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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波撮像方法および装置並びにマイクロバルーン(micro baloon)破壊方法に関し、特に、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体についての超音波撮像方法および装置、並びに、被検体に注入したマイクロバルーンの破壊方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
造影剤を用いる超音波撮像では、直径が1〜数μmの多数のマイクロバルーンを液体に混入したマイクロバルーン造影剤を用いる。マイクロバルーンは生体に無害な気体を、生体に無害かつ経時分解性の殻に封入したものとなっている。このようなマイクロバルーンは、非直線的なエコー(echo)源性により、例えば第2高調波等の特徴的な高調波エコーを発生するので、それに基づいて画像を生成することにより、体内における造影剤の分布を画像化する。
【0003】
マイクロバルーン造影剤を用いた造影撮像には、マイクロバルーンの殻を破壊しない超音波を送波し、第2高調波エコーに基づく画像を生成する非破壊モード(mode)と、マイクロバルーンの殻を破壊する超音波を送波し、殻の破壊時に発生するサブハーモニックス(subharmonics)エコーを利用して画像を生成する破壊モードとがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
超音波送受信系の非直線性や被検体内の超音波伝播の非線形性等により、マイクロバルーン造影剤を含まない体内組織からのエコーにも第2高調波成分等が不可避的に含まれる。この現象を、本書では仮に基本波からのスペクトラム(prectrum)の漏れと呼ぶ。このスペクトラムの漏れのため、第2高調波エコーから画像を生成すると、組織像も一緒に画像化され、造影剤像の識別が困難になるという問題がある。
【0005】
また、破壊モードで撮像した場合、マイクロバルーンの破壊された殻から気泡が放出される。この気泡は瞬時には消滅せず、血液等に溶解して消滅するまである時間体内に存在し続ける。したがって、この気泡も造影剤として利用可能であるが、従来は、これを造影に利用するという発想がなく、ただ気泡の消滅を待つのみであった。
【0006】
また、破壊モードで撮像する場合、送波超音波の音圧をマイクロバルーンの殻を破壊するに足るレベル(level) まで上げる必要があるが、生体に対する安全性の観点からなるべく低い音圧で確実に破壊することが望まれる。
【0007】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、マイクロバルーン造影撮像を効果的に行う超音波撮像方法および装置を実現することである。また、マイクロバルーンの殻の破壊後に生じる気泡を利用して造影撮像を行う超音波撮像方法および装置を実現することを目的とする。さらには、マイクロバルーンを能率良く破壊するマイクロバルーン破壊方法を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決する第1の発明は、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体に超音波を送波し高調波エコーに基づいて画像を生成する超音波撮像方法であって、前記被検体に前記マイクロバルーン造影剤を注入しない状態で得たエコーに含まれている前記高調波エコーの漏れ成分を求め、前記被検体に前記マイクロバルーン造影剤を注入した状態で得た高調波エコーから前記漏れ成分を差し引き、前記差し引き後の高調波エコーに基づいて画像を生成する、ことを特徴とする。
【0009】
(2)上記の課題を解決する第2の発明は、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体に超音波を送波しエコーに基づいて画像を生成する超音波撮像方法であって、前記マイクロバルーン造影剤におけるマイクロバルーンの殻を破壊する音圧を持つ第1の超音波を送波し、前記第1の超音波の送波から時間をおいて第2の超音波を送波し、前記第2の超音波に対するエコーに基づいて画像を生成する、ことを特徴とする。
【0010】
(3)上記の課題を解決する第3の発明は、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体を超音波ビームにより音線順次で走査し各音線上のエコーに基づいて画像を生成する超音波撮像方法であって、隣合う少なくとも3つの音線に跨がるビーム幅を有し、中央の音線上では前記マイクロバルーン造影剤中のマイクロバルーンの殻を破壊するに足る音圧であり、両側の音線では前記マイクロバルーンの殻を破壊するに足りない音圧であるビームプロファイルを有する超音波を送波し、前記両側の音線のうち前記中央の音線から見て前記音線順次の走査方向とは反対側にある音線に沿ってエコーを受信し、前記エコーに基づいて画像を生成する、ことを特徴とする。
【0011】
(4)上記の課題を解決する第4の発明は、被検体に超音波を送波しそのエコーを受信する送受信手段と、前記被検体にマイクロバルーン造影剤を注入しない状態で前記送受信手段により得たエコーに含まれている高調波エコーの漏れ成分を算出する算出手段と、前記被検体にマイクロバルーン造影剤を注入した状態で前記送受信手段により得た高調波エコーから前記漏れ成分を差し引く差引手段と、前記差し引き後の高調波エコーに基づいて画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする。
【0012】
(5)上記の課題を解決する第5の発明は、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体に前記マイクロバルーン造影剤におけるマイクロバルーンの殻を破壊する音圧を持つ第1の超音波を送波し、前記第1の超音波の送波から時間をおいて第2の超音波を送波する送波手段と、前記第2の超音波に対するエコーを受信する受信手段と、前記受信したエコーに基づいて画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする。
【0013】
(6)上記の課題を解決する第6の発明は、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体を超音波ビームにより音線順次で走査し各音線上のエコーに基づいて画像を生成する超音波撮像装置であって、隣合う少なくとも3つの音線に跨がるビーム幅を有し、中央の音線上では前記マイクロバルーン造影剤中のマイクロバルーンの殻を破壊するに足る音圧となり、両側の音線では前記マイクロバルーンの殻を破壊するに足りない音圧となるビームプロファイルを有する超音波を送波する送波手段と、前記両側の音線のうち前記中央の音線から見て前記音線順次の走査方向とは反対側にある音線に沿ってエコーを受信する受信手段と、前記受信したエコーに基づいて画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする。
【0014】
(7)上記の課題を解決する第7の発明は、マイクロバルーンを注入した被検体に最初の半サイクルが負圧となる超音波を送波する、ことを特徴とする。
なお、第1の発明または第4の発明おいて、高調波エコーの周波数領域への漏れ成分とは、前述の基本波からのスペクトラムの漏れを意味する。
【0015】
第1の発明または第4の発明において、前記高調波エコーからの前記漏れ成分の差引はフーリエ変換された周波数ドメインの信号同士で行うことが、リアルタイム性の良い造影撮像を行う点で好ましい。
【0016】
第2の発明または第5の発明において、前記第1の超音波は最初の半サイクルが負圧であることが、マイクロバルーンの殻を能率良く破壊する点で好ましい。
また、第2の発明または第5の発明において、前記第1の超音波は、そのビームの横断面内に撮像用の複数の音線を含むことが、マイクロバルーンの殻の破壊の能率を上げる点で好ましい。
【0017】
第3の発明または第6の発明において、前記中央の音線から見て前記音線順次の走査方向側にある音線に沿ってエコーを受信し、それに基づいて画像を生成することが、マイクロバルーンの殻の破壊前の画像を得る点で好ましい。
【0018】
第7の発明において、前記超音波の波形が1サイクルで終わることが、マイクロバルーンの殻の破壊能率を上げる点で好ましい。
(作用)
第1の発明または第4の発明では、信号の差し引きにより、マイクロバルーン造影剤によらない高調波エコーを除去する。
【0019】
第2の発明または第5の発明では、マイクロバルーンの殻の破壊と超音波撮像との間に時間をあけて、殻から放出された気泡の状態が整定した後に撮像を行う。
【0020】
第3の発明または第6の発明では、エコー受信用の音線が通過する領域が、1音線前に送波超音波ビームの中心が通過してマイクロバルーンの殻を破壊した領域となる。
【0021】
第7の発明では、負圧から始まる超音波を印加することにより、マイクロバルーンを能率良く破壊する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。
【0023】
図1に、超音波撮像装置のブロック(block) 図を示す。本装置は本発明の超音波撮像装置の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置についての実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法についての実施の形態の一例が示される。
【0024】
(構成)
本装置の構成を説明する。図1に示すように、本装置は、超音波プローブ(probe) 2を有する。超音波プローブ2は、例えば前方に張り出した円弧に沿って形成された図示しない超音波振動子アレイ(array) を有する。すなわち、超音波プローブ2はコンベックスプローブ(convex probe)となっている。超音波プローブ2は、操作者により被検体4に当接されて使用される。被検体4には、マイクロバルーン造影剤40が注入されている。
【0025】
超音波プローブ2は送受信部6に接続されている。送受信部6は、超音波プローブ2に駆動信号を与えて、被検体4内に超音波を送波させるようになっている。送受信部6は、また、超音波プローブ2が受波した被検体4からのエコーを受信するようになっている。超音波プローブ2および送受信部6は、本発明における送受信手段の実施の形態の一例である。また、本発明における送波手段の実施の形態の一例である。また、本発明における受信手段の実施の形態の一例である。
【0026】
送受信部6のブロック図を図2に示す。同図において、送波タイミング(timing)発生回路602は、送波タイミング信号を周期的に発生して送波ビームフォーマ(beam former) 604に入力するようになっている。
【0027】
送波ビームフォーマ604は、送波タイミング信号に基づいて、送波ビームフォーミング(beam forming)信号、すなわち、超音波振動子アレイ中の複数の超音波トランスデューサ(transducer)を時間差をもって駆動する複数の駆動信号を発生し、送受切換回路606に入力するようになっている。駆動信号は振幅および波形が可変となっている。
【0028】
送受切換回路606は、複数の駆動信号をセレクタ(selector)608に入力するようになっている。セレクタ608は、超音波振動子アレイの中から送波アパーチャ(aperture)を形成する複数の超音波トランスデューサを選択し、それらに複数の駆動信号をそれぞれ与えるようになっている。
【0029】
複数の超音波トランスデューサは、複数の駆動信号の時間差に対応した位相差を持つ複数の超音波をぞれぞれ発生する。それら超音波の波面合成によって超音波ビームが形成される。超音波ビームの送波方向は、セレクタ608が選択する送波アパーチャによって定まる。
【0030】
超音波ビームの送波は、送波タイミング発生回路602が発生する送波タイミング信号により、所定の時間間隔で繰り返し行われる。超音波ビームの送波方向は、セレクタ608で送波アパーチャを切り換えることにより順次変更される。それによって、被検体4の内部が、超音波ビームが形成する音線によって走査される。すなわち被検体4の内部が音線順次で走査される。
【0031】
セレクタ608は、また、超音波トランスデューサのアレイの中から受波アパーチャを形成する複数の超音波トランスデューサを選択し、それら超音波トランスデューサが受波した複数のエコー信号を送受切換回路606に入力するようになっている。
【0032】
送受切換回路606は、複数のエコー信号を受波ビームフォーマ610に入力するようになっている。受波ビームフォーマ610は、複数のエコー信号に時間差を付与して位相を調整し、次いでそれら加算して受波のビームフォーミング、すなわち、受波音線上のエコー受信信号を形成するようになっている。セレクタ608により、受波の音線も送波に合わせて走査される。
【0033】
以上の、送波タイミング発生回路602乃至受波ビームフォーマ610は、後述の制御部18によって制御されるようになっている。
超音波プローブ2および送受信部6によって、例えば図3に示すような走査が行われる。すなわち、同図に示すように、放射点200から発する音線202が円弧204上を移動することにより、扇面状の2次元領域206がθ方向に走査され、いわゆるコンベックススキャン(convex scan) が行われる。音線202を超音波の送波方向(z方向)とは反対方向に延長したとき、全ての音線が一点208で交わるようになっている。点208は全ての音線の発散点となる。
【0034】
送受信部6はBモード(mode)処理部10に接続され、音線毎のエコー受信信号をBモード処理部10に入力するようになっている。Bモード処理部10はBモード画像データ(data)を形成するものである。Bモード処理部10は、図4に示すように基本波処理部110および高調波処理部112を備えており、それらに受波ビームフォーマ610の出力信号が入力される。
【0035】
基本波処理部110は、入力信号につき、送波超音波の基本波に相当する周波数を持つ信号を対数増幅および包絡線検波することにより音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号、すなわちAスコープ(scope) 信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード(mode)画像データを形成するようになっている。すなわち、基本波処理部110は、基本波エコーに基づく画像データを生成する。
【0036】
高調波処理部112は、入力信号につき、送波超音波の高調波に相当する信号を対数増幅および包絡線検波することにより音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号、すなわちAスコープ(scope) 信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード(mode)画像データを形成するようになっている。すなわち、高調波処理部112は、高調波エコーに基づく画像データを生成する。
【0037】
高調波エコーは第2高調波エコーを主体とする。それに限らず、マイクロバルーン造影剤のエコーに含まれる他の次数の高調波エコーをも利用して差支えない。高調波処理部112については、のちにあらためて説明する。
【0038】
Bモード処理部10は画像処理部14に接続されている。Bモード処理部10および画像処理部14は、本発明における画像生成手段の実施の形態の一例である。画像処理部14は、Bモード処理部10から入力されるデータに基づいてBモード画像を生成するものである。
【0039】
画像処理部14は、図5に示すように、バス(bus) 140によって接続された音線データメモリ(data memory) 142、ディジタル・スキャンコンバータ(digital scan converter)144、画像メモリ146および画像処理プロセッサ(prosessor) 148を備えている。
【0040】
Bモード処理部10から音線毎に入力されたBモード画像データは、音線データメモリ142にそれぞれ記憶される。音線データメモリ142内には音線データ空間が形成される。
【0041】
ディジタル・スキャンコンバータ144は、走査変換により音線データ空間のデータを物理空間のデータに変換するものである。ディジタル・スキャンコンバータ144によって変換された画像データは、画像メモリ146に記憶される。すなわち、画像メモリ146は物理空間の画像データを記憶する。画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142および画像メモリ146のデータについてそれぞれ所定のデータ処理を施すものである。
【0042】
画像処理部14には表示部16が接続されている。表示部16は、画像処理部14から画像信号が与えられ、それに基づいて画像を表示するようになっている。表示部16は、カラー(color)画像が表示可能なものとなっている。
【0043】
以上の送受信部6、Bモード処理部10、画像処理部14および表示部16は制御部18に接続されている。制御部18は、それら各部に制御信号を与えてその動作を制御するようになっている。また、制御部18には、被制御の各部から各種の報知信号が入力されるようになっている。制御部18の制御の下で、超音波撮像が遂行される。
【0044】
制御部18には操作部20が接続されている。操作部20は操作者によって操作され、制御部18に所望の指令や情報を入力するようになっている。操作部20は、例えばキーボード(keyboard)やその他の操作具を備えた操作パネル(panel) で構成される。
【0045】
図6に、高調波処理部112の要部のブロック図を示す。同図に示すように、高調波処理部112は、レンジゲート(range gate)部114を有し、入力信号をレンジゲートしてFFT(fast Fourie transform) 部116に入力するようになっている。
【0046】
FFT部116は、入力信号をFFT処理すなわちフーリエ(Fourie)変換して時間ドメイン(domain)の信号を周波数ドメインの信号に変換し、その出力信号を、切換部118を通じて係数演算部120またはスペクトラムシミュレーション(sprectrum simulation)部122に選択的に入力するようになっている。スペクトラムシミュレーション部122は、本発明における算出手段の実施の形態の一例である。スペクトラムシミュレーション部122への入力信号は、引算部124にも共通に入力される。引算部124は、本発明における差引手段の実施の形態の一例である。
【0047】
引算部124は、FFT部116の出力信号からスペクトラムシミュレーション部122の出力信号を引算してiFFT(inverse fast Fourie transform) 部126に入力するようになっている。iFFT部126は、引算部124の出力信号をiFFT処理して周波数ドメインの信号を時間ドメインの信号に戻すようになっている。
【0048】
係数演算部120は、切換部120を通じて与えられる入力信号に基づいて基本波からのスペクトラム漏れを表す係数を求めるようになっている。この係数は、マイクロバルーン造影剤40を注入しない状態で、被検体4を超音波で走査して得たエコーのFFT結果から求めるようにしている。係数の大小は、スペクトラム漏れの大小に対応する。
【0049】
すなわち、レンジゲート部114でレンジゲートした区間のエコー信号を、FFT部116でFFT処理して周波数スペクトラムを求め、この周波数スペクトラムから、係数演算部120により、高調波すなわち基本波からの漏れスペクトラムの個々の成分の構成比を表す係数列を求める。これを音線上の全区間について行い、また、走査範囲の全音線について行う。このようにして求めた係数列をスペクトラムシミュレーション部122に与える。
【0050】
スペクトラムシミュレーション部122は、造影撮像時に切換部120を通じてFFT部116から入力される信号に基づいて、基本波からのスペクトラム漏れをシミュレーションするようになっている。
【0051】
すなわち、被検体4にマイクロバルーン造影剤40を注入して行う造影撮像時に、レンジゲート部114でレンジゲートした区間のエコー信号を、FFT部116でFFT処理して周波数スペクトラムを求め、この周波数スペクトラムと前記係数列に基づき、スペクトラムシミュレーション部122により、基本波からのスペクトラム漏れをシミュレーションによって生成する。なお、係数列は、音線およびレンジゲート区間が入力信号のそれと対応するものが利用される。
【0052】
このように生成した漏れスペクトラムを、引算部124でFFT部116の出力信号から引算することにより、漏れスペクトラムを含まない高調波のスペクトラムを得る。これによって、iFFT部126から漏れスペクトラムを含まない高調波信号を時間ドメインの信号として得る。これを音線上の全区間について行い、また、走査範囲の全音線について行う。
【0053】
以上の、FFT部116乃至iFFT部124は、例えば、コンピュータ等を用いて構成する。
(動作)
本装置の動作を説明する。操作者は、超音波プローブ2を被検体4の所望の個所に当接し、操作部20を操作して撮像を行う。撮像は、制御部18による制御の下で遂行される。
【0054】
操作者は、撮影に先立ち、被検体4にマイクロバルーン造影剤40を注入しない状態で、造影撮像予定範囲について超音波による予備走査を行い、エコー信号に基づき係数演算部120により前述のような係数算出を行う。その後に、マイクロバルーン造影剤40を被検体4に注入して造影撮像を開始する。
【0055】
先ず、非破壊モードでの造影撮像について説明する。送受信部6は、超音波プローブ2を通じて音線順次で被検体4の内部を走査して逐一そのエコーを受信する。超音波の送波レベルはマイクロバルーンの殻を破壊しない程度に設定されている。音線がマイクロバルーン造影剤40の注入部位を走査したとき、エコーには、体内組織からの基本波エコーに加えて、マイクロバルーン造影剤40からの高調波エコーが含まれる。高調波エコーの主体は、第2高調波エコーである。これらのエコーの混在した信号が、送受信部6からBモード処理部10に入力される。
【0056】
Bモード処理部10は、基本波処理部110により基本波エコーに基づくBモード画像データを形成する。高調波処理部112は、高調波エコーに基づくBモード画像データを形成する。高調波処理部112は、スペクトラムシミュレーション部122と引算部124の働きにより、基本波からのスペクトラム漏れを除いた高調波エコーに基づくBモード画像データを生成するので、マイクロバルーン造影剤40のみを示す画像データが得られる。
【0057】
スペクトラムシミュレーション部122と引算部124によるスペクトラム漏れの除去は高速に行われ、マイクロバルーン造影剤40の画像データが音線走査にともなってリアルタイム(real time) で得られる。
【0058】
これらの画像データは画像処理部14の音線データメモリ142にそれぞれ記憶される。これによって、音線データメモリ142内に、Bモード画像データについての2系統の音線データ空間が形成される。
【0059】
画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142の2系統のBモード画像データを、ディジタル・スキャンコンバータ144でそれぞれ走査変換して画像メモリ146に書き込む。
【0060】
画像処理プロセッサ148は、2系統のBモード画像を別々な領域に書き込む。基本波エコーによるBモード画像は、走査面における体内組織の断層像を示すものとなる。高調波エコーによるBモード画像は、走査面におけるマイクロバルーン造影剤40の所在を示すものとなる。
【0061】
操作者は、操作部20を操作して、これらのBモード画像を表示部16に表示させる。すなわち、例えば図7に示すように、組織の断層像160と高調波エコー像162との合成画像を表示させる。組織の断層像160と高調波エコー像162はそれぞれ表示色を違えて表示する。これにより、組織に対する位置関係が明確な造影剤像を得ることができる。
【0062】
次に、破壊モードでの撮像について説明する。本発明では、マイクロバルーンの殻を破壊して気泡を放出させ、この気泡を高調波エコー源として造影撮像を行う。殻から放出された気泡は瞬時には消滅せず、血液等に溶解して消滅するまである時間体内に存在し続ける。したがって、この気泡も一種の造影剤として利用可能である。
【0063】
先ず、マイクロバルーンの殻を破壊するための超音波を送波する。そのような超音波として、図8の(a)に示すように、最初の半サイクル(cycle) が負圧となる超音波が用いられる。そのような超音波は、例えば最初の半サイクルが負極姓の駆動信号等によって発生させる。
【0064】
このような超音波がマイクロバルーンに加わると、負圧によるキャビテーション(cavitation)効果によって、その殻が破壊する。特に、超音波伝播の非線形性により、例えば図8の(b)に示すように、音圧波形は進行につれて負の期間が伸びる傾向を示す。負の期間が伸びるのは、負圧の印加時間を長くし、ますます破壊に有利に作用する。このため、比較的低い音圧でも殻を破壊することが可能であり、能率が良い。また、音圧波形の正の部分が急峻になるのも破壊を促進する点で有利である。
【0065】
なお、この正のサイクルで音圧波形が終わり、その後に波形がないか、あるいは、図8の(a)に破線で示すようにできるだけ小さな波形であることが、負圧の印加時間を効果的に延ばす点で好ましい。また、このような超音波を用いれば、造影剤としてのマイクロバルーンに限らず、例えば、薬剤等を封入したマイクロバルーンないしマイクロカプセル(micro capsule) を、被検体内で破壊することも可能である。
【0066】
これに対して、図9の(a)に示すように、最初の半サイクルが正の超音波を用いた場合は、伝播の非線形性があっても同図の(b)に示すように正の部分は急峻になるものの、それらの間隔は変わらず、したがって負圧の期間が伸びるということがないので、図8の場合よりもマイクロバルーンの殻の破壊効果が劣る。そこで、最初の半サイクルが正の超音波を用いる場合は、十分な破壊効果が得られるように送波超音波の音圧レベルを高める必要がある。
【0067】
図8の(a)に示したような超音波を送受信部6によって送波してマイクロバルーンの殻を破壊し、放出気泡を利用して造影撮像を行う。なお、マイクロバルーンの殻の破壊には、図9の(a)に示したような超音波を用いても良いのは勿論である。
【0068】
本発明者は、破壊モードで撮像する場合、殻の破壊に用いた超音波のエコーを利用するよりも、その後に送波する超音波のエコーを利用したほうが好結果が得られることを見出した。
【0069】
これは、殻の破壊後、放出気泡の状態が落ち着く(整定する)までにある程度の時間がかかるためと考えられる。そこで、送受信部6は、次のようなシーケンス(sequence)で超音波の送受信を行う。なお、以下、マイクロバルーンの殻の破壊を単にマイクロバルーンの破壊という。
【0070】
図10に、超音波送受信シーケンスを模式的に示す。同図に示すように、最初の期間30において、マイクロバルーンを破壊するための超音波を送波する。マイクロバルーンを破壊するための超音波は、本発明における第1の超音波の実施の形態の一例である。この超音波は、例えば、音圧が0.5MPa以上、周波数が0.5〜1MHz、送波時間が1〜数μSである。送波用の駆動波形としては、図8の(a)に示したものを用いるのが有利である。それに限らず、図9の(a)に示したものを用いても良いのは勿論である。また、超音波ビームの太さまたは走査範囲を調整を調整し、破壊の範囲が所望の範囲となるようにする。
【0071】
次に、期間32において、超音波の送波および受波を停止し待ちの状態に入る。待ち時間は、マイクロバルーンの種類に応じた破壊の進行速度に合わせて、例えば、数μS〜数mSとする。この間に、マイクロバルーンの破壊が完了し、また、殻から放出された気泡の状態が整定する。
【0072】
このような待ち時間を入れる効用は、放出気泡の整定に加えて、この間に破壊用超音波によって生じる雑多なエコーが消えつくすことにもあり、また、振動子駆動用の電圧を、破壊用の電圧から撮像用の電圧に切り換える時間を与えることにもある。
【0073】
次に、期間34において、撮像用の超音波送波およびエコーの受波を行う。撮像用の超音波は、本発明における第2の超音波の実施の形態の一例である。このときの送波超音波は、例えば、音圧が0.5MPa未満、周波数が1.5〜1.8MHzである。超音波ビームの走査範囲はマイクロバルーンの破壊範囲とする。撮像期間34の長さは、例えば、数mS〜数Sである。
【0074】
以上のシーケンスを所望の破壊範囲ごとに繰返すことにより、被検体4内を走査し、高調波エコーに基づいて造影剤像を生成する。超音波プローブ2が2次元の超音波振動子アレイを有するときは、例えば、図11に示すように、太い超音波ビーム208による破壊を行い、その有効破壊範囲210内の例えば4×4のマトリクス(matrix)に対応する各音線202に沿って、撮像用の超音波を逐次送受波するようにしても良い。これは、1回の送波当たりの破壊能率を高める点で好ましい。なお、図11では、超音波ビーム208および各音線202を超音波の送受方向に垂直な断面図すなわち横断面図で示す。
【0075】
図12に、上記とは別な形態によりマイクロバルーンの破壊とエコー受信を行う例を示す。同図に示すように、この例では 隣合う3つの音線20n−1,20n,20n+1にまたがる幅ないし横断面を持つ送波超音波を用いる。音線20n−1,20n,20n+1は、この順序に走査されるものである。
【0076】
幅方向ないし横断面内での音圧の強度プロファイル(profile) 212は、中心となる音線20n上ではマイクロバルーンを破壊するのに十分な音圧とし、両側の音線20n−1,20n+1上ではマイクロバルーンを破壊しない音圧としている。
【0077】
このような送波超音波により音線順次で2次元領域206を走査しつつ、音線20n上の送波に対するエコーを、音線20n−1に沿って受信する。音線20n−1は、1回前の送波時にマイクロバルーンを破壊する超音波が通過したところであり、しかも、マイクロバルーンの破壊から1PRT(pulse repetition time) の時間が経過している。したがって、この音線上ではすでにマイクロバルーンが破壊され、気泡が十分に放出されている。
【0078】
このため、音線20n−1に沿って気泡からの高調波エコーを受信することができ、それに基づいて影剤剤像を生成することができる。この撮像は、気泡撮像のための超音波を新たに送波する必要がないので能率が良い。また、強度プロファイル212を適切に定めることにより、図示しない音線20n−2、すなわち、前前回の送波で破壊された部分のエコーを受信することもできる。これによって、2PRT後の気泡の状態を画像化することができる。
【0079】
また、音線2n+1のエコーを利用して画像を生成することができる。この画像はマイクロバルーンの破壊前の状態を画像化したものとなる。すなわち、非破壊モードでの造影撮像を行うことができ、1フレーム(frame) の超音波走査で非破壊モードの撮像と破壊モードの撮像を一挙に行うことができる。しかも、音線2n−2のエコーをも利用すれば破壊モードの造影剤像を2種類得ることができる。
【0080】
非破壊モードでの造影画像と破壊モードでの造影画像との差分を音線が同一なもの同士で求めれば、両者に共通に含まれる不要成分を除去することができる。また、破壊前後の造影剤像の差分画像は新たな診断情報を提供する。
【0081】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、マイクロバルーン造影撮像を効果的に行う超音波撮像方法および装置を実現することができる。また、マイクロバルーンの殻の破壊後に生じる気泡を利用して造影撮像を行う超音波撮像方法および装置を実現することができる。また、マイクロバルーンを能率良く破壊するマイクロバルーン破壊方法を実現することができう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態の一例の装置における送受信部のブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。
【図4】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるBモード処理部のブロック図である。
【図5】 本発明の実施の形態の一例の装置における画像処理部のブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態の一例の装置における高調波処理部のブロック図である。
【図7】 本発明の実施の形態の一例の装置における表示画像の模式図である。
【図8】 本発明の実施の形態の一例の装置における送波信号の一例を示す波形図である。
【図9】 本発明の実施の形態の一例の装置における送波信号の一例を示す波形図である。
【図10】 本発明の実施の形態の一例の装置における超音波送受波のシーケンスを示す模式図である。
【図11】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるマイクロバルーン破壊用超音波ビームの横断面を示す模式図である。
【図12】 本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。
【符号の説明】
2 超音波プローブ
4 被検体
40 マイクロバルーン造影剤
6 送受信部
10 Bモード処理部
14 画像処理部
16 表示部
18 制御部
20 操作部
602 送波タイミング発生回路
604 送波ビームフォーマ
606 送受切換回路
608 セレクタ
610 受波ビームフォーマ
110 基本波処理部
112 高調波処理部
140 バス
142 音線データメモリ
144 ディジタル・スキャンコンバータ
146 画像メモリ
148 画像処理プロセッサ
200 放射点
202 音線
204 円弧
206 2次元領域
208 発散点
114 レンジゲート部
116 FFT部
118 切換部
120 係数演算部
122 スペクトラムシミュレーション部
124 引算部
126 iFFT部
160 組織の断層像
162 高調波エコー像
208 超音波ビーム
210 有効破壊範囲
20n−1,20n,20n+1 音線[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ultrasonic imaging method and apparatus, and a micro baloon destruction method, and more particularly to an ultrasonic imaging method and apparatus for a subject injected with a microballoon contrast agent, and a microballoon injected into a subject. It relates to the destruction method.
[0002]
[Prior art]
In ultrasonic imaging using a contrast agent, a microballoon contrast agent in which a large number of microballoons having a diameter of 1 to several μm are mixed in a liquid is used. A microballoon is formed by sealing a gas that is harmless to a living body in a shell that is harmless to the living body and is capable of degrading with time. Such a microballoon generates a characteristic harmonic echo such as a second harmonic, for example, due to the non-linear echo source. The distribution of the agent is imaged.
[0003]
In contrast imaging using a microballoon contrast agent, an ultrasonic wave that does not destroy the shell of the microballoon is transmitted, a non-destructive mode (mode) that generates an image based on the second harmonic echo, and a shell of the microballoon There is a destructive mode in which an ultrasonic wave to be broken is transmitted and an image is generated by using subharmonics echo generated when the shell is broken.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Due to the nonlinearity of the ultrasound transmission / reception system and the nonlinearity of ultrasound propagation in the subject, second harmonic components and the like are inevitably included in echoes from the body tissue that does not contain the microballoon contrast agent. In this book, this phenomenon is called leakage of the spectrum from the fundamental wave (prectrum). Due to the leakage of the spectrum, when an image is generated from the second harmonic echo, the tissue image is also imaged together, which makes it difficult to identify the contrast agent image.
[0005]
Further, when imaging is performed in the destruction mode, bubbles are released from the destroyed shell of the microballoon. These bubbles do not disappear instantaneously, but continue to exist in the body for a certain period of time until they dissolve and disappear in blood or the like. Therefore, although this bubble can also be used as a contrast agent, conventionally, there is no idea of using this for contrast, and only waiting for the disappearance of the bubble.
[0006]
When imaging in the destruction mode, it is necessary to raise the sound pressure of the transmitted ultrasonic wave to a level that is sufficient to destroy the shell of the microballoon. It is desirable to destroy it.
[0007]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and an object thereof is to realize an ultrasonic imaging method and apparatus for effectively performing microballoon contrast imaging. It is another object of the present invention to realize an ultrasonic imaging method and apparatus for performing contrast imaging using bubbles generated after destruction of a microballoon shell. Furthermore, it aims at realizing the microballoon destruction method which destroys a microballoon efficiently.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
(1) A first invention for solving the above-described problem is an ultrasonic imaging method for generating an image based on a harmonic echo by transmitting an ultrasonic wave to a subject injected with a microballoon contrast agent, A harmonic echo obtained in a state in which the microballoon contrast agent is injected into the subject by obtaining a leakage component of the harmonic echo contained in the echo obtained in a state where the microballoon contrast agent is not injected into the subject. The leakage component is subtracted from the image and an image is generated based on the harmonic echo after the subtraction.
[0009]
(2) A second invention for solving the above-mentioned problem is an ultrasonic imaging method for generating an image based on an echo by transmitting an ultrasonic wave to a subject injected with a microballoon contrast agent, wherein the microballoon A first ultrasonic wave having a sound pressure that destroys the shell of the microballoon in the contrast agent is transmitted, a second ultrasonic wave is transmitted at a time interval from the transmission of the first ultrasonic wave, and the first ultrasonic wave is transmitted. An image is generated based on an echo with respect to two ultrasonic waves.
[0010]
(3) A third invention for solving the above-described problem is an ultrasonic imaging in which a subject into which a microballoon contrast agent is injected is scanned in an acoustic ray sequence with an ultrasonic beam and an image is generated based on echoes on each acoustic ray. The method has a beam width straddling at least three adjacent sound rays, and a sound pressure sufficient to break a microballoon shell in the microballoon contrast medium on the central sound ray, In the sound ray, an ultrasonic wave having a beam profile having a sound pressure that is insufficient to destroy the shell of the microballoon is transmitted, and the sound ray is sequentially scanned when viewed from the central ray among the sound rays on both sides. An echo is received along a sound ray on the side opposite to the direction, and an image is generated based on the echo.
[0011]
(4) A fourth invention that solves the above-described problem is a transmitter / receiver that transmits an ultrasonic wave to a subject and receives an echo thereof, and the transmitter / receiver that does not inject a microballoon contrast agent into the subject. Calculation means for calculating a leakage component of the harmonic echo contained in the obtained echo, and subtraction for subtracting the leakage component from the harmonic echo obtained by the transmission / reception means in a state where a microballoon contrast agent is injected into the subject. And image generation means for generating an image based on the harmonic echo after the subtraction.
[0012]
(5) According to a fifth invention for solving the above-described problem, a first ultrasonic wave having a sound pressure that destroys a shell of the microballoon in the microballoon contrast agent is transmitted to a subject injected with the microballoon contrast agent. And transmitting means for transmitting the second ultrasonic wave at a time from the transmission of the first ultrasonic wave, receiving means for receiving the echo for the second ultrasonic wave, and the received echo And an image generation means for generating an image based on the image.
[0013]
(6) A sixth invention that solves the above-described problem is an ultrasonic imaging that scans a subject into which a microballoon contrast agent is injected in an acoustic beam sequentially with an acoustic beam and generates an image based on an echo on each acoustic ray. The device has a beam width extending over at least three adjacent sound rays, and has a sound pressure sufficient to destroy the shell of the microballoon in the microballoon contrast medium on the central sound ray, and the sound on both sides. A transmitting means for transmitting an ultrasonic wave having a beam profile that is insufficient to destroy the shell of the microballoon, and the sound ray as viewed from the central sound ray among the sound rays on both sides. It is characterized by comprising receiving means for receiving an echo along a sound ray on the opposite side to the sequential scanning direction, and image generating means for generating an image based on the received echo.
[0014]
(7) A seventh invention for solving the above-described problem is characterized in that an ultrasonic wave having a negative pressure in the first half cycle is transmitted to a subject into which a microballoon has been injected.
In the first invention or the fourth invention, the leakage component into the frequency domain of the harmonic echo means the leakage of the spectrum from the fundamental wave.
[0015]
In the first invention or the fourth invention, it is preferable that subtraction of the leakage component from the harmonic echo is performed between frequency domain signals subjected to Fourier transform in terms of performing contrast imaging with good real-time characteristics.
[0016]
In the second invention or the fifth invention, the first ultrasonic wave is preferably negative in the first half cycle from the viewpoint of efficiently destroying the shell of the microballoon.
In the second or fifth aspect of the invention, the first ultrasonic wave includes a plurality of sound rays for imaging within the cross section of the beam, thereby increasing the efficiency of breaking the microballoon shell. This is preferable.
[0017]
3rd invention or 6th invention WHEREIN: Echo is received along the sound ray in the scanning direction side of the said sound ray sequential seeing from the said center sound ray, and producing | generating an image based on it receives a micro, This is preferable in that an image before the destruction of the balloon shell is obtained.
[0018]
In the seventh invention, it is preferable that the waveform of the ultrasonic wave ends in one cycle from the viewpoint of increasing the destruction efficiency of the shell of the microballoon.
(Function)
In the first invention or the fourth invention, the harmonic echo that does not depend on the microballoon contrast agent is removed by subtracting the signal.
[0019]
In the second invention or the fifth invention, an image is taken after the state of bubbles released from the shell is settled by taking a time between the destruction of the shell of the microballoon and the ultrasonic imaging.
[0020]
In the third invention or the sixth invention, the region through which the acoustic ray for echo reception passes is the region in which the center of the transmitted ultrasonic beam has passed one acoustic ray and the shell of the microballoon has been destroyed.
[0021]
In the seventh invention, the microballoon is efficiently destroyed by applying ultrasonic waves starting from negative pressure.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. The present invention is not limited to the embodiment.
[0023]
FIG. 1 shows a block diagram of an ultrasonic imaging apparatus. This apparatus is an example of an embodiment of an ultrasonic imaging apparatus of the present invention. An example of an embodiment of the apparatus of the present invention is shown by the configuration of the apparatus. An example of an embodiment of the method of the present invention is shown by the operation of the apparatus.
[0024]
(Constitution)
The configuration of this apparatus will be described. As shown in FIG. 1, the apparatus has an ultrasonic probe 2. The ultrasonic probe 2 has, for example, an ultrasonic transducer array (not shown) formed along an arc projecting forward. That is, the ultrasonic probe 2 is a convex probe. The ultrasonic probe 2 is used in contact with the subject 4 by the operator. A microballoon contrast agent 40 is injected into the subject 4.
[0025]
The ultrasonic probe 2 is connected to the transmission / reception unit 6. The transmission / reception unit 6 gives a drive signal to the ultrasonic probe 2 to transmit ultrasonic waves into the subject 4. The transmitter / receiver 6 also receives an echo from the subject 4 received by the ultrasonic probe 2. The ultrasonic probe 2 and the transmission / reception unit 6 are an example of an embodiment of the transmission / reception means in the present invention. Moreover, it is an example of embodiment of the wave transmission means in this invention. Moreover, it is an example of embodiment of the receiving means in this invention.
[0026]
A block diagram of the transceiver 6 is shown in FIG. In the figure, a transmission timing (timing)
[0027]
The
[0028]
The transmission /
[0029]
The plurality of ultrasonic transducers respectively generate a plurality of ultrasonic waves having a phase difference corresponding to the time difference between the plurality of drive signals. An ultrasonic beam is formed by wavefront synthesis of these ultrasonic waves. The transmission direction of the ultrasonic beam is determined by the transmission aperture selected by the
[0030]
Transmission of the ultrasonic beam is repeatedly performed at predetermined time intervals by a transmission timing signal generated by the transmission
[0031]
The
[0032]
The transmission /
[0033]
The transmission
For example, scanning as shown in FIG. 3 is performed by the ultrasonic probe 2 and the transmission / reception unit 6. That is, as shown in the figure, the
[0034]
The transmission / reception unit 6 is connected to a B-
[0035]
The fundamental
[0036]
The
[0037]
The harmonic echo is mainly a second harmonic echo. Not limited to this, other order harmonic echoes included in the echoes of the microballoon contrast agent may be used. The
[0038]
The B
[0039]
As shown in FIG. 5, the
[0040]
The B-mode image data input for each sound ray from the B-
[0041]
The
[0042]
A
[0043]
The transmission / reception unit 6, the B-
[0044]
An
[0045]
FIG. 6 shows a block diagram of the main part of the
[0046]
The
[0047]
The
[0048]
The
[0049]
That is, the echo signal of the section gated by the
[0050]
The
[0051]
That is, at the time of contrast imaging performed by injecting the microballoon contrast medium 40 into the subject 4, the echo signal of the section gated by the
[0052]
The leakage spectrum generated in this manner is subtracted from the output signal of the
[0053]
The
(Operation)
The operation of this apparatus will be described. The operator contacts the ultrasonic probe 2 with a desired location of the subject 4 and operates the
[0054]
Prior to imaging, the operator performs a pre-scan with ultrasound for the contrast imaging scheduled range without injecting the microballoon contrast medium 40 into the subject 4, and based on the echo signal, the
[0055]
First, contrast imaging in the nondestructive mode will be described. The transmitter / receiver 6 scans the inside of the subject 4 in the order of sound rays through the ultrasonic probe 2 and receives the echoes one by one. The ultrasonic wave transmission level is set so as not to destroy the shell of the microballoon. When the sound ray scans the injection site of the microballoon contrast agent 40, the echo includes a harmonic echo from the microballoon contrast agent 40 in addition to the fundamental wave echo from the body tissue. The main component of the harmonic echo is the second harmonic echo. A signal in which these echoes are mixed is input from the transmission / reception unit 6 to the B-
[0056]
In the B
[0057]
Removal of spectrum leakage by the
[0058]
These image data are respectively stored in the sound
[0059]
The
[0060]
The
[0061]
The operator operates the
[0062]
Next, imaging in the destructive mode will be described. In the present invention, the microballoon shell is broken to release bubbles, and contrast imaging is performed using the bubbles as a harmonic echo source. Bubbles released from the shell do not disappear instantaneously, but continue to exist in the body for a certain period of time until they dissolve and disappear in blood. Therefore, this bubble can also be used as a kind of contrast agent.
[0063]
First, an ultrasonic wave for breaking the microballoon shell is transmitted. As such an ultrasonic wave, as shown in FIG. 8A, an ultrasonic wave having a negative pressure in the first half cycle is used. Such ultrasonic waves are generated, for example, by a drive signal or the like in which the first half cycle is negative.
[0064]
When such ultrasonic waves are applied to the microballoon, the shell is destroyed by a cavitation effect due to negative pressure. In particular, due to nonlinearity of ultrasonic propagation, for example, as shown in FIG. 8B, the sound pressure waveform tends to have a negative period extending as it progresses. The extension of the negative period lengthens the application time of the negative pressure and acts more favorably on the destruction. For this reason, the shell can be broken even with a relatively low sound pressure, and the efficiency is good. In addition, it is advantageous that the positive part of the sound pressure waveform becomes steep in that the destruction is accelerated.
[0065]
Note that the sound pressure waveform ends in this positive cycle and there is no waveform after that, or the waveform is as small as possible as shown by the broken line in FIG. It is preferable at the point extended to. In addition, using such an ultrasonic wave, it is possible to destroy not only a microballoon as a contrast agent but also a microballoon or a microcapsule encapsulating a drug or the like in a subject. .
[0066]
On the other hand, as shown in FIG. 9 (a), when a positive ultrasonic wave is used in the first half cycle, even if there is a non-linearity of propagation, it is positive as shown in FIG. 9 (b). However, the distance between them does not change, and therefore the period of negative pressure does not increase. Therefore, the effect of destroying the shell of the microballoon is inferior to that of FIG. Therefore, when the first half cycle uses a positive ultrasonic wave, it is necessary to increase the sound pressure level of the transmitted ultrasonic wave so as to obtain a sufficient destruction effect.
[0067]
Ultrasonic waves as shown in FIG. 8A are transmitted by the transmission / reception unit 6 to break the shell of the microballoon, and contrast imaging is performed using the emitted bubbles. Needless to say, ultrasonic waves as shown in FIG. 9A may be used to destroy the shell of the microballoon.
[0068]
The present inventor has found that when imaging is performed in the destructive mode, it is better to use the echo of the ultrasonic wave transmitted after that than the ultrasonic echo used to destroy the shell. .
[0069]
This is presumably because it takes a certain amount of time for the state of the released bubbles to settle (settling) after the shell is broken. Therefore, the transmission / reception unit 6 transmits / receives ultrasonic waves in the following sequence. Hereinafter, the destruction of the shell of the microballoon is simply referred to as the destruction of the microballoon.
[0070]
FIG. 10 schematically shows an ultrasonic transmission / reception sequence. As shown in the figure, in the
[0071]
Next, in
[0072]
The effect of putting such a waiting time is in addition to settling of the released bubbles, and in the meantime, miscellaneous echoes generated by the ultrasonic waves for destruction disappear, and the voltage for driving the vibrator is used for breaking. There is also a time for switching from the voltage to the voltage for imaging.
[0073]
Next, in a
[0074]
By repeating the above sequence for each desired destruction range, the inside of the subject 4 is scanned, and a contrast agent image is generated based on the harmonic echo. When the ultrasonic probe 2 has a two-dimensional ultrasonic transducer array, for example, as shown in FIG. 11, destruction is performed with a thick ultrasonic beam 208 and, for example, a 4 × 4 matrix within the effective destruction range 210 is obtained. You may make it send and receive the ultrasonic wave for imaging sequentially along each
[0075]
FIG. 12 shows an example in which microballoon destruction and echo reception are performed in a form different from the above. As shown in the figure, in this example, a transmission ultrasonic wave having a width or a cross section extending over three
[0076]
The sound pressure intensity profile 212 in the width direction or in the cross section is a sound pressure sufficient to destroy the microballoon on the
[0077]
While the two-dimensional region 206 is scanned in a sound ray sequence by such a transmission ultrasonic wave, an echo for the transmission on the
[0078]
For this reason, the harmonic echo from a bubble can be received along the
[0079]
Also, an image can be generated using the echo of the sound
[0080]
If the difference between the contrast-enhanced image in the non-destructive mode and the contrast-enhanced image in the destructive mode is obtained between those having the same sound ray, an unnecessary component included in both can be removed. Moreover, the difference image of the contrast agent image before and after destruction provides new diagnostic information.
[0081]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, it is possible to realize an ultrasonic imaging method and apparatus that effectively performs microballoon contrast imaging. In addition, it is possible to realize an ultrasonic imaging method and apparatus that performs contrast imaging using bubbles generated after destruction of the shell of the microballoon. In addition, it is possible to realize a microballoon destruction method that efficiently destroys the microballoons.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram of an exemplary apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram of a transmission / reception unit in an apparatus according to an example of an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a conceptual diagram of sound ray scanning by an apparatus according to an example of an embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a block diagram of a B-mode processing unit in an apparatus according to an example of an embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a block diagram of an image processing unit in an apparatus according to an example of an embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a block diagram of a harmonic processing unit in an example apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a schematic diagram of a display image in an apparatus according to an example of an embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a waveform diagram showing an example of a transmission signal in an apparatus according to an example of an embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a waveform diagram showing an example of a transmission signal in an example apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a schematic diagram showing a sequence of ultrasonic transmission / reception in the apparatus according to the example of the embodiment of the present invention.
FIG. 11 is a schematic diagram showing a cross section of an ultrasonic beam for breaking a microballoon in an apparatus according to an example of an embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a conceptual diagram of sound ray scanning by an apparatus according to an example of an embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
2 Ultrasonic probe
4 subjects
40 Microballoon contrast agent
6 transceiver
10 B-mode processing section
14 Image processing unit
16 Display section
18 Control unit
20 Operation unit
602 Transmission timing generation circuit
604 Transmitting beamformer
606 Transmission / reception switching circuit
608 selector
610 Receiving beamformer
110 Fundamental wave processing unit
112 Harmonic processing section
140 Bus
142 Sound ray data memory
144 Digital scan converter
146 Image memory
148 image processor
200 Radiation point
202 Sound ray
204 arc
206 2D region
208 Divergence point
114 Range gate
116 FFT section
118 switching section
120 Coefficient calculator
122 Spectrum simulation section
124 subtraction
126 iFFT unit
160 Tomographic image of tissue
162 harmonic echo image
208 Ultrasonic beam
210 Effective destruction range
20n-1, 20n, 20n + 1 sound ray
Claims (6)
前記被検体にマイクロバルーン造影剤を注入しない状態で前記送受信手段により得たエコーに含まれている高調波エコーの漏れ成分を算出する算出手段と、
前記被検体にマイクロバルーン造影剤を注入した状態で前記送受信手段により得た高調波エコーから前記漏れ成分を差し引く差引手段と、
前記差し引き後の高調波エコーに基づいて画像を生成する画像生成手段とを具備することを特徴とする超音波撮像装置。Transmitting / receiving means for transmitting ultrasonic waves to the subject and receiving echoes thereof;
A calculation means for calculating a leakage component of the harmonic echo contained in the echo obtained by the transmission / reception means in a state where a microballoon contrast agent is not injected into the subject;
Subtracting means for subtracting the leakage component from the harmonic echo obtained by the transmitting / receiving means in a state where a microballoon contrast agent is injected into the subject,
An ultrasonic imaging apparatus, comprising: an image generation unit configured to generate an image based on the harmonic echo after the subtraction.
前記差引手段において差し引かれた高周波エコーは音線データであるBモード画像データであり、
前記算出手段及び前記差引手段は前記送受信手段と前記画像生成手段とに接続されたBモード処理手段に含まれており、
前記画像生成手段は、前記Bモード処理手段から出力された前記音線データを変換して表示手段に表示する前記画像を生成することを特徴とする超音波撮像装置。The ultrasonic imaging apparatus according to claim 1,
The high-frequency echo subtracted by the subtracting means is B-mode image data which is sound ray data,
The calculating means and the subtracting means are included in a B-mode processing means connected to the transmitting / receiving means and the image generating means,
The ultrasonic imaging apparatus, wherein the image generation unit generates the image to be displayed on a display unit by converting the sound ray data output from the B-mode processing unit.
前記Bモード処理手段は、前記送受信手段から出力されたエコー信号をフーリエ変換するFFT手段と、前記差引手段から出力された信号を逆フーリエ変換するiFFT手段とを有しており、
前記算出手段は、前記被検体にマイクロバルーン造影剤を注入しない状態で得た前記FFT手段からの周波数スペクトラムに基づいて前記送受信手段が送波した超音波の基本波からのスペクトラム漏れを表す係数を求める係数演算部と、前記被検体にマイクロバルーン造影剤を注入した状態で得た前記FFT手段からの周波数スペクトラム及び前記係数演算部で求められた前記係数に基づき前記基本波からのスペクトラム漏れをシミュレーションによって生成するスペクトラムシミュレーション部とを有しており、
前記差引手段は、前記被検体にマイクロバルーン造影剤を注入した状態で得た前記FFT手段からの周波数スペクトラムから前記スペクトラムシミュレーション部で生成したスペクトラム漏れを差し引くことを特徴とする超音波撮像装置。The ultrasonic imaging apparatus according to claim 2,
The B-mode processing means includes FFT means for Fourier transforming the echo signal output from the transmission / reception means, and iFFT means for inverse Fourier transforming the signal output from the subtraction means,
The calculation means calculates a coefficient representing a spectrum leakage from the fundamental wave of the ultrasonic wave transmitted by the transmission / reception means based on the frequency spectrum from the FFT means obtained without injecting the microballoon contrast agent into the subject. A coefficient calculation unit to be obtained, and a spectrum leakage from the fundamental wave based on the frequency spectrum from the FFT means obtained in a state where a microballoon contrast agent is injected into the subject and the coefficient obtained by the coefficient calculation unit are simulated. And a spectrum simulation unit generated by
The ultrasonic imaging apparatus, wherein the subtracting unit subtracts a spectrum leakage generated by the spectrum simulation unit from a frequency spectrum from the FFT unit obtained in a state where a microballoon contrast agent is injected into the subject.
前記Bモード処理手段は、前記算出手段及び前記差引手段を有する高周波処理手段と、前記送受信手段が送波した超音波の基本波に相当する周波数を有するエコー信号を処理して音線データであるBモード画像データを形成する基本波処理手段とを有することを特徴とする超音波撮像装置。The ultrasonic imaging apparatus according to claim 2 or 3,
The B-mode processing means processes the echo signal having a frequency corresponding to the fundamental wave of the ultrasonic wave transmitted by the transmission / reception means by the high-frequency processing means having the calculation means and the subtraction means, and is sound ray data. An ultrasonic imaging apparatus comprising fundamental wave processing means for forming B-mode image data.
前記基本波処理手段で形成されたBモード画像データに基づく組織の断層像と前記高周波処理手段で形成されたBモード画像データに基づく高周波エコー像とを合成して前記表示手段にその合成画像を表示させ、
前記合成画像において、前記組織の断層像の表示色と前記高周波エコー像の表示色とは互いに異なることを特徴とする超音波撮像装置。The ultrasonic imaging apparatus according to claim 4,
The tissue tomogram based on the B-mode image data formed by the fundamental wave processing means and the high-frequency echo image based on the B-mode image data formed by the high-frequency processing means are synthesized, and the synthesized image is displayed on the display means. Display
In the synthesized image, the display color of the tomographic image of the tissue and the display color of the high-frequency echo image are different from each other.
前記送受信手段は、前記マイクロバルーンの殻を破壊しない超音波を送波することを特徴とする超音波撮像装置。In the ultrasonic imaging device according to any one of claims 1 to 5,
The ultrasonic imaging apparatus, wherein the transmitting / receiving means transmits an ultrasonic wave that does not destroy the shell of the microballoon.
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