JP3825854B2 - オゾンガスの濃縮方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、オゾンガスの濃縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オゾンガスは自己分解性が強いことから、オゾンガスとして貯蔵することができないとされていた。そこで従来では、オゾン使用個所の近傍でオゾン発生器でオゾンガスを発生させ、すぐに使用するようにしている。ところがこの場合、オゾン発生器で発生するオゾンガスの濃度は5〜7 vol%程度であり、オゾン濃度が薄かった。そこで、オゾンガスをシリカゲルに吸着させてオゾンガスを濃縮化するようにする技術が提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のオゾン濃縮方法では、オゾン発生器で発生した5〜7 vol%程度のオゾンガスを、シリカゲルを充填し、かつドライアイス温度(−78℃)に冷却している貯蔵容器内に供給し、シリカゲルにオゾンを選択的に飽和吸着させることにより、オゾンを濃縮するようにしているのであるが、この場合でも、シリカゲルは酸素も吸着してしまうことから、オゾンは70 vol%程度までしか濃縮することができなかった。
本発明はこのような点に着目してなされたもので、より高濃度に濃縮することのできるオゾンガスの濃縮方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明は貯蔵容器内のシリカゲルにオゾンを選択して飽和吸着させた後、貯蔵容器内を供給オゾンの分圧以下にはならない圧力まで減圧するようにしたことを特徴としている。
【0005】
【作用】
本発明では、貯蔵容器内のシリカゲルにオゾンガスを選択して飽和吸着させた後、貯蔵容器内を減圧させている。低温度域ではシリカゲルは酸素よりもオゾンガスを多く吸着することから、シリカゲル内ではオゾンガスリッチの分圧比で酸素とオゾンガスとが存在し、気相部では供給ガスの濃度に比例する分圧比で酸素とオゾンガスとが存在することになる。そして、貯蔵容器内を減圧排気すると、気相部での分圧を保持しようとして酸素がシリカゲルから選択的に脱離する。このため、シリカゲルに残された吸着ガスのオゾン濃度が高まり、吸着ガスのオゾン濃度は最終的には100%近くに達することになる。理論的には、この減圧操作は吸着操作時の供給オゾン分圧以下で行なえばよいが、ここで、気相部での圧力が供給オゾン分圧よりも低圧となる状態まで減圧するとシリカゲルからのオゾンガスの脱離量が増大することになるからオゾン貯蔵量のロスとなるので、供給オゾン分圧の近傍圧力にすることが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様を説明する。
図1はオゾン充填装置の概略図を示し、図中符号(1)は内部に吸着剤としてのシリカゲル(2)を充填した貯蔵容器であり、この貯蔵容器(1)は断熱箱で形成した外箱(3)内に収納され、貯蔵容器(1)は外箱(3)内に貯蔵した雪状ドライアイス(4)で−78℃に冷却されている。
【0007】
この貯蔵容器(1)には、オゾン供給路(5)、オゾン導出路(6)及びリリーフ路(7)がそれぞれ接続してあり、オゾン供給路(5)にはオゾン発生器(9)、流量制御器(10)が順に配置してあり、酸素ボンベ等の原料酸素供給源(11)から導出した酸素ガスをオゾン発生器(9)でオゾン化してオゾン−酸素の混合ガスを形成し、このオゾン−酸素混合ガスを流量制御器(10)で一定流量に制御して貯蔵容器(1)に供給するようにしてある。
【0008】
また、リリーフ路(7)はリリーフ弁(12)、オゾン分解器(14)で構成されており、貯蔵容器(1)内の圧力が設定圧力よりも上昇すると、リリーフ弁(12)が作動して、貯蔵容器(1)内から排出されるオゾン−酸素混合ガス中のオゾンガスをオゾン分解器(14)で分解させて大気に放出するようになっている。図中符号(15)はオゾン導出路(6)に配置した開閉弁、(16)は圧力指示器、(17)は温度指示器、(18)はヒータであり、開閉弁(15)は外箱(3)内に配置されている。また、このオゾン導出路(6)からオゾンモニター回路(19)が分岐導出してあり、このオゾンモニター回路(19)には、オゾンモニター(20)とオゾン分解器(21)が配置してある。このオゾン分解器(21)よりも下流側のオゾンモニター回路(19)に真空ポンプ(22)が分岐接続してある。
【0009】
なお、貯蔵容器(1)に充填するシリカゲル(2)としては、一般に市販されている純度99.7%のシリカゲルから不純物を可能な限り除去して、含有する不純物成分を重量比率でアルミニウム2.7ppm、チタン0.9ppm以下、鉄2.9ppm、カルシウム0.7ppm以下、マグネシウム0.9ppm以下、ナトリウム3ppm以下、ジルコニウム0.7ppm以下に調整することにより純度99.99%に調製して高純度シリカゲルとしたものを使用し、容器充填の前処理として加熱することによりシリカゲルから水分を除去したのち容器内に充填している。
【0010】
貯蔵容器(1)に流入したオゾン−酸素混合ガスは貯蔵容器(1)内に充填されているシリカゲル(2)に作用して、混合ガス中のオゾンがシリカゲル(2)に選択吸着される。このとき、残りの酸素ガスは未吸着の状態でオゾン導出路(6)から排出される。オゾン発生器(9)から導出されたオゾン−酸素混合ガス中のオゾンは5 vol%程度であるが、このシリカゲル(2)によるオゾン選択吸着によって、70 vol%程度までオゾン濃度は上昇する。
【0011】
シリカゲル(2)にオゾンを大気圧で飽和吸着させた後、貯蔵容器(1)内の圧力が供給オゾンの分圧である38Torrになるまで減圧する。この減圧操作により、酸素については飽和吸着時の気相部での酸素分圧を保持しようとして、シリカゲル(2)から酸素が優先的に脱離して排出される。一方オゾンについては、供給分圧の38 Torr 以上での減圧操作では気相部のオゾン分圧に変化は生じないから、シリカゲル ( 2 ) から離脱して排出されることはない。従って、貯蔵容器内でのオゾン濃度は理論的には100 vol%、現実には少なくとも90 vol%まで濃縮される。なお、この減圧操作時に貯蔵容器内が供給オゾンの分圧よりも低い圧力(例えば20Torr)になる状態まで減圧すると、シリカゲルに吸着されているオゾンの脱離量も多くなり、貯蔵量にロスがでるから、この減圧操作時には、貯蔵容器内の圧力がオゾンの供給分圧よりも低圧にならないようにすることが望ましい。
【0012】
このシリカゲル(2)に吸着された状態のオゾンの取り出しは、貯蔵容器(1)を冷却している温度を変化させることにより行う。すなわち、貯蔵容器(1)をヒータ等で熱したり、冷凍装置を停止させたりして冷却度合いを弱めて温度を上昇させるとシリカゲル(2)のオゾン吸着能力が低下することから、シリカゲル(2)からオゾンが放出される。このとき貯蔵容器(1)から取り出したオゾン濃度は、85 vol%であった。ここで、取り出されたオゾンの濃度が低下しているのは、脱離時にオゾンが分解して酸素が生成されることに起因すると思われる。
【0013】
【効果】
本発明は、貯蔵容器内のシリカゲルにオゾンガスを選択して飽和吸着させた後、貯蔵容器内を供給オゾンの分圧以下にならない圧力まで減圧させているので、この減圧操作により、シリカゲルに吸着されている吸着ガスから酸素成分が選択的に脱離してシリカゲルにオゾン成分を高濃度に吸着保持することができる。これにより安定した高濃度オゾンの利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 オゾン充填装置の概略図である。
【図2】 濃縮プロセスとオゾン濃度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…オゾン貯蔵容器、2…シリカゲル、3…外箱、4…ドライアイス、9…オゾン発生器。
Claims (1)
- 内部にシリカゲルを充填してなる貯蔵容器を冷却し、この貯蔵容器にオゾン発生器で発生させたオゾンガスを供給して貯蔵容器内のシリカゲルにオゾンを飽和吸着させ、次いで貯蔵容器内を供給オゾンの分圧以下にはならない圧力まで減圧するようにしたオゾンの濃縮方法。
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JP01356197A JP3825854B2 (ja) | 1997-01-28 | 1997-01-28 | オゾンガスの濃縮方法 |
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JPH10213293A JPH10213293A (ja) | 1998-08-11 |
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1997
- 1997-01-28 JP JP01356197A patent/JP3825854B2/ja not_active Expired - Lifetime
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