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JP3828056B2 - 地球局装置及び衛星通信装置及び通信装置 - Google Patents

地球局装置及び衛星通信装置及び通信装置 Download PDF

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JP3828056B2
JP3828056B2 JP2002238858A JP2002238858A JP3828056B2 JP 3828056 B2 JP3828056 B2 JP 3828056B2 JP 2002238858 A JP2002238858 A JP 2002238858A JP 2002238858 A JP2002238858 A JP 2002238858A JP 3828056 B2 JP3828056 B2 JP 3828056B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の衛星軌道を運行する非静止人工衛星と通信を行う技術に関連し、特に複数の非静止人工衛星が所定の会合点で会合する際のハンドオーバーを効率的に行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、非静止人工衛星(以下、「非静止衛星」とする)を利用した通信サービスの導入が検討されている。非静止衛星は、静止衛星と違って、通信サービスエリア上空に留まっておらず時間が経過すると通信サービスエリア上空から去っていく。このため、非静止衛星を利用した通信サービスを実現するためには、複数の非静止人工衛星を用い、一つの非静止衛星が通信サービスエリア上空から去る前に別の非静止衛星が通信サービスエリアの上空に到来するようにして常に通信サービスエリア上空に少なくとも1機の非静止衛星が存在するようにしなければならない。通信サービスエリアから去る非静止衛星の衛星軌道と新たに通信サービスエリアに到来する非静止衛星の衛星軌道とが通信サービスエリア上空で交差している場合には二つの非静止衛星が交差(会合)するが、通信サービスを継続するためには、この二つの非静止衛星が交差(会合)する際に二つの非静止衛星の間でハンドオーバーを行う必要がある。
従来、このような二つの非静止衛星が会合する際に非静止衛星間でハンドオーバーを行う技術は存在していなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、複数の非静止衛星が会合する際に非静止衛星間で効率的にハンドオーバーを行う技術を提供することを主目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る地球局装置は、
第一の人工衛星及び第二の人工衛星のそれぞれから信号を受信可能な地球局装置であって、
第一の人工衛星から信号を受信するとともに、所定の場合に、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする。
【0005】
前記地球局装置は、
所定の衛星軌道上を運行する第一の人工衛星から信号を受信可能であり、
第一の人工衛星の衛星軌道と異なる衛星軌道上を運行し第一の人工衛星と会合する第二の人工衛星から第一の人工衛星が送信する信号に対応する対応信号を受信可能であり、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離以上のときは、
第一の人工衛星から信号を受信し、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
第二の人工衛星から対応信号の受信を開始するとともに第一の人工衛星からの信号受信を停止して、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする。
【0006】
前記地球局装置は、
第一の人工衛星及び第二の人工衛星のそれぞれから複数チャネルの信号を受信可能であり、
第一の人工衛星から複数チャネルの信号を受信するとともに、所定の場合に、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星にチャネルごとに順に切替えることを特徴とする。
【0007】
前記地球局装置は、
所定の衛星軌道上を運行する第一の人工衛星から、複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で受信可能であり、
第一の人工衛星の衛星軌道と異なる衛星軌道上を運行し第一の人工衛星と会合する第二の人工衛星から、第一の人工衛星が送信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号を受信可能であり、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離以上のときは、
第一の人工衛星から複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で受信し、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
特定のチャネルについて、第二の人工衛星から所定の周波数帯で対応信号の受信を開始するとともに第一の人工衛星からの信号受信を停止して当該チャネルの信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替え、第一の人工衛星からの信号受信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放し、
他のチャネルについて、チャネルごとに順に、空き周波数帯で第二の人工衛星から対応信号の受信を開始するとともに第一の人工衛星からの信号受信を停止して第一の人工衛星からの信号受信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする。
【0008】
前記地球局装置は、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
第二の人工衛星から対応信号の受信を開始した後に第一の人工衛星からの信号受信を停止して、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする。
【0009】
前記地球局装置は、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
第二の人工衛星から対応信号の受信を開始するのと同時に第一の人工衛星からの信号受信を停止して、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする。
【0010】
前記地球局装置は、
第一の人工衛星から所定の周波数帯で信号を受信可能であり、
第二の人工衛星から第一の人工衛星の周波数帯と異なる周波数帯で対応信号を受信可能であり、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
第一の人工衛星の周波数帯と異なる周波数帯で第二の人工衛星から対応信号の受信を開始することを特徴とする。
【0011】
前記地球局装置は、
複数チャネルを二以上のチャネルごとにグループ化し複数チャネルをグループ単位で管理する第一の人工衛星から複数チャネルの信号をグループごとに受信可能であり、
第一の人工衛星でのグループ化に対応させて複数チャネルをグループ化し複数チャネルをグループ単位で管理する第二の人工衛星から複数チャネルの信号をグループごとに受信可能であり、
第一の人工衛星から複数チャネルの信号をグループごとに受信するとともに、所定の場合に、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星にグループごとに順に切替えることを特徴とする。
【0012】
前記地球局装置は、
所定の衛星軌道上を運行する第一の人工衛星から、複数チャネルの信号をグループごとに個別の周波数帯で受信可能であり、
第一の人工衛星の衛星軌道と異なる衛星軌道上を運行し第一の人工衛星と会合する第二の人工衛星から、第一の人工衛星が送信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号をグループごとに受信可能であり、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離以上のときは、
第一の人工衛星から複数チャネルの信号をグループごとに個別の周波数帯で受信し、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
特定のグループについて、第二の人工衛星から所定の周波数帯で対応信号の受信を開始するとともに第一の人工衛星からの信号受信を停止して当該グループの信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替え、第一の人工衛星からの信号受信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放し、
他のグループについて、グループごとに順に、空き周波数帯で第二の人工衛星から対応信号の受信を開始するとともに第一の人工衛星からの信号受信を停止して第一の人工衛星からの信号受信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る地球局装置は、
第一の人工衛星及び第二の人工衛星のそれぞれに対して信号を送信可能な地球局装置であって、
第一の人工衛星に対して信号を送信するとともに、所定の場合に、信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする。
【0014】
前記地球局装置は、
所定の衛星軌道上を運行する第一の人工衛星に対して信号を送信可能であり、
第一の人工衛星に対して送信する信号に対応する対応信号を、第一の人工衛星の衛星軌道と異なる衛星軌道上を運行し第一の人工衛星と会合する第二の人工衛星に対して送信可能であり、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離以上のときは、
第一の人工衛星に対して信号を送信し、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
第二の人工衛星に対して対応信号の送信を開始するとともに第一の人工衛星に対する信号送信を停止し、信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする。
【0015】
前記地球局装置は、
第一の人工衛星及び第二の人工衛星のそれぞれに対して複数チャネルの信号を送信可能であり、
第一の人工衛星に対して複数チャネルの信号を送信するとともに、所定の場合に、信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星にチャネルごとに順に切替えることを特徴とする。
【0016】
前記地球局装置は、
所定の衛星軌道上を運行する第一の人工衛星に対して複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で送信可能であり、
第一の人工衛星に対して送信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号を、第一の人工衛星の衛星軌道と異なる衛星軌道上を運行し第一の人工衛星と会合する第二の人工衛星に対して送信可能であり、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離以上のときは、
第一の人工衛星に対して複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で送信し、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
特定のチャネルについて、所定の周波数帯で第二の人工衛星に対する対応信号の送信を開始するとともに第一の人工衛星に対する信号送信を停止して当該チャネルの信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替え、第一の人工衛星に対する信号送信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放し、
他のチャネルについて、チャネルごとに順に、空き周波数帯で第二の人工衛星に対する対応信号の送信を開始するとともに第一の人工衛星に対する信号送信を停止して第一の人工衛星に対する信号送信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする。
【0017】
前記地球局装置は、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
第二の人工衛星に対して対応信号の送信を開始した後に第一の人工衛星に対する信号送信を停止して、信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする。
【0018】
前記地球局装置は、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
第二の人工衛星に対して対応信号の送信を開始するのと同時に第一の人工衛星に対する信号送信を停止して、信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする。
【0019】
前記地球局装置は、
第一の人工衛星に対して所定の周波数帯で信号を送信可能であり、第二の人工衛星に対して第一の人工衛星の周波数帯と異なる周波数帯で対応信号を送信可能であり、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
第一の人工衛星の周波数帯と異なる周波数帯で第二の人工衛星に対して対応信号の送信を開始することを特徴とする。
【0020】
前記地球局装置は、
複数チャネルを二以上のチャネルごとにグループ化し複数チャネルをグループ単位で管理する第一の人工衛星に対して、複数チャネルの信号をグループごとに送信可能であり、 第一の人工衛星でのグループ化に対応させて複数チャネルをグループ化し複数チャネルをグループ単位で管理する第二の人工衛星に対して、複数チャネルの信号をグループごとに送信可能であり、
第一の人工衛星に対して複数チャネルの信号をグループごとに送信するとともに、所定の場合に、信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星にグループごとに順に切替えることを特徴とする。
【0021】
前記地球局装置は、
所定の衛星軌道上を運行する第一の人工衛星に対して、複数チャネルの信号をグループごとに個別の周波数帯で送信可能であり、
第一の人工衛星に対して送信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号を、第一の人工衛星の衛星軌道と異なる衛星軌道上を運行し第一の人工衛星と会合する第二の人工衛星に対してグループごとに送信可能であり、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離以上のときは、
第一の人工衛星に対して複数チャネルの信号をグループごとに個別の周波数帯で送信し、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
特定のグループについて、所定の周波数帯で第二の人工衛星に対する対応信号の送信を開始するとともに第一の人工衛星に対する信号送信を停止して当該グループの信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替え、第一の人工衛星に対する信号送信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放し、
他のグループについて、グループごとに順に、空き周波数帯で第二の人工衛星に対する対応信号の送信を開始するとともに第一の人工衛星に対する信号送信を停止して第一の人工衛星に対する信号送信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする。
【0022】
本発明に係る衛星通信装置は、
所定の衛星軌道上を運行し他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、地球局装置に対して信号を送信可能な衛星通信装置であって、
自己を搭載する搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離以上のときは、
地球局装置に対して信号を送信し、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
地球局装置に対する信号送信を停止することを特徴とする。
【0023】
前記衛星通信装置は、
地球局装置に対して信号送信が可能な他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、
他の人工衛星が地球局装置に対する信号送信に用いる周波数帯と異なる周波数帯で地球局装置に対して信号送信を行うことを特徴とする。
【0024】
前記衛星通信装置は、
地球局装置に対して複数チャネルの信号を送信可能であり、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
地球局装置に対する信号送信をチャネルごとに順に停止することを特徴とする。
【0025】
前記衛星通信装置は、
複数チャネルを二以上のチャネルごとにグループ化し複数チャネルをグループ単位で管理し、地球局装置に対して複数チャネルの信号をグループごとに送信可能であり、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
地球局装置に対する信号送信をグループごとに順に停止することを特徴とする。
【0026】
本発明に係る衛星通信装置は、
所定の衛星軌道上を運行し他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、地球局装置からの信号を受信可能な衛星通信装置であって、
自己を搭載する搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離以上のときは、
地球局装置から信号を受信し、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
地球局装置からの信号受信を停止することを特徴とする。
【0027】
前記衛星通信装置は、
地球局装置からの信号受信が可能な他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、
他の人工衛星が地球局装置からの信号受信に用いる周波数帯と異なる周波数帯で地球局装置から信号受信を行うことを特徴とする。
【0028】
前記衛星通信装置は、
地球局装置から複数チャネルの信号を受信可能であり、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
地球局装置からの信号受信をチャネルごとに順に停止することを特徴とする。
【0029】
前記衛星通信装置は、
複数チャネルを二以上のチャネルごとにグループ化し複数チャネルをグループ単位で管理し、地球局装置から複数チャネルの信号をグループごとに受信可能であり、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
地球局装置からの信号受信をグループごとに順に停止することを特徴とする。
【0030】
本発明に係る衛星通信装置は、
所定の衛星軌道上を運行し他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、地球局装置に対して信号を送信可能な衛星通信装置であって、
自己を搭載する搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
地球局装置に対する信号送信を開始することを特徴とする。
【0031】
前記衛星通信装置は、
地球局装置に対して複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で送信し所定の場合にチャネルごとに順に信号送信を停止するとともに信号送信に用いていた周波数帯を空き周波数帯として開放する他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、
他の人工衛星が送信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号を地球局装置に対して送信可能であり、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
特定のチャネルについて、所定の周波数帯で地球局装置に対する対応信号の送信を開始するとともに、他の人工衛星が当該チャネルの信号送信を停止したことにより開放された空き周波数帯を検出し、
他のチャネルについて、チャネルごとに順に、検出した空き周波数帯で地球局装置に対して対応信号の送信を開始するとともに他の人工衛星が信号送信を停止したことにより開放された空き周波数帯を検出する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、対応信号の送信を開始することを特徴とする。
【0032】
前記衛星通信装置は、
地球局装置に対して信号送信が可能な他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、
他の人工衛星が地球局装置に対する信号送信に用いる周波数帯と異なる周波数帯で地球局装置に対して信号送信を行うことを特徴とする。
【0033】
前記衛星通信装置は、
地球局装置に対して複数チャネルの信号を送信可能であり、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
地球局装置に対する信号送信をチャネルごとに順に開始することを特徴とする。
【0034】
前記衛星通信装置は、
複数チャネルを二以上のチャネルごとにグループ化し複数チャネルをグループ単位で管理し、地球局装置に対して複数チャネルの信号をグループごとに送信可能であり、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
地球局装置に対する信号送信をグループごとに順に開始することを特徴とする。
【0035】
前記衛星通信装置は、
複数チャネルを二以上のチャネルごとにグループ化し複数チャネルをグループ単位で管理し地球局装置に対して複数チャネルの信号をグループごとに個別の周波数帯で送信し所定の場合にグループごとに順に信号送信を停止するとともに信号送信に用いていた周波数帯を空き周波数帯として開放する他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、
他の人工衛星でのグループ化に対応させて複数チャネルをグループ化し複数チャネルをグループ単位で管理し、他の人工衛星が送信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号をグループごとに地球局装置に対して送信可能であり、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
特定のグループについて、所定の周波数帯で地球局装置に対する対応信号の送信を開始するとともに、他の人工衛星が当該グループの信号送信を停止したことにより開放された空き周波数帯を検出し、
他のグループについて、グループごとに順に、検出した空き周波数帯で地球局装置に対する対応信号の送信を開始するとともに他の人工衛星が信号送信を停止したことにより開放された空き周波数帯を検出する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、対応信号の送信を開始することを特徴とする。
【0036】
本発明に係る衛星通信装置は、
所定の衛星軌道上を運行し他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、地球局装置から信号を受信可能な衛星通信装置であって、
自己を搭載する搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
地球局装置からの信号受信を開始することを特徴とする。
【0037】
前記衛星通信装置は、
地球局装置から複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で受信し所定の場合にチャネルごとに順に信号受信を停止するとともに信号受信に用いていた周波数帯を空き周波数帯として開放する他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、
他の人工衛星が受信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号を地球局装置から受信可能であり、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
特定のチャネルについて、所定の周波数帯で地球局装置から対応信号の受信を開始するとともに、他の人工衛星が当該チャネルの信号受信を停止したことにより開放された空き周波数帯を検出し、
他のチャネルについて、チャネルごとに順に、検出した空き周波数帯で地球局装置から対応信号の受信を開始するとともに他の人工衛星が信号受信を停止したことにより開放された空き周波数帯を検出する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、対応信号の受信を開始することを特徴とする。
【0038】
前記衛星通信装置は、
地球局装置から信号を受信する他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、
他の人工衛星が地球局装置からの信号受信に用いる周波数帯と異なる周波数帯で地球局装置から信号受信を行うことを特徴とする。
【0039】
前記衛星通信装置は、
地球局装置から複数チャネルの信号を受信可能であり、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
地球局装置から信号受信をチャネルごとに順に開始することを特徴とする。
【0040】
前記衛星通信装置は、
複数チャネルを二以上のチャネルごとにグループ化し複数チャネルをグループ単位で管理し、地球局装置から複数チャネルの信号をグループごとに受信可能であり、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
地球局装置からの信号受信をグループごとに順に開始することを特徴とする。
【0041】
前記衛星通信装置は、
複数チャネルを二以上のチャネルごとにグループ化し複数チャネルをグループ単位で管理し地球局装置に対して複数チャネルの信号をグループごとに個別の周波数帯で受信し所定の場合にグループごとに順に信号受信を停止するとともに信号受信に用いていた周波数帯を空き周波数帯として開放する他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、
他の人工衛星でのグループ化に対応させて複数チャネルをグループ化し複数チャネルをグループ単位で管理し、他の人工衛星が受信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号をグループごとに地球局装置から受信可能であり、
搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
特定のグループについて、地球局装置から所定の周波数帯で対応信号の受信を開始するとともに、他の人工衛星が当該グループの信号受信を停止したことにより開放された空き周波数帯を検出し、
他のグループについて、グループごとに順に、検出した空き周波数帯で地球局装置から対応信号の受信を開始するとともに他の人工衛星が信号受信を停止したことにより開放された空き周波数帯を検出する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、対応信号の受信を開始することを特徴とする。
【0042】
本発明に係る通信装置は、
第一の人工衛星及び第二の人工衛星のそれぞれから信号を受信可能な地球局装置に接続され、地球局装置を介して第一の人工衛星及び第二の人工衛星のいずれかより送信された信号を受信する通信装置であって、
第一の人工衛星から信号を受信するとともに、所定の場合に、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替える地球局装置を介して、
第一の人工衛星及び第二の人工衛星のいずれかより送信された信号を受信することを特徴とする。
【0043】
前記通信装置は、
地球局装置であって、
所定の衛星軌道上を運行する第一の人工衛星から、複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で受信可能であり、第一の人工衛星の衛星軌道と異なる衛星軌道上を運行し第一の人工衛星と会合する第二の人工衛星から、第一の人工衛星が送信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号を受信可能であり、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離以上のときは、
第一の人工衛星から複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で受信し、
第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
特定のチャネルについて、第二の人工衛星から所定の周波数帯で対応信号の受信を開始するとともに第一の人工衛星からの信号受信を停止して当該チャネルの信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替え、第一の人工衛星からの信号受信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放し、
他のチャネルについて、チャネルごとに順に、空き周波数帯で第二の人工衛星から対応信号の受信を開始するとともに第一の人工衛星からの信号受信を停止して第一の人工衛星からの信号受信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替える地球局装置を介して、
第一の人工衛星及び第二の人工衛星のいずれかより送信された信号を受信することを特徴とする。
【0044】
前記通信装置は、
第一の人工衛星及び第二の人工衛星のそれぞれから複数チャネルの信号を受信可能であり、第一の人工衛星から複数チャネルの信号を受信するとともに、所定の場合に、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星にチャネルごとに順に切替える地球局を介して、
第一の人工衛星及び第二の人工衛星のいずれかより送信された信号を受信することを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る衛星通信システムの構成例を示す原理図である。
図1において、10aは非静止衛星に対して信号(101、102)を周波数帯f1で送信する地上端末1である。信号101は非静止衛星(1)21に対する信号であり、信号102は非静止衛星(2)22に対する信号である。信号101と信号102の内容は同一である。
10nは非静止衛星に対して信号(103、104)を周波数帯fnで送信する地上端末nである。信号103は非静止衛星(1)21に対する信号であり、信号104は非静止衛星(2)22に対する信号である。信号103と信号104の内容は同一である。
また、周波数帯f1と周波数帯fnは異なる周波数帯である。
地上端末1〜nのそれぞれから送信される信号は、それぞれ、1チャネル分の信号として扱われ、例えば、地上端末1から送信される信号101、102は、チャネル1信号(Ch1信号)であり、地上端末nから送信される信号103、104はチャネルn信号(Chn信号)である。
図1では、地上端末1と地上端末nの2台のみが示されているが、これら以外に地上端末2〜地上端末n−1が存在しているものとする。
なお、地上端末は、例えば、車輌に搭載された通信装置である。
【0046】
21は、地球の周りを周回する非静止衛星(1)である(以下、単に「衛星(1)」という)。衛星(1)21は、地上端末1〜nから送信されたCh1〜Chnのnチャネル分の信号を受信し、受信したCh1〜Chnの信号を多重化して周波数変換を行い、周波数帯F1’〜Fn’のnチャネルの信号201を地球局装置30に送信する。ここで、周波数帯F1’〜Fn’は地上端末から受信した信号に対応しており、周波数帯F1’は地上端末1から受信したCh1信号101についての周波数変換後の周波数帯であり、周波数帯Fn’は地上端末nから受信したChn信号103についての周波数変換後の周波数帯である。このように、衛星(1)21は、複数チャネルの信号を受信するとともに、複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯に変換して地球局30に対して送信する。
【0047】
22は、地球の周りを周回する非静止衛星(2)である(以下、単に「衛星(2)」という)。衛星(2)22は、地上端末1〜nから送信されたCh1〜Chnのnチャネル分の信号を受信し、受信したCh1〜Chnの信号を多重化して周波数変換を行い、周波数帯F1’’〜Fn’’のnチャネル分の信号202を地球局装置30に送信する。ここで、周波数帯F1’’〜Fn’’は地上端末から受信した信号に対応しており、周波数帯F1’’は地上端末1から受信したCh1信号102についての周波数変換後の周波数帯であり、周波数帯Fn’’は地上端末nから受信したChn信号104についての周波数変換後の周波数帯である。このように、衛星(2)22は、複数チャネルの信号を受信するとともに、複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯に変換して地球局30に対して送信する。
【0048】
衛星(1)21及び衛星(2)22からの送信信号の周波数帯が異なるのは、電波の干渉等によるエラーを回避するためである。
衛星(1)21及び衛星(2)22は、それぞれ個別の衛星軌道を周回しているが、それぞれの衛星軌道には他方の衛星の衛星軌道と交差する位置があり、衛星(1)21及び衛星(2)22はこの衛星軌道が交差している位置にて交差する。このような複数の衛星が交差することを会合といい、また複数の非静止衛星が会合する位置を会合点という。
そして、本実施の形態に係る衛星通信システムでは、衛星(1)21と衛星(2)22がそれぞれ会合点付近に到達し衛星(1)21と衛星(2)22との間の距離が所定の距離未満となったときに、衛星(1)21と衛星(2)22との間でハンドオーバーが行われる。ここで、衛星(1)21と衛星(2)22との間の距離が所定の距離未満となるという意味は、あるアンテナの信号ビームが衛星(1)21及び衛星(2)22との両方に対して届くことを意味している。
【0049】
図1では、衛星(1)21がハンドオーバー前に通信に利用されている非静止衛星で、衛星(2)22がハンドオーバー後に通信に利用される非静止衛星とする。なお、ハンドオーバー前に利用されている衛星は、第一の人工衛星に相当し、ハンドオーバー後に利用される衛星は第二の人工衛星に相当する。従って、図1では、衛星(1)21が第一の人工衛星の例に相当し、衛星(2)が第二の人工衛星の例に相当する。ハンドオーバー時に、第二の人工衛星である衛星(2)は、第一の人工衛星である衛星(1)が送信する信号に対応する対応信号を送信する。たとえば、ハンドオーバー時に第二の人工衛星である衛星(2)は、第一の人工衛星である衛星(1)が送信する信号と同一信号を対応信号として送信する。
衛星(1)21及び衛星(2)22は、例えば、準天頂衛星である。準天頂衛星については後述する。
【0050】
図1において、30は衛星(1)21及び衛星(2)22から信号を受信する地球局装置である(以下、単に「地球局」という)。地球局30は、ハンドオーバー前は、周波数F1’〜Fn’の信号201を衛星(1)21から受信可能であり、ハンドオーバー後は、周波数F1’’〜Fn’’の信号202を衛星(2)22から受信可能である。地球局30は、衛星(1)21に対して信号201の送信停止を指示したり、衛星(2)22に対して信号202の送信開始を指示したりして、ハンドオーバーの制御を行う。
【0051】
40〜60は、地球局30に接続され、地球局30が衛星(1)21、衛星(2)22から受信した信号を地球局30より受信する通信装置である。
【0052】
本実施の形態では、会合点付近でのハンドオーバー時に、地上端末からの送信信号は、両方の衛星で受信される。通信瞬断を防ぐため、受信した地上端末からの送信信号を、各衛星で別々の周波数帯域に変換し、衛星(1)21からは、周波数帯F1’〜Fn’の信号201、衛星(2)22からは周波数帯F1’’〜Fn’’の信号202として、一定時間重複させ、地球局30に送信する。ハンドオーバーが終了次第、衛星(1)は送信信号を止める。衛星(1)21と衛星(2)22との周波数帯を異ならせているのは(F1’〜Fn’≠F1’’〜Fn’’)、地球局30との間で高ビットレートの信号の受信を行うからである。同一内容の高ビットレートを2カ所から受信すると、伝送距離が異なることによりタイミングがずれ正しい受信ができないので周波数帯を変えているのである。
【0053】
この場合、地球局30が受信する信号の周波数と時間の関係は、図2に示すようになる。図2において、横軸は時間、縦軸は周波数である。また、SW01は、衛星(1)21の信号の受信をON/OFFする地球局30内のスイッチである。SW02は、衛星(2)22の信号の受信をON/OFFする地球局30内のスイッチである。SW11は、地球局30の通信装置40〜60への出力信号を衛星(1)21からの信号または衛星(2)からの信号に切替える地球局30内のスイッチである。
地球局30は、衛星(1)21からチャネル1〜nの信号をF1’〜Fn’の周波数で受信しながら、衛星(2)22からチャネル1〜nの信号をF1’’〜Fn’’の周波数で受信開始する(SW02をON)。地球局30から通信装置40〜60への出力信号は、衛星(2)からの信号受信の開始後所定期間を経た段階で衛星(1)21の信号から衛星(2)22の信号に切替える(SW11の切替え)。その後、衛星(1)からの信号受信を停止する(SW01をOFF)。なお、SW01、SW02、SW11の切替動作については後述する。
【0054】
ここで、準天頂衛星について説明する。
図25は、準天頂衛星の軌跡を説明する図であり、図25において、200は、準天頂衛星である。
準天頂衛星200は、赤道面から約45度の傾斜角になるように地球の自転に合わせて1日に1周回している。なお、赤道面からの傾斜角は、設計により任意に設定してよい。また、準天頂衛星200は、昇交点赤経(赤道面との交点)において120度ずつ離れるように3機が配置されている。
図26は、地表面上に投影される準天頂衛星軌道の軌跡を説明する図である。
図26においては、地上を固定して考えた場合に、図25における準天頂衛星200の軌跡を示している。図26に示すように、地上を固定して考えた場合に、準天頂衛星200は赤道上を交点とする「8の字」を描くように周回している。3機の準天頂衛星200は、軌道面を異にするが8時間ごとに交代(会合)することにより、切れ目なく日本上空に位置している。また、地域を日本で考えた場合、仰角が70度以上の準天頂衛星200が常に存在することになる。切れ目なく日本上空に位置しているため、仰角が70度以上の準天頂衛星200が常に存在し、受信者が地上で準天頂衛星200から電波を受ける際、ビルの谷間でも電波を遮られることが少ない。
【0055】
以上のように、準天頂衛星は、日本上空で8時間ごとに交代(会合)するため、新たに日本上空に到達しようとする準天頂衛星とこれから日本上空から去ろうとする準天頂衛星との間で8時間ごとにハンドオーバーを行う必要がある。このため、本実施の形態に係る衛星通信システムは、準天頂衛星に対して適用可能である。
【0056】
次に、衛星(1)21及び衛星(2)22の内部構成例を図3を参照して説明する。
図3では、地上端末及び地球局との通信に関連する部分を中心に説明する。
衛星(1)について、210は、地上端末及び地球局と通信を行う衛星通信装置(1)である。衛星通信装置(1)210の内部構成は後述する。
230は、地上端末1〜nより信号101、103、105を受信する入力アンテナである。入力アンテナ230は、図5に示すように、地上端末1〜nより送信されたf1〜fnの周波数帯のnチャネル分の信号101、103、105を受信し、これらの信号を多重して信号107にする。なお、かっこ内の数字は、衛星(2)22における入力アンテナ240での状態を示しており、衛星(2)22の入力アンテナ240でも信号102、104、106を多重して信号108とする。
250は、地球局30に対して信号を送信する出力アンテナである。出力アンテナ250は、周波数変換後のF1’〜Fn’の周波数帯のnチャネル分の信号201を地球局30に送信する。
270は、地球局30からの制御信号を受信する制御信号用アンテナである。制御信号は、衛星通信装置(1)210内のスイッチのON/OFFを指示する信号等である。
【0057】
次に、衛星通信装置(1)210の内部構成について説明する。
211は、入力アンテナ230で受信された信号107(周波数帯f1〜fn)について周波数変換を行ってF1’〜Fn’の周波数帯の信号109を出力アンテナ250に出力する内部回路である。内部回路211には、SW(スイッチ)2111と周波数変換器(以下、単に「変換器」という)2112が含まれる。SW2111は、地球局30に対する信号送信の停止タイミング時に信号の入力を遮断する。変換器2112は、図6に示すように、周波数帯f1〜fnの信号107を入力し、周波数変換を行って周波数帯F1’〜Fn’の信号109を出力する。
212は、制御信号用アンテナ270から制御信号を受信する制御信号受信部である。制御信号には、SW2111に対するON/OFFの指示が含まれる。
213は、制御信号のON/OFF指示に基づきSW2111のON/OFFを切替えるSW制御部である。
SW制御部である。
【0058】
衛星(2)22の内部構成も衛星(1)21と同様である。
衛星(2)22では、入力アンテナ240は、f1〜fnの周波数帯の信号102、104、106を地上端末1〜nより受信し、多重化して信号108とするが、内部回路221の変換器2212は、F1’’〜Fn’’の周波数帯の信号110に変換し(図6)、出力アンテナからはF1’’〜Fn’’の周波数帯の信号202を出力する。
また、制御信号用アンテナ280は、SW2211に対するON/OFFを指示する制御信号を受信し、SW制御部223は、制御信号のON/OFF指示に基づきSW2211のON/OFFを切替える。
【0059】
次に、地球局30の内部構成を図4を参照して説明する。
301は、衛星(1)21を指向するアンテナ(1)であり、302は、衛星(2)22を指向するアンテナ(2)である。
303は、アンテナ(1)301で受信された衛星(1)の信号201(周波数帯F1’〜Fn’)の受信切替えを行うSW(スイッチ)01であり、304は、アンテナ(2)302で受信された衛星(2)の信号(周波数帯F1’’〜Fn’’)の受信切替えを行うSW(スイッチ)02である。
305は、アンテナ(1)301で受信された衛星(1)の信号(周波数帯F1’〜Fn’)の復調処理を行う復調部であり、306は、アンテナ(2)302で受信された衛星(2)の信号(周波数帯F1’’〜Fn’’)の復調処理を行う復調部である。
307及び308は遅延器であり、遅延器307、308は、地上端末→衛星(1)→SW11(309)までの遅延時間と、地上端末→衛星(2)→SW11(309)までの遅延時間が同じになるように調整する。
309は、遅延器307からの入力、遅延器308からの入力を切替えて、衛星(1)からの信号又は衛星(2)からの信号を情報データとして通信装置40〜60に対して出力するSW(スイッチ)11である。図2に示したように、地球局30では、衛星(1)及び衛星(2)から重複して信号を受信しながら、特定時点でSW11の切替えにより通信装置40〜60への出力信号を衛星(1)の信号から衛星(2)の信号に切替える。
310は、種々の切替えタイミングを制御する切替制御部である。切替制御部310は、衛星(1)21のSW2111のOFFタイミング、衛星(2)22のSW2211のONタイミング、SW01の切替えタイミング、SW02の切替えタイミング、SW11の切替えタイミング等を制御する。切替制御部310は、衛星(1)及び衛星(2)の位置検出を行う機能を有しており、衛星(1)及び衛星(2)が会合点付近に到達したことを検出した場合に、衛星(1)21のSW2111のOFFタイミング、衛星(2)22のSW2211のONタイミング等を算出し、制御信号生成部311、SW01/SW02制御部314、SW11制御部315に切替えを指示する。
311は、切替制御部310からの指示に基づき、衛星(1)21にSW2111のOFFを指示する制御信号及び衛星(2)22にSW2211のONを指示する制御信号を生成する制御信号生成部である。制御信号は、例えばパルス信号として生成してもよいし、Bilevel等の信号として生成してもよい。
312は、制御信号生成部311で生成された制御信号の送信処理を行う制御信号送信部である。
313は、制御信号を衛星(1)及び衛星(2)に対して送信する制御信号用アンテナである。
314は、切替制御部310からの指示に基づきSW01及びSW02をそれぞれの切替えタイミングで切替えるSW01/SW02制御部である。
315は、切替制御部310からの指示に基づきSW11を切替えタイミングで切替えるSW11制御部である。
【0060】
次に、本実施の形態に係る衛星通信システムの動作を説明する。
地上端末1〜nは、それぞれ個別の周波数帯(f1〜fn)で信号を送信する。
衛星(1)21と衛星(2)22とが会合点付近にない場合、すなわち、衛星(1)21のみが通信サービスを行っている場合は、衛星(1)21は入力アンテナ230を介して地上端末1〜nの信号101、103、105を周波数帯f1〜fnで受信して多重化して信号107にする(図5)。また、このときは、衛星(1)のSW2111はONとなっており、変換器2112で周波数変換され、周波数帯F1’〜Fn’の信号109となって(図6)、出力アンテナ250から地球局30に送信される。
【0061】
次に、衛星(1)21と衛星(2)22が会合点付近に到達した場合には、地球局30の切替制御部310が衛星(1)21と衛星(2)22とが会合点付近にあることを検知する。衛星(1)と衛星(2)とが会合点付近にあることを検知した後は、切替制御部310は、衛星(1)21のSW2111のOFFタイミング、衛星(2)22のSW2211のONタイミング、SW01の切替えタイミング、SW02の切替えタイミング、SW11の切替えタイミングをハンドオーバー処理の進展とともに逐次割り出す。
そして、切替制御部310からの指示に基づき、制御信号生成部311より制御信号(SW2111のOFF信号、SW2211のON信号)が生成され、制御信号送信部312、制御信号用アンテナ313を介して衛星(1)21及び衛星(2)22に制御信号が送信される。
【0062】
衛星(1)及び衛星(2)では、それぞれ制御信号用アンテナ、制御信号受信部を経由してSW制御部が制御信号を受信し、制御信号に従って内部回路内のSWを制御する。
具体的には、図2に示すように、地球局30は、衛星(2)22内のSW2211に対するON信号を送信し、SW2211がONとなり周波数帯F1’’〜Fn’’の信号202の送信が開始した後、所定期間の経過後に、衛星(1)21のSW2111に対するOFF信号を送信して衛星(1)21からの信号送信を停止させる。
【0063】
地球局30では、衛星(1)からの信号を受信するととともに、衛星(2)22のSW2211のONタイミングに対応させてSW01/SW02制御部314がSW02をONにして衛星(2)22から信号202の受信を開始する。
衛星(2)22からの信号受信開始後もしばらくの間は、SW11は遅延器307側(衛星(1)側)になっており、衛星(1)からの信号が情報データ(通信装置40〜60への出力信号)となる。その後、所定時間の経過後、切替制御部310はSW11の切替を指示し、SW11制御部315は切替制御部310からの指示に基づきSW11を遅延器308側(衛星(2)側)に切替え、衛星(2)からの信号を情報データとする。
【0064】
このように、本実施の形態に係る衛星通信システムでは、衛星(1)と衛星(2)が会合点付近に達したときに、衛星(1)と衛星(2)との両方から同一の信号を一定時間だけ重複並行して受信し、衛星(1)と衛星(2)との間で複数チャネルの信号をまとめてハンドオーバーを行う。
【0065】
また、本実施の形態に係る衛星通信システムでは、衛星(1)からの信号受信と衛星(2)からの信号受信とを異なる周波数帯で行っているので、電波の干渉等によるエラーを回避することができる。
【0066】
なお、以上の説明では、一定時間の間、衛星(1)からの信号受信と衛星(2)から信号受信を並行して行うこととしたが、衛星(2)からの信号受信の開始と同時に衛星(1)からの信号受信を停止してハンドオーバーを行うようにしてもよい。
【0067】
実施の形態2.
実施の形態1で示したシステムは、衛星(1)からの信号受信にF1’〜Fn’を用い、衛星(2)からの信号受信にF1’’〜Fn’’の周波数帯を用いている。しかしながら、ハンドオーバー前は衛星(2)からの信号受信に用いるF1’’〜Fn’’の周波数帯は利用されず、ハンドオーバー後は衛星(1)からの信号受信に用いるF1’〜Fn’の周波数帯が利用されないことになり、結果として、周波数帯の有効利用が図れないという側面がある。
そこで、本実施の形態では、実施の形態1のシステムを改良して、有限である周波数資源を効率よく使用できるシステムを説明する。
【0068】
本実施の形態に係る衛星通信システムの全体構成図は、図1に示すものとほぼ同じであるため省略する。但し、本実施の形態では、衛星(1)21から地球局30へ送信される信号201の周波数帯、及び衛星(2)22から地球局30へ送信される信号202の周波数帯が図1のものと異なっている。この点については後に詳述する。
【0069】
図7は、本実施の形態の衛星(1)及び衛星(2)の内部構成例を示す。
図7では、衛星(1)21の衛星通信装置(1)210に内部回路(1)〜(n)が配置され、衛星(2)22の衛星通信装置(2)220にも内部回路(1)〜(n)が配置されている。
それぞれの内部回路は、SW(スイッチ)、BPF(バンドパスフィルター)、変換器で構成されている。
BPFはnチャネル分の信号107(108)に対して帯域制限を行い、nチャネルの中から特定の1チャネル分の情報を取り出せる。また、衛星通信装置(1)210内のBPF1〜nは、それぞれ異なるチャネル(周波数帯)の情報を取り出す。例えば、BPF1(2152)は、f1〜fnの周波数帯の中から周波数帯f1のCh1信号のみを取り出し、BPF2(2162)は周波数帯f2のCh2信号のみを取り出す。
また、衛星通信装置(2)220内のBPFは、衛星通信装置(1)210のBPFに対応しており、例えば、衛星通信装置(1)210のBPF1(2152)と衛星通信装置(2)220のBPF1(2252)はともに周波数帯f1のCh1信号を取り出し、衛星通信装置(1)210のBPFn(2172)と衛星通信装置(2)220のBPFn(2272)はともに周波数帯fnのChn信号を取り出す。
【0070】
ここで、BPFと変換器の処理を図9を参照して説明する。
ここでは、例として、衛星通信装置(1)のBPF1(2152)、変換器1(2153)、BPF2(2162)、変換器2(2163)の処理を説明する。
BPF1(2152)は、周波数帯f1〜fのnチャネルの信号の中から周波数帯f1のCh1信号を取り出し、変換器1(2153)がf1とは別の周波数帯であるF2に変換してCh1信号111を出力する。また、BPF2(2162)は、周波数帯f1〜fのnチャネルの信号の中から周波数帯f2のCh2信号を取り出し、変換器2(2163)がf2とは別の周波数帯であるF3に変換してCh2信号112を出力する。
【0071】
次に、衛星通信装置(1)210の変換器と衛星通信装置(2)220の変換器との関係を、図10を用いて説明する。
図9で説明したように、衛星通信装置(1)210の変換器1(2153)は、f1のCh1信号を周波数変換して周波数帯F2のCh1信号111を出力し、変換器2(2163)は、f2のCh2信号を周波数変換して周波数帯F3のCh2信号112を出力する。一方、衛星通信装置(2)の変換器1(2253)は、周波数帯f1のCh1信号を入力し、この信号を周波数帯F1に変換してCh1信号211を出力し、変換器2(2263)は、周波数帯f2のCh2信号を入力し、この信号を周波数帯F2に変換してCh2信号112を出力する。
このように、衛星通信装置(1)210の変換器1(2153)の出力信号の周波数帯F2と衛星通信装置(2)220の変換器2(2263)の出力信号の周波数帯F2とが一致する関係になっている。また、他の変換器でも同様にして、衛星通信装置(1)210の変換器n−1と衛星通信装置(2)220の変換器nとの間で出力信号の周波数が一致する関係となっている。
この結果、衛星(1)からの出力信号は周波数帯F2〜Fn+1であり、衛星(2)からの出力信号は周波数帯F1〜Fnとなる。
【0072】
次に、本実施の形態に係る地球局30の内部構成例を図8を参照して説明する。
図8において、317は、アンテナ(1)301に接続し、アンテナ(1)301からの信号を分配する分配器(1)である。318は、アンテナ(2)302に接続し、アンテナ(2)302からの信号を分配する分配器(2)である。
340は、分配器(1)317及び分配器(2)318に接続したスイッチ0である。スイッチ0(340)には、SW01〜SW0n+1のスイッチが配置されている。
321a〜321n+1は、BPF(バンドパスフィルター)であり、それぞれ、SW01〜SW0n+1のうちの対応するスイッチに接続されている。BPF321a〜321n+1は、衛星(1)からの周波数帯F2〜Fn+1の信号及び衛星(2)からの周波数帯F1〜Fnの信号の中から特定の周波数帯の信号を取り出す。例えば、BPF321aは、周波数帯F1の信号を取り出す。
322a〜322n+1は、BPF321a〜321n+1にて取り出された信号の復調処理を行う復調器である。
323a〜323n+1は、遅延器であり、地上端末→衛星(1)→スイッチ1(324)までの遅延時間と、地上端末→衛星(2)→スイッチ1(324)までの遅延時間が同じになるように調整する。
324は、切替えにより衛星(1)の信号及び衛星(2)の信号のいずれかを情報データ(通信装置40〜60への出力信号)として出力するスイッチ1である。スイッチ1(324)には、SW11〜SW1nが配置されている。
325は、スイッチ0(340)に配置されたSW01〜SW0n+1の制御を行うSW0制御部である。
326は、スイッチ1(324)に配置されたSW11〜SW1nの制御を行うSW1制御部である。
他の要素については、図4に示したものと同様なので説明を省略する。
【0073】
次に、動作について説明する。
衛星(1)及び衛星(2)が会合点付近に到達する前は、衛星通信装置(1)210のSW1(2151)〜SWn(2171)はすべてONであり、衛星通信装置(2)220のSW1(2251)〜SWn(2271)はすべてOFFである。このため、衛星(2)からは信号が送信されず、衛星(1)21からF2〜Fn+1の周波数帯の信号(チャネル1〜n)が送信されている。そして、地球局30のスイッチ0(340)では、SW02〜SW0n+1が分配器(1)317側(衛星(1)側)になっており、衛星(1)からの信号を受信している(図8に示す状態)。
衛星(1)及び衛星(2)が会合点付近に到達した際は、地球局30からの制御信号に基づき、衛星通信装置(1)及び衛星通信装置(2)はともにSW制御部を用いてSWの切替えを行う。ここで、制御信号(パルス信号の場合)に基づくSWの切替例及び地球局30での信号受信の状況を図11及び図12に沿って説明する。
【0074】
まず、地球局30の切替制御部310から衛星(2)22の内部回路(1)のSW1(2251)に対するON信号が発せられ、衛星(2)22の制御信号受信部222はこの制御信号を受信し、SW制御部223が内部回路(1)のSW1(2251)をONに切替える(S111、S121)。これにより、内部回路(1)のBPF1(2252)が周波数帯f1〜fnのnチャネルの信号の中からf1のCh1信号を取り出し、変換器1(2253)がこの信号を周波数帯F1のCh1信号に変換し、出力アンテナ260から出力する。
【0075】
地球局30では、衛星(2)22の内部回路(1)のSW1に対するON信号の送信に対応させて、SW0制御部326がスイッチ0(340)のSW01を分配器(2)318側(衛星(2)側)にし、衛星(2)からのCh1信号を周波数帯F1で受信する。一方で、SW02は、ハンドオーバー開始前から分配器(1)317側(衛星(1)側)になっており、衛星(1)からのCh1信号を周波数帯F2で受信している。このため、図12のP1の期間の間、地球局30では、衛星(2)から送信された周波数帯F1のCh1信号(SW01経由)と衛星(1)から送信された周波数帯F2のCh1信号(SW02経由)の両者を受信する。
また、このP1期間内の所定タイミングで、地球局30のスイッチ1(324)のSW11は、遅延器323bからの入力(衛星(1)からの信号)から遅延器323aからの入力(衛星(2)からの信号)に切替え、衛星(2)からの信号を情報データ(通信装置40〜60への出力信号)とする。このSW11の切替えは、切替制御部310からの制御に基づき、SW0制御部326が行う。
【0076】
次に、地球局30の切替制御部310から、衛星(1)の内部回路(1)のSW1(2151)に対するOFF信号が発せられ、衛星(1)では制御信号受信部212が受信し、SW制御部213が内部回路(1)のSW1(2151)をOFFに切替える(S112、S122)。これにより、衛星(1)のBPF1(2152)への入力が遮断され、Ch1信号について衛星(1)からの信号送信は停止し、また、地球局30もCh1信号について衛星(1)からの信号受信を停止する。この結果、Ch1についてのハンドオーバーが完了し、衛星(1)がCh1信号の送信に用いていた周波数帯F2が開放され、この周波数帯F2は空き周波数帯となる。
【0077】
次に、所定のガードタイムの経過後、地球局30の切替制御部310から、衛星(2)の内部回路(2)のSW2(2261)に対するON信号が発せられ、衛星(2)では制御信号受信部222が受信し、SW制御部223が内部回路(2)のSW2をON状態に切替える(S113、S123)。これにより、内部回路(2)のBPF2(2262)が周波数帯f1〜fnのnチャネルの信号の中からf2のCh2信号を取り出し、変換器2(2263)がこの信号を周波数帯F2のCh2信号に変換し、出力アンテナ260から出力する。上述したように、衛星(1)からの信号送信が停止しため、周波数帯F2は空き周波数帯となっている。衛星(2)はこの空き周波数帯であるF2を用いてCh2信号を送信することができる。
【0078】
地球局30では、衛星(2)22の内部回路(2)のSW2に対するON信号の送信に対応させて、SW0制御部326がスイッチ0(340)のSW02を分配器(2)318側(衛星(2)側)にし、衛星(2)からのCh2信号を周波数帯F2で受信する。一方で、SW03は、ハンドオーバー開始前から分配器(1)317側(衛星(1)側)になっており、衛星(1)からのCh2信号を周波数帯F3で受信している。このため、図12のP2の期間の間、地球局30では、衛星(2)から送信された周波数帯F2のCh2信号(SW02経由)と衛星(1)から送信された周波数帯F3のCh2信号(SW03経由)の両者を受信する。
また、このP2期間内の所定タイミングで、地球局30のスイッチ1(324)のSW12は、遅延器323cからの入力(衛星(1)からの信号)から遅延器323bからの入力(衛星(2)からの信号)に切替え、衛星(2)からの信号を情報データ(通信装置40〜60への出力信号)とする。このSW12の切替えは、切替制御部310からの制御に基づき、SW0制御部326が行う。
この後、地球局30の切替制御部310から、衛星(1)の内部回路(2)のSW2(2161)に対するOFF信号が発せられ、衛星(1)では内部回路(2)のSW2(2161)をOFFに切替え(S113)、衛星(1)からのCh2信号(周波数帯F3)の送信を停止し、周波数帯F3を開放して空き周波数帯とする。
以降、空き周波数帯を利用して同様の処理を繰り返し、Chn信号(図12では、Ch6信号)まで切替えを行い、複数チャネルについてハンドオーバーが完了する。
【0079】
このように、本実施の形態に係る衛星通信システムによれば、1チャネルづつのハンドオーバーを実施して空き周波数帯を順に隣の周波数帯にシフトさせてハンドオーバーを行うため、有限である周波数資源を効率よく使用することができる。なお、順に隣にシフトするのではなく空き周波数帯をランダムに移してもよい。
【0080】
なお、図7の衛星(1)及び衛星(2)の内部構成例と異なる構成であってもよい。例えば、入力アンテナとSWとの間に、変換器を入れても良い。また、出力アンテナと変換器との間に、増幅器を入れても良い。また、入力アンテナと出力アンテナは、共用であっても良い。入力アンテナおよび出力アンテナは、複数あっても良い。更に、各内部回路からの出力は、合成せず出力アンテナから発射しても良い。また、BPFの出力を合成し、1ないし複数の変換器で受けても良い。
【0081】
また、以上の説明は、ON/OFF制御の信号がパルスである場合を例にしたが、ON/OFF制御を実施するのに、別のBilevel等の信号を用いても良い。また、地球局からは、衛星の軌道情報のみを送信し、衛星内のOBP(オン・ボード・プロセッサ)で、スイッチのON/OFF制御を実施することも出来る。
【0082】
また、以上の説明では、一定時間の間、衛星(1)からの信号受信と衛星(2)から信号受信を並行して行うこととしたが、衛星(2)からの信号受信の開始と同時に衛星(1)からの信号受信を停止してハンドオーバーするようにしてもよい。
【0083】
実施の形態3.
実施の形態2では、衛星のBPF(バンドパスフィルター)は、nチャネルの信号から1チャネル分の信号を取り出すこととしていたが、本実施の形態では、1つのBPFが複数チャネル分の信号を取り出す場合について説明する。
【0084】
図13は、本実施の形態に係る衛星通信システムの動作を説明する図である。
図13では、衛星(1)21の内部回路(1)のBPF1(2152)及び内部回路(2)のBPF2(2162)が複数チャネルの信号を取り出す動作を説明している。
BPF1(2152)では、f1〜fnのnチャネルの信号のうちf1とf2の2チャネル分をの信号を1グループとして取り出し、BPF2(2162)は、f3とf4の2チャネル分の信号をを1グループとして取り出す。
衛星(1)内のBPFは、それぞれ個別の周波数帯の信号を取り出し、周波数帯は重ならない。衛星(2)についても衛星(2)内のBPFは、それぞれ個別の周波数帯の信号を取り出し、周波数帯は重ならない。また、衛星(1)と衛星(2)の相互に対応するBPF同士は、同じ特性を有し、同一の帯域制御を実現する。例えば、衛星(1)のBPF1と衛星(2)のBPF1はともに、f1、f2の2チャネル分の信号を1グループとして取り出す。
入力信号107、108がnチャネル分の情報をもった信号であるとした時、衛星(1)21、衛星(2)22に搭載する内部回路の個数は、m個で良い。但し、n>mであり、nはmで割り切れる数であることが望ましい。
【0085】
本実施の形態における地球局が受ける信号の周波数と時間の関係は、図14に示すようになり、実施の形態2に比べてハンドオーバーの時間を短くする事が出来また、衛星に搭載する回路を減らす事が出来る。
【0086】
実施の形態4.
本実施の形態では、図7に示した衛星通信装置(1)の変換器、衛星通信装置(2)の変換器のそれぞれに2種類の周波数に対応可能な局部発振器を設け、2種類の周波数の適宜切替え制御を実施する場合について述べる。
【0087】
本実施の形態では、局部発振器の周波数を変化させることで、変換器からの出力信号の周波数を変えることが出来る。
図15は、本実施の形態に係る変換器の動作を示しており、衛星(1)の変換器1(2153)と変換器2(2163)の動作を示している。
変換器1(2153)では、局部発振器の2つの周波数がF1とF2になっており、BPF1で取り出された周波数f1のCh1信号を周波数F1の信号又はF2の信号のいずれかに変換できる。また、変換器2(2163)では、局部発振器の2つの周波数がF2とF3になっており、BPF2で取り出された周波数f2のCh2信号を周波数F2の信号又はF3の信号のいずれかに変換できる。
衛星(1)内の変換器は、それぞれ個別の2つの周波数に対応しており、周波数帯は重ならない。衛星(2)についても衛星(2)内の変換器は、それぞれ個別の2つの周波数に対応しており、周波数帯は重ならない。また、衛星(1)と衛星(2)の相互に対応する変換器同士は、同じ特性を有し、発振可能な2つの周波数は共通している。例えば、衛星(1)の変換器1と衛星(2)の変換器2とはともに、周波数F1とF2とに対応可能である。
【0088】
ハンドオーバー前の地球局30で受信している信号(衛星(1)21からの信号)の周波数帯域が、図16に示すように、F2〜Fn+1であった場合は、実施の形態2で示したように、衛星(2)22の出力周波数はF1〜Fnでなければならない。このため、衛星(2)22の出力周波数がF1〜Fnとなるように、衛星(2)内の変換器(2253、2263、2273)の局部発振器の周波数を設定する。この時のハンドオーバーは、実施の形態2で示した方法と同様の方法で行う。
また、ハンドオーバー前の地球局30で受けている信号(衛星(1)21からの信号)の周波数帯域が、図17に示すように、F1〜Fnであった場合は、衛星(2)22の出力周波数は、F2〜Fn+1となるように衛星(2)内の変換器(2253、2263、2273)の局部発振器の周波数を設定する。この場合には、実施の形態2とは逆に、内部回路(n)から内部回路(1)の順でスイッチのON/OFF切替えを実施する。この場合地球局が受ける信号の周波数と時間の関係は、図18のようになる。
【0089】
変換器の局部発振器の周波数切替えは、地球局から信号を送ることによって制御する。また、地球局からは、衛星の軌道情報のみを送信し、衛星内のOBP(オン・ボード・プロセッサ)で、制御を実施しても良い。
【0090】
本実施の形態によれば、軌道上に複数の衛星があり、何回もハンドオーバーを実施する際、地球局が受信する信号は、図12または図18に示す状態となり、複数回のハンドオーバーが必要な際にも、空き周波数帯を利用して周波数資源を効率的に使用できる。
【0091】
実施の形態5.
以上の実施の形態1〜4では、地上端末から送信された信号を衛星から地球局に向けて送信する場合のハンドオーバーについて説明したが、本実施の形態では、地球局から衛星に向けて信号を送信する場合について説明する。
【0092】
本実施の形態では、実施の形態1で示した構成と同様な構成により地球局から衛星に向けて信号を送信する場合のハンドオーバーについて説明する。
図19は、本実施の形態に係る地球局の内部構成例を示す。
図19において、301〜304、307、308、310〜314は図4で示したものと同じであり、説明を省略する。
333は、通信装置40〜60から送信された情報データをSW11(319)及びSW12(320)に分配するHYB(ハイブリッド)である。
319はSW(スイッチ)11であり、320はSW(スイッチ)12である。SW11(319)は、HYB333と遅延器307との間でON/OFF切替えを行い、SW12(320)は、HYB333と遅延器308との間でON/OFF切替えを行う。
327、328は変調処理を行う変調器であり、変調器327は衛星(1)への信号の変調を行い、変調器328は衛星(2)への信号の変調を行う。
図19では、アンテナ(1)301は、衛星(1)を指向し、衛星(1)に対して信号201を送信する。衛星(1)への信号201は、nチャネル分の信号を含んでおり、F1’〜Fn’の周波数帯で送信される。また、アンテナ(2)302は、衛星(2)を指向し、衛星(2)に対して信号202を送信する。衛星(2)への信号202は、nチャネル分の信号を含んでおり、F1’’〜Fn’’の周波数帯で送信される。また、衛星(1)への信号201及び衛星(2)への信号202は同じ信号内容である。
【0093】
図20は、本実施の形態に係る衛星の内部構成例を示す。
衛星(1)21について、251は地球局からの信号201を受信する入力アンテナであり、231は地上端末1〜nに対して信号101、103、105を送信する出力アンテナである。
また、218は入力アンテナ251で受信された信号201(周波数帯F1’〜Fn’)について周波数変換を行ってf1〜fnの周波数帯の信号を出力アンテナ231に出力する内部回路である。内部回路218には、SW(スイッチ)2181と変換器2182が含まれる。変換器2182は、周波数帯F1’〜Fn’の信号を入力し、周波数変換を行って周波数帯f1〜fnの信号を出力する。
また、衛星(2)も衛星(1)と同様の構成をしているが、変換器2282は、周波数帯F1’’〜Fn’’の信号を入力し、周波数変換を行って周波数帯f1〜fnの信号を出力する。
衛星(1)及び衛星(2)は、nチャネル分の信号を全ての地上端末1〜nに対して送信する。具体的には、チャネル1のCh1信号を周波数帯f1で全ての地上端末1〜nに向けて送信し、次に、チャネル2のCh2信号を周波数帯f2で全ての地上端末1〜nに向けて送信する。地上端末1〜nでは、それぞれ固有の受信周波数により対応する信号を受信する。なお、ハンドオーバー処理の間は、衛星(1)及び衛星(2)から同一周波数帯にて同じ信号が重複して送信されるが、各地上端末は適応等化により適切な信号受信ができる。
【0094】
次に、本実施の形態に係る衛星通信システムの動作を説明する。
衛星(1)21と衛星(2)22が会合点付近にない場合、すなわち、衛星(1)21のみが通信サービスを行っている場合は、地球局30では、SW11(319)及びSW01(303)をONとし、アンテナ(1)301から周波数帯F1’〜Fn’のnチャネルの信号201を衛星(1)に対して送信している。このとき、地球局30のSW12(320)及びSW02(304)はOFFとなっている。そして、衛星(1)では、内部回路218のSW2181がONとなっており、変換器2182で周波数変換され、周波数帯f1〜fnの信号101、105、103として、出力アンテナ231から地上端末1〜nに送信される。
【0095】
次に、衛星(1)21と衛星(2)22が会合点付近に到達した場合には、地球局30の切替制御部310が衛星(1)21と衛星(2)22とが会合点付近にあることを検知する。衛星(1)と衛星(2)とが会合点付近にあることを検知した後は、切替制御部310は、衛星(1)21のSWのOFFタイミング、衛星(2)22のSW2のONタイミング、SW01の切替えタイミング、SW02の切替えタイミング、SW11、SW12の切替えタイミング等をハンドオーバー処理の進展とともに逐次割り出す。
切替制御部310からの指示に基づき、SW11/SW12制御部329がSW12(320)をONにし、SW01/SW02制御部314がSW02をONにする。これにより、アンテナ(2)302より周波数帯F1’’〜Fn’’のnチャネルの信号202が衛星(2)に対して送信される。
これと並行して、切替制御部310からの指示に基づき、制御信号生成部311が衛星(2)のSW2281に対するON信号を生成し、制御信号送信部312がON信号を制御信号用アンテナ313から送信する。
衛星(2)では、地球局30からのON信号に基づき、SW2281をONにして、変換器2282が周波数帯F1’’〜Fn’’の信号202に対して周波数変換を行って周波数帯f1〜fnの信号102、104、106を地上端末1〜nに対して送信する。
そして、地球局30では、所定期間の間、衛星(1)及び衛星(2)に対して重複して信号送信を行った後、SW11/SW12制御部329がSW11(319)をOFFにし、SW01/SW02制御部314がSW01(303)をOFFにし、衛星(1)に対する信号送信を停止する。
また、並行して制御信号生成部311が衛星(1)のSW2181に対するOFF信号を生成し、制御信号送信部312がOFF信号を制御信号用アンテナ313から送信する。
衛星(1)では、地球局30からのOFF信号に基づき、SW2181をOFFにして、地上端末1〜nへの信号送信を停止する。
以上の手順により、複数チャネルの信号についてハンドオーバーが完了する。地球局30が衛星(1)及び衛星(2)に送信する信号の周波数帯及び時間の関係は図21に示すようになる。
【0096】
地上端末10a〜10nでは、衛星(1)及び衛星(2)がほぼ同一位置にあるので(会合点にいるので)、アンテナを動かさなくても、衛星(1)から衛星(2)に切り替わったデータを受信しつづけることができる。ハンドオーバー後は、地上端末10a〜10nのアンテナは、衛星(2)を追尾する。地上端末10a〜10nは、一定期間の間、衛星(1)及び衛星(2)から同一信号を同一周波数帯で並行して重複受信するが、低ビットレート信号の受信であるため両信号のタイミングのずれは少なく、同一周波数帯を並行に重複受信しても何ら問題はない。
【0097】
このように、本実施の形態に係る衛星通信システムでは、衛星(1)と衛星(2)が会合点付近に達したときに、衛星(1)と衛星(2)の両方に対して同一の信号を一定時間だけ重複並行して送信し、衛星(1)と衛星(2)との間で複数チャネルの信号をまとめてハンドオーバーを行う。
【0098】
また、本実施の形態に係る衛星通信システムでは、衛星(1)への信号送信と衛星(2)への信号送信とを異なる周波数帯で行っているので、電波の干渉等によるエラーを回避することができる。
【0099】
なお、以上の説明では、一定時間の間、衛星(1)への信号送信と衛星(2)への信号送信を並行して行うこととしたが、衛星(2)への信号送信の開始と同時に衛星(1)への信号送信を停止してハンドオーバーするようにしてもよい。
【0100】
なお、実施の形態1に示した構成と実施の形態5に示した構成とを組み合わせて、地球局と双方向で送受信できる衛星としてもよい。また、実施の形態1に示した構成と実施の形態5に示した構成とを組み合わせて、衛星と双方向で送受信できる地球局としてもよい。
【0101】
実施の形態6.
本実施の形態では、地球局から衛星へ信号を送信する場合であって、実施の形態2と同様に空き周波数帯を用いてハンドオーバーを行う場合について説明する。
【0102】
図22は、本実施の形態に係る地球局30の内部構成例を示す。
図22の構成は、図8における復調器322a〜322n+1が変調器330a〜330n+1に置き換わり、分配器(1)317及び分配器(2)318が合成器(1)331及び合成器(2)332に置き換わり、信号の向きが逆になった点を除けば図8の構成とほぼ同じである。
【0103】
図23は、本実施の形態に係る衛星(1)21及び衛星(22)の内部構成例を示す。
信号の向きが逆になっために、衛星(1)、衛星(2)ともに、入力アンテナと出力アンテナの位置が図7の構成と逆になり、また、内部回路内のSWと変換器の位置が図7の構成と逆になっている。これらの点以外は、図7の構成とほぼ同じである。
【0104】
次に、本実施の形態に係る衛星通信システムの動作について説明する。
衛星(1)及び衛星(2)が会合点付近に到達する前は、地球局30のスイッチ0(340)及びスイッチ1(324)は、図22に示す状態になっており、アンテナ(1)301から衛星(1)に対してF2〜Fn+1の周波数帯の信号を送信し、衛星(2)に対しては信号送信を行っていない。また、衛星通信装置(1)210のSW1(2333)〜SWn(2353)はすべてONであり、衛星通信装置(2)220のSW1(2433)〜SWn(2453)はすべてOFFである。このため、衛星(1)では、F2〜Fn+1の信号を受信して周波数変換を行い、地上端末1〜nに対してf1〜fnの信号を送信している。
【0105】
次に、衛星(1)21と衛星(2)22が会合点付近に到達した場合には、地球局30の切替制御部310が衛星(1)21と衛星(2)22とが会合点付近にあることを検知する。衛星(1)と衛星(2)とが会合点付近にあることを検知した後は、切替制御部310は、衛星(1)21のSW1〜SWnのOFFタイミング、衛星(2)22のSW1〜SWnのONタイミング、スイッチ0の切替えタイミング、スイッチ1の切替えタイミング等をハンドオーバー処理の進展とともに逐次割り出して、地球局30内、衛星(1)内及び衛星(2)内のスイッチの切替え制御を行う。
【0106】
以下、図24を用いてスイッチの切替例及び地球局30からの送信信号の内容について説明する。
まず、地球局30では、SW1制御部326がスイッチ1(324)のSW11をONにし、SW0制御部325がスイッチ0(340)のSW01を分配器(2)318側(衛星(2)側)にする(S241)。これによりCh1の信号が周波数帯F1でアンテナ(2)302から衛星(2)に向けて送信される。
また、並行して、切替制御部310から衛星(2)22の内部回路(1)のSW1(2433)に対するON信号が発せられ、衛星(2)22の制御信号受信部222はこの制御信号を受信し、SW制御部223が内部回路(1)のSW1(2433)をON状態に切替える。これにより、衛星(2)22では、周波数帯F1のCh1信号を受信し、内部回路(1)243内の変換器2431で周波数変換を行い周波数帯f1のCh1信号を出力アンテナから送信する。
P1の期間の間、地球局は、衛星(1)に対して周波数帯F2のCh1信号(SW02経由)を送信し、衛星(2)に対して周波数帯F1のCh1信号(SW01経由)を送信している。
その後、地球局30では、スイッチ0のSW01を中間状態(合成器(1)側でも合成器(2)側でもない状態)にして、衛星(1)に対するCh1信号の送信を停止する(S241)。また、これと並行して、地球局30は衛星(1)のSW1に対するOFF信号を送信し、衛星(1)ではSW1をOFFにしてCh1信号の受信を停止する。地球局30では、衛星(1)への信号送信が停止したため、周波数帯F2は空き周波数帯として開放され、衛星(2)への信号送信にこの空き周波数帯であるF2を用いることができる。
そして、所定のガードタイムの経過後、地球局30では、スイッチ0のSW02を合成器(2)332側(衛星(2)側)にし、スイッチ1のSW12を情報データ2(Ch2)のHYB333b側にする(S241)。これにより、Ch2信号が空き周波数帯である周波数帯F2で衛星(2)に送信される(SW02経由)。こうして、P2の期間の間、地球局は、衛星(1)に対して周波数帯F3のCh2信号(SW03経由)を送信するとともに、衛星(2)に対して周波数帯F2のCh2信号(SW02経由)を送信し、その後、衛星(1)へのCh2信号の送信を停止し、衛星(1)へのCh2信号の送信に使用していた周波数帯F3を空き周波数帯として開放する。
以降、空き周波数帯を利用して同様の処理を繰り返し、Chn信号(図24では、Ch6信号)まで切替えを行い、複数チャネルについてハンドオーバーが完了する。
【0107】
このように、本実施の形態に係る衛星通信システムによれば、地球局から衛星に対する信号送信においても、1チャネルづつのハンドオーバーを実施して空き周波数帯を順に隣の周波数帯にシフトさせてハンドオーバーを行うため、有限である周波数資源を効率よく使用することができる。なお、順に隣にシフトするのではなく空き周波数帯をランダムに移してもよい。
【0108】
なお、本実施の形態に示す衛星通信システムに実施の形態3に示した処理及び実施の形態4に示した処理を適用してもよい。
【0109】
また、実施の形態2に示した構成と実施の形態6に示した構成とを組み合わせて、地球局と双方向で送受信できる衛星としてもよい。また、実施の形態2に示した構成と実施の形態6に示した構成とを組み合わせて、衛星と双方向で送受信できる地球局としてもよい。
【0110】
【発明の効果】
本発明によれば、第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満となった際に、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることができる。
【0111】
また、本発明によれば、第一の人工衛星から信号を受信する周波数帯と第二の人工衛星から対応信号を受信する周波数帯とが異なるため、電波の干渉等によるエラーを回避することができる。
【0112】
また、本発明によれば、複数チャネルの信号について空き周波数帯を利用してチャネルごとに順に信号を受信する人工衛星を切替えるので、周波数資源を効率よく使用することができる。
【0113】
また、本発明によれば、複数チャネルを二以上のチャネルごとにグループ化しグループごとに順に信号を受信する人工衛星を切替えるので、切替えに要する時間を短縮化することができる。
【0114】
本発明によれば、第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満となった際に、信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることができる。
【0115】
また、本発明によれば、第一の人工衛星へ信号を送信する周波数帯と第二の人工衛星へ対応信号を送信する周波数帯とが異なるため、電波の干渉等によるエラーを回避することができる。
【0116】
また、本発明によれば、複数チャネルの信号について空き周波数帯を利用してチャネルごとに順に信号の送信先の人工衛星を切替えるので、周波数資源を効率よく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 衛星通信システムの全体構成例を示す図。
【図2】 実施の形態1に係る地球局での受信信号状況を示す図。
【図3】 実施の形態1係る衛星の内部構成例を示す図。
【図4】 実施の形態1に係る地球局の内部構成例を示す図。
【図5】 実施の形態1に係る衛星の入力アンテナの動作を示す図。
【図6】 実施の形態1に係る衛星の変換器の動作を示す図。
【図7】 実施の形態2に係る衛星の内部構成例を示す図。
【図8】 実施の形態2に係る地球局の内部構成例を示す図。
【図9】 実施の形態2に係る衛星のBPF及び変換器の動作を示す図。
【図10】 実施の形態2に係る衛星(1)の変換器と衛星(2)の変換器との関係を示す図。
【図11】 制御信号のタイミング例を示す図。
【図12】 実施の形態2に係る地球局での受信信号状況を示す図。
【図13】 実施の形態3に係る衛星のBPF及び変換器の動作を示す図。
【図14】 実施の形態3に係る地球局での受信信号状況を示す図。
【図15】 実施の形態4に係る衛星の変換器の動作をの例を示す図。
【図16】 ハンドオーバー前に地球局が受信している信号の例を示す図。
【図17】 ハンドオーバー前に地球局が受信している信号の例を示す図。
【図18】 ハンドオーバー時の地球局の受信信号状況を示す図。
【図19】 実施の形態5に係る地球局の内部構成例を示す図。
【図20】 実施の形態5に係る衛星の内部構成例を示す図。
【図21】 実施の形態5に係る地球局からの送信信号状況を示す図。
【図22】 実施の形態6に係る地球局の内部構成例を示す図。
【図23】 実施の形態6に係る衛星の内部構成例を示す図。
【図24】 実施の形態6に係る地球局からの送信信号状況を示す図。
【図25】 準天頂衛星を説明する図。
【図26】 準天頂衛星を説明する図。
【符号の説明】
10 地上端末、21 非静止人工衛星、22 非静止人工衛星、30 地球局装置、40 通信装置、50 通信装置、60 通信装置。

Claims (5)

  1. 第一の人工衛星及び第二の人工衛星のそれぞれから信号を受信可能な地球局装置であって、
    第一の人工衛星から信号を受信するとともに、所定の場合に、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替え
    第一の人工衛星及び第二の人工衛星のそれぞれから複数チャネルの信号を受信可能であり、
    第一の人工衛星から複数チャネルの信号を受信するとともに、所定の場合に、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星にチャネルごとに順に切替え、
    所定の衛星軌道上を運行する第一の人工衛星から、複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で受信可能であり、
    第一の人工衛星の衛星軌道と異なる衛星軌道上を運行し第一の人工衛星と会合する第二の人工衛星から、第一の人工衛星が送信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号を受信可能であり、
    第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離以上のときは、
    第一の人工衛星から複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で受信し、
    第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
    特定のチャネルについて、第二の人工衛星から所定の周波数帯で対応信号の受信を開始するとともに第一の人工衛星からの信号受信を停止して当該チャネルの信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替え、第一の人工衛星からの信号受信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放し、
    他のチャネルについて、チャネルごとに順に、空き周波数帯で第二の人工衛星から対応信号の受信を開始するとともに第一の人工衛星からの信号受信を停止して第一の人工衛星からの信号受信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする地球局装置。
  2. 第一の人工衛星及び第二の人工衛星のそれぞれに対して信号を送信可能な地球局装置であって、
    第一の人工衛星に対して信号を送信するとともに、所定の場合に、信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替え、
    第一の人工衛星及び第二の人工衛星のそれぞれに対して複数チャネルの信号を送信可能であり、
    第一の人工衛星に対して複数チャネルの信号を送信するとともに、所定の場合に、信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星にチャネルごとに順に切替え、
    所定の衛星軌道上を運行する第一の人工衛星に対して複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で送信可能であり、
    第一の人工衛星に対して送信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号を、第一の人工衛星の衛星軌道と異なる衛星軌道上を運行し第一の人工衛星と会合する第二の人工衛星に対して送信可能であり、
    第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離以上のときは、
    第一の人工衛星に対して複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で送信し、
    第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
    特定のチャネルについて、所定の周波数帯で第二の人工衛星に対する対応信号の送信を開始するとともに第一の人工衛星に対する信号送信を停止して当該チャネルの信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替え、第一の人工衛星に対する信号送信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放し、
    他のチャネルについて、チャネルごとに順に、空き周波数帯で第二の人工衛星に対する 対応信号の送信を開始するとともに第一の人工衛星に対する信号送信を停止して第一の人工衛星に対する信号送信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、信号の送信先の人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替えることを特徴とする地球局装置。
  3. 所定の衛星軌道上を運行し他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、地球局装置に対して信号を送信可能な衛星通信装置であって、
    自己を搭載する搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
    地球局装置に対する信号送信を開始し、
    地球局装置に対して複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で送信し所定の場合にチャネルごとに順に信号送信を停止するとともに信号送信に用いていた周波数帯を空き周波数帯として開放する他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、
    他の人工衛星が送信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号を地球局装置に対して送信可能であり、
    搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
    特定のチャネルについて、所定の周波数帯で地球局装置に対する対応信号の送信を開始するとともに、他の人工衛星が当該チャネルの信号送信を停止したことにより開放された空き周波数帯を検出し、
    他のチャネルについて、チャネルごとに順に、検出した空き周波数帯で地球局装置に対して対応信号の送信を開始するとともに他の人工衛星が信号送信を停止したことにより開放された空き周波数帯を検出する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、対応信号の送信を開始することを特徴とする衛星通信装置。
  4. 所定の衛星軌道上を運行し他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、地球局装置から信号を受信可能な衛星通信装置であって、
    自己を搭載する搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
    地球局装置からの信号受信を開始し、
    地球局装置から複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で受信し所定の場合にチャネルごとに順に信号受信を停止するとともに信号受信に用いていた周波数帯を空き周波数帯として開放する他の人工衛星と会合する人工衛星に搭載され、
    他の人工衛星が受信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号を地球局装置から受信可能であり、
    搭載人工衛星と他の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
    特定のチャネルについて、所定の周波数帯で地球局装置から対応信号の受信を開始するとともに、他の人工衛星が当該チャネルの信号受信を停止したことにより開放された空き周波数帯を検出し、
    他のチャネルについて、チャネルごとに順に、検出した空き周波数帯で地球局装置から対応信号の受信を開始するとともに他の人工衛星が信号受信を停止したことにより開放された空き周波数帯を検出する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、対応信号の受信を開始することを特徴とする衛星通信装置。
  5. 第一の人工衛星及び第二の人工衛星のそれぞれから信号を受信可能な地球局装置に接続され、地球局装置を介して第一の人工衛星及び第二の人工衛星のいずれかより送信された信号を受信する通信装置であって、
    第一の人工衛星から信号を受信するとともに、所定の場合に、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替える地球局装置を介して、
    第一の人工衛星及び第二の人工衛星のいずれかより送信された信号を受信し、
    前記通信装置は、地球局装置であって、
    所定の衛星軌道上を運行する第一の人工衛星から、複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で受信可能であり、第一の人工衛星の衛星軌道と異なる衛星軌道上を運行し第一の人工衛星と会合する第二の人工衛星から、第一の人工衛星が送信する複数チャネルの信号に対応する複数チャネルの対応信号を受信可能であり、
    第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離以上のときは、
    第一の人工衛星から複数チャネルの信号をチャネルごとに個別の周波数帯で受信し、
    第一の人工衛星と第二の人工衛星との距離が所定の距離未満のときに、
    特定のチャネルについて、第二の人工衛星から所定の周波数帯で対応信号の受信を開始するとともに第一の人工衛星からの信号受信を停止して当該チャネルの信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替え、第一の人工衛星からの信号受信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放し、
    他のチャネルについて、チャネルごとに順に、空き周波数帯で第二の人工衛星から対応信号の受信を開始するとともに第一の人工衛星からの信号受信を停止して第一の人工衛星からの信号受信に用いられた周波数帯を空き周波数帯として開放する処理を繰り返して、複数のチャネルについて、信号を受信する人工衛星を第一の人工衛星から第二の人工衛星に切替える地球局装置を介して、
    第一の人工衛星及び第二の人工衛星のいずれかより送信された信号を受信することを特徴とする通信装置。
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