。
【0079】
次に、キャリッジユニット4のセンサS4によって、上記各用紙の先端位置を測定する方法について図8及び図9を参照して説明する。なお、図9中X軸は、キャリッジユニット4の移動方向を示し、図9中Y軸は、プラテンローラ501の回転に伴う上記各用紙の往復動方向を示す。
【0080】
図9には、各用紙101,102,103に対してセンサS4が相対的に移動している状態が示されているが、以下の説明では、その1例として、用紙101の先端位置の測定方法について説明する。なお、他の用紙102,103についても同様の測定方法が適用できるため、その説明は省略する。
【0081】
モータ117によってプラテンローラ501を回転させると、エンコーダ117aからは、モータ117の回転と同期したパルスが出力される。エンコーダ117aからのパルス出力は、制御回路406を介してモータパルスカウンタ410に入力される。このとき、モータパルスカウンタ410によって、パルス出力が計数され、用紙101の先端位置が検出されることになる。
【0082】
なお、上記図9では、プラテンローラ501の下流側における用紙先端位置の検出方法について説明したが、用紙先端の概略位置は、プラテンローラ501の上流側に各用紙101,102,103に対応して設けられたセンサS1,S2,S3によって検出することができる。また、上述した制御回路(CPU)406と、エンコーダパルスカウンタ407と、メモリ(ROM)409と、モータパルスカウンタ410とは、記録ステーション2のプラテンユニット5の後方に配置されている制御装置7内に組み込まれており(図13参照)、この制御装置7は、装置動作中、上記吸引チャンバによって吸引された空気によって常時冷却されている。
【0083】
また、キャリッジユニット4のセンサS4を用いて、各用紙101,102,103のいずれかの側端位置及び先端位置を検出することによって、各用紙の姿勢を測定する方法について、図9を参照して説明する。
【0084】
まず、上記各用紙の先端を対応するセンサS1,S2,S3によって検出し、その検出データに基づき、プラテンローラ501を回転制御して、各用紙先端をセンサS4よりも下流側で且つ画像記録部401よりも上流側に位置付ける。
【0085】
次に、キャリッジユニット4をホームポジションからX軸方向に沿って移動させる。このとき、センサS4によって用紙一端側の側端位置Aを検出した際に、リニアセンサ404(図8参照)によってリニアスケール405(図8参照)の目盛りを読み取ることによって、ホームポジションから側端位置Aまでの距離を測定する。そして、リニアセンサ404による測定値とメモリ409(図8参照)の記憶値を比較する。この場合、この比較値が予め記憶されている許容範囲内であれば、そのまま測定を続行し、一方、上記比較値が許容範囲を越えるときには、用紙がスキューしているものとみなされ、用紙位置エラー処理が実行される。
【0086】
測定を続行する場合には、用紙を上流方向へ逆送させながら、センサS4によって用紙一端側の先端位置Bを検出した後、モータパルスカウンタ410(図8参照)からのパルス数に基づいて、用紙を停止させた位置Cから先端位置Bまでの距離BCを測定する。
【0087】
次に、リニアセンサ404(図8参照)によってリニアスケール405(図8参照)の目盛りを読み取りながら、キャリッジユニット4を用紙の他端側近傍位置Dまで移動させる。続いて、用紙を下流方向へ搬送させながら、センサS4によって他端側近傍の先端位置Eを検出した後、モータパルスカウンタ410(図8参照)からのパルス数に基づいて、近傍位置Dから先端位置Eまでの距離DEを測定する。
【0088】
そして、測定された距離DEと距離BCとの差を求めることによって、用紙先端の傾き量即ち姿勢が測定される。この傾き量(距離DEと距離BCとの差)が予め記憶されている許容範囲よりも大きい場合には、用紙がスキューしているとみなして用紙位置エラー処理を実行し、許容範囲内にある場合には更に測定を続行する。
【0089】
更に測定を続行する場合には、リニアセンサ404(図8参照)によってリニアスケール405(図8参照)の目盛りを読み取りながら、キャリッジユニット4を更に用紙の他端側方向に移動させる。このとき、センサS4によって用紙他端側の側端位置Fを検出した際に、リニアセンサ404(図8参照)によってリニアスケール405(図8参照)の目盛りを読み取ることによって、用紙一端側の側端位置Aから用紙他端側の側端位置Fまでの距離AFを測定する。
【0090】
そして、距離AF間のキャリッジユニット4の移動パルス数と、予め記憶された用紙幅に対応するパルス数とを比較し、この差が許容範囲内であれば測定を終了し、許容範囲外であった場合には用紙サイズ不良処理を実行する。
【0091】
このような用紙姿勢測定中における画像記録部401の移動範囲は、図9中の右下がり斜線で示す領域内に規制されるため、用紙と画像記録部401とが相互に重なることはない。従って、用紙がスキューされてシワが生じている場合でも、画像記録部401と用紙の接触を回避させることができるため、画像記録部401に設けられた各記録ヘッドを損傷させることはない。また、幅広の用紙を搬送させる場合でも、用紙をわずかに移動させるだけて、簡単且つ短時間にスキューを正確に検知することが可能となる。しかも、用紙は、プラテンローラ501の直ぐ下流側でわずかに往復動させるだけなので、プラテンローラ501への入り込みが悪くてスキューしている場合にも、用紙にダメージを与えることはない。 なお、上述した用紙姿勢測定は、各ロール紙を装置にセットした直後の自動搬送時、画像記録動作前又は画像記録動作終了時のいずれかの時点で行うように設定されている。
【0092】
次に、本実施例に用いられた第1ないし第3のロール紙101,102,103を画像形成装置にセットする動作について説明する。なお、本実施例の画像形成装置は、図1及び図2に示すように、最も幅広で重たい第1のロール紙101を操作面側Z(操作者に最も近い位置側)にセット可能であり、この第1のロール紙101の奥方に比較的軽い第2及び第3のロール紙102,103を並列してセット可能に構成されている。このような構成によれば、最も重たい第1のロール紙101を最も操作面側Zにセットすることができるため、操作者にとっては、各ロール紙のセット動作を容易に且つ楽に行うことができるという利点がある。
【0093】
図15に示すように、第1ないし第3のロール紙101,102,103をセットする場合には、まず、給紙ステーション1を覆っているトップカバー801を開けた後、第1のロール紙101の両端部に取り付けられているフランジ101a,101bを第1の給紙ローラ104のスリーブ113,114上に載置する(図4参照)。同様に、第2及び第3のロール紙102,103も対応するフランジを第2及び第3の給紙ローラ105,106のスリーブ上に載置する(図2参照)。この結果、第1のロール紙101は、第1の給紙ローラ104と第1の支持ローラ110上に回転自在に支持され、また、第2及び第3のロール紙102,103も同様に第2及び第3の給紙ローラ105,106と第2及び第3の支持ローラ112,111上に回転自在に支持されることになる(図1及び図2参照)。
【0094】
次に、第1のロール紙101の先端部分を引き出した後、第1の案内ガイド118を付勢バネ118bの付勢力に抗して一旦押し下げ、第1のロール紙101から引き出された用紙101の先端部分を第1の給紙ローラ104とピンチローラ107との間に挿入してニップさせる。同様に、第2及び第3のロール紙102,103についても、図13及び図14に示すように、先端部分を引き出した後、第2及び第3の案内ガイド119,120を付勢バネ119b,120bの付勢力に抗して一旦押し下げ、第2及び第3のロール紙102,103から引き出された用紙102.103の先端部分を夫々第2及び第3の給紙ローラ105,106と対応するピンチローラ108,109との間に挿入してニップさせる。 このように第1ないし第3のロール紙101,102,103をセットした後トップカバー801を閉めると、検知センサ(図示しない)によって、第1ないし第3の案内ガイド118,119,120の動きが検知され、第1ないし第3のロール紙101,102,103がセットされたことが判断される。
【0095】
操作者によって行われる動作は、トップカバー801を閉めるところまでであり、その後は、トップカバー801が閉じられたことを検知して、センサS1,S2,S3によって用紙チェックが行われる。
【0096】
用紙101,102,103の先端を対応するセンサS1,S2,S3が検知していない場合には、モータ117とクラッチ115(図4参照)を選択的に駆動させることによって、第1ないし第3の給紙ローラ104,105,106を順方向へ回転させ、各用紙先端をセンサS1,S2,S3が検知するまで各用紙を搬送させる。この場合、モータパルスカウンタ410(図8参照)によってパルス数を計数しながら一定量搬送しても各センサS1,S2,S3が用紙先端を検知しない場合には用紙セットエラーと判断される。仮に各ロール紙セット時において各用紙先端が既に各センサS1,S2,S3によって検知されている場合には、一旦第1ないし第3の給紙ローラ104,105,106を逆方向へ回転させて用紙先端を再度検知する。
【0097】
このように各センサS1,S2,S3によって各用紙先端が検知されたとき、用紙101,102,103の搬送を停止させることによって、各用紙は待機位置に位置付けられることになる。
【0098】
この後、各用紙を選択的に送り出すことによって、所望のサイズの用紙に対する画像形成処理が行われることになるが、以下の説明では、その1例として、用紙101に対する処理動作についてのみ説明する。なお、他の用紙102,103の場合も同様であるため、その説明は省略する。
【0099】
センサS1が用紙101の先端位置を検知した後、第1の給紙ローラ104が駆動される。このとき、用紙101は、その先端部分がセンサS1からガイドバー208へ案内された後、ガイドバー208に回動自在に設けられたスリーブ210上に自重で乗っている薄部材207によって進行方向が変えられる。この後、ピンチホルダ209とプラテンボード502によって案内された用紙101は、プラテンローラ501と駆動ピンチローラ507に狭持されて吸引チャンバ方向へ搬送される。吸引チャンバは、吸引手段504で減圧されているため、用紙101は、プラテンボード502に密着しつつ用紙搬送方向Tへ摺動する。
【0100】
続いて、用紙101の先端部分がカッター205を通過したとき、このカッター205の下流側の排紙ローラ対206とほぼ同じ位置に配置されたセンサS5,S6よって、用紙101の先端部分が検知される。
【0101】
センサS1からセンサS5,S6までの距離は予め設定されているため、モータ117のエンコーダ117a(図8参照)から出力されるパルス数をエンコーダパルスカウンタ407(図8参照)で計数することによって、用紙搬送エラーを検知することができる。具体的には、センサS1からセンサS5,S6までにエンコーダ117aから出力されるパルス数は予め制御装置7(図8参照)のメモリ(ROM)409に記憶されているため、実際に用紙101を搬送している間にエンコーダ117aから出力されるパルス数をエンコーダパルスカウンタ407で計数し、その計数値と予め記憶されたパルス数とを比較することによって用紙101が所定量だけ搬送されたか否かを検知することができる。
【0102】
この後、用紙101先端がセンサS5,S6を通過して所定量搬送された後、用紙101の搬送を停止する。このとき、カッター205を作動させて用紙先端を切り落とす。切り落とされた用紙先端は、排紙ローラ対206を介して排出される。この結果、用紙先端を傷のない、きれいな切断面にすることができる。切断後に残った用紙101は、プラテンローラ501を逆回転させて、上述した待機位置まで戻す。なお、この戻し動作中にも吸引手段504によって、用紙先端はプラテンボード502に吸着されながら戻される。
【0103】
このような構成によれば、カッター205がプラテンボード502よりも下流側に配置されているため、切断時の紙粉は自由落下し、画像記録部401(図9参照)方向へ飛散することはない。また、戻される用紙先端部分に付着している紙粉も吸引チャンバを通過する際に吸引手段504(図5参照)によって吸い取られるので、切断時の紙粉が用紙101に付着することが防止される。
【0104】
なお、各給紙ローラ104,105,106の周速は,プラテンローラ501より約1%速く設定されており、排紙ローラ対206の周速は,プラテンローラ501より5%速く設定されている。従って、用紙搬送方向Tへの搬送時において、用紙先端がプラテンローラ501と駆動ピンチローラ507にニップされた後は、クラッチ115(図4参照)によって各給紙ローラによる搬送動作が解除され、プラテンローラ501の回転動作によってのみ用紙の搬送が行われる。また、逆方向へ搬送する際には、クラッチ駆動され、プラテンローラ501と各給紙ローラの双方によって用紙の搬送が行われる。
【0105】
次に、最も幅広の第1のロール紙101に画像を記録する動作について説明する。上述したセット動作によって待機位置で停止している用紙101は、一定長送り出された後、プラテンローラ501と駆動ピンチローラ507によって、その先端部分がキャリッジユニット4のセンサS4よりも下流側で且つ画像記録部401よりも上流側に位置付けられる。このとき、前述の如くセンサS4によって用紙101の幅と位置及び先端の傾斜状態がチェックされる。これは、待機中の環境変化で用紙101が縮小したり、待機位置から画像記録部401までの搬送時にスキュー等の異常が生じた場合に、その状態を事前に検知するためである。このチェックで問題があった場合には、用紙セットエラーを出すとともに、用紙101先端が第1の給紙ローラ104から外れるまで逆送する。一方、問題がない場合には後述する画像記録動作を開始する。
【0106】
次に、ブラック(K)、シアン(C)、マジェンタ(M)、イエロー(Y)の順に画像記録を行う場合について説明する。センサS4で用紙先端を検出して、その先端がブラックインクを噴射する記録ヘッドKに対向する位置まで用紙101を搬送して、キャリッジユニット4を往復走査させながらブラックインクのみを用紙101上に記録する。
【0107】
往復記録モードでは、キャリッジユニット4の往動作終了後、プラテンローラ501を間欠駆動させて用紙101先端がシアンインクを噴射する記録ヘッドCに対向する位置まで搬送する。そして、復動作時には、ブラックとシアンの2色のインクを用紙101に記録する。
【0108】
再び往動作へ移る前に、用紙101先端をマジェンタインクを噴射する記録ヘッドMに対向する位置まで搬送し、往動作では、ブラック、シアン、マジェンタの3色のインクを用紙101に記録する。
【0109】
次の復動作に移る前に、用紙101先端をイエローインクを噴射する記録ヘッドYに対向する位置まで搬送し、復動作では、4色全てのインクを用紙101に記録する。
【0110】
このような画像記録動作中、用紙101は、プラテンボード502に密着されながら、キャリッジユニット4の移動に同期させて間欠搬送された後、排紙ローラ対206にニップされる。
【0111】
このように、用紙101先端が排紙ローラ対206にニップされる以前から画像記録を開始できるため、用紙101の先端部分にできる非記録部分を最小限に留めることが可能となる。なお、画像記録の終了時には、上述した順番とは逆に、ブラックから印字を終了してゆき、最後にイエローの印字を終了させる。
【0112】
画像記録終了後、用紙101は、その切断境界部分がカッター205の位置に位置付けられるまで搬送される。このとき、キャリッジユニット4をホームポジションへ移動させると共に、各記録ヘッド表面に保護用キャップを被せた後、カッター205によって切断境界部分が切断される。
【0113】
このように、各記録ヘッド表面に保護用キャップを被せた後に切断処理が行われるため、切断時に生じる紙粉が各記録ヘッドの表面に付着することを防止することができる。
【0114】
次に、連続して異なる画像を共通の用紙101に連続的に記録する動作について説明する。最初の画像記録終了に続いて次の画像記録を開始する場合において、用紙101が、送り長さLずつ間欠的に搬送されると仮定する。このとき、送り長さLだけ用紙101を搬送する間に用紙101に既に記録されている記録画像領域の切断境界部分がカッター205の切断位置を通過してしまう場合には、用紙101は、送り長さLの長さ搬送しない。即ち、記録画像領域の切断境界部分が、カッター205の切断位置に位置付けられる長さa(a<L)だけ、用紙101の搬送が行われる。
【0115】
長さa(a<L)だけ用紙101が搬送されたとき、切断前にキャリッジユニット4をホームポジションへ退避させる。そして、各記録ヘッドを保護用キャップで保護した後、用紙101の切断境界部分の切断処理が行われる。
【0116】
切断処理後、周囲の紙粉が自由落下し、更に吸引手段504へ吸い込まれて除去されるまでの時間だけ装置の動作を休止させた後、用紙101を長さb(b=L−a)だけ搬送させる。この結果、用紙101は、送り長さLだけ搬送されたことになる。
【0117】
この後、各記録ヘッドから保護用キャップを外してから、再び、次の画像記録を開始させる。このように制御するこによって、異なる画像を連続して共通の用紙101に記録させることができるため、画像記録時間の短縮化が達成される。また、切断時には、各記録ヘッドに保護用キャップが被されるため、画像記録に支障を来すような紙粉が記録ヘッドに付着することもない。
【0118】
このような画像記録動作において、先後端余白無しモードの画像記録動作について説明する。この場合、画像形成装置の操作パネル(図示しない)によって、余白無しモードを選択する。
【0119】
余白無しモードでは、用紙101先端に予め余白を入れた位置から画像記録が開始される。この場合の余白の長さは、排出ローラ対206によって用紙101を排出することができる最小限の長さである。
【0120】
この余白無しモードにおいて、画像記録の開始位置に合わせて先端余白部分をカッター205で切断することになる。この場合も、従来の用紙後端切断シーケンスと同様に、送り長さLに対して、まず、長さa(a<L)だけ搬送して画像先端位置を切断した後、残りの長さb(b=L−a)だけ搬送する。そして、切断中は、キャリッジユニット4をホームポジションへ退避させ、用紙101の後端余白部分も画像記録領域の終了位置に合わせて切断する。ただし、次の画像記録用の用紙101の先端部分には、用紙搬送時の誤差によって、多少前の画像がはみ出すことがある。この場合には、次の画像記録用の用紙101の先端部分に余白を設けて、この余白部分を切断する。この結果、はみ出し記録された画像は余白と共に除去されることになる。しかしながら、この場合、記録画像領域の先後端の用紙101には、はみ出し記録画像を除去するための無駄紙が生じることになる。
【0121】
次に、第2及び第3のロール紙102,103に画像を同時に記録する動作について図6を参照して説明する。プロッター等では、入力された画像のサイズに応じてオートレイアウト機能と呼ばれる機能によって、入力された画像をサイズ毎に並べ替え、効率よく印字するのが一般的である。
【0122】
本実施例では、幅594mmの第2のロール紙102に対してA2サイズとA1サイズの画像を記録し、同時に、幅297mmの第3のロール紙103に対してA4サイズとA3サイズの画像を記録する。
【0123】
図6に示すように、第2及び第3のロール紙から搬送された各用紙102,103には、符号A〜Fで示された各サイズの画像が各用紙1枚毎に記録されている。なお、図中点線部分は、カッター205によって切断される切断境界部分を示している。
【0124】
画像記録に先立って、前述の方法で用紙102,103の先端の傾斜状態等が夫々別個にチェック(スキュー検知)される。そして、夫々の先端位置と画像記録との関係が用紙102,103に対して一定状態となるように、画像記録データが補正される。
【0125】
このように、各用紙102,103に対して複数の画像を同時に記録することによって、キャリッジユニット4の移動端部での停止時間が相対的に節約されるため、記録時間の短縮化が達成される。
【0126】
このように記録された記録画像の切断境界部分がカッター205の切断位置を通過してしまうときには、上述した動作と同様に、通常の一定の送り量を一度に送らずに、まず、切断境界部分がカッター205の切断位置に位置付けられるまで用紙102,103を搬送する。
【0127】
そして、用紙102又は103の切断境界部分がカッター205の切断位置に位置付けられた際、間隙部Lに配置された移動刃205bを動作させて、切断すべき用紙の切断境界部分を切断する。この後、残り量だけ用紙102,103を搬送する。この結果、用紙102,103は、一定の送り量だけ搬送されることになる。ここで、一定量とは、切断がなされない時の送り量である。
【0128】
なお、同時に搬送されている用紙102,103のうち、切断すべき用紙のみにカッター205が作用するように、カッター205の移動刃205b(図13参照)は、2本の用紙102,103との間の間隙部Lに配置されている。そして、この間隙部Lから移動刃205bを一方に移動させることにより用紙102を切断し、また、他方に移動させることにより用紙103を切断するように構成されている。
【0129】
これに対して、用紙幅方向を往復動するタイプのカッター205を用いた場合には、カッター205の移動刃205bの位置を検知して間隙部Lの間で一旦停止させる。なお、最大幅の用紙101を切断する場合には、その用紙幅の外側に刃を停止させればよい。
【0130】
また、カッター205が例えばキャリッジユニット4に取り付けられており、選択的に用紙経路へ刃が出入りして用紙を切断するタイプでは、切断の必要がある用紙102又は103に対してのみ選択的に刃を作用させればよい。
【0131】
このようにオートレイアウト機能を働かせ複数の用紙102,103に同時に画像記録を行う場合、各用紙毎に次の切断境界部分までの送り長さを画像記録前に計算する。送り長さの差が一定値以下の場合には同時に画像形成を行うが、一定値を越える場合には同時記録は行わない。このように制御することで、片方の用紙のみにしか画像が記録されない状態で両方の用紙が長く搬送されることを防止している。
【0132】
次に、上述したように所定のサイズの画像が記録され、カッター205によって切断された用紙の処理を行う処理ステーション3について説明する。図1に示すように、処理ステーション3は、排紙ローラ対206の下方に配置されており、用紙101,102,103を載置可能なテーブル301を備えている。このテーブル301は、用紙搬送方向T(後述する搬送ガイド303)に対して鋭角を成すように、操作面側Zの一端が持ち上がって配置されている。
【0133】
また、処理ステーション3には、排紙ローラ対206から排紙された用紙101,102,103をほぼ真下に向って案内する搬送ガイド303と、この搬送ガイド303の用紙搬送側とは反対側に用紙幅方向に亘って設けられた複数個のファン304と、搬送ガイド303の下端に回動自在に設けられたニップローラ302とが設けられている。
【0134】
また、テーブル301は、その操作面側Zの一端が回動自在に支持されており、ニップローラ302近傍に延出した先端が、その下方に配置された付勢バネ306によってニップローラ302方向へ付勢されている。この結果、テーブル301は、その先端上面が常時ニップローラ302に圧接されている。
【0135】
また、特に図19に示すように、テーブル301が圧接しているニップローラ302の接点を通る接線と直交するように、テーブル301の先端近傍には、円弧形状のスットパ305が配置されている。
【0136】
図10(a)に示すように、画像記録済みの用紙101又は102及び103は、排紙ローラ対206によって排紙された後、用紙の非記録面側が搬送ガイド303に案内されて下方へ降りて行く。なお、用紙は、ロール紙なので先端は巻き癖で搬送ガイド303側へ若干カールしている。
【0137】
図10(b)に示すように、用紙の先端が搬送ガイド303から外れると、先端は、そのカールも手伝って、テーブル301とニップローラ302の接触部分に当接する。そして、充分に用紙先端が当接したタイミングでニップローラ302を図示しない駆動モータで僅かに回転させる。なお、このときの回転量は、用紙先端が、ニップローラ302とテーブル301との間にニップされ且つ先端がストッパ305へ当接する量であれば足りる。
【0138】
用紙先端が、ストッパ305へ当接して停止した後、用紙とニップローラ302とは相対的にスリップ状態となる。なお、ニップローラ302の摩擦係数は、用紙間の摩擦係数よりも僅かに大きく設定されているため、用紙が座屈することはない。
【0139】
用紙先端がストッパ305に当接した後も、用紙後端は、順次記録搬送されるため、所定量の記録が終了するときには、用紙中央部は搬送ガイド303から離れてループを形成する。
【0140】
10(c)に示すように、用紙先端がニップローラ302にニップされてから、用紙後端がカッター205で切断されて排紙ローラ対206を離れて収納されるまでの間で、搬送ガイド303に設けられたファン304が駆動され、その風圧によって用紙後端は、テーブル301の一端側へ押し出される。
【0141】
図10(d)に示すように、特に、長い用紙では、用紙後端がテーブル301から下方へ垂下し、先端はニップローラ302に挟まれて保持される。図10(e)に示すように、上述した動作が順次繰り返されることによって、テーブル301上には、用紙先端がニップローラ302に挟まれた用紙が順次積載されてゆく。
【0142】
このとき、テーブル301は、積載された複数枚の用紙の厚みに対応して、順次押し下げられるが、付勢バネ306は、テーブル301上に積載された複数枚の用紙の厚みに対応する重量及び複数枚の用紙後端が垂下した部分が落下しないように保持する力量以上の付勢力を有している。
【0143】
本実施例に適用されたテーブル301は、少なくとも用紙102,103の境界で分断され、夫々テーブル301が独立して付勢されている。従って、例えばロール紙103が多く使用され、ロール紙102が少量しか使用されない場合でも、テーブル301上に積載された夫々の用紙上面は、互いにほぼ同じ位置に位置付けられる。従って、積載された用紙102,103の上に続いてロール紙101のような幅広の用紙を積載する場合でも、用紙102,103の上面がほぼ同じ位置にあるため、用紙101は、支障なく安定して載置される。また、このようなテーブル301には、長さが異なる用紙を順次積載できるという利点がある。更に、用紙後端をファン304の風圧で用紙積載位置から押し出すようにしたことにより、用紙後端が次の積載紙先端の邪魔になることもない。
【0144】
次に、本実施例の変形例に係る処理ステーション3について、図11及び図12を参照して説明する。図11に示すように、本変形例の処理ステーション3は、排紙ローラ対206の下方に、用紙サイズ毎に記録済み用紙を収納する複数の排紙トレイを備えており、排紙ローラ対206に対して操作側Z方向(図中矢印方向)へ水平往復移動自在に構成されている。
【0145】
各排紙トレイは、夫々、所定角度だけ傾斜して配置されており、排紙ローラ対206に対向する一端側に用紙の収納口が、そして、他端側に用紙の取出口が設けられている。
【0146】
図12に示すように、これら排紙トレイにおいて、例えば幅297mmの用紙103からA4及びA3サイズの記録済み用紙が切断された場合、操作面側Zに設けられた排紙トレイ601がA4サイズの用紙を、そして、操作面側Zから見て排紙トレイ601の奥側に設けられた排紙トレイ602が、A3サイズの用紙を収納するように構成されている。また、例えば幅594mmの用紙102から切断されたA2サイズの用紙は、排紙トレイ602の用紙幅方向に並列配置された排紙トレイ603に収納されるように構成されている。更に、例えば幅841mmの用紙101からA1及びA0サイズの用紙が切断された場合、これらA1及びA0サイズの用紙は、並列配置された排紙トレイ602,603の奥側に設けられた排紙トレイ604に収納されるように構成されている。
【0147】
このため、処理ステーション3は、排紙される用紙のサイズに合わせて、排紙ローラ対206の下方に所望サイズの排紙トレイが位置付けられるように、所定方向に所定量だけ移動制御されている。
【0148】
また、A1及びA0サイズの用紙を収納する排紙トレイ604は、その深さがA1サイズ用に設計されている。このため、A0サイズの用紙を収納する場合には、その用紙先端が、排紙トレイ604の底部へ到達した後、排紙動作と同期して、処理ステーション3を操作面側Zへ順次移動させて、用紙後端を排紙トレイ604の収納口から下方へ垂下するように排紙制御が成される。この結果、A0サイズの用紙は、ほぼ2つ折り状態になって収納されるため、排紙トレイ604の収納口には、用紙にダメージを与えないような円弧形状部604bが設けられている。なお、各排紙トレイの取出口には、用紙押え605が設けられている。
【0149】
また、各排紙トレイは、操作面側Zから見て手前側から奥側へ向うに従って、大きなサイズの用紙を収納できるように配置されているため、夫々の排紙トレイ下端に設けられた用紙取出口は、全て操作面側Zに対面露出している。このため、用紙を収納中であっても、処理ステーション3を移動させることなく、所望サイズの用紙を取り出すことができる。また、装置にセットされる第1ないし第3のロール紙101,102,103の配置に合わせて用紙幅方向へ各排紙トレイを並べたため、処理ステーション3の奥行き寸法を薄くすることが可能となる。この結果、処理ステーション3を移動させる量も少なくてすみ、装置から突出して移動することがないので、装置の前の歩行等に障害を与えることもない。
【0150】
次に、紙詰りを除去する動作について説明する。図15に示すように、本実施例の画像形成装置の給紙ステーション1には、第1ないし第3のロール紙101,102,103が配置され、その全てのロール紙がトップカバー801内に収まっている。
【0151】
トップカバー801は、操作面側Zから見て装置奥方が回動自在に支持されており、装置手前が開放可能に構成されている。また、記録ステーション2には、プラテンボード502と対向した操作面側Zに、その下部を中心に開放可能に構成されたフロントカバー802が配置されている。
【0152】
また、トップカバー801内には、図16に示すように、第1のフレーム201の外側に設けられたリンク機構211を介して各ロール紙101,102,103の側方にレバー212が延出している。このレバー212は、リンク機構211を介してガイドバー208に連結されているため、トップカバー801を開放した後、レバー212を操作することによって、駆動ピンチローラ507をプラテンローラ501から離間させることができる(図17参照)。この結果、上記各用紙は、その上流側が各給紙ローラ104,105,106と各ピンチローラ107,108,109によってニップされ、その下流側が排紙ローラ対206でニップされた状態になる。
【0153】
排紙ローラ対206のニップ力は、他のローラ(図示しない)の搬送力に比べて極めて小さい。従って、紙詰りを起こしたロール紙の給紙ローラを手動で逆回転させることによって、紙詰りを起こしている用紙先端をロール紙へ簡単に引き戻すことができる。
【0154】
また、第1ないし第3の案内ガイド118,119,120を付勢バネ118b,119b,120b(図13及び図14参照)の付勢力に抗して押し下げることによって、給紙ローラとピンチローラによって用紙に作用しているニップ力を解除させることが可能である。この結果、紙詰りを起こしている用紙先端をロール紙へ簡単に引き戻すことができる。
【0155】
この場合、第1の案内ガイド118と第1の固定ガイド122によって形成される第1搬送経路(図13参照)は、トップカバー801を開くことによって、操作側Z″(図15参照)から直接目視することができる。また、第2の案内ガイド119と第2の固定ガイド121によって形成される第2搬送経路(図13参照)、及び、第3の案内ガイド120と第2の固定ガイド121によって形成される第3搬送経路(図14参照)は、トップカバー801を開くことによって、装置上方L(図15参照)から直接目視することができる。
【0156】
従って、上述したような紙詰りが生じた場合にも、目視確認しながら容易且つ確実に用紙を除去することができる。また、記録ステーション2のキャリッジユニット4は、紙詰り発生時、第1のフレーム201の外側に設けられたホームポジション(図17参照)へ退避するように制御されている。従って、フロントカバー802(図15参照)を開くことによって、プラテンボード502近傍を操作面側Zから直接目視しながら、紙詰り除去処理を行うことができる。
【0157】
また、本実施例に適用された処理ステーション3(図15参照)において、排紙ローラ対206の下流側であって且つ搬送ガイド303と対面する下部操作面側Z′には、装置構成部材が配置されていないため、下部操作側Z′から容易に紙詰まり処理を行うことができる。
【0158】
一方、本実施例の変形例に係る処理ステーション3(図11及び図12参照)は、紙詰り発生時、処理ステーション3全体が通常の移動距離を越えて、装置奥方へ退避するように制御されている。この場合、最も操作面側に接近させて配置された排紙トレイ601が、排紙ローラ対206の奥方へ退避するため、排紙ローラ対206の下流側における紙詰り除去処理を容易に行うことが可能となる。更に、各排紙トレイ内で紙詰りが発生した場合でも、図示しない操作パネルからの指令によって、処理ステーション3全体を操作面側へ通常の移動範囲を越えて引き出すことができる。この結果、各排紙トレイの収納口を直接目視しながら、各排紙トレイ内の紙詰り除去処理を容易に行うことが可能となる。
なお、本明細書には、以下のような課題が提起されている。
【0159】
1.従来の画像形成装置では、その操作側に3段の引出式トレイを設けるための多大なスペースが必要であると共に、操作側の大部分の領域がこれら引出式トレイによって占有されてしまうといった不具合もある。この結果、画像記録済みのシートの排出側を操作側とは反対側の非操作側に設けなければならないため、装置の一方向(操作側)からの操作が困難になるといった問題が発生する。
【0160】
2.また、従来の画像形成装置では、シート詰まりが発生した場合、対応する引出式トレイを引き出さねばならず手間がかかると共に、引出式トレイを引き出す際にシートが途中でちぎれたりする不具合が生じる。仮に対応する引出式トレイが引き出せたとしてもシートがニップされている部分を解除するために、装置の非操作側へ回ってシート詰まり処理用扉を開ける必要が生じ煩雑であった。
【0161】
3.このような不具合を無くすために各引出式トレイに切断手段を備えることも考えられるが、装置の大型化とコストアップを招くといった問題もある。更に、各引出式トレイを全て引き出すと、装置の安定性も悪くなる。
【0162】
4.これらの対策として、装置を各引出式トレイを同時に引き出せない構成にすることも考えられるが、これでは装置の操作性が悪くなる。また、従来の画像形成装置では、重たいシートロールを装置下部の引出式トレイにセットしているために、装着姿勢に無理があると共に、シートロールのセットに際し使用者に負担を強いる構成となっている。更に、引出式トレイを設けたことによって、記録部までのシート搬送距離が長くなるため、シートが記録部へ達するまでの所要時間がかかると共に、記録部を通過する際のシート位置に誤差が顕著に現れるといった問題もある。
【0163】
5.更に、従来の画像形成装置によれば、シートを僅かに往復搬送させながら、シート検出手段によってシートの側端位置を複数箇所検出して、シートが斜行しているか否かを判断しているが、搬送方向へのシート移動長さは、そのシートの幅寸法と比較して僅かな量である。このため斜行を高精度に検出することが困難であった。しかも、斜行検出後においてシート幅方向長さが適正であるかを検出する際には、記録手段がシートの上を移動することになる。このため、シートにたるみ等が生じている場合には記録手段がシートに接触することによって、記録手段が損傷してしまう場合もある。
【0164】
6.また、従来の画像形成装置にインクジェット記録方式が用いられている場合には、記録手段の記録ヘッドとシートとの間隔を一定に維持させないと、記録ヘッドからシートへインク滴が到達するまでの時間にバラツキが生じる。キャリッジは、移動しながら印字動作を行うように制御されているため、上述したようなバラツキが生じた場合には、インク滴がシートに着滴する位置精度が悪くなる。
【0165】
7.また、従来の画像形成装置において、プラテンローラやその下流側のガイドをプラテン面として記録が行われているが、記録手段の記録幅が大きく且つ高速記録を目指す場合には、プラテンローラの曲率を無視することができないため、大きな直径のプラテンローラが必要になる。この結果、このプラテンローラを収容するための多大なスペースが必要になり、装置が大型化してしまう。
【0166】
8.また、下流のガイドでシートを支持する場合には、シートがガイドから浮いてしまったりする場合がある。また、このガイドを幅全体に亘って一定精度に維持させることは、部品精度の問題や使用環境による熱膨脹の問題等が影響するため困難であった。例えば、ベルトにシートを吸着して搬送する方式では、シートの慣性等の影響によって、シートをベルトに滑り無く吸着させることは困難であった。更に、ベルトの搬送がスリップ等で一定しないという問題もあった。また、例えば、吸引ボックスにシートを吸着させてプラテンボードを構成する方式では、シート搬送時に搬送されるシートに負荷がかかるため、搬送中にシートが座屈してしまう場合がある。また、記録部下流側でもシートを搬送させる場合には、シートが下流側搬送手段へ到達するまで画像記録を行うことができないために記録効率が悪くなると共に、シート先端に未記録部分が生じるため、有効記録領域が制限されてしまうといった問題もある。
【0167】
9.また、キャリッジを往復動させながら記録を行う方式の画像形成装置において、搬送されるシート幅が狭い場合には、シート端部でキャリッジが反転する際に要する時間が、実際の記録時間に対して長くなってしまうため、効率的に画像記録を行うことができなかった。
【0168】
10.また、記録済みのシートをソータ等でサイズ毎に分けて収納するタイプの画像形成装置では、シートサイズが大きい場合には、ソーター自身の占有スペースが多大になり、実際の使用には不便であった。一方、ストッカへ落下させて収納するタイプでは、上から落下してきたシートの重さで下側のシートがつぶされて、シワが寄ったりするといった問題があった。
【0169】
11.また、インクジェット方式のシートは、コート紙を主に使用されるが、このコート紙は切断特に紙粉が発生し易い。特に、コート紙の切断面近傍やカッタにはたくさんの紙粉が付着することになるため、切断時や切断後に巻き戻されたときや再度給紙されたときに、この紙粉が装置内に舞って、記録ヘッドに付着してしまうといった問題が発生する。このように記録ヘッドに紙粉が付着するとインクの噴射が正常に行われなくなるが、特に記録部の上方に切断手段を有する装置ではかかる紙粉の問題は顕著に現れる。
【0170】
なお、本明細書には、以下のような発明が含まれる。
1. 画像形成済みシートを鉛直下方へ案内するガイドと、このガイドの下方に配置された回転部材と、前記ガイドに対して鋭角を成すように、一端を揺動中心として先端が回転部材に付勢されるテーブルと、このテーブルの揺動範囲に亘って設けられており、前記テーブルの先端に対して湾曲形状を成す停止部材とを備えており、前記回転部材を駆動させて前記シートの先端を前記停止部材に突き当てた状態で、前記回転部材と前記テーブルとの間に前記シートの先端を挟持することを特徴とするシート処理装置。
【0171】
(構成)図1及び図10に示すように、ガイドは、排紙ローラ対206から排紙された用紙101,102,103をほぼ真下に向って案内する搬送ガイド303が該当し、回転部材は、搬送ガイド303の下端に回動自在に設けられたニップローラ302が該当する。また、テーブルは、その操作面側Zの一端が回動自在に支持されており、ニップローラ302近傍に延出した先端が、その下方に配置された付勢バネ306によってニップローラ302方向へ付勢されたテーブル301が該当し、停止部材は、図19に示すように、テーブル301が圧接しているニップローラ302の接点を通る接線と直交するように、テーブル301の先端近傍に配置された円弧形状のスットパ305が該当する。
【0172】
(作用・効果)回転部材を駆動させてシートの先端を停止部材に突き当てることによって、シートの先端は、回転部材とテーブルとの間に挟持される。この結果、排紙されたシートを安定してテーブル上に積載させることができる。
【0173】
1−1. 前記ガイドと前記テーブルに囲まれた空間が操作側へ開放されていることを特徴とする上記1に記載のシート処理装置。
(構成作用・効果)図15に示すように、処理ステーション3において、排紙ローラ対206の下流側であって且つ搬送ガイド303と対面する下部操作面側Z′には、装置構成部材が配置されていないため、下部操作側Z′から容易に紙詰まり処理を行うことができる。
【0174】
1−2. 前記ガイドには、前記シートを前記テーブルの揺動中心方向へ押し出すように、前記ガイドに沿って案内される前記シートに所定の風圧を与える送風手段が設けられていることを特徴とする上記1又は1−1に記載のシート処理装置。
【0175】
(構成)図1及び図10に示すように、送風手段は、ファン304が該当する。
(作用・効果)用紙後端をファン304の風圧で用紙積載位置から押し出すようにしたことにより、用紙後端が次の積載紙先端の邪魔になることもない。
【0176】
1−3. 前記テーブルは、前記シートの幅方向に分割された複数のテーブルから構成されており、これら複数のテーブルは、夫々独立して回転部材へ付勢されていることを特徴とする上記1,1−1,1−2のいずれか1に記載のシート処理装置。
【0177】
(構成作用・効果)テーブル301は、少なくとも用紙102,103の境界で分断され、夫々テーブル301が独立して付勢されている。従って、例えばロール紙103が多く使用され、ロール紙102が少量しか使用されない場合でも、テーブル301上に積載された夫々の用紙上面は、互いにほぼ同じ位置に位置付けられる。従って、積載された用紙102,103の上に続いてロール紙101のような幅広の用紙を積載する場合でも、用紙102,103の上面がほぼ同じ位置にあるため、用紙101は、支障なく安定して載置される。また、このようなテーブル301には、長さが異なる用紙を順次積載できるという利点がある。
【0178】
2. シートに画像を記録する記録ステーションと、この記録ステーションの排紙口を介してシートを処理ステーションへ搬送する搬送手段を有する画像形成装置において、前記処理ステーションは、前記記録ステーションの前記排紙口から排紙される前記シートに直交する方向に移動可能な複数の排紙トレイによって構成されており、これら複数の排紙トレイには、夫々、前記排紙口から排紙される前記シートの取入口が前記排紙口に対面して設けられていることを特徴とするシート処理装置。
【0179】
(構成)図11及び図12に示すように、処理ステーション3は、排紙ローラ対206の下方に、用紙サイズ毎に記録済み用紙を収納する複数の排紙トレイを備えており、排紙ローラ対206に対して操作側Z方向(図中矢印方向)へ水平往復移動自在に構成されている。各排紙トレイは、夫々、所定角度だけ傾斜して配置されており、排紙ローラ対206に対向する一端側に用紙の収納口が、そして、他端側に用紙の取出口が設けられている。このような処理ステーション3は、排紙される用紙のサイズに合わせて、排紙ローラ対206の下方に所望サイズの排紙トレイが位置付けられるように、所定方向に所定量だけ移動制御されている。
【0180】
(作用・効果)処理ステーションをシートに直交する方向に移動させることによって、複数の排紙トレイの夫々の取入口を順次記録ステーションの排紙口に対面させることができ、効率よくシートの排紙後の処理を行うことができる。
【0181】
2−1. 複数の異なる幅のシートをその幅方向に所定間隔を隔てて保持し、記録ステーションへ給紙する給紙ステーションと、記録ステーションを介して排紙される記録済みシートを収納する処理ステーションとを有しており、前記処理ステーションは、前記記録ステーションの前記排紙口から排紙される前記シートに直交する方向に移動可能な複数の排紙トレイによって構成されており、これら排紙トレイは、同じシート幅でサイズが異なるシートの排紙トレイを処理ステーションの移動方向に配置して構成されていることを特徴とする上記2に記載のシート処理装置。
【0182】
(構成)図12に示すように、複数の排紙トレイにおいて、例えば幅297mmの用紙103からA4及びA3サイズの記録済み用紙が切断された場合、操作面側Zに設けられた排紙トレイ601がA4サイズの用紙を、そして、操作面側Zから見て排紙トレイ601の奥側に設けられた排紙トレイ602が、A3サイズの用紙を収納するように構成されている。また、例えば幅594mmの用紙102から切断されたA2サイズの用紙は、排紙トレイ602の用紙幅方向に並列配置された排紙トレイ603に収納されるように構成されている。更に、例えば幅841mmの用紙101からA1及びA0サイズの用紙が切断された場合、これらA1及びA0サイズの用紙は、並列配置された排紙トレイ602,603の奥側に設けられた排紙トレイ604に収納されるように構成されている。
【0183】
(作用・効果)上記2と同様である。
2−2. 前記処理ステーションの排紙トレイの中で、最大幅のシートを収納する排紙トレイが、処理ステーション移動方向端部に配置され、トレイ長よりも短いシートと同じ幅でトレイ長よりも長いシートの両サイズを兼用収納可能であり、トレイ長よりも長いサイズのシートを収納する場合には、収納の途中で処理ステーション移動手段によって処理ステーションを移動させる制御手段とを持ち、シート後端をトレイの外に垂下収納することを特徴とする上記2又は2−1に記載のシート処理装置。
【0184】
(構成)図11及び図12に示すように、A1及びA0サイズの用紙を収納する排紙トレイ604は、その深さがA1サイズ用に設計されている。このため、A0サイズの用紙を収納する場合には、その用紙先端が、排紙トレイ604の底部へ到達した後、排紙動作と同期して、処理ステーション3を操作面側Zへ順次移動させて、用紙後端を排紙トレイ604の収納口から下方へ垂下するように排紙制御が成される。この結果、A0サイズの用紙は、ほぼ2つ折り状態になって収納されるため、排紙トレイ604の収納口には、用紙にダメージを与えないような円弧形状部604bが設けられている。なお、各排紙トレイの取出口には、用紙押え605が設けられている。
【0185】
(作用・効果)上記2と同様である。
2−3. 前記複数のトレイは、傾斜配置されると共に、各トレイのシート取出口をシート取入口の他端に有し、各トレイのシート取出口は、装置の同一側面に配置されている上記2,2−1,2−2のいずれか1に記載のシート処理装置。
【0186】
(構成)上記2と同様である。
(作用・効果)各トレイのシート取出口が同一側面にあるため、シートをトレイに収納中であっても、トレイを移動させることなく、例えば操作面側から各トレイのシート取り出しが可能である。
【0188】
【発明の効果】
本発明に従ったシート処理装置によれば、処理ステーションの複数の排紙トレイを水平方向に移動させることによって、複数の排紙トレイの中から、記録ステーションから搬送されるシートの幅に対応した幅を有する排紙トレイを、記録ステーションからシート排紙口に対面させることができるので、排紙される画像記録済みのシートをその幅に対応した幅の排紙トレイに安定して収納させることができ、効率的に処理することが可能となる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る画像形成装置の全体の構成を概略的に示す図。
【図2】第1ないし第3のロール紙が、給紙ステーションにセットされた状態を示し斜視図。
【図3】(a)〜(c)は、夫々、給紙ステーションにセットされる複数のロール紙のバリエーションを示す平面図。
【図4】第1のロール紙が第1の給紙ローラ上に位置決めセットされた状態を示す部分断面図。
【図5】記録ステーションに設けられた吸引チャンバの構成を示す分解斜視図。
【図6】複数のロール紙に同時に画像を記録する際の動作説明図。
【図7】キャリッジユニットがホームポジションに位置付けられている状態を示す図。
【図8】キャリッジユニットの位置検出回路の構成を概略的に示す斜視図。
【図9】キャリッジユニットのセンサによって用紙姿勢を測定する際の動作説明図。
【図10】(a)〜(e)は、順に、処理ステーションにおける用紙の排処理の各工程を示す図。
【図11】変形例に係る処理ステーションの構成を示す側面図。
【図12】図11の処理ステーションの斜視図。
【図13】給紙ステーションと記録ステーションの内部構成を示す断面図。
【図14】給紙ステーションと記録ステーションとの合流部周囲の構成を示す断面図。
【図15】トップカバー及びフロントカバーが開かれて内部が露出している状態を示す部分断面図。
【図16】合流部近傍に設けられたガイドバーの一端がリンク機構を介してレバーに接続されている状態を示す部分断面図。
【図17】図16に示す構成の側面図であって、レバー操作によって駆動ピンチローラがプラテンローラに接離している状態を示す図。
【図18】(a)は、駆動ピンチローラがプラテンローラに接触している状態を示す断面図、(b)は、駆動ピンチローラがプラテンローラから離れている状態を示す断面図。
【図19】処理ステーションに設けられたニップローラとテーブルとストッパとの位置関係が部分的に示された斜視図。
【符号の説明】
206…排紙ローラ対、301…テーブル、302…ニップローラ、304…ファン、305…ストッパ、306…付勢バネ、Z…操作面側。

Claims (5)

  1. 幅が異なる複数のシートを配置可能な給紙ステーションと;
    前記給紙ステーションの下方に配置されていて、前記給紙ステーションから搬出されたシートに画像を記録する記録ステーションと;
    前記記録ステーションにおいて画像が記録されたシートを所定の搬送量で切断するカッターと;そして、
    前記記録ステーションの下方に配置されていて、前記カッターにより切断された画像記録済みシートを収納する処理ステーションと;
    を備えるシート処理装置において
    前記処理ステーション
    前記給紙ステーションに配置される、幅が異なる複数のシートに対応し、当該複数のシートをそれぞれ収納可能とする、幅が異なる複数の排紙トレイを具備し
    前記複数の排紙トレイのうち、画像記録済みのシートの幅に対応した幅の所望の排紙トレイに上記画像記録済みのシートを収納させることができるように、水平方向に移動可能に構成されている、
    ことを特徴とするシート処理装置。
  2. 前記処理ステーションは、前記複数の排紙トレイのうち、前記カッターによって異なる搬送量で切断された、同じ幅でありかつサイズが異なる複数のシートを収納する複数の排紙トレイを具備する、ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
  3. 前記複数の排紙トレイは前記給紙ステーションにおける複数のシートの配置位置に応じて、シート幅方向に並べて配置された、ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
  4. 前記給紙ステーションにおいて前記異なる幅の複数のシートはその幅方向に重ならない間隔を保ち配置されており、前記処理ステーションの前記複数の排紙トレイは前記幅方向に並列配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
  5. 同じ幅で且つサイズが異なる複数のシートを収納する、サイズの異なる複数の排紙トレイのそれぞれには、その下端にシート取出口が設けられ、当該各排紙トレイのシート取出口は同一の方向を向いている、ことを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
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