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JP3824098B2 - フローティングベアリング - Google Patents

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JP3824098B2
JP3824098B2 JP4459696A JP4459696A JP3824098B2 JP 3824098 B2 JP3824098 B2 JP 3824098B2 JP 4459696 A JP4459696 A JP 4459696A JP 4459696 A JP4459696 A JP 4459696A JP 3824098 B2 JP3824098 B2 JP 3824098B2
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JP
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cylinder
oil supply
supply port
bearing
groove
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健 三堀
幸照 関田
勉 酒井
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石川島播磨重工業株式会社
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    • F16C17/12Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement characterised by features not related to the direction of the load
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は回転機械の軸受に用いられるフローティングベアリングに関する。
【0002】
【従来の技術】
過給機はディーゼル機関などの内燃機関からの排気ガスによりタービンを回転してコンプレッサを回し、圧縮空気を生成して内燃機関に供給する。この過給機は高回転数で運転され、ラジアル軸受としてフローティングベアリングが用いられる。フローティングベアリングは内面が過給機の回転軸と嵌合し、外面が軸受ブッシュと嵌合し、各嵌合面に注入された潤滑油の油膜により軸からの荷重を軸受ブッシュに伝達する。
【0003】
図8は従来用いられているフローティングベアリングの一例の断面図である。フローティングベアリングを構成する円筒2の内面には回転軸1が嵌合し、外面は軸受ブッシュ3の内面と嵌合している。軸受ブッシュ3には給油口5が設けられ、円筒2にはこれに対応する位置に給油受口4が設けられている。軸受ブッシュ3は固定であり、円筒2は回転するので給油受口4が給油口5の位置に来た時円筒2内に潤滑油が注入される。一方円筒2外面には給油口5より常時潤滑油が供給されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
給油受口4より流入した潤滑油は回転軸1が矢印のように回転すると、F1で示すように流れるとともに一部はF2で示すように流れる。しかしPで示す範囲は潤滑油が回り難い。なお潤滑油には遠心力が作用するため回転軸1の回りに回り難くなっている。このため円筒内面の軸方向や円周方向に溝を設け、潤滑油が円筒内面に均一に分布するようにしているが十分ではなかった。油膜の分布が不均一となり油膜が不足する部分が生じるとホワール軸振動が大きくなる。ホワール軸振動とは図5のAに示すように軸の回転数が変わっても振動数があまり変化しない低周期の振動であり、油膜が薄くなると油膜による減衰効果が少なくなり、振動が大きくなる。ホワール軸振動が大きくなると回転軸1と円筒2の内面が接触しメタルの摩耗や焼き付きを生じ、回転軸1と円筒2の寿命が短かくなると言う問題が発生する。
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、円筒内面の油溝の配置と寸法を適正なものとすることにより、ホワール軸振動を少なくしたフローティングベアリングを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1の発明では、内面で軸と嵌合し外面で軸受ブッシュと嵌合した円筒よりなり、軸受ブッシュ内面には半径方向に給油口があり、前記円筒には、該給油口に対応した位置に半径方向に貫通した給油受口が設けられ、円筒内面には該給油受口より軸方向に横溝が設けられ、さらに該給油受口より円周方向に縦溝が設けられ、Lを円筒長さ、L1を縦溝の幅、D1を縦溝の深さ、D2を横溝の深さ、C1を軸外面と円筒内面との片側隙間、C2を軸受ブッシュ内面と円筒外面との片側隙間とすると、
L1=0.2L…(1)
D1=8(C1+C2)=1.6(D2+C1+C2)…(2)
前記縦溝の幅L1と縦溝の深さD1は前記(1)式と(2)式で表されるようにする。
【0007】
円筒内面に設けられた横溝は円筒内面の軸方向の油分布に関係し、縦溝は円周方向の分布の油分布に関係する。この縦溝が効果的に働き円周方向の分布を適切とし、ホワール軸振動を少なくするためには、縦溝の幅L1を(1)式の寸法とし、縦軸の深さD1を(2)式の寸法とすればよいことが実験的に分かった。なお、C1,C2は片側隙間を表すが、これは両側隙間の1/2の値である。
【0008】
請求項2の発明では、前記軸受ブッシュの給油口は1個であり、前記円筒の給油受口は縦溝上に等間隔で3個設けられている。このような配置とすることにより適切な油膜がえられ、ホワール軸振動が減少する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明のフローティングベアリングを備える過給機の縦断面図である。回転軸1は一方の端部にコンプレッサ翼C、他方の端部にタービン翼Tを有する。ベアリングハウジング12は回転軸1を軸支するとともにコンプレッサ翼C側でサポートリング13を介してコンプレッサハウジング14と結合し、タービン翼T側でタービンハウジング15と結合し、過給機を構成する。過給機はサポートリング13の取付脚13aでエンジン16に取付けられる。
【0010】
ベアリングハウジング12はジャーナル軸受17とスラスト軸受18により回転軸1を軸支する。また内部には給油路19と排油路20が設けられ、給油路19より両軸受17、18に給油し、排油路20に自由落下させる。ジャーナル軸受17はフローティングベアリングを構成する円筒2とこの円筒2を軸支する軸受ブッシュ3よりなり、軸受ブッシュ3には給油口5が設けられ、給油路19からの油を円筒2に供給する。
【0011】
図2はフローティングベアリングを構成する円筒2の縦断面図を示し、図3は図2のX−X断面図を示す。円筒2の長さLの中央の円周状上には等間隔(120°の間隔)に給油受口4が設けられ、各給油受口4では軸方向に横溝6が両端まで設けられ、円周方向に3個の給油受口4を連結して縦溝7が設けられている。
【0012】
図4は回転軸1、円筒2、および軸受ブッシュ3の関係を示す図である。円筒2はその給油受口4が軸受ブッシュ3の給油口5と一致するように配置される。L1は縦溝7の幅、D1は縦溝の深さを示す。なお、D2は図2に示すように横溝6の深さを示す。横溝6の幅は油の円周方向の分布に関し縦溝7の寸法とあまり関係しないので特に規定しないが、給油受口4の直径に応じた値とする。C1は回転軸1の外面と円筒2の内面との片側間隙、C2は軸受ブッシュ3の内面と円筒2の外面との片側間隙であり、C1は円筒2の内径と回転軸1の外径の差の1/2であり、C2は軸受ブッシュ3の内径と円筒2の外径の差の1/2である。
【0013】
次に軸振動の実験結果について説明する。実験は円筒2の縦溝の寸法を系統的に変えた円筒を複数製作し、過給機の回転数を変え、発生する軸振動の周期と振幅を計測する。円筒2の形状は図2、3に示す形状とする。図5は縦溝7を設けず次の寸法とした場合である。
D1=0(縦溝なし)
D2=3.9(C1+C2)
【0014】
図5において横軸は毎分当たりの回転数(RPM)、縦軸は振動の周期(Hz)を示し、丸の大きさは振幅の大きさを示す。図6、7も同様である。過給機の設計回転数は約40000回転であるが、実験は50000回転まで行った。Aはホワール軸振動を示し、Bは1次軸振動を示す。ホワール軸振動Aは低周期の振動で回転数に比例して周期が増加するが、増加率は極めて小さい。
【0015】
図6は浅い縦溝を設けた場合で、次の寸法を有する。
D1=2.7(C1+C2)
=0.54(D2+C1+C2)
L1=0.2L
【0016】
図6の場合、ホワール軸振動Aは図5の場合と殆ど変わらず浅い縦溝は効果がないことを示している。しかし1次振動の振幅は減少している。
【0017】
図7は適正な縦溝を設けた場合で、次の(1)式及び(2)式の寸法をゆうする。
D1=8(C1+C2)
=1.6(D2+C1+C2)・・・(1)
L1=0.2L・・・(2)
【0018】
図7の場合、ホワール軸振動は大幅に減少し、周期は回転数に無関係で一定となっている。25000回転までは発生せず、45000回転までに小さな振動が発生する程度で、実用的には殆ど発生しない状態である。1次振動も図5にくらべ振幅が減少している。
【0019】
このような実験結果を整理し、図7に示すように、実用的にはホワール軸振動が殆ど発生しない状態となるようにし、軸受としての設計条件も考慮して縦溝の深さD1と幅L1を定めたのが、下記の(1)´式と(2)´式である。
0.1L≦L1≦0.3L…(1)´
(D2+C1+C2)≦D1≦10(C1+C2)…(2)´
ここで、Lは円筒長さ、L1は縦溝の幅、D1は縦溝の深さ、D2は横溝の深さ、C1は軸外面と円筒内面との片側隙間、C2は軸受ブッシュ内面と円筒外面との片側隙間である。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明は、フローティングベアリングを構成する円筒内面の縦溝の寸法を(1)式と(2)式で示すようにすることにより、ホワール軸振動を大幅に減少させることができる。またこの減少により軸とその軸受の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフローティングベアリングを用いる過給機の縦断面図である。
【図2】 本実施の形態のフローティングベアリングを構成する円筒の縦断面図である。
【図3】 図2のX−X断面図である。
【図4】 回転軸、円筒および軸受ブッシュの関係を示す図である。
【図5】 実験結果を示す図で縦溝が無い場合を示す。
【図6】 実験結果を示す図で縦溝が浅い場合を示す。
【図7】 実験結果を示す図で縦溝が適正な寸法の場合を示す。
【図8】 従来のフローティングベアリングの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 回転軸
2 円筒
3 軸受ブッシュ
4 給油受口
5 給油口
6 横溝
7 縦溝
12 ベアリングハウジング
14 コンプレッサハウジング
15 タービンハウジング
17 ジャーナル軸受
18 スラスト軸受
19 給油路
20 排油路

Claims (2)

  1. 内面で軸と嵌合し外面で軸受ブッシュと嵌合した円筒よりなり、軸受ブッシュ内面には半径方向に給油口があり、前記円筒には、該給油口に対応した位置に半径方向に貫通した給油受口が設けられ、円筒内面には該給油受口より軸方向に横溝が設けられ、さらに該給油受口より円周方向に縦溝が設けられ、Lを円筒長さ、L1を縦溝の幅、D1を縦溝の深さ、D2を横溝の深さ、C1を軸外面と円筒内面との片側隙間、C2を軸受ブッシュ内面と円筒外面との片側隙間とすると、
    L1=0.2L…(1)
    D1=8(C1+C2)=1.6(D2+C1+C2)…(2)
    前記縦溝の幅L1と縦溝の深さD1は前記(1)式と(2)式で表されることを特徴とするフローティングベアリング。
  2. 前記軸受ブッシュの給油口は1個であり、前記円筒の給油受口は縦溝上に等間隔で3個設けられていることを特徴とする請求項1記載のフローティングベアリング。
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