JP3828768B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機等の弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機等の弾球遊技機には、遊技盤の遊技領域に、第1図柄始動手段と、第1図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に普通図柄が所定時間変動する普通図柄表示手段と、普通図柄の変動後の停止図柄が所定の当たり図柄のときに開放する第2図柄始動手段と、第2図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に特別図柄が所定時間変動する特別図柄表示手段と、特別図柄の変動後の停止図柄が所定の大当たり図柄のときに開放する可変入賞手段とを備え、可変入賞手段に入賞した遊技球が所定の特定領域を通過することを条件に、遊技者に有利な利益状態(所謂大当たり状態)を発生又は継続するようにしたものがある。
【0003】
この種の弾球遊技機では、従来、入賞手段に遊技球が入賞して、その入賞検出スイッチが遊技球を検出すれば、正規の遊技状態か否かに関係なく、その入賞検出スイッチからの入賞情報を有効なものとして処理し、その入賞情報に基づいて球払い出し手段を作動させて、各入賞毎に規定数の遊技球を払い出すようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
可変入賞手段が作動して遊技球が特定領域を通過すれば、遊技者に有利な利益状態(所謂大当たり状態)を発生又は継続するようにしており、遊技者はその利益状態によって多数の遊技球の払い出しを受けることになる。
【0005】
しかし、従来は入賞検出スイッチが遊技球の入賞を検出すれば、その入賞検出スイッチからの入賞情報を全て有効なものとして処理し、その入賞情報に基づいて、球払い出し手段、利益状態発生手段等の全ての制御を行っているため、悪質な遊技者の不正行為を防止し得ない問題がある。
【0006】
即ち、ガラス扉と遊技盤との間、その他の箇所から薄板等を挿入して、可変入賞手段の開閉板を強制的に開ければ、可変入賞手段への遊技球の入賞により不正に遊技球の払い出しを受けることが可能であり、また可変入賞手段に入賞した遊技球が特定領域を通過することにより、利益状態発生手段による利益状態を不正に発生又は継続させることが可能になる。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、正規の遊技状態以外のときに所定の検出スイッチからの情報を無効にして、遊技者の不正行為を未然に防止できる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、遊技領域12内に入賞手段等の複数個の遊技部品14〜20を配置し、前記遊技部品14〜20に入賞し又は前記遊技部品14〜20を通過する遊技球を検出する検出スイッチ28〜35を前記各遊技部品14〜20に対応して設け、前記検出スイッチ28〜35からの検出情報に基づいて賞品球の払い出し等の遊技処理を行うようにした弾球遊技機において、前記検出スイッチ28〜35からの検出情報に基づいて、球払い出し手段40が賞品球の払い出し処理を行うように該球払い出し手段40側に払い出しコマンドを送信する入賞処理系51と、遊技者に有利な第1状態と遊技者に不利な第2状態とに変換駆動可能で且つ1又は複数個の前記入賞検出スイッチ29と内部の特定領域 24 を通過する遊技球を検出する通過検出スイッチ 34 とを有する可変入賞手段15と、遊技球を検出する図柄始動手段14と、この図柄始動手段14が遊技球を検出することを条件に所定時間変動して停止する図柄を表示する図柄表示手段22と、前記図柄表示手段22の変動後の停止図柄が大当たり図柄となったときに、前記可変入賞手段15を第1状態に駆動して遊技者に有利な利益状態を発生させ、更に遊技球が前記特定領域 24 を通過することを条件に前記利益状態を継続させる利益状態発生手段58と、不正な遊技状態のときに前記特定領域 24 の通過検出スイッチ 34 からの検出情報を無効にする無効化手段 60 とを備え、前記無効化手段60は、前記利益状態発生手段58による正規の利益状態が発生した場合には不正な遊技状態を検出しても、利益状態の発生中及び/又は利益状態の終了から所定時間経過するまでは前記通過検出スイッチ 34 からの検出情報を有効にする機能を備えたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1及び図2において、1 は遊技機本体、2 は前枠で、この前枠2 は遊技機本体1 の前側に開閉自在に枢着されている。前枠2 には、その窓孔3 に対応して遊技盤4 が裏側から着脱自在に装着され、この遊技盤4 の前側にガラス扉5 と前面板6 とが開閉自在に配置されている。前面板6 には、発射用の遊技球を貯留する上皿7 が装着されている。前枠2 の下部には、余剰球を貯留する下皿8 と、発射手段9 の発射ハンドル10とが夫々設けられている。
【0010】
遊技盤4 には、図3に示すように、ガイドレール11が環状に装着されると共に、そのガイドレール11の内側の遊技領域12に液晶表示手段13、第2図柄始動手段14、可変入賞手段15、普通入賞手段16〜19、第1図柄始動手段20等の複数個の遊技部品が配置されている。また遊技盤4 の遊技領域12の外側の上部には、左右両側に表示ランプ21が配置され、この表示ランプ21の両方又は一方が入賞情報又は通過情報の無効化を報知する報知手段(後述)を兼用している。
【0011】
第2図柄始動手段14、可変入賞手段15、普通入賞手段16〜19等の複数個の入賞手段14〜19の内、その一部の第2図柄始動手段14、普通入賞手段16〜19は、遊技球の1個の入賞に対する賞品球数が6個となっており、可変入賞手段15はその賞品球数が15個となっている。なお、賞品球数は6個、15個以外の数でも良いし、また同じでも良い。
【0012】
液晶表示手段13は、第2図柄を表示する第2図柄表示手段22を兼用している。第2図柄表示手段22は1個以上、例えば複数個(左右方向に3個)の図柄表示部22a を備え、第2図柄始動手段14に遊技球が入賞することを条件に、各図柄表示部22a の表示図柄が乱数制御により所定時間だけ変動して停止するように構成されている。
【0013】
液晶表示手段13には、普通入賞手段16と第1図柄表示手段23とが設けられている。第1図柄表示手段23は1個の図柄表示部を有し、通過ゲート式の第1図柄始動手段20が遊技球の通過を検出することを条件に、図柄表示部の第1図柄が乱数制御により所定時間変動して停止するようになっている。第2図柄始動手段14は、開閉自在な左右一対の開閉爪14a を備えた電動式チューリップ等であって、第1図柄表示手段23の変動後の停止図柄が当たり図柄を表示したときに、開閉爪14a が所定時間開放するようになっている。
【0014】
可変入賞手段15は所謂大入賞手段を構成するものであって、遊技者に有利な開状態(第1状態)と不利な閉状態(第2状態)との間で下部側の横軸廻りに開閉自在な開閉板15a を備え、第2図柄表示手段22の変動後の停止図柄が「7・7・7」等の大当たり図柄のときに、開閉板15a が前側に開放する。可変入賞手段15内には特定領域24が設けられており、この特定領域24は入賞球が通過したときに、所謂大当たりによる特定状態を継続させるようになっている。
【0015】
なお、可変入賞手段15は、開放後に所定時間が経過したとき、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉板15a が閉じると共に、遊技球が特定領域24を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返すようになっている。
【0016】
第2図柄始動手段14、可変入賞手段15、普通入賞手段16〜19は、入賞した遊技球を遊技盤4 の裏側に誘導する構造であって、図4に示すように、可変入賞手段15以外の第2図柄始動手段14、普通入賞手段16〜19は、遊技盤4 の裏側に装着された案内通路25〜27側に遊技球を案内するようになっている。
【0017】
第2図柄始動手段14、可変入賞手段15、普通入賞手段16〜19等の各入賞手段14〜19には、それに入賞した遊技球を個別に検出する入賞検出スイッチ28〜33が設けられている。可変入賞手段15には特定領域24を通過する遊技球を検出する通過検出スイッチ34が、また第1図柄始動手段20にはこれを通過する遊技球を検出する通過検出スイッチ35が夫々設けられている。なお、各入賞検出スイッチ28〜33、通過検出スイッチ34,35 は、接触式又は非接触式のスイッチ等により構成され、入賞球を電気的に検出するようになっている。各入賞検出スイッチ28〜33は、案内通路25〜27等に設けても良い。
【0018】
前枠2 の裏側には、図2に示すように、遊技盤4 を裏側から押さえる裏機構板36が開閉自在に装着されている。裏機構板36には開口部37が形成され、その上側に遊技球タンク38及びタンクレール39が、左右方向の一側に球払い出し手段40が、下側に通路ユニット44が夫々設けられている。遊技球タンク38は、外部の遊技球補給系から補給された遊技球を貯留し、タンクレール39を経て球払い出し手段40側へと供給するようになっている。
【0019】
球払い出し手段40はモータ駆動による回転式であって、球払い出しコマンドがあったときに払い出しモータ41が回転体42を駆動して、その回転体42の回転により遊技球タンク38内の遊技球を賞品球として上皿7 側へと払い出すように構成されている。
【0020】
開口部37には、遊技盤4 の裏側に装着された裏カバー43と入賞球排出樋45とが嵌合されている。裏カバー43は、遊技盤4 に装着された液晶表示手段13等の各遊技部品等を裏側から覆うためのもので、遊技盤4 に着脱自在に固定されている。裏カバー43には、主制御基板46を収納した主制御基板ケース47が着脱自在に装着されている。
【0021】
入賞球排出樋45は、各入賞手段14〜19から遊技盤4 の裏側に案内された入賞球を集めて入賞球回収通路48a を経て外部の入賞球回収系へと排出するためのもので、裏カバー43の下側に近接した状態で遊技盤4 に着脱自在に固定されている。
【0022】
図5は制御系のブロック図である。48は主に遊技盤4 側の遊技動作に関わる制御を行う主制御手段で、第1図柄表示手段23及びこれに関連する処理を行う第1処理系49と、第2図柄表示手段22及びこれに関連する処理を行う第2処理系50と、各入賞手段14〜19に遊技球が入賞したときに、各入賞検出スイッチ28〜33からの入賞情報に基づいて球払い出し手段40に賞品球の払い出しコマンドを送信する等の入賞に関連する処理を行う入賞処理系51と、正規の遊技状態以外のときに入賞検出スイッチ28〜33からの入賞情報(検出情報)、通過検出スイッチ34,35 からの通過情報(検出情報)を無効にする無効化処理系52とを有する。
【0023】
第1処理系49は、図6に示すように第1抽選手段53と第1図柄制御手段54と開閉制御手段55とを備えている。第1抽選手段53は、第1図柄始動手段20の通過検出スイッチ35が遊技球を検出することを条件に、当たりか否かを乱数処理により択一的に抽選し判定するようになっている。
【0024】
第1図柄制御手段54は、第1図柄始動手段20の通過検出スイッチ35が遊技球を検出することを条件に、第1図柄表示手段23の第1図柄を所定時間変動させると共に、第1抽選手段53が当たり状態と判定したときに当たり図柄で停止し、外れ状態と判定したときに外れ図柄で停止するように第1図柄表示手段23の第1図柄を制御するようになっている。開閉制御手段55は、第1図柄表示手段23の停止図柄が当たり図柄を表示することを条件に、第2図柄始動手段14の開閉爪14a を所定時間開放させるようになっている。
【0025】
第2処理系50は、図7に示すように第2抽選手段56と第2図柄制御手段57と利益状態発生手段58とを備えている。第2抽選手段56は、第2図柄始動手段14の入賞検出スイッチ28が遊技球を検出することを条件に、大当たりか否かを乱数処理により択一的に抽選し判定するようになっている。第2図柄制御手段57は、第2図柄始動手段14の入賞検出スイッチ28が遊技球を検出することを条件に、第2図柄表示手段22の第2図柄を所定時間変動させると共に、第2抽選手段56が当たり状態と判定したときに当たり図柄で停止し、外れ状態と判定したときに外れ図柄で停止するように第2図柄表示手段22の第2図柄を制御するようになっている。
【0026】
利益状態発生手段58は、第2図柄表示手段22の変動後の停止図柄が「3・3・3」等の所定の大当たり図柄を表示することを条件に遊技者に有利な利益状態を発生させるもので、停止図柄が大当たり図柄となる大当たり状態のときに可変入賞手段15の開閉板15a を開放する機能と、開閉板15a の開放から所定時間が経過したとき、又は可変入賞手段15に所定数の遊技球が入賞したときに開閉板15a を閉じる機能と、開閉板15a の開放中に入賞した遊技球が特定領域24を通過することを条件に、最大所定回数まで開閉動作を継続させる機能とを有する。
【0027】
入賞処理系51は、図8に示すように第2図柄始動手段14、普通入賞手段16〜19への遊技球の入賞時に6個の賞品球を、可変入賞手段15への遊技球の入賞時に15個の賞品球を夫々払い出すように、入賞検出スイッチ28〜33からの入賞情報により球払い出し手段40に対して払い出しコマンドを送信する機能を有する。
【0028】
無効化処理系52は、図9に示すように、正規の遊技状態か不正な遊技状態かを検出する遊技状態検出手段59と、この遊技状態検出手段59が不正な遊技状態を検出したときに入賞検出スイッチ28〜33からの入賞情報(検出情報)及び/又は通過検出スイッチ34,35 からの通過情報(検出情報)を無効化する無効化手段60と、この無効化手段60による無効化を解除する解除手段61とを備え、無効化手段60にその作動中及び/又は非作動中であることを報知する報知手段62が接続されている。
【0029】
遊技状態検出手段59は、例えば第2抽選手段56の大当たり情報と、通過検出スイッチ34の通過情報とに基づいて、大当たり情報がなく通過情報のみがあったときに不正な遊技状態を検出する機能、ガラス扉5 を開放したときに開放検出スイッチからの検出情報によって不正な遊技状態を検出する機能等、正規な遊技状態以外の不正な遊技状態を検出するようになっている。無効化手段60は、遊技状態検出手段59が不正な遊技状態を検出したときに、第1処理系49、第2処理系50、入賞処理系51を通じて各入賞検出スイッチ28〜33からの入賞情報、通過検出スイッチ34,35 からの通過情報を無効にするようになっている。
【0030】
解除手段61は、主制御基板46に装着されたキースイッチ63により構成され、主制御基板ケース47の裏側から所定のキーを挿入してキースイッチ63を操作したときに、無効化手段60による無効化を解除できるようになっている。報知手段62はスピーカ(図示省略)、表示ランプ21等により構成され、スピーカからの音声、表示ランプ21の点滅等によって無効化手段60が作動中であることを報知するようになっている。
【0031】
次に上記弾球遊技機における動作について説明する。上皿7 に遊技球がある状態で発射手段9 の発射ハンドル10を操作すると、上皿7 の遊技球が発射手段9 の発射動作に連動して発射部に1個づつ供給され、その遊技球を打撃槌で打撃してガイドレール11に沿って順次遊技盤4 側へと発射させて行く。
【0032】
遊技盤4 の上部側に発射された遊技球は、遊技盤4 の盤面に沿って落下し、その遊技球が第1図柄始動手段20を通過すると、通過検出スイッチ35からの通過情報により第1図柄制御手段54が働いて第1図柄表示手段23の第1図柄が所定時間変動する。一方、通過検出スイッチ35が遊技球を検出したときに、第1抽選手段53が乱数の抽選処理により当たりか否かの判定を行い、当たりであれば、第1図柄表示手段23の変動後の停止図柄が所定の当たり図柄を表示し、開閉制御手段55が働いて第2図柄始動手段14の一対の開閉爪14a が開放する。
【0033】
第2図柄始動手段14に遊技球が入賞すると、入賞検出スイッチ28からの入賞情報により第2図制御手段57が働いて第2図柄表示手段22の第2図柄が所定時間変動する。また入賞検出スイッチ28が遊技球を検出したときに、第2抽選手段56が乱数の抽選処理により大当たりか否かを判定し、大当たりであれば、第2図柄表示手段22の変動後の停止図柄が所定の大当たり図柄を表示し、利益状態発生手段58が働いて可変入賞手段15の開閉板15a が開放する。このため、遊技盤4 の上部側から落下する遊技球が開閉板15a を経て可変入賞手段15に入賞し易くなり、遊技者に多大な利益が還元される。
【0034】
可変入賞手段15、その他の入賞手段14〜19に遊技球が入賞すると、その入賞検出スイッチ28〜33からの入賞情報により入賞処理系51が入賞処理を行って払い出しコマンドを送信し、その払い出しコマンドに従って球払い出し手段40が規定数の賞品球を払い出して行く。
【0035】
第2図柄表示手段22の変動後の停止図柄が大当たり図柄で停止しないにも拘わらず、遊技者が薄板等を挿入して可変入賞手段15の開閉板15a を不正に開放する等の不正行為を行うと、可変入賞手段15に遊技球が入賞可能になる。このときには可変入賞手段15に入賞した遊技球を入賞検出スイッチ29が検出し、その入賞情報が遊技状態検出手段59に送られるが、第2抽選手段56からの大当たり情報がないので、遊技状態検出手段59が不正な遊技状態と判断し、これによって無効化手段60が働いて各入賞検出スイッチ28〜33の入賞情報、通過検出スイッチ34,35 の通過情報を無効にする。
【0036】
従って、仮に可変入賞手段15に入賞した遊技球が特定領域24を通過して、その通過検出スイッチ34の通過情報によって利益状態発生手段58が作動するような構成であっても、その後の利益状態の継続を防止すると共に、球払い出し手段40による遊技球の払い出しを停止する。このため不正行為を極力防止できる。
【0037】
しかも、無効化手段60が働くと、入賞検出スイッチ28〜33の入賞情報等を無効化するだけでなく、報知手段62のスピーカ、表示ランプ21等が不正行為の事実を報知する。このため不正行為を容易に発見できると同時に、悪質な遊技者の不正行為の横行を予防又は抑制できる。
【0038】
遊技領域12の何処かに遊技球が引っ掛かったとき、遊技盤4 の入賞手段14〜19に何等かの問題が発生したときには、遊技店側の店員がガラス扉5 を開けて遊技球を取り除く等の処置を講じた後、普通入賞手段16〜19等に遊技球を入れることがある。このときには無効化手段60が働いて普通入賞手段16〜19の入賞検出スイッチ30〜33の入賞情報を無効にするので、普通入賞手段16〜19への入賞が無効になる。
【0039】
しかし、このような場合には、前枠2 の裏側を開放して所定のキーによりキースイッチ63を操作すれば、解除手段61により無効化手段60の無効化を解除できる。従って、入賞検出スイッチ30〜33からの入賞情報が入賞処理系51に送られ、入賞処理系51からの払い出しコマンドで球払い出し手段40が賞品球を払い出すので、普通入賞手段16〜19への遊技球の入賞を有効なものとして処理できる。また解除手段61があっても、所定のキーによりキースイッチ63を操作するようにしているため、不正な解除を防止できる。
【0040】
図10は本発明の第2の実施形態を例示し、可変入賞手段15に入賞した遊技球が特定領域24を通過して、通過検出スイッチ34がその遊技球を検出したときに利益状態発生手段58が作動して、遊技者に有利な権利(利益状態)を発生させるようにした弾球遊技機に本発明を応用したものである。
【0041】
遊技状態検出手段59は、可変入賞手段15の開放(第1状態)を検出する開放検出スイッチ64からの開放情報と、第2抽選手段56からの大当たり情報とに基づいて、大当たり情報がないにも拘わらず、開放検出スイッチ64から開放情報があったときに不正な遊技状態を検出するようになっている。無効化手段60は、通過検出スイッチ34の通過情報を無効化するようになっている。
【0042】
この場合には、第2図柄表示手段22による大当たり状態が発生していないにも拘わらず、悪質な遊技者が遊技盤4 側に薄板等を挿入して可変入賞手段15の開閉板15a を無理に開けるようなことがあっても、遊技状態検出手段59が不正な遊技状態を検出して、無効化手段60が通過検出スイッチ34からの通過情報を無効化する。従って、悪質な遊技者の不正行為によって利益状態発生手段58が作動して利益状態が発生するようなことはない。
【0043】
図11は本発明の第3の実施形態を例示し、利益状態発生手段58による利益状態の発生中及び/又は利益状態の終了から所定時間経過するまでは、仮に遊技状態検出手段59が不正な遊技状態を検出することがあっても、入賞検出スイッチ28〜33の入賞情報及び通過検出スイッチ34,35 の通過情報を有効にするようにしたものである。
【0044】
無効化手段60は、第2図柄表示手段22の変動後の停止図柄が大当たり図柄を表示して利益状態発生手段58により利益状態が発生した場合には、その利益状態の発生中及び/又は利益状態の終了から所定時間経過するまでは、入賞検出スイッチ28〜33の入賞情報及び通過検出スイッチ 34,35 の通過情報を有効にする機能を備えている。なお、所定時間の経過は、タイマー等の計時手段65によって実時間を計時しても良いし、第2図柄表示手段22の図柄の変動回数で計っても良い。
【0045】
この場合には、一旦、正規に利益状態が発生すれば、仮に遊技状態検出手段59が不正行為を検出するようなことがあっても、その利益状態の発生中及び/又は利益状態の終了から所定時間経過するまでは、その利益状態の発生により遊技者が享受する利益を保障することができる。従って、遊技店側と遊技者との間での利益状態の発生を巡るトラブルを回避できる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1の実施形態では、無効化手段60により入賞検出スイッチ28〜33及び通過検出スイッチ34,35 からの検出情報を全て無効にする場合を例示し、第2の実施形態では、無効化手段60により通過検出スイッチ34からの通過情報のみを無効にする場合を例示しているが、無効にすべき検出情報は全てでも良いし、一部でも良い。
【0047】
また不正行為による不正な遊技状態の場合でも、その不正行為自体の悪質度に大きな差があれば、その程度差を考慮して検出情報の全てを無効にするか、又は一部にするかを決定しても良い。例えば、不正行為に対応する箇所の検出情報を無効にするだけでも良い。遊技盤4 の入賞手段等の遊技部品の配列、遊技部品の個数、遊技部品の個々の機能等は、何れも例示であって、他の配列、個数、機能のものを組み合わせることも可能である。
【0048】
報知手段62は、スピーカ、表示ランプ21による報知方法の他に、液晶表示手段13等の画面に表示される文字等で報知するようにしても良い。また報知手段62は、無効化手段60の作動中を報知する以外に、非作動中であることを報知するようにしても良いし、その両方を報知するようにしても良い。可変入賞手段15、その他の入賞手段14〜19は、複数個の入賞検出スイッチ28〜33を備えた構造でも良い。
【0049】
キースイッチ63は、ガラス扉5 の施錠手段65a (図1参照)に組み込んで、この施錠手段65a にキーを挿入してガラス扉5 を開放するときにキースイッチ63が働くようにしても良い。この場合には、前枠2 の前面側でキースイッチ63を操作できる利点がある。また例えば大当たり等の所定状態以外のときは、それに関連する入賞検出スイッチの入賞情報を有効化しない制御を行い、大当たり等の所定状態のときに入賞情報を有効にしても良い。
【0050】
本発明は、入賞手段14〜19に遊技球が入賞したときに、その入賞検出スイッチ28〜33からの入賞情報にも基づいて、入賞処理系51から球払い出し手段40に払い出しコマンドを送信して賞品球を払い出す形式の弾球遊技機の場合に、不正行為による遊技球の払い出しを防止できるので、特に有効である。その他、本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球機等の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。
【0051】
なお、遊技領域12内に入賞手段等の複数個の遊技部品14〜20を配置し、遊技部品14〜20に入賞し又は遊技部品14〜20を通過する遊技球を検出する検出スイッチ28〜35を各遊技部品14〜20に対応して設け、検出スイッチ28〜35からの検出情報に基づいて賞品球の払い出し等の遊技処理を行うようにした弾球遊技機において、正規の遊技状態以外のときに所定の検出スイッチ28〜35からの検出情報を無効にする無効化手段60を備えることにより、遊技者の不正行為を未然に防止できる。
【0052】
また遊技領域12内に複数個の入賞手段14〜19を配置し、入賞手段14〜19に入賞した遊技球を検出する入賞検出スイッチ28〜33を各入賞手段14〜19に対応して設け、入賞検出スイッチ28〜33からの入賞情報に基づいて所定数の賞品球を払い出す球払い出し手段40を備えた弾球遊技機において、正規の遊技状態以外のときに所定の入賞検出スイッチ28〜33からの入賞情報を無効にする無効化手段60を備えることにより、遊技者の不正行為を未然に防止できる。
【0053】
更に遊技者に有利な第1状態と遊技者に不利な第2状態とに変換駆動可能で且つ1又は複数個の入賞検出スイッチ28〜33を備えた可変入賞手段15と、遊技球を検出する図柄始動手段14と、この図柄始動手段14が遊技球を検出することを条件に所定時間変動して停止する図柄を表示する図柄表示手段22とを遊技領域12内に備え、図柄表示手段22の変動後の停止図柄が大当たり図柄となったときに、可変入賞手段15を第1状態に駆動して遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段58を備え、正規の遊技状態以外のときに入賞検出スイッチ28〜33からの入賞情報を無効にする無効化手段60を備えることにより、遊技者の不正行為を未然に防止できる。
【0054】
また無効化手段60に、利益状態発生手段58による利益状態の発生中及び/又は利益状態の終了から所定時間経過するまでは入賞情報を有効にする機能を備えておけば、正規に発生した利益状態を保障でき、利益状態の発生を巡るトラブルを防止できる。
【0055】
また無効化手段60を解除する解除手段61を備えておけば、遊技店側において、無効化を解除して入賞手段14〜19に遊技球を入れる等の所定のサービスが可能である。更に無効化手段60の作動中及び/又は非作動中であることを報知する報知手段62を備えておけば、無効化の有無を容易に判断できると共に、不正行為の予防を図ることができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技領域12内に入賞手段等の複数個の遊技部品14〜20を配置し、遊技部品14〜20に入賞し又は遊技部品14〜20を通過する遊技球を検出する検出スイッチ28〜35を各遊技部品14〜20に対応して設け、検出スイッチ28〜35からの検出情報に基づいて賞品球の払い出し等の遊技処理を行うようにした弾球遊技機において、検出スイッチ28〜35からの検出情報に基づいて、球払い出し手段40が賞品球の払い出し処理を行うように該球払い出し手段40側に払い出しコマンドを送信する入賞処理系51と、遊技者に有利な第1状態と遊技者に不利な第2状態とに変換駆動可能で且つ1又は複数個の入賞検出スイッチ29と内部の特定領域 24 を通過する遊技球を検出する通過検出スイッチ 34 とを有する可変入賞手段15と、遊技球を検出する図柄始動手段14と、この図柄始動手段14が遊技球を検出することを条件に所定時間変動して停止する図柄を表示する図柄表示手段22と、図柄表示手段22の変動後の停止図柄が大当たり図柄となったときに、可変入賞手段15を第1状態に駆動して遊技者に有利な利益状態を発生させ、更に遊技球が特定領域 24 を通過することを条件に利益状態を継続させる利益状態発生手段58と、不正な遊技状態のときに特定領域 24 の通過検出スイッチ 34 からの検出情報を無効にする無効化手段 60 とを備え、無効化手段60は、利益状態発生手段58による正規の利益状態が発生した場合には不正な遊技状態を検出しても、利益状態の発生中及び/又は利益状態の終了から所定時間経過するまでは通過検出スイッチ 34 からの検出情報を有効にする機能を備えているので、遊技者の不正行為を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す弾球遊技機の正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す弾球遊技機の背面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示す遊技盤の正面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示す遊技盤の背面断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示す制御系のブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態を示す第1処理系のブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態を示す第1処理系のブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施形態を示す入賞処理系のブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施形態を示す無効化処理系のブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施形態を示す制御系のブロック図である。
【図11】本発明の第3の実施形態を示す制御系のブロック図である。
【符号の説明】
4 遊技盤
12 遊技領域
14 図柄始動手段(遊技部品)
15 可変入賞手段(遊技部品)
16〜19 普通入賞手段(遊技部品)
20 図柄始動手段(遊技部品)
22 図柄始動手段
28〜33 入賞検出スイッチ
34,35 通過検出スイッチ
58 利益状態発生手段
60 無効化手段
61 解除手段
62 報知手段
Claims (1)
- 遊技領域(12)内に入賞手段等の複数個の遊技部品(14)〜(20)を配置し、前記遊技部品(14)〜(20)に入賞し又は前記遊技部品(14)〜(20)を通過する遊技球を検出する検出スイッチ(28)〜(35)を前記各遊技部品(14)〜(20)に対応して設け、前記検出スイッチ(28)〜(35)からの検出情報に基づいて賞品球の払い出し等の遊技処理を行うようにした弾球遊技機において、前記検出スイッチ(28)〜(35)からの検出情報に基づいて、球払い出し手段(40)が賞品球の払い出し処理を行うように該球払い出し手段(40)側に払い出しコマンドを送信する入賞処理系(51)と、遊技者に有利な第1状態と遊技者に不利な第2状態とに変換駆動可能で且つ1又は複数個の前記入賞検出スイッチ(29)と内部の特定領域 (24) を通過する遊技球を検出する通過検出スイッチ (34) とを有する可変入賞手段(15)と、遊技球を検出する図柄始動手段(14)と、この図柄始動手段(14)が遊技球を検出することを条件に所定時間変動して停止する図柄を表示する図柄表示手段(22)と、前記図柄表示手段(22)の変動後の停止図柄が大当たり図柄となったときに、前記可変入賞手段(15)を第1状態に駆動して遊技者に有利な利益状態を発生させ、更に遊技球が前記特定領域 (24) を通過することを条件に前記利益状態を継続させる利益状態発生手段(58)と、不正な遊技状態のときに前記特定領域 (24) の通過検出スイッチ (34) からの検出情報を無効にする無効化手段 (60) とを備え、前記無効化手段(60)は、前記利益状態発生手段(58)による正規の利益状態が発生した場合には不正な遊技状態を検出しても、利益状態の発生中及び/又は利益状態の終了から所定時間経過するまでは前記通過検出スイッチ (34) からの検出情報を有効にする機能を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
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