JP3833806B2

JP3833806B2 - Axle drive

Info

Publication number: JP3833806B2
Application number: JP896898A
Authority: JP
Inventors: 宣広石井
Original assignee: Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority date: 1998-01-20
Filing date: 1998-01-20
Publication date: 2006-10-18
Anticipated expiration: 2018-01-20
Also published as: JPH11210862A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハウジング内にＨＳＴと車軸と該車軸への動力伝動機構を一体的に備えた車軸駆動装置において、ＰＴＯ伝動系を同一ハウジング内にコンパクトに収納するための構成に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、ハウジング内にＨＳＴと、車軸と、該ＨＳＴと車軸とを互いに連動連結する動力伝達機構を収納した技術は公知となっており、該ＨＳＴは、センタセクション上に油圧ポンプと油圧モータを左右方向に沿わせて配置し、該ＨＳＴの入力軸、即ち、ポンプ軸は垂直方向に配置され、ＨＳＴの出力軸、即ち、モータ軸は水平方向に配置され、車軸と平行に配置されていたのである。例えば、アメリカ特許第５４５６０６８号の技術である。また、ＰＴＯユニットを車軸駆動装置に取り付けた技術はアメリカ特許第５３６７８７７号や第５５１５６７７号に開示されているが、ハウジング後面に外付けされて突出していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように、ＨＳＴの入力軸が垂直方向に配置されていると、ハウジングは上下方向の長さは短く、前後または左右方向に長くなるのであるが、入力軸は上方に突出しなければならないので、ハウジングの上方にはプーリーまたはスプロケットを配置するための一定の空間が必要となるのである。そして、ＰＴＯ軸を設ける場合、入力軸は垂直方向にあり、ＰＴＯ軸は水平方向に設ける必要があるために、ベベルギア等によって方向を変更する必要があり、それらのギアトレーンを収納するためにハウジングが大きくなったり、ＰＴＯ軸を付設するためのケースがハウジング後方へ突出した構成となり、大きなスペースを必要としていたのである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を用いるものである。
請求項１においては、前後方向に沿う回転軸線を有する入力軸（６）と、左右方向に沿う回転軸線を有する車軸（７Ｌ・７Ｒ）と、前後方向に沿う回転軸線を有するＰＴＯ軸（９）とを収容するハウジングであって、該ハウジングは、少なくとも二つのハウジングを前後方向に連設してなり、その内部における前側に前記入力軸（６）により駆動されるＨＳＴと、該ＨＳＴの出力を前記車軸に伝える動力伝達手段を、また、後側に前記入力軸（６）の動力を前記ＰＴＯ軸（９）に動力を伝える動力伝達手段を、それぞれ独立させて収容し、前記ＨＳＴを、前記入力軸（６）に連結される油圧ポンプ（Ｐ）と、前記車軸（７Ｌ・７Ｒ）に連結される油圧モータ（Ｍ）と、前記油圧ポンプ（Ｐ）と油圧モータ（Ｍ）とを設置して流体的に接続するセンタセクション（５）より構成し、前記油圧モータ（Ｍ）の回転軸線を前記車軸（７Ｌ・７Ｒ）の回転軸線と平行に配置すると共に、車軸（７Ｌ・７Ｒ）の上方で油圧ポンプ（Ｐ）と油圧モータ（Ｍ）を上下方向に配列し、前記油圧モータ（Ｍ）と前記車軸（７Ｌ・７Ｒ）との間に、前記油圧ポンプ（Ｐ）を配置したものである。
【０００５】
請求項２においては、請求項１記載の車軸駆動装置において、該ハウジングは前ハウジングメンバ（１）と中央ハウジングメンバ（２）と後ハウジングメンバ（３）を前後に連設し、該前ハウジングメンバ（１）と中央ハウジングメンバ（２）の内部に第一の部屋（Ｒ１）及び第二の部屋（Ｒ２）を形成し、中央ハウジングメンバ（２）と後ハウジングメンバ（３）の内部に第三の部屋（Ｒ３）を形成し、前記第一の部屋（Ｒ１）に前記入力軸（６）により駆動されるＨＳＴを収容し、第二の部屋（Ｒ２）にＨＳＴの出力を車軸（７Ｌ・７Ｒに）伝える動力伝達手段を収容し、第三の部屋（Ｒ３）に、前記入力軸（６）よりＰＴＯ軸（９）に動力を伝える動力伝達手段を収容したものである。
【０００６】
請求項３においては、請求項１記載の車軸駆動装置において、前記ＰＴＯ軸（９）を前記車軸（７Ｌ・７Ｒ）の近傍に配置すると共に、前記油圧モータ（Ｍ）と前記車軸（７Ｌ・７Ｒ）とを連結するための前記動力伝達手段と、前記入力軸（６）よりＰＴＯ軸（９）に動力を伝える動力伝達手段を側面視でオーバーラップさせたものである。
【０００７】
請求項４においては、請求項２記載の車軸駆動装置において、前記第二の部屋（Ｒ２）に対し前記第三の部屋（Ｒ３）もしくは第一の部屋（Ｒ１）を油流通自在に構成し、前記第一の部屋（Ｒ１）と前記第二の部屋（Ｒ２）内とは、油フィルター（１８）を介して油流通自在としたものである。
【０００８】
請求項５においては、請求項２記載の車軸駆動装置において、前記ＰＴＯ軸（９）への動力伝達手段は、前記入力軸（６）から前記ＰＴＯ軸（９）への動力伝達を断接可能な油圧クラッチ（８８）を備えると共に、前記ハウジング内に、前記入力軸（６）によって駆動され前記油圧クラッチ（８８）に対し作動油を供給する油圧ポンプ（４５）を配置し、前記油圧ポンプ（４５）から吐出された圧油の一部を、前記ＨＳＴの作動油としたものである。
【０００９】
請求項６においては、請求項５記載の車軸駆動装置において、前記中央ハウジングメンバ（２）に、前記第一の部屋（Ｒ１）側へ凹入する凹部（２ｂ）を形成し、前記第三の部屋（Ｒ３）内に位置する前記油圧クラッチ（８８）を前記凹部（２ｂ）内に臨ませたものである。
【００１０】
請求項７においては、請求項１記載の車軸駆動装置において、前記ハウジングメンバのいずれかにアクスルハウジングを一体形成し、該アクスルハウジングの端部に四輪操舵用のステアリングケース（１２０）を装着したものである。
【００１１】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の車軸駆動装置をトラクタに装着した実施の形態を説明する。
図１は本発明の車軸駆動装置を装備したトラクタの全体側面図、図２は車軸駆動装置の側面図、図３は図２におけるＡ−Ａ矢視断面図、図４は図３におけるＢ−Ｂ矢視断面図、図５はセンタセクションの正面図、図６は同じく側面図、図７は図５におけるＣ−Ｃ矢視断面図、図８は油圧回路図、図９は図３におけるＤ−Ｄ矢視断面図、図１０は図４に於けるＥ−Ｅ矢視断面図、図１１は図１０におけるＦ−Ｆ矢視断面図、図１２は他のハウジング構成を示す側面断面図、図１３は図１２のＨ−Ｈ矢視断面図、図１４は四輪操舵タイプとした場合の車軸駆動装置の正面断面図、図１５は後輪操舵部の平面図、図１６はＰＴＯ切換ギアケースの側面図断面図、図１７は同じく正面図、図１８はＰＴＯ切換ギアケースの外観側面図である。
【００１２】
図１において本発明の車軸駆動装置を装備したローントラクタの全体構成から説明する。
機体フレーム１０１の前部上にエンジン１０２を載置し、機体フレーム１０１後部に設けた左右取付ステー１０１ａ・１０１ａに車軸駆動装置１０３のアクスルハウジング１ｂ・１ｂを固定し、該車軸駆動装置１０３より両側方に車軸７Ｌ・７Ｒを突出して後輪１０５・１０５を軸支し、前記機体フレーム１０１の前下部に前輪１０４・１０４を懸架している。該前輪１０４と後輪１０５の間の機体腹部にミッドマウント作業機としてモア１０６を昇降可能に装着している。そして、前記エンジン１０２の出力軸よりユニバーサルジョイントや伝動軸１０７を介して車軸駆動装置１０３の入力軸６に動力を伝達し、後輪１０５を駆動可能としている。また、該車軸駆動装置１０３の下部には前方に突出したミッドＰＴＯ軸９を備えユニバーサルジョイントや伝動軸１０８を介してモア１０６の上部に設けたギアボックス１０９に動力を伝えてモア１０６を駆動可能としている。
【００１３】
次に、図２、図３において、車軸駆動装置の全体的な構成について説明する。
車軸駆動装置のハウジングは、機体前後方向に分離接合可能な前ハウジングメンバ１と中央ハウジングメンバ２と後ハウジングメンバ３とからなり、各ハウジングの左右方向に沿う面に接合面を形成して、これらを互いに連設することにより単一のハウジングを構成している。
【００１４】
前ハウジングメンバ１と中央ハウジングメンバ２とで囲まれたスペースの上位レベルにはモータ軸４が左右方向に回転自在に支持され、中間レベルにはポンプ軸となる入力軸６及びカウンター軸２６が回転自在に支持され、モーター軸４に対する入力軸６は直角方向に、カウンター軸２６は平行に配置している。また、下位レベルには車軸７Ｌ・７Ｒが左右方向に回転自在に支持され、更に下位レベルにミッドＰＴＯ軸９が前後方向に回転自在に支持されている。そして、前記入力軸６及びミッドＰＴＯ軸９を前方へ突出することによって、前記エンジン１０２から入力軸６へ、ミッドＰＴＯ軸９からモア１０６への動力伝達を、前記ユニバーサルジョイントや伝動軸等を介して動力を伝達し、従来のベルト伝動よりも伝達効率を向上するとともに、メンテナンスフリーな構成としている。
【００１５】
前記モータ軸４とカウンター軸２６とは前ハウジングメンバ１の内部側で支持するために、前記前ハウジングメンバ１の前壁内面にモータ軸４とカウンター軸２６の軸端を受ける半円状の凹部を形成し、前ハウジングメンバ１に対し分離可能な半円状の凹部を有する軸受メンバを装着して構成される。また、前記中央ハウジングメンバ２の前後仕切り壁２ａから前ハウジングメンバ１の内方へ向けて断面視凹状の凹部２ｂが突出され、該凹部２ｂと前ハウジングメンバ１との間で入力軸６が軸受されている。
【００１６】
また、前ハウジングメンバ１の中間レベルには後述するトラニオン軸３５Ｌ・３５Ｒが左右方向に回転自在に支持され、ハウジングの下位レベルにおいては、車軸７Ｌ・７Ｒの軸受部が前ハウジングメンバ１と中央ハウジングメンバ２の接合面より前方へ偏位させて、前ハウジングメンバ１内に配置して車軸７Ｌ・７Ｒを回転自在に支持している。前記車軸７Ｌ・７Ｒの内端側の各々はデフギア装置２３によって差動的に結合され、その両端が前ハウジングメンバ１の左右外側壁に一体成形したアクスルハウジング１ｂ・１ｂより外方へ突出して後輪１０５・１０５を固定している。
【００１７】
また、前記中央ハウジングメンバ２と後ハウジングメンバ３との間に、後述するＰＴＯクラッチ軸９２、カウンター軸９８が前後方向に回転自在に支持され、ミッドＰＴＯ軸９はその後部が中央ハウジングメンバ２の前後仕切り壁２ａに、また、その前部が前ハウジングメンバ１の前壁に、それぞれ軸受を介して回転自在に支持されている。後ハウジングメンバ３外方に延伸するミッドＰＴＯ軸９の後端部はカバー１１１によって覆われている。
【００１８】
ハウジング内部の構成は、前ハウジングメンバ１と中央ハウジングメンバ２の前後仕切り壁２ａとの間に、ハイドロスタティックトランスミッション（以下ＨＳＴ）を収納するための第一の部屋Ｒ１と、モータ軸４からデフギア装置２３へ動力を伝達する動力伝達手段と車軸７Ｌ・７Ｒとを収納するための第二の部屋Ｒ２とが設けられ，該第一の部屋Ｒ１と第二の部屋Ｒ２は前ハウジングメンバ１と中央ハウジングメンバ２の前後仕切り壁２ａから延出した左右仕切壁８によって略左右に区画形成されている。また、前記中央ハウジングメンバ２の前後仕切り壁２ａと後ハウジングメンバ３との間には第三の部屋Ｒ３が形成されている。なお、ハウジングは図２等に示した中央ハウジングメンバ２と後ハウジングメンバ３とを一体化して、図１２、図１３に示すように後ハウジングメンバ３で構成して、この後ハウジングメンバ３’の前端開口縁に前ハウジングメンバ１の後端開口縁を接合してもよく、この場合、第三の部屋Ｒ３は、後ハウジングメンバ３’の後壁３ａと後ハウジングメンバ３’の前端内方側に取り付けた軸受板３００との間で形成する。
【００１９】
前記第一の部屋Ｒ１と第二の部屋Ｒ２と第三の部屋Ｒ３には共通の潤滑油が充填されて油溜まりを形成しており、前ハウジングメンバ１の上部の第二の部屋Ｒ２には給油蓋１１２が、また、第一の部屋Ｒ１にはカバー部材４８を介してリザーバタンク１０が設けられて、該リザーバタンク１０の下部には後述する油フィルター５６が連通されている。
【００２０】
また、前記第一の部屋Ｒ１と第二の部屋Ｒ２とを仕切る左右仕切壁８の任意位置に油フィルター１８が配置されている。本実施例では図３に示すように、ＨＳＴを収納する部分と、車軸７Ｌ及びミッドＰＴＯ軸９を収納する部分との間に油フィルター１８を配置して、油が第二の部屋Ｒ２から第一の部屋Ｒ１へ油流通する際に油フィルター１８を通じて清浄化してできるようにしている。更に、中央ハウジングメンバ２に流通孔が開口されて、第二の部屋Ｒ２と第三の部屋Ｒ３との間でも油が流通できるようにしている。従って、ハウジング内に充填した油はＨＳＴの作動油と、ギア・軸受部等の潤滑油とに共通化することができる。第二の部屋Ｒ２内から第一の部屋Ｒ１へ油が入るときは、ＨＳＴにとって有害なギア摩耗粉などの異物は、油フィルター１８によってろ過される。
【００２１】
前記第一の部屋Ｒ１内にはＨＳＴが収納され、ＨＳＴを構成する油圧ポンプＰと油圧モータＭを取り付けるセンタセクション５は．細長い形状とされ、前ハウジングメンバ１に固定されている。該センタセクション５は図５、図６、図７に示すように、第一の部屋Ｒ１内に固定された状態において、上部に左側面９１に油圧モータＭを配設し、下部に前面９０に油圧ポンプＰを配設している。
【００２２】
この油圧ポンプＰ及びその入力軸６は油圧モータＭのモーター軸４と車軸７との間の上下中間レベルに位置して直交するように配設される。この油圧ポンプＰのセンタセクション５の前面９０上にはポンプ付設面４０が形成され、図４に示すように、該ポンプ付設面４０にシリンダブロック１６が回転摺動自在に配置され、該シリンダブロック１６の複数のシリンダ孔内に、付勢バネを介してピストン１２・１２・・・が往復動自在に嵌合され、該ピストン１２・１２・・・の頭部には可動斜板１１のスラストベアリング１１ａが当接され、該可動斜板１１の中央には開口部１１ｂを設けて入力軸６が貫通できるようにし、該入力軸６はポンプ軸を兼ねてシリンダブロック１６の回転軸心上に配置され、相対回転不能に係止している。前記入力軸６の前端は、前ハウジングメンバ１の前壁より外方へ突出して、ユニバーサルジョイントや伝動軸等の伝動機構を介して原動機（エンジン１０２）からの動力が入力される。
【００２３】
前記可動斜板１１のピストン接当面をシリンダブロック１６の回転軸芯に対して傾動操作することで、油圧ポンプＰからの油の吐出量及び吐出方向を変更できるようにしており、図３に示すように、この可動斜板１１は両側にトラニオン軸３５Ｌ・３５Ｒが一体的に突出されて車軸７と平行となるように配設している。該トラニオン軸３５Ｒは前記前ハウジングメンバ１の左右仕切壁８に回転自在に支持され、該トラニオン軸３５Ｌは上部ハウジング１の側面の開口を閉鎖する蓋体１５に回転自在に支持され、該トラニオン軸３５Ｌ・３５Ｒを中心に可動斜板１１が傾倒できるようにしている。この可動斜板１１を傾動操作することで、油圧ポンプＰの出力変更操作を行える。
【００２４】
前記トラニオン軸３５Ｌには前記蓋体１５を貫通して外方へ延伸してコントロールレバー３８が固設され、該コントロールレバー３８の取付孔３８ａには図示しないロッドまたはワイヤー等を介して運転席の変速操作具と連結され、機体前後方向にコントロールレバー３８を回動するようにして、リンク機構の簡素化を図っている。トラニオン軸３５Ｌのハウジング内ではコイル状の中立戻しバネ３１が外嵌され、該中立戻しバネ３１の両端は交差させて後方へ延出しており、該中立戻しバネ３１の両端部は、前記可動斜板１１より後方へ突出形成したアーム１１ｄに突設した係合ピン３９と、前記蓋体１５に装着した偏心軸３３とを挟み込んでいる。
【００２５】
従って、変速するためにコントロールレバー３８が回動されると、トラニオン軸３５まわりにアーム１１ｄも回動されて、中立戻しバネ３１の一端側が係合ピン３９によって押し広げられ、中立戻しバネ３１の他端側は偏心軸３３によって止められ、コントロールレバー３８に中立復帰の付勢力が与えられる。そして変速操作具への操作力を解除すると、中立戻しバネ３１の一端側に発生した復元力によって、係合ピン３９は偏心軸３３側へ戻され、中立位置で保持される。また、前記偏心軸３３のハウジング外に延出した部分は調整ネジに構成され、該偏心軸３３を適度に回動してロックすることによって、中立戻しバネ３１を介してアーム１１ｄがトラニオン軸３５Ｌまわりに変位し、可動斜板１１を正確な中立位置に調整可能としている。
【００２６】
前記トラニオン軸３５のハウジング外端部に設けたコントロールレバー３８は図２に示すように、下方へ突出する係止部３８ｂを有してショックアブソーバ７３の可動部と連結され、該ショックアブソーバ７３は車軸７Ｌの下方で前傾姿勢に配置され、該ショックアブソーバ７３の固定部は中央ハウジングメンバ２の下部に固設した支持プレート７４に連結されている。このようにショックアブソーバ７３をコントロールレバー３８と連結することによって、急激な変速を防止するとともに、変速操作具の操作力を開放したときに、中立戻しバネ３１のバネ力によって急激に中立方向に戻り、急激な減速加速度がかかることを防止している。
【００２７】
前記油圧ポンプＰから吐出された圧油はセンタセクション５内の油路を介して油圧モータＭに送油される。該油圧モータＭの構成は、図３に示すように、センタセクション５の垂直面９１にモータ付設面４１が形成されており、該モータ付設面４１に、シリンダブロック１７が回転自在に支持されている。該シリンダブロック１７の複数のシリンダ孔内に付勢バネを介して複数のピストン１３・１３・・・が往復動自在に嵌装されている。該ピストン１３の頭部は固定斜板３７に接当している。固定斜板３７は前ハウジングメンバ１内の左右仕切壁８に嵌合固定されている。
【００２８】
シリンダブロック１７の回転軸心上にモータ軸４を一体的に水平に配置して相対回転不能に係止している。前記モータ軸４の一端は、センタセクション５のモータ付設面４１中央に設けた軸受孔に支持され、他側は前ハウジング１の左右仕切壁８を貫通して第二の部屋Ｒ２に挿入し、この左右仕切壁８に設けた軸受７６によりモータ軸４が回転自在に支持されている。この軸受７６は第一の部屋Ｒ１と第二の部屋Ｒ２との間を区画するために、シール付のベアリングを用いている。また、前記第二の部屋Ｒ２内に位置するモータ軸４の端部上にはギア２５とブレーキディスク１９が隣接して固着され、該ブレーキディスク１９はブレーキアーム２９ａをブレーキ軸２９ｂに回動操作することによりブレーキパッド２９を押しつけてモータ軸４を制動できるようにしている。
【００２９】
次に、前記油圧ポンプＰと油圧モータＭを載置するセンタセクション５の内部構成を、図５、図６、図７より説明する。
センタセクション５の前記ポンプ付設面４０の中央には入力軸６の後部を回転自在に支持できるように軸受部を構成し、この軸受部を中心に一対の弓形ポート４０ａ・４０ｂが上下方向に開口され、前記シリンダブロック１６からの給排油が導入されるようになっている。また、図６に示すように、モータ付設面４１には一対の弓形ポート４１ａ・４１ｂが前後方向に開口され、前記シリンダブロック１７からの給排油が導入されるようになっている。
【００３０】
そして、前記ポンプ付設面４０の弓形ポート４０ａ・４０ｂとモータ付設面４１の弓形ポート４１ａ・４１ｂとを夫々互いに連結するために、第一直線状油路５ａと第二直線状油路５ｂが下方から上方向に向かって前後平行に穿設されている。そして、前記第二直線状油路５ｂの中途部には直角方向に側方から第三直線状油路５ｃが連通されて、作動油を油圧ポンプＰと油圧モータＭとの間で循環させるための閉回路が構成されている。
【００３１】
即ち、ポンプ付設面４０の弓形ポート４０ａは第一直線状油路５ａとダイレクトに連通し、弓形ポート４０ｂは第三直線状油路５ｃと連通させ、モータ付設面４１の弓形ポート４１ａは第一直線状油路５ａとダイレクトに連通し、弓形ポート４１ｂは第二直線状油路５ｂと連通し、これにより第一直線状油路５ａと、第二直線状油路５ｂと第三直線状油路５ｃとで、弓形ポート４０ａ・４０ｂと弓形ポート４１ａ・４１ｂとの間を連通して閉回路を構成している。
【００３２】
また、第一直線状油路５ａと第二直線状油路５ｂの開口部側にはそれぞれチェックバルブ５４・５５を配置して、栓部材６４・６４にて閉塞されている。このチェックバルブ５４・５５の入口ポートには油路５ｄが連通され、該油路５ｄには更にセンタセクション５後面に開口する補給ポート５ｇに連通されている。一方、センタセクション５の後面にチャージポンプケース４６が固設され、該チャージポンプケース４６にトロコイドポンプタイプのチャージポンプ４５が収納され、前記入力軸６がチャージポンプケース４６内に延伸してチャージポンプ４５を駆動する構成としている。但し、チャージポンプは内歯ギア式でも外歯ギア式であっても構わない。
【００３３】
そして、前記補給ポート５ｇは図８に示すように、センタセクション５の後面にチャージポンプケース４６を付設したときに、チャージポンプケース４６に設けたチャージ油路４６ａ、メインリリーフバルブ５７を介してチャージポンプ４５の吐出ポート４５ａと連通され、該チャージポンプ４５からの圧油をメインリリーフバルブ５７のドレン油を油路４６ａ、補給ポート５ｇ、油路５ｄ、チェックバルブ５４・５５を介してＨＳＴの閉回路内へ作動油を補給できるようにしている。５８は補給油圧を設定するためのリリーフバルブである。
【００３４】
また、該吐出ポート４５ａにはフローコントロール弁５０が接続されている。フローコントロール弁５０はチャージポンプ４５の吐出油を二方向の油流に分割し、一方の油流は、図１０に示すようにチャージポンプケース４６の後面に開口した油取出ポート４６ｂより出力されるようになっており、また、他方の油流は、ハウジング外へ取り出されて外部アクチュエーター５１を駆動し、その外部アクチュエーター５１からの戻り油が再びチャージポンプケース４６内に導入されて前記油路４６ａに流されるようになっている。
【００３５】
また、チャージポンプ４５の吸入ポートはパイプ状の油フィルター５６を接続するためにチャージポンプケース４６の上面に形成した開口部４６ｂ（図５、図１０）と連通されている。該油フィルター５６は前ハウジングメンバ１の上面に開口した開口１ａよりチャージポンプケース４６に向かって挿入でき、カバー部材４８とチャージポンプケース４６によって挟んで支持する構成として、該カバー部材４８を外すことで前ハウジングメンバ１の上面から容易に油フィルター５６を交換できるようにしている。カバー部材４８は前記開口１ａを覆う取付フランンジ部材と前記リザーバタンク１０を設置するパイプ状の継ぎ手部材を備えてなる。前記油フィルター５６を配置する第一の部屋Ｒ１内に溜められた油はＨＳＴの駆動によって発熱し膨張するが、この膨張した分の油量は前記開口１ａ及びカバー部材４８を通過し、前記リザーバタンク１０内に流入して第一の部屋Ｒ１内における油の体積変化が調整されるようになっている。
【００３６】
また、車両の牽引時に車軸を空転可能とするべく第一直線状油路５ａと第二直線状油路５ｂとを油溜まりに開放するためのバイパス操作レバー（図示せず）が、前ハウジングメンバ１の前壁前方に配置され、該バイパス操作レバーを回動することで、前ハウジングメンバ１の前壁に支持させたバイパスレバー軸が回動され、その下端の平坦面がセンタセクション５に支持された押しピンをシリンダブロック１７方向へ押し込み、押しピンがモータ付設面４１とシリンダブロック１７との密着状態を開放して、第一直線状油路５ａと第二直線状油路５ｂとが弓形ポート４１ａ・４１ｂを介してハウジングの油溜まりと連通し、モータ軸４に自由回転が得られるようにしている。
【００３７】
次に、前記モータ軸４からデフギア装置２３へ動力を伝達するをギア式の動力伝達手段を説明する。
図３に示すように、第二の部屋Ｒ２内に突入するモータ軸４上に設けたギア２５が、カウンター軸２６上に固設した大径ギア２４と噛合している。また、該カウンター軸２６の上に固設した小径ギア２１がデフギア装置２３のデフ入力ギア２２と噛合して、モータ軸４から減速して該デフ入力ギア２２によりデフギア装置２３が駆動され、前記デフ入力ギア２２の側方に前記カウンター軸２６上の大径ギア２４がオーバーラップして配置され、左右方向の長さが短くなるようにしている。
【００３８】
前記デフギア装置２３を介して左右の車軸７Ｌ・７Ｒに動力伝達しており、該デフギア装置２３は図９に示すように、デフ入力ギア２２が本体２２ａとリング状のギア部２２ｂから構成され、本体２２ａの中心部に車軸７Ｌ・７Ｒの突き合わせ部の各々を挿入支持する軸孔２２ｃを開口し、その両側にデフピニオン８０・８０を挿入する貫通孔２２ｄ・２２ｄが開口され、本体２２ａの周縁部には、ギア部２２ｂを本体２２ａにボルトで固定するためのボルト孔２２ｅが円周上に複数開口されて、ボルトを外すことで本体２２ａとギア部２２ｂが容易に分離できる構成としている。この本体２２ａは焼結合金等にて構成され、ギア部２２ｂはスチールを切削加工または鍛造等によって製作している。
【００３９】
そして、車軸７Ｌ・７Ｒの内端側にはデフサイドギア８１Ｌ・８１Ｒがスプライン嵌合され、一側（本実施例では進行方向に向かって右側）の前記減速伝動装置と反対側の車軸７Ｌ上にサポートメンバ８９が外嵌されている。該サポートメンバ８９はお碗状に形成して、その凹部８９ａ内に前記デフサイドギア８１Ｌが収納され、開口端には本体２２ａに対する取付フランジ面が形成され、前記ボルトにより本体２２ａ及びギア部２２ｂに共締め固定されている。サポートメンバ８９の外側のボス部８９ｂ外周上にスライダー８２が軸方向に摺動自在に外嵌され、該スライダー８２にはピンより構成された係合突起８２ａが車軸と平行に取り付けられ、該係合突起８２の先端はサポートメンバ８９を貫通して凹部８９ａ内に位置し、デフサイドギア８１Ｌの背面外周に形成した凹部８１ａに係合可能としている。このようにサポートメンバ８９とデフサイドギア８１Ｌとの間でデフロック機構が構成されて、デフギア装置２３はデフケースを持たない構成とし、サポートメンバ８９により半分覆われる構成としている。
【００４０】
そして、前記右側の車軸７Ｒの前側はベアリングを介して前ハウジングメンバ１内に回転自在に支持され、左側の車軸７Ｌの内側は、前記サポートメンバ８９の外周に配したベアリングを介して前ハウジングメンバ１内に回転自在に支持されている。また、本体２２ａの軸孔２２ｃで支持する車軸７Ｒの内端軸部の方を車軸７Ｌの内端軸部よりも長く形成している。デフ入力ギア２２が左右方向の力を受けた場合、一側はサポートメンバ８９によりその力を受け、他側は本体２２ａと車軸７Ｒとの間にて支持されて、これらによってデフ入力ギア２２の倒れが低減される。また、車軸７Ｌの中途部には軸方向への抜け止め用を防止するための止め輪１１３が係合されている。
【００４１】
そして、前記スライダー８２にスライドフォーク８４が係合され、該スライドフォーク８４の基部は前ハウジングメンバ１の前部に車軸７と平行に両持ち支持されたシフター軸８５に固定され、該シフター軸８５の一端は前ハウジングメンバ１より外側へ突出し、該シフター軸８５にベルクランクアーム８６の一端が係止され、該ベルクランクアーム８６の他端はリンク機構を介してデフロックペダル等のデフロック操作具及びブレーキ装置と連係されている。
【００４２】
このような構成において、デフロック操作具を操作すると、図９に矢印で示す方向にベルクランクアーム８６が回動されて、スライドフォーク８４が左方へ摺動し、同時にスライダー８２も摺動され、係合突起８２ａがデフサイドギア８１Ｌの凹部８１ａに係合して、デフロックされるのである。そして、ブレーキペダルを踏み込んだときには、前記ブレーキ装置を制動すると共に、デフロックさせるようにリンク機構を組んでおくことにより、左右の車軸７Ｌ・７Ｒが一体的に連結されて、デフギア装置２３によって一側が回転することなく後輪１０５・１０５を同時に制動することができる。このリンク機構はベルクランク８６とブレーキアーム２９ａとが前ハウジングメンバ１の同じ側に配置されているために容易に構成することができる。
【００４３】
そして、前記前ハウジングメンバ１のアクスルハウジング１ｂ・１ｂの外端部に操向機構を設けることで、４輪操舵（４ＷＳ）仕様に変更することができる。図１４、図１５において片側に示すようにアクスルハウジング１ｂの外端面にステアリングケース１２０を固設し、該ステアリングケース１２０に回動ケース１２１を上下軸線まわりで回動自在に装着する。該回動ケース１２１の上面及び下面に枢着したキングピン１２２でステアリングケース１２０に枢支している。該回動ケース１２１にホィール軸１２３が回転自在に支持され、該ホィール軸１２３に後輪１０５が固定される。
【００４４】
また、前記回動ケース１２１の下面にはナックルアーム１２４が機体内方へ突設され、該ナックルアーム１２４にタイロッド１２５が枢結され、該タイロッド１２５はベルクランクアーム１２６に枢結され、該ベルクランクアーム１２６の中央部は前記ハウジング下面に固設されたブラケット１２７に枢支されたセンターピン１２７ａに対し回動自在に取付られている。そして、ベルクランクアーム１２６の他端はリンク等を介して前輪の操舵機構と共にハンドルに連動連結されている。前記ブラケット１２７はその前後端を折り曲げて立設した前後一対の取付部１２７ｂを備えており、この取付部１２７ｂにより前後前ハウジングメンバ１と前記中央ハウジングメンバ２との接合個所を挟み込んで取付ボルト１２７ｃにて共締めすることにより、前記ブラケット１２７がハウジングの底部に固定されるようになっている。
【００４５】
一方、前記車軸７Ｌの先端にはユニバーサルジョイント１２８を介して前記ホィール軸１２３と連結される。なお、図示を省略したが、車軸７Ｒを収容するアクスルハウジング１ｂ端部にも上記と同様の操向機構が配設されるものである。車軸駆動装置は前述した如く、車軸７Ｌの上方において油圧ポンプＰと油圧モータＭを上下方向に配列させたことでハウジングの左右幅が狭くなっており、アクスルハウジング１ｂ端部に操向機構を配設しても、前述の如くハウジングの左右幅が狭くなり、後輪１０５を操向回動させるに十分な空間が得られており、４輪操舵機構を付加する仕様にも容易に対応できるのである。
【００４６】
次に、ＰＴＯ軸への動力伝達構成を説明する。
図４、図１０、図１１に示すように、前記入力軸６の後端は前記凹部２ｂを貫通して第三の部屋Ｒ３に挿入され、該入力軸６の端部にはＰＴＯ入力軸９２の一端が軸受を介して同一軸芯上に回転自在に支持されて、該ＰＴＯ入力軸９２と入力軸６の間に油圧クラッチからなるＰＴＯクラッチ８８が構成されている。
【００４７】
即ち、前記入力軸６の軸端上には回転体９３がスプライン嵌合され、該回転体９３外周に摩擦板を係合している。一方、ＰＴＯ入力軸９２の端部上にクラッチケース９４を固設し、該クラッチケース９４内にはピストン９５を収納し、前記回転体９３と対向する部分には摩擦板を係止し、前記摩擦板と交互に配置して重合させている。こうしてＰＴＯクラッチ８８を構成し、前記凹状に構成した凹部２ｂ内に収納され、ハウジング外に設けた電磁バルブ９６を作動させることによってＰＴＯクラッチ８８を断接できるようにしている。
【００４８】
即ち、前記電磁バルブ９６は図外のＰＴＯ操作具と連動連結されて、ＰＴＯ操作具の操作でＯＮ・ＯＦＦできる。そして、図８、図１０、図１１に示すように、前記クラッチケース９４内のピストン９５を摺動させるためのシリンダー室はＰＴＯクラッチ軸９２の端面より軸心位置に穿設した油路９２ａに連通されている。ＰＴＯクラッチ軸９２の後端部は後ハウジングメンバ３の後壁３ａに形成した凹部３ｂ内に油密状に嵌め込まれてロータリジョイントが構成され、前記油路９２ａは凹部３ｂ内に設けた油室に開口されている。一方、前記電磁弁９６は後ハウジングメンバ３の後壁３ａ上面に設置され、その切換弁部が後壁３ａ内に挿入される。
【００４９】
更に、後壁３ａには、電磁弁９６の切換弁部を中心にして左右一方側に切換弁部の入力ポートに連通する油路１３５が、左右他方側に切換弁部の出力ポートに連通する油路１３４がそれぞれ水平方向に穿設される。前記油路１３５の始端部１３５ａは図１０に示す如く直角に曲げられ、中央ハウジングメンバ２の後端に対する接合面に開口させてあり、前記チャージポンプケース４６の後面に開口した油取出ポート４６ｂに対し、中央ハウジングメンバ２の凹部２ｂ肉厚壁に穿設した前後方向に沿う油路１３６を介して接続される。
【００５０】
また、前記油路１３４の下方には前記凹部３ｂ内の油室と連通する油路１３３が平行に穿孔され、両油路１３４・１３３の始端部１３４ａ・１３３ａは直角に曲げられ、中央ハウジングメンバ２の後端に対する接合面に開口させると共に、該接合面上に凹入形成された上下方向へ延びる油溝１３２によって相互連通されることにより、前記油路１３４と前記油路１３３とが接続されるようになっている。また、後ハウジングメンド３の後壁３ａには、前記凹部３ｂの油室と接続されてＰＴＯクラッチ８８の作動油圧を設定するリリーフ弁１３０が配設され、該リリーフ弁１３０から排出されたリリーフ油は第三の部屋Ｒ３内に戻される。
【００５１】
前記連れ回り防止ブレーキ１３１は中央ハウジングメンバ２の側面でＰＴＯクラッチ８８の近傍に配置されて、ピストン１３１ａ先端にブレーキパッド１３１ｂを固設して、該ブレーキパッド１３１ｂを、前記クラッチケース９４の背面に固定したギア９７の大径ボス部外周面９７ａに対向して配置され、ピストン１３１ａは中央ハウジングメンバ２の側面部に形成したシリンダー室２ｃに収納して、バネ１３１ｃによってブレーキパッド１３１ｂが大径ボス部外周面９７ａに当接するように付勢している。
【００５２】
また、前記シリンダー室２ｃは中央ハウジングメンバ２の側壁に穿孔した前後方向に沿う油路１３３ｂが連通され、前記後ハウジングメンバ３の前端に対する接合面を介して前記油路１３３ｂの始端側１３３ａと接続されている。このように連れ回り防止ブレーキ１３１はネガティブブレーキタイプに構成され、前記ＰＴＯクラッチ８８の作動・非作動に同期して非制動・制動となる。
【００５３】
このような構成において、ＰＴＯ操作具を操作しない状態では、電磁バルブ９６が作動されず、図８に示す位置となり、ＰＴＯクラッチ８８及び連れ回り防止ブレーキ１３１に圧油が送油されないために、バネ１３１ｃの付勢力によって、ブレーキパッド１３１ｂがクラッチケース９４側に押しつけられて、ＰＴＯクラッチ軸９２が回転しないようにしている。
【００５４】
そして、ＰＴＯ操作具を操作すると、電磁バルブ９６が左方の位置に切り換えられて、油路１３５と油路１３４との間が連通されて、油取出ポート４６ｂからの圧油が連れ回り防止ブレーキ１３１及びＰＴＯクラッチ８８に送油されて、連れ回り防止ブレーキ１３１のブレーキパッド１３１ｂがクラッチケース９４を開放してブレーキが解除され、ＰＴＯクラッチ８８のピストン９３が摺動されて摩擦板を圧接して、ＰＴＯクラッチ８８が「接」となり、入力軸６からＰＴＯクラッチ軸９２へ動力が伝えられる。
【００５５】
そして、図４、図１０に示すように、前記ＰＴＯクラッチ軸９２上のギア９７はクラッチケース９４と相対回転不能に連結されている。該ギア９７には前記カウンター軸９８上に固設したギア９９と噛合され、更に、該ギア９９はミッドＰＴＯ軸９上に固設したギア１００と噛合されている。こうして、前記ＰＴＯクラッチ８８を接とすることによって、前記ギア９７・９９・１００を介してミッドＰＴＯ軸９に動力が伝えられ、該ミッドＰＴＯ軸９よりユニバーサルジョイントや伝動軸１０８を介して前記モア１０６に動力が伝えられるようにしている。更にカバー１１１を外して本機後方に配置した作業機にも動力を伝えることができる。
【００５６】
上記ＰＴＯクラッチ軸９２からミッドＰＴＯ軸９への動力伝達手段は、平歯車によるギアトレーンで構成でき、また、前記モータ軸４からデフ入力ギア２２への動力伝達手段も、平歯車によるギアトレーンで構成でき、それぞれ幅を狭くしてコンパクトな構成で動力伝達ができ、更に、ミッドＰＴＯ軸９への動力伝達手段は側面視においてデフ入力ギア２２とオーバーラップさせており、前後幅が狭くなるようにしている。
【００５７】
そして更に、前記後ハウジングメンバ３から前記カバー１１１を外して穴３ｂを開放してミッドＰＴＯ軸９からギア１００を抜き出し、図１６〜図１８に示すＰＴＯギヤケース１４０を取り付けることにより、ミッド作業機とリア作業機への動力伝達方向を任意に切り換えられる。オプションかレトロフィット可能な構成としている。
【００５８】
即ち、前記ＰＴＯギヤケース１４０は前後半割りに構成して、リアＰＴＯ入力軸１４１、カウンター軸１４２、リアＰＴＯ軸１４３を前後方向に沿わせて平行に回転自在に支持し、該リアＰＴＯ入力軸１４１上にはギア１４４を固設し、カウンター軸１４２上に固設したギア１４５と噛合し、該カウンター軸１４２上には更にギア１４６が固設されて、リアＰＴＯ軸１４３上に固設したギア１４７と噛合して、リアＰＴＯ入力軸１４１からリアＰＴＯ軸１４３へ動力を伝達できるようにしている。
【００５９】
また、前記ミッドＰＴＯ軸９の後端部には、穴３ｂを通じて後ハウジングメンバ３内に挿し込まれた中空円筒状の回転体１４８がスプライン嵌合され、該回転体１４８の外周にはギア１４９がベアリングを介して回転自在に外嵌され、該ギア１４９は二つの歯部を有し、一方の歯部１４９ａは前記カウンター軸９８上のギヤ９９と噛合され、他方の歯部１４９ｂは、前記回転体１４８の端部上に形成した歯部１４８ａと前記ギア１４４の端部に形成した歯部１４４ａと同一軸線上で並列に配置されて、該歯部１４４ａ・１４８ａ・１４９ｂ上にクラッチスライダー１５０がそれぞれの歯部と噛合可能に外嵌されている。
【００６０】
該クラッチスライダー１５０にはスライドフォーク１５１が係合され、該スライドフォーク１５１はＰＴＯギヤケース１４０に固定されたフォーク軸１５２上を摺動自在に支持され、該スライドフォーク１５１はギヤケース１４０の側壁に支持した切換軸１５３の回動によってアーム１５４を介して摺動されるように構成し、該切換軸１５３はリンク等を介して運転席のＰＴＯ切換操作レバーと連結される。そして、その切り換え位置はセンサー１５５・１５６によって検知できるようにしている。
【００６１】
このようにして、切換軸１５３の回動によってクラッチスライダー１５０を前方に位置させたときには歯部１４９ｂ・１４８ａとクラッチスライダー１５０が噛合して、ギア１４９からミッドＰＴＯ軸９に動力が伝達されてミッド作業機のみを駆動することができる。また、スライダー１５０を図示中央部に位置させると、クラッチスライダー１５０が歯部１４４ａ・１４８ａ・１４９ｂの全てに噛合して、ミッド作業機とリア作業機の両方を駆動することができる。また、クラッチスライダー１５０を後方に位置させると、クラッチスライダー１５０が歯部１４４ａ・１４８ａに噛合して、リアＰＴＯ軸１４３に動力が伝達されて、リア作業機のみを駆動することができる。
【００６２】
このように、後ハウジングメンバ３の後壁に設けたギア抜き差し用の穴３ｂを、カバー１１１に代えて装着したＰＴＯギアケース１４０によって閉鎖しつつ、この穴３ｂを通じて前記第三の部屋Ｒ３内に位置するＰＴＯクラッチ８８からの動力をＰＴＯギアケース１４０内に導いてミッドＰＴＯ軸９並びにリアＰＴＯ軸１４３に伝達加納に構成しているのである。
【００６３】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項１においては、前後方向に沿う回転軸線を有する入力軸６と、左右方向に沿う回転軸線を有する車軸７Ｌ・７Ｒと、前後方向に沿う回転軸線を有するＰＴＯ軸９とを収容するハウジングであって、該ハウジングは、少なくとも二つのハウジングを前後方向に連設してなり、その内部における前側に前記入力軸６により駆動されるＨＳＴと、該ＨＳＴの出力を前記車軸に伝える動力伝達手段を、また、後側に前記入力軸の動力を前記ＰＴＯ軸９に動力を伝える動力伝達手段を、それぞれ独立させて収容し、前記ＨＳＴを、前記入力軸６に連結される油圧ポンプＰと、前記車軸７Ｌ・７Ｒに連結される油圧モータＭと、前記油圧ポンプＰと油圧モータＭとを設置して流体的に接続するセンタセクション５より構成し、前記油圧モータＭの回転軸線を前記車軸７Ｌ・７Ｒの回転軸線と平行に配置すると共に、該車軸７Ｌ・７Ｒの上方で油圧ポンプＰと油圧モータＭを上下方向に配列したので、ハウジングを細長くし左右幅を圧縮してコンパクト化することができた。
また、四輪操舵車輌とした場合における後輪の操舵スペースを確保することができた。
また、油圧ポンプに入力軸を直結でき、油圧モータと車軸とを平歯車タイプのギアトレーンで連結して、構成の簡素化を図り、低コスト化を実現できる。
また、前記油圧モータＭと前記車軸７Ｌ・７Ｒとの間に前記油圧ポンプＰを配置したので、第一もしくは第三の部屋において油圧モータと車軸との間のギアトレーン側方に生じるデッドスペースを有効に利用して、ハウジングの上下幅を圧縮できる。
【００６４】
請求項２においては、請求項１記載の車軸駆動装置において、該ハウジングは前ハウジングメンバ１と中央ハウジングメンバ２と後ハウジングメンバ３を前後に連設し、該前ハウジングメンバ１と中央ハウジングメンバ２の内部に第一の部屋Ｒ１及び第二の部屋Ｒ２を形成し、中央ハウジングメンバ２と後ハウジングメンバ３の内部に第三の部屋Ｒ３を形成し、前記第一の部屋Ｒ１に前記入力軸６により駆動されるＨＳＴを収容し、第二の部屋Ｒ２にＨＳＴの出力を車軸７Ｌ・７Ｒに伝える動力伝達手段を収容し、第三の部屋Ｒ３に、前記入力軸６よりＰＴＯ軸９に動力を伝える動力伝達手段を収容したので、ハウジング外への油漏れが起きることが防止される。
また、動力取出機構をハウジング内に一体化させつつハウジングメンバの部品数をすくなくすることができる。
ものである。
【００６５】
請求項３においては、請求項１記載の車軸駆動装置において、前記ＰＴＯ軸９を前記車軸７Ｌ・７Ｒの近傍に配置すると共に、前記油圧モータＭと前記車軸７Ｌ・７Ｒとを連結するための前記動力伝達手段と、前記入力軸６よりＰＴＯ軸９に動力を伝える動力伝達手段を側面視でオーバーラップさせたので、ハウジングの前後幅を圧縮でき、コンパクト化を図ることができる。
【００６６】
請求項４においては、請求項２記載の車軸駆動装置において、前記第二の部屋Ｒ２に対し前記第三の部屋Ｒ３もしくは第一の部屋Ｒ１を油流通自在に構成したので、走行系の動力伝達手段とＰＴＯ系の動力伝達手段とで潤滑油の共用化が図れる。
また、前記第一の部屋Ｒ１と前記第二の部屋Ｒ２内とは、油フィルター１８を介して油流通自在としたので、走行系の動力伝達手段とＰＴＯ系の動力伝達手段に対する潤滑油をＨＳＴの作動油として共用化しつつ、第一の部屋内の油を清浄な状態に維持してＨＳＴを第二の部屋内に存在する潤滑油中の異物から保護して耐久性を向上することができる。
【００６７】
請求項５においては、請求項２記載の車軸駆動装置において、前記ＰＴＯ軸９への動力伝達手段は、前記入力軸６から前記ＰＴＯ軸９への動力伝達を断接可能な油圧クラッチ８８を備えると共に、前記ハウジング内に、前記入力軸６によって駆動され前記油圧クラッチ８８に対し作動油を供給する油圧ポンプ４５を配置したので、油圧ポンプが油圧クラッチの近傍に位置することとなり、油圧クラッチに対する油路構成が短縮され、管路抵抗が小さくロス馬力を低減することができる。
また、前記油圧ポンプ４５から吐出された圧油の一部を、前記ＨＳＴの作動油としたので、油圧ポンプが油圧クラッチ給油用とＨＳＴの作動油補給用とに兼用され、ポンプ使用個数を減らせ低コスト化を図ることができる。
【００６８】
請求項６においては、請求項５記載の車軸駆動装置において、前記中央ハウジングメンバ２に、前記第一の部屋Ｒ１側へ凹入する凹部２ｂを形成し、前記第三の部屋Ｒ３内に位置する前記油圧クラッチ８８を前記凹部２ｂ内に臨ませたので、第一の部屋内のデッドスペースを油圧クラッチの設置スペースとして有効利用でき、ハウジング全体をコンパクトにできる。
【００６９】
請求項７においては、請求項２記載の車軸駆動装置において、前記ハウジングメンバのいずれかにアクスルハウジングを一体形成し、該アクスルハウジングの端部に四輪操舵用のステアリングケース１２０を装着したことによって、走行輪が操舵されて回動しても、ハウジングの幅が狭く形成されているので、トレッドを広くする必要がなく、回転半径を更に小さくすることができるようになり、同じ機体を利用して操向性能及び作業能率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の車軸駆動装置を装備したトラクタの全体側面図である。
【図２】車軸駆動装置の側面図である。
【図３】図２におけるＡ−Ａ矢視断面図である。
【図４】図３におけるＢ−Ｂ矢視断面図である。
【図５】センタセクションの正面図である。
【図６】同じく側面図である。
【図７】図５におけるＣ−Ｃ矢視断面図である。
【図８】油圧回路図である。
【図９】図３におけるＤ−Ｄ矢視断面図である。
【図１０】図４におけるＥ−Ｅ矢視断面図である。
【図１１】図１０に於けるＦ−Ｆ矢視断面図である。
【図１２】他のハウジング構成を示す側面断面図である。
【図１３】図１２のＨ−Ｈ矢視断面図である。
【図１４】四輪操舵タイプとした場合の車軸駆動装置の正面断面図断面図である。
【図１５】後輪操舵部の平面図である。
【図１６】ＰＴＯ切換ギアケースの側面図である。
【図１７】同じく正面図である。
【図１８】切換操作軸部のＰＴＯ切換ギアケースの外観側面図である。
【符号の説明】
Ｒ１第一の部屋
Ｒ２第二の部屋
Ｒ３第三の部屋
Ｐ油圧ポンプ
Ｍ油圧モータ
１前ハウジングメンバ
２中央ハウジングメンバ
２ｂ凹部
３後ハウジングメンバ
４モータ軸
５センタセクション
６入力軸
７Ｌ・７Ｒ車軸
９ＰＴＯ軸（ミッドＰＴＯ軸）
１８油フィルター
４５油圧ポンプ（チャージポンプ）
８８油圧クラッチ（ＰＴＯクラッチ）[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a configuration for compactly storing a PTO transmission system in the same housing in an axle driving device integrally provided with a HST, an axle, and a power transmission mechanism for the axle in a housing.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a technique in which an HST, an axle, and a power transmission mechanism for interlockingly connecting the HST and the axle are housed in a housing has been known. The HST includes a hydraulic pump and a hydraulic motor on a center section. The HST input shaft, i.e., the pump shaft, was arranged vertically, and the HST output shaft, i.e., the motor shaft, was arranged horizontally and arranged parallel to the axle. It is. For example, the technology of US Pat. No. 5,456,068. Moreover, although the technique which attached the PTO unit to the axle drive device is disclosed in US Pat. Nos. 5,367,877 and 5,515,775, it is externally attached to the rear surface of the housing and protrudes.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, when the input shaft of the HST is arranged in the vertical direction, the length of the housing is short and the length is long in the front-rear or left-right direction, but the input shaft must protrude upward. A certain space for arranging the pulley or sprocket is required above the housing. When the PTO shaft is provided, the input shaft is in the vertical direction, and the PTO shaft needs to be provided in the horizontal direction. Therefore, the direction needs to be changed by a bevel gear or the like, and the housing is provided to store these gear trains. Or a case for attaching a PTO shaft protrudes toward the rear of the housing, which requires a large space.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The present invention uses the following means in order to solve the above problems.
In claim 1, an input shaft (6) having a rotation axis along the front-rear direction, an axle (7L, 7R) having a rotation axis along the left-right direction, and a PTO shaft (9) having a rotation axis along the front-rear direction The housing is formed by connecting at least two housings in the front-rear direction, and has an HST driven by the input shaft (6) on the front side of the housing and an output of the HST. The power transmission means for transmitting to the axle and the power transmission means for transmitting the power of the input shaft (6) to the PTO shaft (9) on the rear side are accommodated independently, and the HST is Hydraulic pump (P) connected to the input shaft (6), and hydraulic motor connected to the axle (7L, 7R) (M) And a center section in which the hydraulic pump (P) and the hydraulic motor (M) are installed and fluidly connected (5) The rotational axis of the hydraulic motor (M) is arranged in parallel with the rotational axis of the axle (7L, 7R), and the hydraulic pump (P) and the hydraulic motor (M) are disposed above the axle (7L, 7R). ) Are arranged in the vertical direction, and the hydraulic pump (P) is arranged between the hydraulic motor (M) and the axle (7L, 7R).
[0005]
According to a second aspect of the present invention, in the axle drive device according to the first aspect, the housing includes a front housing member (1), a central housing member (2), and a rear housing member (3) that are connected to each other in the front-rear direction. A first chamber (R1) and a second chamber (R2) are formed inside (1) and the central housing member (2), and a third chamber is formed inside the central housing member (2) and the rear housing member (3). The HST driven by the input shaft (6) is accommodated in the first chamber (R1), and the output of the HST is transferred to the axle (7L, 7R) in the second chamber (R2). (Ii) a power transmission means for transmitting power, and a power transmission means for transmitting power from the input shaft (6) to the PTO shaft (9) in the third chamber (R3).
[0006]
According to a third aspect of the present invention, in the axle drive device according to the first aspect, the PTO shaft (9) is disposed in the vicinity of the axle (7L, 7R), and the hydraulic motor (M) and the axle (7L, 7R). And the power transmission means for transmitting power from the input shaft (6) to the PTO shaft (9) are overlapped in a side view.
[0007]
According to claim 4, in the axle drive device according to claim 2, the third chamber (R3) or the first chamber (R1) is configured to allow oil to flow through the second chamber (R2). The first chamber (R1) and the second chamber (R2) are configured to allow oil to flow through an oil filter (18).
[0008]
In claim 5, Claim 2 In the described axle drive device, the power transmission means to the PTO shaft (9) includes a hydraulic clutch (88) capable of connecting / disconnecting power transmission from the input shaft (6) to the PTO shaft (9). In the housing, a hydraulic pump (45) driven by the input shaft (6) and supplying hydraulic oil to the hydraulic clutch (88) is disposed, and the pressure oil discharged from the hydraulic pump (45) is disposed. Part of the oil is HST hydraulic oil.
[0009]
In claim 6, Claim 5 In the axle drive device described above, the central housing member (2) is formed with a recess (2b) that is recessed toward the first chamber (R1), and is located in the third chamber (R3). The hydraulic clutch (88) faces the recess (2b).
[0010]
According to a seventh aspect of the present invention, in the axle drive device according to the first aspect, an axle housing is integrally formed on one of the housing members, and a steering case (120) for four-wheel steering is mounted on an end of the axle housing. Is.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, an embodiment in which the axle drive device of the present invention is mounted on a tractor will be described.
1 is an overall side view of a tractor equipped with an axle drive device of the present invention, FIG. 2 is a side view of the axle drive device, FIG. 3 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG. 2, and FIG. 5 is a front view of the center section, FIG. 6 is a side view of the same, FIG. 7 is a sectional view taken along the line CC in FIG. 5, FIG. 8 is a hydraulic circuit diagram, and FIG. -D arrow sectional view, FIG. 10 is an EE arrow sectional view in FIG. 4, FIG. 11 is an FF arrow sectional view in FIG. 10, FIG. 12 is a side sectional view showing another housing configuration, 13 is a cross-sectional view taken along the line H-H in FIG. 12, FIG. 14 is a front cross-sectional view of an axle drive device in the case of a four-wheel steering type, FIG. 15 is a plan view of a rear wheel steering unit, and FIG. FIG. 17 is a front view of the case, and FIG. 18 is an external side view of the PTO switching gear case.
[0012]
1, the entire construction of a lawn tractor equipped with the axle drive device of the present invention will be described.
The engine 102 is mounted on the front part of the body frame 101, and the axle housings 1b and 1b of the axle drive device 103 are fixed to the left and right mounting stays 101a and 101a provided on the rear part of the body frame 101. The axles 7L and 7R protrude in the direction to support the rear wheels 105 and 105, and the front wheels 104 and 104 are suspended from the front lower part of the body frame 101. A mower 106 is mounted on the abdomen of the airframe between the front wheel 104 and the rear wheel 105 as a mid-mount work machine so as to be able to be lifted and lowered. Then, power is transmitted from the output shaft of the engine 102 to the input shaft 6 of the axle drive device 103 via the universal joint and the transmission shaft 107 so that the rear wheel 105 can be driven. The lower part of the axle drive device 103 has a mid PTO shaft 9 protruding forward, and the mower 106 can be driven by transmitting power to a gear box 109 provided on the upper part of the mower 106 via a universal joint or a transmission shaft 108. It is said.
[0013]
Next, in FIG. 2 and FIG. 3, the overall configuration of the axle drive device will be described.
The housing of the axle drive device includes a front housing member 1, a central housing member 2 and a rear housing member 3 that can be separated and joined in the longitudinal direction of the machine body. Are connected to each other to constitute a single housing.
[0014]
The motor shaft 4 is rotatably supported in the left and right directions in the upper level of the space surrounded by the front housing member 1 and the central housing member 2, and the input shaft 6 and the counter shaft 26 serving as the pump shaft are rotated at the intermediate level. The input shaft 6 with respect to the motor shaft 4 is disposed at right angles and the counter shaft 26 is disposed in parallel. Further, the axles 7L and 7R are supported to be rotatable in the left-right direction at the lower level, and the mid PTO shaft 9 is supported to be rotatable in the front-rear direction at the lower level. Then, by projecting the input shaft 6 and the mid PTO shaft 9 forward, power transmission from the engine 102 to the input shaft 6 and from the mid PTO shaft 9 to the mower 106 is performed via the universal joint, the transmission shaft, or the like. Power transmission, improving transmission efficiency compared to conventional belt transmission, and a maintenance-free configuration.
[0015]
In order to support the motor shaft 4 and the counter shaft 26 on the inner side of the front housing member 1, a semicircular recess that receives the shaft ends of the motor shaft 4 and the counter shaft 26 on the inner surface of the front wall of the front housing member 1. And a bearing member having a semicircular recess that can be separated from the front housing member 1 is mounted. Further, a concave portion 2b having a concave shape in section is projected from the front and rear partition walls 2a of the central housing member 2 toward the inside of the front housing member 1, and the input shaft 6 is a bearing between the concave portion 2b and the front housing member 1. Has been.
[0016]
Further, trunnion shafts 35L and 35R, which will be described later, are rotatably supported in the middle level of the front housing member 1, and the bearing portions of the axles 7L and 7R are connected to the front housing member 1 and the central housing at the lower level of the housing. The axles 7L and 7R are rotatably supported by being deviated forward from the joining surface of the member 2 and disposed in the front housing member 1. Each of the inner ends of the axles 7L and 7R is differentially coupled by a differential gear device 23, and both ends of the axles 7L and 7R protrude outward from the axle housings 1b and 1b integrally formed on the left and right outer walls of the front housing member 1 and are rear. Rings 105 and 105 are fixed.
[0017]
Further, a PTO clutch shaft 92 and a counter shaft 98, which will be described later, are supported between the central housing member 2 and the rear housing member 3 so as to be rotatable in the front-rear direction, and the rear portion of the mid PTO shaft 9 is the central housing member 2. The front and rear partition walls 2a and the front portions thereof are rotatably supported by the front walls of the front housing member 1 via bearings. A rear end portion of the mid PTO shaft 9 extending outward from the rear housing member 3 is covered with a cover 111.
[0018]
The internal structure of the housing includes a first chamber R1 for housing a hydrostatic transmission (hereinafter referred to as HST) between the front housing member 1 and the front and rear partition walls 2a of the central housing member 2, and a differential gear device from the motor shaft 4. 23, and a second chamber R2 for housing the axles 7L and 7R are provided. The first chamber R1 and the second chamber R2 are provided with the front housing member 1 and the central housing. The member 2 is divided into substantially left and right partitions by left and right partition walls 8 extending from the front and rear partition walls 2a. A third chamber R3 is formed between the front and rear partition walls 2a of the central housing member 2 and the rear housing member 3. Note that the housing is formed by integrating the central housing member 2 and the rear housing member 3 shown in FIG. 2 and the like to form the rear housing member 3 as shown in FIGS. The rear end opening edge of the front housing member 1 may be joined to the front end opening edge, and in this case, the third chamber R3 has a rear wall 3a of the rear housing member 3 ′ and an inner side of the front end of the rear housing member 3 ′. And the bearing plate 300 attached to the.
[0019]
The first chamber R1, the second chamber R2, and the third chamber R3 are filled with a common lubricating oil to form an oil reservoir, and the second chamber R2 above the front housing member 1 has an oil reservoir. A reservoir tank 10 is provided in the first chamber R1 via a cover member 48, and an oil filter 56, which will be described later, is communicated with the lower portion of the reservoir tank 10.
[0020]
An oil filter 18 is disposed at an arbitrary position of the left and right partition walls 8 that partition the first room R1 and the second room R2. In the present embodiment, as shown in FIG. 3, an oil filter 18 is disposed between a portion for storing the HST and a portion for storing the axle 7L and the mid PTO shaft 9, so that the oil is supplied from the second chamber R2. When the oil is circulated to the one room R1, it can be cleaned through the oil filter 18. Further, a flow hole is opened in the central housing member 2 so that oil can flow between the second chamber R2 and the third chamber R3. Therefore, the oil filled in the housing can be shared by the working oil of HST and the lubricating oil of the gear / bearing portion. When oil enters the first chamber R1 from the second chamber R2, foreign matters such as gear wear powder harmful to the HST are filtered by the oil filter 18.
[0021]
The HST is accommodated in the first chamber R1, and the center section 5 to which the hydraulic pump P and the hydraulic motor M constituting the HST are attached is. It has an elongated shape and is fixed to the front housing member 1. As shown in FIGS. 5, 6, and 7, the center section 5 is fixed in the first chamber R <b> 1, and the hydraulic motor M is disposed on the left side 91 at the top and the front 90 at the bottom. A hydraulic pump P is provided.
[0022]
The hydraulic pump P and its input shaft 6 are disposed so as to be orthogonal to each other at an intermediate level between the motor shaft 4 and the axle 7 of the hydraulic motor M. A pump-equipped surface 40 is formed on the front surface 90 of the center section 5 of the hydraulic pump P. As shown in FIG. 4, a cylinder block 16 is rotatably slidably disposed on the pump-equipped surface 40. The pistons 12, 12... Are reciprocally fitted into the plurality of cylinder bores 16 through biasing springs, and the thrust of the movable swash plate 11 is attached to the heads of the pistons 12, 12. A bearing 11a is abutted, and an opening 11b is provided in the center of the movable swash plate 11 so that the input shaft 6 can pass therethrough. The input shaft 6 also serves as a pump shaft on the rotational axis of the cylinder block 16. Arranged and locked so as not to be relatively rotatable. The front end of the input shaft 6 protrudes outward from the front wall of the front housing member 1, and power from the prime mover (engine 102) is input via a transmission mechanism such as a universal joint or a transmission shaft.
[0023]
The piston discharge surface of the movable swash plate 11 is tilted with respect to the rotational axis of the cylinder block 16 so that the oil discharge amount and discharge direction from the hydraulic pump P can be changed, as shown in FIG. As described above, the movable swash plate 11 is disposed so that the trunnion shafts 35L and 35R are integrally projected on both sides so as to be parallel to the axle 7. The trunnion shaft 35R is rotatably supported by the left and right partition walls 8 of the front housing member 1, and the trunnion shaft 35L is rotatably supported by a lid 15 that closes the side opening of the upper housing 1, and the trunnion shaft The movable swash plate 11 can be tilted about 35L and 35R. The output changing operation of the hydraulic pump P can be performed by tilting the movable swash plate 11.
[0024]
A control lever 38 is fixed to the trunnion shaft 35L, extending through the lid body 15 and extending outward. The mounting hole 38a of the control lever 38 is connected to the driver seat via a rod or wire (not shown). The link mechanism is simplified by connecting to the speed change operation tool and rotating the control lever 38 in the longitudinal direction of the machine body. A coiled neutral return spring 31 is externally fitted in the housing of the trunnion shaft 35L, and both ends of the neutral return spring 31 intersect and extend rearward. An engaging pin 39 projecting from an arm 11d formed to project rearward from the plate 11 and an eccentric shaft 33 attached to the lid 15 are sandwiched.
[0025]
Therefore, when the control lever 38 is rotated for shifting, the arm 11 d is also rotated around the trunnion shaft 35, and one end side of the neutral return spring 31 is pushed and expanded by the engagement pin 39. The other end side is stopped by the eccentric shaft 33, and a biasing force for neutral return is applied to the control lever 38. When the operation force to the transmission operating tool is released, the engagement pin 39 is returned to the eccentric shaft 33 side by the restoring force generated on one end side of the neutral return spring 31 and is held at the neutral position. Further, the portion of the eccentric shaft 33 that extends outside the housing is configured as an adjustment screw, and the arm 11d is connected to the trunnion shaft 35L via the neutral return spring 31 by appropriately rotating and locking the eccentric shaft 33. The movable swash plate 11 can be adjusted to an accurate neutral position.
[0026]
As shown in FIG. 2, the control lever 38 provided at the outer end of the housing of the trunnion shaft 35 has a locking portion 38b protruding downward and is connected to the movable portion of the shock absorber 73. The shock absorber 73 is The shock absorber 73 is disposed in a forward inclined posture below the axle 7L, and a fixed portion of the shock absorber 73 is connected to a support plate 74 fixed to the lower portion of the central housing member 2. By connecting the shock absorber 73 to the control lever 38 in this way, a sudden gear shift is prevented, and when the operating force of the gear shifting operation tool is released, the spring force of the neutral return spring 31 suddenly returns to the neutral direction. Prevents sudden deceleration acceleration.
[0027]
The pressure oil discharged from the hydraulic pump P is sent to the hydraulic motor M through an oil passage in the center section 5. As shown in FIG. 3, the hydraulic motor M is configured such that a motor-equipped surface 41 is formed on the vertical surface 91 of the center section 5, and the cylinder block 17 is rotatably supported on the motor-equipped surface 41. Yes. A plurality of pistons 13, 13... Are reciprocally fitted in a plurality of cylinder holes of the cylinder block 17 via biasing springs. The head of the piston 13 is in contact with the fixed swash plate 37. The fixed swash plate 37 is fitted and fixed to the left and right partition walls 8 in the front housing member 1.
[0028]
The motor shaft 4 is integrally disposed horizontally on the rotational axis of the cylinder block 17 and is locked so as not to be relatively rotatable. One end of the motor shaft 4 is supported by a bearing hole provided in the center of the motor attachment surface 41 of the center section 5 and the other side passes through the left and right partition walls 8 of the front housing 1 and is inserted into the second chamber R2. The motor shaft 4 is rotatably supported by bearings 76 provided on the left and right partition walls 8. This bearing 76 uses a bearing with a seal in order to partition between the first chamber R1 and the second chamber R2. Further, a gear 25 and a brake disc 19 are adjoined and fixed on the end of the motor shaft 4 located in the second chamber R2, and the brake disc 19 rotates the brake arm 29a to the brake shaft 29b. By doing so, the brake pad 29 is pressed so that the motor shaft 4 can be braked.
[0029]
Next, the internal configuration of the center section 5 on which the hydraulic pump P and the hydraulic motor M are placed will be described with reference to FIGS.
A bearing portion is formed at the center of the pumping surface 40 of the center section 5 so that the rear portion of the input shaft 6 can be rotatably supported. A pair of arcuate ports 40a and 40b are opened in the vertical direction around the bearing portion. Then, the supply / discharge oil from the cylinder block 16 is introduced. Further, as shown in FIG. 6, a pair of arcuate ports 41a and 41b are opened in the front-rear direction on the motor-equipped surface 41 so that supply / discharge oil from the cylinder block 17 is introduced.
[0030]
In order to connect the arcuate ports 40a and 40b of the pump mounting surface 40 and the arcuate ports 41a and 41b of the motor mounting surface 41 to each other, the first linear oil passage 5a and the second linear oil passage 5b are viewed from below. It is drilled in parallel in the front-rear direction. And, in order to circulate the hydraulic oil between the hydraulic pump P and the hydraulic motor M, the middle portion of the second linear oil passage 5b is communicated with the third linear oil passage 5c from the side in a perpendicular direction. The closed circuit is configured.
[0031]
That is, the arcuate port 40a of the pumping surface 40 directly communicates with the first linear oil passage 5a, the arcuate port 40b communicates with the third linear oilway 5c, and the arcuate port 41a of the motorized surface 41 is the first linear shape. Directly communicating with the oil passage 5a, the arcuate port 41b communicates with the second linear oil passage 5b, whereby the first linear oil passage 5a, the second linear oil passage 5b, and the third linear oil passage 5c Thus, a closed circuit is formed by communicating between the arcuate ports 40a and 40b and the arcuate ports 41a and 41b.
[0032]
Further, check valves 54 and 55 are disposed on the opening sides of the first linear oil passage 5a and the second linear oil passage 5b, respectively, and are closed by plug members 64 and 64, respectively. An oil passage 5d is communicated with the inlet ports of the check valves 54 and 55, and the oil passage 5d is further communicated with a replenishment port 5g opened at the rear surface of the center section 5. On the other hand, a charge pump case 46 is fixed to the rear surface of the center section 5, and a trochoid pump type charge pump 45 is accommodated in the charge pump case 46, and the input shaft 6 extends into the charge pump case 46 to extend the charge pump. 45 is driven. However, the charge pump may be an internal gear type or an external gear type.
[0033]
As shown in FIG. 8, the replenishment port 5g is charged via the charge oil passage 46a and the main relief valve 57 provided in the charge pump case 46 when the charge pump case 46 is attached to the rear surface of the center section 5. The discharge port 45a of the pump 45 communicates with the pressure oil from the charge pump 45, the drain oil of the main relief valve 57 is drained through the oil passage 46a, the replenishment port 5g, the oil passage 5d, and the check valves 54 and 55 to close the HST. The hydraulic oil can be supplied into the circuit. 58 is a relief valve for setting the supply hydraulic pressure.
[0034]
A flow control valve 50 is connected to the discharge port 45a. The flow control valve 50 divides the oil discharged from the charge pump 45 into two directions of oil flow, and one of the oil flows is output from an oil take-out port 46b opened at the rear surface of the charge pump case 46 as shown in FIG. The other oil flow is taken out of the housing to drive the external actuator 51, and the return oil from the external actuator 51 is again introduced into the charge pump case 46, and the oil passage 46a. To be washed away.
[0035]
The suction port of the charge pump 45 communicates with an opening 46b (FIGS. 5 and 10) formed on the upper surface of the charge pump case 46 in order to connect a pipe-like oil filter 56. The oil filter 56 can be inserted toward the charge pump case 46 through the opening 1a opened on the upper surface of the front housing member 1 and is supported by being sandwiched between the cover member 48 and the charge pump case 46, and the cover member 48 is removed. Thus, the oil filter 56 can be easily replaced from the upper surface of the front housing member 1. The cover member 48 includes an attachment flange member that covers the opening 1 a and a pipe-like joint member that installs the reservoir tank 10. The oil stored in the first chamber R1 in which the oil filter 56 is disposed generates heat and expands when the HST is driven. The amount of the expanded oil passes through the opening 1a and the cover member 48, and the reservoir The change in the volume of oil flowing into the tank 10 in the first chamber R1 is adjusted.
[0036]
Further, a bypass operation lever (not shown) for opening the first linear oil passage 5a and the second linear oil passage 5b to an oil reservoir so that the axle can idle when the vehicle is towed is provided in the front housing member 1. By rotating the bypass operation lever, the bypass lever shaft supported by the front wall of the front housing member 1 is rotated, and the flat surface at the lower end thereof is supported by the center section 5. The push pin is pushed in the direction of the cylinder block 17, the push pin releases the contact state between the motor-equipped surface 41 and the cylinder block 17, and the first straight oil passage 5a and the second straight oil passage 5b are the arcuate port 41a. -It communicates with the oil sump of the housing via 41b so that the motor shaft 4 can freely rotate.
[0037]
Next, gear type power transmission means for transmitting power from the motor shaft 4 to the differential gear device 23 will be described.
As shown in FIG. 3, the gear 25 provided on the motor shaft 4 that enters the second chamber R <b> 2 meshes with the large-diameter gear 24 fixed on the counter shaft 26. Further, the small diameter gear 21 fixed on the counter shaft 26 meshes with the differential input gear 22 of the differential gear device 23, decelerates from the motor shaft 4, and the differential gear device 23 is driven by the differential input gear 22, A large-diameter gear 24 on the counter shaft 26 is arranged on the side of the differential input gear 22 so as to overlap, so that the length in the left-right direction is shortened.
[0038]
Power is transmitted to the left and right axles 7L and 7R via the differential gear device 23. As shown in FIG. 9, the differential gear device 23 includes a differential input gear 22 including a main body 22a and a ring-shaped gear portion 22b. A shaft hole 22c for inserting and supporting each of the butted portions of the axles 7L and 7R is opened at the center of the main body 22a, and through holes 22d and 22d for inserting the differential pinions 80 and 80 are opened on both sides thereof, and the peripheral portion of the main body 22a In the configuration, a plurality of bolt holes 22e for fixing the gear portion 22b to the main body 22a with bolts are opened on the circumference, and the main body 22a and the gear portion 22b can be easily separated by removing the bolts. The main body 22a is made of a sintered alloy or the like, and the gear portion 22b is manufactured by cutting or forging steel.
[0039]
The differential side gears 81L and 81R are spline-fitted on the inner ends of the axles 7L and 7R, and are placed on the axle 7L on the opposite side to the reduction gear transmission on one side (right side in the traveling direction in this embodiment). A support member 89 is externally fitted. The support member 89 is formed in a bowl shape, and the differential side gear 81L is housed in the concave portion 89a. A mounting flange surface for the main body 22a is formed at the open end, and the main body 22a and the gear portion 22b are shared by the bolt. Tightened and fixed. A slider 82 is fitted on the outer periphery of the boss 89b outside the support member 89 so as to be slidable in the axial direction, and an engagement protrusion 82a formed of a pin is attached to the slider 82 in parallel with the axle. The tip of the mating protrusion 82 passes through the support member 89 and is positioned in the recess 89a, and can engage with a recess 81a formed on the outer periphery of the back surface of the differential side gear 81L. Thus, the differential lock mechanism is configured between the support member 89 and the differential side gear 81 </ b> L, and the differential gear device 23 does not have a differential case and is configured to be half covered by the support member 89.
[0040]
A front side of the right axle 7R is rotatably supported in the front housing member 1 via a bearing, and an inner side of the left axle 7L is a front housing member via a bearing disposed on the outer periphery of the support member 89. 1 is supported rotatably. Further, the inner end shaft portion of the axle 7R supported by the shaft hole 22c of the main body 22a is formed longer than the inner end shaft portion of the axle 7L. When the differential input gear 22 receives a force in the left-right direction, one side receives the force by the support member 89, and the other side is supported between the main body 22a and the axle 7R. Falling is reduced. A retaining ring 113 for preventing the shaft 7L from coming off is engaged with the middle portion of the axle 7L.
[0041]
A slide fork 84 is engaged with the slider 82, and a base portion of the slide fork 84 is fixed to a shifter shaft 85 that is supported at both ends of the front housing member 1 in parallel with the axle 7. One end of the bell crank arm 86 protrudes outward from the front housing member 1, and one end of a bell crank arm 86 is locked to the shifter shaft 85, and the other end of the bell crank arm 86 is connected to a diff lock operating tool such as a diff lock pedal via a link mechanism. It is linked with the brake device.
[0042]
In such a configuration, when the differential lock operating tool is operated, the bell crank arm 86 is rotated in the direction indicated by the arrow in FIG. 9, the slide fork 84 slides to the left, and the slider 82 slides at the same time. The engaging protrusion 82a engages with the concave portion 81a of the differential side gear 81L and is differentially locked. When the brake pedal is depressed, the brake device is braked and a link mechanism is assembled so that the right and left axles 7L and 7R are integrally connected to each other. The rear wheels 105 and 105 can be braked simultaneously without rotating. This link mechanism can be easily configured because the bell crank 86 and the brake arm 29a are disposed on the same side of the front housing member 1.
[0043]
And it can change to four-wheel steering (4WS) specification by providing a steering mechanism in the outer end part of the axle housing 1b * 1b of the front housing member 1. 14 and 15, a steering case 120 is fixed to the outer end surface of the axle housing 1b as shown on one side, and a rotating case 121 is mounted on the steering case 120 so as to be rotatable about a vertical axis. The rotating case 121 is pivotally supported on the steering case 120 by a king pin 122 pivotally attached to the upper and lower surfaces of the rotating case 121. A wheel shaft 123 is rotatably supported by the rotating case 121, and a rear wheel 105 is fixed to the wheel shaft 123.
[0044]
Further, a knuckle arm 124 projects from the lower surface of the rotating case 121 toward the inside of the machine body. A tie rod 125 is pivotally connected to the knuckle arm 124, and the tie rod 125 is pivotally connected to a bell crank arm 126. A central portion of the crank arm 126 is rotatably attached to a center pin 127a pivotally supported by a bracket 127 fixed to the lower surface of the housing. The other end of the bell crank arm 126 is linked to the steering wheel together with a steering mechanism for the front wheels via a link or the like. The bracket 127 is provided with a pair of front and rear mounting portions 127b which are erected by bending the front and rear ends thereof, and the mounting bolt 127c is sandwiched between the front and rear front housing members 1 and the central housing member 2 by the mounting portions 127b. The bracket 127 is fixed to the bottom of the housing by fastening together.
[0045]
On the other hand, the front end of the axle 7L is connected to the wheel shaft 123 via a universal joint 128. Although not shown, a steering mechanism similar to the above is also provided at the end of the axle housing 1b that accommodates the axle 7R. As described above, the axle drive device has the horizontal width of the housing narrowed by arranging the hydraulic pump P and the hydraulic motor M vertically above the axle 7L, and a steering mechanism is arranged at the end of the axle housing 1b. Even if it is installed, the left and right widths of the housing are narrowed as described above, so that a sufficient space for steering and turning the rear wheel 105 is obtained, and it is possible to easily cope with a specification with a four-wheel steering mechanism added. is there.
[0046]
Next, the power transmission configuration to the PTO shaft will be described.
As shown in FIGS. 4, 10, and 11, the rear end of the input shaft 6 passes through the recess 2b and is inserted into the third chamber R3. One end of the PTO clutch 88 is rotatably supported on the same axis via a bearing, and a PTO clutch 88 including a hydraulic clutch is formed between the PTO input shaft 92 and the input shaft 6.
[0047]
That is, the rotating body 93 is spline-fitted on the shaft end of the input shaft 6, and a friction plate is engaged with the outer periphery of the rotating body 93. On the other hand, a clutch case 94 is fixed on the end of the PTO input shaft 92, a piston 95 is housed in the clutch case 94, a friction plate is locked to a portion facing the rotating body 93, and It is alternately arranged with the friction plate and polymerized. Thus, the PTO clutch 88 is constituted, and the PTO clutch 88 can be connected and disconnected by operating the electromagnetic valve 96 which is housed in the concave portion 2b having the concave shape and provided outside the housing.
[0048]
That is, the electromagnetic valve 96 is linked to a PTO operating tool (not shown) and can be turned on and off by operating the PTO operating tool. As shown in FIGS. 8, 10, and 11, the cylinder chamber for sliding the piston 95 in the clutch case 94 is formed in an oil passage 92a drilled at an axial center position from the end face of the PTO clutch shaft 92. It is communicated. The rear end portion of the PTO clutch shaft 92 is oil-tightly fitted into a recess 3b formed in the rear wall 3a of the rear housing member 3 to form a rotary joint. The oil passage 92a is an oil chamber provided in the recess 3b. Is open. On the other hand, the electromagnetic valve 96 is installed on the upper surface of the rear wall 3a of the rear housing member 3, and the switching valve portion is inserted into the rear wall 3a.
[0049]
Furthermore, an oil passage 135 that communicates with the input port of the switching valve portion on the left and right sides around the switching valve portion of the electromagnetic valve 96 is communicated with the rear wall 3a. Oil passages 134 are respectively drilled in the horizontal direction. A starting end portion 135a of the oil passage 135 is bent at a right angle as shown in FIG. 10 and is opened at a joint surface with respect to the rear end of the central housing member 2, and is connected to an oil outlet port 46b opened at the rear surface of the charge pump case 46. On the other hand, the central housing member 2 is connected via an oil passage 136 extending in the front-rear direction formed in the thick wall of the recess 2b.
[0050]
An oil passage 133 communicating with the oil chamber in the recess 3b is drilled in parallel below the oil passage 134, and the start end portions 134a and 133a of both the oil passages 134 and 133 are bent at a right angle so that a central housing member is formed. 2, the oil passage 134 and the oil passage 133 are connected to each other by being opened at a joint surface with respect to the rear end of the two and communicated with each other by an oil groove 132 that is recessed and formed on the joint surface. It has become so. The rear wall 3a of the rear housing mend 3 is provided with a relief valve 130 that is connected to the oil chamber of the recess 3b and sets the operating oil pressure of the PTO clutch 88. The relief oil discharged from the relief valve 130 is provided. Is returned to the third room R3.
[0051]
The anti-rotation brake 131 is disposed in the vicinity of the PTO clutch 88 on the side surface of the central housing member 2, and a brake pad 131 b is fixed to the tip of the piston 131 a, and the brake pad 131 b is attached to the back of the clutch case 94. The fixed gear 97 is arranged to face the outer peripheral surface 97a of the large-diameter boss portion, the piston 131a is housed in a cylinder chamber 2c formed on the side surface portion of the central housing member 2, and the brake pad 131b is made large-diameter boss by a spring 131c. The outer peripheral surface 97a is urged so as to abut.
[0052]
The cylinder chamber 2c is connected to an oil passage 133b extending in the front-rear direction, which is perforated on the side wall of the central housing member 2, and is connected to the start end side 133a of the oil passage 133b via a joint surface to the front end of the rear housing member 3. Has been. Thus, the anti-rotation brake 131 is configured as a negative brake type, and becomes non-braking / braking in synchronization with the operation / non-operation of the PTO clutch 88.
[0053]
In such a configuration, when the PTO operation tool is not operated, the electromagnetic valve 96 is not actuated and is in the position shown in FIG. 8, and no pressure oil is supplied to the PTO clutch 88 and the anti-rotation brake 131. The brake pad 131b is pressed against the clutch case 94 by the urging force of 131c so that the PTO clutch shaft 92 does not rotate.
[0054]
When the PTO operation tool is operated, the electromagnetic valve 96 is switched to the left position, the oil passage 135 and the oil passage 134 are communicated, and the pressure oil from the oil take-out port 46b is prevented from being accompanied by a brake. 131 and the PTO clutch 88 are fed, the brake pad 131b of the anti-rotation brake 131 releases the clutch case 94, the brake is released, and the piston 93 of the PTO clutch 88 is slid to press the friction plate. The PTO clutch 88 becomes “contact”, and power is transmitted from the input shaft 6 to the PTO clutch shaft 92.
[0055]
As shown in FIGS. 4 and 10, the gear 97 on the PTO clutch shaft 92 is connected to the clutch case 94 so as not to rotate relative thereto. The gear 97 is meshed with a gear 99 fixed on the counter shaft 98, and the gear 99 is meshed with a gear 100 fixed on the mid PTO shaft 9. Thus, by bringing the PTO clutch 88 into contact, power is transmitted to the mid PTO shaft 9 through the gears 97, 99, and 100, and the mower is transmitted from the mid PTO shaft 9 through the universal joint and the transmission shaft 108. Power is transmitted to 106. Further, the power can be transmitted to a work machine disposed after the machine 111 with the cover 111 removed.
[0056]
The power transmission means from the PTO clutch shaft 92 to the mid PTO shaft 9 can be constituted by a gear train by a spur gear, and the power transmission means from the motor shaft 4 to the differential input gear 22 is also a gear train by a spur gear. The power transmission means to the mid PTO shaft 9 is overlapped with the differential input gear 22 in a side view so that the front-rear width is narrowed. I have to.
[0057]
Further, the cover 111 is removed from the rear housing member 3, the hole 3b is opened, the gear 100 is extracted from the mid PTO shaft 9, and the PTO gear case 140 shown in FIGS. The direction of power transmission to the rear work machine can be switched arbitrarily. Optional or retrofitable configuration.
[0058]
That is, the PTO gear case 140 is divided into front and rear parts, and supports the rear PTO input shaft 141, the counter shaft 142, and the rear PTO shaft 143 so as to be rotatable in parallel along the front-rear direction, and the rear PTO input shaft 141. A gear 144 is fixed on the counter shaft 142 and meshed with a gear 145 fixed on the counter shaft 142. A gear 146 is further fixed on the counter shaft 142 and is fixed on the rear PTO shaft 143. 147 so that power can be transmitted from the rear PTO input shaft 141 to the rear PTO shaft 143.
[0059]
A hollow cylindrical rotator 148 inserted into the rear housing member 3 through the hole 3b is spline-fitted to the rear end of the mid PTO shaft 9, and a gear 149 is disposed on the outer periphery of the rotator 148. Is externally fitted through a bearing, the gear 149 has two teeth, one tooth 149a meshes with the gear 99 on the counter shaft 98, and the other tooth 149b The tooth portion 148a formed on the end portion of the rotating body 148 and the tooth portion 144a formed on the end portion of the gear 144 are arranged in parallel on the same axis, and the clutch slider 150 is placed on the tooth portions 144a, 148a, and 149b. Are externally fitted so as to be able to mesh with the respective tooth portions.
[0060]
A slide fork 151 is engaged with the clutch slider 150, the slide fork 151 is slidably supported on a fork shaft 152 fixed to the PTO gear case 140, and the slide fork 151 is supported on the side wall of the gear case 140. The switching shaft 153 is configured to be slid through the arm 154 by the rotation of the switching shaft 153, and the switching shaft 153 is connected to a PTO switching operation lever in the driver's seat through a link or the like. The switching position can be detected by the sensors 155 and 156.
[0061]
In this way, when the clutch slider 150 is positioned forward by the rotation of the switching shaft 153, the tooth portions 149b and 148a and the clutch slider 150 are engaged with each other, and power is transmitted from the gear 149 to the mid PTO shaft 9 so that the Only the work machine can be driven. Further, when the slider 150 is positioned at the center of the figure, the clutch slider 150 is engaged with all of the tooth portions 144a, 148a, and 149b, so that both the mid work machine and the rear work machine can be driven. Further, when the clutch slider 150 is positioned rearward, the clutch slider 150 meshes with the tooth portions 144a and 148a, power is transmitted to the rear PTO shaft 143, and only the rear working machine can be driven.
[0062]
In this manner, the gear insertion / removal hole 3b provided in the rear wall of the rear housing member 3 is closed by the PTO gear case 140 mounted in place of the cover 111, and the third chamber R3 is inserted through the hole 3b. The power from the located PTO clutch 88 is guided into the PTO gear case 140 so that the power is transmitted to the mid PTO shaft 9 and the rear PTO shaft 143.
[0063]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured as described above, the following effects can be obtained.
In Claim 1, the housing which accommodates the input shaft 6 which has a rotating shaft line along the front-back direction, the axle shaft 7L * 7R which has a rotating shaft line along the left-right direction, and the PTO shaft 9 which has a rotating shaft line along the front-back direction. The housing is formed by connecting at least two housings in the front-rear direction, HST driven by the input shaft 6 on the front side in the interior, and power transmission means for transmitting the output of the HST to the axle. In addition, power transmission means for transmitting the power of the input shaft to the PTO shaft 9 on the rear side are accommodated independently of each other, and the HST is connected to the input shaft 6 and the hydraulic pump P, The hydraulic motor M is connected to the axles 7L and 7R, and the center section 5 is installed and fluidly connected to the hydraulic pump P and the hydraulic motor M. Since the axis line is arranged in parallel with the axis of rotation of the axles 7L and 7R, and the hydraulic pump P and the hydraulic motor M are arranged in the vertical direction above the axles 7L and 7R, the housing is elongated and the lateral width is compressed. It was possible to make it compact.
In addition, when the vehicle is a four-wheel steering vehicle, a rear wheel steering space can be secured.
In addition, the input shaft can be directly connected to the hydraulic pump, and the hydraulic motor and the axle can be connected by a spur gear type gear train to simplify the configuration and reduce the cost.
In addition, since the hydraulic pump P is disposed between the hydraulic motor M and the axles 7L and 7R, dead space generated on the side of the gear train between the hydraulic motor and the axle in the first or third chamber. Effectively, the vertical width of the housing can be compressed.
[0064]
According to a second aspect of the present invention, in the axle drive device according to the first aspect, the housing has a front housing member 1, a central housing member 2, and a rear housing member 3 connected in the front-rear direction, and the front housing member 1 and the central housing member 2 are connected to each other. A first chamber R1 and a second chamber R2 are formed in the interior, a third chamber R3 is formed in the central housing member 2 and the rear housing member 3, and the input shaft 6 is disposed in the first chamber R1. The power transmission means for transmitting the HST output to the axles 7L and 7R is accommodated in the second room R2, and the power is transmitted from the input shaft 6 to the PTO shaft 9 in the third room R3. Since the power transmission means for transmitting is accommodated, oil leakage to the outside of the housing is prevented.
Further, the number of parts of the housing member can be reduced while integrating the power take-off mechanism in the housing.
Is.
[0065]
According to a third aspect of the present invention, in the axle drive device according to the first aspect, the PTO shaft 9 is disposed in the vicinity of the axles 7L and 7R, and the hydraulic motor M and the axles 7L and 7R are connected to each other. Since the power transmission means and the power transmission means for transmitting the power from the input shaft 6 to the PTO shaft 9 are overlapped in a side view, the front-rear width of the housing can be compressed and the size reduction can be achieved.
[0066]
According to Claim 4, in the axle drive device according to Claim 2, the third chamber R3 or the first chamber R1 is configured to allow oil to flow through the second chamber R2, so that power transmission of the traveling system is achieved. The lubricating oil can be shared between the means and the PTO power transmission means.
Further, since oil can flow freely through the oil filter 18 in the first chamber R1 and the second chamber R2, the lubricating oil for the power transmission means of the traveling system and the power transmission means of the PTO system is supplied to the HST. The oil in the first chamber can be kept clean to protect the HST from foreign matters in the lubricating oil existing in the second chamber and improve the durability. .
[0067]
In claim 5, Claim 2 In this axle drive device, the power transmission means to the PTO shaft 9 includes a hydraulic clutch 88 capable of connecting / disconnecting power transmission from the input shaft 6 to the PTO shaft 9, and in the housing, the input shaft 6, the hydraulic pump 45 that supplies hydraulic oil to the hydraulic clutch 88 is disposed. Therefore, the hydraulic pump is positioned in the vicinity of the hydraulic clutch, the oil path configuration for the hydraulic clutch is shortened, and the pipe resistance is reduced. Small loss horsepower can be reduced.
In addition, since a part of the pressure oil discharged from the hydraulic pump 45 is used as the hydraulic fluid for the HST, the hydraulic pump is used for both hydraulic clutch oil supply and HST hydraulic oil supply, and the number of pumps used can be reduced. Cost reduction can be achieved.
[0068]
In claim 6, Claim 5 In this axle drive device, the central housing member 2 is formed with a recess 2b that is recessed into the first chamber R1, and the hydraulic clutch 88 positioned in the third chamber R3 is placed in the recess 2b. Since it was exposed, the dead space in the first room can be effectively used as the installation space for the hydraulic clutch, and the entire housing can be made compact.
[0069]
According to a seventh aspect of the present invention, in the axle drive device according to the second aspect, an axle housing is integrally formed on any of the housing members, and a steering case 120 for four-wheel steering is attached to an end portion of the axle housing. Even if the running wheel is steered and rotated, the housing width is narrow, so there is no need to widen the tread, and the turning radius can be further reduced, and the same aircraft can be used. The steering performance and work efficiency can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall side view of a tractor equipped with an axle drive device of the present invention.
FIG. 2 is a side view of an axle drive device.
3 is a cross-sectional view taken along the line AA in FIG. 2;
4 is a cross-sectional view taken along line BB in FIG.
FIG. 5 is a front view of a center section.
FIG. 6 is a side view of the same.
7 is a cross-sectional view taken along the line CC in FIG.
FIG. 8 is a hydraulic circuit diagram.
FIG. 9 is a cross-sectional view taken along the line DD in FIG. 3;
10 is a cross-sectional view taken along line EE in FIG.
11 is a cross-sectional view taken along the line FF in FIG.
FIG. 12 is a side sectional view showing another housing configuration.
13 is a cross-sectional view taken along line HH in FIG.
FIG. 14 is a front sectional view sectional view of an axle drive device in the case of a four-wheel steering type.
FIG. 15 is a plan view of a rear wheel steering unit.
FIG. 16 is a side view of a PTO switching gear case.
FIG. 17 is a front view of the same.
FIG. 18 is an external side view of a PTO switching gear case of a switching operation shaft portion.
[Explanation of symbols]
R1 first room
R2 second room
R3 3rd room
P Hydraulic pump
M hydraulic motor
1 Front housing member
2 Central housing member
2b recess
3 Rear housing member
4 Motor shaft
5 Center section
6 Input shaft
7L ・ 7R axle
9 PTO axis (Mid PTO axis)
18 Oil filter
45 Hydraulic pump (charge pump)
88 Hydraulic clutch (PTO clutch)

Claims

A housing that accommodates an input shaft (6) having a rotation axis along the front-rear direction, an axle (7L, 7R) having a rotation axis along the left-right direction, and a PTO shaft (9) having a rotation axis along the front-rear direction. The housing is formed by connecting at least two housings in the front-rear direction, HST driven by the input shaft (6) on the front side in the interior, and power transmission for transmitting the output of the HST to the axle. And a power transmission means for transmitting the power of the input shaft (6 ) to the PTO shaft (9) on the rear side separately and accommodating the HST on the input shaft (6). The hydraulic pump (P) to be connected, the hydraulic motor (M) connected to the axle (7L / 7R), the hydraulic pump (P) and the hydraulic motor (M) are installed and fluidly connected. Center section (5 ) , The rotational axis of the hydraulic motor (M) is arranged in parallel with the rotational axis of the axle (7L, 7R), and the hydraulic pump (P) and the hydraulic motor ( M) is arranged in the vertical direction, and the hydraulic pump (P) is disposed between the hydraulic motor (M) and the axle (7L, 7R).

2. The axle drive device according to claim 1, wherein the housing comprises a front housing member (1), a central housing member (2), and a rear housing member (3) connected in the front-rear direction, the front housing member (1) and the central housing. A first chamber (R1) and a second chamber (R2) are formed inside the member (2), and a third chamber (R3) is formed inside the central housing member (2) and the rear housing member (3). And transmitting the HST driven by the input shaft (6) in the first chamber (R1) and transmitting the output of the HST to the axle (7L / 7R) in the second chamber (R2). And a power transmission means for transmitting power from the input shaft (6) to the PTO shaft (9) in the third chamber (R3).

2. The axle drive device according to claim 1, wherein the PTO shaft (9) is disposed in the vicinity of the axle (7L / 7R) and connects the hydraulic motor (M) and the axle (7L / 7R). An axle drive apparatus characterized in that the power transmission means and the power transmission means for transmitting power from the input shaft (6) to the PTO shaft (9) overlap in a side view.

3. The axle drive device according to claim 2, wherein the third chamber (R3) or the first chamber (R1) is configured to allow oil to flow through the second chamber (R2). An axle driving device characterized in that oil can flow freely between the R1) and the second chamber (R2) via an oil filter (18).

The axle drive device according to claim 2 , wherein the power transmission means to the PTO shaft (9) is a hydraulic clutch (88) capable of connecting / disconnecting power transmission from the input shaft (6) to the PTO shaft (9). And a hydraulic pump (45) that is driven by the input shaft (6) and supplies hydraulic oil to the hydraulic clutch (88) is disposed in the housing, and is discharged from the hydraulic pump (45). An axle driving device characterized in that a part of the pressure oil is the hydraulic fluid of the HST.

6. The axle drive device according to claim 5 , wherein a recess (2b) that is recessed toward the first chamber (R1) is formed in the central housing member (2), and the third chamber (R3) is formed. An axle driving device characterized in that the hydraulic clutch (88) positioned faces the recess (2b).

3. The axle drive device according to claim 2, wherein an axle housing is integrally formed on any one of the housing members, and a steering case (120) for four-wheel steering is mounted on an end of the axle housing. Drive device.